JP2017144851A - 係留索拘束機構および係留構造体 - Google Patents

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隼人 佐々木
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隼人 佐々木
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Abstract

【課題】係留索が破断する、もしくはデッキスタンドローラーから経由する係留索がローラーから外れたときに、甲板上の作業員に及ぼす影響を極力小さく抑えることのできる係留索拘束機構を提供する。【解決手段】デッキスタンドローラー14の係留索拘束機構は、係留索ドラムから繰り出されてフェアリーダーへ導かれる係留索が経由するローラー本体41を有する。係留索外れ防止用部材40はデッキスタンドローラー14の架台42に取付けられる。係留索外れ防止用部材40は、一端が架台42に固定される下側水平部43と、下側水平部43の他端に連結され、ローラー本体41の側面に沿って延び、上端がローラー本体41の上面よりも上方に位置する水平方向拘束部44とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、船舶または洋上プラットホーム等の係留構造体を、港湾内や岸壁、あるいは洋上において係留するための係留索が破断したとき、またはデッキスタンドローラーを介する係留索が、その係留金物から外れたときの暴れ防止のための係留索拘束機構、および係留索拘束機構を装備した係留構造体に関する。
アンカーを有する船舶では、従来、船首側に設けられる係留索ドラムは甲板上において揚錨機に接続して配置され、揚錨機と共通の駆動モータによって駆動される。係留索ドラムから繰り出される係留索は、甲板の縁部に設けられたフェアリーダーを通って、陸上のボラードあるいはビットに巻き付けられ固定される。このようにして船舶が係留されている間、船体に作用する外力によって動揺することを抑えるため、係留索ドラムにはブレーキがかけられ、係留索には大きな荷重が作用する。
揚錨機はアンカーの設置位置を考慮して配置されるため、係留索ドラムは船側近傍ではなく、比較的船体中心線に近く、かつ甲板の縁部より遠い位置に設けられている。このため甲板上においてフェアリーダーから係留索ドラムまでの距離が長く、係留索が摩耗によって切断したり、潮流、潮位の変化、風、波などの影響による揺動による索張力のアンバランスにより破断、またはデッキスタンドローラーやボラードを介して係留索を通す場合は、その係船金物から係留索が外れると、大きく暴れ、広範囲にわたって甲板上の作業員に接触する可能性が生じる。特にVLCCのような大型船では、係留索には100トンの荷重に耐えるものを使用しており、破断した、または係船金物から外れた係留索が作業員に触れると大きな事故となるおそれがある。
本発明は、係留索が破断したときに甲板上の作業員に及ぼす影響を極力小さく抑えることのできる係留索拘束機構および係留構造体を提供することを目的としている。
第1の発明は、係留索ドラムから繰り出されてフェアリーダーへ導かれる係留索が経由するローラー本体を有するデッキスタンドローラーの係留索拘束機構であって、デッキスタンドローラーの架台に取付けられる係留索外れ防止用部材を備え、係留索外れ防止用部材は、一端が架台に固定される下側水平部と、下側水平部の他端に連結され、ローラー本体の側面に沿って延び、上端がローラー本体の上面よりも上方に位置する水平方向拘束部とを有することを特徴としている。
ローラー本体のローラー下部の先端から水平方向拘束部までの水平方向の距離が係留索の直径よりも小さく、かつ、ローラー本体のローラー下部から下側水平部までの垂直方向の距離が係留索の直径よりも小さいことが好ましい。また、ローラー本体のローラー上部の先端から水平方向拘束部までの水平方向の距離は係留索の直径よりも大きいことが好ましい。
係留索外れ防止用部材は例えば、一端が水平方向拘束部の上端に連結されて水平方向に延び、他端がローラー本体の上方に位置する上側水平部を有するとともに、ローラー本体のローラー上部から上側水平部までの垂直方向の距離が係留索の直径よりも大きい。また、上側水平部の他端に、ローラー本体の上面に向かって延びる垂直部が形成されてもよい。
ローラー本体の中心軸を挟んで水平方向拘束部とは反対側に、ローラー本体の側面に沿って延び、上端がローラー本体の上面よりも上方に位置する水平方向拘束補助部が設けられてもよい。この場合、係留索外れ防止用部材は、一端が水平方向拘束部の上端に連結されて水平方向に延び、他端が水平方向拘束補助部の上端に連結される上側水平部を有することが好ましい。また係留索外れ防止用部材の他の構成として、一端が水平方向拘束部の上端に連結されて水平方向に延びる第1の上側水平部と、一端が水平方向拘束補助部の上端に連結されて水平方向に延びる第2の上側水平部とを有し、第1の上側水平部と第2の上側水平部の間に、係留索の直径よりも大きい間隙が形成されてもよい。
第2の発明は、係留索ドラムから繰り出されてフェアリーダーへ導かれる係留索が経由するデッキスタンドローラーの係留索拘束機構であって、係留索ドラムおよび/またはフェアリーダーとデッキスタンドローラーとの間において甲板上に固定または着脱自在に設けられ、係留索に干渉可能な係留索外れ防止用部材を備えることを特徴としている。
係留索外れ防止用部材は、甲板に設けられ上方に延びる取付け部と、取付け部の上端から横方向に延びる第1ガイド部とを有することが好ましい。この場合、係留索外れ防止用部材は、第1ガイド部の先端から下方に延びる第2ガイド部を有してもよい。また第2ガイド部の下端が甲板まで延びて、甲板に固定または着脱自在に取付けられてもよい。
係留索外れ防止用部材が複数個設けられる場合、これらの複数の係留索外れ防止用部材において、各取付け部が係留索ドラムからデッキスタンドローラーを介してフェアリーダーまで延びる係留索の長さ方向に沿って、一方の側のみに、または両側に交互に配置されてもよい。
第3の発明は、上述した係留索拘束機構を装備したことを特徴とする係留構造体である。
本発明によれば、係留索が破断したとき、またはデッキスタンドローラーから係留索が外れたときに、甲板上の作業員に及ぼす影響度合いを極力小さく抑えることができる。
本発明の第1の実施形態である係留索拘束機構を備えた船首の甲板上における機器の配置を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態である係留索拘束機構を備えた船尾の甲板上における機器の配置を示す平面図である。 デッキスタンドローラーに設けられる第1の係留索外れ防止用部材の一例を示す正面図である。 甲板上に取付けられる第2の係留索外れ防止用部材の一例を示す図である。 第1の係留索外れ防止用部材の構成例を示す図である。 第2の係留索外れ防止用部材の構成例を示す図である。 第2の実施形態である係留索拘束機構を備えた甲板上における機器の配置を示す斜視図である。 第3の実施形態である係留索拘束機構を備えた甲板上における機器の配置を示す斜視図である。 第4の実施形態である係留索拘束機構を備えた甲板上における機器の配置を示す斜視図である。 第5の実施形態である係留索拘束機構を備えた甲板上における機器の配置を示す斜視図である。
以下、本発明の第1の実施形態の係留索拘束機構および係留構造体を、図面を参照して説明する。なお、この明細書では、係留構造体として船舶を例にして説明するが、本発明は、この例示した船舶に限定されることなく、岸壁、荷役設備やターレットを有する係留用浮体、および洋上浮体構造物に係留されるものであれば適用でき、船舶および洋上プラットホーム(浮体生産設備、浮体貯蔵設備等)等に係留される浮体に適用できる。
図1は船首の甲板上における係留索拘束機構等の配置を示している。この図において係留索(係船)ドラム10、11は2連であり、同軸的に設けられ、揚錨機12の駆動源と共通の駆動源(図示せず)によって回転駆動される。第1の係留索ドラム10から繰り出される係留索30は右舷の船首に設けられたフェアリーダー13を経由して陸上に導かれる。第2の係留索ドラム11から繰り出される係留索31はデッキスタンドローラー14を介して、右舷の船側に設けられたフェアリーダー15を経由して陸上に導かれる。また第2の係留索ドラム11から繰り出される係留索32はデッキスタンドローラー16を介して、左舷の船側に設けられたフェアリーダー17を経由して陸上に導かれる。
デッキスタンドローラー14、16には、後述する第1の係留索外れ防止用部材40が設けられる。係留索ドラム11とデッキスタンドローラー14、16の間にはそれぞれ、後述する第2の係留索外れ防止用部材60が設けられる。また、デッキスタンドローラー14、16とフェアリーダー15、17の間にもそれぞれ、第2の係留索外れ防止用部材60が設けられる。同様に、係留索ドラム10とフェアリーダー13との間にも第2の係留索外れ防止用部材60が設けられる。
図2は船尾の甲板上における係留索拘束機構等の配置を示している。船尾に設けられた係留索ドラム70、71は2連であって同軸的に設けられ、共通の駆動源(図示せず)によって回転駆動される。第1の係留索ドラム70から繰り出される係留索33は船尾に設けられたフェアリーダー18を経由して陸上に導かれる。第2の係留索ドラム71から繰り出される係留索34はデッキスタンドローラー19を介して、左舷の船側に設けられたフェアリーダー20を経由して陸上に導かれる。船首部分と同様に、デッキスタンドローラー19には、第1の係留索外れ防止用部材40が設けられる。また、係留索ドラム70とフェアリーダー18の間、係留索ドラム71とデッキスタンドローラー19の間、およびデッキスタンドローラー19とフェアリーダー20の間にはそれぞれ、第2の係留索外れ防止用部材60が設けられる。なお、船体中央部の上甲板に係留索ドラム等の係船機械が設けられる場合も、図1、2と同様な係留索拘束機構が配置される。
図3はデッキスタンドローラー14に設けられる第1の係留索外れ防止用部材40の一例を示している。デッキスタンドローラー14は、係留索ドラム11から繰り出されてフェアリーダー15(図1)へ導かれる係留索31が経由するローラー本体41と、ローラー本体41を回転自在に支持する架台42とを有し、係留索外れ防止用部材40は架台42に取付けられる。係留索外れ防止用部材40は下側水平部43と水平方向拘束部44と上側水平部45とを有する。下側水平部43の一端は架台42の上部の外壁面に固定され、下側水平部43の他端には水平方向拘束部44の下端が連結される。水平方向拘束部44はローラー本体41の側面に沿って延び、その上端はローラー本体41の上面よりも上方に位置する。水平方向拘束部44の上端には、上側水平部45の一端が連結される。上側水平部45は水平方向に延び、他端がローラー本体41の上方に位置する。なお上側水平部45は、ローラー本体41の上面が上に凸の曲面を有する場合には、その曲面に沿って緩やかに湾曲していてもよい。
ローラー本体41の上面の外周縁には全周にわたって突出する環状大径部(ローラー上部)46が形成され、ローラー本体41の下面の外周縁にも全周にわたって突出する環状大径部(ローラー下部)47が形成される。ローラー上部46から上側水平部45までの垂直方向の距離A1は、水平方向のどの位置においても係留索31の直径Dよりも大きい。またローラー上部46の先端から水平方向拘束部44までの水平方向の距離A2は係留索31の直径Dよりも大きい。したがって、係留索31をローラー本体41に取付ける作業を、容易に行うことができる。なお、これらの距離A1、A2が大きすぎると、係留索31が使用中にローラー本体41から外れるおそれがあるので、これらの距離A1、A2は係留索31の直径Dの1.5〜3倍以下に定めることが望ましい。
一方、ローラー下部47から下側水平部43までの垂直方向の距離A3は係留索31の直径Dよりも小さく、またローラー下部47の先端から水平方向拘束部44までの水平方向の距離A4は係留索31の直径Dよりも小さい。したがって、係留索31がローラー本体41から外れたとしても、ローラー下部47の下側に入り込むことはない。
なお図3に示す第1の係留索外れ防止用部材40はデッキスタンドローラー14に設けられるとして説明したが、他のデッキスタンドローラー16、19に設けられる第1の係留索外れ防止用部材40も同様な構成を有する。
図4(a)、(b)は甲板50上に取付けられる第2の係留索外れ防止用部材60の一例を示している。図4(a)はデッキスタンドローラー14の前後にそれぞれ、第2の係留索外れ防止部材60が配置された例を示す側面図であり、図4(b)は第2の係留索外れ防止部材60を係留索31に沿う方向から見た正面図である。上述したように第2の係留索外れ防止用部材60は例えば、係留索ドラム11とデッキスタンドローラー14、16の間において甲板50上に設けられ、またデッキスタンドローラー14、16とフェアリーダー15、17の間において甲板50上に設けられ、係留索31、32が破断した場合もしくはデッキスタンドローラーから外れた場合に干渉可能である。以下の説明では、デッキスタンドローラー14の前後に設けられる第2の係留索外れ防止部材60を例にとっている。
第2の係留索外れ防止部材60は、甲板50に設けられ上方に延びる取付け部61と、取付け部61の上端から横方向に延びる第1ガイド部62と、第1ガイド部62の先端から下方に延びる第2ガイド部63を有する。取付け部61は甲板50に対して着脱自在である。図4(a)に示されるように、デッキスタンドローラー14のローラー本体41の回転軸は甲板50の上面に対して傾斜している。これは、ローラー本体41の外周面の接線方向が、ローラー本体41よりも低い位置にあるフェアリーダー15(図1)に向くように定めて、係留索31がローラー上部46とローラー下部47から外れないようにするためであり、ローラー上部46とローラー下部47は係留索31に平行である。すなわち、係留索ドラム11(図1)からフェアリーダー15へ導かれる係留索31の傾斜は一定であり、その傾斜に直交するようにローラー本体41の回転軸の傾斜が定められる。
図4(a)に示されるように、デッキスタンドローラー14に対して、フェアリーダー15側に位置する前方(図中右側)の係留索外れ防止用部材60の高さは相対的に低く、係留索ドラム11側に位置する後方(図中左側)の係留索外れ防止用部材60の高さは相対的に高い。これらの係留索外れ防止用部材60の高さは、係留索31に平行かつローラー上部46を通る第1の直線S1が前方の係留索外れ防止用部材60の取付け部61の中心軸線に交差する点P1と、第1の直線S1が後方の係留索外れ防止用部材60の取付け部61の中心軸線に交差する点P2とを基準として定められる。すなわち、点P1が前方の係留索外れ防止用部材60の第1ガイド部62の下面の高さ位置として、また点P2が後方の係留索外れ防止用部材60の第1ガイド部62の下面の高さ位置として定められる。
一方、第2ガイド部63の下端の高さ位置は、係留索31に平行かつローラー下部47を通る第2の直線S2が前方の係留索外れ防止用部材60の取付け部61の中心軸線に交差する点P3と、第2の直線S2が後方の係留索外れ防止用部材60の取付け部61の中心軸線に交差する点P4とを基準として定められる。すなわち、点P3が前方の係留索外れ防止用部材60の第2ガイド部63の下端の高さ位置として、また点P4が後方の係留索外れ防止用部材60の第2ガイド部63の下端の高さ位置として定められる。この第2のガイド部63の下端の高さ位置が低いほど、係留索31を第2の係留索外れ防止用部材60に取付ける作業が困難になるが、使用時において、係留索31が係留索外れ防止用部材60から外れにくくなるという利点がある。
また第1ガイド部62の幅Bは、係留索31の直径D以上の大きさを確保することが必要であるが、係留索31の直径Dの2〜3倍に定めることが好ましい。ただし、係留索ドラム11とデッキスタンドローラー14の間に設けられる第2の係留索外れ防止用部材60の場合、設計時に計画される係留索ドラム11への巻き取り角度(フリートアングル)C(図8参照)が適切な大きさになるように、第1ガイド部62の幅Bを決定することが必要である。
図5は第1の係留索外れ防止用部材40の構成例を示している。図5(a)〜(d)において、下側には正面図が示され、上側には平面図が示されている。図5(a)は第1の例であり、図3に示すものと同じである。なお図5(a)の平面図において下側水平部43と上側水平部45を示す2本の線分が示されているが、実際には、下側水平部43と上側水平部45は上方から見ると同じ位置に重なっており、下側水平部43は見えない。このような表示は他の図も同様である。
図5(b)は第2の例であり、上側水平部45の他端に、ローラー本体41の上面に向かって延びる垂直部48が形成されている。垂直部48の下端とローラー本体41の上面との間隔は係留索31の直径よりも少し大きく定められ、これにより、係留索31が係留索外れ防止用部材40から外れにくくなる。
図5(c)は第3の例であり、この係留索外れ防止部材40は、ローラー本体41の中心軸を挟んで水平方向拘束部44とは反対側に、ローラー本体41の側面に沿って延び、上端がローラー本体41の上面よりも上方に位置する水平方向拘束補助部49が設けられる。また上側水平部45は、一端が水平方向拘束部44の上端に連結されて水平方向に延び、他端が水平方向拘束補助部49の上端に連結される。すなわち第3の例の係留索外れ防止用部材40は、正面図においてローラー本体41を囲んでおり、開放された部分は存在しない。したがって、他の例と比較して、係留索31を装備する作業が面倒であるが、係留索31が係留索外れ防止用部材40から外れることはない。
図5(d)は第4の例であり、上側水平部が第3の例とは異なる構成を有する。すなわち、上側水平部は第1の上側水平部45aと第2の上側水平部45bから成り、第1の上側水平部45aは、一端が水平方向拘束部44の上端に連結されて水平方向に延び、第2の上側水平部45bは、一端が水平方向拘束補助部49の上端に連結されて水平方向に延びている。第1の上側水平部45aと第2の上側水平部45bは上方からみると平行に設けられ、これらの上側水平部45a、45bの間には、係留索31の直径よりも大きい間隙が形成される。したがって、係留索31に対する拘束力は第3の例とほぼ同じである一方、係留索31の係留索外れ防止用部材40への取付け作業が容易になる。なお図5(d)の正面図において、第1の上側水平部45aの先端と第2の上側水平部45bの先端とが対向しているように示されているが、このような構成を採用することもでき、あるいは平面図のように、第1の上側水平部45aの先端と第2の上側水平部45bの先端とを対向させず、正面から見ると重なって見えるように構成してもよい。
図6は第2の係留索外れ防止用部材60の構成例を示している。
図6(a)は第1の例であり、係留索外れ防止用部材60は取付け部61と第1ガイド部62のみから成り、第2ガイド部を有していない。この構成は、他の例よりも構成が簡単であるので製造が容易であり、係留索31を取付ける作業も容易である。
図6(b)は第2の例であり、図4に示す構成と基本的に同じである。図6(c)は第3の例であり、第1ガイド部62が上方に突出する円弧状に形成されている点が第2の例とは異なる。図6(d)は第4の例であり、第1ガイド部62が中央部において折れ曲る形状を有する点が第3の例とは異なる。図6(e)は第5の例であり、第1ガイド部62は水平方向に直線的に延びる形状を有するが、第2ガイド部63の下端が甲板50まで延びて甲板50に固定または着脱自在に取付けられている。
以上のように本実施形態では、デッキスタンドローラー14、16、19にそれぞれ、第1の係留索外れ防止用部材40を設け、さらに甲板50上において、係留索ドラム10、11、70、71からフェアリーダー13、15、17、18、20に至る経路の途中に、係留索30、31、32、33、34に干渉可能な第2の係留索外れ防止用部材60を設けている。第1の係留索外れ防止用部材40としては図5(a)〜(d)に示された構成のいずれも採用可能である。また第2の係留索外れ防止用部材60としては図6(a)〜(e)に示された構成のいずれも採用可能である。これらの係留索外れ防止用部材40、60を設けることにより、係留索30、31、32、33、34が摩耗等によって切断したとき、またはデッキスタンドローラーを経由する係留索がローラーから外れた場合に、係留索30、31、32、33、34が暴れる範囲を従来よりも大幅に縮小することができる。したがって、作業員に接触する可能性が減少し、甲板上における作業の安全性が向上する。
第1の実施形態では、第2の係留索外れ防止用部材60の具体的な配置については規定されていない。すなわち、例えば係留索ドラム11からフェアリーダー15に向かって係留索31を見たときに、第2の係留索外れ防止用部材60の取付け部61が係留索31の右側と左側のいずれに位置するかは定められておらず、いずれも可能である。これに対して、次に説明する第2〜第5の実施形態では、第2の係留索外れ防止用部材60の配置が具体的に定められている。
図7は第2の実施形態である係留索拘束機構を示している。これは係留索ドラム10から繰り出される係留索30がデッキスタンドローラーを介さずに、直接フェアリーダー13に導かれる場合を示し、第2の係留索外れ防止用部材60として図6(e)に示された第5の例が採用されている。
図8は第3の実施形態である係留索拘束機構を示している。第1の係留索外れ防止用部材40は図5(c)に示された第3の例が採用されている。すなわち、デッキスタンドローラー14のローラー本体41の中心軸を挟んだ両側に水平方向拘束部44と水平方向拘束補助部49がそれぞれ設けられ、水平方向拘束部44と水平方向拘束補助部49の上端同士が上側水平部45によって連結され、ローラー本体41の外周が完全に囲まれている。
第2の係留索外れ防止用部材60は図6(e)に示された第5の例が採用されている。すなわち、係留索31は甲板50と第2の係留索外れ防止用部材60によって完全に囲まれており、デッキスタンドローラー14とフェアリーダー15の間に2つの係留索外れ防止用部材60が配設され、デッキスタンドローラー14と係留索ドラム11の間に2つの係留索外れ防止用部材60が配設されている。なお、特に係留索ドラム11に近い側に設けられる係留索外れ防止用部材60では、取付け部61と第2ガイド部63の間隔、すなわち通常の使用状態における係留索31の可動範囲は、係留索ドラム11への巻き取り角度(フリートアングル)Cが適切な大きさになるように定められる。
第3の実施形態によれば、係留索31は係留索外れ防止用部材40、60によって完全に囲まれているので、他の実施形態と比較して、係留索31を取付ける作業では、係留索31をこれらの係留索外れ防止用部材40、60の中を通すことが必要であるが、係留索31が切断したとき、または、その係留金物から係留索が外れたときに、暴れる範囲が狭くなり、甲板上の作業安全性が高められる。
図9は第4の実施形態である係留索拘束機構を示している。第1の係留索外れ防止用部材40は図5(a)に示された第1の例が採用され、第2の係留索外れ防止用部材60は図6(a)に示された第1の例が採用されている。第2の係留索外れ防止用部材60は、デッキスタンドローラー14とフェアリーダー15の間に2つ設けられ、デッキスタンドローラー14と係留索ドラム11の間にも2つ設けられている。これらの係留索外れ防止用部材60において、各取付け部61は、係留索ドラム11からデッキスタンドローラー14を介してフェアリーダー15まで延びる係留索31の長さ方向に沿って、一方の側(右側)のみに配置されている。
図10は第5の実施形態である係留索拘束機構を示している。第1の係留索外れ防止用部材40は図5(a)に示された第1の例が採用され、第2の係留索外れ防止用部材60は図6(a)に示された第1の例が採用されている。第4の実施形態と同様に、第2の係留索外れ防止用部材60は、デッキスタンドローラー14とフェアリーダー15の間に2つ設けられ、デッキスタンドローラー14と係留索ドラム11の間にも2つ設けられている。しかし第2の係留索外れ防止用部材60の向きに関しては第4の実施形態と異なる。すなわち、第2の係留索外れ防止用部材60において、各取付け部61は係留索ドラム11からデッキスタンドローラー14を介してフェアリーダー15まで延びる係留索31の長さ方向に沿って、両側に交互に配置される。
第2〜第5の実施形態のような第1の係留索外れ防止用部材40と第2の係留索外れ防止用部材60の組合せは自由であり、例えば、第1の係留索外れ防止用部材40として図5(d)の構成を採用し、第2の係留索外れ防止用部材60として図6(c)の構成を採用する等、目的に応じて組み合わせることができる。
なお図1に示す第1の実施形態において、係留索ドラム10、11は2連であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、1連および3連の係留索ドラムにおいても適用可能である。
10、11、70、71 係留索ドラム
13、15、17、18、20 フェアリーダー
14、16、19 デッキスタンドローラー
40 第1の係留索外れ防止用部材
41 ローラー本体
43 下側水平部
44 水平方向拘束部
45 上側水平部
60 第2の係留索外れ防止用部材

Claims (14)

  1. 係留索ドラムから繰り出されてフェアリーダーへ導かれる係留索が経由するローラー本体を有するデッキスタンドローラーの係留索拘束機構であって、
    前記デッキスタンドローラーの架台に取付けられる係留索外れ防止用部材を備え、前記係留索外れ防止用部材は、一端が前記架台に固定される下側水平部と、前記下側水平部の他端に連結され、前記ローラー本体の側面に沿って延び、上端が前記ローラー本体の上面よりも上方に位置する水平方向拘束部とを有することを特徴とするデッキスタンドローラーの係留索拘束機構。
  2. 前記ローラー本体のローラー下部の先端から前記水平方向拘束部までの水平方向の距離が前記係留索の直径よりも小さく、かつ、前記ローラー本体のローラー下部から前記下側水平部までの垂直方向の距離が前記係留索の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の係留索拘束機構。
  3. 前記ローラー本体のローラー上部の先端から前記水平方向拘束部までの水平方向の距離が前記係留索の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の係留索拘束機構。
  4. 前記係留索外れ防止用部材は、一端が前記水平方向拘束部の上端に連結されて水平方向に延び、他端が前記ローラー本体の上方に位置する上側水平部を有するとともに、前記ローラー本体のローラー上部から前記上側水平部までの垂直方向の距離が前記係留索の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の係留索拘束機構。
  5. 前記上側水平部の他端に、前記ローラー本体の上面に向かって延びる垂直部が形成されることを特徴とする請求項4に記載の係留索拘束機構。
  6. 前記ローラー本体の中心軸を挟んで前記水平方向拘束部とは反対側に、前記ローラー本体の側面に沿って延び、上端が前記ローラー本体の上面よりも上方に位置する水平方向拘束補助部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の係留索拘束機構。
  7. 前記係留索外れ防止用部材は、一端が前記水平方向拘束部の上端に連結されて水平方向に延び、他端が前記水平方向拘束補助部の上端に連結される上側水平部を有することを特徴とする請求項6に記載の係留索拘束機構。
  8. 前記係留索外れ防止用部材は、一端が前記水平方向拘束部の上端に連結されて水平方向に延びる第1の上側水平部と、一端が前記水平方向拘束補助部の上端に連結されて水平方向に延びる第2の上側水平部とを有し、前記第1の上側水平部と前記第2の上側水平部の間に、前記係留索の直径よりも大きい間隙が形成されることを特徴とする請求項6に記載の係留索拘束機構。
  9. 係留索ドラムから繰り出されてフェアリーダーへ導かれる係留索が経由するデッキスタンドローラーの係留索拘束機構であって、前記係留索ドラムおよび/または前記フェアリーダーと前記デッキスタンドローラーとの間において甲板上に固定または着脱自在に設けられ、前記係留索に干渉可能な係留索外れ防止用部材を備えることを特徴とするデッキスタンドローラーの係留索拘束機構。
  10. 前記係留索外れ防止用部材が、前記甲板に設けられ上方に延びる取付け部と、前記取付け部の上端から横方向に延びる第1ガイド部とを有することを特徴とする請求項9に記載の係留索拘束機構。
  11. 前記係留索外れ防止用部材が、前記第1ガイド部の先端から下方に延びる第2ガイド部を有することを特徴とする請求項10に記載の係留索拘束機構。
  12. 前記第2ガイド部の下端が前記甲板まで延び、前記甲板に固定または着脱自在に取付けられることを特徴とする請求項11に記載の係留索拘束機構。
  13. 前記係留索外れ防止用部材が複数個設けられ、これらの複数の前記係留索外れ防止用部材において、各取付け部が前記係留索ドラムから前記デッキスタンドローラーを介して前記フェアリーダーまで延びる前記係留索の長さ方向に沿って、一方の側のみに、または両側に交互に配置されることを特徴とする請求項10に記載の係留索拘束機構。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の係留索拘束機構を装備することを特徴とする係留構造体。
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