JP3685821B2 - 液晶パネル用スペーサーの形成方法 - Google Patents
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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶パネルを構成する2枚の基板間に介在して両基板を支持する液晶パネルスペーサーの形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
液晶パネルは、配向膜、画素電極、薄膜トランジスタ、MIM形成素子及びマトリックス配線等を備える下側基板と配向膜、電極、カラーフィルター等を備える上側基板とを対向させ、両基板間に液晶を封入して構成されている。そして、従来は液晶層の厚さを決定するために、いずれかの基板上(両方の基板の場合も有る)に透明で円筒状もしくは粒状の微小なスペーサーを形成し、このスペーサーを挟み込んで両方の基板を張り合わせていた。従来のスペーサーの形成方法は、ガラスビーズ等を散布する方法が一般的であった。この場合、スペーサーを均一に散布することが困難で、面内でスペーサー密度の差が生じ、これによる基板間のギャップムラが発生し、表示ムラを発生させる原因となっていた。
【0003】
特開平3−89320や特開平5−11256には感光性樹脂を用いたフォトリソ法により所望の場所にスペーサーを形成する方法も開示されているが、これらの方法では、感光性樹脂層を基板全面上に設け、フォトリソ法により基板自身を処理し、スペーサーパターンを形成するので、その感光樹脂層形成時やフォトリソ工程でスペーサーと接する配向膜にダメージを与える場合があった。
【0004】
特開平2−210329号公報には配向膜を形成した基板にフォトポリマーシートを張り付け、パターン露光、現像によりスペーサードットを形成し、その後、配向処理を行う方法が開示されている。
この方法では、液晶基板上でスペーサードットを形成しているので、スペーサードット形成不良は、液晶基板全体を使用不可にし、液晶基板自身の歩留りを悪化させ、また、スペーサードットの形成後に配向処理を行うので、配向処理時に、形成したスペーサードットの脱落やスペーサードット周囲の配向膜面に十分な配向処理ができない場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡便な工程で、
▲1▼液晶基板の歩留まりを向上させ、
▲2▼配向膜を侵す恐れが無い、
スペーサーを形成する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、
少なくとも一方の基板上に配向処理が施された配向膜を有する、液晶パネルを構成する2枚の基板間に介在して、両基板を支持するスペーサーの形成方法において、
▲1▼仮支持体上に実質的に厚みが均一な複数の小点を有する転写シートの該 小点と該配向膜とを密着させる工程、
▲2▼該仮支持体を剥離し、該配向膜上に該小点を転写する工程、
を含むことを特徴とする液晶パネル用スペーサーの形成方法により達成された。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明に用いられる液晶パネルを構成する基板としては、公知の種々の材料が用いられる。具体的には、ガラス基板、プラスチック基板等が挙げられる。
本発明に用いられる配向膜としては、公知の種々の材料が用いられ、具体的にはポリイミド系の材料が挙げられる。
本発明に用いられる配向処理の方法としては、公知の種々の方法が用いられる。具体的には、ラビング法等が挙げられる。
【0008】
本発明で用いられる、仮支持体上に実質的に厚みが均一な小点を有する転写シートを作成するには、仮支持体上に小点を印刷する印刷法、仮支持体上のパターン化した導電層上に電着で小点を形成する電着法、フォトポリマーを用いたフォトリソ法等の、種々の方法が挙げられる。
【0009】
これらの中では、仮支持体上に少なくとも光重合性樹脂層を設けた感光性シートを用いて、フォトリソ法で作成するのが好ましい。
【0010】
この方法では、仮支持体上に実質的に厚みが均一な小点を有する転写シートは仮支持体上に少なくとも光重合性樹脂層を設けた基本構成を有する感光性シートを用いて作成される。
感光性シート材料に使用する仮支持体としては、可撓性のあるプラスチックフィルムを使用することができ、中では、厚さ20〜200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。また、仮支持体剥離時の静電気防止のために、この仮支持体には帯電防止処理を施すことが好ましく、その方法としては特願平3−153227号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の材料を使用することができる。
【0011】
光重合性樹脂層としては特公昭56−40824号公報、特願平2−235362号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の光重合性組成物を用いることができる。その光重合性樹脂層の厚みは最終的に所望のスペーサーの厚みと同じ様にする。好ましくは0.5〜15μm、特に好ましくは2〜10μmである。
これらの中にはスペーサーによる光散乱を防止する目的で、必要に応じて顔料等の着色剤を少なくとも1種類以上添加してもよい。それらとしては、特願平3−153227号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の着色剤が用いられる。特に光散乱防止の為には色相的に黒色となる、あるいは、黒色に近い着色剤が好ましい。それらとしては、カーボンブラック等の顔料や特願平5−110487号明細書に記載の複数の顔料混合等が挙げられる。それらは可視光領域の光学濃度が1〜3になるように添加するのが好ましい。
【0012】
さらに、光重合感度の低下防止の目的で光重合性樹脂層の上に特公昭56−40824号公報中に記載されている酸素を遮断する水溶性樹脂層を設けたり、保護、および酸素遮断の目的で厚さ2〜100μmのカバーフィルムを光重合性樹脂層上や水溶性樹脂層上に設けてもよい。また、仮支持体と光重合性樹脂層の間に下塗り層を設けてもよい。
【0013】
本発明のパターン露光、現像は公知の方法、たとえば特願平3−153227号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の方法が用いられる。
【0014】
上述の様な感光性シートを用い、パターン露光、現像により仮支持体上に実質的に厚みが均一な小点を有する転写シートを形成する。その小点の形状は、支持体に平行な任意の面における断面積が約0.8〜700μm2の範囲にある柱状 である。断面積が約0.8未満μm2あるいは700μm2を越えると、表示品質が低下する。
【0015】
実技的には、直径約1〜30μmの円柱状あるいは一辺が約0.9〜26μmの角柱、断面積が約0.8〜700μm2である楕円等、対象性の高い断面を有する柱を、均一な間隔で設けることが好ましい。
【0016】
小点の数は、小点をR,G,Bの画素の上に設ける場合には、1画素当たりの小点が5個以下となるようにパターンを作成することが好ましい。5個を越えると、表示品質の低下をもたらす。また、ブラックマトリクス(BM)部のみに小点を形成する場合は、全小点の総和面積がBM部面積を越えない範囲で小点の数を決定することが好ましい。
【0017】
その仮支持体の該小点形成面と配向膜、画素電極、薄膜トランジスタ、MIM形成素子及びマトリックス配線等を備える下側基板や配向膜、電極、カラーフィルター等を備える上側基板等と張り合わせ、仮支持体のみを剥離することにより該小点を該基板上に転写し、この小点が後にスペーサーとして機能する。従って、従来の方法の様にスペーサー密度の面内差も発生せず、また、該基板をフォトリソ工程処理することがないので、配向膜等にダメージを与えることも無い。仮支持体と基板を張り合わせる際に位置合わせを行うことにより、BM部のみに小点を形成することも可能である。さらに、本発明の該小点転写時に仮支持体上の該小点表面と該基板とは接触するが、仮支持体の該小点非形成部は該小点部の厚み分だけ該基板表面から離れ、該基板表面と接触しない。従って、転写工程により該基板上の配向膜等にダメージを与えることが無い。更に、仮支持体上での該小点の形成状態を検査し、良品だけを使用することにより液晶基板のロスを最低限に抑えられ、歩留りが向上する。
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1
特開平3−89320号公報を参考にして、ゲート電極、画素電極、ソース電極、絶縁膜、ドレイン電極、パッシベーション層、および配向膜を形成したガラス基板を作成した。その後、上記配向膜にラビングによる配向処理を行った。
【0019】
一方、下記構成の感光性シート材料を作成した。
75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚7μmになる様に下記処方1液を塗布し、光重合性樹脂層を形成した。
【0020】
処方1
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比73/27、
粘度=0.12(メチルエチルケトン中、25℃)) 60g
ペンタエリスルトールテトラアクリレート 50g
ミヒラーズケトン 2.4g
ロフィンダイマー 2.5g
メチルセロソルブアセテート 560g
メチルエチルケトン 280g
【0021】
更にその上に乾燥膜厚1.5μmになるようにポリビニルアルコール(PVA205:クラレ(株)製)水溶液を塗布し、酸素遮断層を形成した。
【0022】
この感光性シートを用いて以下の様にスペーサーを作成した。
上記感光性シートのポリビニルアルコール層から直径10μm、ピッチ50μmの円ドット状の光透過部を有するマスクを介して露光し、その後pH10.8のアルカリ水溶液で現像して未露光部を除去した。その結果、仮支持体状に直径10μm、ピッチ50μmの円柱ドット状の厚さ7μmのパターンが形成された。
その後、上記下側基板の配向膜上に形成されたドットが接するように大成ラミネータ社製ラミネータ(VP−II型)を用い、加熱温度110℃、ローラー圧力2kg/cm、搬送速度0.3m/分で張り合わせた。
次いで仮支持体を剥離し、ドットパターンのみを下側基板上に転写した。このようにして、下側基板の配向膜上に厚さ7μm、直径10μm、ピッチ50μmの円柱ドット状スペーサーを形成した。
この様に作成されたスペーサーは間隔の精度が高く、強度も十分であり、配向膜へのダメージも無く、良好な物であった。
【0025】
実施例4
実施例1の処方1の代りに以下の処方2の塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして液晶基板上にスペーサーを作成した。
【0026】
処方2
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比73/27、
粘度=0.12(メチルエチルケトン中、25℃)) 60g
ペンタエリスルトールテトラアクリレート 50g
ミヒラーズケトン 2.4g
ロフィンダイマー 2.5g
カーボンブラック 10.0g
メチルセロソルブアセテート 560g
メチルエチルケトン 280g
【0027】
得られた黒色(光学濃度2.5)のスペーサーは実施例1と同様に間隔の精度が高く、強度も十分であり、配向膜へのダメージも無く、良好な物であった。
【0028】
実施例5
実施例1の処方1の代わりに、以下の処方3の塗布液を用いた以外は実施例1と同様に液晶基板上にスペーサーを作成した。
処方3
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比73/27、
粘度=0.12(メチルエチルケトン中、25℃)) 60g
ペンタエリスルトールテトラアクリレート 50g
ミヒラーズケトン 2.4g
ロフィンダイマー 2.5g
ピグメントレッド177 2.0g
ピグメントブルー15:6 1.5g
ピグメントイエロー139 1.5g
ピグメントバイオレット23 0.5g
カーボンブラック 1.0g
メチルセロソルブアセテート 560g
メチルエチルケトン 280g
得られた黒色スペーサーは実施例1と同様に間隔の精度が高く、強度も十分であり、配向膜へのダメージも無く、良好なものであった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、スペーサーが簡便な方法で形成可能であり、配向膜等にダメージを与えることも無い。また、仮支持体上にスペーサーを形成することにより、その段階で良品のみを選択することができ、液晶パネルの歩留りが向上する。
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶パネルを構成する2枚の基板間に介在して両基板を支持する液晶パネルスペーサーの形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
液晶パネルは、配向膜、画素電極、薄膜トランジスタ、MIM形成素子及びマトリックス配線等を備える下側基板と配向膜、電極、カラーフィルター等を備える上側基板とを対向させ、両基板間に液晶を封入して構成されている。そして、従来は液晶層の厚さを決定するために、いずれかの基板上(両方の基板の場合も有る)に透明で円筒状もしくは粒状の微小なスペーサーを形成し、このスペーサーを挟み込んで両方の基板を張り合わせていた。従来のスペーサーの形成方法は、ガラスビーズ等を散布する方法が一般的であった。この場合、スペーサーを均一に散布することが困難で、面内でスペーサー密度の差が生じ、これによる基板間のギャップムラが発生し、表示ムラを発生させる原因となっていた。
【0003】
特開平3−89320や特開平5−11256には感光性樹脂を用いたフォトリソ法により所望の場所にスペーサーを形成する方法も開示されているが、これらの方法では、感光性樹脂層を基板全面上に設け、フォトリソ法により基板自身を処理し、スペーサーパターンを形成するので、その感光樹脂層形成時やフォトリソ工程でスペーサーと接する配向膜にダメージを与える場合があった。
【0004】
特開平2−210329号公報には配向膜を形成した基板にフォトポリマーシートを張り付け、パターン露光、現像によりスペーサードットを形成し、その後、配向処理を行う方法が開示されている。
この方法では、液晶基板上でスペーサードットを形成しているので、スペーサードット形成不良は、液晶基板全体を使用不可にし、液晶基板自身の歩留りを悪化させ、また、スペーサードットの形成後に配向処理を行うので、配向処理時に、形成したスペーサードットの脱落やスペーサードット周囲の配向膜面に十分な配向処理ができない場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡便な工程で、
▲1▼液晶基板の歩留まりを向上させ、
▲2▼配向膜を侵す恐れが無い、
スペーサーを形成する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、
少なくとも一方の基板上に配向処理が施された配向膜を有する、液晶パネルを構成する2枚の基板間に介在して、両基板を支持するスペーサーの形成方法において、
▲1▼仮支持体上に実質的に厚みが均一な複数の小点を有する転写シートの該 小点と該配向膜とを密着させる工程、
▲2▼該仮支持体を剥離し、該配向膜上に該小点を転写する工程、
を含むことを特徴とする液晶パネル用スペーサーの形成方法により達成された。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明に用いられる液晶パネルを構成する基板としては、公知の種々の材料が用いられる。具体的には、ガラス基板、プラスチック基板等が挙げられる。
本発明に用いられる配向膜としては、公知の種々の材料が用いられ、具体的にはポリイミド系の材料が挙げられる。
本発明に用いられる配向処理の方法としては、公知の種々の方法が用いられる。具体的には、ラビング法等が挙げられる。
【0008】
本発明で用いられる、仮支持体上に実質的に厚みが均一な小点を有する転写シートを作成するには、仮支持体上に小点を印刷する印刷法、仮支持体上のパターン化した導電層上に電着で小点を形成する電着法、フォトポリマーを用いたフォトリソ法等の、種々の方法が挙げられる。
【0009】
これらの中では、仮支持体上に少なくとも光重合性樹脂層を設けた感光性シートを用いて、フォトリソ法で作成するのが好ましい。
【0010】
この方法では、仮支持体上に実質的に厚みが均一な小点を有する転写シートは仮支持体上に少なくとも光重合性樹脂層を設けた基本構成を有する感光性シートを用いて作成される。
感光性シート材料に使用する仮支持体としては、可撓性のあるプラスチックフィルムを使用することができ、中では、厚さ20〜200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。また、仮支持体剥離時の静電気防止のために、この仮支持体には帯電防止処理を施すことが好ましく、その方法としては特願平3−153227号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の材料を使用することができる。
【0011】
光重合性樹脂層としては特公昭56−40824号公報、特願平2−235362号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の光重合性組成物を用いることができる。その光重合性樹脂層の厚みは最終的に所望のスペーサーの厚みと同じ様にする。好ましくは0.5〜15μm、特に好ましくは2〜10μmである。
これらの中にはスペーサーによる光散乱を防止する目的で、必要に応じて顔料等の着色剤を少なくとも1種類以上添加してもよい。それらとしては、特願平3−153227号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の着色剤が用いられる。特に光散乱防止の為には色相的に黒色となる、あるいは、黒色に近い着色剤が好ましい。それらとしては、カーボンブラック等の顔料や特願平5−110487号明細書に記載の複数の顔料混合等が挙げられる。それらは可視光領域の光学濃度が1〜3になるように添加するのが好ましい。
【0012】
さらに、光重合感度の低下防止の目的で光重合性樹脂層の上に特公昭56−40824号公報中に記載されている酸素を遮断する水溶性樹脂層を設けたり、保護、および酸素遮断の目的で厚さ2〜100μmのカバーフィルムを光重合性樹脂層上や水溶性樹脂層上に設けてもよい。また、仮支持体と光重合性樹脂層の間に下塗り層を設けてもよい。
【0013】
本発明のパターン露光、現像は公知の方法、たとえば特願平3−153227号明細書およびその中で引用されている公報に記載された、種々の方法が用いられる。
【0014】
上述の様な感光性シートを用い、パターン露光、現像により仮支持体上に実質的に厚みが均一な小点を有する転写シートを形成する。その小点の形状は、支持体に平行な任意の面における断面積が約0.8〜700μm2の範囲にある柱状 である。断面積が約0.8未満μm2あるいは700μm2を越えると、表示品質が低下する。
【0015】
実技的には、直径約1〜30μmの円柱状あるいは一辺が約0.9〜26μmの角柱、断面積が約0.8〜700μm2である楕円等、対象性の高い断面を有する柱を、均一な間隔で設けることが好ましい。
【0016】
小点の数は、小点をR,G,Bの画素の上に設ける場合には、1画素当たりの小点が5個以下となるようにパターンを作成することが好ましい。5個を越えると、表示品質の低下をもたらす。また、ブラックマトリクス(BM)部のみに小点を形成する場合は、全小点の総和面積がBM部面積を越えない範囲で小点の数を決定することが好ましい。
【0017】
その仮支持体の該小点形成面と配向膜、画素電極、薄膜トランジスタ、MIM形成素子及びマトリックス配線等を備える下側基板や配向膜、電極、カラーフィルター等を備える上側基板等と張り合わせ、仮支持体のみを剥離することにより該小点を該基板上に転写し、この小点が後にスペーサーとして機能する。従って、従来の方法の様にスペーサー密度の面内差も発生せず、また、該基板をフォトリソ工程処理することがないので、配向膜等にダメージを与えることも無い。仮支持体と基板を張り合わせる際に位置合わせを行うことにより、BM部のみに小点を形成することも可能である。さらに、本発明の該小点転写時に仮支持体上の該小点表面と該基板とは接触するが、仮支持体の該小点非形成部は該小点部の厚み分だけ該基板表面から離れ、該基板表面と接触しない。従って、転写工程により該基板上の配向膜等にダメージを与えることが無い。更に、仮支持体上での該小点の形成状態を検査し、良品だけを使用することにより液晶基板のロスを最低限に抑えられ、歩留りが向上する。
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1
特開平3−89320号公報を参考にして、ゲート電極、画素電極、ソース電極、絶縁膜、ドレイン電極、パッシベーション層、および配向膜を形成したガラス基板を作成した。その後、上記配向膜にラビングによる配向処理を行った。
【0019】
一方、下記構成の感光性シート材料を作成した。
75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚7μmになる様に下記処方1液を塗布し、光重合性樹脂層を形成した。
【0020】
処方1
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比73/27、
粘度=0.12(メチルエチルケトン中、25℃)) 60g
ペンタエリスルトールテトラアクリレート 50g
ミヒラーズケトン 2.4g
ロフィンダイマー 2.5g
メチルセロソルブアセテート 560g
メチルエチルケトン 280g
【0021】
更にその上に乾燥膜厚1.5μmになるようにポリビニルアルコール(PVA205:クラレ(株)製)水溶液を塗布し、酸素遮断層を形成した。
【0022】
この感光性シートを用いて以下の様にスペーサーを作成した。
上記感光性シートのポリビニルアルコール層から直径10μm、ピッチ50μmの円ドット状の光透過部を有するマスクを介して露光し、その後pH10.8のアルカリ水溶液で現像して未露光部を除去した。その結果、仮支持体状に直径10μm、ピッチ50μmの円柱ドット状の厚さ7μmのパターンが形成された。
その後、上記下側基板の配向膜上に形成されたドットが接するように大成ラミネータ社製ラミネータ(VP−II型)を用い、加熱温度110℃、ローラー圧力2kg/cm、搬送速度0.3m/分で張り合わせた。
次いで仮支持体を剥離し、ドットパターンのみを下側基板上に転写した。このようにして、下側基板の配向膜上に厚さ7μm、直径10μm、ピッチ50μmの円柱ドット状スペーサーを形成した。
この様に作成されたスペーサーは間隔の精度が高く、強度も十分であり、配向膜へのダメージも無く、良好な物であった。
【0025】
実施例4
実施例1の処方1の代りに以下の処方2の塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして液晶基板上にスペーサーを作成した。
【0026】
処方2
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比73/27、
粘度=0.12(メチルエチルケトン中、25℃)) 60g
ペンタエリスルトールテトラアクリレート 50g
ミヒラーズケトン 2.4g
ロフィンダイマー 2.5g
カーボンブラック 10.0g
メチルセロソルブアセテート 560g
メチルエチルケトン 280g
【0027】
得られた黒色(光学濃度2.5)のスペーサーは実施例1と同様に間隔の精度が高く、強度も十分であり、配向膜へのダメージも無く、良好な物であった。
【0028】
実施例5
実施例1の処方1の代わりに、以下の処方3の塗布液を用いた以外は実施例1と同様に液晶基板上にスペーサーを作成した。
処方3
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比73/27、
粘度=0.12(メチルエチルケトン中、25℃)) 60g
ペンタエリスルトールテトラアクリレート 50g
ミヒラーズケトン 2.4g
ロフィンダイマー 2.5g
ピグメントレッド177 2.0g
ピグメントブルー15:6 1.5g
ピグメントイエロー139 1.5g
ピグメントバイオレット23 0.5g
カーボンブラック 1.0g
メチルセロソルブアセテート 560g
メチルエチルケトン 280g
得られた黒色スペーサーは実施例1と同様に間隔の精度が高く、強度も十分であり、配向膜へのダメージも無く、良好なものであった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、スペーサーが簡便な方法で形成可能であり、配向膜等にダメージを与えることも無い。また、仮支持体上にスペーサーを形成することにより、その段階で良品のみを選択することができ、液晶パネルの歩留りが向上する。
Claims (5)
- 少なくとも一方の基板上に配向処理が施された配向膜を有する液晶パネルを構成する2枚の基板を介在して、両基板を支持するスペーサーを製造する方法において、
(1)可撓性を有する仮支持体上に、少なくとも光重合性樹脂層と酸素遮断層とを設けた感光性シートを用い、該感光性シートをパターン露光する工程、
(2)前記感光性シートを現像することにより未露光部を除去し、該仮支持体上に実質的に厚みが均一な複数の小点のパターンを形成する工程、
(3)前記仮支持体上に形成した小点と前記配向膜を密着させる工程、
(4)前記仮支持体を剥離し,前記配向膜上に該小点を転写する工程、
を含むことを特徴とする液晶パネル用スペーサーの形成方法。 - 前記小点が、厚み0.5〜15μmで、支持体に平行な任意の面における断面積が約0.8〜700μm2の範囲にある柱状である、請求項1に記載の液晶パネル用スペーサーの形成方法。
- 前記光重合性樹脂層の厚みが0.5〜15μmである、請求項1または請求項2に記載の液晶パネル用スペーサーの形成方法。
- 前記小点が、可視光領域に遮光性を有しており、その領域の光学濃度が1〜3である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液晶パネル用スペーサーの形成方法。
- 前記光重合性樹脂層の可視光領域の光学濃度が1〜3である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液晶パネル用スペーサーの形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20195694A JP3685821B2 (ja) | 1993-10-07 | 1994-08-26 | 液晶パネル用スペーサーの形成方法 |
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