JP2017147403A - 薄膜化合物太陽電池および薄膜化合物太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】内部短絡が抑制された薄膜化合物太陽電池を提供する。【解決手段】本発明の薄膜化合物太陽電池は、薄膜からなる基材と、基材上に位置し、第1の極性を有する裏面電極と、裏面電極上に位置する光電変換層と、裏面電極の上方に位置し、裏面電極と電気的に接続された第1の極性を有する第1表面電極と、光電変換層上に位置し、第1の極性とは異なる第2の極性を有する第2表面電極と、を備える。第1表面電極および光電変換層は、各々複数の面を有し、互いに間隔を空けて向かい合う第1表面電極の面と光電変換層の面との間には、絶縁部材が設けられている。【選択図】図3
Description
本発明は、薄膜化合物太陽電池および薄膜化合物太陽電池モジュールに関する。
薄膜化合物太陽電池の製造方法を開示した先行文献として、国際公開第2010/098293号(特許文献1)がある。特許文献1の薄膜化合物太陽電池においては、フィルム状のポリイミドからなる基材上に裏面電極、光電変換層および表面電極が形成されている。
また、太陽電池アレイの構成を開示した先行文献として、特開2009−44049号公報(特許文献2)がある。特許文献2に記載された太陽電池アレイは、少なくとも1つのpn接合を有する半導体単結晶層の受光面上に形成された第1の極性を有する第1電極と、半導体単結晶層の受光面側で、第1電極とは異なる表面上に形成された第2の極性を有する第2電極とを備えている。複数個の太陽電池セルのうちの第1の太陽電池セルの第1電極と、第2の太陽電池セルの第2電極とがインターコネクタにより接続されている。
薄膜化合物太陽電池をモジュール化するためには、特許文献2に開示されるように、互いに極性の異なる第1電極と第2電極との両電極を受光面に配置する必要がある。しかし、このような構成においては、第1電極の配置上、内部短絡が生じ易いという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、内部短絡が抑制された薄膜化合物太陽電池および薄膜化合物太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、薄膜からなる基材と、基材上に位置し、第1の極性を有する裏面電極と、裏面電極上に位置する光電変換層と、裏面電極の上方に位置し、裏面電極と電気的に接続された第1の極性を有する第1表面電極と、光電変換層上に位置し、第1の極性とは異なる第2の極性を有する第2表面電極と、を備え、第1表面電極および光電変換層は、各々複数の面を有し、互いに間隔を空けて向かい合う第1表面電極の面と光電変換層の面との間には、絶縁部材が設けられている、薄膜化合物太陽電池である。
また本発明は、上記薄膜化合物太陽電池を備える薄膜化合物太陽電池モジュールである。
本発明によれば、内部短絡が抑制された薄膜化合物太陽電池、および薄膜化合物太陽電池モジュールを提供することができる。
以下、実施形態について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また以下、薄膜化合物太陽電池を単に「太陽電池」と記す場合があり、同様に薄膜化合物太陽電池モジュールを単に「太陽電池モジュール」と記す場合がある。
[実施形態1]
(太陽電池の構成)
図1〜図3に示されるように、実施形態1の太陽電池100は、基材1と、裏面電極2と、光電変換層PCL(Photoelectric Conversion Layer)と、第1表面電極7と、第2表面電極8と、絶縁部材9と、反射防止膜9Aとが設けられている。本実施形態1において、光電変換層PCLは、p型コンタクト層3、p型ベース層4、n型エミッタ層5、およびn型コンタクト層6とからなり、絶縁部材9と反射防止膜9Aとは一体的に形成されている。なお、図1においては、第1表面電極7と第2表面電極8の配置が明確となるように、これらの構成のみを図示している。
(太陽電池の構成)
図1〜図3に示されるように、実施形態1の太陽電池100は、基材1と、裏面電極2と、光電変換層PCL(Photoelectric Conversion Layer)と、第1表面電極7と、第2表面電極8と、絶縁部材9と、反射防止膜9Aとが設けられている。本実施形態1において、光電変換層PCLは、p型コンタクト層3、p型ベース層4、n型エミッタ層5、およびn型コンタクト層6とからなり、絶縁部材9と反射防止膜9Aとは一体的に形成されている。なお、図1においては、第1表面電極7と第2表面電極8の配置が明確となるように、これらの構成のみを図示している。
基材1は、薄膜状の形状を有する。裏面電極2は、基材1上に位置しており、第1の極性(p型)を有している。裏面電極2は、後述するような光の入射を考慮する必要がないため、基材1の全面に設けることができる。
第1表面電極7は、裏面電極2の上方に位置しており、裏面電極2と同様(p型)の第1の極性を有し、かつ裏面電極2と電気的に接続されている。なお、本実施形態では、光電変換層PCLを構成するp型コンタクト層3上に位置しているが、裏面電極2上に設けられていてもよい。
第1表面電極7は、裏面電極2の上方に位置しており、裏面電極2と同様(p型)の第1の極性を有し、かつ裏面電極2と電気的に接続されている。なお、本実施形態では、光電変換層PCLを構成するp型コンタクト層3上に位置しているが、裏面電極2上に設けられていてもよい。
光電変換層PCLは、裏面電極2上に位置している。光電変換層PCLは、少なくとも1つのpn接合を有していればよい。本実施形態においては、基材1側から順に、p型コンタクト層3、p型ベース層4、n型エミッタ層5、およびn型コンタクト層6が積層された構成を有している。ただし、光電変換層PCLの構造はこれに限られず、窓層、裏面電界層、多接合型太陽電池のトンネル接合層等、他のエミッタ層、他のベース層等を有していてもよい。
第2表面電極8は、光電変換層PCL上に位置しており、第1の極性とは異なる第2の極性(n型)を有する。太陽電池100において、第2表面電極8が設けられている面は受光面であるため、太陽光等の光を効率的に入射させる観点から、第2表面電極8は、所定のパターンを有している。
第1表面電極7および光電変換層PCLは、各々複数の面を有している。本実施形態において、第1表面電極は、p型コンタクト層3に接する下面と、該下面と対向する上面と、下面と上面とを繋ぐ4つの側面とを有している。第1表面電極7のこれらの6つの面のうち、3つの側面は、それぞれ光電変換層PCLの3つの面(側面)と互いに間隔を空けて向かい合っている。そして、互いに間隔を空けて向かい合う第1表面電極7の面(側面)と光電変換層PCLの面(側面)との間には、絶縁部材9が設けられている。
絶縁部材9は、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面(第1表面電極の面と光電変換層PCLの面)のうち、光電変換層PCLの面を覆っていることが好ましく、該面の全面を被覆していることがより好ましい。また、絶縁部材9は、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面のうち、第1表面電極の面を覆っていることが好ましく、該面の全面を被覆していることがより好ましい。特に、図2および図3に示されるように、第1表面電極の面および第2の表面電極の面との間の領域全てに絶縁部材9が充填されることにより、両面を被覆していることがさらに好ましい。この場合、互いに向かい合う第1表面電極7の側面と光電変換層PCLの側面とは、絶縁部材9を介して物理的に接続される構成となる。
反射防止膜9Aは、受光面側において、光電変換層PCLを被覆している。本実施形態において、反射防止膜9Aと絶縁部材9とは一体的に形成されている。
(太陽電池の製造方法)
図4〜図13を用いながら、実施形態1の太陽電池100の製造方法の一例について説明する。なお、各図に示される各積層体に関し、図中上方に位置する面を上面とする。
図4〜図13を用いながら、実施形態1の太陽電池100の製造方法の一例について説明する。なお、各図に示される各積層体に関し、図中上方に位置する面を上面とする。
まず、図4に示すように、基板10上に、n型コンタクト層6、n型エミッタ層5、p型ベース層4およびp型コンタクト層3が順に積層される。
基板10としては、Ge、GaP、GaAsなどのウエハを用いることができる。光電変換層PCLを構成するこれらの各層は、化合物半導体層であり、周知のプロセス、たとえば有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させることにより積層させることができる。n型コンタクト層6の材料としては、たとえばn型のGaAsを用いることができる。n型エミッタ層5の材料としては、たとえばn型のInGaPを用いることができる。p型ベース層4の材料としては、たとえばp型のInGaPを用いることができる。p型コンタクト層3の材料としては、たとえばp型のGaAsを用いることができる。
また基板10とn型コンタクト層6との間に、たとえばInGaPからなるエッチングストップ層が設けられていてもよい。これにより、基板10をエッチング除去する際のn型コンタクト層6の意図しないエッチングを抑制することができる。
次に、図5に示すように、p型コンタクト層3上に、裏面電極2と、基材1が積層される。
裏面電極2は、たとえば、p型コンタクト層3の露出する面に対し、Al、Agなどの金属ペーストをスクリーン印刷し、その後印刷された金属ペーストを焼成することにより形成することができる。また、p型コンタクト層3の露出する面に対し、Al、Agなどの金属材料を蒸着させてもよい。本実施形態において、裏面電極2はp型コンタクト層3の全面を被覆する。
基材1は、フィルム状の樹脂からなる。このような基材1は、たとえば、常温においてワニス状の樹脂をスピンコート法などにより裏面電極2の上面全体に塗布した後、塗布された樹脂を固化(焼成)させることにより形成することができる。樹脂としては、300℃以上の耐熱性を有する材料を用いることができ、たとえばポリイミドが好適に用いられる。
基材1の厚みは特に制限されないが、薄膜化合物半導体太陽電池の特性を発揮するためには、30μm以下であることが好ましい。特に、基材1がポリイミドからなる場合、その厚みは3〜20μm(3μm以上20μm以下)であることが好ましい。ポリイミド膜の厚みが20μmを超える場合、薄膜化合物半導体太陽電池の作製工程において、基板10の破壊要因となり、薄膜化合物太陽電池の作製が困難となる傾向がある。ポリイミド膜の厚みが3μm未満の場合、ポリイミド膜の基材としての機械的強度が不足するため、作製された薄膜化合物太陽電池が破断に至ることが懸念される。
次に、図6に示すように、基板10が除去される。たとえば、エッチング液を用いて基板10をエッチングすることにより除去することができる。エッチング液は基板10の種類によって異なるが、たとえば基板10がGeからなる場合には、フッ酸、過酸化水素水、水をそれぞれ1:1:4の割合で含む溶液を用いることができる。
なお、以降の工程においては、基材1のうちの裏面電極2が形成されていない面に、補強材を設けていてもよい。補強材としては、紫外線を照射されると粘着力が低下する粘着剤が一方の面(基材1に接する面)に塗布されたPETフィルムなどを用いることができる。補強材を設けることにより、以降の工程において、各積層体の破損のおそれを低減させることができる。この補強材は、最終製品となる前に除去される。
次に、図7に示すように、n型コンタクト層6、n型エミッタ層5、およびp型ベース層4のうち、第1表面電極7が形成される位置に対応する部分が除去される。
たとえば、フォトリソグラフィ法を用いて、図6に示す積層体の上面のうち、第1表面電極7が形成される位置以外の部分にレジストを形成する。そして、レジストを形成した状態でn型コンタクト層6、n型エミッタ層5、およびp型ベース層4をエッチングすることにより、各層のうちのレジストで覆われていない部分がエッチング除去され、その後レジストを除去することにより、図7に示す積層体を形成することができる。
なお、本実施形態においては、p型コンタクト層3が残っている段階でエッチングを止めているが、裏面電極2が露出するまで、エッチングを進行させてもよい。
次に、図8に示すように、n型コンタクト層6のうちの残すべき位置(最終製品においてn型コンタクト層6が存在する位置)と、第1表面電極7が形成されるべき位置に、保護膜11が形成される。保護膜11は、たとえばフォトリソグラフィ法によりパターニングされたレジストである。そして、n型コンタクト層6をエッチング可能なエッチング液を用いることにより、n型コンタクト層6のうち保護膜11で覆われていない部分がエッチングされる。エッチング液としては、たとえばクエン酸および過酸化水素水をそれぞれ4:1の割合で含む溶液を用いることができる。これにより、図9に示す積層体が形成される。
次に、図9に示す積層体の上面に対し、図10に示すように、絶縁膜12を形成する。絶縁膜12は、たとえば、上記積層体の上面に向かって絶縁性の材料を電子ビーム蒸着させることにより形成することができる。絶縁膜12の組成としては、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化珪素(SiO2、SiO)、窒化珪素(SiN)、酸化タンタル(Ta2O5)などが挙げられる。
ここで、絶縁膜12は、後に続く工程を経て、絶縁部材9および反射防止膜9Aとなる。反射防止膜9Aの厚みは、50〜300nmが好ましいため、絶縁膜12は、その厚みが50〜300nmとなるように形成されることが好ましい。また、絶縁膜12は、積層構造であってもよい。積層構造としては、たとえば酸化珪素膜と窒化シリコン膜との2層構造などが挙げられる。絶縁膜12をこのような屈折率の異なる複数の層を重ねた構成とすることにより、絶縁膜12よりなる反射防止膜9Aの反射防止性能を向上させることができる。
次に、保護膜11を除去することにより、保護膜11上に形成された絶縁膜12が保護膜11と共に除去される。保護膜11の除去方法は特に制限されず、たとえば保護膜11が上記レジストである場合、保護膜11を備える積層体を有機溶剤に浸漬させることにより、レジストを溶解させることができる。これにより、図11に示す積層体が形成される。
次に、図12に示すように、積層体の上面に対し、第1表面電極7および第2表面電極8が設けられる位置が開口するようにパターニングされた保護膜13が形成される。保護膜13は、たとえばフォトリソグラフィ法によりパターニングされたレジストである。
次に、図13に示すように、積層体の上面に対し、電極材料からなる電極層14を形成する。電極層14の形成方法は特に制限されず、たとえばAl、Agなどの金属材料を蒸着させることにより、電極層14を形成することができる。
次に、保護膜13を除去することにより、保護膜13上に形成された電極層14が保護膜13と共に除去される。これにより、残った電極層14は、それぞれ第1表面電極7および第2表面電極8を構成し、もって図1〜図3に示す太陽電池100が形成される。
(作用効果)
実施形態1の太陽電池100の作用効果について、図14〜図18に示す従来の太陽電池500と比較しながら説明する。なお、図14は、従来の太陽電池の模式的な断面図であり、図15〜図18は、従来の太陽電池の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。
実施形態1の太陽電池100の作用効果について、図14〜図18に示す従来の太陽電池500と比較しながら説明する。なお、図14は、従来の太陽電池の模式的な断面図であり、図15〜図18は、従来の太陽電池の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。
図14に示す太陽電池500は、以下のようにして製造されていた。まず、上述の同様の方法にしたがって図7に示す積層体が形成される。次に、図15に示すように、n型コンタクト層6のうちの残すべき位置(最終製品においてn型コンタクト層6が存在する位置)にのみ、保護膜11が形成される。次に、n型コンタクト層6のうち保護膜11で覆われていない部分がエッチングされた後、保護膜11が除去される。これにより、図16に示す積層体が形成される。
次に、図17に示すように、積層体の上面に対し、第1表面電極7および第2表面電極8が設けられる位置が開口するようにパターニングされた保護膜13が形成される。そして、上述と同様の方法にしたがって、図18に示すように、積層体の上面に対し、電極材料からなる電極層14を形成する。次に、保護膜13を除去することにより、保護膜13上に形成された電極層14が保護膜13と共に除去される。これにより、第1表面電極7および第2表面電極8が形成される。最後に、反射防止膜9Aが蒸着法等により設けられ、これによって、図14に示す太陽電池が製造される。
このように、従来の太陽電池500の製造方法は、上述の本実施形態の太陽電池100の製造方法と大きく異なっている。特に、太陽電池100の上記製造方法においては、n型コンタクト層6を除去する際、n型コンタクト層6のうちの残すべき位置と、第1表面電極7が形成されるべき位置に、保護膜11が形成されるのに対し、従来の太陽電池500の製造方法では、n型コンタクト層6のうちの残すべき位置にのみ保護膜11が形成される。また、反射防止膜9Aを形成するタイミングも両製造方法において異なっている。
上記のような相違のために、従来の太陽電池500においては、第1表面電極7の側面Wと、光電変換層PCLの側面Zとの間(互いに間隔を空けて向かい合う第1表面電極7の面と光電変換層PCLの面との間)には、絶縁部材9に相当するような部材は設けられていなかった。このため、図18に示される積層体を有機溶剤に浸漬させて、保護膜13および電極層14を除去(リフトオフ)する際に、光電変換層PCLの側面Zと第1表面電極7の側面Wとの間に電位差が生じた場合、両側面間において電極材料のイオンマイグレーションが発生していまい、結果的に内部短絡が生じるという問題があった。
これに対し、太陽電池100においては、第1表面電極7および光電変換層PCLのうち、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面の間には、絶縁部材9が設けられている。このため、絶縁部材9によって上記のようなイオンマイグレーションの発生を抑制することができ、もって太陽電池100における内部短絡を抑制することができる。
また、従来の太陽電池500においては、光電変換層PCLの側面Zと第1表面電極7の側面との距離(図14の距離d)に関し、上述のようなイオンマイグレーションを防止するためのギャップを考慮する必要があった。このため、発電に寄与できる有効な光電変換層PCLの面積の拡大には限界があった。
これに対し、太陽電池100においては、第1表面電極7および光電変換層PCLのうち、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面の間の距離に関し、上記のようなイオンマイグレーションを抑制するためのギャップ(距離)を考慮する必要がない。このため、太陽電池100において、第1表面電極7および光電変換層PCLのうち、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面の間の距離を従来よりも狭めることができ、もって発電に寄与できる有効な光電変換層PCLの面積を拡大させることができる。
また、本実施形態においては、絶縁部材9と反射防止膜9Aとを同じ工程で形成することができる。このため、工程数の不要な増加を抑制することができる。また、一体的に形成されていることから、絶縁部材9と反射防止膜9Aとの間における意図しない隙間や欠陥等の発生を抑制することができる。このため、上述のイオンマイグレーションの発生の抑制効果は特に優れていると言える。
なお、従来の太陽電池500において、第1表面電極7および光電変換層PCLのうち、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面の間に絶縁部材9を設ける場合を仮定する。たとえば、第1表面電極7と第2表面電極8とを作製して保護膜13を除去した後に、絶縁部材9を構成する材料を目的とする位置に蒸着させる方法が考えられる。しかし、太陽電池500において、第1表面電極7および光電変換層PCLのうち、互いに間隔を空けて向かい合う2つの面の間の領域は、太陽電池500の厚み方向において、比較的深い位置にある。このような領域に対して、蒸着による絶縁部材を適切に設けることは難しく、故にマイグレーションの十分な抑制効果は得られないものと推察される。
上述の実施形態1においては、第1の極性をp型とし、第2の極性をn型としたが、第1の極性をn型とし、第2の極性をp型としてもよい。
[実施形態2]
(太陽電池の構成)
図1、図19および図20に示されるように、実施形態2の太陽電池200は、基材1と、裏面電極2と、光電変換層PCL(Photoelectric Conversion Layer)と、第1表面電極7と、第2表面電極8と、絶縁部材9と、反射防止膜9Aとが設けられている。本実施形態2において、絶縁部材9と反射防止膜9Aとは、異なる部材からなり、一体的に形成されていない点で、実施形態1の太陽電池200と相違する。
(太陽電池の構成)
図1、図19および図20に示されるように、実施形態2の太陽電池200は、基材1と、裏面電極2と、光電変換層PCL(Photoelectric Conversion Layer)と、第1表面電極7と、第2表面電極8と、絶縁部材9と、反射防止膜9Aとが設けられている。本実施形態2において、絶縁部材9と反射防止膜9Aとは、異なる部材からなり、一体的に形成されていない点で、実施形態1の太陽電池200と相違する。
(太陽電池の製造方法)
図21〜図27を用いながら、実施形態2の太陽電池の製造方法の一例について説明する。
図21〜図27を用いながら、実施形態2の太陽電池の製造方法の一例について説明する。
まず、実施形態1の太陽電池の製造方法と同様の方法により形成された図7に示す積層体に対し、図21に示すように、n型コンタクト層6のうちの残すべき位置(最終製品においてn型コンタクト層6が存在する位置)に、保護膜11が形成される。そして、n型コンタクト層6をエッチング可能なエッチング液を用いることにより、n型コンタクト層6のうち保護膜11で覆われていない部分がエッチングされる。その後、保護膜11を除去することにより、図22に示す積層体が形成される。
次に、図23に示すように、積層体の上面に対し、絶縁膜21を形成する。絶縁膜21は、たとえば上記積層体の上面に向かって絶縁性の材料を電子ビーム蒸着させることにより形成することができる。絶縁膜21は後に続く工程を経て、絶縁部材9となる膜であり、その組成としては、上述の酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化珪素(SiO2、SiO)、窒化珪素(SiN)、酸化タンタル(Ta2O5)などの他、ポリイミドがあげられる。
特に、本実施形態においては、実施形態1のように、絶縁膜21の形成において反射防止膜に適切な材料や厚みを考慮する必要がないため、反射防止膜9Aや絶縁膜21の設計に関する自由度は広い傾向がある。本実施形態において、絶縁膜21は感光性ポリイミドからなるポリイミド膜であることが好ましい。厚膜化や所定の箇所への絶縁膜の形成が容易なためである。
次に、図24に示すように、絶縁膜21上に、絶縁部材9が設けられる位置以外の部分が開口するようにパターニングされたガラスマスク22を用いて露光する。たとえば絶縁膜21が感光性ポリイミドからなるポリイミド膜である場合、アルカリ水溶液で現像することにより、このような絶縁膜21の除去が可能となる。これによって図25に示すように、絶縁部材9が設けられた積層体が得られる。
次に、図26に示すように、積層体の上面に対し、第1表面電極7および第2表面電極8が設けられる位置が開口するようにパターニングされた保護膜13が形成される。そして、積層体の上面に対し、電極材料からなる電極層14を形成した後、保護膜13を除去することにより、図27に示すように、第1表面電極7および第2表面電極8が形成された積層体が得られる。
次に、図27に示す積層体の上面に対し、反射防止膜9Aを形成することにより、図1、図19および図20に示す太陽電池200が形成される。
(作用効果)
実施形態2の太陽電池200によれば、実施形態1の太陽電池100と同様に、上述のイオンマイグレーションの発生を抑制することができ、もって太陽電池200における内部短絡を抑制することができる。
実施形態2の太陽電池200によれば、実施形態1の太陽電池100と同様に、上述のイオンマイグレーションの発生を抑制することができ、もって太陽電池200における内部短絡を抑制することができる。
また、絶縁部材9において、反射防止膜9Aには適切ではない材料や厚みを採用することができる。たとえば、絶縁部材9としてポリイミド膜を用いた場合には、光電変換層PCLの側面Zを確実に覆うことができるため、その絶縁性をさらに高めることができる。
実施形態2における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態3]
図28に、実施形態3の太陽電池モジュールの模式的な断面図を示す。実施形態3の太陽電池モジュール300は、複数の太陽電池100を備えていることを特徴とする。太陽電池モジュール300において、太陽電池100は、それぞれインターコネクタ32によって電気的に直列に接続されている。また両端のインターコネクタ32上には、それぞれ取り出し電極30,31が接続されている。
図28に、実施形態3の太陽電池モジュールの模式的な断面図を示す。実施形態3の太陽電池モジュール300は、複数の太陽電池100を備えていることを特徴とする。太陽電池モジュール300において、太陽電池100は、それぞれインターコネクタ32によって電気的に直列に接続されている。また両端のインターコネクタ32上には、それぞれ取り出し電極30,31が接続されている。
実施形態3における上記以外の説明は実施形態1と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態4]
図29に、実施形態4の太陽電池モジュールの模式的な断面図を示す。実施形態4の太陽電池モジュール400は、複数の太陽電池200を備えていることを特徴とする。太陽電池モジュール400において、太陽電池200は、それぞれインターコネクタ32によって電気的に直列に接続されている。また両端のインターコネクタ32上には、それぞれ取り出し電極30,31が接続されている。
図29に、実施形態4の太陽電池モジュールの模式的な断面図を示す。実施形態4の太陽電池モジュール400は、複数の太陽電池200を備えていることを特徴とする。太陽電池モジュール400において、太陽電池200は、それぞれインターコネクタ32によって電気的に直列に接続されている。また両端のインターコネクタ32上には、それぞれ取り出し電極30,31が接続されている。
実施形態4における上記以外の説明は実施形態2と同様であるため、その説明については繰り返さない。
以上のように各実施形態について説明を行なったが、上述の各実施形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基材、2 裏面電極、3 p型コンタクト層、4 p型ベース層、5 n型エミッタ層、6 n型コンタクト層、7 第1表面電極、8 第2表面電極、9 絶縁部材、9A 反射防止膜、10 基板、11,13 保護膜、12,21 絶縁膜、22 ガラスマスク、30,31 取り出し電極、32 インターコネクタ、100,200,500 太陽電池、300,400 太陽電池モジュール。
Claims (5)
- 薄膜状の基材と、
前記基材上に位置し、第1の極性を有する裏面電極と、
前記裏面電極上に位置する光電変換層と、
前記裏面電極の上方に位置し、前記裏面電極と電気的に接続された第1の極性を有する第1表面電極と、
前記光電変換層上に位置し、前記第1の極性とは異なる第2の極性を有する第2表面電極と、を備え、
前記第1表面電極および前記光電変換層は、各々複数の面を有し、
互いに間隔を空けて向かい合う前記第1表面電極の面と前記光電変換層の面との間には、絶縁部材が設けられている、薄膜化合物太陽電池。 - 光電変換層上に反射防止膜を備え、
前記反射防止膜と前記絶縁部材とは同一の材料からなる、請求項1に記載の薄膜化合物太陽電池。 - 光電変換層上に反射防止膜を備え、
前記反射防止膜と前記絶縁部材とは異なる材料からなる、請求項1に記載の薄膜化合物太陽電池。 - 前記絶縁部材は、前記互いに間隔を空けて向かい合う2つの面のうち、前記光電変換層の面を覆う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薄膜化合物太陽電池。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の薄膜化合物太陽電池を備える薄膜化合物太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016030067A JP2017147403A (ja) | 2016-02-19 | 2016-02-19 | 薄膜化合物太陽電池および薄膜化合物太陽電池モジュール |
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JP2016030067A JP2017147403A (ja) | 2016-02-19 | 2016-02-19 | 薄膜化合物太陽電池および薄膜化合物太陽電池モジュール |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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2016
- 2016-02-19 JP JP2016030067A patent/JP2017147403A/ja active Pending
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