JP2017145950A - 油圧モータの油圧駆動装置及び建設車両 - Google Patents

油圧モータの油圧駆動装置及び建設車両 Download PDF

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Abstract

【課題】油圧モータの回転数が高くモータ負荷が低い場合でも油圧モータのピストンの焼き付きを防止する。【解決手段】圧油の供給により双方向に回転駆動される油圧モータ2と、油圧モータ2の圧油流入側の流路を形成するチェック弁30A,30B、流路を切り換えるためのチャンバ41A,41Bを有し、油圧モータ2の圧油流出側の油路を形成するカウンタバランス31弁を含むブレーキバルブ3と、を有する油圧モータの油圧駆動装置1において、チェック弁30A,30Bを通過する圧油の流量が予め設定した流量閾値より大きく、油圧モータ2に加わる負荷が予め設定した負荷よりも小さいとき、カウンタバランス弁31を変位させるチャンバ41A,41Bを連通させ、カウンタバランス弁31を中立位置方向に変位させる連通弁35を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、油圧モータの油圧駆動装置及び建設車両に係り、さらに詳しくは、建設車両に搭載される走行モータ等の油圧モータを駆動制御する油圧駆動装置、及びこの油圧駆動装置を備えた建設車両に関する。
油圧で駆動される建設車両の走行用の油圧モータを駆動するためには、油圧ポンプの吐出圧油は方向切換弁により切り換えて油圧モータの一方、又は、他方のポートに供給し、かつ戻り油は油圧モータの他方、又は一方のポートから方向切換弁を経てタンクに連通して、油圧モータを一方向、例えば前進方向に、又は、他方向の後進方向に回転駆動して走行体を駆動するようにするのが一般的である。
このような油圧駆動式走行車に使用される走行用の油圧モータとしては、例えばアキシャルピストン型斜板式モータが使用される。一般的なアキシャルピストン型斜板式モータは、後述する実施形態で図示(図2参照:参考のために図2に付した符号を付す。)するが、油圧モータ2内部のピストン12は油圧モータ2の回転数に応じて高速で往復運動しており、ピストン12とロータ11間に介在する油膜がピストン12とロータ11が金属接触を起こすことを防いでいる。ピストン12の摺動速度が大きく、かつシリンダ穴17内の圧力が小さい状態では、油膜切れによりピストン12とロータ11が金属接触し凝着(焼付き)が発生しやすくなる。ピストン12が焼き付くと、油圧モータ2は回転できなくなり故障してしまう。
建設車両に搭載された走行用油圧モータ2においてピストン12の焼き付きが発生しやすい状態としては、例えばクローラ走行車両においてクローラの泥落としのための走行用油圧モータ2の片側空回し時、あるいは緩斜面を高速降坂する場合など、供給流量が大きく、かつモータ負荷が小さい状態がある。
ピストン12の焼き付きを防ぐためには、例えば油圧モータ2の流出側モータポート圧力(モータ背圧)を増加させることが考えられる。モータ背圧を増加させると、ロータ11の流出側シリンダ穴17の圧力が増加するのに加え、油圧モータ2の回転負荷が増加し、ロータ11の流入側シリンダ穴17の圧力も増加するため、ピストン12の焼き付きリスクを低減することができる。しかし、管路抵抗を増やすなどして常にモータ背圧を大きく設定すると損失が大きくなり油圧モータ2の機械効率が下がるため得策ではない。
そこで、上記のようなモータ背圧を制御可能な技術として例えば特開平9−317879号公報(特許文献1)に開示された発明が公知である。
この発明は、油圧ポンプからの吐出圧油を、方向切換弁を介して油圧モータに供給する油圧駆動装置で、かつ油圧モータで制動をかけたときに油圧モータからの戻り油及び油圧ポンプの吐出圧油を絞り弁で絞り、吸込弁を介して油圧モータのキャビテーションを防止する油圧駆動装置の背圧制御回路において、方向切換弁を切り換えるパイロット圧と同期して油圧モータの駆動側の圧力を信号として取り出し、絞り弁に供給するパイロット弁と油圧モータ駆動側の圧力を受けて低圧又は高圧に切り換わる可変の絞り弁とからなる構成としたものである。
この発明では、方向切換弁によりモータ高速回転からの停止時及び逆転時においてモータ背圧を高圧に切り換え、キャビテーションを抑止すると共に、通常時はモータ背圧を低圧に切り換え、駆動馬力の損失を低減するようにしている。
特開平9−317879
しかし、特許文献1記載の背圧制御回路は、油圧モータの高速回転からの停止、あるいは逆転時など過渡的な状態でしか作動しないため、回転数が高くモータ負荷が低い状態でモータ背圧を増加させるような状態を検知して背圧を増加させることはできない。
そのため、走行用油圧モータ2においてピストン12の焼き付きを確実に防止することはできない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は 油圧モータの回転数が高くモータ負荷が低い場合でも油圧モータのピストンの焼き付きを防止することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、圧油の供給により双方向に回転駆動される油圧モータと、前記油圧モータの圧油流入側の流路を形成するチェック弁、並びに流路を切り換えるための第1及び第2のチャンバを有し、前記油圧モータの圧油流出側の油路を形成するカウンタバランス弁を含むブレーキバルブと、を有する油圧モータの油圧駆動装置において、前記チェック弁を通過する圧油の流量が予め設定した流量閾値より大きく、前記油圧モータに加わる負荷が予め設定した負荷よりも小さいとき、前記カウンタバランス弁の前記第1及び第2のチャンバを連通させ、前記カウンタバランス弁を中立位置方向に変位させる連通弁を備えたことを特徴とする。なお、前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明において明らかにされる。
本発明によれば、油圧モータの回転数が高くモータ負荷が低い場合でも油圧モータのピストンの焼き付きを防止することができる。
本発明の実施形態における実施例1に係る油圧モータの油圧駆動装置の油圧回路を示す図である。 本発明の実施例1におけるアキシャルピストン型斜板式モータを概念的に示す図である。 本発明の実施例1におけるチェック弁圧力損失特性を示す図である。 本発明の実施例1におけるカウンタバランス弁のスプールの動作特性を示す図である。 本発明の実施例1における連通弁閉鎖時のチャンバ差圧特性を示す図である。 本発明の実施例1における連通弁開口時のチャンバ差圧特性を示す図である。 本発明の実施例1における油圧モータの動作タイミングを概念的に示す図である。 本発明の本実施例で例示した油圧モータを走行用モータとして搭載する建設車両の一例を示す図である。 本発明の実施例2に係る油圧モータの油圧駆動装置の油圧回路を示す図である。 本発明の実施例2における外部パイロット圧作用時のチェック弁圧力損失閾値の特性を示す図である。 本発明の実施例3に係る油圧モータの油圧駆動装置の油圧回路を示す図である。
以下、図面を参照し、複数の実施例を挙げて本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施例1に係るチャンバ連通弁を備えた油圧モータの油圧駆動装置の油圧回路を示す図である。図1において、油圧駆動装置(回路)1は、油圧モータ2とブレーキバルブ3を備えている。油圧モータ2は、圧油の流入口と流出口を逆転させることで両方向に回転可能なアキシャルピストン型斜板式モータである。ブレーキバルブ3は、油圧モータ2の第1及び第2のモータポート(流入・流出口)21A,21Bに接続され、第1及び第2のモータポート21A,21Bの流れを制御する。
図2は実施例1におけるアキシャルピストン型斜板式モータの構成を概念的に示す図である。本実施例におけるアキシャルピストン型斜板式モータは、モータ出力軸10、ロータ11、ピストン12、シュー13、斜板14及び弁板15を有する。ロータ11はモータ出力軸10と締結されており、ロータ11のシリンダ穴17にピストン12が挿入されている。ピストン12の先端には揺動可能にシュー13が接続されており、シュー13に当接する形で斜板14が設置されている。ロータ11のポート穴18はシリンダ穴17と連通しており、ポート穴18側に設置された弁板15により高圧側ポート(圧油流入側)と低圧側ポート(圧油流出側)が分離されることで、ロータ11の回転角度に応じてポート穴18に作用する圧油の状態が切り換わる。
また、油圧モータ2は油圧駆動式の容量可変機構部として、斜板14の角度(傾転角度)を制御するサーボピストン16を備えており、後述するブレーキバルブ3に組み込まれた傾転切換弁33から圧油が供給されると斜板14の角度が変わり、傾転が最小となる。傾転が小さくなると前述のピストン12の最大及び最小のストロークの差が小さくなるため、油圧モータ2の1回転に必要な供給流量(モータ押しのけ容量)が減少し、油圧モータ2の回転数が増加する。
また、図1において、ブレーキバルブ3は、第1及び第2の一対のバルブポート20A,20B、第1及び第2の一対のモータポート21A,21B、パイロット圧ポート22、チェック弁30、カウンタバランス弁31、第1及び第2の高圧選択弁32,36、傾転切換弁33、リリーフ弁34及び連通弁35を備えている。
チェック弁30は、ポペット型の逆止弁で、第1及び第2のバルブポート20A,20B側から第1及び第2のモータポート21A,21B側に流れる圧油は通すが、第1及び第2のモータポート21A,21B側から第1及び第2のバルブポート20A,20B側に流れる圧油は遮断するように動作する。
チェック弁30に流量Qの圧油が流れるとチェック弁30の上流側(第1及び第2のバルブポート20A,20B側)と下流側(第1及び第2のモータポート21A,21B側)で圧力差(圧力損失)ΔPPCが生じる。図3は本実施例におけるチェック弁圧力損失を示す特性図である。横軸が流量を縦軸がチェック弁圧力損失を示す。同図から分かるように、ある規定流量QTに対してチェック弁圧力損失PTが定まる。
カウンタバランス弁31は、4ポート3位置のスプリングセンタ式スプール型切換弁である。このカウンタバランス弁31は、油路の切り換えを行うスプール40、スプール40に圧力を作用させる第1及び第2の一対のチャンバ41A,41B、スプールを中立位置AOに保持するスプリング42、第1及び第2のチャンバ41A,41Bと第1及び第2のバルブポート20A,20Bをそれぞれ繋ぐ油路に設置される第1及び第2の絞り43A,43Bから構成される。
カウンタバランス弁31は、中立位置AO(図1に示す位置)と、第1の駆動位置ARと、第2の駆動位置ALとの間で切り換えが可能となっている。中立位置AOは、第1及び第2のバルブポート20A,20Bと第1及び第2のモータポート21A,21B間の油路を遮断する位置である。第1の駆動位置ARは、第1のモータポート21Aと第1のバルブポート20A間の油路を連通させ、第2のバルブポート20Bと第2のモータポート21B間の油路を遮断する位置である。第2の駆動位置ALは、第2のモータポート21Bと第2のバルブポート20B間の油路を連通させ、第1のバルブポート20Aと第1のモータポート21A間の油路を遮断する位置である。
図4は本実施例におけるカウンタバランス弁のスプールの動作特性図である。カウンタバランス弁31のスプール40には図において左右に位置する第1及び第2のバルブポート20A,20Bの圧力を第1及び第2のチャンバ41A,41Bにそれぞれ導くことにより、第1及び第2のチャンバ41A,41Bの圧力差ΔPChに応じた推力が発生する。ここで、第1のバルブポート20Aが高圧側、第2のバルブポート20Bが低圧側とし、第1及び第2のチャンバ41A,41Bの圧力差ΔPChが圧力閾値PCr以上となると、スプリング42の反力に抗してスプール40が第2の駆動位置ALに移動し、低圧側の第2のバルブポート20Bを低圧側の第2のモータポート21Bと連通させるように動作する。前記第1及び第2のチャンバ41A,41Bの圧力差ΔPChが圧力閾値PFS(フルストローク必要差圧)に達すると、スプール40はフルストロークとなり、スプール40の開口面積Aは最大Amaxとなる。また、第1及び第2の絞り43A,43Bにより第1及び第2のチャンバ41A,41Bにそれぞれ出入りする圧油流量を制限することで、スプール40の移動を緩やかにし、油圧モータ2の急加速及び急減速を防いでいる。
カウンタバランス弁31は、油圧モータ2が外力により回される際(ポンプ作用)、油圧モータ2の過回転を防ぐ目的で設置されている。油圧モータ2が外力により回される場合としては、例えば建設車両が坂を下っている状態が想定される。このように油圧モータ2にポンプ作用が発生する場合、圧油流入側(高圧側)バルブポートと流出側(低圧側)バルブポートの圧力差ΔPが通常動作時よりも小さくなる。バルブポート圧力差ΔPが小さくなるとチャンバ圧力差ΔPChも小さくなり、チャンバ圧力差ΔPChが前記フルストローク必要差圧PFSより小さくなると(ΔPCh<PFS)、スプール40が中立位置AO方向に変位し始める。
そして、スプール40の移動によりスプール開口面積Aが減少するため油圧モータ2の流出側モータポートの圧力が上昇し、モータ回転の負荷として作用する。その結果、この負荷が外力に対してブレーキとなり、油圧モータ2の過回転が防止される。建設車両に搭載される走行用油圧モータ2においては、カウンタバランス弁31は、この動作原理に基づいて急な坂の降坂時等に作動し、車体の逸走を防いでいる。
第1及び第2の高圧選択弁32,36はシャトル弁からなる。第1の高圧選択弁32は、第1及び第2のモータポート21A,21Bのうち高圧側回路圧を選択し、後述の傾転切換弁33及び連通弁35に圧油を供給する。第2の高圧選択弁36は、第1及び第2のバルブポート20A,20Bのうち高圧側回路圧を選択し、後述の連通弁35の第1のチャンバ52に圧油を供給する。
傾転切換弁33は3ポート2位置のパイロット切換弁でサーボピストン16と第1の高圧選択弁32の間に設置されている。この傾転切換弁33は、中立位置B1(図1に示す位置)と駆動位置B2との間で切り換え可能になっている。中立位置は、第1の高圧選択弁32からの圧油を遮断し、サーボピストン16側の油路をドレン70と連通させ、モータ傾転を最大とする位置である。駆動位置B2は、第1の高圧選択弁32とサーボピストン16を連通させ、モータ傾転を最小とする位置である。車体側管路、例えば建設車両の高速と低速を切り替える電磁弁によって制御されるパイロット管路と接続されたパイロット圧ポート22にパイロット圧PPiが作用すると、傾転切換弁33は駆動位置B2に移動し、モータ傾転が最小となる。
リリーフ弁34は、油圧駆動装置1の保護のため設置されており、一方のモータポート圧が規定値以上となると、圧油を他方のモータポートに流出させて油圧駆動装置1が高圧で破壊されるのを防いでいる。
ここで、第1のバルブポート20Aを高圧側、第2のバルブポート20Bを低圧側とし、
ΔP=ΔPCh>PFS
ただし、ΔP:バルブポート差圧
ΔPCh:チャンバ差圧
FS:フルストローク必要差圧
とすると、ブレーキバルブ3内の圧油の流れは、高圧側の第1のバルブポート20Aから流入する圧油は第1のチェック弁30Aを通り、第1のモータポート21Aを介して油圧モータ2(弁板高圧側ポート)に流れ、油圧モータ2を駆動する。このとき、カウンタバランス弁31のスプール40は第2の駆動位置ALで保持されており、第1のバルブポート20Aから第1のモータポート21Aに流れるカウンタバランス弁31内の流路は遮断されている。
油圧モータ2(弁板低圧側ポート)から流出する圧油は、カウンタバランス弁31の第2の駆動位置AL内の流路を通り、低圧側の第2のバルブポート20Bから流出する。第2のモータポート21Bから第2のバルブポート20Bに流れるチェック弁30部の流路は遮断されている。以上のように、バルブブレーキ3においては油圧モータ2の流入側油路では圧油は第1のチェック弁30を通過し、流出側油路ではカウンタバランス弁31を通過する流路をとる。
連通弁35は、2ポート2位置のスプール型切換弁で、カウンタバランス弁31の第1及び第2のャンバ41A,41Bを繋ぐ油路50に設置されている。連通弁35は、スプール51、第1及び第2のチャンバ52,53、スプリング54及び絞り55から構成されている。スプール51は油路の切り換えを行い、第1のチャンバ52は、スプール51に第2の高圧選択弁36からの圧油を作用させ、第2のチャンバ53は、第1の高圧選択弁32からの圧油をスプール51に作用させる。スプリング54はスプール51を中立位置C1に保持するためのもので、絞り55は、スプール51内油路に設置されている。
連通弁35は油路50を遮断する中立位置C1(図1に示す位置)と、油路50を絞り55を介して連通させる駆動位置C2との間で切り換え可能となっている。連通弁35のスプール51は第1及び第2のチャンバ52,53とスプリング54から推力を受ける。
今、第1のバルブポート20Aが高圧側、第2のバルブポート20Bが低圧側とすると、第1のチャンバ52には第2の高圧選択弁36が選択している高圧側の第1のバルブポート20Aの圧力PVHiが、第2のチャンバ53には第1の高圧選択弁32が選択している高圧側の第1のモータポート21Aの圧力PMHiが作用する。これは、油圧モータ2の流入側モータポート圧の方が流出側モータポート圧よりも高いためである。
以上より、スプール51に作用する推力の合力Fは、駆動位置C2方向に押す力を正とし、第1及び第2のチャンバ52,53におけるスプール受圧面積Sとすると、
F=(PVHi−PMHi)S−fSP
ただし、fSP:スプリング54の反力
と表わされる。ここで、高圧側の第1のバルブポート20Aは第1のチェック弁30の上流側油路であり、高圧側の第1のモータポート21Aは第1のチェック弁30の下流側油路となるため、
VHi−PMHi=ΔPPC
ただし、ΔPPC:チェック弁圧力損失
となる。よって、スプール51に作用する推力の合力Fは、
F=ΔPPC・S−fSP
となる。そこで、図3における
ΔPPC=P
ただし、PT:チェック弁圧力損失圧力閾値
のときに、合力Fが、
F>0
となるように受圧面積S及びバネ反力fSPを設定しておけば、流量Qが流量閾値Qより大きく(Q>Q)なったときに、連通弁35のスプール51が駆動位置C2に移動し、油路50が絞り55を介して連通する。
すなわち、流量Qが流量閾値Qより大きくなったとき、カウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41Bが連通する。また、このようになるように流量閾値Qは設定される。
図5は本実施例における連通弁閉鎖時のチャンバ差圧特性を示す図である。同図を参照し、連通弁35の動作によるカウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41Bの圧力変化について説明する。
第1及び第2のバルブポート20A,20Bのうち高圧側バルブポート圧をPVHi、低圧側バルブポート圧をPVLoとし、第1及び第2のチャンバ41A,41Bのうち高圧側チャンバ圧をPCHi、低圧側チャンバ圧をPCLoとする。連通弁35が中立位置C1の状態のとき、すなわち流量Qが流量閾値Qより小さい(Q<Q)状態でカウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41B間の油路50が遮断されているとき、絞り43を通過する圧油流量は0のため、
VHi=PCHi
VLo=PCLo
となる。よって、チャンバ差圧ΔPChとバルブポート差圧ΔPとの関係は、
ΔPCh=ΔP=PVHi−PVLo
となる。
図6は本実施例における連通弁開口時のチャンバ差圧特性を示す図である。連通弁35が駆動位置C2の状態のとき、すなわち流量Qが流量閾値Qより大きい(Q>Q)状態で、カウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41B間の油路50が絞り55を介して連通しているとき、油路50に高圧側の第1のバルブポート20Aから低圧側の第2のバルブポート20Bに向けて圧力勾配のある流路が形成される。このようにして流路内の第1及び第2の絞り43A,43B、並びに連通弁35のスプール51内の油路の絞り55の前後において圧力差が生じるため、チャンバ差圧ΔPChとバルブポート差圧ΔPとの関係は、
ΔPCh<ΔP
となる。
バルブポート差圧ΔPが同じ状態でも連通弁35の開閉状態によりチャンバ差圧ΔPChは変化し、連通弁35が開口している場合(駆動位置C2)、閉鎖されている場合(中立位置C1)よりもチャンバ差圧ΔPChが減少する。連通弁35閉鎖時において、チャンバ差圧ΔPChとバルブポート差圧ΔPとフルストローク必要差圧PFSとの関係が、
ΔPCh=ΔP>PFS
であっても、連通弁35の開口により、前記関係が、
ΔPCh<PFS<ΔP
となれば、カウンタバランス弁31のスプール40が中立位置AO方向に変位し、図4に示すようにスプール開口面積Aが減少するため、モータ流出側油路が絞られる。その結果、第2のモータポート21Bから第2のバルブポート20Bへ流れる油圧モータ2の流出側管路抵抗(モータ背圧)が増加する。
連通弁35の開口時のバルブポート差圧ΔPとチャンバ差圧ΔPChの比
ΔPCh/ΔP
は、第1及び第2の絞り43A,43Bと絞り55の流路面積で定まっており、バルブポート差圧ΔPの変動に比例してチャンバ差圧ΔPChも変動する。流量Qが流量閾値Qより大きい(Q>Q)状態で連通弁35が開口していても、バルブポート差圧ΔPvが規定圧力PVTよりも大きいとき(大流量・高負荷時)はスプール開口面積Aを減少させてモータ背圧を増加させる必要がない。そこで前記比が、
ΔPCh/ΔP=PFS/PVT
となるように第1及び第2の絞り43A,43Bと絞り55の流路面積を調整し、バルブポート差圧ΔPが規定圧力PVTに対して大きい(ΔP>PVT)状態となれば、必ず、チャンバ差圧ΔPChがフルストローク必要差圧PFSに対して
ΔPCh>PFS
となるため、大流量・高負荷時にカウンタバランス弁31のスプール40はフルストローク位置、最大開口面積Amaxの状態で保持される。その結果、モータ背圧の不必要な増加を回避することができる。
図7は本実施例の油圧モータの制御における動作タイミングを概念的に示す図である。
同図において、時刻t0では油圧モータ2は低負荷かつ小流量状態であり、チェック弁30の圧力損失ΔPPCはチェック弁圧力損失閾値PTより小さいため連通弁35は中立位置C1に保持される。なお、低負荷、小流量状態とは、バルブポート差圧ΔPが、規定圧力PVTとフルストローク必要差圧PFSに対して
FS<ΔP<PVT
であり、流量Qが流量閾値Qより小さい(Q<Q)状態である。
このとき、カウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41Bを繋ぐ油路50は連通弁35により遮断されており、チャンバ差圧ΔPChとバルブポート差圧ΔPとフルストローク必要差圧PFSの関係は、
ΔPCh=ΔP>PFS
となっているので、カウンタバランス弁31のスプール40はフルストローク・最大開口面積Amaxで保持される。すなわち、モータ背圧の増加制御は行われない。
時刻tにおいて油圧モータ2は低負荷かつ大流量状態に移行を開始する。低負荷かつ大流量状態とは、バルブポート差圧ΔPVが、規定圧力PVTとフルストローク必要差圧PFSに対して
FS<ΔP<PVT
であり、流量Qが閾値Qより大きい(Q>Q)状態である。
時刻tにおいて流量Qが閾値Qに対して大きく(Q>Q)なると、チェック弁30の圧力損失ΔPPCはチェック弁圧力損失圧力閾値Pより大きくなる(ΔPPC>P)ため、連通弁35は駆動位置C2に変位する。
カウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41Bを繋ぐ油路50は絞り55を介して連通し、時刻tにおいてチャンバ差圧ΔPChと、バルブポート差圧ΔPと、規定圧力PVTと、フルストローク必要差圧PFSとの関係が、
ΔPCh=ΔP・PFS/PVT<PFS
となるため、カウンタバランス弁31のスプール40が中立位置AO方向に変位し、スプール開口面積Aが減少する。すなわち、モータ流出側油路が絞られモータ背圧が増加する。
時刻tにおいて油圧モータ2は高負荷かつ大流量状態に移行を開始する。高負荷かつ大流量状態とは、バルブポート差圧ΔPが規定圧力PVTより大きく(ΔP>PVT)、流量Qが閾値Qよりも大きい(Q>Q)状態である。
移行を開始したとき、連通弁35は開口したままであり、時刻tにおいてバルブポート差圧ΔPが規定圧力PVTより大きく(ΔP>PVT)となると、チャンバ差圧ΔPChと、バルブポート差圧ΔPと、規定圧力PVTと、カウンタバランス弁31フルストローク必要差圧PFSとの関係が、
ΔPCh=ΔP・PFS/PVT>PFS
となるため、カウンタバランス弁31のスプール40がフルストロークし、スプール開口面積Aが最大開口面積Amaxまで増加する。すなわち、モータ背圧の増加制御は解除される。
時刻tにおいて油圧モータ2は高負荷かつ小流量状態に移行を開始する。高負荷かつ小流量状態とは、バルブポート差圧ΔPが規定圧力PVTより大きく(ΔP>PVT)、流量Qが閾値Qよりも小さい(Q<Q)状態である。時刻tにおいて流量Qが閾値Qより小さく(Q<Q)となると、チェック弁30圧力損失ΔPPCは閾値Pより小さく(ΔPPC<P)なるため、連通弁35は中立位置C1に変位する。これにより、カウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41Bを繋ぐ油路50は連通弁35により遮断され、チャンバ差圧ΔPChとバルブポート差圧ΔPが等しくなり、これがフルストローク必要差圧PFSより大きくなるため、すなわち、
ΔPCh=ΔP>PFS
となるため、カウンタバランス弁31のスプール40はフルストローク・最大開口面積Amaxで保持される。このため、モータ背圧の増加制御は行われない。
図8は、本実施例で例示した油圧モータを走行用モータとして搭載する建設車両の一例を示す図である。この建設車両80は、クローラ式の走行装置を備えた例えばミニショベルである。この建設車両80は、走行体81と、この走行体81上に旋回輪82を介して配置される旋回体83と、この旋回体83に取り付けられ、土砂の掘削作業等に活用される作業装置84とを備えている。作業装置84は例えば、旋回体83に上下方向の回動可能に取り付けられるブーム85と、このブーム85の先端に上下方向の回動可能に取り付けられるアーム86と、このアーム86の先端に上下方向の回動可能に取り付けられるバケット87とを含んでいる。
旋回体83の旋回フレーム83aの上方にはフロアプレート88が配置され、このフロアプレート88上には運転席89が設けられている。旋回フレーム83aの後端部には、重量バランスを確保するカウンタウェイト90を備えている。また、運転席89とカウンタウェイト90の間には、エンジン、油圧ポンプ等が収容される機械室91を備えている。運転席89の下方には、旋回体83を旋回させる油圧旋回装置92が設けられている。そして、走行体81内に設置され、油圧駆動装置1によって駆動される油圧モータ2を駆動原として建設車両80は走行する。
このような建設車両80に搭載された油圧モータ2について、図7に示した動作を説明すると、
・油圧モータ2のモータ負荷が小さく、かつ回転数も小さい低速走行状態(時刻t−時刻t)では、ピストン12の焼き付きリスクは小さく、モータ背圧の増加制御は行われない。
・油圧モータ2のモータ負荷が小さく、かつ回転数が高い緩斜面降坂時等の高速走行状態(時刻t−時刻t)では、ピストン12の焼き付きリスクが大きいため、モータ背圧の増加制御を行い、焼き付きリスクを低減する。
・油圧モータ2のモータ負荷が大きく、かつ回転数も大きい登坂時等の高速走行状態(時刻t−時刻t)では、ピストン12の焼き付きリスクは小さく、モータ背圧の増加制御は行われない。
・油圧モータ2のモータ負荷が大きく、かつ回転数が小さい登坂時等の低速走行状態(時刻t−時刻t及びそれ以降)では、ピストン12の焼き付きリスクは小さく、モータ背圧の増加制御は行われない。
ということになり、特に、ピストン12の焼き付きリスクが大きい場合に効果を奏することが分かる。
なお、実施例1では、建設車両としてクローラ式の走行装置を備えたミニショベルを例示しているが、カウンタバランス弁31を油圧駆動装置1に使用していれば、ホイール式の走行装置を備えた建設車両にも適用できる。
以上のように、本実施例によれば、
1)本実施例における油圧モータの油圧駆動装置1は、油圧モータ2のモータ負荷が小さく(ΔP<PVT)、かつ油圧モータ2に流れる圧油の流量Qが大流量(Q>Q)であるとき、ピストン12の焼き付きリスクが大きいため、第1及び第2のチェンバ41A,41Bを連通して油圧モータ2のモータ背圧を増加させるので、ピストン12の焼き付きリスクを低減することができる。
2)既存のカウンタバランス弁31用い、連通弁35を付加するだけなので、モータ背圧を増加させるための構造の複雑化及びコストアップを回避することができる。
3)油圧モータの低負荷時にモータ回転数を減らすような制御を行わないので、オペレータに違和感を与えることがなく、車体制御の複雑化を回避することができる。
4)回転計や流量計の増設なしに油圧モータ2に流入する圧油が大流量であることを第1及びチェック弁30A,30Bを通る圧油の差圧で検知するので、コストアップを回避することができる。
5)大流量高回転時においても油圧モータ2のモータ負荷が大きくピストン12の焼き付きのリスクが小さい場合は、モータ背圧の増加が起こらないため、損失の増大によるモータ効率低下を回避することができる。
図9は本発明の実施例2に係る油圧モータの油圧駆動装置の油圧回路図である。
実施例2に係る油圧モータの油圧駆動装置は、モータ傾転に応じて流量閾値を変更可能な連通弁を備え、当該連通弁を油圧モータの制御に使用する例である。この実施例2のように構成しても本発明の実施が可能である。本実施例2は、図1に示した実施例1の油圧モータの油圧駆動装置1に対して以下の点が相違している。
実施例2における連通弁37は、2ポート2位置のスプール型切換弁である。この連通弁37は、図1に示した実施例1の連通弁35に対して第1のチャンバ52が設けられた側に、さらに傾転切換弁33を駆動する外部パイロット圧PPiをスプール51に作用させる第3のチャンバ56を設けた点が異なる。すなわち、実施例2では、第3のチャンバ56は傾転切換弁33に連通するパイロット圧ポート22に接続されている。その他の各部は実施例1と同一に構成され、同様に機能するので、重複する説明は省略する。
このように構成された実施例2に係る油圧駆動装置1では、連通弁37のスプール51は第1ないし第3のチャンバ52,53,56及びスプリング54より推力を受ける。スプール51に作用する推力の合力Fは、駆動位置C2方向に押す力を正とし、第1及び第2のチャンバ52,53でのスプール受圧面積S、第3のチャンバ56でのスプール受圧面積S’、スプリング54の反力をfSP、チェック弁30圧力損失をΔPPC、外部パイロット圧をPPiとすると、
F=ΔPPC・S+PPi・S’−fSP
と表わされる。
傾転切換弁33を駆動する外部パイロット圧PPiが作用していない場合(PPi=0)、スプール51に作用する推力Fは、実施例1と同じ推力
F=ΔPPC・S−fSP
となるため、連通弁37は図4に示すチェック弁30の圧力損失ΔPPCが、当該チェック弁30の圧力損失の圧力閾値Pより大きく(ΔPPC>P)、流量Qが流量閾値Qより大きい(Q>Q)場合には、駆動位置C2に変位し、油路50を連通させる。
その他の動作は、実施例1と同様なので、説明は省略する。
図10は実施例2における外部パイロット圧作用時のチェック弁圧力損失閾値の特性を示す特性図である。
傾転切換弁33を駆動する外部パイロット圧PPiが作用している場合(PPi=P>0)、実施例1よりもP・S’分、推力Fが大きくなる。すなわち外部パイロット圧PPiが作用していない状態よりも
ΔP=P・S’/S
だけ低いチェック弁圧力損失 ΔPPCで連通弁37が開口することとなる。すなわち、
ΔPPC=PT’
ただし、PT’=P−ΔP
となる。
チェック弁圧力損失ΔPPC(=PT’)に対応する流量Qは、
Q=QT’<Q
となり、外部パイロット圧PPiが作用していない状態よりも小さい流量閾値QT’で開口することとなる。
以上のように、実施例2では外部パイロット圧PPiが作用していないとき(モータ最大傾転時)と、作用しているとき(モータ最小傾転時)で連通弁37を開口する流量閾値Qを別に設定することが可能となる。すなわち、モータ最小傾転時において、最大傾転時に比して小さい流量閾値QT’でモータ背圧を増加させることができる。
また、本実施例では、モータ最大傾転時とモータ最小傾転時に異なる流量閾値Q、QT’を用いてモータ背圧が増加するように制御できるので、ピストン12の焼き付きリスク低減が不十分となること、及び不必要な損失の増大を回避することができる。
図11は本発明の実施例3に係る油圧モータの油圧駆動装置の油圧回路図である。
実施例3は、実施例1に対してカウンタバランス弁に連動するチャンバ連通弁の開閉弁を設けたものである。すなわち、実施例3に係る油圧モータの油圧駆動装置1は、5ポート3位置のスプリングセンタ式スプール型切換弁からなるカウンタバランス弁38と、その第1及び第2のチャンバ41A,41Bの連通弁として前記カウンタバランス弁38と連動する開閉弁39を備えたことを特徴としている。その他の各部は実施例1と同様なので、説明は省略する。
すなわち、図1に示した実施例1の油圧モータの油圧駆動装置に対して以下の点が相違している。
実施例3におけるカウンタバランス弁38は、5ポート3位置のスプリングセンタ式スプール型切換弁である。このカウンタバランス弁38は、油路の切り換えを行うスプール44、スプール44に圧力を作用させる第1及び第2のチャンバ41A,41B、スプール44を中立位置AOに保持するスプリング42、第1及び第2のチャンバ41A,41Bと第1及び第2のバルブポート20A,20Bを繋ぐ油路に設置される絞り43から構成される。
カウンタバランス弁38は、第1及び第2のバルブポート20A,20Bと第1及び第2のモータポート21A,21B間の油路を遮断し、連通弁35の第1のチャンバ52とドレン70を連通させる中立位置AO(図11に示す位置)と、第1のモータポート21Aと第1のバルブポート20A間の油路を連通させ、第2のバルブポート20Bと第2のモータポート21B間の油路を遮断し、第2のバルブポート20Bと連通弁35のチャンバ52を連通させる第1の駆動位置ARと、第2のモータポート21Bと第2のバルブポート20B間の油路を連通させ、第1のバルブポート20Aと第1のモータポート21A間の油路を遮断し、第1のバルブポート20Aと連通弁35の第1のチャンバ52を連通させる第2の駆動位置ALとの間で切換が可能となっている。
なお、スプール44の動作特性は、実施例1のスプール40と同じ動作特性であり、チャンバ差圧ΔPChが圧力閾値PCrより大きい(ΔPCh>PCr)場合、連通弁35の第1のチャンバ52はドレン70と遮断され、第1のバルブポート20A又は第2のバルブポート20Bと連通を開始する。
開閉弁39は、4ポート3位置のスプリングセンタ式スプール型切換弁で、油路の切り換えを行うスプール60、スプールを中立位置DOに保持するスプリング61から構成される。開閉弁39は、連通弁35の第2のチャンバ53とドレン70を連通させる中立位置DO(図11に示す位置)と、第2のモータポート21Bを連通弁35の第2のチャンバ53と連通させる第1の駆動位置DRと、第1のモータポート21Aを連通弁35の第2のチャンバ53と連通させる第2の駆動位置DLとの間で切換が可能となっている。
開閉弁39のスプール60の両端は、カウンタバランス弁38の第1及び第2のチャンバ41A,41Bとそれぞれ連通している。これによりスプール60にはチャンバ差圧ΔPChが作用する。また、開閉弁39を中立位置DOに保持しているスプリング61は、チャンバ差圧ΔPChが圧力閾値(図3におけるカウンタバランス弁スプールの開口必要圧力 )PCrより小さな規定圧力PCr0になると、開口する。すなわち、
ΔPCh=PCr0<PCr
となる規定圧力PCr0で開口されるように前記スプリング61のバネ反力が設定される。
以上のように設定された開閉弁39は、チャンバ差圧ΔPChが前記規定圧力PCr0より小さい(ΔPCh<PCr0)場合、カウンタバランス弁38が中立位置AOにあるときは中立位置DO、第2のチャンバ41B側が高圧でカウンタバランス弁38が第1の駆動位置ARにある場合は第2の駆動位置DR、第1のチャンバ41A側が高圧でカウンタバランス弁38が第2の駆動位置ALにある場合は第1の駆動位置DLに、それぞれ変位する。すなわち、開閉弁39はカウンタバランス弁38の動作と連動して変位する。
ここで、第1のバルブポート20Aが高圧側、第2のバルブポート20Bが低圧側とし、チャンバ差圧ΔPChが前記規定圧力PCr0より大きい(ΔPCh>PCr0)とすると、カウンタバランス弁38は第2の駆動位置AL、開閉弁39は第2の駆動位置DLに位置し、連通弁35の第1のチャンバ52にはカウンタバランス弁38から供給される第1のバルブポート20Aの圧力が、第2のチャンバ53には開閉弁39から供給される第1のモータポート21Aの圧力が作用する。その結果、連通弁35にはモータ流入側油路に発生するチェック弁圧力損失ΔPPCが作用することになる。
以上のように本実施例におけるカウンタバランス弁38と開閉弁39は、連通弁35に作用するチェック弁圧力損失ΔPPCを取得するように動作する。これは実施例1の構成における高圧選択弁36及び高圧選択弁32と基本的に同じ働きである。しかし、以下で説明する現象が発生する場合、この実施例3の構成で誤動作を回避することができる。
すなわち、油圧モータ2にポンプ作用(外力により油圧モータ2が回される)が加わった場合、一時的にモータ流出側モータポート圧が流入側モータポート圧を上回る現象が発生する。今、第1のバルブポート20Aが高圧側、第2のバルブポート20Bが低圧側とすると、通常時は第1のバルブポート20A、第1のモータポート21A、第2のモータポート21B、第2のバルブポート20Bの順で圧力が高い。しかし、ポンプ作用が発生すると、第1のバルブポート20A、第2のモータポート21B、第1のモータポート21A、第2のバルブポート20Bの順で圧力が高くなる状況が発生することがある。
このような状況において実施例1の構成では、高圧選択弁36は第1のバルブポート20Aの圧力、高圧選択弁32は第2のモータポート21Bの圧力を連通弁35に作用させる。すなわち、連通弁35には圧油がモータ流入側チェック弁30を通過する際に発生するチェック弁圧力損失ΔPPC(第1のバルブポート20Aと第1のモータポート21A間の差圧)が作用しておらず、油圧モータ2の供給流量Qを正しく検知できていない状態となっている。
一方、実施例3の構成では、第1のバルブポート20Aの圧力が第2のバルブポート20Bの圧力より高く、カウンタバランス弁38及び開閉弁39はそれぞれ第2の駆動位置AL及び第2の駆動位置DLの位置にあるため、第1のバルブポート20Aと第1のモータポート21Aの圧力を連通弁35に作用させる。すなわち、連通弁35には圧油がモータ流入側の第1のチェック弁30Aを通過する際に発生するチェック弁圧力損失ΔPPCが作用しており、油圧モータ2の供給流量Qを正しく検知できる状態となっている。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。なお、以下の効果の説明では、特許請求の範囲における各構成要素と本実施形態の各部を対応させ、後者をかっこ書きもしくは参照符号で示す。
1)圧油の供給により双方向に回転駆動される油圧モータ2と、油圧モータ2の圧油流入側の流路を形成するチェック弁(第1及び第2のチェック弁30A,30B)、流路を切り換えるための第1及び第2のチャンバ41A,41Bを有し、油圧モータ2の圧油流出側の油路を形成するカウンタバランス弁31を含むブレーキバルブ3と、を有する油圧モータの油圧駆動装置1において、チェック弁30A,30Bを通過する圧油の流量Qが予め設定した流量閾値Qより大きく、油圧モータ2に加わる負荷が予め設定した負荷よりも小さい(PFS<ΔP<PVT)とき、カウンタバランス弁31の第1及び第2のチャンバ41A,41Bを連通させ、カウンタバランス弁31を中立位置方向に変位させる連通弁35を備えたので、この連通弁35の変位により油圧モータ2のモータ背圧が増加し、その結果、ピストン12の焼き付きリスクを低減することができる。
2)連通弁35は、圧油の流量が予め設定した流量閾値Qを超えたときに、対応するチェック弁(第1及び第2のチェック弁30A,30B)前後の差圧の圧力閾値(チェック弁圧力閾値P)に基づいて駆動され、第1及び第2のチェンバ41A,41Bを連通するので、計器や電気的検出手段を使用することなく連通弁35に供給される圧油のみで機能させることができる。これにより、コストの上昇を招くこともなく、また、故障の発生も抑制することができる。
3)連通弁35の油路に絞り55を備え、絞り55の絞り量は、第1のバルブポート20Aと第2のバルブポート20Bとの差圧が予め設定された圧力閾値PVT以下となったとき、第1及び第2のチャンバ41A,41B間の差圧ΔPCHが前記カウンタバランス弁31のフルストローク必要差圧PFSを下回るように設定されているので、大流量・高負荷時にカウンタバランス弁31のスプール40はフルストローク位置、最大開口面積Amaxの状態で保持される。その結果、モータ背圧の不必要な増加を回避することができる。
4)連通弁37が、前記油圧モータ2にモータ傾転パイロット圧を導くチャンバ56を備えているので、外部パイロット圧PPiが作用していないとき(モータ最大傾転時)と、作用しているとき(モータ最小傾転時)で連通弁37を開口する流量閾値Qを別に設定することができる。
5)カウンタバランス弁38の第1及び第2のチャンバ間41A,41Bの差圧に連動して連通弁35を動作させる開閉弁39を備えたので、連通弁35には圧油がモータ流入側チェック弁30(30Aあるいは30B)を通過する際に発生するチェック弁圧力損失ΔPPCが作用し、油圧モータ2の供給流量Qを正しく検知することができる。
6)前記実施形態で例示した油圧モータ2の駆動装置(油圧駆動装置1)を、走行用モータの駆動装置として建設車両(ミニショベル80)が備えたので、油圧モータ2が低負荷、高回転の運転状態となっても、油圧モータ2のピストン12の焼き付きの発生を抑えて走行することができる。
なお、本実施形態では、チェック弁30(第1及び第2のチェック弁30A,30B)に発生する圧力損失ΔPPCにより流量を検知しているが、油圧モータ2に流入・流出するのと等しい流量が流れるブレーキバルブ3内の油路で、流量と相関した圧力損失が発生する箇所であればチェック弁30に限らず他の箇所の圧力損失で流量を検知しても良い。
また、本実施形態では、連通弁35,37にカウンタバランス弁31、38のチャンバ差圧ΔPChを調整するための絞り55を設置しているが、油路50の任意の場所に設置するようにしても良い。また、油路50の管路抵抗を絞り55の代わりに使用し、調整するようにしても良い。
また、本実施形態では、カウンタバランス弁31、38の高圧側チャンバと低圧側チャンバを連通させることでチャンバ圧差ΔPChを変化させているが、高圧側チャンバ圧をドレン70と連通させてチャンバ圧差ΔPChを変化させても良い。
また、本実施形態では、第1及び第2のバルブポート20A,20Bの圧力を、高圧選択弁36又はカウンタバランス弁38を介して連通弁35,37に作用させているが、低圧側バルブポート圧が流量Qに関係なく一定圧力となっているならば第1及び第2のバルブポート20A,20Bそれぞれの圧力を直接スプール51に作用させる2つのチャンバを設置し、低圧側バルブポート圧をキャンセルするようにスプリング54バネ反力を設定するようにしても良い。
また、実施例2における油圧モータの油圧駆動装置1は、外部パイロット圧ポート22からのパイロット圧PPiを連通弁37のスプール51に作用させているが、サーボピストン16に作用する傾転圧をスプールに作用させるようにしても良い。
また、本実施形態では、油圧モータ2としてアキシャルピストン型斜板式油圧モータを用いているが、アキシャルピストン型斜板式油圧モータを用いるものに限定するものではない。斜軸式油圧モータやラジアルピストン型油圧モータであっても良い。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 油圧駆動装置
2 油圧モータ
3 ブレーキバルブ
12 ピストン
20A,20B バルブポート
21A,21B モータポート
22 パイロット圧ポート
30A,30B チェック弁
31,38 カウンタバランス弁
35,37 連通弁
39 開閉弁
41A,41B,52,53,56 チャンバ
43A,43B 絞り
50 連通油路
51 連通弁スプール
55 連通弁絞り

Claims (6)

  1. 圧油の供給により双方向に回転駆動される油圧モータと、
    前記油圧モータの圧油流入側の流路を形成するチェック弁、並びに流路を切り換えるための第1及び第2のチャンバを有し、前記油圧モータの圧油流出側の油路を形成するカウンタバランス弁を含むブレーキバルブと、
    を有する油圧モータの油圧駆動装置において、
    前記チェック弁を通過する圧油の流量が予め設定した流量閾値より大きく、前記油圧モータに加わる負荷が予め設定した負荷よりも小さいとき、前記カウンタバランス弁の前記第1及び第2のチャンバを連通させ、前記カウンタバランス弁を中立位置方向に変位させる連通弁を備えたことを特徴とする油圧モータの油圧駆動装置。
  2. 請求項1に記載の油圧モータの油圧駆動装置において、
    前記連通弁は、前記圧油の流量が予め設定した流量閾値を超えたときに対応する前記チェック弁前後の差圧の圧力閾値に基づいて駆動され、前記第1及び第2のチャンバを連通することを特徴とする油圧モータの油圧駆動装置。
  3. 請求項1に記載の油圧モータの油圧駆動装置において、
    前記連通弁の油路に絞りを備え、
    前記絞りの絞り量は、前記絞り前後の差圧が予め設定された圧力閾値以下となったとき、前記第1及び第2のチャンバ間の差圧が前記カウンタバランス弁のフルストローク必要差圧を下回るように設定されていることを特徴とする油圧モータの油圧駆動装置。
  4. 請求項1に記載の油圧モータの油圧駆動装置において、
    前記連通弁が、前記油圧モータにモータ傾転パイロット圧を導くチャンバを備えていることを特徴とする油圧モータの油圧駆動装置。
  5. 請求項1の記載の油圧モータの油圧駆動装置において、
    前記カウンタバランス弁の第1及び第2のチャンバ間の差圧に連動して前記連通弁を動作させる開閉弁を備えたことを特徴とする油圧モータの油圧駆動装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の油圧モータの油圧駆動装置を、走行用油圧モータの油圧駆動装置として備えたことを特徴とする建設車両。


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