JP2017145284A - プロペラシャフトスプライン用グリース組成物およびプロペラシャフトスプライン - Google Patents

プロペラシャフトスプライン用グリース組成物およびプロペラシャフトスプライン Download PDF

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Abstract

【課題】プロペラシャフトスプライン部の嵌合部において、長期に亘る使用でも摩擦係数を低い範囲に維持し得るグリース組成物を提供すること。
【解決手段】基油、増ちょう剤及び添加剤を含む、プロペラシャフトスプライン部の嵌合部に使用されるグリース組成物であって、前記基油としてポリブテンを含み、前記添加剤としてワックスを含み、かつ前記基油の40℃における動粘度が5,000〜40,000mm2/sの範囲であるグリース組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロペラシャフトスプライン部の潤滑に使用するグリース組成物に関する。
自動車等の動力伝達部及び操舵機構部は、軸方向の変位を吸収するために、通常は伸縮軸を備える。伸縮軸は、通常は雄スプライン軸と雌スプライン軸とを嵌合させたスプライン部を有する。雄スプライン軸及び雌スプライン軸は、例えばホブ加工によってスプライン溝を形成することによって作製される。
前記雄スプライン軸及び雌スプライン軸の嵌合部には、伸縮軸の軸方向の摺動抵抗を軽減するために、グリースが塗布される。スプライン部のような摺動部材に用いられるグリースは、通常、基油及び増ちょう剤を含有する。グリースに含有される増ちょう剤としては、石鹸系材料及び非石鹸系材料を挙げることができる。石鹸系材料としては、例えば、リチウム石鹸等が使用される。また、非石鹸系材料としては、例えば、ジウレア化合物のような有機系材料に加えて、シリカ粉末、炭素繊維のような無機系材料が使用される。
例えば特許文献1には、車両のステアリングシャフトに組み込み、雄スプライン軸と雌スプライン軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、前記雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は双方の軸のスプライン嵌合部表面にナイロン樹脂の皮膜を形成し、且つ、少なくとも基油と増ちょう剤を含むグリースを前記雄スプライン軸と雌スプライン軸の間に介在させ、前記基油が合成炭化水素油と鉱油からなる群から選択される少なくとも1種の炭化水素油を含むと共に40℃において20mm2/s以上の動粘度を有し、前記増ちょう剤が金属石鹸又は金属複合石鹸を含むことを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸が記載されている。当該文献は、スプライン軸の嵌合部の表面にナイロン樹脂の皮膜が形成され、さらに摺動部にグリースが塗布されることにより、摺動抵抗が低減され、且つ耐摩耗性が向上すると記載されている。
摺動部材に用いられるグリースは、基油及び増ちょう剤に加えて、摺動特性を維持又は向上させる手段として、極圧剤又は摩耗防止剤等の添加剤を含有する場合がある。前記添加剤としては、例えば、S系添加剤、P系添加剤及びMo系添加剤を挙げることができる。
特許文献2には、基油、増ちょう剤及び添加剤を含有するグリース組成物において、基油の40℃の動粘度が50〜200mm2/sであり、増ちょう剤が一般式(I):R1-NHCONH-R2-NHCONH-R3[式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基、R1及びR3は同一又は異なる基であり、シクロヘキシル基、炭素数8〜22の直鎖又は分岐アルキル基を示す]で表されるジウレア化合物を含有し、添加剤が、ナフテン酸金属塩、炭素数6〜10の脂肪酸と炭素数6〜10の脂肪族アミンの塩、及び有機スルホン酸金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするグリース組成物が記載されている。当該文献は、前記グリース組成物が、転がり軸受のような機械部品の軸受部等に用いられることが記載されている。
特開2006-123820号公報 特開2011-37975号公報
特許文献1に記載の伸縮軸では、スプライン軸の嵌合部の表面に皮膜を形成する必要がある。このため、伸縮軸の製造工程が複雑になり、結果として伸縮軸の製造コストが上昇する可能性がある。また、前記伸縮軸を長期に亘って使用する場合、嵌合部表面の皮膜が摩耗する可能性がある。皮膜が摩耗すると、その摩耗に伴う摩擦係数の変動によってスプライン軸が円滑に摺動できず、特に収縮時に途中で引掛り現象を起こし、その引掛りが解放されたときに搭乗者がその衝撃を感じてしまうという、いわゆるクランクショック現象が発生し、性能低下を引き起こす可能性がある。
それ故、本発明は、プロペラシャフトスプライン部の嵌合部において、摩擦係数を低い範囲に維持し得るグリース組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、本発明のグリース組成物を封入した、プロペラシャフトスプラインを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、グリースに含有される基油、増ちょう剤及び添加剤の材料を最適化することにより、該グリースの摩擦特性を向上し得ることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明により、以下のグリース組成物、及び該グリース組成物を封入した、プロペラシャフトスプラインを提供する:
1.基油、増ちょう剤及び添加剤を含む、プロペラシャフトスプライン部の嵌合部に使用されるグリース組成物であって、前記基油としてポリブテンを含み、前記添加剤としてワックスを含み、かつ前記基油の40℃における動粘度が5,000〜40,000mm2/sの範囲であるグリース組成物。
2.前記ポリブテンが、前記グリース組成物の総質量に対して40〜70質量%の範囲で含有される、前記1項に記載のグリース組成物。
3.前記ポリブテンの40℃における動粘度が140,000〜180,000mm2/sの範囲である、前記1又は2項記載のグリース組成物。
4.前記ワックスが、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記1〜3のいずれか1項記載のグリース組成物。
5.前記ワックスが、前記グリース組成物の総質量に対して1〜15質量%の範囲で含有される、前記1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
6.増ちょう剤がLi石けん又はウレア系増ちょう剤である、前記1〜5のいずれか1項記載のグリース組成物。
7.前記1〜6のいずれか1項記載のグリース組成物を封入した、プロペラシャフトスプライン。
本発明によれば、プロペラシャフトスプライン部の嵌合部の潤滑において、40℃における動粘度が大きいポリブテンによって基油の動粘度を上げること及びワックスにより、被潤滑部における摺動時および静止時に形成される油膜を厚く維持して金属部材間の直接接触を抑制することで、摩擦係数の変動を抑制したグリース組成物を提供することができる。
プロペラシャフトスプライン部に本発明のグリース組成物を塗布することにより、長期に亘る使用でも摩擦係数の変動を実質的に防止又は軽減することができる。
光干渉法超薄膜測定装置 SRV試験概略図
<定義>
本明細書において、「プロペラシャフトスプライン部」は、通常は、溝の深さが2〜10μmの範囲であり、幅が0.5〜5 mmであるスプライン部を意味する。溝は、ホブ加工など慣用の手段で形成することができる。
本明細書において、「ポリブテン」は、ポリ(n-ブテン)及びポリ(イソブテン)を意味するが、特に明記しない場合はポリ(イソブテン)を指す。
<基油について>
本発明のグリース組成物に使用される基油は、ポリブテンを含有する。
ポリブテンの40℃の動粘度は、特に制限されないが、例えば、140,000〜180,000mm2/sの範囲から選択でき、150,000〜170,000mm2/sが好ましく、155,000〜165,000mm2/sがより好ましい。ポリブテンの40℃の動粘度が上記の範囲にあれば、摩擦係数の変動を抑制することができる。なお、本明細書において、40℃における動粘度は、JIS K 2283に準拠した方法により測定される。
グリース組成物全量に対するポリブテンの含有率は、特に制限されないが、40質量%以上(例えば、40〜70質量%)が好ましく、45質量%以上(例えば、45〜70質量%)がより好ましい。
基油は、ポリブテン以外のポリマーを含んでもよい。ポリブテン以外のポリマーとしては、特に制限はされないが、エチレン-α-オレフィンコポリマーやエチレン-プロピレンコポリマー、ポリメタクリレートに代表されるオレフィンコポリマー、スチレン-イソプレンコポリマーに代表されるスチレン系ポリマー、ポリイソブチレン、ポリイソプレンなどが挙げられる。
ポリブテン以外のポリマーの40℃における動粘度は、例えば、10,000〜40,000mm2/sである。
ポリブテンにポリブテン以外のポリマーを組み合わせる場合、ポリブテン以外のポリマーは、ポリブテンを100質量部として、50質量部以下であるのが好ましく、20質量部以下であるのがより好ましく、0質量部であるのが最も好ましい。
ポリマー以外の基油としては、鉱油及び合成炭化水素油からなる群より選択されることが好ましい。ポリマー以外の基油は、鉱油又は合成炭化水素油のいずれかから構成されていてもよく、両材料の混合物として構成されていてもよい。ポリマー以外の基油が鉱油及び合成炭化水素油の混合物として構成されている場合、鉱油及び合成炭化水素油の混合物のうち、鉱油が50質量部以上であることが好ましい。ポリマー以外の基油は、鉱油のみからなることが特に好ましい。ポリマー以外の基油が鉱油のみからなる場合、コストを軽減することができる。
ポリマー以外の基油の40℃の動粘度は、特に制限されないが、例えば、10〜500mm2/sの範囲から選択でき、50〜400mm2/sが好ましく、80〜300mm2/sがより好ましい。
ポリブテンにポリマー以外の基油を組み合わせる場合、ポリマー以外の基油は、ポリブテンを100質量部として、20質量部〜200質量部であるのが好ましく、25質量部〜150質量部であるのがより好ましく、25質量部〜100質量部であるのが最も好ましい。
本発明の基油としては、ポリブテンと鉱油との混合物が特に好ましい。ポリブテンと鉱油とが、上記割合の混合油であるのがとりわけ好ましい。
摩擦係数を低く保つ観点から、油膜厚さを確保する必要があり、基油全体の動粘度は高いことが望ましい。基油の40℃の動粘度は、5,000〜40,000mm2/sとする必要があり、7,000〜40,000mm2/sが好ましく、10,000〜40,000mm2/sがより好ましく、20,000〜36,000mm2/sが特に好ましい。所定の範囲よりも動粘度が低い場合は油膜厚さが十分ではなく摩擦係数も高くなり、所定の範囲よりも動粘度が高い場合には油膜厚さは厚くなるものの、摺動によりグリースが潤滑部から排除されてしまうため、摩擦係数は高くなってしまい、好ましくない。
グリース組成物全量に対する基油の含有率は、特に制限されないが、50〜98質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましく、70〜98質量%がさらに好ましい。
<増ちょう剤について>
本発明のグリース組成物に使用される増ちょう剤は、特に限定されない。好ましい例としては、Li石けんや複合Li石けんに代表される石けん系増ちょう剤、ジウレアに代表されるウレア系増ちょう剤、有機化クレイやシリカに代表される無機系増ちょう剤、PTFEに代表される有機系増ちょう剤等が挙げられる。より好ましいものは、Li石けん系増ちょう剤またはウレア系増ちょう剤である。Li石けん系増ちょう剤の中では、ステアリン酸Liや12ヒドロキシステアリン酸Liが好ましい。これらを組み合わせて使用するのが特に好ましい。ウレア系増ちょう剤の中では、下記式(1)で示されるジウレア化合物が好ましい。
R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 (1)
(式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基であり、R1及びR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数6〜30のアルキル基、炭素数6又は7のアリール基、又はシクロヘキシル基である。)
更に好ましくは、R2がトリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートであり、最も好ましくは、R2がジフェニルメタンジイソシアネートである。
より好ましくは、R1及びR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数6〜30の直鎖アルキル基であり、特に炭素数6〜18の直鎖アルキル基であり、とりわけ炭素数8の直鎖アルキル基である。
ウレア系増ちょう剤としては、R2がジフェニルメタンジイソシアネートであり、R1及びR3が炭素数8の直鎖アルキル基である式(1)の化合物であるのが最も好ましい。
本発明のグリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、増ちょう剤の種類により異なる。本発明のグリース組成物の混和ちょう度は、200〜440が好適であり、増ちょう剤の含有量はこの混和ちょう度を得るのに必要な量となる。本発明のグリース組成物中、増ちょう剤の含有量は、通常2〜30質量%、好ましくは3〜25質量%である。
<添加剤について>
本発明のグリース組成物は添加剤としてワックスを含む。ワックスは、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びアマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも一種であるのが好ましい。
モンタンワックスとしては、酸価が110〜160mgKOH/gの酸ワックス、非極性部と極性部分を併せ持つエステルワックス、モンタン酸のエステル化物及び水酸化カルシウムとのケン化物との混合である部分ケン化エステルワックス、モンタン酸のナトリウム塩及びカルシウム塩のケン化ワックス、エチレンオキサイドを付加したモンタンワックスなどが挙げられる。なお、酸価は、JIS K 2501.3に従って測定される。
ポリプロピレンワックスやポリエチレンワックスとしては、重量平均分子量が4000〜20000の分岐を持たないものや、分岐を持つものがあり、高密度タイプや高分子量高密度タイプが挙げられる。
ワックスの含有量は、グリース組成物中、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは2〜10質量%である。
これらのワックスは、グリース基油に溶解して冷却した後、ベースグリースに添加することによりグリース組成物に含ませるのが好ましい。
また本発明のグリース組成物は、必要に応じてワックス以外のあらゆる添加剤を含むことができる。例として、アミン系、フェノール系に代表される酸化防止剤、亜硝酸ソーダなどの無機不働態化剤、スルホネート系、コハク酸系、アミン系、カルボン酸塩に代表される錆止め剤、ベンゾトリアゾールに代表される金属腐食防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン酸エステルに代表される油性剤、リン系、硫黄系、有機金属系に代表される耐摩耗剤や極圧剤、酸化金属塩や二硫化モリブデンに代表される固体潤滑剤などが挙げられる。これらの成分の使用量は、通常0.1〜20質量%程度、好ましくは0.5〜20質量%である。
基本的に、静止時には油膜は形成されないが、本発明のグリース組成物では、基油動粘度が高く、好適には圧力粘度係数の高いポリマーであるポリブテンを使用しているため(好ましくは28〜40、より好ましくは30〜40)、静止時に接触部の中央に油膜が形成される。また所定のワックスを含むことによって、特に静止時に形成された油膜が時間経過とともに薄くなることを抑制することができ、油膜が維持されやすくなる。それによって金属部材間の直接接触をできるだけ抑制し、摩擦係数の変動を抑制することができる。
<混和ちょう度>
本発明のグリース組成物の混和ちょう度は、使用目的に合わせて調整されるが、好ましくは200〜440である。潤滑部への流動性の観点からは、特に好ましくは250〜440である。なお、本明細書における混和ちょう度はJIS K 2220 7.により測定される60回混和ちょう度をいう。
<試験グリースの調製>
表1及び表2に示した増ちょう剤、基油及び添加剤を用い、実施例及び比較例のグリース組成物を調製した。具体的にはLi石けんグリースの場合、基油 、ステアリン酸リチウム及び12ヒドロキシステアリン酸リチウムを、容器中で混合し、撹拌しながら昇温及び冷却して、リチウムベースグリースを得た。得られたリチウムベースグリースに、基油に溶解して冷却したワックスを加え、所定の増ちょう剤量とした。得られた混合物を、3本ロールミルで混練し、所定の混和ちょう度(試験方法JIS K2220 7.)になるように調製した。ウレアグリースの場合、基油中で、ジフェニルメタンジイソシアネートと所定のアミンとを反応させ、昇温、冷却してウレアベースグリースを得た。得られたウレアベースグリースに、基油に溶解して冷却したワックスを加え、所定の増ちょう剤量とした。得られた混合物を、3本ロールミルで混練し、所定の混和ちょう度になるように調製した。
上述で調製したグリース組成物を、下記の試験方法により評価した。結果を表に示す。
<試験方法>
〇EHL膜厚測定
滑り接触部に形成されるグリースの膜厚を、図1に示す光干渉法超薄膜測定装置を用いて測定した。測定では、直径19.05mmの鋼球を、荷重20N、25℃の下でガラスディスクを接触させ、鋼球を固定し、ガラスディスクを回転させることで純滑り条件とし、速度を変えて膜厚を測定した。測定条件の詳細は下記に示す。
<測定条件>
荷重:20N
最大面圧:0.5GPa
速度:1m/sから0.002m/sまで徐々に速度を落とし、回転を静止。
静止直後と静止10分後の最大油膜厚さを計測。
温度:25℃
鋼球:直径19.05mm、材質SUJ2
ガラスディスク:Silica+Chromium coated
合否判定
静止時油膜厚さ最大値 200nm以上:○(合格)
200nm未満:×(不合格)
〇摩擦係数測定
図2に示すSRV試験機を用いて静摩擦係数を測定した。測定条件の詳細は下記に示す。
<測定条件>
上部試験片:S35C、直径12mm円柱、Rz=3.5μm
下部試験片:SUJ2、直径24mmプレート、Rz=0.5μm
上部試験片速度:0.2mm/s
試験温度:25℃
面圧:3MPa
ストローク:1mm
試験時間:300秒
計測項目:300秒間の最後のストロークの静摩擦係数
合否判定
静摩擦係数 0.10未満:○(合格)
0.10以上:×(不合格)
総合判定
静止時油膜厚さ最大値、静摩擦係数のいずれも合格:○(合格)
いずれか1つでも不合格:×(不合格)
結果
実施例1〜9のグリース組成物は、静止時油膜厚さ最大値、摩擦係数のいずれも合格であり、比較例1〜5と比べてその効果が確認された。
※1について
脂肪族ジウレア:オクチルアミン2モルとジフェニルメタンジイソシアネート1モルの反応生成物
※2について
鉱油:40℃の動粘度が180mm2/sである鉱油
ポリブテンA:40℃の動粘度が160000 mm2/sであるポリブテン(圧力粘度係数33)
ポリブテンB:40℃の動粘度が9500 mm2/sであるポリブテン(圧力粘度係数37)
エチレン-α-オレフィンコポリマー:40℃の動粘度が37500 mm2/sであるエチレン-α-オレフィンコポリマー
※3について
モンタンワックス:クラリアントジャパン株式会社製 Licowax OP Flakes (酸価11mgKOH/g)
ポリエチレンワックス:クラリアントジャパン株式会社製 Licowax PE190
ポリプロピレンワックス:クラリアントジャパン株式会社製 Licocene PP7502
アマイドワックス:ライオン株式会社製 アーモスリップHTパウダー

Claims (7)

  1. 基油、増ちょう剤及び添加剤を含む、プロペラシャフトスプライン部の嵌合部に使用されるグリース組成物であって、前記基油としてポリブテンを含み、前記添加剤としてワックスを含み、かつ前記基油の40℃における動粘度が5,000〜40,000mm2/sの範囲であるグリース組成物。
  2. 前記ポリブテンが、前記グリース組成物の総質量に対して40〜70質量%の範囲で含有される、請求項1に記載のグリース組成物。
  3. 前記ポリブテンの40℃における動粘度が140,000〜180,000mm2/sの範囲である、請求項1又は2記載のグリース組成物。
  4. 前記ワックスが、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項記載のグリース組成物。
  5. 前記ワックスが、前記グリース組成物の総質量に対して1〜15質量%の範囲で含有される、請求項1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
  6. 増ちょう剤がLi石けん又はウレア系増ちょう剤である、請求項1〜5のいずれか1項記載のグリース組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のグリース組成物を封入した、プロペラシャフトスプライン。
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