JP2017146416A - 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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春樹 森
Haruki Mori
春樹 森
中田 浩一
Koichi Nakada
浩一 中田
高木 進司
Shinji Takagi
進司 高木
正樹 野中
Masaki Nonaka
正樹 野中
亮一 時光
Ryoichi Tokimitsu
亮一 時光
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Abstract

【課題】画像流れの抑制効果を十分に有し、かつ電気特性及び耐久性を向上させることができる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】電子写真感光体の表面層が、下記式(1)で示される化合物、及び類似の特定構造の化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の硬化物を含有する。
Figure 2017146416

【選択図】なし

Description

本発明は電子写真感光体、その製造方法、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体には、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」という)があり、これまで幅広い検討がなされてきた。近年、電子写真感光体の長寿命化や繰り返し使用時の高画質化を目的として、電子写真感光体の機械的耐久性(耐摩耗性)の向上が求められている。一方で、電子写真感光体の機械的耐久性が向上すると、帯電過程で生成する放電生成物が電子写真感光体の表面に残留してしまい、画像流れを引き起こすことがある。
この画像流れを抑制する手段として、電子写真感光体の表面に添加剤を含有させる方法が挙げられる。特許文献1では、硬化性樹脂を含有する電子写真感光体の表面層に、特定のアルキルアミン構造を有する添加剤を含有させることで、画像流れを抑制する方法が記載されている。
また、特許文献2では、硬化性樹脂を含有する電子写真感光体の表面層に、連鎖重合性官能基を有するアルキルアミン化合物を添加することで、高耐久性を維持しながら画像流れを抑制する方法が記載されている。
特開2014−199391号公報 特開2007−293247号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献1または2に記載の電子写真感光体では、画像流れの抑制効果があるものの、高温高湿といった特定の環境下においては画像流れの抑制効果は十分ではなかった。そのため、それぞれの特許文献に記載の電子写真感光体において、添加剤の含有量を増やした検討を行ったが、特許文献1に記載の添加剤では、電子写真感光体の耐久性が低下し、特許文献2に記載の添加剤では、電子写真感光体の電気特性が悪化した。
本発明の目的は、画像流れの抑制効果を十分に有し、かつ電気特性及び耐久性が向上した電子写真感光体、及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体と感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、及び下記式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
Figure 2017146416
(式(1)中、a11〜a13はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
11は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a11が2以上である場合、a11個のP11は同一であっても異なっていてもよい。P11で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
12は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a12が2以上である場合、a12個のZ12は同一であっても異なっていてもよい。Z12で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
13は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a13が2以上の場合、a13個のM13は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a13が2以上であって、M13の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM13は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar11は無置換のアレーンからa11+1個の水素原子を除いたa11+1価の基を示し、
Ar12は無置換のアレーンからa12+1個の水素原子を除いたa12+1価の基を示し、
Ar13は無置換のアレーンからa13+1個の水素原子を除いたa13+1価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(2)中、a21〜a25はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
21は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a21が2以上である場合、a21個のP21は同一であっても異なっていてもよい。P21で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
22は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a22が2以上である場合、a22個のZ22は同一であっても異なっていてもよい。Z22で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
23は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a23が2以上の場合、a23個のM23は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a23が2以上であって、M23の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM23は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
24は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a24が2以上の場合、a24個のM24は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a24が2以上であって、M24の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM24は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
25は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a25が2以上の場合、a25個のM25は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a25が2以上であって、M25の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM25は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar21は無置換のアレーンからa21+1個の水素原子を除いたa21+1価の基を示し、
Ar22は無置換のアレーンからa22+1個の水素原子を除いたa22+1価の基を示し、
Ar23は無置換のアレーンからa23+1個の水素原子を除いたa23+1価の基を示し、
Ar24は無置換のアレーンからa24+1個の水素原子を除いたa24+1価の基を示し、
Ar25は無置換のアレーンからa25+2個の水素原子を除いたa25+2価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(3)中、a31〜a35はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
31は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a31が2以上である場合、a31個のP31は同一であっても異なっていてもよい。P31で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
33は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a33が2以上である場合、a33個のZ33は同一であっても異なっていてもよい。Z33で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
32は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a32が2以上である場合、a32個のM32は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a32が2以上であって、M32の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM32は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
34は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a34が2以上である場合、a34個のM34は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a34が2以上であって、M34の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM34は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
35は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a35が2以上の場合、a35個のM35は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a35が2以上であって、M35の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM35は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar31は無置換のアレーンからa31+1個の水素原子を除いたa31+1価の基を示し、
Ar32は無置換のアレーンからa32+1個の水素原子を除いたa32+1価の基を示し、
Ar33は無置換のアレーンからa33+1個の水素原子を除いたa33+1価の基を示し、
Ar34は無置換のアレーンからa34+1個の水素原子を除いたa34+1価の基を示し、
Ar35は無置換のアレーンからa35+2個の水素原子を除いたa35+2価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(4)中、nは1以上4以下の整数を示す。Rは下記式(5)で示される1価の官能基又は下記式(6)で示される1価の官能基を示す。R及びRは水素原子、又はアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R及びRは互いに結合してR及びRが結合する炭素原子と共に環状のアルキリデン基を形成してもよい。
Figure 2017146416
式(5)中、Arはフェニレン基を示す。Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、又はベンジル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(6)中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rはフェニル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
また、本発明は、支持体と感光層とをこの順に有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、及び下記式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する表面層用塗布液を調製する工程、および該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
Figure 2017146416
(式(1)中、a11〜a13はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
11は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a11が2以上である場合、a11個のP11は同一であっても異なっていてもよい。P11で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
12は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a12が2以上である場合、a12個のZ12は同一であっても異なっていてもよい。Z12で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
13は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a13が2以上の場合、a13個のM13は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a13が2以上であって、M13の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM13は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar11は無置換のアレーンからa11+1個の水素原子を除いたa11+1価の基を示し、
Ar12は無置換のアレーンからa12+1個の水素原子を除いたa12+1価の基を示し、
Ar13は無置換のアレーンからa13+1個の水素原子を除いたa13+1価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(2)中、a21〜a25はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
21は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a21が2以上である場合、a21個のP21は同一であっても異なっていてもよい。P21で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
22は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a22が2以上である場合、a22個のZ22は同一であっても異なっていてもよい。Z22で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
23は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a23が2以上の場合、a23個のM23は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a23が2以上であって、M23の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM23は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
24は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a24が2以上の場合、a24個のM24は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a24が2以上であって、M24の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM24は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
25は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a25が2以上の場合、a25個のM25は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a25が2以上であって、M25の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM25は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar21は無置換のアレーンからa21+1個の水素原子を除いたa21+1価の基を示し、
Ar22は無置換のアレーンからa22+1個の水素原子を除いたa22+1価の基を示し、
Ar23は無置換のアレーンからa23+1個の水素原子を除いたa23+1価の基を示し、
Ar24は無置換のアレーンからa24+1個の水素原子を除いたa24+1価の基を示し、
Ar25は無置換のアレーンからa25+2個の水素原子を除いたa25+2価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(3)中、a31〜a35はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
31は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a31が2以上である場合、a31個のP31は同一であっても異なっていてもよい。P31で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
33は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a33が2以上である場合、a33個のZ33は同一であっても異なっていてもよい。Z33で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
32は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a32が2以上である場合、a32個のM32は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a32が2以上であって、M32の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM32は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
34は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a34が2以上である場合、a34個のM34は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a34が2以上であって、M34の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM34は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
35は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a35が2以上の場合、a35個のM35は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a35が2以上であって、M35の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM35は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar31は無置換のアレーンからa31+1個の水素原子を除いたa31+1価の基を示し、
Ar32は無置換のアレーンからa32+1個の水素原子を除いたa32+1価の基を示し、
Ar33は無置換のアレーンからa33+1個の水素原子を除いたa33+1価の基を示し、
Ar34は無置換のアレーンからa34+1個の水素原子を除いたa34+1価の基を示し、
Ar35は無置換のアレーンからa35+2個の水素原子を除いたa35+2価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(4)中、nは1以上4以下の整数を示す。Rは下記式(5)で示される1価の官能基又は下記式(6)で示される1価の官能基を示す。R及びRは水素原子、又はアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R及びRは互いに結合してR及びRが結合する炭素原子と共に環状のアルキリデン基を形成してもよい。
Figure 2017146416
式(5)中、Arはフェニレン基を示す。Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、又はベンジル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(6)中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rはフェニル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
さらに、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
さらに、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置に関する。
本発明によれば、画像流れの抑制効果を十分に有し、かつ電気特性及び耐久性が向上した電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の表面に凹形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す図である。 実施例及び比較例で用いたモールドを示す上面図及び断面図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体と感光層とをこの順に有する。この電子写真感光体が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、及び下記式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の硬化物を含有する表面層を有することを特徴とする。
Figure 2017146416
(式(1)中、a11〜a13はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
11は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a11が2以上である場合、a11個のP11は同一であっても異なっていてもよい。P11で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
12は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a12が2以上である場合、a12個のZ12は同一であっても異なっていてもよい。Z12で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
13は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a13が2以上の場合、a13個のM13は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a13が2以上であって、M13の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM13は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar11は無置換のアレーンからa11+1個の水素原子を除いたa11+1価の基を示し、
Ar12は無置換のアレーンからa12+1個の水素原子を除いたa12+1価の基を示し、
Ar13は無置換のアレーンからa13+1個の水素原子を除いたa13+1価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(2)中、a21〜a25はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
21は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a21が2以上である場合、a21個のP21は同一であっても異なっていてもよい。P21で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
22は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a22が2以上である場合、a22個のZ22は同一であっても異なっていてもよい。Z22で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
23は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a23が2以上の場合、a23個のM23は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a23が2以上であって、M23の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM23は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
24は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a24が2以上の場合、a24個のM24は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a24が2以上であって、M24の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM24は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
25は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a25が2以上の場合、a25個のM25は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a25が2以上であって、M25の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM25は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar21は無置換のアレーンからa21+1個の水素原子を除いたa21+1価の基を示し、
Ar22は無置換のアレーンからa22+1個の水素原子を除いたa22+1価の基を示し、
Ar23は無置換のアレーンからa23+1個の水素原子を除いたa23+1価の基を示し、
Ar24は無置換のアレーンからa24+1個の水素原子を除いたa24+1価の基を示し、
Ar25は無置換のアレーンからa25+2個の水素原子を除いたa25+2価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(3)中、a31〜a35はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
31は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a31が2以上である場合、a31個のP31は同一であっても異なっていてもよい。P31で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
33は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a33が2以上である場合、a33個のZ33は同一であっても異なっていてもよい。Z33で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
32は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a32が2以上である場合、a32個のM32は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a32が2以上であって、M32の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM32は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
34は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a34が2以上である場合、a34個のM34は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a34が2以上であって、M34の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM34は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
35は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a35が2以上の場合、a35個のM35は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a35が2以上であって、M35の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM35は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
Ar31は無置換のアレーンからa31+1個の水素原子を除いたa31+1価の基を示し、
Ar32は無置換のアレーンからa32+1個の水素原子を除いたa32+1価の基を示し、
Ar33は無置換のアレーンからa33+1個の水素原子を除いたa33+1価の基を示し、
Ar34は無置換のアレーンからa34+1個の水素原子を除いたa34+1価の基を示し、
Ar35は無置換のアレーンからa35+2個の水素原子を除いたa35+2価の基を示す。)
Figure 2017146416
(式(4)中、nは1以上4以下の整数を示す。Rは下記式(5)で示される1価の官能基又は下記式(6)で示される1価の官能基を示す。R及びRは水素原子、又はアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R及びRは互いに結合してR及びRが結合する炭素原子と共に環状のアルキリデン基を形成してもよい。
Figure 2017146416
式(5)中、Arはフェニレン基を示す。Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、又はベンジル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(6)中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rはフェニル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本発明者らは、上記特徴を有することにより、画像流れの抑制効果を十分に有し、かつ電気特性及び耐久性が向上する理由を、以下のように推測している。
電子写真感光体の表面に残留した放電生成物は、多湿環境下の水分と作用して硝酸となり、画像流れを引き起こすことが技術文献にて指摘されている(シャープ技報 第101号・2010年8月「複写機画像不良の定量的な評価方法の確立」)。電子写真感光体の表面層の表面に硝酸が付着すると、電子写真感光体に含有される電荷輸送物質に作用して、感光体の表面で比較的寿命の長いイオン対を生成し、表面層の表面抵抗が変化してしまう。その結果、画像形成部と非画像形成部の境界において、十分な明部電位を得ることができずに、画像形成部の画像濃度が薄くなる(画像がかすれる、消失する)という画像流れが発生していると考えられる。
特許文献1または2に記載の通り、アルキル基が1つまたは2つ結合したアルキルアミノ基は塩基性の強い基である。そのため、該アルキルアミノ基を有する第3級アミン化合物は、上記理由により画像流れを引き起こす硝酸を中和し、表面層の表面抵抗の変化を抑制し、画像流れの発生を抑制すると考えられる。
一方で、特許文献1または2に記載の第3級アミン化合物は、上述のアルキルアミノ基を有しているため、画像流れの抑制効果があるものの、その効果は十分ではない。それぞれの特許文献に記載の添加剤の含有量を増やすと、画像流れの抑制効果は向上したが、特許文献1に記載の添加剤では、電子写真感光体の耐久性が低下し、特許文献2に記載の添加剤では、電子写真感光体の電気特性が悪化した。
また、正孔輸送性部位に直接アルキルアミノ基が結合した正孔輸送性化合物を表面層に含有した電子写真感光体の検討を行ったが、画像流れの抑制効果は得られなかった。
特許文献1に記載の第3級アミン化合物は、重合性官能基を有していない。そのため、含有量を増やすと、硬化性樹脂の間に重合性官能基を有さない第3級アミン化合物が入り込み、電子写真感光体の耐久性が低下すると考えられる。
特許文献2に記載の第3級アミン化合物は、連鎖重合性官能基を有しているため、含有量を増やすと、この第3級アミン化合物同士の重合物が生成しやすくなる。しかしながら、この重合物は正孔輸送性部位を有していないため、正孔輸送性化合間における電荷輸送を阻害し、電子写真感光体の電気特性が悪化すると考えられる。
また、アルキルアミノ基を直接正孔輸送性部位に結合すると、分子全体の酸化電位が大きく低下してしまうため、アルキルアミノ基による画像流れの抑制効果が得られなくなると考えられる。
本発明の電子写真感光体の表面層に用いる式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物や式(3)で示される化合物は、少なくとも1つの式(4)で示される1価の官能基、すなわちアルキルアミノ基等の窒素原子に炭化水素基が結合したアミノ基(−NRまたは−NR)を有する1価の官能基と、少なくとも1つの連鎖重合性官能基を有する基とを有している。そのため、上記電子写真感光体は画像流れの抑制効果を十分に有し、耐久性が向上している。
さらに、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物や式(3)で示される化合物は正孔輸送性部位も同一分子内に有しており、式(4)で示される1価の官能基は2価のアルキレン基(−(CR(R))−)を有している。このアルキレン基はスペーサーとして機能し、正孔輸送性部位とアルキルアミノ基等の窒素原子に炭化水素基が結合したアミノ基との間には適度な距離が保たれる。そのため、アルキルアミノ基等の窒素原子に炭化水素基が結合したアミノ基が正孔輸送性部位間での電荷輸送を阻害することがなく、電気特性の悪化を抑制することができる。また、分子全体の酸化電位の低下も抑制することができるため、十分な画像流れの抑制効果を得ることができる。
ただし、良好な電気特性を得る観点から、式(4)で示される官能基のnは1以上4以下の整数であり、式(5)中のRは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基であり、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、またはベンジル基であり、式(6)中のRは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基であり、Rはフェニル基である。
式(1)〜(3)で示される化合物において、連鎖重合性官能基とは、連鎖重合が可能な官能基を意味し、連鎖重合とは高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を指す。ビニル基を有する構造等が連鎖重合性官能基である。連鎖重合性官能基としては、下記式(P−1)〜(P−9)で示される基が挙げられる。連鎖重合性官能基を有する基としては、式(P−1)〜(P−9)で示される基や、アルキル基、シクロアルキル基やアルコキシ基の1つの水素原子が式(P−1)〜(P−9)で示される基に置き換わった1価の基が挙げられる。例えば、連鎖重合性官能基を有する基は、2価の基であるアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキリデン基、アルコキシ基や、オキシアルキレン基の一方の結合手に、式(P−1)〜(P−9)で示される基が結合した1価の基である。連鎖重合性官能基を有する基は、好ましくは、下記式(7)で示される1価の基である。
Figure 2017146416
Figure 2017146416
(式(7)中、Xは水素原子、又はメチル基を示す。Xは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
以下に各式について、さらに説明する。
式(1)〜(3)中、P11、Z12、M13、P21、Z22、M23、M24、M25、P31、Z33、M32、M34、M35の炭素数1以上3以下のアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基である。
式(1)で示される化合物中のAr11〜Ar13、式(2)で示される化合物中のAr21〜Ar25、及び式(3)で示される化合物中のAr31〜Ar35は、無置換のアレーンから水素原子を除いた基を示す。無置換のアレーンとしては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、ターフェニル、フルオレン、チオフェン等が挙げられる。
式(4)中、R及びRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。R及びRが互いに結合してR及びRが結合する炭素原子と共に形成する環状のアルキリデン基は、4員環以上8員環以下が好ましい。
式(5)及び式(6)中、R〜Rの炭素数1以上5以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
式(1)〜(3)中、a11〜a13、a21〜a25、a31〜a35は、それぞれ独立に1以上4以下の整数であることが好ましい。
式(7)中、Xの炭素数1以上6以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
特に、式(1)で示される化合物は、連鎖重合性官能基を有する基の数が2であり、式(4)で示される1価の官能基の数が1であることが好ましい。また、式(2)で示される化合物は、連鎖重合性官能基を有する基の数が4であり、式(4)で示される1価の官能基の数が2であることが好ましい。また、式(3)で示される化合物は、連鎖重合性官能基を有する基の数が4であり、式(4)で示される1価の官能基の数が2であることが好ましい。
より良好な電気特性を得るためには、式(4)で示される1価の官能基のRは式(5)で示される1価の官能基であることが好ましく、式(4)で示される1価の官能基のnは1以上2以下の整数であることが好ましい。また、より良好な電気特性を得るためには、式(5)で示される官能基のR及びRがそれぞれ独立に炭素数1以上2以下のアルキル基であり、式(6)で示される官能基のRが炭素数1以上2以下のアルキル基であることが好ましい。
組成物中に含まれる式(4)で示される1価の官能基の数をA、組成物中に含まれる正孔輸送性部位の数をBとしたとき、0.5<A/B<2であることが好ましい。この範囲内であると、特に、画像流れの抑制効果が十分に得られ、かつ良好な電気特性及び耐久性が得られる。
上記正孔輸送性部位とは、無置換のアレーンが3つ窒素原子に結合した化合物であるトリアリールアミン中の無置換のアレーンから水素原子を除いて導き出される基である。上記無置換のアレーンとしては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、ターフェニル、フルオレン、チオフェン等が挙げられる。
以下に、本発明の化合物の具体例(例示化合物)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。例示化合物(No.1)〜(No.32)が式(1)で示される化合物、例示化合物(No.33)、(No.35)及び(No.37)が式(2)で示される化合物、例示化合物(No.34)、(No.36)及び(No.38)が式(3)で示される化合物である。
Figure 2017146416
Figure 2017146416
Figure 2017146416
Figure 2017146416
Figure 2017146416
式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物や式(3)で示される化合物の製造方法は特に限定されず、例えば例示化合物(No.12)は後述する合成例に記載された製造方法で製造することができる。また、この合成例に準じて、目的とする式(1)〜式(3)で示される化合物に対応する原料を用いることにより、その他の式(1)〜式(3)で示される化合物を合成することができる。
本発明の電子写真感光体の表面層が含有する式(1)〜式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の硬化物は、式(1)〜式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物と式(1)〜式(3)で示される化合物以外の化合物とを含む組成物の硬化物であってもよい。式(1)〜式(3)で示される化合物以外の化合物としては、連鎖重合性官能基を有する基と正孔輸送性部位とを有し且つ式(4)で示される1価の官能基を有さない化合物が挙げられる。式(1)〜式(3)で示される化合物以外の化合物における連鎖重合性官能基を有する基、正孔輸送性部位及び式(4)で示される1価の官能基は、式(1)〜式(3)と同様である。
表面層は、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物、及び式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成して、この塗膜を硬化させることによって形成することができる。
表面層用塗布液には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子やフッ化カーボンなどの潤滑剤が用いることができる。また、重合反応開始剤や重合反応停止剤などの重合制御剤、シロキサン変性アクリル化合物やシリコーンオイルなどのレベリング剤、界面活性剤なども用いることができる。シロキサン変性アクリル化合物とは、アクリル重合体に側鎖としてシロキサンが導入された化合物であり、例えばアクリル系単量体とアクリル基を有するシロキサンとを共重合させることにより得られる。
表面層が保護層である場合、その膜厚は0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。さらには0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。
表面層用塗布液の調製に用いる溶剤としては、表面層の下に設けられる層を溶解しない溶剤を使用することが好ましい。より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール系溶剤である。
表面層用塗布液の塗膜を硬化させる手段としては、熱、紫外線、または電子線によって硬化(重合)させる方法が挙げられる。表面層の強度、電子写真感光体の耐久性を維持するためには、紫外線または電子線を用いて硬化させることが好ましい。
電子線を用いて重合させると、非常に緻密(高密度)な硬化物(3次元架橋構造)が得られ、より高い耐久性を有する表面層が得られるため、好ましい。電子線を照射する場合、加速器としては、例えば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型などが挙げられる。
電子線を用いる場合、電子線の加速電圧は、重合効率を損なわずに電子線による材料特性劣化を抑制できる観点から、120kV以下であることが好ましい。また、表面層用塗布液の塗膜の表面での電子線吸収線量は、5kGy以上50kGy以下であることが好ましく、1kGy以上10kGy以下であることがより好ましい。
また、電子線を用いて上記組成物を硬化(重合)させる場合、酸素による重合阻害作用を抑制する目的で、不活性ガス雰囲気で電子線を照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムが挙げられる。
また、紫外線または電子線の照射後に、電子写真感光体を100℃以上170℃以下に加熱することが好ましい。こうすることで、更に高い耐久性を有し、画像不良を抑制する表面層が得られる。
次に本発明の電子写真感光体の全体的な構成について説明する。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、支持体と感光層とをこの順に有する。感光層としては、電荷発生物質および電荷輸送物質(正孔輸送物質)をともに含有する単層型感光層、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層が挙げられる。本発明においては、積層型感光層が好ましい。
図2は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、電子写真感光体は、支持体21、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び、保護層25を有する。この場合、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層を構成し、保護層25が表面層である。また、保護層を設けない場合は、電荷輸送層24が表面層である。本発明においては、電荷輸送層上に設けられた保護層を表面層とすることが好ましい。
そして、表面層は、上述したように、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物、及び式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の硬化物を含有する。以下、保護層を有し該保護層が表面層である電子写真感光体を例に、本発明の電子写真感光体をさらに説明する。
〔支持体〕
電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属または合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体や樹脂製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂に含浸させて形成された支持体、導電性樹脂を含有する支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状または板状等が挙げられるが、本発明においては円筒状が好ましい。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と、感光層または下引き層との間には、レーザー等の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
導電層に用いられる導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属の粒子や、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、ITOなどの金属酸化物の粒子などが挙げられる。また、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズを用いてもよい。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂が挙げられる。
支持体または導電層と、電荷発生層との間には、下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂、共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
下引き層には、さらに、金属酸化物粒子を含有させてもよい。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。下引き層には、さらに、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。
〔感光層〕
支持体、導電層または下引き層上には、感光層が設けられる。
積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂を溶剤と混合し、分散処理して得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比(電荷発生物質:結着樹脂)は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いる方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、必要に応じて、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を添加することもできる。
次に、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層は、電荷発生層上に形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、トリアリールメタン化合物、チアゾール化合物が挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、金属酸化物粒子、無機粒子を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子やシリコーン含有樹脂粒子などを含有させても良い。
そして、表面層である保護層は、上述したように、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物、及び式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含有する表面層用塗布液を調製し、電荷輸送層上に表面層用塗布液の塗膜を形成して、この塗膜を硬化させることによって形成することができる。なお、電荷輸送層が表面層である場合は、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物及び式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を電荷輸送層用塗布液に含有させればよい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、リング塗布法、スピン塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布といった塗布方法を用いることができる。
〔電子写真感光体の表面に凹形状部を形成する方法〕
電子写真感光体に接触させるクリーニングブレード等のクリーニング手段の挙動をより安定化させる目的で、電子写真感光体の表面層に凹形状部または凸形状部を設けることがより好ましい。
上記凹形状部または凸形状部は、電子写真感光体の表面の全域に形成されていてもよいし、電子写真感光体の表面の一部分に形成されていてもよい。凹形状部または凸形状部が電子写真感光体の表面の一部分に形成されている場合は、少なくともクリーニングブレード等のクリーニング手段との接触領域の全域には凹形状部または凸形状部が形成されていることが好ましい。
凹形状部を形成する場合は、形成するべき凹形状部に対応した凸部を有するモールドを圧接し、形状転写を行うことにより、凹形状部を形成することができる。
図3に、電子写真感光体の表面に凹形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す。
図3に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体51を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールド52を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体51の表面に凹形状部や平坦部を形成することができる。
加圧部材53の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材53は、その上面にモールド52が設置される。また、下面側に設置される支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材54に支持された電子写真感光体51の表面に、モールド52を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材54を加圧部材53に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材54および加圧部材53を互いに押し付けてもよい。
図3に示す例は、加圧部材53を電子写真感光体51の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、電子写真感光体51が従動または駆動回転しながら、その表面を連続的に加工する例である。さらに、加圧部材53を固定し、支持部材54を電子写真感光体51の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、または、支持部材54および加圧部材53の両者を移動させることにより、電子写真感光体51の表面を連続的に加工することもできる。
なお、形状転写を効率的に行う観点から、モールド52や電子写真感光体51を加熱することが好ましい。
モールド52としては、例えば、微細な表面加工が施された金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルムや、微細な表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。
また、電子写真感光体51に押し付けられる圧力を均一にする観点から、モールド52と加圧部材53との間に弾性体を設置することが好ましい。
〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置の構成〕
次に、図1に電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3により、その表面(周面)が正または負に帯電される。次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から出力される露光光(像露光光)4が照射される。露光光4は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調される。露光手段としては、スリット露光やレーザービーム走査露光などが挙げられる。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、トナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により転写材7に転写される。ここで、転写材7が紙である場合、給紙部(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写手段は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離され、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニングブレード等のクリーニング手段9によってクリーニングされ、転写残トナーなどの付着物が除去される。転写残トナーは、現像手段などで回収することもできる。さらに、必要に応じて、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10の照射により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の要素を選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持して構成する。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9とを一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールのなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(合成例)
本発明に用いられる化合物の代表的な合成例を以下に示す。前記例示化合物(No.12)で示される化合物の合成例を示す。
下記反応式(1)で示される反応により、中間体1(ニトロ体)を合成した。
Figure 2017146416
反応槽内に、カリウムt−ブトキシド29.3部、乾燥テトラヒドロフラン535部を投入し、撹拌と窒素置換を行った。その反応混合物を内温約5℃になるように冷却した。次に、前記反応槽内に(4−ニトロベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイドの125部を分割しながら添加した。内温の変化は5℃〜7℃であった。添加後30分間、撹拌して混合した。
次に、4−ジエチルアミノベンズアルデヒドの57.5部とテトラヒドロフラン71部の混合溶液を内温変化に注意しながら、約1時間かけて滴下した。内温の変化は10℃までであった。引き続き2時間、室温下で撹拌しながら反応を完結させた。
反応後、反応混合物を氷水2500部に投入し、更に酢酸エチルを投入して生成物を抽出した。有機層を分液し、水洗、食塩水洗浄し、その後脱水、濃縮した。
得られた生成物に、酢酸エチル200部を加えて加熱溶解し、n−ヘキサン800部を加えて室温に冷却し、析出した副生成物を濾取した。さらにn−ヘキサン/酢酸エチル=4/1の混合溶液を用いて濾過器上の濾過物を洗浄し、その濾液を合せて回収した。
回収した濾液から粗生成物を取り出し、シリカゲルカラムクロマトによる精製を施して、中間体1を収量67.5部(収率70%)で得た。
下記反応式(2)で示される反応により、中間体2(アミン体)を合成した。
Figure 2017146416
反応槽内に上記中間体1の67.5部と、エタノール514部を投入し、触媒として10%パラジウム/炭素(55%水湿潤品)の11.5部を加え、反応槽内を水素ガス置換した。内温を30℃にして約20時間撹拌して反応を行った。この反応により、ニトロ基の還元とアルケンの水素添加を同時に行った。
反応後、濾過、エタノール洗浄、濃縮を行い中間体2の粗生成物を得た。引き続き、シリカゲルカラムクロマトで精製して、トルエン/ヘキサン混合溶媒で再結晶して、中間体2を収量37.2部(収率61%)で得た。
下記反応式(3)により、中間体3を合成した。
Figure 2017146416
反応槽に、中間体2の37.2部と、反応式(3)中のヨウ素体91.7部、o−ジクロロベンゼン260部を混合し、炭酸カリウム52部、銅粉24部を加えて、内温約190℃にして反応を行った。20時間撹拌を行い反応した。反応後、濾過、トルエン洗浄、濃縮を行い粗生成物を得た。
更にその粗生成物に引き続き加水分解を行い、酢酸エステルを水酸基にした。テトラヒドロフラン267部、メタノール100部、24%水酸化ナトリウム水溶液300部を混合し、内温70℃に加熱、撹拌して、2時間反応して加水分解を行った。反応後、反応混合物から酢酸エチルで抽出後、有機層を水洗、食塩水洗浄、脱水、濃縮を行った。シリカゲルクロマトで精製して、中間体3を収量39.7部(収率53%)で得た。
下記反応式(4)により、例示化合物(No.12)を合成した。
Figure 2017146416
上記反応により得られた中間体3の39.7部、乾燥テトラヒドロフラン356部、トリエチルアミンの17.5部、を混合し、反応槽を冷却して内温を5℃以下に保った。
撹拌しながら、塩化アクリロイルの13.8部を約30分かけてゆっくり滴下し、内温を10℃以下に保ちながら滴下と撹拌を続けた。その後、室温まで戻し、2時間反応を続けて反応を完結させた。
反応後、冷却した5%水酸化ナトリウム水溶液1200部に投入して、酢酸エチルで抽出を行った。水洗浄、脱水、濃縮を行い粗生成物を得た。
続いて、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトで精製して、例示化合物(No.12)を収量21.3部(収率44%)で得た。
上記反応式(1)〜(4)に準じて、各例示化合物に対応する原料を用いることにより、その他の例示化合物を合成した。
(実施例1)
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。シランカップリング剤としては、信越化学工業(株)製のKBM602(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を用いた。
次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、および架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次にCuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20部、下記式(A)で示される化合物0.2部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部およびシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2017146416
次に、下記式(B)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送物質))30部、下記式(C)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送物質))60部、下記式(D)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100部、下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2017146416
(式(E)中、0.95および0.05は2つの構造単位のモル比(共重合比)である。)
次に、上記例示化合物(No.12)100部、シロキサン変性アクリル化合物3.5部(BYK−3550、ビックケミー・ジャパン(株)製)、1−プロパノール100部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)100部を混合し、撹拌した。その後ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液1を調製した。
この表面層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が25℃から140℃になるまで15秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は16ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、15分間105℃で加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層(保護層)を形成した。
このようにして、保護層を有する凹形状部形成前の電子写真感光体を作製した。
次に、圧接形状転写加工装置に型部材(モールド)を設置し、作製した凹形状部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。
具体的には、概ね図3に示す構成の圧接形状転写加工装置に、図4に示すモールドを設置し、作製した凹形状部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。図4は、実施例及び比較例で用いたモールドを示す図であり、図4(a)はモールドの概略を示す上面図、図4(b)はモールドの凸部の電子写真感光体の軸方向の概略断面図(図4(a)のS−S’断面の断面図)、図4(c)はモールドの凸部の電子写真感光体の周方向の断面図(図4(a)のT−T’断面の断面図)である。図4に示されるモールドは、最大幅(モールド上の凸部を上から見たときの電子写真感光体の軸方向の最大幅のこと)X:50μm、最大長さ(モールド上の凸部を上から見たときの電子写真感光体の周方向の最大長さのこと)Y:75μm、面積率56%、高さH:4μmの凸形状、である。なお、面積率とは、モールドを上から見たときに表面全体に占める凸部の面積の比率である。加工時には、電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、7.0MPaの圧力で電子写真感光体と加圧部材をモールドに押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させて、電子写真感光体の表面層(周面)の全面に凹形状部を形成した。このようにして、電子写真感光体を製造した。
得られた電子写真感光体の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)で50倍レンズにより拡大観察し、電子写真感光体の表面に設けられた凹形状部の観察を行った。観察時には、電子写真感光体の長手方向に傾きが無いように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧の頂点にピントが合うように、調整を行った。拡大観察を行った画像を画像連結アプリケーションによって連結して一辺500μmの正方形領域を得た。そして、得られた結果については、付属の画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタタイプメディアンでフィルタ処理を行った。
上記観察の結果、凹形状部の深さは2μm、開口部の軸方向の幅は50μm、開口部の周方向の長さは75μm、面積は140000μmであった。なお、面積とは、電子写真感光体の表面を上から見たときの凹形状部の面積であり、凹形状部の開口部の面積を意味する。
得られた電子写真感光体を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のシアンステーションに装着し、高温高湿環境(30℃、相対湿度85%RH)における画像評価を行った。
画像評価は、以下の通り行った。まず帯電工程の総放電電流量を70μAに設定し、装置内のカセットヒーター(ドラムヒーター)をOFFにした。その後、画像比率5%のテストチャートを用いて10万枚連続の画像形成を行なった。画像形成終了後、複写機への給電を停止し、3日間放置した。3日間放置後に複写機に再び給電を開始し、A4横サイズ紙にて、格子画像及び平仮名のいろはが繰り返された文字画像(いろは画像)を出力した。
得られたA4全面の画像について、以下の基準で画像流れレベルを評価した。本発明において、ランクA及びBは画像流れの抑制効果が十分に得られており、ランクC及びDは画像流れの抑制効果が得られていないと判断した。
ランクA:格子画像、いろは画像共に画像欠陥が見られない
ランクB:格子画像が一部かすんでおり、いろは画像が一部薄くなる
ランクC:格子画像が部分的に消失しており、いろは画像が全面薄くなる
ランクD:格子画像が全面消失しており、いろは画像が全面薄くなる
また、小坂研究所製表面サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mm、測定スピード0.5mm/sの条件で、10万枚の連続画像形成後の電子写真感光体表面の粗さ(最大高さRmax)を求め、このRmax値を「傷深さ」とした。本発明において、傷深さが3μm未満は電子写真感光体の耐久性に問題がないと判断した。
別途、同条件で1000枚連続の画像形成を行ない、電子写真感光体の電位の変動を調べた。像露光部VLの「1000枚通紙後の電位−初期の電位」の値をΔVLとして、算出した。本発明において、ΔVLが20V未満は電子写真感光体の電気特性に問題がないと判断した。
(実施例2)
上記例示化合物(No.12)70部、ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部、フッ素原子含有樹脂(商品名:GF300、東亜合成(株)製)0.9部、1−プロパノール100部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)100部を混合した後、超高速分散機でこの溶液を分散処理することで表面層用塗布液2を調整した。
上記表面層用塗布液1の代わりに、この表面層用塗布液2を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例3)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.37)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例4)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.28)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例5)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.19)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例6)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.17)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例7)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.14)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例8)
実施例1の表面層塗布液において、例示化合物(No.12)を50部に変更し、下記式(F)で示される正孔輸送性化合物を50部加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
(実施例9)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.31)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例10)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.4)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例11)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.35)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
(実施例12)
例示化合物(No.12)を例示化合物(No.30)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
実施例の評価結果を表1に示す。
Figure 2017146416
評価の結果、実施例においては10万枚の通紙後における画像流れレベルがA及びBであり、画像流れの抑制効果が十分に得られ、また、電位変動、及び電子写真感光体の傷深さも問題が無かった。
(比較例1)
例示化合物(No.12)を上記式(F)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
この場合、実施例1と比較し、特に10万枚通紙後の画像流れレベルが悪化した。
(比較例2)
例示化合物(No.12)を下記式(G)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例1と比較し、特に10万枚通紙後の画像流れレベルが悪化した。
(比較例3)
例示化合物(No.12)を下記式(H)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例1と比較し、特に1000枚通紙後のΔVLが悪化した。
(比較例4)
例示化合物(No.12)を下記式(I)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例1と比較し、特に10万枚通紙後の画像流れレベルが悪化した。
(比較例5)
例示化合物(No.12)を下記式(J)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例1と比較し、特に1000枚通紙後のΔVLが悪化した。
(比較例6)
例示化合物(No.12)を下記式(K)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例1と比較し、特に1000枚通紙後のΔVLが悪化した。
(比較例7)
例示化合物(No.12)を下記式(L)で示されるアルキルアミン化合物に変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例8と比較し、特に1000枚通紙後のΔVLが悪化した。
(比較例8)
例示化合物(No.12)を下記式(M)で示されるアルキルアミン化合物に変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例8と比較し、特に10万枚通紙後の傷深さが悪化した。
(比較例9)
例示化合物(No.12)を下記式(N)で示されるアルキルアミン化合物(例示化合物(No.12)の合成中間体)に変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。
Figure 2017146416
この場合、実施例8と比較し、特に10万枚通紙後の傷深さが悪化した。
比較例の評価結果を表2に示す。
Figure 2017146416
評価の結果、比較例1、2及び4では特に10万枚の通紙後における画像流れレベルが悪化し、比較例8及び9では特に傷深さが悪化し、比較例3、5、6、7では特に電気特性の悪化が見られた。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
21 支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 保護層(表面層)

Claims (18)

  1. 支持体と感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、及び下記式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2017146416
    (式(1)中、a11〜a13はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
    11は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a11が2以上である場合、a11個のP11は同一であっても異なっていてもよい。P11で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
    12は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a12が2以上である場合、a12個のZ12は同一であっても異なっていてもよい。Z12で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
    13は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a13が2以上の場合、a13個のM13は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a13が2以上であって、M13の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM13は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    Ar11は無置換のアレーンからa11+1個の水素原子を除いたa11+1価の基を示し、
    Ar12は無置換のアレーンからa12+1個の水素原子を除いたa12+1価の基を示し、
    Ar13は無置換のアレーンからa13+1個の水素原子を除いたa13+1価の基を示す。)
    Figure 2017146416
    (式(2)中、a21〜a25はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
    21は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a21が2以上である場合、a21個のP21は同一であっても異なっていてもよい。P21で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
    22は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a22が2以上である場合、a22個のZ22は同一であっても異なっていてもよい。Z22で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
    23は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a23が2以上の場合、a23個のM23は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a23が2以上であって、M23の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM23は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    24は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a24が2以上の場合、a24個のM24は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a24が2以上であって、M24の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM24は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    25は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a25が2以上の場合、a25個のM25は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a25が2以上であって、M25の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM25は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    Ar21は無置換のアレーンからa21+1個の水素原子を除いたa21+1価の基を示し、
    Ar22は無置換のアレーンからa22+1個の水素原子を除いたa22+1価の基を示し、
    Ar23は無置換のアレーンからa23+1個の水素原子を除いたa23+1価の基を示し、
    Ar24は無置換のアレーンからa24+1個の水素原子を除いたa24+1価の基を示し、
    Ar25は無置換のアレーンからa25+2個の水素原子を除いたa25+2価の基を示す。)
    Figure 2017146416
    (式(3)中、a31〜a35はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
    31は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a31が2以上である場合、a31個のP31は同一であっても異なっていてもよい。P31で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
    33は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a33が2以上である場合、a33個のZ33は同一であっても異なっていてもよい。Z33で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
    32は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a32が2以上である場合、a32個のM32は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a32が2以上であって、M32の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM32は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    34は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a34が2以上である場合、a34個のM34は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a34が2以上であって、M34の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM34は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    35は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a35が2以上の場合、a35個のM35は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a35が2以上であって、M35の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM35は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    Ar31は無置換のアレーンからa31+1個の水素原子を除いたa31+1価の基を示し、
    Ar32は無置換のアレーンからa32+1個の水素原子を除いたa32+1価の基を示し、
    Ar33は無置換のアレーンからa33+1個の水素原子を除いたa33+1価の基を示し、
    Ar34は無置換のアレーンからa34+1個の水素原子を除いたa34+1価の基を示し、
    Ar35は無置換のアレーンからa35+2個の水素原子を除いたa35+2価の基を示す。)
    Figure 2017146416
    (式(4)中、nは1以上4以下の整数を示す。Rは下記式(5)で示される1価の官能基又は下記式(6)で示される1価の官能基を示す。R及びRは水素原子、又はアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R及びRは互いに結合してR及びRが結合する炭素原子と共に環状のアルキリデン基を形成してもよい。
    Figure 2017146416
    式(5)中、Arはフェニレン基を示す。Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、又はベンジル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    式(6)中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rはフェニル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記式(4)で示される1価の官能基のRが前記式(5)で示される1価の官能基である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(4)で示される1価の官能基のnが1以上2以下の整数である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(5)で示される官能基のR及びRが、それぞれ独立に炭素数1以上2以下のアルキル基であり、前記式(6)で示される官能基のRが炭素数1以上2以下のアルキル基である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記組成物中に含まれる前記式(4)で示される1価の官能基の数をA、前記組成物中に含まれる正孔輸送性部位の数をBとしたとき、0.5<A/B<2である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記式(1)で示される化合物は、前記連鎖重合性官能基を有する基の数が2であり、前記式(4)で示される1価の官能基の数が1である請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記式(2)で示される化合物、及び前記式(3)で示される化合物は、それぞれ、前記連鎖重合性官能基を有する基の数が4であり、前記式(4)で示される1価の官能基の数が2である請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記連鎖重合性官能基を有する基が下記式(7)で示される基である請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2017146416
    (式(7)中、Xは水素原子、又はメチル基を示す。Xは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
  9. 支持体と感光層とをこの順に有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、及び下記式(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する表面層用塗布液を調製する工程、および該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2017146416
    (式(1)中、a11〜a13はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
    11は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a11が2以上である場合、a11個のP11は同一であっても異なっていてもよい。P11で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
    12は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a12が2以上である場合、a12個のZ12は同一であっても異なっていてもよい。Z12で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
    13は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a13が2以上の場合、a13個のM13は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a13が2以上であって、M13の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM13は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    Ar11は無置換のアレーンからa11+1個の水素原子を除いたa11+1価の基を示し、
    Ar12は無置換のアレーンからa12+1個の水素原子を除いたa12+1価の基を示し、
    Ar13は無置換のアレーンからa13+1個の水素原子を除いたa13+1価の基を示す。)
    Figure 2017146416
    (式(2)中、a21〜a25はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
    21は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a21が2以上である場合、a21個のP21は同一であっても異なっていてもよい。P21で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
    22は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a22が2以上である場合、a22個のZ22は同一であっても異なっていてもよい。Z22で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
    23は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a23が2以上の場合、a23個のM23は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a23が2以上であって、M23の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM23は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    24は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a24が2以上の場合、a24個のM24は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a24が2以上であって、M24の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM24は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    25は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a25が2以上の場合、a25個のM25は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a25が2以上であって、M25の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM25は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    Ar21は無置換のアレーンからa21+1個の水素原子を除いたa21+1価の基を示し、
    Ar22は無置換のアレーンからa22+1個の水素原子を除いたa22+1価の基を示し、
    Ar23は無置換のアレーンからa23+1個の水素原子を除いたa23+1価の基を示し、
    Ar24は無置換のアレーンからa24+1個の水素原子を除いたa24+1価の基を示し、
    Ar25は無置換のアレーンからa25+2個の水素原子を除いたa25+2価の基を示す。)
    Figure 2017146416
    (式(3)中、a31〜a35はそれぞれ独立に1以上の整数を示す。
    31は連鎖重合性官能基を有する基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a31が2以上である場合、a31個のP31は同一であっても異なっていてもよい。P31で示される基のうち、少なくとも1つは連鎖重合性官能基を有する基である。
    33は下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a33が2以上である場合、a33個のZ33は同一であっても異なっていてもよい。Z33で示される基のうち、少なくとも1つは下記式(4)で示される1価の官能基である。
    32は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a32が2以上である場合、a32個のM32は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a32が2以上であって、M32の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM32は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    34は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a34が2以上である場合、a34個のM34は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a34が2以上であって、M34の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM34は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    35は連鎖重合性官能基を有する基、下記式(4)で示される1価の官能基、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、a35が2以上の場合、a35個のM35は同一であっても異なっていてもよい。ただし、a35が2以上であって、M35の少なくとも1つが連鎖重合性官能基を有する基である場合、他のM35は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は連鎖重合性官能基を有する基である。
    Ar31は無置換のアレーンからa31+1個の水素原子を除いたa31+1価の基を示し、
    Ar32は無置換のアレーンからa32+1個の水素原子を除いたa32+1価の基を示し、
    Ar33は無置換のアレーンからa33+1個の水素原子を除いたa33+1価の基を示し、
    Ar34は無置換のアレーンからa34+1個の水素原子を除いたa34+1価の基を示し、
    Ar35は無置換のアレーンからa35+2個の水素原子を除いたa35+2価の基を示す。)
    Figure 2017146416
    (式(4)中、nは1以上4以下の整数を示す。Rは下記式(5)で示される1価の官能基又は下記式(6)で示される1価の官能基を示す。R及びRは水素原子、又はアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R及びRは互いに結合してR及びRが結合する炭素原子と共に環状のアルキリデン基を形成してもよい。
    Figure 2017146416
    式(5)中、Arはフェニレン基を示す。Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、又はベンジル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    式(6)中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基、ベンジル基、又はフェニル基を示し、Rはフェニル基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  10. 前記式(4)で示される1価の官能基のRが前記式(5)で示される1価の官能基である請求項9に記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 前記式(4)で示される1価の官能基のnが1以上2以下の整数である請求項9または10に記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 前記式(5)で示される官能基のR及びRが、それぞれ独立に炭素数1以上2以下のアルキル基であり、前記式(6)で示される官能基のRが炭素数1以上2以下のアルキル基である請求項9から11のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  13. 前記組成物中に含まれる前記式(4)で示される1価の官能基の数をA、前記組成物中に含まれる正孔輸送性部位の数をBとしたとき、0.5<A/B<2である請求項9から12のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  14. 前記式(1)で示される化合物は、前記連鎖重合性官能基を有する基の数が2であり、前記式(4)で示される1価の官能基の数が1である請求項9から13のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 前記式(2)で示される化合物、及び前記式(3)で示される化合物は、それぞれ、前記連鎖重合性官能基を有する基の数が4であり、前記式(4)で示される1価の官能基の数が2である請求項9から13のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 前記連鎖重合性官能基を有する基が下記式(7)で示される基である請求項9から15のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2017146416
    (式(7)中、Xは水素原子、またはメチル基を示す。Xは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
  17. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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