JP3638122B2 - 走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、ブルドーザ等の走行用油圧モータを備えた走行機械における走行制御装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベルやブルドーザ等の走行用油圧モータを備えた走行機械のなかには、可変容量型の走行用油圧モータを採用したものがある。このものにおいて、走行用油圧モータの容量が大きくなると、モータ回転数が減少して走行速度は低速になるが牽引力は大きくなり、また走行用油圧モータの容量が小さくなると、モータ回転数が増加して走行速度は高速になるが牽引力は小さくなる。
ところで、従来、この様な可変容量型の走行用油圧モータの容量制御を行うにあたり、運転席部に配された操作スイッチによりオペレータが「低速走行モード」と「高速走行モード」とを任意に選択できるようにし、「低速走行モード」が選択されている場合には、モータ容量を「大容量」に保持する一方、「高速走行モード」が選択されている場合には、路面抵抗等の走行負荷に対応してモータ容量を「小容量」と「大容量」とに自動的に切り換えるようにしたものがある。この場合、走行負荷は、走行用油圧モータの圧油供給源である油圧ポンプの吐出圧検出により求める。つまり油圧ポンプは、走行負荷が小さい場合には吐出圧が低くなり、また走行負荷が大きい場合には吐出圧が高くなるため、油圧ポンプの吐出圧が低い場合にはモータ容量を「小容量」にして高速走行できるようにし、また油圧ポンプの吐出圧が高い場合にはモータ容量を「大容量」にして高牽引力を確保できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前記従来の走行用油圧モータの容量制御において、「高速走行モード」がセットされている状態で急坂を登坂する場合、走行用操作具をある微操作領域で前進側(登坂側)に保持すると、ゆっくりと走行用油圧モータが反転して機体が後退する惧れがある。
つまり、走行用操作具を中立位置から前進側に微操作すると、まずパーキングブレーキが解除されて走行用油圧モータの回転が許容されるが、このまま走行用操作具を微操作領域で保持した場合、油圧ポンプの吐出圧は低圧のままで上昇せず、このため、モータ容量は「小容量」に保持される。しかるに、モータ容量が「小容量」のときにはモータの内部抵抗が小さいため、油圧ポンプの吐出圧が機体の自重に負けて走行用油圧モータがゆっくりと反転し、走行用操作具をこの微操作領域に保持しているあいだ、機体が後退する惧れがある。このような後退現象は、作動油温度が高く、さらに坂の傾斜角度が大きい場合に発生する傾向がある。
そこで、この様な後退現象の発生を回避するため、操作具操作量が小さいときの油圧ポンプの流量制御としてネガティブコントロール制御が採用されているものでは、走行用制御バルブのセンタバイパス用弁路(油圧ポンプの圧油を油タンクに流す弁路であって、該センタバイパス用弁路の開度量は、操作具の中立位置で最も大きく、操作具操作量が大きくなると小さくなる)を絞ることが提唱される。
つまり、前記ネガディブコントロール制御では、センタバイパス用弁路を通過する流量が少なくなると油圧ポンプ吐出量が増加するように制御されるため、該センタバイパス用弁路を絞ると油圧ポンプ吐出量が増加して、走行用油圧モータへの供給圧力が高くなり機体自重に負けなくなる。さらに、機体後退時における走行用油圧モータからの逆流油はセンタバイパス用弁路を通って油タンクに流れるため、センタバイパス油路を絞ると逆流しにくくなって、前記後退現象の発生を回避することができる。
しかるに、このようにセンタバイパス用弁路を絞ると、操作具の微操作領域でのポンプ流量が増加するため、微操作領域での操作性が悪くなり、平地走行での発進時における飛び出しや、微操作走行時におけるシャクリ等が発生する場合があって好ましくなく、そこでセンタバイパス用弁路を絞ることなく後退現象の発生を防止する対策の出現が望まれており、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、可変容量型の走行用油圧モータと、走行用操作具の操作に基づいて走行用油圧モータに対する圧油供給排出制御を行う制御バルブと、走行用油圧モータの容量可変手段に制御指令を出力する制御部とを備えて構成される走行制御装置において、前記制御部に、走行用操作具の操作量が予め設定される微操作領域である場合に、走行用油圧モータの容量を大容量にするよう容量可変手段に対して制御指令を出力する容量制御手段と、走行負荷に対応して走行用油圧モータの容量を大小容量に自動的に変える自動容量可変手段とを設けるにあたり、走行用操作具の操作量は、制御バルブを作動させるべく走行用操作具の操作量に対応してパイロットバルブからパイロット圧を引き出す回路に設けたパイロット用圧力センサにより検出され、容量可変手段は、走行用油圧モータの容量を大小容量に切換えるピストンと、該ピストンに制御部制御バルブからの圧油を切換え供給する容量チェンジバルブと、該容量チェンジバルブのパイロットポートにパイロットポンプからのパイロット圧油を供給して容量チェンジバルブの切換えをする速度切換用電磁バルブとを備えて構成され、制御部は、前記パイロット用圧力センサが接続され、該パイロット用圧力センサが微操作領域であることの検出信号が入力した場合、速度切換用電磁バルブに対して容量チェンジバルブが大容量側に切換えるための切換え信号を出力するように設定して、走行用操作具の微操作領域で走行用油圧モータの容量を大容量にする容量制御手段は、上記自動容量可変手段に優先するように構成したことを特徴とする走行制御装置である。
そして、この様にすることにより、走行用操作具が微操作領域で操作されているときには走行用油圧モータの容量が大容量になるよう制御されるため、急坂登坂するときに微操作領域で操作具を保持したような場合に、機体が後退する現象の発生を回避できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1、2は、図示しない油圧ショベルに設けられる左右の走行用油圧モータ1L、1Rの油圧回路図であるが、該油圧回路図において、2L、2Rは走行用油圧モータ1L、1Rの圧油供給源であるメインポンプ、3はパイロットポンプ、4は油タンク、5L、5Rは左右の走行用制御バルブ、6L、6Rは左右のパイロットバルブである。
尚、前記図1、図2において、▲1▼と▲1▼、▲2▼と▲2▼、▲3▼と▲3▼、▲4▼と▲4▼、▲5▼と▲5▼、▲6▼と▲6▼はそれぞれ接続される。また、7〜13は油圧ショベルに設けられる旋回用モータ、ブームシリンダ等の油圧アクチュエータ(図示せず)用の制御バルブであって、これら制御バルブ7〜13は、前記走行用制御バルブ5L、5Rと共にコントロールバルブユニット14内に組み込まれている。
【0006】
扨、前記左右の走行用制御バルブ5L、5Rは、左右の走行用油圧モータ1L、5Rに対する圧油供給排出制御をそれぞれ行うものであるが、同様のものであるため左側の走行用制御バルブ5Lについて説明すると、このものは、前進用、後進側のパイロットポート5a、5bを備えた三位置切換弁であって、両パイロットポート5a、5bにパイロット圧が供給されていない状態では中立位置Nに位置しているが、前進側パイロットポート5aにパイロット圧が供給されることにより前進側位置Xに切換わり、また後進側パイロットポート5bにパイロット圧が供給されることにより後進側位置Yに切換わる。そして、該走行用制御バルブ5Lが中立位置Nに位置している状態では、メインポンプ2Lから走行用油圧モータ1Lに至る弁路を閉じ、かつメインポンプ2Lからの圧油を後述するセンタバイパス油路Aを介して油タンク4側に流すセンタバイパス用弁路5cを開いているが、前進側位置Xに切換ることで、メインポンプ2Lからの圧油を前進側油路Bを介して走行用油圧モータ1Lの前進側ポート1aに供給する一方、走行用油圧モータ1Lの後進側ポート1bからの排出油を後進側油路Cを介して油タンク4に流し、また後進側位置Yに切換ることで、メインポンプ2Lからの圧油を後進側油路Cを介して後進側ポート1bに供給する一方、前進側ポート1aからの排出油を前進側油路Bを介して油タンク4に流すように構成されている。この場合、前記センタバイパス用弁路5cの開度量は、中立位置Nのときに最も大きく、パイロットポート5a、5bに供給されるパイロット圧が高くなるにつれて小さくなり、パイロット圧が所定圧以上になると閉じる。また、メインポンプ2Lから走行用油圧モータ1Lへの圧油供給量は、パイロット圧が高くなるにつれて多くなるように制御される。
【0007】
ここで、前記センタバイパス油路Aは、メインポンプ2Lから供給される圧油を、走行用制御バルブ5Lのセンタバイパス用弁路5c、制御バルブ7、8、9のセンタバイパス弁路7a、8a、9aを順次経由し、さらにシグナルリリーフ弁15を介して油タンク4に流す油路であって、該シグナルリリーフ弁15に供給されるセンタバイパス油路Aの流量は、ネガティブ油路Dを介して、メインポンプ2Lの吐出量を調節する吐出量調節手段16に信号圧(ネガティブコントロール圧)として導かれる。そして、該吐出量調節手段16は、図3に示す如く、上記ネガティブコントロール圧が高いとき、つまりセンタバイパス油路Aの流量が多いときにはメインポンプ2Lの吐出量を少なくし、またネガティブコントロール圧が低いとき、つまりセンタバイパス油路Aの流量が少ないときにはメインポンプ2Lの吐出量を多くするように吐出量調節を行う構成になっている。尚、このような油圧ポンプ2Lのネガティブコントロール制御は、操作具操作量が小さいときに行われる。また、メインポンプ2Rについても同様の制御がなされるが、その説明は省略する。
【0008】
また、前記左右のパイロットバルブ6L、6Rは、同様のものであるため左側のパイロットバルブ6Lについて説明すると、このものは、前進側パイロットバルブ6Xと後進側パイロットバルブ6Yとから構成されている。そして、これら前進側、後進側パイロットバルブ6X、6Yは、走行用操作具(レバーやペダル、図示せず)を前進側または後進側に操作することに基づき、前記走行用制御バルブ5Lの前進側または後進側パイロットポート5a、5bにそれぞれパイロット圧を出力するようになっている。この場合、走行用操作具の操作量が小さい場合には低圧のパイロット圧が出力され、操作量が大きくなるほど高圧のパイロット圧が出力される。
【0009】
さらに、前記左右の走行用油圧モータ1L、1Rは、同様のものであるため左側の走行用油圧モータ1Lについて説明すると、このものは、前進用ポート1aおよび後進側ポート1bを備え、前進側ポート1aへの圧油供給で油圧ショベルの走行装置(図示せず)を前進側に駆動させるべく回転し、また後進側ポート1bへの圧油供給で走行装置を後進側に駆動させるべく逆方向に回転するが、該走行用油圧モータ1Lは容量可変型のものであって、低速側、高速側のピストン17A、17Bによりカムプレート18の傾転角を変えることでモータ容量が「大容量」と「小容量」とに変化する。そして、走行用油圧モータ1Lが「大容量」のときには、モータ回転数が減少して走行スピードは低速になるが牽引力は大きくなり、また「小容量」のときには、モータ回転数が増加して走行速度は高速になるが牽引力は小さくなる。ここで、上記低速側、高速側のピストン17A、17Bは、後述する容量チェンジバルブ19Lを介して供給される油圧により、カムプレート18の傾斜角を変えるべく進退移動する。
【0010】
前記容量チェンジバルブ19Lは、パイロット作動式の二位置切換弁であって、パイロットポート19aにパイロット圧が供給されていない状態では低速側位置Xに位置しているが、パイロットポート19aにパイロット圧が供給されることにより高速側位置Yに切換わる。
そして容量チェンジバルブ19Lは、低速側位置Xに位置しているときには、前進側油路Bおよび後進側油路Cから分岐形成されるピストン用油路Eの油圧を低速側ピストン17Aに供給する一方、高速側ピストン17Bを油タンク4に導通させる。これにより、低速側ピストン17Aが進出してカムプレート18を大容量(大傾転)側に押圧固定し、而して走行用油圧モータ1Lは「大容量」になってモータ回転数は減少する。
一方、容量チェンジバルブ19Lが高速側位置Yに位置しているときには、ピストン用油路Eの油を高速側ピストン17Bに供給する一方、低速側ピストン17Aを油タンクに導通させる。これにより、高速側ピストン17Bが進出してカムプレート18を小容量(小傾転)側に押圧固定し、而して走行用油圧モータ1Lは「小容量」になってモータ回転数は増加する。
尚、右側の走行用油圧モータ1Rについても、容量チェンジバルブ19Rから供給される油圧により同様に容量変化する。
【0011】
さらに、20はソレノイド20aを備えた速度切換用電磁バルブであって、該速度切換用電磁バルブ20は、パイロットポンプ3から前記容量チェンジバルブ19L、19Rのパイロットポート19aに至る油路中に配されている。そしてこの速度切換用電磁バルブ20は、ソレノイド20aの非励磁状態では、前記容量チェンジバルブ19L、19Rのパイロットポート19aを油タンク4に導通させる低速側位置Xに位置しているが、後述するコントローラ21からの指令でソレノイド20aが励磁することにより、容量チェンジバルブ19L、19Rのパイロットポート19aにパイロット圧を供給する高速側位置Yに切換わる。
つまり、速度切換用電磁バルブ20が低速側位置Xのときは、パイロットポート19aにパイロット圧が供給されないため容量チェンジバルブ19L、19Rは低速側位置Xに位置しており、而して前述したように低速側ピストン17Aに油圧が供給されて走行用油圧モータ1L、1Rは「大容量」になる。また、速度切換用電磁バルブ20が高速側位置Yに位置しているときには、パイロット圧が供給されることにより容量チェンジバルブ19L、19Rは高速側位置Yに切換り、而して高速側ピストン17Bに圧油が供給されて走行用油圧モータ1L、1Rは「小容量」になる。
【0012】
また、22L、22Rは左右のパーキングブレーキであって、左右の走行用油圧モータ1L、1Rの回転を制動するものであるが、同様のものであるため左側のパーキングブレーキ22Lについて説明すると、該パーキングブレーキ22Lを構成するピストン22aは、油室22bに油圧が導入されていない状態では、弾機22cの付勢力により上方側に押圧されており、これによりピストン22a側の摩擦板が走行用油圧モータ1L側の摩擦板に圧接してモータ回転を制動するようになっている。一方、油室22bに油圧が導入されると、弾機22cの付勢力に抗してピストン22aが下動し、これにより前記摩擦板同志が離間してブレーキが解除されるようになっている。
ここで、前記パーキングブレーキ22Lの油室22bには、走行用操作具が前進側または後進側に操作されたことに基づき、メインポンプ2Lから前進側位置Xまたは後進側位置Yの走行用制御バルブ5Lを経て前進側油路Bまたは後進側油路Cに供給された圧油が、カウンタバランス弁23、ブレーキバルブ24を経由して供給されるようになっている。尚、カウンタバランス弁23は、前進側油路Bおよび後進側油路Cから分岐形成される油路に配設されていて、負荷の慣性運動を防止するためのものであるが、その作動についての説明はここでは省略する。
【0013】
一方、25L、25Rはメイン用圧力センサであって、このものは、メインポンプ2L、2Rから走行用制御バルブ5L、5Rに供給される圧油の圧力(メインポンプ圧Pm)をそれぞれ検出する。また、26はパイロット用圧力センサであって、このものは、前記左右のパイロットバルブ6L、6Rの前進側、後進側パイロットバルブ6X、6Yから出力されたパイロット圧Ppを、第一、第二、第三シャトル弁27、28、29により引き出して検出する。そして、これらメイン用圧力センサ25L、25R、パイロット用圧力センサ26の検出信号は、後述するようにコントローラ21に入力される。
【0014】
さらに、30は油圧ショベルの運転席部に配設される走行スピードスイッチであつて、該スピードスイッチ30によりオペレータは「低速走行モード」と「高速走行モード」とを任意に選択できるようになっている。そして、該オペレータが選択したモードの信号は、後述するようにコントローラ21に入力される。
【0015】
前記コントローラ21は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、このものは、図4に示す如く、メイン用圧力センサ25L、25R、パイロット用圧力センサ26、走行スピードスイッチ30からの信号を入力し、該入力信号に基づいて、前記速度切換用電磁バルブ20に制御指令を出力する。
【0016】
次に、前記コントローラ21の制御について説明すると、まず、スピードスイッチ30により「低速走行モード」が選択されている場合、コントローラ21は、速度切換用電磁バルブ20に対してソレノイド20a励磁の指令を出力せず、速度切換用電磁バルブ20は低速側位置Xに位置している。これにより、走行用油圧モータ1L、1Rは「大容量」に保持される。つまり、「低速走行モード」のときにはモータ容量は常に「大容量」に保持されていて、油圧ショベルの走行スピードは低速(例えば3.5km/h以下)になり牽引力は大きくなる。
【0017】
一方、スピードスイッチ30により「高速走行モード」が選択されている場合には、走行用操作具の操作量や走行負荷等に対応して、走行用油圧モータ1L、1Rの容量が「大容量」と「小容量」とに自動的に切換わるような制御がなされるが、該制御について、図5に示す論理表に基づいて説明する。
つまり、「高速走行モード」が選択されている場合、コントローラ21は、まず、パイロット用圧力センサ26により検出されるパイロットバルブ6L、6Rからの出力パイロット圧Ppが、予め設定される設定パイロット圧P1以下であるか否かを判断する。そして、検出されたパイロット圧Ppが設定パイロット圧P1以下(Pp≦P1)である場合には、速度切換用電磁バルブ20に対してソレノイド20a励磁の指令を出力しない。これにより速度切換用電磁バルブ20は低速側位置Xに位置し、走行用油圧モータ1L、1Rは「大容量」に保持される。
【0018】
ここで、前記設定パイロット圧P1は、急坂登坂する場合に走行用油圧モータ1L、1Rが「小容量」になっていると、走行用操作具を前進側(登坂側)に微操作した場合に機体が後退する惧れのあるパイロット圧を越える値に設定されている。
つまり、急坂において、走行用操作具を微操作領域で前進側(登坂側)に操作した場合、走行用制御バルブ5L、5Rのセンタバイパス用弁路5cの開度量は大きく、このためセンタバイパス油路Aの流量が多くなってメインポンプ2L、2Rは吐出量が少なくなるよう制御される。これにより、走行用油圧モータ1L、1Rに供給されるメインポンプ圧は低くなるが、この様にメインポンプ圧が低く、かつ急坂であって、しかも作動油温度が高く、さらに走行用油圧モータ1L、1Rが「小容量」になっていてモータの内部抵抗が小さいと、メインポンプ圧が機体の自重に負けて走行用油圧モータ1L、1Rが反転し、機体が後退する惧れがある。
そこで、このような後退現象が発生する惧れのある微操作領域のパイロット圧を越える値を設定パイロット圧P1として設定し、そして前述したように、パイロットバルブ6L、6Rからの出力パイロット圧Ppが上記設定パイロット圧P1以下(Pp≦P1)の場合には走行用油圧モータ1L、1Rを「大容量」に保持するよう制御することにより、前記後退現象の発生を防止できる。尚、走行用油圧モータ1L、1Rが「大容量」の場合には、モータの内部抵抗が大きいため、前述したような機体の後退現象が発生する惧れはない。
【0019】
一方、「高速走行モード」が選択されている場合において、パイロット用圧力センサ26により検出されるパイロットバルブ6L、6Rの出力パイロット圧Ppが設定パイロット圧P1を越えた場合、コントローラ21は、メイン用圧力センサ25L、25Rにより検出されるメインポンプ圧Pmが、予め設定される設定圧力P2(該設定圧力P2は、後述するようにPup2とPdown2との二通りが設定されている)以下であるか否かを判断する。そして、メインポンプ圧Pmが設定圧力P2以下(Pm≦P2)のときには、速度切換用電磁バルブ20に対してソレノイド20a励磁の指令を出力し、これにより速度切換用電磁バルブ20は高速側位置Yに切換わって、走行用油圧モータ1L、1Rは「小容量」になる。またメインポンプ圧Pmが上記設定圧力P2を越える(Pm>P2)場合には、速度切換用電磁バルブ20に対してソレノイド20a励磁の指令を出力せず、これにより速度切換用電磁バルブ19は低速側位置Xに切換わって、走行用油圧モータ1L、1Rは「大容量」になる。
つまり、路面抵抗が小さいときのように走行低負荷状態ではメインポンプ圧Pmは減少し、また路面抵抗が大きいときのように走行高負荷状態ではメインポンプ圧Pmは増加する。そこで、メインポンプ圧Pmにより走行負荷状態を判断し、低負荷状態では走行用油圧モータ1L、1Rを「小容量」にして高速(例えば5.5km/h以下)で走行できるように制御する一方、高負荷状態では走行用油圧モータ1L、1Rを「大容量」にして高牽引力を確保できるように制御するようになっている。
ここで、前記設定圧力P2は、メインポンプ圧Pmの昇圧時(モータ容量が「小容量」から「大容量」に切換るとき)と降圧時(モータ容量が「大容量」から「小容量」に切換るとき)とでは異なるように、つまり、昇圧時における設定圧力Pup2は、降圧時における設定圧力Pdown2に比して大きく(Pup2>Pdown2)設定されている。
尚、「高速走行モード」が選択されていて平地走行する場合、通常、パイロットバルブ6L、6Rからの出力パイロット圧Ppが前記設定パイロット圧P1以上になるように操作されるため、発進後すぐにモータ容量が「大容量」から「小容量」に切換わることになるが、走行操作性に何ら支障を生じないことは、実機による実験で確認されている。
【0020】
叙述の如く構成されたものにおいて、走行用操作具が微操作領域で操作されていてパイロットバルブ6L、6Rからの出力パイロット圧Ppが設定パイロット圧P1以下であるときには、「高速走行モード」にセットされている場合であっても、メインポンプ2L、2Rの圧力に関係なく、走行用油圧モータ1L、1Rは「大容量」となるように容量制御されることになる。
この結果、急坂登坂時において、「高速走行モード」セット時に走行用操作具を微操作領域で保持しても、メインポンプ圧が機体の自重に負けて機体が後退する現象の発生を確実に回避できることになる。
しかもこの場合、走行用制御バルブ5L、5Rのセンタバイパス用弁路5cを絞ることで後退現象の発生を防止するもののように、微操作領域での操作性が悪くなるようなことがなく、都合がよい。
さらにこのものは、従来の技術で示した既存の制御装置に対し、パイロットバルブ6L、6Rからのパイロット圧を引き出す回路(第一、第二、第三シャトル弁27、28、29および配管31)、該パイロット圧の圧力を検出するパイロット用圧力センサ26、および該圧力センサ26をコントローラ21に接続する配線32を追加し、さらにコントローラ21のソフトウェアにパイロット圧制御を追加するという簡単な構成であるから、既存のものにも後付け的に容易に実施できるという利点がある。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、本発明は、容量可変型の走行用油圧モータを備えた種々の走行機械に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行用油圧モータの油圧回路図の一半部である。
【図2】走行用油圧モータの油圧回路図の他半部である。
【図3】ネガディブコントロール圧とポンプ吐出量の関係を示す図である。
【図4】コントローラの入出力を示すブロック図である。
【図5】高速走行モード時におけるモータ容量制御の論理表である。
【図6】パイロット圧検出部を示す図である。
【符号の説明】
1L 走行用油圧モータ
1R 走行用油圧モータ
5L 走行用制御バルブ
5R 走行用制御バルブ
6L パイロットバルブ
6R パイロットバルブ
19L 容量チェンジバルブ
19R 容量チェンジバルブ
20 速度切換用電磁バルブ
21 コントローラ
25L メイン用圧力センサ
25R メイン用圧力センサ
26 パイロット用圧力センサ
Claims (1)
- 可変容量型の走行用油圧モータと、走行用操作具の操作に基づいて走行用油圧モータに対する圧油供給排出制御を行う制御バルブと、走行用油圧モータの容量可変手段に制御指令を出力する制御部とを備えて構成される走行制御装置において、前記制御部に、走行用操作具の操作量が予め設定される微操作領域である場合に、走行用油圧モータの容量を大容量にするよう容量可変手段に対して制御指令を出力する容量制御手段と、走行負荷に対応して走行用油圧モータの容量を大小容量に自動的に変える自動容量可変手段とを設けるにあたり、走行用操作具の操作量は、制御バルブを作動させるべく走行用操作具の操作量に対応してパイロットバルブからパイロット圧を引き出す回路に設けたパイロット用圧力センサにより検出され、容量可変手段は、走行用油圧モータの容量を大小容量に切換えるピストンと、該ピストンに制御部制御バルブからの圧油を切換え供給する容量チェンジバルブと、該容量チェンジバルブのパイロットポートにパイロットポンプからのパイロット圧油を供給して容量チェンジバルブの切換えをする速度切換用電磁バルブとを備えて構成され、制御部は、前記パイロット用圧力センサが接続され、該パイロット用圧力センサが微操作領域であることの検出信号が入力した場合、速度切換用電磁バルブに対して容量チェンジバルブが大容量側に切換えるための切換え信号を出力するように設定して、走行用操作具の微操作領域で走行用油圧モータの容量を大容量にする容量制御手段は、上記自動容量可変手段に優先するように構成したことを特徴とする走行制御装置。
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