JP2017146565A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、たとえ、感光性樹脂に含有される着色顔料の濃度が高くなる場合であっても、感光性樹脂の塗布工程で透明基板の外周部に生じた盛り上がり部分(厚膜部分)に起因するカラーフィルターの外周部の残渣を、確実に除去することが可能な、カラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 透明基板の上に、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを貼付する工程と、前記透明基板および前記熱剥離フィルムの上に、感光性樹脂を塗布する工程と、前記感光性樹脂を塗布した前記透明基板を加熱する工程と、前記熱剥離フィルムを、その上に形成された前記感光性樹脂と共に、前記透明基板から剥離する工程と、を順に備えることにより、上記課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターの製造方法に関するものである。
従来、カラー液晶表示装置用のカラーフィルターは、ガラス、プラスチック等の透明基板の上に、金属クロム等の薄膜でブラックマトリックスパターンを形成した後、その上に複数色の微細な着色画素を順次繰り返し形成し、さらにその上に保護膜を設けることにより作製されてきた。
そして、このカラーフィルターにおける着色画素の形成方法の一つとして、感光性樹脂に着色顔料を含有させた顔料分散感光性樹脂をフォトリソグラフィ法でパターニングする顔料分散法が知られている。
近年では、透明基板の大面積化に伴って、ブラックマトリックスパターンの形成も、ブラックカーボン等を含有する感光性樹脂を用いて、フォトリソグラフィ法でパターニング形成することが行われている。
さらに、スマートフォン等の携帯端末を野外で使用する際に、カラー液晶表示をより見易くするために、上記の着色画素に加えて、着色顔料を含まない透明な感光性樹脂から形成される透明画素を有するカラーフィルターも製造されている。
上記の顔料分散法は、例えば、ネガ型の顔料分散感光性樹脂を、透明基板の上に均一に塗布し、加熱(プリベーク)した後、形成したい画素部の部分だけが光を透過するようなフォトマスクを用いて露光し、現像で光の当たらなかった部分を取り除いて画素を形成する工程からなり、通常この工程を赤、緑、青の3回繰り返して最終的にカラーフィルターを形成する方法である。
そして、透明基板の上に、上記のような感光性樹脂を均一に塗布するにはスピンコーティング法、すなわち、感光性樹脂を透明基板に滴下した後、透明基板を回転させることにより、遠心力を利用して透明基板全体に感光性樹脂を広げる方法が最も多く採用されている。
上記のスピンコーティング法は、膜厚の分布が良く、ムラの少ない感光性樹脂膜を形成できるという利点を有してはいるものの、透明基板の外周部に表面張力による盛り上がり部分(厚膜部分)を生じてしまうという特徴がある。そして、この盛り上がり部分(厚膜部分)は、その後の工程で画素部に対して適正な時間をかけて現像した後も、現像不足のために残査の形で残ってしまう。
ここで、製造されたカラーフィルターは、TFTが形成された基板と貼り合わされるため、一般に、カラーフィルターの外周部には、残渣等の異物が無いことが好ましい。
それゆえ、例えば、カラーフィルターの外周部に上記のような現像の残査があると、貼り合わせ工程において、基板にストレスが掛かり、場合によっては割れを生じるという不具合がある。
このような不具合に対し、現像工程の前に、透明基板の外周部に生じた盛り上がり部分(厚膜部分)に対して現像液を浸み込ませておき、その後の現像工程で、画素部以外の感光性樹脂と共に除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平8−5825号公報
しかしながら、より濃い色を出すために、感光性樹脂に含有される着色顔料の濃度はより高くなる傾向にあり、この傾向に伴って、感光性樹脂は現像液に対してより溶けにくくなり、上記のような、現像液を浸み込ませておく方法では、感光性樹脂の塗布工程で透明基板の外周部に生じた盛り上がり部分(厚膜部分)に起因するカラーフィルターの外周部の残渣を、除去しきれない事態が生じていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、たとえ、感光性樹脂に含有される着色顔料の濃度が高くなる場合であっても、感光性樹脂の塗布工程で透明基板の外周部に生じた盛り上がり部分(厚膜部分)に起因するカラーフィルターの外周部の残渣を、確実に除去することが可能な、カラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、透明基板の上に、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを貼付する工程と、前記透明基板および前記熱剥離フィルムの上に、感光性樹脂を塗布する工程と、前記感光性樹脂を塗布した前記透明基板を加熱する工程と、前記熱剥離フィルムを、その上に形成された前記感光性樹脂と共に、前記透明基板から剥離する工程と、を順に備えることを特徴とする、カラーフィルターの製造方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記熱剥離フィルムを、その上に形成された前記感光性樹脂と共に、前記透明基板から剥離する工程の後に、前記感光性樹脂を露光および現像して、感光性樹脂パターンを形成する工程を、備えることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記感光性樹脂には、着色顔料を含有する顔料分散感光性樹脂が含まれることを特徴とする、請求項2に記載のカラーフィルターの製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記熱剥離フィルムを貼付する位置が、前記透明基板の外周に沿った領域、または、前記透明基板の角部であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記感光性樹脂を塗布した前記透明基板を加熱する工程の温度が、70℃以上120℃以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法である。
本発明によれば、たとえ、感光性樹脂に含有する着色顔料の濃度が高くなる場合であっても、感光性樹脂の塗布工程で透明基板の外周部に生じた盛り上がり部分(厚膜部分)に起因するカラーフィルターの外周部の残渣を、確実に除去することができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法の一例を示すフローチャート 本発明に係るカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略工程図 図2に続く本発明に係るカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略工程図 熱剥離フィルムを貼付する位置の例を示す概略平面図 本発明に係るカラーフィルターの一例を示す概略断面図
以下、図面を参考にして、本発明に係るカラーフィルターの製造方法について説明する。
なお、従来のカラーフィルターの製造方法と共通する事項については、従来と同様な技術を用いることができるため、詳細説明は省略する。
図1は、本発明に係るカラーフィルターの製造方法の一例を示すフローチャートである。また、図2及び図3は、本発明に係るカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略工程図である。また、図4は、本発明において、熱剥離フィルムを貼付する位置の例を示す概略平面図である。また、図5は、本発明に係るカラーフィルターの製造方法により得られるカラーフィルターの一例を示す概略断面図である。
なお、図2及び図3は、カラーフィルターのブラックマトリックスパターンを、黒色の着色顔料を含有させた感光性樹脂をから形成する製造方法を例示している。
例えば、図1に示すフローチャートに従って、本発明に係るカラーフィルターを製造するには、まず、図2(a)に示すように、透明基板11を準備し(図1のS1)、次いで図2(b)に示すように、透明基板11の上の所定の位置に、熱剥離フィルム12を貼付する(図1のS2)。
ここで、透明基板11は、カラーフィルター用の基板として可視光を透過するものであれば用いることができる。この透明基板11は、従前公知のカラーフィルター用の透明基板であってよい。その材料としては、例えば、ガラス、プラスチック等を挙げることができる。
また、熱剥離フィルム12は、加熱により剥離性が高まる粘着層を有するフィルムであり、図2では省略しているが、熱剥離フィルム12の透明基板11の側の面に、熱膨張性微小球などの発泡剤又は膨張剤を含有する粘着層が設けられている。
上記の粘着層は、加熱されることによって含有する発泡剤等が発泡又は膨張して、粘着層と被着体との接触面積を減少させ、これにより接着力を低下させるという特性を備えている。それゆえ、この粘着層を有する熱剥離フィルム12は、加熱によって剥離性が高まり、容易に剥離できるという特徴を有する。
このような熱剥離フィルムとして各種の物が市販されており、例えば、日東電工株式会社のリバアルファ(登録商標)を挙げることができる。
ここで、加熱により上記粘着層の接着力が低下する温度、すなわち、剥離性が高まる温度は、粘着層を構成する粘着剤や上記発泡剤等の種類、及び上記発泡剤等の含有量等により適宜設定できる。その温度としては、例えば、70℃〜120℃の範囲とすることができる。そして、この温度範囲は、カラーフィルターのブラックマトリックスパターンや着色画素等を形成するために用いられる感光性樹脂のプリベーク温度としても、好適に採用可能な温度範囲である。
熱剥離フィルム12を構成するフィルムは、上記の温度範囲において、粘着層の支持基材として使用できるものであれば用いることができるが、一般的にはプラスチックのフィルムが用いられる。プラスチックの種類としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
熱剥離フィルム12が有する粘着層を構成する粘着剤は、加熱時に上記発泡剤等の発泡や膨張を阻害しないものであれば、用いることができる。その材料として、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を挙げることができる。これらは2種以上組み合せて用いても良く、また、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤等の添加剤を適宜含んでいてもよい。
熱剥離フィルム12が有する粘着層を構成する発泡剤又は膨張剤は、加熱されることによって発泡又は膨張して、粘着層と被着体との接触面積を減少させ、これにより接着力を低下させるという作用効果を奏するものであれば、用いることができる。
ここで、安定した剥離性を発現させるために、上記の発泡剤又は膨張剤は、加熱により容易にガス化して膨張する物質を内包させた熱膨張性微小球であることが好ましい。
上記の熱膨張性微小球が内包する物質としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタン等を挙げることができる。また、上記の熱膨張性微小球を構成する物質としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホン等を挙げることができる。
熱剥離フィルム12が貼り付けられる位置は、後述する感光性樹脂13の塗布工程の結果、透明基板11において、感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分)が生じてしまう位置である。
それゆえ、本発明において熱剥離フィルム12の好適な貼付形態として、例えば、図4(a)に示すように、透明基板11の外周に沿って、透明基板11の縁(端部)から内側の領域に、熱剥離フィルム12が貼り付けられた形態を挙げることができる。上記の感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分)が生じてしまう位置は、透明基板11の中央部ではなく、主に透明基板11の外周部だからである。
この図4(a)に示すような貼付形態の場合、透明基板11に貼付される熱剥離フィルム12の幅は、透明基板11の上に形成される各種パターンの配置形態や、上記の感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分)が生じてしまう領域の大きさにもよるが、通常、10mm以内である。
なお、本発明においては、上記の感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分)が生じ、その結果、現像工程後も感光性樹脂13の残渣が残ってしまう位置に、効果的に熱剥離フィルム12が貼り付けられていればよい。それゆえ、本発明においては、図4(a)に示す貼付形態に限らず、例えば、図4(b)、(c)に示す貼付形態のように、透明基板11の対向する2辺にのみ、熱剥離フィルム12が貼り付けられた形態であってもよい。
ここで、図4(b)に示す貼付形態は、平面視において矩形の外観を有する透明基板11の長辺2辺に熱剥離フィルム12が貼り付けられた形態であり、図4(c)に示す貼付形態は、透明基板11の短辺2辺に熱剥離フィルム12が貼り付けられた形態である。
また、本発明においては、例えば、図4(d)に示すように、透明基板11の四隅、より詳しくは、透明基板11の縁(端部)から内側の領域であって、透明基板11の角部に、熱剥離フィルム12を貼り付けても良い。上記の感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分)の中で最も容積が大きいもの、すなわち、現像工程後も残渣が残りやすいものは、特に、透明基板11の角部に生じやすいからである。
そして、この図4(d)に示すような貼付形態であれば、図4(a)、若しくは図4(b)、(c)に示すような貼付形態よりも、透明基板11の広い領域にパターン形成等を行うことも可能である。例えば、透明基板11の4辺の各中央付近に、各種マークや識別番号等を形成することも可能である。
図1に戻り、透明基板11の上の所定の位置に熱剥離フィルム12を貼付した後は、透明基板11および熱剥離フィルム12の上に、感光性樹脂13をスピンコーティング法により塗布する(図1のS3)。
なお、上記のように、図2及び図3は、カラーフィルターのブラックマトリックスパターンを感光性樹脂から形成する製造方法を例示している。すなわち、図2に示す例において、感光性樹脂13は、ブラックカーボン等の黒色の着色顔料を含有させた感光性樹脂である。
本発明において、感光性樹脂13は、カラーフィルターのブラックマトリックスパターンを形成する樹脂として使用可能なものであれば用いることができ、従前公知の黒色の着色顔料を含有させた感光性樹脂であってよい。
感光性樹脂13は、光(典型的には紫外光)が照射された部分が現像されずに残るネガ型、および、光が照射された部分が現像で溶解するポジ型のどちらであっても用いることができるが、一般的には、ネガ型が多く用いられていることから、本発明においても、ネガ型の感光性樹脂を好適に用いることができる。
この塗布工程の結果、図2(c)に例示するように、透明基板11の外周部において、感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分13A)が生じてしまう。ただし、上記の感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分13A)は、熱剥離フィルム12の上に形成される。
それゆえ、本発明においては、熱剥離フィルム12を、その上に形成された感光性樹脂13と共に透明基板11から剥離することで、図2(d)に示すように、上記の感光性樹脂13の盛り上がり部分(厚膜部分13A)を透明基板11から除去することができる。
すなわち、本発明においては、たとえ、感光性樹脂13に含有される着色顔料の濃度が高くなる場合であっても、感光性樹脂13の塗布工程で透明基板11の外周部に生じた盛り上がり部分(厚膜部分13A)に起因するカラーフィルターの外周部の残渣を、確実に除去することができる。
本発明においては、例えば、図1に示すように、感光性樹脂13を塗布した透明基板11を加熱(プリベーク)した後に(図1のS4)、より好ましくは、加熱(プリベーク)し、その後、室温程度に冷却した後に、熱剥離フィルム12を、その上に形成された感光性樹脂13と共に透明基板11から剥離する(図1のS5)。
そして、その後に、感光性樹脂13の露光および現像を行う(図1のS6)。
本発明においては、剥離フィルムとして、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを用いている。それゆえ、この熱剥離フィルム12が有する粘着層の剥離性が高まる温度を、感光性樹脂13のプリベーク温度に合わせておくことで、熱剥離フィルム12の貼付工程(図1のS2)から加熱(プリベーク)工程(図1のS4)までは、透明基板11から熱剥離フィルム12が剥離してしまうことを防止でき、一方、加熱(プリベーク)工程(図1のS4)以降は、透明基板11から熱剥離フィルム12を容易に剥離することができる。
感光性樹脂13のプリベーク温度としては、感光性樹脂13を構成する材料にもよるが、70℃以上120℃以下の範囲とすることができる。感光性樹脂13を構成する材料が、一般的な材料の場合、80℃以上100℃以下の範囲を好ましく用いることができる。
そして、このような温度であれば、上記のように、熱剥離フィルム12が有する粘着層の剥離性が高まる温度と一致させることができる。
ここで比較のために、本発明のような、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを用いなかった場合の不具合点について、以下説明する。
まず、剥離性が変化しない粘着層を有する剥離フィルムを用いた場合について説明する。
例えば、粘着性が弱い粘着層を有する弱粘着性フィルムを用いた場合は、まだ剥離することを望まない工程、例えば、感光性樹脂13の塗布工程(図1のS3)で、該弱粘着性フィルムが剥離してしまうおそれがある。
逆に、粘着性が強い粘着層を有する強粘着性フィルムを用いた場合は、該強粘着性フィルムを剥離する際に、透明基板11に対し割れ等の損傷を与えてしまうおそれがある。
また、剥離性が変化する粘着層を有する剥離フィルムを用いた場合であっても、例えば、紫外光等の光を照射することによって、剥離性が高まる粘着層を有する光剥離フィルムを用いる場合について検討すると、図2(c)に示すように、該光剥離フィルムの上には、光(少なくとも、その一部)を吸収する着色顔料を含有する感光性樹脂13が形成されるため、該光剥離フィルムに光が届きにくくなることが懸念される。一方、透明基板11の裏面側から光を照射するには、そのための設備等が必要となり、工程も複雑になってしまう。
一方、本発明のように、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを用いる場合、熱剥離フィルム12の貼付工程(図1のS2)から加熱(プリベーク)工程(図1のS4)までは、透明基板11から熱剥離フィルム12が剥離してしまうことを防止でき、一方、加熱(プリベーク)工程(図1のS4)以降は、透明基板11に損傷を与えることなく、透明基板11から熱剥離フィルム12を容易に剥離することができる。
また、剥離性を変化させるのに必要な加熱は、感光性樹脂13の加熱(プリベーク)工程を利用するため、原則、特別な設備等を必要とせず、工程も増えずに済む。
なお、本発明においては、より適切に熱剥離フィルム12を剥離するために、透明基板11の外周部、より好ましくは、透明基板11の熱剥離フィルム12を貼付する位置に合わせて、温度分布が異なるホットプレート等を用いてもよい。この場合、専用のホットプレートが必要になるが、感光性樹脂13の加熱(プリベーク)工程と同一工程で、剥離のための加熱もできるため、やはり工程は増えずに済む。
また、本発明においては、感光性樹脂13を露光する工程の前に、熱剥離フィルム12を剥離することが好ましい。換言すれば、熱剥離フィルム12を、その上に形成された感光性樹脂13と共に、透明基板11から剥離する工程の後に、感光性樹脂13を露光および現像して、感光性樹脂パターン14を形成する工程を、備えることが、好ましい。
この熱剥離フィルム12が透明基板11の上に存在することに起因して、露光用のフォトマスクが損傷したり、汚染したりすることを防止することができるからである。
上記について、より詳しく説明する。
感光性樹脂13を露光する工程が、プロキシミティ露光の場合は、露光用のフォトマスクが透明基板11の上の感光性樹脂13に近接することになる。例えば、露光用のフォトマスクと、透明基板11の上の感光性樹脂13との距離は、100μm程度になる。
それゆえ、この露光工程において、熱剥離フィルム12が透明基板11の上に存在すると、露光及びこの露光のための位置調整等の工程において、熱剥離フィルム12の上の感光性樹脂13(厚膜部分13A)や熱剥離フィルム12が、露光用のフォトマスクに接触してしまうおそれがある。そして、この接触によって、露光用のフォトマスクが損傷したり、汚染したりするおそれもある。
そこで、本発明においては、感光性樹脂13を露光する工程の前に、熱剥離フィルム12を剥離する。これにより、熱剥離フィルム12が透明基板11の上に存在することに起因して、露光用のフォトマスクが損傷したり、汚染したりすることを防止することができる。
なお、本発明において、熱剥離フィルム12を剥離する工程は、必ずしも、感光性樹脂13を露光する工程の前に限定する必要は無く、工程の順は、不具合の生じない範囲で適宜選択可能である。
例えば、感光性樹脂13を露光する工程が、プロジェクション露光の場合は、露光用のフォトマスクと透明基板11の上の感光性樹脂13との距離が離れているため、この露光工程の後に、熱剥離フィルム12を剥離してもよい。
また、露光の後であって、現像の前に熱剥離フィルム12を剥離してもよい。
図1に戻り、露光および現像を行った後は、焼成(ポストベーク)及び冷却を施して(図1のS7)、図2(e)に示すような、感光性樹脂パターン14を得る。
なお、図2に示す例においては、感光性樹脂パターン14は、カラーフィルターのブラックマトリックスパターンを示している。
本発明においては、上記のようにしてカラーフィルターのブラックマトリックスパターンを形成した後、同様な工程を繰り返し行って、カラーフィルターの各着色画素を順次形成することができる。
すなわち、図1に例示するフローチャートにおいて、工程S2〜S7を繰り返し行うことで、カラーフィルターの各着色画素を、順次形成することができる。
例えば、第1の着色画素(例えば、赤色画素)を形成するには、図3(f)に示すように、ブラックマトリックスパターンである感光性樹脂パターン14を形成した透明基板11の上の所定の位置に、熱剥離フィルム22を貼付する(図1のS2)。
ここで、熱剥離フィルム22は、上述した熱剥離フィルム12と同様に、加熱により剥離性が高まる粘着層を有するフィルムであり、図3では省略しているが、熱剥離フィルム22の透明基板11の側の面に、粘着層が設けられている。
熱剥離フィルム22は、上述した熱剥離フィルム12と同じものであっても良いが、この熱剥離フィルム22が有する粘着層は、後述する感光性樹脂23のプリベーク温度において剥離性が高まるものである。
なお、熱剥離フィルム22は、そのサイズ等が熱剥離フィルム12と異なるものであっても良い。
熱剥離フィルム22を貼付する位置は、後述する感光性樹脂23の塗布工程の結果、透明基板11において、感光性樹脂23の盛り上がり部分(厚膜部分)が生じてしまう位置である。
熱剥離フィルム22の貼付形態は、上述した熱剥離フィルム12の貼付形態(図4)と同様に、透明基板11の外周に沿った領域、または、透明基板11の角部とすることができる。
透明基板11の上の所定の位置に熱剥離フィルム22を貼付した後は、図3(g)に示すように、透明基板11、感光性樹脂パターン14、および熱剥離フィルム22の上に、感光性樹脂23をスピンコーティング法により塗布する(図1のS3)。
本発明において、感光性樹脂23は、カラーフィルターの着色画素を形成する樹脂として使用可能なものであれば用いることができ、例えば、従前公知の着色顔料を含有させた顔料分散感光性樹脂であってよい。
感光性樹脂23は、光(典型的には紫外光)が照射された部分が現像されずに残るネガ型、および、光が照射された部分が現像で溶解するポジ型のどちらであっても用いることができるが、一般的には、ネガ型が多く用いられていることから、本発明においても、ネガ型の感光性樹脂を好適に用いることができる。
この塗布工程の結果、図3(g)に例示するように、透明基板11の外周部において、感光性樹脂23の盛り上がり部分(厚膜部分23A)が生じてしまう。ただし、上記の感光性樹脂23の盛り上がり部分(厚膜部分23A)は、熱剥離フィルム22の上に形成される。
次に、感光性樹脂23を塗布した透明基板11を加熱(プリベーク)し(図1のS4)、室温程度に冷却した後、図3(h)に示すように、熱剥離フィルム22を、その上に形成された感光性樹脂23と共に透明基板11から剥離する(図1のS5)。
そして、その後に、感光性樹脂23の露光および現像を行う(図1のS6)。
本発明においては、剥離フィルムとして、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを用いている。それゆえ、この熱剥離フィルム22が有する粘着層の剥離性が高まる温度を、感光性樹脂23のプリベーク温度に合わせておくことで、熱剥離フィルム22の貼付工程(図1のS2)から加熱(プリベーク)工程(図1のS4)までは、透明基板11から熱剥離フィルム22が剥離してしまうことを防止でき、一方、加熱(プリベーク)工程(図1のS4)以降は、透明基板11から熱剥離フィルム22を容易に剥離することができる。
感光性樹脂23のプリベーク温度としては、感光性樹脂23を構成する材料にもよるが、70℃以上120℃以下とすることができる。感光性樹脂23を構成する材料が一般的な材料の場合、80℃以上100℃以下の範囲を好ましく用いることができる。
そして、このような温度であれば、上記のように、熱剥離フィルム22が有する粘着層の剥離性が高まる温度と一致させることができる。
また、本発明においては、上記のように、感光性樹脂23を露光する工程の前に、熱剥離フィルム22を剥離することで、この熱剥離フィルム22が透明基板11の上に存在することに起因して、露光用のフォトマスクが損傷したり、汚染したりすることを防止することができる。
なお、本発明において、熱剥離フィルム22を剥離する工程は、必ずしも、感光性樹脂23を露光する工程の前に限定する必要は無く、工程の順は、不具合の生じない範囲で適宜選択可能である。
露光および現像を行った後は、焼成(ポストベーク)及び冷却を施して(図1のS7)、図3(i)に示すような感光性樹脂パターン24、すなわち、第1の着色画素(例えば、赤色画素)を得る。
その後は、上記の第1の着色画素(例えば、赤色画素)の形成方法(図3(f)〜(i))と同様な工程を繰り返し施して、第2の着色画素(例えば、緑色画素)及び第3の着色画素(例えば、青色画素)を形成し、図5に示すような、ブラックマトリックスパターン(感光性樹脂パターン14)と3色の着色画素(感光性樹脂パターン24、34、44)を有するカラーフィルター1を得る。
なお、図5に示すカラーフィルター1においては、3色の着色画素を有する形態を例示したが、本発明に係る製造方法により製造するカラーフィルターは、顔料を含まない透明な感光性樹脂から形成される透明画素を有する形態であっても良い。
さらに、各着色画素の上にはオーバーコート層が設けられていてもよく、また、TFT基板とカラーフィルターとの間隔を一定に保つための柱状スペーサが設けられていてもよい。
また、上記においては、カラーフィルターのブラックマトリックスパターンを、感光性樹脂から形成する製造方法を例示したが、本発明においては、これに限らず、ブラックマトリックスパターンを、金属クロム等の薄膜から形成しても良い。この場合は、ブラックマトリックスパターンを形成した後の工程から、本発明の製造方法を用いて、各着色画素を形成していけば良い。
以上、本発明に係るカラーフィルターの製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 カラーフィルター
11 透明基板
12、22 熱剥離フィルム
13、23 感光性樹脂
14、24、34、44 感光性樹脂パターン

Claims (5)

  1. 透明基板の上に、加熱により剥離性が高まる粘着層を有する熱剥離フィルムを貼付する工程と、
    前記透明基板および前記熱剥離フィルムの上に、感光性樹脂を塗布する工程と、
    前記感光性樹脂を塗布した前記透明基板を加熱する工程と、
    前記熱剥離フィルムを、その上に形成された前記感光性樹脂と共に、前記透明基板から剥離する工程と、
    を順に備えることを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。
  2. 前記熱剥離フィルムを、その上に形成された前記感光性樹脂と共に、前記透明基板から剥離する工程の後に、
    前記感光性樹脂を露光および現像して、感光性樹脂パターンを形成する工程を、
    備えることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 前記感光性樹脂には、着色顔料を含有する顔料分散感光性樹脂が含まれることを特徴とする、請求項2に記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 前記熱剥離フィルムを貼付する位置が、前記透明基板の外周に沿った領域、または、前記透明基板の角部であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. 前記感光性樹脂を塗布した前記透明基板を加熱する工程の温度が、70℃以上120℃以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
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