JP2017147141A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単且つコンパクトな構成で、バッファ部に生成水が滞留することを可及的に抑制することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10を構成する第2樹脂枠付きMEA16bの第2樹脂枠部材72の上面72bには、燃料ガス出口バッファ部50bを構成する凸部が設けられる。第2樹脂枠部材72の下面72aは、全面に亘って平坦面形状に形成される。第2樹脂枠付きMEA16bの上方に配置される第3金属セパレータ20の下面20aには、凹部のみが設けられる。第2樹脂枠付きMEA16bの下方に配置される第2金属セパレータ18の上面18bには、凸部のみが設けられる。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池スタック10を構成する第2樹脂枠付きMEA16bの第2樹脂枠部材72の上面72bには、燃料ガス出口バッファ部50bを構成する凸部が設けられる。第2樹脂枠部材72の下面72aは、全面に亘って平坦面形状に形成される。第2樹脂枠付きMEA16bの上方に配置される第3金属セパレータ20の下面20aには、凹部のみが設けられる。第2樹脂枠付きMEA16bの下方に配置される第2金属セパレータ18の上面18bには、凸部のみが設けられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体高分子電解質膜の外周を周回して樹脂枠部材が設けられる樹脂枠付きMEAと、前記樹脂枠付きMEAの両側に積層されるセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが重力方向に積層される燃料電池スタックに関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。燃料電池は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード電極が、前記固体高分子電解質膜の他方の面にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。アノード電極及びカソード電極は、それぞれ触媒層(電極触媒層)とガス拡散層(多孔質カーボン)とを有している。
電解質膜・電極構造体は、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持されることにより、発電セル(単位燃料電池)が構成されている。この発電セルは、所定の数だけ積層されることにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
燃料電池では、積層されている各発電セルのアノード電極及びカソード電極に、それぞれ反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するため、所謂、内部マニホールドを構成する場合が多い。
内部マニホールドは、発電セルの積層方向に貫通して設けられる反応ガス入口連通孔(燃料ガス入口連通孔、酸化剤ガス入口連通孔)及び反応ガス出口連通孔(燃料ガス出口連通孔、酸化剤ガス出口連通孔)を備えている。反応ガス入口連通孔は、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路(燃料ガス流路、酸化剤ガス流路)の入口側に連通する一方、反応ガス出口連通孔は、前記反応ガス流路の出口側に連通している。
この場合、反応ガス入口連通孔及び反応ガス出口連通孔は、開口幅寸法が反応ガス流路の流路幅寸法に比べて相当に小さな寸法に設定されている。従って、反応ガス流路における反応ガスの流れを均等且つ円滑に行うために、反応ガス入口連通孔及び反応ガス出口連通孔の近傍には、前記反応ガスを良好に配流させるバッファ部が必要になっている。
そこで、簡単且つ経済的な構成で、各反応ガスを各反応ガス流路に沿って円滑且つ均一に流通させることを課題とする燃料電池が、特許文献1に開示されている。この燃料電池は、電解質膜・電極構造体の外周部に樹脂枠部材が設けられている。そして、樹脂枠部材の一方の面には、一方の反応ガス流路に連結される第1のバッファ部が形成されるとともに、他方の面には、他方の反応ガス流路に連結され、前記第1のバッファ部とは個別に構成される第2のバッファ部が形成されている。
従って、樹脂枠部材の両面には、それぞれ所望の形状を有する第1のバッファ部と第2のバッファ部とを個別に形成することが可能になる。このため、第1の反応ガス流路及び第2の反応ガス流路には、それぞれ反応ガスを円滑に流通させることができる、としている。
本発明は、この種の燃料電池に関連してなされたものであり、簡単且つコンパクトな構成で、バッファ部に生成水が滞留することを可及的に抑制し反応ガスを円滑に流通させることが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池スタックは、発電セルを備え、複数の前記発電セルは、電極面を水平方向に沿って配置した状態で、重力方向に積層されている。発電セルは、両面に電極が設けられた固体高分子電解質膜の外周を周回して樹脂枠部材が設けられる樹脂枠付きMEAと、前記樹脂枠付きMEAの両側に積層されるセパレータと、を有している。
樹脂枠付きMEAとセパレータとの間には、電極面に沿って反応ガスを流通させる反応ガス流路が形成され、さらに前記樹脂枠付きMEAと前記セパレータとの積層方向に前記反応ガスを流通させる反応ガス連通孔が形成されている。そして、反応ガス流路と反応ガス連通孔とは、電極面の発電領域外に設けられたバッファ部を介して連通している。
この燃料電池スタックでは、樹脂枠部材の上面には、バッファ部を構成する凸部が上方に向かって設けられる一方、前記樹脂枠部材の下面は、全面に亘って平坦面形状に形成されている。樹脂枠付きMEAの上面に対向するセパレータの下面には、バッファ部を構成する凹部のみが、樹脂枠部材の上面に対向して設けられている。さらに、樹脂枠付きMEAの下面に対向するセパレータの上面には、バッファ部を構成する凸部のみが、樹脂枠部材の下面に対向して設けられている。
本発明によれば、樹脂枠部材の上面には、バッファ部を構成する凸部が上方に向かって設けられる一方、前記樹脂枠部材の下面は、全面に亘って平坦面形状に形成されている。このため、樹脂枠部材は、簡単且つコンパクトな構成で、バッファ部の厚さを良好に確保することができる。
しかも、上方のセパレータの下面には、樹脂枠部材の上面に対向して凹部のみが設けられるとともに、下方のセパレータの上面には、前記樹脂枠部材の下面に対向して凸部のみが設けられている。従って、バッファ部を構成する各凸部は、下方に向かって凹形状を有することがなく、前記凹形状に生成水が溜まることを阻止することができる。これにより、簡単且つコンパクトな構成で、バッファ部に生成水が滞留することを可及的に抑制することが可能になる。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る燃料電池スタック10は、発電セル12を備える。複数の発電セル12は、電極面を水平方向(矢印B方向及び矢印C方向)に沿って配置した状態で、鉛直方向(矢印A方向)に積層される。燃料電池スタック10は、例えば、図示しないが燃料電池電気自動車に搭載される車載用燃料電池スタックとして使用される。
発電セル12は、第1金属セパレータ14、第1樹脂枠付きMEA16a、第2金属セパレータ18、第2樹脂枠付きMEA16b及び第3金属セパレータ20を設ける。
第1金属セパレータ14、第2金属セパレータ18及び第3金属セパレータ20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板等により構成される。第1金属セパレータ14、第2金属セパレータ18及び第3金属セパレータ20は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。
図1に示すように、発電セル12の長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、それぞれ矢印A方向(積層方向)に個別に連通して、酸化剤ガス入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔22aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、燃料ガス出口連通孔24bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電セル12の長辺方向の他端縁部には、それぞれ矢印A方向に個別に連通して、燃料ガスを供給する燃料ガス入口連通孔24a及び酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス出口連通孔22bが設けられる。
発電セル12の短辺方向(矢印C方向)の両端縁部一方(酸化剤ガス入口連通孔22a側)には、それぞれ矢印A方向に個別に連通して、冷却媒体を供給する一対の冷却媒体入口連通孔26aが設けられる。発電セル12の短辺方向の両端縁部他方(燃料ガス入口連通孔24a側)には、それぞれ矢印A方向に個別に連通して、冷却媒体を排出する一対の冷却媒体出口連通孔26bが設けられる。
第1金属セパレータ14の第1樹脂枠付きMEA16aに向かう上面14aには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bとに連通する第1酸化剤ガス流路28が形成される。第1酸化剤ガス流路28は、互いに並列する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)を有する。
第1酸化剤ガス流路28の入口側端部には、発電領域外に位置して酸化剤ガス入口バッファ部32aが連なる一方、前記第1酸化剤ガス流路28の出口側端部には、発電領域外に位置して酸化剤ガス出口バッファ部32bが連なる。酸化剤ガス入口バッファ部32aは、複数個のエンボス部(凸部)32aeを有する。図2に示すように、エンボス部32aeは、第1金属セパレータ14の下面14bに凹部のみを設けるように、すなわち、上面14aに上方に向かって凸部のみが突出するように構成される。
図1に示すように、酸化剤ガス出口バッファ部32bは、複数個のエンボス部(凸部)32beを有する。エンボス部32beは、第1金属セパレータ14の下面14bに凹部のみを設けるように、すなわち、上面14aに上方に向かって凸部のみが突出するように構成される。酸化剤ガス入口バッファ部32aと酸化剤ガス入口連通孔22aとの間には、複数本の入口連結溝33aが形成される。酸化剤ガス出口バッファ部32bと酸化剤ガス出口連通孔22bとの間には、複数本の出口連結溝33bが形成される。
第1酸化剤ガス流路28の裏面形状は、冷却媒体流路30の一部を構成する。なお、エンボス部32ae、32beは、円形の他、楕円や四角形等の多角形でもよい。酸化剤ガス入口バッファ部32aは、エンボス部32aeとともに、又は該エンボス部32aeに代えて、複数本のライン状凸部を有してもよい。また、酸化剤ガス出口バッファ部32bは、エンボス部32beとともに、又は該エンボス部32beに代えて、複数本のライン状凸部を有してもよい。
図3に示すように、第2金属セパレータ18の第1樹脂枠付きMEA16aに向かう下面18aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通する第1燃料ガス流路34が形成される。第1燃料ガス流路34は、互いに並列する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)を有する。
第1燃料ガス流路34の入口側端部には、発電領域外に位置して燃料ガス入口バッファ部36aが連なる一方、前記第1燃料ガス流路34の出口側端部には、発電領域外に位置して燃料ガス出口バッファ部36bが連なる。燃料ガス入口バッファ部36aは、複数個のエンボス部(凸部)36aeを有する。エンボス部36aeは、第2金属セパレータ18の下面18aに上方に向かう凹部のみを設けるように、すなわち、上面18bに上方に向かって凸部のみが突出するように構成される。
燃料ガス出口バッファ部36bは、複数個のエンボス部(凸部)36beを有する。図2に示すように、エンボス部36beは、第2金属セパレータ18の下面18aに凹部のみを設けるように、すなわち、上面18bに上方に向かって凸部のみが突出するように構成される。
図3に示すように、燃料ガス入口バッファ部36aと燃料ガス入口連通孔24aとの間には、複数本の入口連結溝38aが形成され、前記入口連結溝38aが蓋体40aにより覆われる。燃料ガス出口バッファ部36bと燃料ガス出口連通孔24bとの間には、複数本の出口連結溝38bが形成され、前記出口連結溝38bが蓋体40bに覆われる。
図1に示すように、第2金属セパレータ18の第2樹脂枠付きMEA16bに向かう上面18bには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bとに連通する第2酸化剤ガス流路42が形成される。第2酸化剤ガス流路42は、互いに並列する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)を有する。第2金属セパレータ18に形成される第2酸化剤ガス流路42の裏面形状が、第1燃料ガス流路34の形状である。
第2酸化剤ガス流路42の入口側端部には、発電領域外に位置して酸化剤ガス入口バッファ部44aが連なる一方、前記第2酸化剤ガス流路42の出口側端部には、発電領域外に位置して酸化剤ガス出口バッファ部44bが連なる。酸化剤ガス入口バッファ部44aは、複数個のエンボス部(凸部)44aeを有する。図2に示すように、エンボス部44aeは、第2金属セパレータ18の上面18bに凸部のみを設けるように、すなわち、下面18aに上方に向かって凹部のみが突出するように設けられたエンボス部36beの裏面形状を構成する。
図1に示すように、酸化剤ガス出口バッファ部44bは、複数個のエンボス部(凸部)44beを有する。エンボス部44beは、第2金属セパレータ18の上面18bに凸部のみを設けるように、すなわち、下面18aに上方に向かって凹部のみが突出するように設けられたエンボス部36aeの裏面形状を構成する。
酸化剤ガス入口バッファ部44aと酸化剤ガス入口連通孔22aとの間には、複数本の入口連結溝46aが形成される。酸化剤ガス出口バッファ部44bと酸化剤ガス出口連通孔22bとの間には、複数本の出口連結溝46bが形成される。
図4に示すように、第3金属セパレータ20の第2樹脂枠付きMEA16bに向かう下面20aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通する第2燃料ガス流路48が形成される。第2燃料ガス流路48は、互いに並列する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)を有する。
第2燃料ガス流路48の入口側端部には、発電領域外に位置して燃料ガス入口バッファ部50aが連なる一方、前記第2燃料ガス流路48の出口側端部には、発電領域外に位置して燃料ガス出口バッファ部50bが連なる。燃料ガス入口バッファ部50aは、複数個のエンボス部(凸部)50aeを有する。エンボス部50aeは、第3金属セパレータ20の下面20aに上方に向かう凹部のみを設けるように、すなわち、上面20bに上方に向かって凸部のみが突出するように構成される。
燃料ガス出口バッファ部50bは、複数個のエンボス部(凸部)50beを有する。図2に示すように、エンボス部50beは、第3金属セパレータ20の下面20aに凹部のみを設けるように、すなわち、前記第3金属セパレータ20の上面20bに上方に向かって凸部のみが突出するように構成される。
図4に示すように、燃料ガス入口バッファ部50aと燃料ガス入口連通孔24aとの間には、複数本の入口連結溝52aが形成され、前記入口連結溝52aが蓋体54aにより覆われる。燃料ガス出口バッファ部50bと燃料ガス出口連通孔24bとの間には、複数本の出口連結溝52bが形成され、前記出口連結溝52bが蓋体54bに覆われる。
図1に示すように、互いに隣接する第3金属セパレータ20の上面20bと第1金属セパレータ14の下面14bとの間には、冷却媒体流路30が形成される。冷却媒体流路30は、一対の冷却媒体入口連通孔26aと一対の冷却媒体入口連通孔26aとを連通する。
第1金属セパレータ14の上面14a及び下面14bには、この第1金属セパレータ14の外周端縁部を周回して第1シール部材56が一体成形される。第2金属セパレータ18の下面18a及び上面18bには、この第2金属セパレータ18の外周端縁部を周回して第2シール部材58が一体成形される。第3金属セパレータ20の下面20a及び上面20bには、この第3金属セパレータ20の外周端縁部を周回して第3シール部材60が一体成形される。
第1シール部材56、第2シール部材58及び第3シール部材60には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するゴムシール部材が用いられる。
図2に示すように、第1樹脂枠付きMEA16a及び第2樹脂枠付きMEA16bは、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜64を備える。固体高分子電解質膜64は、カソード電極66及びアノード電極68により挟持される。固体高分子電解質膜64は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用してもよい。
カソード電極66は、アノード電極68及び固体高分子電解質膜64の平面寸法よりも小さな平面寸法を有する段差型MEAを構成している。なお、カソード電極66、アノード電極68及び固体高分子電解質膜64は、同一の平面寸法に設定してもよい。また、アノード電極68は、カソード電極66及び固体高分子電解質膜64よりも小さな平面寸法を有してもよい。
カソード電極66及びアノード電極68は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布された電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜64の両面に形成される。
第1樹脂枠付きMEA16aは、カソード電極66の終端部外方に位置して固体高分子電解質膜64の外周縁部に第1樹脂枠部材70が、例えば、射出成形等により一体成形される。第2樹脂枠付きMEA16bは、カソード電極66の終端部外方に位置して固体高分子電解質膜64の外周縁部に第2樹脂枠部材72が、例えば、射出成形等により一体成形される。
第1樹脂枠部材70及び第2樹脂枠部材72を構成する樹脂材としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、m−PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィン等で構成される。
樹脂材は、例えば、フィルム等により構成してもよい。第1樹脂枠部材70及び第2樹脂枠部材72の外形形状は、酸化剤ガス入口連通孔22aを含む各連通孔の内側に配置され、各連通孔が形成されない。
図5に示すように、第1樹脂枠部材70のカソード電極66側の面、すなわち、下方に向かう下面70aは、全面に亘って平坦面形状を有する。図1に示すように、第1樹脂枠部材70のアノード電極68側の面、すなわち、上方に向かう上面70bには、複数個のエンボス部(凸部)74aと、複数本の直線状入口ガイド凸部(凸部)76aとが設けられる。
エンボス部74aは、燃料ガス入口連通孔24aに近接して設けられるとともに、直線状入口ガイド凸部76aは、第1燃料ガス流路34に近接して設けられる。エンボス部74a及び直線状入口ガイド凸部76aは、燃料ガス入口バッファ部36aを構成する。なお、エンボス部74aは、平坦面でもよく、直線状入口ガイド凸部76aは、エンボス部でもよい。
第1樹脂枠部材70の上面70bには、燃料ガス出口連通孔24bに近接する複数個のエンボス部(凸部)74bと、第1燃料ガス流路34に近接する複数本の直線状出口ガイド凸部(凸部)76bとが設けられる。エンボス部74b及び直線状出口ガイド凸部76bは、燃料ガス出口バッファ部36bを構成する。なお、エンボス部74bは、平坦面でもよく、直線状出口ガイド凸部76bは、エンボス部でもよい。
図6に示すように、第2樹脂枠部材72のカソード電極66側の面、すなわち、下方に向かう下面72aは、全面に亘って平坦面形状を有する。図1に示すように、第2樹脂枠部材72のアノード電極68側の面、すなわち、上方に向かう上面72bには、複数個のエンボス部(凸部)78aと、複数本の直線状入口ガイド凸部(凸部)80aとが設けられる。
エンボス部78aは、燃料ガス入口連通孔24aに近接して設けられるとともに、直線状入口ガイド凸部80aは、第2燃料ガス流路48に近接して設けられる。エンボス部78a及び直線状入口ガイド凸部80aは、燃料ガス入口バッファ部50aを構成する。なお、エンボス部78aは、平坦面でもよく、直線状入口ガイド凸部80aは、エンボス部でもよい。
第2樹脂枠部材72の上面72bには、燃料ガス出口連通孔24bに近接する複数個のエンボス部(凸部)78bと、第2燃料ガス流路48に近接する複数本の直線状出口ガイド凸部(凸部)80bとが設けられる。エンボス部78b及び直線状出口ガイド凸部80bは、燃料ガス出口バッファ部50bを構成する。なお、エンボス部78bは、平坦面でもよく、直線状出口ガイド凸部80bは、エンボス部でもよい。
発電セル12同士が互いに積層されることにより、一方の発電セル12を構成する第1金属セパレータ14と、他方の発電セル12を構成する第3金属セパレータ20との間には、冷却媒体流路30が形成される(図1及び図2参照)。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
まず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔22aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔24aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、一対の冷却媒体入口連通孔26aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
なお、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体は、鉛直方向上方に向かって供給されるとともに、鉛直方向下方に排出されているが、これに限定されるものではない。酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体は、鉛直方向下方に向かって供給されるとともに、鉛直方向上方に排出されてもよく、また、それぞれの流通方向は、適宜変更可能である。
図1に示すように、酸化剤ガスの一部は、酸化剤ガス入口連通孔22aから入口連結溝33a及び酸化剤ガス入口バッファ部32aを通って第1金属セパレータ14の第1酸化剤ガス流路28に供給される。残余の酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔22aから入口連結溝46a及び酸化剤ガス入口バッファ部44aを通って第2金属セパレータ18の第2酸化剤ガス流路42に供給される。
酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス流路28に沿って矢印B方向(水平方向)に移動し、第1樹脂枠付きMEA16aのカソード電極66に供給される。同様に、酸化剤ガスは、第2酸化剤ガス流路42に沿って矢印B方向に移動し、第2樹脂枠付きMEA16bのカソード電極66に供給される。
一方、燃料ガスの一部は、図1及び図3に示すように、燃料ガス入口連通孔24aから第2金属セパレータ18の入口連結溝38aを通って燃料ガス入口バッファ部36aに供給される。同様に、残余の燃料ガスは、図1及び図4に示すように、第3金属セパレータ20の入口連結溝52aを通って燃料ガス入口バッファ部50aに供給される。
第1樹脂枠付きMEA16aを構成する第1樹脂枠部材70の上面70bには、燃料ガス入口バッファ部36aを構成するエンボス部74a及び直線状入口ガイド凸部76aが設けられている。このため、燃料ガスは、第2金属セパレータ18の第1燃料ガス流路34に良好に供給される。
一方、第2樹脂枠付きMEA16bを構成する第2樹脂枠部材72の上面72bには、燃料ガス入口バッファ部50aを構成するエンボス部78a及び直線状入口ガイド凸部80aが設けられている。このため、燃料ガスは、第3金属セパレータ20の第2燃料ガス流路48に良好に供給される。
燃料ガスは、第1燃料ガス流路34に沿って矢印B方向に移動し、第1樹脂枠付きMEA16aのアノード電極68に供給される。同様に、燃料ガスは、第2燃料ガス流路48に沿って矢印B方向に移動し、第2樹脂枠付きMEA16bのアノード電極68に供給される。
従って、第1樹脂枠付きMEA16a及び第2樹脂枠付きMEA16bでは、各カソード電極66に供給される酸化剤ガスと、各アノード電極68に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、第1樹脂枠付きMEA16a及び第2樹脂枠付きMEA16bの各カソード電極66に供給されて一部が消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口バッファ部32b及び44bから酸化剤ガス出口連通孔22bに排出される。
第1樹脂枠付きMEA16a及び第2樹脂枠付きMEA16bのアノード電極68に供給されて一部が消費された燃料ガスは、燃料ガス出口バッファ部36b及び50bに導入される。燃料ガスは、出口連結溝38b、52bを通って燃料ガス出口連通孔24bに排出される。
一方、一対の冷却媒体入口連通孔26aに供給された冷却媒体は、図1に示すように、冷却媒体流路30に導入される。冷却媒体は、各冷却媒体入口連通孔26aから冷却媒体流路30に供給され、一旦矢印C方向内方に沿って流動した後、矢印B方向に移動して第1樹脂枠付きMEA16a及び第2樹脂枠付きMEA16bを冷却する。この冷却媒体は、矢印C方向外方に移動した後、一対の冷却媒体出口連通孔26bに排出される。
この場合、本実施形態では、例えば、第2樹脂枠付きMEA16bを構成する第2樹脂枠部材72の上面72bには、燃料ガス入口バッファ部50aを構成するエンボス部78a及び直線状入口ガイド凸部80aが設けられている。上面72bには、さらに燃料ガス出口バッファ部50bを構成するエンボス部78b及び直線状出口ガイド凸部80bが設けられている。一方、第2樹脂枠部材72の下面72aは、全面に亘って平坦面形状に形成されている。
このため、第2樹脂枠部材72は、簡単且つコンパクトな構成で、燃料ガス入口バッファ部50a及び燃料ガス出口バッファ部50bの厚さを良好に確保することができる。
しかも、図2に示すように、第2樹脂枠付きMEA16bの上方に配置されている第3金属セパレータ20の下面20aには、第2樹脂枠部材72の上面72bに対向して凹部(エンボス部50ae、50beの凹部側)のみが設けられている。一方、第2樹脂枠付きMEA16bの下方に配置されている第2金属セパレータ18の上面18bには、第2樹脂枠部材72の下面72aに対向して凸部(エンボス部44ae、44beの凸部側)のみが設けられている。
従って、第3金属セパレータ20では、燃料ガス入口バッファ部50a及び燃料ガス出口バッファ部50bを構成する各エンボス部50ae、50beは、下方に向かって凹形状を有することがない。これにより、凹形状に生成水が溜まることを阻止することが可能になる。
同様に、第2金属セパレータ18では、酸化剤ガス入口バッファ部44a及び酸化剤ガス出口バッファ部44bを構成する各エンボス部44ae、44beは、下方に向かって凹形状を有することがない。このため、凹形状に生成水が溜まることを阻止することができるという効果が得られる。
従って、簡単且つコンパクトな構成で、燃料ガス入口バッファ部50a、燃料ガス出口バッファ部50b、酸化剤ガス入口バッファ部44a及び酸化剤ガス出口バッファ部44bに生成水が滞留することを可及的に抑制することが可能になる。
なお、第1樹脂枠付きMEA16aと第1金属セパレータ14及び第2金属セパレータ18とは、上記の第2樹脂枠付きMEA16bと前記第2金属セパレータ18及び第3金属セパレータ20と同様の効果を得ることができる。
10…燃料電池スタック 12…発電セル
14、18、20…金属セパレータ
14a、18b、20b、70b、72b…上面
14b、18a、20a、70a、72a…下面
16a、16b…樹脂枠付きMEA
22a…酸化剤ガス入口連通孔 22b…酸化剤ガス出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26a…冷却媒体入口連通孔 26b…冷却媒体出口連通孔
28、42…酸化剤ガス流路 30…冷却媒体流路
32a、44a…酸化剤ガス入口バッファ部
32ae、32be、36ae、36be、44ae、44be、50ae、50be、74a、74b、78a、78b…エンボス部
32b、44b…酸化剤ガス出口バッファ部
34、48…燃料ガス流路 36a、50a…燃料ガス入口バッファ部
36b、50b…燃料ガス出口バッファ部
64…固体高分子電解質膜 66…カソード電極
68…アノード電極 70、72…樹脂枠部材
76a、80a…直線状入口ガイド凸部
76b、80b…直線状出口ガイド凸部
14、18、20…金属セパレータ
14a、18b、20b、70b、72b…上面
14b、18a、20a、70a、72a…下面
16a、16b…樹脂枠付きMEA
22a…酸化剤ガス入口連通孔 22b…酸化剤ガス出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26a…冷却媒体入口連通孔 26b…冷却媒体出口連通孔
28、42…酸化剤ガス流路 30…冷却媒体流路
32a、44a…酸化剤ガス入口バッファ部
32ae、32be、36ae、36be、44ae、44be、50ae、50be、74a、74b、78a、78b…エンボス部
32b、44b…酸化剤ガス出口バッファ部
34、48…燃料ガス流路 36a、50a…燃料ガス入口バッファ部
36b、50b…燃料ガス出口バッファ部
64…固体高分子電解質膜 66…カソード電極
68…アノード電極 70、72…樹脂枠部材
76a、80a…直線状入口ガイド凸部
76b、80b…直線状出口ガイド凸部
Claims (1)
- 両面に電極が設けられた固体高分子電解質膜の外周を周回して樹脂枠部材が設けられる樹脂枠付きMEAと、前記樹脂枠付きMEAの両側に積層されるセパレータと、を有する発電セルを備え、複数の前記発電セルは、電極面を水平方向に沿って配置した状態で、重力方向に積層されており、前記樹脂枠付きMEAと前記セパレータとの間には、前記電極面に沿って反応ガスを流通させる反応ガス流路が形成され、さらに前記樹脂枠付きMEAと前記セパレータとの積層方向に前記反応ガスを流通させる反応ガス連通孔が形成され、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とは、前記電極面の発電領域外に設けられたバッファ部を介して連通する燃料電池スタックであって、
前記樹脂枠部材の上面には、前記バッファ部を構成する凸部が上方に向かって設けられる一方、前記樹脂枠部材の下面は、全面に亘って平坦面形状に形成され、
前記樹脂枠付きMEAの上面に対向する前記セパレータの下面には、前記バッファ部を構成する凹部のみが、前記樹脂枠部材の上面に対向して設けられるとともに、
前記樹脂枠付きMEAの下面に対向する前記セパレータの上面には、前記バッファ部を構成する凸部のみが、前記樹脂枠部材の下面に対向して設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016028914A JP2017147141A (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | 燃料電池スタック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016028914A JP2017147141A (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | 燃料電池スタック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017147141A true JP2017147141A (ja) | 2017-08-24 |
Family
ID=59681558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016028914A Pending JP2017147141A (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | 燃料電池スタック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017147141A (ja) |
-
2016
- 2016-02-18 JP JP2016028914A patent/JP2017147141A/ja active Pending
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