以下、図面を参照して、本発明に係る遊技用装置及び遊技用システムを実施するための形態を説明する。以下においては、遊技用システムの構成について説明した後に、第1実施形態〜第4実施形態について説明する。
[遊技用システムの構成]
まず、図1は、本発明の実施の形態に係る遊技用システム1の全体像を示すシステム構成図である。遊技用システム1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機であるカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機と略称する)2と、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体でありプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体でありプリペイド機能を備える会員カードを受け付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出したり払い出すための処理や、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数すると共に、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払出(返却)を行うカードユニット3と、カードユニット3にて使用されるビジターカードや会員カードのプリペイド残額の管理等を行う残額管理装置100と、各カードユニット3において計数された計数済玉数を持玉数として管理する持玉数管理を行う持玉管理装置140や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する所有価値としての貯玉数の管理を行う会員管理装置150と、遊技場内の景品カウンタに設けられて景品交換を行うための景品交換用POS端末170と、から主に構成されている。
ここで計数済玉数は、カードユニット3にて計数された後、未だ持玉管理装置140において管理されておらず、計数の当日のみ使用可能な玉数であり、持玉数は、前記計数された当日に、持玉管理装置140において管理されており、該管理された当日のみ使用可能な玉数であり、貯玉数は、前記計数済玉数又は前記持玉数が貯玉管理装置150において管理され、翌日以降も使用可能な玉数である。そして第1実施形態では、一の遊技者における計数済玉数と持玉数の合算値を当日玉数と称する。
これら本実施の形態の遊技用システム1を構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)7並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該LANに接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されている。なお、カードユニット3は遊技機と1対1に対応して設けられており、カードユニット3を識別することによって対応する遊技機も識別可能となるため、以下の説明において、カードユニット3の装置IDを「台番号」と称する場合がある。
この実施の形態において、各カードユニット3と会員管理装置150とは、持玉管理装置140を介して通信を行うものとする。即ち、持玉管理装置140は、カードユニット3と会員管理装置150との間の通信を中継するものである。また、持玉管理装置140には、通信可能に接続された各カードユニット3の装置ID(台番号)とローカルIPアドレスとが対応付けられた不図示のIPアドレステーブルが記憶されている。これにより、カードユニット3のローカルIPアドレスから当該カードユニット3の装置IDを特定可能であり、カードユニット3の装置IDから当該カードユニット3のローカルIPアドレスを特定可能である。
なお、本実施の形態の残額管理装置100は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理していると共に、通信回線11を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された残額管理サーバ12と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら残額管理サーバ12に対して残額管理装置100から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該残額管理サーバ12にて各遊技場の会員カード及びビジターカードによる売上等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態の会員管理装置150は、上述したように、各会員カードから読み取られる情報(カードID及び会員番号)に関連付けられた貯玉数(所有価値)を管理していると共に、通信回線11を介して、各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数を管理する遊技場外の貯玉管理機関に設置された貯玉管理サーバ15と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら貯玉管理サーバ15に対して会員管理装置150から、各種の管理情報が送信されることにより、貯玉管理機関は、該貯玉管理サーバ15にて各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数等を把握できるようになっている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、図3に示すように、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)のパチンコ玉の払出に伴う各種の信号を送受可能に接続されていて、具体的には、後述するPRDY信号線、BRDY信号線、BRQ信号線、及びEXS信号線が接続されている。
(パチンコ機)
はじめに、本実施の形態に用いた遊技機であるパチンコ機2について、以下に簡単に説明する。パチンコ機2は、図2に示すように、その前面に遊技領域26、上皿23、下皿24及び発射ハンドル25等を備えると共に、上皿に払出ボタン21及び返却ボタン22を備え、図3に示すように、その内部に遊技制御基板27、払出制御基板28、及び玉払出装置29等を備えており、これらの各構成要素は図3に示すように接続されている。
遊技制御基板27は、遊技領域26に設けられた各入賞口へのパチンコ玉の入賞を検出してパチンコ機2における遊技(例えば、特別図柄の可変表示や特別可変入賞装置の開放制御等)及び遊技状態(例えば、特別図柄の停止表示結果が特定表示結果となる確率が高められる確変状態や特別図柄の可変表示時間が短縮される時短状態等)を制御するものである。
払出制御基板28は、カードユニット3の制御ユニット328と通信可能に接続されており、パチンコ機2とカードユニット3との間における通信を司るものである。プリペイド残額、持玉数、及び貯玉数のいずれかを減算して、予め定められた一単位数(25)の倍数に相当する個数のパチンコ玉を払い出すときに、払出制御基板28と制御ユニット328との間で信号の送受信が行われる。
また払出制御基板28は、玉払出装置29と接続され、該玉払出装置29を制御するものである。玉払出装置29は、払出制御基板28と制御ユニット328との通信に基づいて予め定められた一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すと共に、遊技領域27に設けられた入賞口へのパチンコ玉の入賞に基づいて遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
払出ボタン21は、対応するカードユニット3のカードリーダライタ327(以下カードR/W327と略記する)にて受け付けたビジターカード又は会員カードから読み取られるカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を減算してパチンコ玉を払い出すプリペイド払出を行うための払出操作を受け付けるボタンである。この払出ボタン21が操作されたことを払出ボタンスイッチ21aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている払出入力信号線を介して制御ユニット328に払出入力信号が入力され、制御ユニット328が払出ボタン21が操作された旨を認識して、プリペイド残額を使用して一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すための払出制御基板28との通信を実行する。
返却ボタン22は、対応するカードユニット3のカードR/W327にて受け付けたビジターカード又は会員カードを返却するための返却操作を受け付けるボタンである。この返却ボタン22が操作されたことを返却ボタンスイッチ22aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている返却入力信号線を介して制御ユニット328に返却入力信号が入力され、制御ユニット328が返却ボタン22が操作された旨を認識して、カードR/W327にて受付中のビジターカード又は会員カードを返却する。
このパチンコ機2では、発射ハンドル25が操作されると、上皿23から発射位置に供給されたパチンコ玉が遊技領域26に打ち込まれて遊技が行われる。パチンコ玉が遊技領域26に設けられた各入賞口に入賞した場合には、各入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29により払い出される。パチンコ玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置において特別図柄の可変表示(変動表示)が開始され、その停止表示結果が予め定められた特定表示結果となった場合には、特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生して特別可変入賞装置が開放制御されることにより、大入賞口へのパチンコ玉の入賞が可能となる。
遊技制御基板27に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ(図示せず)は、入賞検出に応じて、払出制御基板28に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)に、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、玉払出装置29を駆動する。玉払出装置29には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が玉払出装置29から払出される。
払出制御基板28の制御により入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大入賞口等)に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出されると、該払い出された賞球は、まず上皿23に導かれ、該上皿が満タンになると下皿24に導かれる。下皿24の前面には、下皿24の底板に固定されたレバー24aが設けられている。遊技者がレバー24aを操作する(図2の例では左側に引く)ことにより、下皿24の底板がスライドして下皿24の底面が開放され、下皿24に導かれた賞球は、下皿24から落下して計数・端数払出ユニット340に投入される。
(記録媒体)
次に、本実施の形態にて使用される記録媒体(遊技用記録媒体)であるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明する。本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施すると共に、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用している。これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まるカードIDが予め書換不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされていると共に、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員番号が書換不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、当日再度遊技に使用できる持玉として、あるいはその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯玉として、遊技場に預けることができるようになっているが、これら会員カードには、該持玉のデータである持玉数及び貯玉のデータである貯玉数は直接記録されておらず、これら持玉数及び貯玉数は、後述するように、持玉管理装置140及び会員管理装置150において、カードID及び会員番号に対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員番号から特定されるようになっている。
また、ビジターカードは、カードユニット3において発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数したパチンコ玉数(計数玉数)に基づく持玉数と該持玉数が計数された日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において使用できるようになっている。
なお、本実施の形態では、上述したように、ビジターカードのみに持玉数を書き込み記録するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら持玉数や貯玉数のデータを、ビジターカードと同じく、会員カードに記録するようにしても良い。また、会員カードと同様に、ビジターカードに持玉数を書き込み記録しないようにしても良い。また、プリペイド残額は、会員カード及びビジターカードに記録させることなく、残額管理装置100がカードIDに対応付けて記憶し、カードに対応するプリペイド残額を当該カードのカードIDから検索できるように管理してもよい。
(カードユニット)
次に、本実施の形態のカードユニット3について、図2及び図3に基づいて以下に説明すると、本実施の形態のカードユニット3の前面には、図2及び図3に示すように、フルカラーLED301aにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301等の各種表示部と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305と、ボタン319と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309とが設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードR/W327(図3参照)のカードスロット(図示略)に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図2に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、ボタン319が設けられている。表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。また、ボタン319は透光性を有するプラスチック製のケースにより構成されている。
このボタン319は、第1実施形態においては、計数済玉数,持玉数,及び貯玉数を払い出すための再プレイ操作を受け付けるための「再プレイボタン」として機能し、第2,第3実施形態においては、計数玉数(持玉数)を払い出すための計数払出操作を受け付けるための「計数プレイボタン」として機能する。
持玉払出は、ビジターカード又は会員カードを受け付けた場合において、該ビジターカード又は会員カードに記録されているカードID及び会員番号(会員カードのみ)に対応付けて持玉管理装置140で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の持玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の持玉数を減算して遊技媒体を払い出す処理である。
ここで基本単価とは、複数種類の付与レート(例えば4円,2円,1円)のうち、当該カードユニット3に対応する付与レートであり、該基本単価は、当該カードユニットにおいて行われるプリペイド払出,持玉払出,及び貯玉払出に適用される。具体的には、プリペイド払出においては、基本単価×基本払出玉数のプリペイド残額が減算され、持玉払出においては、後述する乗入れ払出を除き、基本単価の口座から基本払出玉数の持玉数が減算され、貯玉払出においては、基本単価の口座から基本払出玉数の貯玉数が減算される。
本実施の形態では、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3に挿入されると、持玉管理装置140から取得した持玉数(受け付けたカードIDに対応付けて管理されている各口座の持玉数)が制御ユニット328に記憶される。そして、持玉払出が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数から払い出された玉数が減算され、計数・端数払出ユニット340で計数が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数に計数された玉数が加算される。
また、カード貯留部のビジターカードがカードR/W327に供給され(このとき制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数は0となっている)、計数・端数払出ユニット340で計数が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数に、計数された玉数が加算される。そして、持玉払出が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数から、払い出された玉数が減算される。
持玉管理装置140で管理されている持玉数は、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3から返却される際に更新され、持玉払出が実行される際や遊技媒体の計数が実行される際には、カードユニット3で記憶されている持玉数は更新されるが、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないものとする。
貯玉払出は、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の貯玉数のみを減算して遊技媒体を払い出す処理である。
貯玉払出を実行する場合には、第1実施形態においては、ボタン319を操作し、第2,第3実施形態においては、タッチパネル314を有する表示部312にメイン画面が表示され、メイン画面の貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンが有効態様(後述する無効態様よりも濃い表示態様)で表示されているときに(例えば図27(1)の状態で)、該貯玉払出ボタンを操作する。
また、第1実施形態では、前記持玉払出の一形態として、ビジターカード又は会員カードを受け付けた場合において、該ビジターカード又は会員カードに記録されているカードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の持玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座以外の他口座(基本単価とは異なる単価に対応した口座)の持玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出す乗入れ払出(乗入れ付与処理)を実行可能なものであり、第2,第3実施形態では、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座以外の他口座(基本単価とは異なる単価に対応した口座)の貯玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出す乗入れ払出(乗入れ付与処理)を実行可能なものである。
なお、前記乗入れ払出が実行される場合において、当該基本単価に対応した口座を「乗入れ先口座」と称し、当該基本単価を「乗入れ先単価」と称し、当該他口座を「乗入れ元口座」と称し、当該他口座に対応した単価(当該基本単価とは異なる単価)を「乗入れ元単価」と称する。
また、突出部305内部には、表示部312を成す液晶表示器313が設けられており、液晶表示器313及び透明タッチパネル314が、図3に示すように、表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
また、表示制御基板329には、ボタン319が操作されたことを検出するスイッチ319aと、前述した持玉払出や貯玉払出が可能なときに点灯するLED319bとが接続されている。このスイッチ319aは、第1実施形態では、再プレイボタンの操作を検出する「再プレイスイッチ」として機能し、第2,第3実施形態では、計数プレイボタンの操作を検出する「計数プレイスイッチ」として機能する。またLED319bは、第1実施形態では「再プレイLED」として機能し、第2,第3実施形態では「計数プレイLED」として機能する。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット328が設けられており、後述するように、該制御ユニット328によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の前面下方端部位置には、パチンコ機2の下皿24の下方位置に配置されることで、該下皿24から排出されるパチンコ玉を計数すると共に、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)未満の端数のパチンコ玉の払出を行う箱状の計数・端数払出ユニット340から排出されるパチンコ玉をカードユニット3内に流入させるための連結樋344が装着される。該連結樋344を流下して図示しない回収流路ボックスに流入してきたパチンコ玉が、回収流路ボックスをカードユニット3の前方側から後方(島内部)側に流下していき、カードユニット3の後方下端から遊技島内の図示しない回収樋に排出される。
図3は、本実施の形態のカードユニット3の構成を示すブロック図である。カードユニット3は、上述したように、主には、紙幣識別ユニット321と、カードR/W327と、表示制御基板329と、計数・端数払出ユニット340と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328とから構成されており、紙幣識別ユニット321、カードR/W327、計数・端数払出ユニット340及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードR/W327は、カード挿入口309から挿入される会員カード又はビジターカードに記録されているカードID、会員番号(会員カードのみ)、持玉数及び日付(ビジターカードのみ)、プリペイド残額等の記録情報の読み出し、並びに、持玉数及び日付(ビジターカードのみ)、プリペイド残額等の書き込みを行う。カードユニット3の内方側終端部位置には、ビジターカードを最大10枚まで貯留できる不図示のカード貯留部が設けられており、新規のビジターカードを発行可能とされている。カード貯留部のビジターカードはカード貯留部及びカードR/W327に設けられた搬送機構によりデータの読み出し及び書き込みが可能な所定位置まで搬送される。
カードの挿入が挿入センサにより検出されると、挿入されたカードがカードR/W327に設けられた搬送機構により所定位置まで搬送される。該所定位置に停止されたカードを対象とした給電やデータ通信を行うことにより、受付中のカードを対象としたデータの読み出し及び書き込みが可能となっている。制御ユニット328が返却ボタン22の操作を検知すると、カードR/W327に対して所定位置にある受付中のカードの排出を指示する。このとき、カードR/W327に設けられた搬送機構により、所定位置にあるカードがカード挿入口309から排出され遊技者に返却される。
ここで、この実施の形態では、(1)カードR/W327の所定位置に会員カードが存在する状態、(2)カードR/W327の所定位置にビジターカードが存在し、且つ、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額(表示部312に表示されているプリペイド残額)及び各口座の持玉数のうち少なくとも1以上が0ではない状態では、不図示のシャッタ用ソレノイドの動作により、カード挿入口309を水平方向に横切る棒状のシャッタが出現してカードの挿入が阻止される。即ち、会員カードが受け付けられている期間、及び受付中のビジターカードについてプリペイド残額又は持玉数が残存している期間は、新たなカードの挿入が禁止される。
一方、(3)カードR/W327の所定位置にビジターカードが存在しており、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額(表示部312に表示されているプリペイド残額)及び各口座の持玉数がいずれも0となっている状態では、カード挿入口309のシャッタが解除されており、新たなカードの挿入が可能となっている。即ち、カードR/W327のビジターカードについてプリペイド残額及び持玉数がいずれも残存していない期間は、新たなカードの挿入が許容される。
(3)の状態において、新たなカードの挿入が検出されると、カードR/W327の所定位置に存在するビジターカードに記録されているプリペイド残額及び各口座の持玉数が0にクリアされると共に、カードユニット3から持玉管理装置140に対して当該ビジターカードのカードID及び制御ユニット328で記憶されている各口座の持玉数(いずれも0である)を含む擬似的なカード排出通知が送信される(実際にはビジターカードは排出されずにカード貯留部に収納されることになるため「擬似的」としている)。
そして、挿入検出されたカードがカードR/W327の所定位置に搬送されることに伴い、該所定位置に存在していたビジターカードは、カードR/W327及びカード貯留部に設けられた搬送機構によりカード貯留部に搬送されて収納される。持玉管理装置140では、受信した擬似的なカード排出通知に含まれるカードIDに対応付けて管理している各口座の持玉数を、受信した各口座の持玉数(擬似的なカード排出通知に含まれる各口座の持玉数)に更新する。
前述した(1)及び(2)のいずれかの状態において、返却ボタン22が操作されると、カード挿入口のシャッタが解除され、カードR/W327の所定位置に存在するカードが返却されると共に、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードが搬送される。該所定位置に搬送されたビジターカードに記録されているプリペイド残額及び各口座の持玉数は0であり、該ビジターカードのカードIDに関連付けて持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数も0である。返却ボタン22の操作により返却されるカードが会員カードである場合には、該会員カードに制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が記録され、返却されるカードがビジターカードである場合には、該ビジターカードに制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額並びに各口座の持玉数及び日付が記録される。
次に、本実施の形態の制御ユニット328について説明する。制御ユニット328は、図3に示すように、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aや、カードリーダライタ327に受付中のビジターカード及び会員カードのカードIDや、会員番号(会員カードのみ)、並びにプリペイド残額や、持玉数、貯玉数等の各種のデータを記憶可能なRAM328bや、中央演算処理回路(CPU)328aが実行する制御プログラムや、当該カードユニット3の装置IDを含む設定情報や、各種のデータを書換記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM328cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)328dを含み、RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施の形態の制御ユニット328は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の送受を、パチンコ機2に設けられている払出制御基板28との間において実施可能に接続されている。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と接続されており、後述するように、該計数・端数払出ユニット340から出力されてくる計数情報の受信に応じて、表示部312に表示する当日玉数(計数済玉数と持玉数の合算値)や計数玉数(持玉数)の値を更新する。
また、制御ユニット328は、前述したように、パチンコ機1の上皿23に設けられた払出ボタン21が操作されたことを検知するための払出ボタンスイッチ21aに接続されており、払出ボタン21の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ21aから入力されることにより、払出ボタン21の操作の有無を把握し、払出ボタン21の操作があったときにはプリペイド払出を実施することで、一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉の払出を対応するパチンコ機2から実施させる。
ここでカードユニット3とパチンコ機2との間で行われる信号のやりとりについて説明する。本例では、RAM328aに基本払出玉数として125(一単位数である25の5倍に相当)が記憶されているものとする。本実施の形態では、プリペイド払出のみならず、持玉払出、貯玉払出、及び、乗入れ払出においても、カードユニット3(制御ユニット328)とパチンコ機2との間で通信が行われ、一単位数の整数倍のパチンコ玉が払い出されるものとしている。
まずパチンコ機2及びカードユニット3の電源投入時に、両者の間における接続確認が行われると、パチンコ機2の払出制御基板28は、PRDYをLOWとすることにより、PRDY信号線を介して、カードユニット3の制御部ユニット328に払出可能信号を送信して(S1)、スタンバイ状態となる。
次にカードユニット3の制御ユニット328は、PRDYのLOW(払出可能信号)を受信しているスタンバイ状態において払出ボタン21(又は、ボタン319、メイン画面の貯玉払出操作領域312aに有効態様で表示される貯玉払出ボタン、若しくは乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに有効態様で表示される乗入れ払出ボタン)の操作を検出すると、BRDYをLOWとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出可能信号を送信する(S2)。
この状態において、カードユニット3の制御ユニット328は、BRQをLOWとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出要求信号を送信する(S3)。次にパチンコ機2の払出制御基板28は、BRDYのLOW(払出可能信号)を受信した状態においてBRQのLOW(単位払出要求信号)を受信すると、玉確認センサ(図示せず)により一単位数(25)のパチンコ玉を払い出す準備(払出準備)が整っているか否かを確認し、該払出準備が整っていることを条件として、EXSをLOWとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出準備信号を送信する(S4)。
次に該EXSのLOW(単位払出準備信号)を受信したカードユニット3の制御ユニット328は、BRQをHIGHとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出指令信号を送信する(S5)。次に該BRQのHIGH(単位払出指令信号)を受信したパチンコ機2の払出制御基板28は、玉払出装置29に対して払出信号を出力し、これに基づいて一単位数(25)のパチンコ玉の払出が行われると共に、該払出の完了に基づいて、EXSをHIGHとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出完了信号を送信する(S6)。
これらS3〜S6の制御を、5回繰り返すことにより、125玉をパチンコ機2から払い出し、これらの制御の終了に基づいて、BRDYをHIGHとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出終了信号を送信し(S7)、125玉の払出を終了する。このように、パチンコ玉が払い出されるときのS3〜S6の制御の繰り返し回数を「払出度数」と称する。この実施の形態では、払出度数の1度数(S3〜S6の制御1回)あたり25玉のパチンコ玉が払い出されるようになっており、1度数あたりの払出玉数を一単位数としている。
また、制御ユニット328は、通信部334並びにHUB7を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている前述の残額管理装置100、持玉管理装置140、及び会員管理装置150等とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部334を通じて可能とされている。
また、制御ユニット328に接続された表示制御基板329は、表示部312を構成する液晶表示器313、透明タッチパネル314、並びに、ボタン319に対応するスイッチ319a及びLED319b等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、ボタン319の操作情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット328に出力される。
本実施の形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、前記透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット328から独立して、各種スイッチ類や透明タッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット328から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部312を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
また、制御ユニット328は、持玉管理装置140から定期的(本実施の形態では約10秒毎)に送信されてくるオンライン確認要求の受信の有無により、持玉管理装置140との通信状態がオンライン状態であるかオフライン(通信不能)状態であるかを検知できるようになっていると共に、これらオンライン確認要求の受信に応じてオンライン確認応答を持玉管理装置140に返信することで、持玉管理装置140においても各カードユニット3のオンライン・オフライン状態を検知できるようになっている。なお、これらオンライン確認要求としては、他のデータ送信要求にて代用される場合がある。
この実施の形態では、カードユニット3は、持玉管理装置140を介して会員管理装置150と通信を行う。ここで、カードユニット3と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140と会員管理装置150との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、会員管理装置150とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報をカードユニット3に送信する。オフライン情報を受信したカードユニット3では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、会員管理装置150との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、持玉数の更新を可能とし、貯玉数の更新(貯玉払出や乗入れ払出)を禁止するといった制御を行うことが可能となる。
また、この実施の形態では、カードユニット3がオンライン確認要求を受信しており、且つオフライン情報を受信していないとき、即ち、持玉管理装置140と通信可能であり、且つ会員管理装置150と通信可能である場合にのみ、貯玉数の更新(後述する乗入れ払出も含む)が許容される。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と計数情報や端数払出要求等の各種のデータを、少ない通信線数にてデータの送受が可能なシリアル通信により送受可能に接続されている。
ここで、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340について説明する。本実施の形態の計数・端数払出ユニット340は、図2に示すように、パチンコ機2の下皿24の直下に配置された横長の箱状物であり、カードユニット3の最も下方位置に設けられている不図示の回収流路ボックスに連結樋344を介して連結されている。
そして、計数・端数払出ユニット340の上面には、下皿24から排出されるパチンコ玉が投入されるホッパ形状とされた不図示の投入部が形成されていて、その前面のカードユニット3本体側(向かって左側)には、払出(返却)された端数のパチンコ玉が取り出し可能に貯留される返却貯留部342が設けられている。
計数・端数払出ユニット340の内部には、計数・端数払出ユニット340の制御を行う制御マイコン等が搭載された制御基板により構成される制御部350が内蔵されている。この制御部350には、図3に示すように、流路変更シャッタ351、払出モータ353、払出センサ354、計数センサ356、及び貯留玉センサ357等が接続されていて、該制御部350にて計数・端数払出ユニット340の各機能が形成されるように制御される。また、制御部350は、カードユニット3の本体と連結樋344を介して電気的に接続されている。
計数・端数払出ユニット340の投入部に投入されたパチンコ玉は不図示の計数流路に流入して該計数流路上を連結樋344の方向に向けて流下し、該計数流路の下流部に設けられている計数センサ356にて検出されるようになっている。計数センサ356にて検出されたパチンコ玉の流下方向は流路変更シャッタ351により変更可能となっている。該流路変更シャッタ351が出没することによって、パチンコ玉の流下方向を、連結樋344側或いはパチンコ玉を貯留する不図示の貯留部側に切り替えることが可能とされている。
ここで、計数センサ356によりパチンコ玉が検出される毎に、制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、所定のタイミング(例えば、計数玉数が更新されることなく5秒が経過したタイミング)で、RAM328bに記憶されている当該カードユニット3に対応した口座(RAM328bに記憶している基本単価に対応した口座)の持玉数に、計数玉数の値が加算されて持玉数が加算更新されると共に、計数玉数の値は0にリセットされる。
貯留部に流入するパチンコ玉は、貯留玉センサ357により検出されていき、貯留部内がパチンコ玉により満たされることにより、貯留玉センサ357によってパチンコ玉が所定時間以上連続して検出された場合には、流路変更シャッタ351による貯留部側への流路変更が解除されることで、計数センサ356により検出された計数済みのパチンコ玉は全て、連結樋344を流下してカードユニット3内部の回収流路ボックスを介して遊技島内に回収される。
また、貯留部に貯留されたパチンコ玉は、払出モータ353によって1つずつ返却貯留部342に払出可能となる。このとき、払出センサ354により、遊技者に払出(返却)するパチンコ玉数を計数可能となっている。
貯留部にパチンコ玉が貯留されている状態において、一単位数未満の端数のパチンコ玉数、例えば、端数として20玉の払出(返却)がなされる場合、つまり、制御部350が制御ユニット328から払出(返却)する端数である20玉を含む端数払出要求を受信した場合には、該受信した端数払出要求に含まれる払出玉数(端数)である20の検出信号が払出センサ354から入力されてくるまで払出モータ353を作動させることにより、該払出玉数(端数)である20個のパチンコ玉が、返却貯留部342に返却されて貯留されるようになる。
なお、端数のパチンコ玉の払出は、貯留部に貯留されているパチンコ玉を払い出すものには限られず、例えば遊技島からパチンコ玉を取り込んで払い出すものでもよく、該払い出したパチンコ玉をノズルによりパチンコ機2の上皿に導くものであってもよい。また、ノズルのみで払い出すものには限られず、ノズルからの払出とパチンコ機2からの払出とを併用するものであってもよい。
制御部350は、端数に相当する数の検出信号が払出センサ354から入力されてきた際には、端数払出要求の応答として、端数払出完了通知を制御ユニット328に対して送信することにより、制御ユニット328は、端数払出要求で指定した端数の払出が完了したことを認識する。
この実施の形態では、各カードユニット3において設定される基本払出玉数はいずれも一単位数(25)の整数倍であるため、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)以上のときにプリペイド払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数以上のときに持玉払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数以上のときに貯玉払出を実行する場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、基本払出玉数に相当する全数を払出可能となっている。
また、プリペイド払出において、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)未満であるが一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)以上の場合には、[一単位数×n≦(プリペイド残額/基本単価)]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、プリペイド払出において、プリペイド残額が一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)未満である場合には、[基本単価×n≦プリペイド残額]となる最大のnを端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
また、持玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦持玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、持玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が一単位数未満である場合には、当該持玉数を端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
なお、基本払出玉数として一単位数の整数倍ではない払出玉数が設定されている場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328と通信による払出と、計数・端数払出ユニット340による払出の両方が実行されることにより、該基本払出玉数のパチンコ玉が払い出されるようにすると良い。例えば、基本払出玉数として116が設定されている場合には、払出度数が4に設定され、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって100玉がパチンコ機2から払い出され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数の16玉が払い出される。
なお、この実施の形態では、計数・端数払出ユニット340の内部に設けられた貯留部に端数払出用のパチンコ玉を貯留するようにしているが、このような形態に限らず、端数相当のパチンコ玉を払い出す場合に、遊技島の玉供給経路から計数・端数払出ユニット340に供給されたパチンコ玉を払い出すようにしても良い。例えば、カードユニット3から上皿23にパチンコ玉を供給するためのノズルを設けて、玉供給経路から供給されたパチンコ玉をノズルを通じて上皿23に供給するようにしても良い。
このような構成において、持玉払出、貯球払出、及び乗入れ払出が実行される場合には、制御ユニット328と払出制御基板28との間の通信によらず、払い出されるパチンコ玉は全てノズルから供給するようにしても良く、払い出されるパチンコ玉のうち一単位数の整数倍は制御ユニット328と払出制御基板28との間の通信に基づいて払い出し、一単位数未満の端数のみをノズルから供給するようにしても良い。
(残額管理装置)
次に、本実施の形態の残額管理装置100について、図4に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた残額管理装置100は、図4に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス101に、該残額管理装置100が実施する各種処理を行うCPU102、ワークメモリ等として使用されるRAM103、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC104、ハードディスク等からなる記憶装置105、キーボードやマウス等の入力装置106、各種の画面を表示出力する表示装置107、各種情報をプリント出力するプリンタ108、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3(制御ユニット328)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行う通信部109、カード会社に設置された残額管理サーバ12とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)110が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置105には、残額管理装置100において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カード及びビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するための残額管理テーブル(図5参照)が記憶されている。
残額管理テーブルには、図5に示すように、各ビジターカード及び各会員カードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員番号(会員カードのみ)と、プリペイド残額とが記憶されており、会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額を特定できるようになっている。
カードユニット3の紙幣識別ユニット321により紙幣が受け付けられたときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、該受け付けた紙幣に応じた識別額が、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額に加算される。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も加算後のプリペイド残額に更新される。
払出ボタン21が操作され、受付中の会員カード又はビジターカードのプリペイド残額を使用したプリペイド払出が実行されるときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額から、使用金額(払出玉数×当該カードユニット3に記憶されている基本単価に相当)が減算される。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。
(持玉管理装置)
次に、本実施の形態の持玉管理装置140について、図6に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた持玉管理装置140は、図6に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、該管理コンピュータ140が実施する各種処理を行う中央演算処理装置(CPU)142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)144、ハードディスク等からなる記憶装置145、キーボードやマウス等の入力装置146、各種の画面を表示出力する表示装置147、各種情報をプリント出力するプリンタ148、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3及び会員管理装置150、並びに景品交換用POS端末170等とのデータ通信を行う通信部149が接続された通常のコンピュータである。
また、CPU142は、前述したように、通信部149から各カードユニット3に対して定期的にオンライン確認要求を送信し、各カードユニットから装置IDを含むオンライン確認応答を受信することにより、各カードユニット3とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。また、会員管理装置150に対しても、定期的にオンライン確認要求を送信し、会員管理装置150からオンライン確認応答を受信することにより、会員管理装置150とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。会員管理装置150とオフライン状態である場合には、カードユニット3に対してオフライン情報を送信する。
ここで、会員管理装置150と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140とカードユニット3との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、カードユニット3とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報を会員管理装置150に送信する。オフライン情報を受信した会員管理装置150では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、カードユニット3との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、カードユニット3に対してのコマンドの送信を中断するといった制御を行うことが可能となる。
記憶装置145には、持玉管理装置140において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、遊技者(会員カードを使用する会員遊技者及びビジターカードを使用するビジター遊技者)の所有価値である、当日において獲得された持玉数を管理するための持玉管理テーブル(図7参照)と、各カードユニット3の基本単価及び基本払出玉数、並びに各カードユニット3で受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDを管理するためのCU管理テーブル(図8参照)とが記憶されている。
持玉管理テーブルには、図7に示すように、各カードID及び各会員番号(会員カードのみ)に対応付けて、当該会員カード又はビジターカードを使用した遊技者がその当日において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である持玉数が記憶されており、ビジターカードや会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号(会員カードのみ)から、当該遊技者が所有する持玉数を特定できるようになっている。
なお、持玉管理テーブルに管理されている持玉数は、その当日のみ持玉数として管理されており、遊技場の営業終了後に遊技用システム1で実行される営業終了時処理において、会員カードのカードID及び会員番号に対応する持玉数は、会員管理装置150(貯玉管理テーブル)にて管理される当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する貯玉数に加算された後、全て0にクリアされる。また、営業終了時処理においてビジターカードのカードIDに対応する持玉数は、全て0にクリアされる。
また、営業終了時処理と同様に、後述する景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたとき(持玉管理装置140又は会員管理装置150が、景品交換用POS端末170に挿入された会員カードのカードID及び会員番号を景品交換用POS端末170から受信したとき)にも、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する持玉数が、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する貯玉数に加算された後、全て0にクリアされる。
ここで、図7に示すように、持玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の持玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の持玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の持玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の持玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した持玉数である。
営業終了時処理が実行されたとき、及び、景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときには、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が、後述する貯玉管理テーブルにおける当該口座に対応した口座(同じ単価の口座)の貯玉数に加算されると共に、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が全て0にクリアされる。カードIDがKC−00001(会員番号がK−00001)の例では、図7に示すように、4円口座、2円口座、1円口座の持玉数が、それぞれ0、200、300となっており、図10に示すように、4円口座、2円口座、1円口座の貯玉数が、それぞれ0、2000、3000となっている。この例では、営業終了時処理が実行されたとき、及び景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときに、4円口座、2円口座、1円口座の貯玉数が、それぞれ0(0+0)、2200(2000+200)、3300(3000+300)に更新され、4円口座、2円口座、1円口座の持玉数が、いずれも0にクリアされる。
CU管理テーブルには、図8に示すように、各カードユニット3の装置ID(台番号)に対応付けて、当該カードユニットに対応して設けられる遊技機において使用可能な遊技媒体の単価である基本単価と、前述したプリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出で払い出されるパチンコ玉の数である基本払出玉数と、当該カードユニットにおいて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDである受付中カードIDと、が記憶されている。
ここで記憶されている基本単価及び基本払出玉数は、遊技場の営業開始前に遊技用システム1で実行される営業開始時処理において、持玉管理装置140から各装置IDのカードユニット3に送信され、制御ユニット328のRAM328bに記憶される。そして、パチンコ玉の払出(前述したプリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出)を実行するときに、各カードユニット3で記憶される基本払出玉数のパチンコ玉が払い出される。例えば、基本単価が4.00円の場合の基本払出玉数は125となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、5度数相当の125玉が払い出されることになる。また、基本単価が2.00円及び1.00円の場合の基本払出玉数は200となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、8度数相当の200玉が払い出されることになる。
なお、本実施の形態では、プリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出の各種別の払出について共通の払出玉数(基本払出玉数である125)が設定されているが、このような形態に限らず、払出の種別に応じて異なる払出玉数を設定するようにしても良い。例えば、乗入れ払出についてのみ払出玉数を200と設定して、算出される払出可能な玉数が200以上となる場合にのみ乗入れ払出を実行可能としても良い。また、基本払出玉数未満の乗入れ払出を実行可能としても良い。例えば、乗入れ払出を持玉払出と同様に1玉から可能とし、算出される払出可能な玉数が1以上であれば乗入れ払出を実行可能としても良い。また、算出される払出可能な玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上である場合には、一単位数の整数倍であって該払出可能な玉数を超えない最大数を乗入れ払出によって払い出すようにすると良い。
(会員管理装置)
次に、本実施の形態の会員管理装置150について、図9に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた会員管理装置150は、図9に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス151に、該会員管理装置150が実施する各種処理を行うCPU152、ワークメモリ等として使用されるRAM153、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC154、ハードディスク等からなる記憶装置155、キーボードやマウス等の入力装置156、各種の画面を表示出力する表示装置157、各種情報をプリント出力するプリンタ158、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続された持玉管理装置140及び景品交換用POS端末170等の各装置とのデータ通信を行う通信部159、貯玉管理期間に設置された貯玉管理サーバ15とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)160が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置155には、会員管理装置150において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードを所持する会員遊技者が所有する当日前に当該会員遊技者により獲得された貯玉数を管理するための貯玉管理テーブル(図10参照)と、前述した持玉管理装置140から取得可能であり、乗入れ払出を実行する場合に選択される乗入れ元口座の優先順位を管理する乗入れ優先順位テーブル(後述する図13,図14参照)と、前述した持玉管理装置140から取得可能なCU管理テーブルとが記憶されている。
貯玉管理テーブルには、図10に示すように、会員カードの各カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員番号と、当該会員遊技者が当日前(ただし当日に景品交換用POS端末170の使用によって持玉数が貯玉数に移行された場合には、当該貯玉数も含まれる)において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である貯玉数とが記憶されており、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員番号から、当該会員遊技者が所有する所有価値である貯玉数を特定できるようになっている。
ここで、図10に示すように、貯玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の貯玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の貯玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の貯玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の貯玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した所有価値である。
また、カードユニット3において表示部312に表示された貯玉払出ボタンが操作され、貯玉払出が実行されるときには、該カードユニット3と会員管理装置150との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで管理されている各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3の装置IDに対応した基本単価に対応した口座の貯玉数から、払出玉数が減算される。
また、記憶装置155には不図示の会員情報管理テーブルも記憶されており、該会員情報記憶テーブルでは、会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて、当該会員番号により識別される会員遊技者が会員登録時に登録した氏名及び暗証番号が記憶されている。
(景品交換用POS端末)
景品交換用POS端末170(以下、景品POS170と略記する)は、マイクロコンピュータが設けられ、このマイクロコンピュータには、制御中枢としてのCPU、CPUの制御動作プログラムを格納しているROM、CPUのワークエリアとしてのRAM、外部機器との信号の入出力を行なうための入出力インターフェイスが設けられている。CPUは、入出力インターフェイスを介して、持玉管理装置140との間での情報の入出力、会員管理装置150との間での情報の入出力がそれぞれ可能となっている。また、景品POS170には、マイクロコンピュータに接続されるカードリーダライタ、表示装置、キーボード等の入力装置、バーコードリーダ等が設けられている。
カードリーダライタにビジターカードが挿入されることにより、景品POS170と持玉管理装置140との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られたビジターカードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座の持玉数が表示装置に表示される。この状態で、景品に付された景品価値(例えば1000円相当)を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数(例えば4円なら250玉、2円なら500玉、1円なら1000玉)が、選択された口座(例えば4円口座、2円口座、及び1円口座のいずれか)の持玉数から減算される(これに伴い該交換玉数が、読み取られたカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている当該口座の持玉数から減算される)ことで、持玉と景品とを交換可能となっている。
また、カードリーダライタに会員カードが挿入されることにより、景品POS170と持玉管理装置140及び持玉管理装置140と貯玉管理装置150との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られた会員カードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数が、カードリーダライタで読み取られた会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理措置150で記憶されている対応する各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数に加算されると共に、持玉管理装置140で記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数が0に更新される。そして、該更新後の各口座の貯玉数が表示装置に表示される。
この状態で、景品に付された景品価値を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数(例えば4円なら250玉、2円なら500玉、1円なら1000玉)が、選択された口座(例えば4円口座、2円口座、及び1円口座のいずれか)の貯玉数から減算される(これに伴い該交換玉数が、読み取られた会員番号に対応付けて会員管理装置150で記憶されている当該口座の貯玉数から減算される)ことで、貯玉と景品とを交換可能となっている。なお、更新後の貯玉数の一部のみを景品交換に使用し、残りの貯玉数は次回の遊技に使用することも可能であり、更新後の貯玉数の全てを次回の遊技に使用することも可能である。
[第1実施形態]
第1実施形態は、乗入れ払出における優先順位を設定可能なものである。
ここで乗入れ払出には、一の他口座のみの持玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出すものと、複数の他口座の持玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出すもの(いわば複数の他口座にまたがって持玉数を減算可能なもの)とがあり、前者を「またがり乗入れ無し」、後者を「またがり乗入れ有り」と称する。なお、またがり乗入れ有りの場合には、基本単価の口座及び一の他口座にまたがって持玉数を減算可能なものや、基本単価の口座及び複数の他口座にまたがって持玉数を減算可能なもの、即ち基本単価の口座にもまたがる乗入れも可能である。
この乗入れ払出において、またがり乗入れ無しとするか、またがり乗入れ有りとするかや、またがり乗入れ有りの場合に、基本単価の口座にもまたがる乗入れを可とするか不可とするかは、各カードユニット3において予め設定され記憶されている。この設定は、例えば持玉管理装置140から設定内容を受信すること、図示しないリモコンから設定内容を受信すること、図示しないスイッチの操作により設定を受け付けること、等により記憶される。なお、またがり乗入れの有無や基本単価の口座へのまたがりの可不可は、全てのカードユニット3について一律に設定するのではなく、各カードユニット3について個別に設定できるようにしてもよい。
この第1実施形態では、カードユニット3において、制御ユニット328により持玉数及び貯玉数が確認され、持玉払出又は貯玉払出が可能な状態であれば、再プレイLED319bの点灯制御が行われる。再プレイLED319bは、再プレイボタン319により覆われており、再プレイLED319bが点灯すると、LEDから発せられる可視光が再プレイボタン319を透過する。これにより、遊技者は、持玉払出及び貯玉払出を実行する際に操作する操作領域が点灯していることを認識して、持玉払出又は貯玉払出が実行可能である(再プレイボタン319の操作が有効である)ことを把握する。再プレイボタン319が操作されたことを再プレイスイッチ319aが検出すると制御ユニット328に再プレイ操作信号が入力される。
また第1実施形態では、持玉管理装置140の記憶装置145において、後述する共通優先順位テーブル(図13参照),会員毎優先順位テーブル(図14参照),及び乗入れ履歴テーブル(図19参照)が記憶されている。
(乗入れ払出における優先順位の設定)
以下、図11〜図14を参照して、乗入れ払出における優先順位の設定について説明する。
本実施の形態では、前述の如く、持玉払出において、一のカードユニットに対応する付与レート(基本単価)以外の付与レートの所有価値(持玉数)に応じて、当該一のカードユニットの付与レートに対応するパチンコ玉を付与(払出)するための「乗入れ付与処理(乗入れ払出)」が行われるが、複数種類の付与レート(例えば4円,2円,1円)の所有価値のうち、いずれの付与レートの所有価値から優先して供するかを設定しておかないと乗入れ付与処理が実行できないため、該乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定可能としている。
即ち、基本単価の持玉数は基本払出玉数に満たないために当該基本単価の持玉数のみを使用した払出はできないが、該基本単価以外の付与レートの持玉数を使用すれば払出ができるときに、複数種類の付与レートの持玉数を該払出に使用可能な場合には、いずれかの付与レートの持玉数から優先して使用する必要があるので、その優先順位を予め設定しておくのである。
図11は、持玉管理装置140の表示装置147に表示される優先順位設定画面の一例を示す図である。この優先順位設定画面は、複数種類の付与レートの所有価値のうち、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定するための画面である。この持玉管理装置140の表示装置147に表示される優先順位設定画面では、遊技場の店員が操作可能なので、遊技場の意向に応じて、優先順位を好適に設定可能である。
なお、本例では、自台レート(基本単価)も含めて優先順位を設定可能な例について説明しているが、自台レートについては優先順位を設定不能(例えば自動的に優先順位が第1位となる)とし、該自台レート以外の付与レートについてのみ優先順位を設定可能なものであってもよい。
持玉管理装置140において、優先順位設定モードが実行されると、まずD01の画面が表示される。このD01では、「高レート優先」,「低レート優先」,又は「任意設定」のいずれかを選択するためのラジオボタンと、次画面に進むための「次へ」ボタンが表示される。ここで「高レート優先」は、複数種類の付与レートのうち、高レートの持玉数から順に、前記優先順位が自動的に設定される選択肢であり、「低レート優先」は、複数種類の付与レートのうち、低レートの持玉数から順に、前記優先順位が自動的に設定される選択肢であり、「任意設定」、前記優先順位を任意に設定可能となる選択肢である。
このD01で、「高レート優先」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D02で、自台レート優先を「する」か「しない」かを選択するためのラジオボタンと、該選択された内容で前記優先順位を設定するための「設定」ボタンが表示される。ここで「自台レート優先」とは、乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価が、前記優先順位の第1位に自動的に設定される選択肢である。
このD02で、「する」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、後述する図13(a)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「高レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位が、自動的に設定される。一方、D02で、「しない」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、同図13(b)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「高レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位が、自動的に設定される。
なお、図示しないが、前記D01で、「低レート優先」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作された場合にも、前記D02が表示される。そしてD02で、「する」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、後述する図13(c)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「低レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位が、自動的に設定される。一方、D02で、「しない」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、同図13(d)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「低レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位が、自動的に設定される。
これら高レート優先や低レート優先を設定するのは、例えば高レートや低レートの一方のみが、乗入れの際の手数料が掛かる場合や、キャンペーンの対象である場合が有るので、高レートや低レートの一方を優先する意義がある。
前記D01で、「任意設定」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D03で、「一括設定」又は「個別設定」のいずれかを選択するためのラジオボタンと、次画面に進むための「次へ」ボタンが表示される。ここで「一括設定」は、複数種類の乗入れ先単価のすべてについて、乗入れ元単価の優先順位を一括で設定可能となる選択肢であり、「個別設定」は、複数種類の乗入れ元単価の各々について、乗入れ元単価の優先順位を個別に設定可能となる選択肢である。
このD03で、「一括設定」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D04で、乗入れ先単価のすべてについて共通に乗入れ元単価の優先順位を入力可能な入力欄と、該入力された内容で前記優先順位を設定するための「設定」ボタンが表示される。このD04で、各乗入れ元単価(ここでは4円,2円,1円)の入力欄に所望の優先順位(第1位を示す「1」,第2位を示す「2」,又は第3位を示す「3」)を入力して「設定」ボタンが操作されると、後述する図13(e)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「任意一括」の優先順位が、該入力された内容で設定される。
一方、D03で、「個別設定」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D05で、複数種類の乗入れ先単価の各々について個別に乗入れ元単価の優先順位を入力可能な入力欄と、該入力された内容で前記優先順位を設定するための「設定」ボタンが表示される。このD05で、第1の乗入れ先単価(4円),第2の乗入れ先単価,第3の乗入れ先単価(1円)の各々について、各乗入れ元単価(ここでは4円,2円,1円)の入力欄に所望の優先順位(第1位を示す「1」,第2位を示す「2」,又は第3位を示す「3」)を入力して「設定」ボタンが操作されると、後述する図13(f)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「任意個別」の優先順位が、該入力された内容で設定される。
このように、優先順位設定画面において、共通に優先順位を設定できるので、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能である。ここで「共通に」とは、自台レート優先とするか否かを含め、各乗入れ先レートについて、一括で又は個別に、優先順位を設定できることである。
図12は、持玉管理装置140の表示装置147に表示される制限設定画面の一例を示す図である。この制限設定画面は、複数種類の付与レートの所有価値のうち、乗入れ元とする付与レートの所有価値の制限(乗入れ禁止)を設定するための画面である。この持玉管理装置140の表示装置147に表示される制限設定画面では、遊技場の店員が操作可能なので、制限を所望する遊技場の意向に沿った乗入れが可能である。
持玉管理装置140において、制限設定モードが実行されると、まずD11の画面が表示される。このD11では、複数種類の乗入れ先単価(ここでは4円,2円,1円)の各々について、乗入れを制限する乗入れ元単価を設定可能な入力欄と、該入力された内容で制限を設定するための「設定」ボタンが表示される。ここでD12に示すように、制限を所望する箇所(本例では、乗入れ先単価4円について乗入れ元単価1円と、乗入れ先単価1円について乗入れ元単価4円の、2箇所)に、該制限を示す「×」印を入力して、「設定」ボタンを操作すると、後述する図13(a’),(b’),(c’),(d’),(e’),(f’)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、該入力された制限の内容が反映される。
なお本例では、付与レートが(自台レートと2つの他レートの)3レートである例について説明したので、制限が1レートについてのみ設定される例について説明した。一の乗入れ先単価に対して2レート以上の制限を設定することも可能であるが、3レート中の2レートに制限を設定すると優先順位の意味が無くなってしまうからである。ただし付与レートが4レート以上である場合には、一の乗入れ先単価に対して2レート以上の制限を設定することも可能である。
そして図12に示す例では、乗入れ元としての制限と乗入れ先としての制限の両方を設定可能な制限設定画面が表示される例について説明したが、この他に、例えば乗入れ元としての制限のみを設定可能な制限設定画面と、乗入れ先としての制限のみを設定可能な制限設定画面とが、さらに表示されるものであってもよい。
以上の説明では、図11に示す優先順位設定を行ってから、図12に示す制限設定を行う例について説明したが、逆に制限設定を行ってから、該制限が設定されていないレートについて優先順位設定を行うものであってもよい。
図13は、持玉管理装置140の記憶装置145で記憶される共通優先順位テーブルの一例を示す図である。
なお本例では、優先順位の制限として、乗入れ先単価4円について乗入れ元単価1円と、乗入れ先単価1円について乗入れ元単価4円の、2箇所が設定されている例について説明するが、各共通優先順位の各々について独自に制限が設定されるものも当然に含まれる。そして、制限が設定されると、第3位が無くなり、第1位と第2位のみとなる。
(a)は、自動的に設定される、「高レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位である。具体的には、乗入れ先単価4円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価4円が第1位であり、高レート優先なので、残り2レートのうち、レートが高い乗入れ元単価2円が第2位であり、レートが低い乗入れ元単価1円が第3位である。また、乗入れ先単価2円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価2円が第1位であり、高レート優先なので、残り2レートのうち、レートが高い乗入れ元単価4円が第2位であり、レートが低い乗入れ元単価1円が第3位である。また、乗入れ先単価1円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価1円が第1位であり、高レート優先なので、残り2レートのうち、レートが高い乗入れ元単価4円が第2位であり、レートが低い乗入れ元単価2円が第3位である。
(a’)は、(a)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価4円がそのまま第2位,乗入れ元単価1円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。
(b)は、自動的に設定される、「高レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位である。具体的には、いずれの乗入れ先単価についても、自台レートを優先せず、高レート優先なので、最もレートが高い乗入れ元単価4円が第1位であり、次にレートが高い乗入れ元単価2円が第2位であり、最もレートが低い乗入れ元単価1円が第3位である。
(b’)は、(b)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位,乗入れ元単価1円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価2円が繰り上がって第1位,乗入れ元単価1円が繰り上がって第2位となる。
(c)は、自動的に設定される、「低レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位である。具体的には、乗入れ先単価4円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価4円が第1位であり、低レート優先なので、残り2レートのうち、レートが低い乗入れ元単価1円が第2位であり、レートが高い乗入れ元単価2円が第3位である。また、乗入れ先単価2円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価2円が第1位であり、低レート優先なので、残り2レートのうち、レートが低い乗入れ元単価1円が第2位であり、レートが高い乗入れ元単価4円が第3位である。また、乗入れ先単価1円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価1円が第1位であり、低レート優先なので、残り2レートのうち、レートが低い乗入れ元単価2円が第2位であり、レートが高い乗入れ元単価4円が第3位である。
(c’)は、(c)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位,乗入れ元単価4円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。
(d)は、自動的に設定される、「低レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位である。具体的には、いずれの乗入れ先単価についても、自台レートを優先せず、低レート優先なので、最もレートが低い乗入れ元単価1円が第1位であり、次にレートが低い乗入れ元単価2円が第2位であり、最もレートが高い乗入れ元単価4円が第3位である。
(d’)は、(d)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価2円が繰り上がって第1位,乗入れ元単価4円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位,乗入れ元単価4円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。
(e)は、任意に設定される、「任意一括」の優先順位である。本例では、いずれの乗入れ先単価についても、一括に、乗入れ元単価4円が第1位,乗入れ元単価1円が第2位,乗入れ元単価2円が第3位と設定されている。なお、(e)は任意に設定されるので、設定内容は本例に限定されない。
(e’)は、(e)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位,乗入れ元単価2円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円が繰り上がって第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。
(f)は、任意に設定される、「任意個別」の優先順位である。本例では、乗入れ先単価4円について、乗入れ元単価2円が第1位,乗入れ元単価1円が第2位,乗入れ元単価4円が第3位と設定され、乗入れ先単価2円について、乗入れ元単価4円が第1位,乗入れ元単価2円が第2位,乗入れ元単価1円が第3位と設定され、乗入れ先単価1円について、乗入れ元単価2円が第1位,乗入れ元単価1円が第2位,乗入れ元単価4円が第3位と設定されている。なお、(f)は任意に設定されるので、設定内容は本例に限定されない。
(f’)は、(f)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価4円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位,乗入れ元単価2円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位となる。
ここで、各乗入れ先単価について図13(a)〜(f)又は(a')〜(f’)のいずれかで設定された優先順位は、図8に示すCU管理テーブルで記憶されている基本単価の各カードユニット3に対して送信される。具体的には、基本単価4円のカードユニット3に対しては、乗入れ先単価4円について設定された優先順位が送信され、基本単価2円のカードユニット3に対しては、乗入れ先単価2円について設定された優先順位が送信され、基本単価2円のカードユニット3に対しては、乗入れ先単価2円について設定された優先順位が送信される。そして、該送信された優先順位は、各カードユニット3の制御ユニット328で、共通優先順位として記憶される。
以上の説明では、遊技場の店員が操作可能な持玉管理装置140において、各カードユニット3に対応する基本単価が異なる場合であっても共通に優先順位が設定される例について説明したが、図示しないが、遊技者が操作可能なカードユニット3において、会員毎に優先順位を設定することも可能である。
具体的には、いずれかのカードユニット3において、会員カードの受付中に、優先順位設定モードが実行されると、前記図11と同じ画面が表示部312に表示され、遊技者が透明タッチパネル314を操作することより、同様にして優先順位の設定を行うと、図14に示すように、持玉管理装置140の記憶装置145が記憶している会員毎優先順位テーブルにおいて、前記会員カードの会員番号に対応付けて、該設定された優先順位が記憶される。また、当該会員番号に対応付けて優先順位が記憶されている状態で、いずれかのカードユニット3において、当該会員カードの受付中に、制限設定モードが実行されると、前記図12に同じ画面が表示部312に表示され、遊技者が透明タッチパネル314を操作することより、同様にして制限の設定を行うと、会員毎優先順位テーブルにおいて、当該会員番号に対応付けて記憶されている優先順位に、該設定された制限が反映される。なお、優先順位や制限は、カードユニット3における設定時に、持玉管理装置140にデータが送信されて記憶されるものでもよく、またカードユニット3における会員カードの返却時に、持玉管理装置140にデータが送信されて記憶されるものでもよい。
図14は、持玉管理装置140の記憶装置145で記憶される会員毎優先順位テーブルの一例を示す図である。この会員毎優先順位テーブルでは、会員番号に対応付けて、会員毎に設定されている優先順位が記憶される。持玉管理装置140は、会員カードを受け付けたカードユニット3から、当該会員カードの会員番号を受信すると、該会員番号に対応付けて記憶している会員毎優先順位がある場合には、当該会員毎優先順位をカードユニット3に対して返信する。そして、該送信された会員毎優先順位は、会員カードの受付中に限り、各カードユニット3の制御ユニット328で記憶され、該制御ユニット328が記憶している前記共通優先順位よりも、持玉乗入れにおいて優先して適用される。従って、台移動をした場合にも、当該会員カードで記憶されている会員毎優先順位は、該移動先のカードユニット3でも適用される。
なお会員毎優先順位テーブルは、持玉管理装置140で記憶されるものには限られず、各会員毎に設定された優先順位が当該会員の会員カードに記憶されるものであってもよい。この場合には、カードユニット3が会員カードを受け付けると、会員毎優先順位が記憶されている場合には、該会員毎優先順位を読み取って、制御ユニット328で記憶し、該制御ユニット328が記憶している前記共通優先順位よりも、持玉乗入れにおいて優先して適用する。従って、台移動をした場合にも、当該会員カードで記憶されている会員毎優先順位は、該移動先のカードユニット3でも適用される。
なお、このように会員カードで会員毎優先順位を記憶する場合にも、持玉管理装置140でも会員毎優先順位を記憶しておけば、会員カードを紛失しても、該持玉管理装置140で記憶されている会員毎優先順位を新規の会員カードに記憶させることにより、該会員毎優先順位を引き継ぐことができるので、好ましい。また、会員カードが他店舗でも使える(例えば全国共通の)場合には、持玉管理装置140が記憶している会員毎優先順位や会員カードで記憶している会員毎優先順位が、該他店舗でも適用されるものであってもよい。
なお、これら図13及び図14の内容は、遊技場の店員が操作可能な持玉管理装置140において、優先順位表示モードが実行されると、表示装置147に表示される。例えば、図13や図14の内容をそのまま表示させたり、乗入れ先のレートを指定することにより当該乗入れ先について設定されている乗入れ元の共通優先順位を表示させたり、乗入れ元のレートを指定することにより当該乗入れ元について設定されている乗入れ先の共通優先順位を表示させたり、会員番号を指定することにより当該会員番号について設定されている会員毎優先順位表示させたりすることができる。この優先順位を表示する表示装置147は、優先順位設定手段による設定内容を出力する出力手段として機能するものであり、これによれば、遊技場の店員が優先順位の設定内容を知ることができるので、遊技場の利便性を向上できる。
(カードユニットの処理)
図15〜図18を参照して、カードユニット3の処理について説明する。カードユニット3では、CPU328aが各デバイスを制御することにより、各種の処理が行われる。なお、以下においては、まず図15及び図16を参照して、前記またがり乗入れ無しの場合について説明し、次に図17を参照して、前記またがり乗入れ有りの場合について説明する。
図15は、カードユニット3が実行するメインルーチンの一例を示す図である。
カードユニット3は、カードの受付を待機し(S101)、カードの受付が有ると(YES)、該受け付けたカードが会員カードであるか否かを判定する(S102)。
このS102で、受け付けたカードが会員カードでない(NO)、即ち受け付けたカードがビジターカードであると判定した場合には、ビジター情報取得処理を行う(S103)。このS103では、受け付けたビジターカードから読み取ったカードIDを残額管理装置100,及び持玉管理装置140に対して送信し、残額管理装置100からは、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブル(図5)で記憶されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140からは、当該カードIDに対応付けて持玉管理テーブル(図7)で記憶されている各口座の持玉数を取得して、それらを制御ユニット328で記憶する。
一方、S102で、受け付けたカードが会員カードである(YES)と判定した場合には、会員情報取得処理を行う(S104)。このS104では、受け付けた会員カードから読み取ったカードID及び会員番号を残額管理装置100,持玉管理装置140,及び貯玉管理装置150に対して送信し、残額管理装置100からは、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブル(図5)で記憶されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140からは、当該カードIDに対応付けて持玉管理テーブル(図7)で記憶されている各口座の持玉数と、当該会員番号に対応付けて会員毎優先順位テーブル(図14)で記憶されている会員毎優先順位があれば該会員毎優先順位を取得し、貯玉管理装置150からは、当該カードIDに対応付けて貯玉管理テーブル(図10)で記憶されている各口座の貯玉数を取得して、それらを制御ユニット328で記憶する。
S103又はS104の処理後、表示部312に基本表示を表示する(S105)。この基本表示では、図18(a)に示すように、当該カードユニット3の基本単価及び基本払出玉数と、S103又はS104で取得したプリペイド残額と、S103又はS104で取得した持玉数と計数・端数払出ユニット340で計数された計数済玉数とに基づく当日玉数と、該当日玉数に基づいて算出される払出可能数と、会員カードを受け付けた場合にS104で取得した貯玉数と、該該貯玉数に基づいて算出される再プレイ可能数とが表示されると共に、「優先順位表示」ボタンが表示される。
ここで「当日玉数」は、S103又はS104で取得した各レート(4円,2円,1円)の持玉数と、計数・端数払出ユニット340で計数された計数済玉数との、単純合計である。また「払出可能数」は、計数済玉数と各レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算し、該換算した数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値を、各レートについて合計した値である。また「貯玉数」は、S104で取得した各レートの貯玉数のうちの基本単価の貯玉数である。また「再プレイ可能数」は、該基本単価の貯玉数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値である。
具体的に、CU001のカードユニット3(基本単価4円,基本払出玉数125玉)が、KC−00001の会員カード(4円持玉数0玉,2円持玉数400玉,1円持玉数800玉、4円貯玉数634玉,2円貯玉数2000玉,1円貯玉数3000玉)を受け付けた場合における、基本表示について説明する。なお、計数済玉数は0とする。
まず「当日玉数」の表示は、0(計数済玉数)+0(4円持玉数)+400(2円持玉数)+800(1円持玉数)=1200である。また「払出可能数」の表示は、125(2円持玉数400玉を4円持玉数に換算した200玉のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)+125(1円持玉数800玉を4円持玉数に換算した200玉のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)=250である。また「貯玉数」は、634(4円貯玉数)である。また「再プレイ可能数」は、625(4円貯玉数634玉のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)である。
S105の処理後は、優先順位表示ボタン(S111),払出ボタン21(S121),再プレイボタン319(S131),又は返却ボタン22(S141)の操作を待機する。
このS111で優先順位表示ボタンの操作が有ると(YES)、表示部312に優先順位表示を表示して(S112)、S111に戻る。この優先順位表示では、図18(b)に示すように、制御ユニット328が記憶している優先順位が表示される。この優先順位は、前述の如く、会員カードの受付中で、当該会員カードの会員番号に対応付けて前記会員毎優先順位が設定されている場合には、当該会員毎優先順位であり、それ以外の場合には、当該カードユニット3について設定されている共通優先順位である。この優先順位を表示する表示部312は、優先順位設定手段による設定内容を出力する出力手段として機能するものであり、これによれば、遊技者が優先順位の設定内容を知ることができるので、遊技者の利便性を向上できる。
またS121で払出ボタン21の操作が有ると(YES)、前記プリペイド払出を行って(S122)、S111に戻る。このプリペイド払出では、プリペイド残額が基本払出玉数分(基本単価が4円ならば500円、基本単価が2円ならば400円、基本単価が1円ならば200円)以上の場合には、該基本払出玉数分のプリペイド残額を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、プリペイド残額が基本払出玉数分未満の場合には、100円の整数倍を使用して、払出単位である25玉×該整数倍のパチンコ玉がパチンコ機2から払い出されて、前記基本表示(図18(a))のプリペイド残額が減算更新される。なおプリペイド残額が0の場合には、プリペイド払出は行われない。
またS131で再プレイボタン319の操作が有ると(YES)、持玉有りか否かを判定し(S132)、持玉有りならば(YES)、持玉払出処理を行って(S133)、S111に戻り、持玉無しならば(NO)、貯玉払出処理を行って(S134)、S111に戻る。この持玉払出処理については、図16を参照して後述する。また貯玉払出処理では、基本単価の貯玉数が基本払出玉数以上の場合には、該基本単価の貯玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している基本単価の貯玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、貯玉管理テーブルで記憶している基本単価の貯玉数から該基本払出玉数を減算するための通信を貯玉管理装置150との間で行い、前記基本表示(図18(a))の貯玉数及び再プレイ可能数が減算更新される。なお基本単価の貯玉数が基本払出玉数未満の場合には、貯玉払出処理は行われない。
またS141で返却ボタン22の操作が有ると(YES)、受付中のカードを返却して(S142)、処理を終了し、返却ボタン22の操作が無ければ(NO)、S111に戻る。
図16は、カードユニット3が実行するサブルーチンである持玉払出処理(またがり乗入れ無し)の一例を示す図である。
この持玉払出処理では、まず制御ユニット328で記憶している計数済玉数(即ち当該カードユニット3で計数され、未だ持玉管理装置140で管理されていない玉数)が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S201)。このS201で計数済玉数が基本払出玉数以上である(YES)と判定した場合には、該基本払出玉数分の計数済玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数から該基本払出玉数を減算する(S202)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。このように、持玉払出処理においては、持玉管理装置140や貯玉管理装置150と通信を行う必要が無い、計数済玉数を使用した払出が最優先されるので、通信負荷を軽減できる。一方、S201で計数済玉数が基本払出玉数未満である(NO)と判定した場合には、S211に進む。
S211では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第1位レートが基本単価であるか否かを判定する。このS211で第1位レートが基本単価である(YES)と判定した場合には、計数済玉数+該第1位レートの持玉数が基本払出玉数以上であるかを判定する(S212)。このS212でYESと判定した場合には、該計数済玉数+第1位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数及び第1位レートの持玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第1位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S213)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。なお基本払出玉数の減算は、計数済玉数から優先して行われ、該計数済玉数から減算しきれない分が、第1位レートの持玉数から減算される。一方、S212でNOと判定した場合、即ち計数済玉数+第1位レートの持玉数での払出ができない場合には、S221に進む。
前記S211で第1位レートが基本単価ではない(NO)と判定した場合には,第1位レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算して(S214)、該換算した玉数が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S215)。このS215でYESと判定した場合には、基本単価ではない第1位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が行われ、制御ユニット328で記憶している第1位レートの持玉数から該基本払出玉数分の換算玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第1位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S216)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。一方、S215でNOと判定した場合、即ち第1位レートの持玉数での乗入れ払出ができない場合には、S221に進む。
S221では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第2位レートが基本単価であるか否かを判定する。このS221で第2位レートが基本単価である(YES)と判定した場合には、計数済玉数+該第2位レートの持玉数が基本払出玉数以上であるかを判定する(S222)。このS222でYESと判定した場合には、該計数済玉数+第2位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数及び第2位レートの持玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第2位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S223)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。なお基本払出玉数の減算は、計数済玉数から優先して行われ、該計数済玉数から減算しきれない分が、第2位レートの持玉数から減算される。一方、S222でNOと判定した場合、即ち計数済玉数+第2位レートの持玉数での払出ができない場合には、S230に進む。
前記S221で第2位レートが基本単価ではない(NO)と判定した場合には,第2位レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算して(S224)、該換算した玉数が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S225)。このS225でYESと判定した場合には、基本単価ではない第2位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が行われ、制御ユニット328で記憶している第2位レートの持玉数から該基本払出玉数分の換算玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第2位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S226)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。一方、S225でNOと判定した場合、即ち第2位レートの持玉数での乗入れ払出ができない場合には、S230に進む。
S230では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第3位レートに制限が有るか否か、即ち第3位レートが有るか否かを判定する。このS230でYESと判定した場合には、表示部312に「払出できません」と表示して(S237)、処理を終了する。一方、S230でNOと判定した場合には、S231に進む。
S231では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第3位レートが基本単価であるか否かを判定する。このS231で第3位レートが基本単価である(YES)と判定した場合には、計数済玉数+該第3位レートの持玉数が基本払出玉数以上であるかを判定する(S232)。このS232でYESと判定した場合には、該計数済玉数+第3位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数及び第3位レートの持玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第3位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S233)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。なお基本払出玉数の減算は、計数済玉数から優先して行われ、該計数済玉数から減算しきれない分が、第3位レートの持玉数から減算される。一方、S232でNOと判定した場合、即ち計数済玉数+第3位レートの持玉数での払出ができない場合には、前記S237に進む。
前記S231で第3位レートが基本単価ではない(NO)と判定した場合には,第3位レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算して(S234)、該換算した玉数が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S235)。このS235でYESと判定した場合には、基本単価ではない第3位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が行われ、制御ユニット328で記憶している第3位レートの持玉数から該基本払出玉数分の換算玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第3位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S236)。そして前記基本表示(図18(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。一方、S235でNOと判定した場合、即ち第3位レートの持玉数での乗入れ払出ができない場合には、前記S237に進む。
ここでS216,S226,及びS236の乗入れ払出(乗入れ付与処理)では、パチンコ玉の払出中において、図18(c)に示す乗入れ払出中表示が表示部312に表示される。この乗入れ払出中表示では、どのレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示されるので、どのような乗入れ払出が行われているかを遊技者が容易に把握できる。
なお本例では、前述の如く、自台レートを含めて乗入れ払出が行われる例について説明したが、これに限らず、まず自台レートについて払出を行い、該自台レートの計数済玉数及び持玉数が基本払出玉数未満になったら、他レートの持玉数で乗入れ払出を行うものであってもよい。
以上、図15及び図16を参照して、またがり乗入れ無しの場合の持玉払出処理について説明したが、以下、またがり乗入れ有りの場合の持玉払出処理について、またがり乗入れ無しの場合との相違点1,2,3について説明する。
相違点1は、基本表示における「払出可能数」の算出方法である。またがり乗入れ無しの場合には、計数済玉数と各レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算し、該換算した数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値を、各レートについて合計した値が払出可能数であったが、またがり乗入れ有りの場合には、計数済玉数と各レートの持玉数(ただし制限されているレートの持玉数は除く)を基本単価の持玉数に換算し、該換算した数を合計し、該合計した数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値が払出可能数である。
具体的に、またがり乗入れ無しの前記図18(a)での払出可能数は250であったが、同様の例におけるまたがり乗入れ有りの払出可能数は、図18(a’)にしめすように、375(2円持玉数400玉を4円持玉数に換算した200+1円持玉数800玉を4円持玉数に換算した200=400のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)である。このように、またがり乗入れ有りの場合には、またがり乗入れ無しで払出可能数に算入されなかった各レートの持玉数の端数を寄せ集めることで、該払出可能数が増える場合があるので、乗入れ払出において使用されない持玉数を減少させることができる。
相違点2は、持玉払出処理である。またがり乗入れ有りの場合には、前記図16のS201でNOの場合において、制御ユニット328で記憶している優先順位が高いレートの持玉数から順に、基本払出玉数相当分の当該レートの持玉数を減算していくことになる。以下、図17(a)〜(d)を参照して、具体的に4つの例を説明する。なお、カードユニット3は、基本単価が4円で基本払出玉数が125玉のものであるとする。
図17(a)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が0玉で4円持玉数が0玉,第2位の2円持玉数が400玉,第3位の1円持玉数が800玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数及び4円持玉数が0なので、第2位の2円持玉数400玉から、基本払出玉数125玉相当分の2円持玉数250玉を減算して、該2円持玉数は150玉となる。この持玉払出の1回目は、1つのレート(2円)の持玉数からの乗入れ払出である。
持玉払出の2回目は、第2位の2円持玉数150玉から、基本払出玉数125玉相当分の2円持玉数250玉を減算しきれないので、該2円持玉数を減算して0にすると共に、第3位の1円持玉数800玉から、該減算しきれなかった2円持玉数100玉相当分の1円持玉数200玉を減算して、該1円持玉数は600玉となる。この持玉払出の2回目は、自台レートを含まない2つのレート(2円と1円)の持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。
持玉払出の3回目は、第3位の1円持玉数600玉から、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉を減算して、該1円持玉数は100玉となる。この持玉払出の3回目は、1つのレート(1円)の持玉数からの乗入れ払出である。なお第3位の1円持玉数100玉では、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉に満たないので、持玉払出は終了する。
図17(b)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が150玉で4円持玉数が50玉,第2位の2円持玉数が350玉,第3位の1円持玉数が500玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数150玉から、基本払出玉数125玉を減算して、該計数済玉数は25玉となる。この持玉払出の1回目は、乗入れを伴わない払出である。
持玉払出の2回目は、第1位の計数済玉数25玉及び4円持玉数50玉から基本払出玉数125玉を減算しきれないので、該計数済玉数25玉及び4円持玉数50玉を減算して0にすると共に、第2位の2円持玉数350玉から、該減算しきれなかった4円持玉数50玉相当分の2円持玉数100玉を減算して、該2円持玉数は250玉となる。この持玉払出の2回目は、自台レートを含む2つのレート(4円と2円)の持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。
持玉払出の3回目は、第2位の2円持玉数250玉から、基本払出玉数125玉相当分の2円持玉数250玉を減算して、該2円持玉数は0となる。この持玉払出の3回目は、1つのレート(2円)の持玉数からの乗入れ払出である。
持玉払出の4回目は、第3位の1円持玉数500玉から、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉を減算して、該1円持玉数は0となる。この持玉払出の4回目は、1つのレート(1円)の持玉数からの乗入れ払出である。なお第3位の1円持玉数が0玉なので、持玉払出は終了する。
図17(c)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が50玉で4円持玉数が50玉,2円持玉数が100玉だが制限,第2位の1円持玉数が300玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数50玉及び4円持玉数50玉から基本払出玉数125玉を減算しきれないので、該計数済玉数50玉及び4円持玉数50玉を減算して0にすると共に、第2位の1円持玉数300玉から、該減算しきれなかった4円持玉数25玉相当分の1円持玉数100玉を減算して、該1円持玉数は200玉となる。この持玉払出の1回目は、自台レートを含む(ただし制限レートは含まない)2つのレート(4円と1円)の計数済玉数及び持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。なお第3位の1円持玉数200玉では、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉に満たないので、持玉払出は終了する。
図17(d)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が40玉で4円持玉数が40玉,第2位の2円持玉数が40玉,第3位の1円持玉数が300玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数40玉及び4円持玉数40玉から基本払出玉数125玉を減算しきれないので、該計数済玉数40玉及び4円持玉数40玉を減算して0にし、第2位の2円持玉数40玉からも、前記減算しきれなかった基本払出玉数45玉相当分の90玉を減算しきれないので、該2円持玉数40玉を減算して0にすると共に、第3位の1円持玉数300玉から、該減算しきれなかった基本払出玉数25玉相当分の100玉を減算して、該1円持玉数は100玉となる。この持玉払出の1回目は、自台レートを含む3つのレート(4円と2円と1円)の計数済玉数及び持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。なお第3位の1円持玉数200玉では、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉に満たないので、持玉払出は終了する。
この図17に示す例では、複数の他レートにまたがって乗入れ可能な例について説明したが、一の他レートのみにまたがって乗入れ可能としてもよい。そして、複数の他レートにまたがって乗入れ可能とするか、一の他レートのみにまたがって乗入れ可能とするかを、予め設定できるようにしてもよい。
相違点3は、乗入れ払出中表示である。1つのレートの持玉数からの乗入れ払出の場合には、図18(c)に示すように、どのレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示されるが、2つのレートの持玉数にまたがった乗入れ払出の場合には、図示しないが、一のレートの持玉を何個,及び他のレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示され、また3つのレートの持玉数にまたがった乗入れ払出の場合にも、一のレートの持玉を何個,他のレートの持玉を何個,さらに他のレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示される。
このまたがり乗入れ有りの場合には、前記「高レート優先」で優先順位を設定しておくことにより、特に乗入れの利便性を向上できる。低レートの持玉数を優先して使用すると、基本払出玉数相当分を満たすための穴埋めができなくなるからである。
(持玉管理装置の処理)
図19は、持玉管理装置140の記憶装置145で記憶される乗入れ履歴テーブルの一例を示す図である。この乗入れ履歴テーブルでは、乗入れの履歴として、会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて、乗入れが行われた乗入れ時刻と、乗入れしたカードユニットの装置IDと、乗入れ元の持玉数の種別(4円,2円,又は1円)及び乗入れに使用された玉数と記憶する、この乗入れ履歴テーブルは、図16のS216,S226,S236でカードユニット3から送信されてくる情報(カードID,乗入れ時刻,装置ID,乗入れ元持玉数の種別及び玉数)に基づいて更新される。なお、図示しないが、乗入れの履歴として、またがりの有無や、自台レートを含むまたがりであるか否かを記憶するようにしてもよい。
そして、該乗入れ履歴テーブルに基づいて、カード毎の乗入れ履歴,時間帯毎の乗入れ履歴,乗入れ先のカードユニット3毎の乗入れ履歴,乗入れ先のカードユニット3の基本単価毎の乗入れ履歴などを集計して出力できるので、該乗入れが行われたか否かを確認でき、該乗入れの履歴を遊技場での営業等に活かすことができる。
(第1実施形態の変形例)
上記の実施形態では、遊技機が、複数種類のレート(4円,2円,1円)のパチンコ玉を遊技媒体(所有価値及び遊技用価値)とするパチンコ機2である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は例えば、複数種類のレートのメダル(20円,10円,5円)を遊技媒体とするスロットマシンや、複数種類のレートの仮想コイン(500円,100円,50円)を遊技媒体とするゲーム機等であってもよく、これらの遊技機に対応する遊技用装置においても、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値に応じて、当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行可能である。ここで乗入れ払出は、遊技媒体の種類が異なっても可能としてもよく、具体的には、メダルの価値に相当するパチンコ玉が払い出されるものや、パチンコ玉の価値に相当する仮想コインが付与されるものであってもよい。またパチンコ機2は、パチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機であってもよい。
上記の実施形態では、持玉払出のみに乗入れ払出が適用される例について説明したが、これに限らず、貯玉払出のみに乗入れ払出が適用されるものであってもよく、また持玉払出に乗入れ払出が適用されると共に貯玉払出にも乗入れ払出が適用されるものであってもよい。さらに持玉数と貯玉数の合算値に乗入れ払出が適用されるものであってもよく、この場合には、図18に示す基本表示でも、持玉数と貯玉数の合算値を表示したり、払出可能数と再プレイ可能数の合算値を表示してもよい。なお、貯玉払出に乗入れ払出が適用される場合には、持玉払出の場合と同様に、貯玉管理装置150において、優先順位設定や制限設定を受け付け、貯玉に関する共通優先順位テーブルや会員毎優先順位テーブルを記憶すればよい。なお持玉に関する優先順位と貯玉に関する優先順位は、共通でもよく、別個でもよい。
上記の実施形態では、図11のD01に示すように、優先順位設定において、高レート優先や低レート優先が可能な例について説明したが、これに限らず、例えば持玉数が多い方(又は少ない方)を優先する旨や、持玉数×レートの式で算出される持玉額が多い方(又は少ない方)を優先する旨を設定可能としてもよい。この場合には、持玉数や持玉額が減少する毎に、優先順位が変動することになる。
上記の実施形態では、遊技者が優先順位を設定可能な遊技者操作手段がカードユニット3である例について説明したが、これに限らず、該遊技者操作手段は、例えば遊技場内に設けられ遊技者が情報を取得可能なキオスク端末や、遊技者が所持する情報端末等であってもよい。
上記の実施形態では、カードユニット3において、会員毎優先順位を設定可能な例について説明したが、これに限らず、該カードユニット3においても、持玉管理装置140と同様に、共通優先順位を設定可能としてもよい。
上記の実施形態では、図14に示すように、会員毎に優先順位を設定可能な例について説明したが、これに限らず、会員カード及び/又はビジターカードのカードID毎に優先順位を設定可能なものであってもよい。
上記の実施形態において、図13や図14の内容を、持玉管理装置140と通信可能であり、遊技場外の管理機関に設けられる上位管理装置において、遊技場毎に記憶するものであってもよい。
上記の実施形態では、図15のS131に示すように、持玉払出と貯玉払出が、1つの再プレイボタン319の操作で行われる例について説明したが、これに限らず、持玉払出と貯玉払出とは別個のボタンであってもよく、またもっと細分化して、計数玉払出,持玉乗入れが別個のボタンであってもよい。そしてこれらのボタンは、実際のボタンではなく、画面に表示されるボタンであってもよい。
例えば、当日玉払出ボタンと、乗入れ払出ボタンとを設けるようにしてもよい。この場合には、当日玉払出ボタンが操作されると、計数済玉数及び自台レート持玉数を使用した払出が行われる。また乗入れ払出ボタンが操作されると、予め設定された内容に応じて、またがり乗入れ無し(図16を参照)、自台レートを含まないまたがり乗入れ有り(図18(a)を参照)、又は自台レートを含むまたがり乗入れ有り(図18(b)(c)(d)を参照)の、いずれかの乗入れ払出が実行される。なお、「またがり乗入れ有り」には、一の他レートのみにまたがり可能な場合と、複数の他レートにまたがり可能な場合とが含まれる。
上記の実施形態では、図16のS216,S226,及びS236において乗入れ払出が行われると、持玉管理装置140の持玉管理テーブルの記憶内容が即座に更新される例について説明したが、これに限らず、該乗入れ払出が行われても持玉管理装置140とは通信せずにカードユニット3でのみ持玉数を減算更新し、所定のタイミング(例えばカード返却時)で、カードユニット3での減算更新を持玉管理装置140に反映させるものであってもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態において、乗入れ操作の途中に遊技媒体が計数されたことに基づいて、計数された遊技媒体数の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理が実行可能となることを報知するもの、及び、カードユニット3において所定操作(S4110の貯玉移行ボタンの操作)を受け付けたときに、計数された遊技媒体数の少なくとも一部を当該カードユニット3に対応する付与レートの所有価値に移行させるための移行処理を実行可能なものである。
この第2実施形態では、制御ユニット328により持玉数が確認され、持玉払出が可能な状態であれば、計数プレイLED319bの点灯制御が行われる。計数プレイLED319bは、計数プレイボタン319により覆われており、計数プレイLED319bが点灯すると、LEDから発せられる可視光が計数プレイボタン319を透過する。これにより、遊技者は、持玉払出を実行する際に操作する操作領域が点灯していることを認識して、持玉払出が実行可能である(計数プレイボタン319の操作が有効である)ことを把握する。計数プレイボタン319が操作されたことを計数プレイスイッチ319aが検出すると制御ユニット328に計数プレイ信号が入力される。
また、貯玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦貯玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、本例では、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満である場合には、メイン画面の貯玉払出操作領域312aに表示される貯玉払出ボタンの表示態様を無効態様(前述した有効態様よりも薄い表示態様)とし、仮に無効態様の貯玉払出ボタンが操作されたとしても貯玉払出を実行しないことにより、一単位数未満の貯玉払出の実行を禁止するようにしている。
ここで、この実施の形態においては、乗入れ払出が行われる場合には、基本払出玉数のパチンコ玉が払い出されるものとする。即ち、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満の場合には、当該口座の貯玉数のみを減算してパチンコ玉を払い出す貯玉払出は実行されないが、当該基本単価とは異なる単価に対応した他口座の貯玉数を減算して基本払出玉数のパチンコ玉を払い出す乗入れ払出は実行可能となる場合がある。
例えば、カードユニット3に記憶されている基本単価が4円である場合において、会員管理装置150における4円口座の貯玉数が一単位数未満のときには、4円口座の貯玉数のみを減算する貯玉払出は実行されない。ただし、4円口座の他に2円口座と1円口座が存在しており、乗入れ先口座を4円口座、乗入れ元口座を2円口座及び1円口座とする乗入れ払出が許容されている場合には、[4円口座の貯玉数+(2円口座の貯玉数×2円÷4円)+(1円口座の貯玉数×1円÷4円)]が基本払出玉数以上となるときに、乗入れ払出を実行可能となり、乗入れ払出によって基本払出玉数のパチンコ玉が払い出される。一方、[4円口座の貯玉数+(2円口座の貯玉数×2円÷4円)+(1円口座の貯玉数×1円÷4円)]が基本払出玉数未満となるときには、乗入れ払出は実行されない。
なお、乗入れ優先順位テーブルは、図13(a)に示すものが適用されるものとする。本例では、4円口座を乗入れ先口座として乗入れ払出を実行するときは、優先順位1の4円口座、優先順位2の2円口座、優先順位3の1円口座の順序で貯玉数を減算する。また、2円口座を乗入れ先口座として乗入れ払出を実行するときは、優先順位1の2円口座、優先順位2の4円口座、優先順位3の1円口座の順序に貯玉数を減算する。また、1円口座を乗入れ先口座として乗入れ払出を実行するときは、優先順位1の1円口座、優先順位2の4円口座、優先順位3の2円口座の順序に貯玉数を減算する。
即ち、本例では、乗入れ払出において減算対象とする乗入れ元口座の優先順位は、遊技媒体の単価が高い順序に従って設定されている。このような形態に限らず、乗入れ元口座の優先順位は、遊技媒体の単価が低い順序に従って設定されるようにしても良く、貯玉数が多い順序(又は少ない順序)に従って設定されるようにしても良い。
また、乗入れ払出が実行されるときに減算対象とならない口座(優先順位を設定しない口座)を設けるようにしても良く、例えば、乗入れ先口座の貯玉数(基本単価に対応した口座の貯玉数)が残存している場合であっても、該乗入れ先口座の貯玉数は減算せずに、乗入れ元口座の貯玉数(基本単価とは異なる単価に対応した口座の貯玉数)のみを減算する乗入れ払出を実行するようにしても良い。また、乗入れ元口座の優先順位は、遊技場の管理者が会員管理装置150の入力装置156等を操作して設定するようにしても良く、遊技者がカードユニット3のタッチパネル314等を操作して設定するようにしても良い。
図13(a)の乗入れ優先順位テーブルにおいて、各乗入れ先口座に対応した乗入れ元口座の優先順位は、持玉管理装置140を経由して、各乗入れ先口座に対応したカードユニット3に送信され、送信された優先順位は制御ユニット328に記憶される。この例では、CU管理テーブルにおける基本単価4円に対応した装置IDのカードユニット3に対して、4円口座が優先順位1、2円口座が優先順位2、1円口座が優先順位3であることを指定する情報を送信する。また、CU管理テーブルにおける基本単価2円に対応した装置IDのカードユニット3に対して、2円口座が優先順位1、4円口座が優先順位2、1円口座が優先順位3であることを指定する情報を送信する。また、CU管理テーブルにおける基本単価1円に対応した装置IDのカードユニット3に対して、1円口座が優先順位1、4円口座が優先順位2、2円口座が優先順位3であることを指定する情報を送信する。
なお、乗入れ払出を実行する場合の乗入れ元口座は複数に限らず1つのみであっても良い。例えば、4円口座が乗入れ先口座である場合に、2円口座のみを乗入れ元口座として選択可能としても良く、1円口座のみを乗入れ元口座として選択可能としても良い。また、乗入れ元口座として選択された1の口座(例えば2円口座又は1円口座のいずれか一方)の貯玉数のみを減算する乗入れ払出を実行するようにしても良く、乗入れ先口座(例えば4円口座)と乗入れ元口座として選択された1の口座(例えば2円口座又は1円口座のいずれか一方)の貯玉数を減算する乗入れ払出を実行するようにしても良い。
以下、第2実施形態に係る遊技用システム1の動作、特にカードユニット3、持玉管理装置140、及び会員管理装置150において実行される処理について説明する。
まず、会員遊技者は、遊技を行う遊技機に対応したカードユニット3のカード挿入口に会員カードを挿入する。挿入された会員カードがカードR/W327により受け付けられると、制御ユニット328は、残額管理装置100との通信により、受け付けた会員カードのカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140との通信により、該カードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数を取得し、会員管理装置150との通信により、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数及び暗証番号を取得して、取得したデータをRAM328bに記憶する。
次いで、制御ユニット328は、表示部312に、0〜9の各数字に対応した数字キーを含む暗証番号入力画面(図示せず)を表示し、遊技者に暗証番号の入力を促す。遊技者が、暗証番号の各桁の数字に対応する数字キーをタッチして、4桁の暗証番号の入力が完了すると、制御ユニット328は、RAM328bに記憶している暗証番号と入力された暗証番号との照合を実行する。
会員管理装置150から取得した暗証番号と入力された暗証番号が一致しなければ(照合NGならば)、暗証番号入力画面を再度表示する。一方、会員管理装置150から取得した暗証番号と入力された暗証番号が一致すれば(照合OKならば)、暗証番号入力画面から図27(1)のメイン画面に移行する。
メイン画面(図27(1)を参照)には、持玉管理装置140から送信されて記憶されている当該カードユニット3に対応する基本単価及び基本払出玉数に基づいて、当該カードユニット3が実行する払出処理(プリペイド払出、持玉払出、貯玉払出)により払い出される遊技媒体の単価(「1玉4円コーナー」)と、基本払出玉数(「125玉払出」)が表示部312の最上部に表示される。
また、その下方には、残額管理装置100から送信されてRAM328bに記憶されているプリペイド残額(本例では1000円)が表示されている。なお、制御ユニット328は、受け付けた会員カードのカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額と、受け付けた会員カードから読み取ったプリペイド残額の照合を実行し、一致すれば(照合OKならば)残額管理装置100から受信した(会員カードから読み取った)プリペイド残額を表示し、一致しなければ(照合NGならば)、プリペイド残額を表示せず、多機能ランプ301を所定の発光態様とすることによりエラー報知を行う。
また、その下方には、持玉管理装置140から送信されてRAM328bに記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数のうち、当該カードユニット3に対応した基本単価(本例では4円)に対応した口座の持玉数(本例では100玉)が表示されている。また、その下方には、貯玉管理装置150から送信されてRAM328bに記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数のうち、当該カードユニット3に対応した基本単価(本例では4円)に対応した口座の貯玉数(本例では140玉)が表示されている。
さらに、その下方の貯玉払出操作領域312aには、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり、貯玉払出が実行可能となっていることに基づいて貯玉払出ボタンが有効態様(無効態様よりも濃い表示態様)で表示されている。なお、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり、貯玉払出を実行できないときには、貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンが無効態様(有効態様よりも薄い表示態様)で表示され(例えば、図27(3)を参照)、該無効態様の貯玉払出ボタンが操作されたとしても貯玉払出は実行されない。
さらに、その下方の乗入れ操作領域312bには、表示部312の表示画面をメイン画面から乗入れ画面に移行させるときに操作する乗入れ画面移行ボタンが表示される。乗入れ画面移行ボタンが操作されると、表示画面がメイン画面から乗入れ払出操作を実行可能な乗入れ画面(例えば、図27(6)を参照)に移行する。
会員カード挿入時の処理が完了した状態において、図20に示すように、会員管理装置150で管理される4円口座の貯玉数が140、2円口座の貯玉数が100、1円口座の貯玉数が800であり(S1000)、持玉管理装置140で管理される4円口座の持玉数が100、2円口座の持玉数が0、1円口座の持玉数が0であるものとする(S1010)。そして、会員カードが挿入されたカードユニット3の基本単価が4円であり、基本払出玉数が125玉に設定されているものとする。
このとき、図27(1)に示すように、持玉数として100、貯玉数として140が表示されている(図20のS1020)。また、持玉数が0ではなく、持玉払出が可能な状態であることに基づいて、計数プレイLED319bが点灯している(図20のS1025)。そのため遊技者は、乗入れ払出を行わずとも、持玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
また、図27(1)において、基本単価に対応した口座の貯玉数(140)が一単位数以上であることに基づいて、貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンが有効態様で表示されている(図20のS1030)。そのため遊技者は、乗入れ払出を行わずとも、貯玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
この状態で貯玉払出ボタンが操作されると(図20のS1045)、4円口座の貯玉数(140)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される貯玉払出が実行される(S1050)。このとき、図27(2)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示される。
そして、図27(3)に示すように、貯玉払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している基本単価に対応した4円口座の貯玉数(140)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて15になると共に、表示部312に表示される当該口座の貯玉数も減算後の貯玉数に更新される(S1065)。
ここで、本実施の形態において、貯玉払出が実行される場合には、持玉払出が実行される場合と異なり、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図20のS1046)。貯玉更新要求には、受け付けた会員カードから読み取られた会員番号と、各口座の貯玉数から減算する玉数と、が情報として含まれる。
本例では、カードユニット3の基本単価に対応した口座(優先順位1)の貯玉数のみを減算する貯玉払出が実行されているため、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が125、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が0、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が0、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する(S1047)。
カードユニット3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する(S1060)。本例では、会員番号に対応する4円口座の貯玉数から基本払出玉数(4円引き落とし数125)を減算し、2円引き落とし数及び1円引き落とし数が0であることにより、2円口座の貯玉数及び1円口座の貯玉数は減算しない。減算後の貯玉数は、4円口座が15、2円口座が100、1円口座が800となる。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する(S1061)。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をカードユニット3に対して送信する(S1062)。
会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したカードユニット3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。そして、制御ユニット328は、図27(3)に示すように、記憶している基本単価(当該カードユニット3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であることに基づいて、貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンを無効態様で表示する(S1070)。そのため遊技者は、貯玉払出によって遊技媒体の付与を受けることができないことを認識できる。
ただし、図27(3)において、貯玉払出が実行された後の貯玉数は一単位数未満の15となったが、基本単価に対応した口座の持玉数(100)が1以上であることに基づいて、計数プレイLED319bは点灯状態のままである。そのため遊技者は、乗入れ払出を行わずとも、持玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
計数プレイボタン319が操作されると(図20のS1100)、4円口座の持玉数(100)が基本払出玉数(125)未満であり、[一単位数(25)×n≦持玉数(100)]となる最大のnが4であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、4度数相当のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される持玉払出が実行される(S1110)。このとき、図27(4)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示され、乗入れ操作領域312bには乗入れ画面移行ボタンが表示されず、乗入れ払出を実行するための操作を行うことができない状態となる。
このように、計数・端数払出ユニット340により計数された持玉数を減算する持玉払出が実行されている期間は、乗入れ操作領域312bを操作しても乗入れ払出を実行させないようにすることで、遊技者の混乱を防止するようにしている。そして、図27(5)に示すように、持玉払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している基本単価に対応した4円口座の持玉数(100)から払出玉数(4度数相当の100)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される当該口座の持玉数も減算後の持玉数に更新される(S1120)。そして、制御ユニット328は、持玉数が0となり、持玉払出を実行できないことに基づいて、計数プレイLED319bを消灯する(S1125)。
ここで、本実施の形態において、持玉払出が実行される場合には、貯玉払出や乗入れ払出が実行される場合と異なり、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、持玉管理装置140で管理されている持玉数を減算するための情報が送信されず、持玉払出の実行に伴うカードユニット3と持玉管理装置140との通信処理が発生しない。また、計数・端数払出ユニット340により遊技媒体の計数が行われ、RAM328bに記憶している持玉数(表示部312に表示されている持玉数)が更新されたときにも、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、持玉管理装置140で管理されている持玉数を加算するための情報が送信されず、計数処理の実行に伴うカードユニット3と持玉管理装置140との通信処理が発生しない。
即ち、持玉管理装置140において管理されている持玉数は、カードユニット3からビジターカード又は会員カードが返却されるとき、営業終了時処理において持玉数が貯玉数に加算されるとき、及び、後述する貯玉移行処理が実行されるときにのみ更新されるようになっている。カードユニット3での持玉払出及び計数処理が実行されるときには、持玉管理装置140において管理されている持玉数は更新されないため、カードユニット3と持玉管理装置140との間での通信は不要となっている。
このように、持玉数が更新されたときには、カードユニット3で記憶されている持玉数は更新されるものの、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないようにすることで、持玉数の更新に伴う通信量の増加を抑制し、遊技用システムの処理負担を軽減するようにしている。後述するように、持玉管理装置140で管理されている持玉数の更新は、会員カードがカードR/W327から返却されるときに行われるようにしている。
S1046〜S1062における貯玉払出及びこれに伴う処理の完了後、図21に示すように、会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数は15、2円口座の貯玉数は100、1円口座の貯玉数は800となっている(S2000)。また、持玉管理装置140で管理されている持玉数は、会員カード受付時から更新されておらず、4円口座の持玉数は100、2円口座の持玉数は0、1円口座の持玉数は0となっている(S2010)。このとき、図27(5)に示すように、持玉数の表示(カードユニット3で記憶している4円口座の持玉数)は0であり、貯玉数の表示(カードユニット3で記憶している4円口座の貯玉数)は15である(図21のS2020)。
遊技者は、計数プレイLED319bが点灯していないことにより、計数プレイボタン319を操作したとしても、持玉払出が実行されないことを把握して、乗入れ払出により遊技媒体の付与を受けるべく、メイン画面の乗入れ操作領域312bに表示された乗入れ画面移行ボタンを操作して、表示画面をメイン画面から図27(6)の乗入れ画面に切り替える(図21のS2030)。乗入れ画面では、メイン画面における持玉数及び貯玉数に代えて、乗入れ先口座(本例では4円口座)及び乗入れ元口座(本例では2円口座及び1円口座)の各口座の貯玉数と、乗入れ払出可能玉数が表示される。
なお、図27(6)の乗入れ画面の最下部に表示される「戻る」ボタンを操作すると、図27(5)のメイン画面に戻る。図27(6)の乗入れ画面には、乗入れ払出によって払出可能な玉数である乗入れ払出可能玉数が表示される。この乗入れ払出可能玉数は以下のようにして算出される。
ここで、乗入れ元口座として、乗入れ元口座1、乗入れ元口座2、…、乗入れ元口座m、のm個の口座を選択可能であるものとし、乗入れ元口座1に対応する乗入れ元単価を乗入れ元単価1、乗入れ元口座2に対応する乗入れ元単価を乗入れ元単価2、…、乗入れ元口座mに対応する乗入れ元単価を乗入れ元単価mとする。このとき、[乗入れ先口座の貯玉数+(乗入れ元口座1の貯玉数×乗入れ元単価1÷乗入れ先単価)+(乗入れ元口座2の貯玉数×乗入れ元単価2÷乗入れ先単価)+…+(乗入れ元口座mの貯玉数×乗入れ元単価m÷乗入れ先単価)]以下となる基本払出玉数の倍数の最大値が乗入れ払出可能玉数となる。
制御ユニット328は、算出した乗入れ払出可能玉数をRAM328bに記憶すると共に、乗入れ操作領域312bの上方に表示する。本例では、4円口座を乗入れ先口座とした場合に、2円口座及び1円口座の2つの口座を乗入れ元口座として選択可能であるため、上記の式が[15玉+(100玉×2円÷4円)+(800玉×1円÷4円)]=265玉となる。これを超えない基本払出玉数の倍数(125×n)は250となる(n=2)。従って、図27(6)に表示されている乗入れ払出可能玉数は250となっている(S2055)。
このように、乗入れ払出によって払出可能な玉数を表示して遊技者に把握させることで、乗入れ払出によって遊技媒体の付与を受けようとする遊技者の利便性を向上させることができる。なお、この実施の形態のように、1回の乗入れ払出によって払い出される玉数がカードユニット3毎に固定されている(本例ではカードユニット3が記憶する基本払出玉数相当の125である)場合には、乗入れ払出を実行可能な回数(本例では250÷2=2回)を表示するようにしても良い。
また、乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上であることに基づいて、乗入れ操作領域312bには、乗入れ払出ボタンが有効態様(後述する無効態様よりも濃い表示態様)で表示される(図21のS2056)。遊技者は乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されていることにより、乗入れ払出ボタンを操作することにより乗入れ払出が実行されることを把握することができる。
そして、図27(6)の乗入れ画面において、乗入れ払出ボタンが操作されると(図21のS2060)、乗入れ払出可能玉数(250)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が実行される(S2070)。このとき、図27(7)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示され、乗入れ操作領域312bには乗入れ払出ボタンが表示されず、乗入れ払出を実行するための乗入れ操作を行うことができない(仮に乗入れ操作領域312bを操作したとしても乗入れ払出は連続して実行されない)状態となる。
そして、図27(8)に示すように、乗入れ払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している乗入れ払出可能玉数(250)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて125になると共に、表示部312に表示される乗入れ払出可能玉数も、減算後の乗入れ払出可能玉数に更新される(S2085)。また、制御ユニット328で記憶している優先順位1〜3の各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の貯玉数から、以下のようにして算出された各引き落とし数(15,100,240)を減算する。
なお、図27(7)や後述する図27(9)等に示す乗入れ払出が実行されているときの画面あるいはその前後の画面において、各口座(4円,2円,1円)から減算される玉数を表示するようにしても良い。
ここで、本実施の形態において、乗入れ払出が実行される場合には、貯玉払出が実行される場合と同様に、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図21のS2065)。貯玉更新要求には、受け付けた会員カードから読み取られた会員番号と、各口座の貯玉数から減算する玉数と、が情報として含まれる。各口座の貯玉数から減算すべき玉数(引き落とし数)は以下のようにして算出される。
本例では、優先順位1(乗入れ先口座)である4円口座の貯玉数25玉が基本払出玉数125玉未満であるため、4円口座の貯玉数は全数使用され、4円口座からの減算玉数(4円引き落とし数)は4円口座の貯玉数(15玉)となる。そして、優先順位2(最優先の乗入れ元口座)である2円口座の貯玉数100玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[(100玉×2円÷4円)=50玉]であり、払い出すべき残り玉数である[125玉−15玉=110玉]未満であるため、2円口座の貯玉数は全数使用され、2円口座からの減算玉数(2円引き落とし数)は2円口座の貯玉数(100玉)となる。そして、優先順位3(次に優先される乗入れ元口座)である1円口座の貯玉数800玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[(800玉×1円÷4円)=200玉]であり、払い出すべき残り玉数である[125玉−15玉−50玉=60玉]以上であるため、1円口座の貯玉数から、払い出すべき残り玉数に相当する玉数が使用され、1円口座からの減算玉数(1円引き落とし数)は[(125玉−15玉−50玉)×4円÷1円=240玉]となる。
このようにして、カードユニット3に記憶されている優先順位に基づいて各貯玉口座から減算されるべき玉数が算出され、またがり有りの乗入れ払出が行われる。なお、本実施の形態においては、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の持玉数が1以上である場合であっても、メイン画面から乗入れ画面への切り替え操作(S2030における乗入れ画面移行ボタンの操作)及び乗入れ画面における乗入れ払出を実行させる操作(S2060における乗入れ払出ボタンの操作)の受付が可能となっている。
従って、計数プレイLED319bが点灯しており持玉払出が可能であると共に、乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されており乗入れ払出が可能となる場合がある。このような場合には、計数プレイボタン319が操作されたときに持玉払出が実行され、乗入れ払出ボタンが操作されたときには乗入れ払出が実行される。従って、遊技者は、持玉払出及び乗入れ払出のいずれを実行させるかを操作により選択可能となっている。
この実施の形態では、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり、貯玉払出を実行可能なときにも、貯玉払出ボタンが表示される貯玉払出操作領域312aと、乗入れ画面移行ボタン及び乗入れ払出ボタンが表示される乗入れ払出操作領域312bとが別の領域に設けられているため、メイン画面から乗入れ画面への切り替え操作(S2030における乗入れ画面移行ボタンの操作)及び乗入れ画面における乗入れ払出を実行させる操作(S2060における乗入れ払出ボタンの操作)の受付が可能となっている。従って、遊技者は、貯玉払出及び乗入れ払出のいずれを実行させるかを操作により選択可能となっている。
このような構成において、乗入れ先口座(基本単価に対応した優先順位1の口座)の貯玉数が基本払出玉数以上である状態で、乗入れ払出ボタンが有効態様で表示される場合がある。このような場合には、乗入れ払出ボタンが操作されたときに、乗入れ先口座の貯玉数のみを減算して基本払出玉数を払い出す貯玉払出が実行されるものとする。即ち、貯玉払出を実行可能であるが優先順位の関係で乗入れ払出は実行できない(優先順位1となる乗入れ先口座の貯玉数のみを減算すれば足りる)ときに、乗入れ払出を実行させる操作を受け付けた場合には、貯玉払出が実行されるようにしている。
なお、本実施の形態においては、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり貯玉払出を実行可能なときにも、乗入れ払出を実行可能としているが、このような形態に限らず、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり貯玉払出を実行できないときにのみ、乗入れ払出を実行可能としても良い。例えば、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり貯玉払出を実行できないときにのみ、メイン画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ画面移行ボタンが表示される、あるいは、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されるようにしても良い。
仮に、このような構成とする場合には、貯玉払出を実行させる操作領域と乗入れ払出を実行させる操作領域を共通領域とし、貯玉払出を実行可能なときに該共通領域が操作された場合には貯玉払出を実行し、貯玉払出を実行できないが乗入れ払出を実行可能なときに該共通領域が操作された場合には乗入れ払出を実行するようにすると良い。例えば、貯玉払出ボタンをメイン画面の貯玉払出操作領域312aではなく乗入れ操作領域312bに表示させるようにして、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり貯玉払出を実行可能なときには、メイン画面の乗入れ操作領域312bに貯玉払出ボタンを表示するようにし、該貯玉数が一単位数未満であり貯玉払出を実行できないときには、メイン画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ画面移行ボタンを表示するようにし、該貯玉数が一単位数未満であり且つ乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上である場合には、メイン画面から移行した乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを有効態様で表示するようにすると良い。
なお、本実施の形態では、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であるときにのみ貯玉払出を実行可能としているが、このような形態に限らず、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が1以上である場合に貯玉払出を実行可能としても良い。なお、貯玉払出ボタンや乗入れ払出ボタンは、表示部312に表示させるものではなく、突出部305の筐体に設ける(これに対応した操作検出スイッチも別個に設ける)ようにしても良い。
本実施の形態において、乗入れ払出が実行される場合には、貯玉払出が実行される場合と同様に、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図21のS2065)。本例では、前述したように、優先順位1の4円口座、優先順位2の2円口座、及び優先順位3の1円口座の貯玉数をそれぞれ減算する乗入れ払出が実行されており、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が15、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が100、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が240、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する(S2066)。
カードユニット3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する(S2080)。本例では、会員番号に対応する4円口座の貯玉数から4円引き落とし数15を減算し、2円口座の貯玉数から2円引き落とし数100を減算し、1円口座の貯玉数から1円引き落とし数240を減算する。減算後の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が560となる。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する(S2081)。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をカードユニット3に対して送信する(S2082)。会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したカードユニット3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。
これにより、図27(8)に示すように、乗入れ払出可能玉数は125に更新され、カードユニット3で記憶されている各口座の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が560に更新される。そして、制御ユニット328は、図27(8)に示すように、減算後の乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上であることに基づいて、乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを有効態様で表示する。なお、図27(8)では、制御ユニット328は、記憶している基本単価(当該カードユニット3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の持玉数が0であることに基づいて、計数プレイLED319bを消灯している。そのため遊技者は、持玉払出を実行できないが、乗入れ払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
S2065〜S2082における乗入れ払出及びこれに伴う処理の完了後、図22に示すように、会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数は0、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は560となっている(S3000)。また、持玉管理装置140で管理されている持玉数は、会員カード受付時から更新されておらず、4円口座の持玉数は100、2円口座の持玉数は0、1円口座の持玉数は0となっている(S3010)。このとき、図27(8)に示すように、乗入れ払出可能玉数の表示は125である(図22のS3020)。
そして、図27(8)の乗入れ画面において、乗入れ払出ボタンが操作されると(図22のS3025)、乗入れ払出可能玉数([560玉×1円÷4円=140玉≧125玉]であるため、乗入れ払出可能玉数は125玉となる)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が実行される(S3030)。このとき、図27(9)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示され、乗入れ操作領域312bには乗入れ払出ボタンが表示されず、乗入れ払出を実行するための乗入れ操作を行うことができない(仮に乗入れ操作領域312bを操作したとしても乗入れ払出は連続して実行されない)状態となる。
そして、図27(10)に示すように、乗入れ払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している乗入れ払出可能玉数(125)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される乗入れ払出可能玉数も減算後の貯玉数に更新される(S3050)。また、制御ユニット328で記憶している優先順位1〜3の各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の貯玉数から、以下のようにして算出された各引き落とし数(0,0,500)を減算する。
本例では、優先順位1(乗入れ先口座)である4円口座及び優先順位2(最優先の乗入れ元口座)である2円口座の貯玉数がいずれも0玉である。そして、優先順位3(次に優先される乗入れ元口座)である1円口座の貯玉数560玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[560玉×1円÷4円=140玉]であり、基本払出玉数以上となるため、1円口座からの減算玉数(1円引き落とし数)は、[基本単価×基本払出玉数]相当の、[4円×125玉÷1円=500玉]となる。
ここで、前述したように、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図22のS3026)。本例では、前述したように、優先順位3の1円口座の貯玉数のみを減算する乗入れ払出が実行されており、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が0、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が0、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が500、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する(S3027)。
カードユニット3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する(S3040)。本例では、会員番号に対応する1円口座の貯玉数から1円引き落とし数500を減算する。減算後の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が60となる。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する(S3041)。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をカードユニット3に対して送信する(S3042)。会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したカードユニット3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。
これにより、図27(10)に示すように、乗入れ払出可能玉数は0に更新され、カードユニット3で記憶されている各口座の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が60に更新される。そして、制御ユニット328は、図27(10)に示すように、減算後の乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満である(乗入れ払出によって付与可能な遊技媒体数が0である)ことに基づいて、乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを無効態様(前述した有効態様よりも薄い表示態様)で表示する(S3060)。
なお、図27(10)では、制御ユニット328は、記憶している基本単価(当該カードユニット3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の持玉数が0であることに基づいて、計数プレイLED319bを消灯している。そのため遊技者は、持玉払出を実行できず、また、乗入れ払出ボタンが無効態様となっていることにより、仮に乗入れ払出ボタンを操作したとしても乗入れ払出が実行されないことを認識できる。
次いで、制御ユニット328は、乗入れ払出可能玉数が0であり乗入れ払出は実行できないが乗入れ元口座の貯玉数が0ではない(本例では、乗入れ払出可能玉数が0であり1円口座の貯玉数が60玉となっている)ことに基づいて、乗入れ払出を実行可能とするために必要な残り計数玉数である必要計数玉数を算出する必要計数玉数算出処理(図23)を実行する。
この実施の形態では、後述するように、カードユニット3における貯玉移行操作によって、1以上の口座の持玉数の一部又は全部を、対応する口座の貯玉数に移行する貯玉移行処理を実行可能となっている。従って、乗入れ元口座の貯玉数が残存しているということは、乗入れ先口座の貯玉数が貯玉移行処理によって所定数に達することにより乗入れ払出が実行可能になるということであるため、そのために必要な計数玉数を算出するものである。即ち、貯玉移行処理後の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行可能とするために、現在の持玉数に加算すべき玉数を必要計数玉数として算出し、算出された必要計数玉数を遊技者に報知するようにしている。
図23の必要計数玉数算出処理において、制御ユニット328は、S300で、乗入れ先口座(本例では4円)の貯玉数に、対応する口座(4円)の現在の持玉数を仮加算すると共に、各乗入れ元口座(本例では2円,1円)の貯玉数に、対応する口座(2円,1円)の現在の持玉数を仮加算する。この仮加算においては、制御ユニット328で記憶している表示制御用の各口座の貯玉数及び持玉数の元データは更新されておらず、あくまで必要計数玉数算出処理用にコピーされた各口座の貯玉数及び持玉数のデータが仮加算の対象となる。
ここで、乗入れ先口座の貯玉数に仮加算する現在の持玉数とは、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3に挿入されたときに持玉管理装置140から取得され、その後の持玉払出により払出玉数が減算されたり、あるいは、計数処理により計数玉数が加算されたりした後の更新後の持玉数である。また、カード貯留部からビジターカードがカードR/W327に供給されたときに0であり、その後の計数処理により計数玉数が加算されたり、あるいは、持玉払出により払出玉数が減算されたりした後の持玉数である。
本例では、S300で、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(0玉)に4円口座の持玉数(0玉)を仮加算し、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0玉)に2円口座の持玉数(0玉)を仮加算し、乗入れ元口座である1円口座の貯玉数(60玉)に1円口座の持玉数(0玉)を仮加算する。即ち、仮加算後の各口座の貯玉数は4円口座が0、2円口座が0、1円口座が60となる。ここでは、貯玉数に仮加算する対象となる持玉数は、持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数ではなく、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている各口座の持玉数である。
次いで、制御ユニット328は、S301で、仮加算後の乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算する。本例では、[仮加算後の2円口座の貯玉数(0玉)×2円÷4円]により、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算し、[仮加算後の1円口座の貯玉数(60玉)×1円÷4円]により、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算する。即ち、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は0、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は15となる。
次いで、制御ユニット328は、S302で、仮加算後の乗入れ先口座の貯玉数と、算出された換算玉数との合算玉数を算出する。この例では、[仮加算後の乗入れ先口座の貯玉数(0)+仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(0)+仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(15)]により、合算玉数が算出される。即ち、合算玉数は15となる。
次いで、制御ユニット328は、S303で、算出された合算玉数が基本払出玉数に達しているか否かを判定する。ここで、算出された合算玉数が基本払出玉数以上であるということは、1以上の口座の持玉数の一部又は全部を対応する口座の貯玉数に移行する貯玉移行処理を行うことで乗入れ払出が実行可能となるということであり(即ち必要計数玉数が0であるということであり)、算出された合算玉数が基本払出玉数未満であるということは、仮に貯玉移行処理を行ったとしても乗入れ払出を実行できない(即ち必要計数玉数が1以上である)ということである。
制御ユニット328は、S303で、合算玉数が基本払出玉数以上であれば(Yes)、S310で、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示し、さらに、S311で、乗入れ画面に「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示して必要計数玉数算出処理を終了する。これにより、遊技者は、貯玉移行ボタンを操作することで乗入れ払出が実行可能となることを把握することができる。
一方、制御ユニット328は、S303で、合算玉数が基本払出玉数未満であれば(No)、S304で、合算玉数と基本払出玉数との差分を算出し、S305で、乗入れ画面に「××玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示して必要計数玉数算出処理を終了する。これにより、遊技者は、算出された差分相当(××玉)のパチンコ玉を計数させて、その後に表示される貯玉移行ボタンを操作することで、乗入れ払出が実行可能となることを把握することができる。
この例では、合算玉数(15)が基本払出玉数(125)に満たないため、S303ではNoと判定され、S304では差分が125玉−15玉=110玉と算出され、S305では、「110玉計数で乗入れ可」と表示されることになる。
従って、制御ユニット328は、図27(10)で乗入れ払出可能玉数が0玉となったことを報知した後に、上記の必要計数玉数算出処理が実行されたことに基づいて、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図27(11)に示すように、乗入れ画面に「110玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図22のS3070)。なお、乗入れ払出可能玉数と「××玉計数で乗入れ可」のメッセージを乗入れ画面上に同時に表示するようにしても良い。
なお、この実施の形態では、算出された合算玉数が基本払出玉数以上である場合にのみ(必要計数玉数が0である場合にのみ)、貯玉移行ボタンを乗入れ操作領域312bに表示して貯玉移行操作を受付可能としているが、このような形態に限らず、算出された合算玉数が基本払出玉数未満である場合にも(必要計数玉数が0ではない場合にも)、貯玉移行操作を受付可能としても良い。そのような構成において、貯玉移行操作が行われることにより、表示されている必要計数玉数が更新されるようにすると良く、例えば、必要計数玉数が100のとき(「100玉計数で乗入れ可」の表示)で、25玉相当の貯玉移行処理が実行された場合には、必要計数玉数が75に更新される(「75玉計数で乗入れ可」と表示される)ようにすると良い。
上記の例において、プリペイド残額を使用するプリペイド払出を実行する場合には、払出ボタン21を操作することにより、プリペイド残額(本例では1000円)が、基本単価及び基本払出玉数に応じた額(4円×125=500円)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出されるプリペイド払出が実行される。
そして、プリペイド払出の実行に伴い、RAM328bで記憶しているプリペイド残額(1000円)から基本払出玉数相当の消費額(5度数相当の125玉×4円=500円)が減算されて500円になると共に、表示部312に表示されるプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。カードユニット3におけるプリペイド払出に伴い、受け付けた会員カードから読み取られたカードIDとプリペイド払出における消費額(500円)とを含む消費情報が残額管理装置100に送信される。残額管理装置100では、受信した消費情報が指定する消費額を、該消費情報が指定するカードIDに対応付けて管理されているプリペイド残額から減算して、減算完了通知をカードユニット3に送信する。減算完了通知を受信したカードユニット3では、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額の更新が完了したことを完了する。
次に、遊技機での遊技が終了し、返却ボタン22が操作されると(図22のS3100)、会員カードから読み取られたカードID及びRAM328bに記憶している各口座(本例では4円口座,2円口座,1円口座)の持玉数(本例では0,0,0)を含むカード排出通知が持玉管理装置140に送信され(S3101)、RAM328bに記憶されているプリペイド残額が会員カードに記録されて、カードユニット3から該会員カードが返却される(S3105)。カードユニット3からのカード返却に伴い、RAM328bに記憶されているプリペイド残額、並びに各口座の持玉数及び貯玉数は0にクリアされる。
持玉管理装置140は、受信したカード排出通知で指定されるカードIDに対応付けて管理されている各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の持玉数を、該カード排出通知で指定される各口座の持玉数(0,0,0)に更新する(S3110)。本例では、持玉管理装置140で管理される更新後の持玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が0となる。なお、持玉管理装置140は、CU管理テーブルにおいて、受信したカード排出通知で指定される台番号(装置ID)に対応付けて管理されているカードID(受付中のカードのカードID)を消去する。
次いで、持玉管理装置140は、持玉管理装置140により管理されている持玉数の更新が完了したことを示すカード排出結果(結果:OK)をカードユニット3に対して送信する(S3111)。カード排出結果(結果:OK)を受信したカードユニット3では、持玉管理装置140において管理されている持玉数が更新されたことを確認する。
また、持玉管理装置140は、カード排出通知を送信したカードユニット3の台番号(装置ID)及びカード排出通知で指定されるカードIDを含む遊技終了通知を会員管理装置150に対して送信する(S3120)。なお、会員管理装置150は、CU管理テーブルにおいて、受信した遊技終了通知で指定される台番号(装置ID)に対応付けて管理されているカードID(受付中のカードのカードID)を消去する。遊技終了通知を受信した会員管理装置150は、遊技終了通知を受信したことを示す遊技終了応答を持玉管理装置140に対して送信する(S3130)。遊技終了応答を受信した持玉管理装置140では、会員管理装置150が遊技終了通知を受信したことを確認する。
(貯玉移行処理)
次に、貯玉移行処理について、図24、図25、及び図28を用いて説明する。ここで、カードユニット3のカードR/W327には会員カードが受け付けられており、該会員カードから読み取られた会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数が50、2円口座の貯玉数が0、1円口座の貯玉数が80であるものとする(図24のS4000)。また、該会員カードから読み取られたカードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている4円口座の持玉数が0、2円口座の持玉数が0、1円口座の貯玉数が0玉であるものとする(図24のS4010)。
また、制御ユニット328のRAM328bには、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数と合致する貯玉数(4円:50玉,2円:0玉,1円:80玉)が記憶されており、持玉管理措置140で管理されている各口座の持玉数と合致する持玉数(4円:0玉,2円:0玉,1円:0玉)が記憶された状態であるものとする。このとき、図28(20)に示すように、表示部312に表示されているメイン画面において、持玉数として基本単価に対応した4円口座の持玉数である0が表示され、貯玉数として基本単価に対応した4円口座の貯玉数である50が表示される(図24のS4020)。
そして、その下方の貯玉払出領域312aには、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり貯玉払出を実行可能なことに基づいて、貯玉払出ボタンが有効態様で表示されている。従って、この状態で貯玉払出ボタンを操作することにより貯玉払出が実行される。また、その下方の乗入れ操作領域312bには、乗入れ画面移行ボタンが表示されている。そして、この状態で、遊技者により乗入れ画面移行ボタンが操作され、表示画面がメイン画面から乗入れ画面に切り替えられたものとする(図24のS4025)。
図28(21)に示す移行後の乗入れ画面では、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(50玉)、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0玉)及び1円口座の貯玉数(80玉)が表示される。また、乗入れ先口座の貯玉数(50玉)と、乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算した玉数(0玉×2円÷4円,80玉×1円÷4円)との合算玉数(50玉+0玉+20玉=70玉)が、基本払出玉数(125玉)未満であることに基づいて、乗入れ払出可能玉数は0玉と表示され(図24のS4030)、乗入れ操作領域312bには、乗入れ払出ボタンが無効態様で表示される(図24のS4035)。
そして、前述したように、制御ユニット328は、乗入れ元口座の貯玉数が残存している(1円口座の貯玉数が80玉である)が乗入れ元口座の貯玉数不足により乗入れ払出を実行できないことに基づいて、必要計数玉数算出処理を実行し、必要計数玉数を算出する。この例では、S302で算出される合算玉数が、50玉+0玉+(80玉×1円÷4円)=70玉であり、S304で算出される基本払出玉数と合算玉数との差分が125玉−70玉=55玉となる。
従って、制御ユニット328は、図28(21)で乗入れ払出可能玉数が0玉であることを報知した後に、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図28(22)に示すように、乗入れ画面に「55玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図24のS4040)。
このように、乗入れ払出を実行可能とするために計数すべき玉数(持玉数に加算すべき玉数)を報知することにより、乗入れ払出を実行させようとする遊技者の利便性を高めることができる。例えば、遊技者は、下皿24にある程度のパチンコ玉が貯留されている状態であれば、レバー24aを操作して、貯留されたパチンコ玉を計数・端数払出ユニット340に投入して計数処理を実行させることにより、後述する貯玉移行操作及び乗入れ払出を実行可能とする、という措置をとることができる。
次いで、この状態で、計数・端数払出ユニット340によりパチンコ玉の計数が行われる計数処理が発生し、120玉が計数されたものとする(図24のS4050)。このとき、計数・端数払出ユニット340の制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、計数処理の発生に伴い、図28(23)に示すように、表示部312の表示画面は乗入れ画面から計数中画面に移行し、計数中画面において「計数中」の文字と共に計数玉数の値(本例では120)が表示される。
そして、計数処理が完了したときに(例えば、計数玉数が更新されることなく5秒が経過したタイミングで)、RAM328bに記憶されている当該カードユニット3に対応した口座(RAM328bに記憶している基本単価に対応した口座)の持玉数に、計数玉数の値が加算されて持玉数が加算更新されると共に、計数玉数の値は0にリセットされる。これに伴い、図28(24)に示すように、計数中画面において加算後の当該口座の持玉数(本例では120)が表示され、当該口座の持玉数が1以上であり持玉払出が可能となったことに基づいて、計数プレイLED319bを点灯し、計数プレイボタン319の操作を有効とする(図24のS4060)。
このとき、基本単価に対応した口座の貯玉数は50玉から更新されていないが、基本単価に対応した口座の持玉数は、0玉から120玉に更新されている(図24のS4070)。制御ユニット328は、計数処理が発生したこと(即ち乗入れ先口座の持玉数が更新されたこと)に基づいて、前述した必要計数玉数算出処理を実行する。
この例では、必要計数玉数算出処理のS302で算出される合算玉数が、(50玉+120玉)+0玉+(80玉×1円÷4円)=190玉となる。制御ユニット328は、S303で合算玉数が基本払出玉数以上となっていること、即ち、必要計数玉数が0であることに基づいて、S310で乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示すると共に、S311で乗入れ画面に「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示することになる。
従って、制御ユニット328は、図28(24)で基本単価に対応する持玉数が120玉となったことを報知した後に、上記の必要計数玉数算出処理が実行されたことに基づいて、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図28(25)に示すように、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに、無効態様で表示されていた乗入れ払出ボタンに代えて、貯玉移行ボタンを表示する(図24のS4080)と共に、「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図24及び図25のS4100)。
これにより、遊技者は、貯玉移行ボタンを操作することで、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の1以上の口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の一部又は全部が移行される貯玉移行処理が実行されて、貯玉移行処理後の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出が可能となることを把握することができる。
また、この実施の形態では、乗入れ画面において、「貯玉移行で乗入れ可」というメッセージを表示すると共に、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示するようにしている。そのため、乗入れ払出を実行させる意思のある遊技者は、貯玉移行ボタンを操作して貯玉移行処理を実行させることになる。また、この実施の形態では、乗入れ払出に関連する操作である、乗入れ画面移行ボタンの操作、貯玉移行ボタンの操作、及び、乗入れ払出ボタンの操作は、いずれも乗入れ操作領域312bをタッチする共通の操作となっている。そして、乗入れ操作領域312bに表示されている貯玉移行ボタンをタッチすることにより、乗入れ操作領域312bには、貯玉移行ボタンに代えて、タッチされることにより乗入れ払出が実行される有効態様の乗入れ払出ボタンが表示される。
従って、この実施の形態における貯玉移行ボタンの操作は、乗入れ払出を実行させる乗入れ払出ボタンの操作前に、乗入れ払出を実行させる意思を確認するための意思確認操作を兼ねている。仮に、貯玉移行ボタンの操作とは別に、遊技者に乗入れ払出を実行するか否かの選択を要求する操作を設けた場合には、乗入れ払出を実行させるまでの手順が増加してしまう。この実施の形態では、貯玉移行処理を実行させる操作が、乗入れ払出の意思確認操作を兼ねているため、乗入れ払出が実行されるまでの操作手順を簡素化することができる。
次に、遊技者が、図28(25)の乗入れ画面において、乗入れ操作領域312bの貯玉移行ボタンを操作したものとする(図25のS4110)。このとき、図26の貯玉移行数算出処理が実行され、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座の貯玉数に加算すべき持玉数が算出される。
図26の貯玉移行数算出処理において、制御ユニット328は、S400で、各乗入れ元口座(本例では2円,1円)の貯玉数に、対応する口座(2円,1円)の現在の持玉数を仮加算する。この仮加算においては、制御ユニット328で記憶している表示制御用の各口座の貯玉数及び持玉数の元データは更新されておらず、あくまで貯玉移行数算出処理用にコピーされた各口座の貯玉数及び持玉数のデータが仮加算の対象となる。
本例では、S400で、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0玉)に2円口座の持玉数(0玉)を仮加算し、乗入れ元口座である1円口座の貯玉数(80玉)に1円口座の持玉数(0玉)を仮加算する。即ち、仮加算後の各口座の貯玉数は、2円口座が0、1円口座が80となる。ここでは、貯玉数に仮加算する対象となる持玉数は、持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数ではなく、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている各口座の持玉数である。
次いで、制御ユニット328は、S401で、仮加算後の乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算する。本例では、[仮加算後の2円口座の貯玉数(0玉)×2円÷4円]により、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算し、[仮加算後の1円口座の貯玉数(80玉)×1円÷4円]により、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算する。即ち、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は0、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は20となる。
次いで、制御ユニット328は、S402で、乗入れ先口座の貯玉数と、算出された換算玉数との合算玉数を算出する。この例では、[乗入れ先口座の貯玉数(50)+仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(0)+仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(20)]により、合算玉数が算出される。即ち、合算玉数は70となる。
次いで、制御ユニット328は、S403で、算出された合算玉数が基本払出玉数に達しているか否かを判定する。ここで、算出された合算玉数が基本払出玉数以上であるということは、乗入れ先口座を対象とするまでもなく、乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出が可能になるということであり、算出された合算玉数が基本払出玉数未満であるということは、乗入れ先口座を対象とした貯玉移行処理を実行しなければ乗入れ払出が可能とならないということである。
制御ユニット328は、S403で、合算玉数が基本払出玉数以上であれば(Yes)、S410で、乗入れ先口座の貯玉数に加算すべき持玉数を0と設定し、S411で、各乗入れ元口座の貯玉数に加算すべき持玉数を、対応する口座の現在の持玉数と設定して、貯玉移行数算出処理を終了する。これにより、(1)乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数を加算すると共に、該対応する口座の持玉数を0にクリアする、乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出が可能となる。
一方、制御ユニット328は、S403で、合算玉数が基本払出玉数未満であれば(No)、S404で、合算玉数と基本払出玉数との差分を算出し、S405で、乗入れ先口座の貯玉数に加算すべき持玉数を、算出された差分と設定し、S411で、各乗入れ元口座の貯玉数に加算すべき持玉数を、対応する口座の現在の持玉数と設定して、貯玉移行数算出処理を終了する。これにより、(1)乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数を加算すると共に、該対応する口座の持玉数を0にクリアし、(2)乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の少なくとも一部(S404で算出された差分)を加算すると共に、該対応する口座の持玉数から当該加算分(S404で算出された差分)を減算する、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の両方を対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出が可能となる。
この例では、合算玉数(70)が基本払出玉数(125)に満たないため、S403ではNoと判定され、S404では差分が125玉−70玉=55玉と算出され、S405では、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(50)に加算すべき4円口座の持玉数が55と設定される。また、S411では、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0)に加算すべき2円口座の持玉数が0と設定され、1円口座の貯玉数(80)に加算すべき1円口座の持玉数が0と設定される。
次いで、制御ユニット328は、持玉管理装置140に対して、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座に加算すべき持玉数を指定する貯玉移行通知を送信する(図25のS4111)。本例では、貯玉移行通知に、会員カードから読み取られた会員番号と、4円口座の貯玉数に加算させるべき4円口座の持玉数を指定する4円加算数(55)と、2円口座の貯玉数に加算させるべき2円口座の持玉数を指定する2円加算数(0)と、1円口座の貯玉数に加算させるべき1円口座の持玉数を指定する1円加算数(0)と、が含まれる。
持玉管理装置140は、カードユニット3から受信した貯玉移行通知を会員管理装置150に送信する(図25のS4117)。貯玉移行通知を受信した会員管理装置150は、受信した貯玉移行通知に含まれる会員番号に対応付けて管理されている乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数を特定すると共に、各口座の貯玉数に、指定された加算数を加算する(図25のS4120)。本例では、4円口座の貯玉数(50)に4円加算数(55)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(80)に1円加算数(0)を加算する。これにより、4円口座の貯玉数は105、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は80となる。
次いで、会員管理装置150は、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に対応する口座の持玉数が移行されたことを示す貯玉移行結果を持玉管理装置140に送信する(図25のS4121)。貯玉移行結果を受信した持玉管理装置140は、貯玉移行通知を送信したカードユニット3に対して、貯玉移行結果を送信する(図25のS4126)。これにより、貯玉移行結果を受信したカードユニット3の制御ユニット328において、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に、指定した加算玉数が加算されたことが確認される。
貯玉移行結果を受信した制御ユニット328では、RAM328bに記憶している各口座の貯玉数に、S4111で指定した各口座に対応する加算数を加算すると共に、RAM328に記憶している各口座の持玉数から、S4111で指定した各口座に対応する加算数を減算する(図25のS4128)。
本例では、4円口座の貯玉数(50)に4円加算数(55)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(80)に1円加算数(0)を加算する。これにより、制御ユニット328が記憶する4円口座の貯玉数は105、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は80となる。また、4円口座の持玉数(120)から4円加算数(55)を減算し、2円口座の持玉数(0)から2円加算数(0)を減算し、1円口座の持玉数(0)から1円加算数(0)を減算する。これにより、4円口座の持玉数は65、2円口座の持玉数は0、1円口座の持玉数は0となる。
以上に示した貯玉移行数算出処理(S400〜S411)、会員管理装置150により管理されている各口座の貯玉数を更新するための処理(S4111〜S4126)、及び、カードユニット3により記憶されている各口座の貯玉数及び持玉数を更新するための処理(S4128)が実行されることにより、1以上の口座の持玉数の少なくとも一部を、対応する口座の貯玉数に移行する貯玉移行処理が完了する。
貯玉移行処理が完了すると、制御ユニット328は、図28(26)に示すように、貯玉移行処理後の各口座の貯玉数を表示する。また、貯玉移行処理により、各口座の持玉数のうち対応する口座の貯玉数に移行された玉数、即ち、各口座の貯玉数に加算された玉数を、各口座毎に表示する。本例では、S4111で設定された4円加算数が55、2円加算数が0、1円加算数が0であったことにより、「4円持玉55玉を貯玉に移行しました。」とのみ表示される(図25のS4130)。
なお、この例では、S4111で設定した4円加算数のみが0ではないため、このような表示となっているが、仮に、2円加算数が0でない場合や、1円加算数が0ではない場合には、「4円持玉55玉を貯玉に移行しました。」に加えて、「2円持玉××玉を貯玉に移行しました。」や、「1円持玉××玉を貯玉に移行しました。」が乗入れ画面に表示されることになる。
このように、各口座の持玉数のうち、対応する口座の貯玉数に移行された玉数を、各口座毎に表示することにより、いずれの口座を対象として貯玉移行処理が実行されたのか、また、貯玉移行処理によって当該口座の持玉数のうち何玉が移行されたのかを把握することができる。遊技者は、図28(26)の乗入れ画面により、4円口座の持玉数のうち55玉が4円口座の貯玉数に加算され、4円口座の貯玉数が105に増加したことを把握することができる。
制御ユニット328は、図28(26)で、貯玉移行処理の対象となった口座及び当該口座の貯玉数に加算された持玉数を報知した後に、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図28(27)に示すように、乗入れ払出可能玉数が再計算され(図25のS4150)、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンに代えて乗入れ払出ボタンが有効態様で表示された乗入れ画面を表示する(図25のS4160)。
本例では、貯玉移行処理により、4円口座の貯玉数は105、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は80となっているため、乗入れ画面に表示される乗入れ払出可能玉数は、[105玉+(0玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となる。これにより、遊技者は、乗入れ払出が可能となり、乗入れ払出ボタンを操作することで乗入れ払出が実行されることを把握することができる。
そして、図28(27)の乗入れ画面において、乗入れ払出ボタンが操作されると、乗入れ払出可能玉数(125)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が実行される。このとき、図28(28)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示される。
そして、図28(29)に示すように、乗入れ払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している乗入れ払出可能玉数(125)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される乗入れ払出可能玉数も減算後の貯玉数に更新される。また、制御ユニット328で記憶している優先順位1〜3の各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の貯玉数から、以下のようにして算出された各引き落とし数(105,0,80)を減算する。
本例では、優先順位1(乗入れ先口座)である4円口座の貯玉数が105、優先順位2(最優先の乗入れ元口座)である2円口座の貯玉数が0、優先順位3(次に優先される乗入れ元口座)である1円口座の貯玉数が80である。従って、優先順位1である4円口座の貯玉数105玉が基本払出玉数125玉未満であるため、4円口座の貯玉数は全数使用され、4円口座からの減算玉数(4円引き落とし数)は4円口座の貯玉数(105玉)となる。また、優先順位2である2円口座からの減算玉数(2円引き落とし数)は0となる。そして、優先順位3である1円口座の貯玉数80玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[(80玉×1円÷4円)=20玉]であり、払い出すべき残り玉数である[125玉−105玉=20玉]と合致するため、1円口座の貯玉数は全数使用され、1円口座からの減算玉数(1円引き落とし数)は1円口座の貯玉数(20玉)となる。
これに伴い、前述したように、算出された各口座の引き落とし数を指定する貯玉更新要求が制御ユニット328から持玉管理装置140を介して会員管理装置150に送信され、会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する。本例では、減算後の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が0となる。
これにより、図28(29)に示すように、乗入れ払出可能玉数は0に更新され、カードユニット3で記憶されている各口座の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が0に更新される。そして、制御ユニット328は、図28(29)に示すように、減算後の乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満である(乗入れ払出によって付与可能な遊技媒体数が0である)ことに基づいて、乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを無効態様で表示する。
乗入れ払出を実行できなくなったことを把握した遊技者が、図28(29)の「戻る」ボタンを操作すると、図28(30)のメイン画面に戻る。このメイン画面で表示される基本単価(4円)に対応した口座の持玉数(65玉)は、前述した貯玉移行処理で対応する口座の貯玉数に移行されずに残存している持玉数である。この例では、図28(24)で計数された持玉数120玉のうち、図28(26)の貯玉移行処理で55玉が貯玉に移行し、65玉が持玉として残存している。従って、図28(26)の貯玉移行処理後も、当該口座の持玉数が1以上であり持玉払出が可能であることに基づいて、計数プレイLED319bを点灯し、計数プレイボタン319の操作を有効としている。
なお、図28(22)に示したケースでは、制御ユニット328は、乗入れ払出可能玉数が0であり乗入れ払出は実行できないが乗入れ元口座の貯玉数が0ではない、即ち、乗入れ先口座の貯玉数が増加することにより乗入れ払出が可能となるとして、必要計数玉数算出処理を実行した。これに対して、図28(29)のケースでは、乗入れ元口座の貯玉数が0であるため、仮に乗入れ先口座の貯玉数が増加したとしても、乗入れ元口座の貯玉数を減算する乗入れ払出を実行することができない。そのため、各乗入れ元口座の貯玉数がいずれも0である場合には、必要計数玉数算出処理を実行する必要がない。
上記の例における各口座の貯玉数及び持玉数の推移は、図29の例1として示される。計数処理前の、4円貯玉数が50玉、2円貯玉数が0玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が0玉、2円持玉数が0玉、1円持玉数が0玉の状態では、算出される必要計数玉数は、[125玉−(50玉+0玉)−{(0玉+0玉)×2円÷4円}−{(80玉+0玉)×1円÷4円}]=55玉となる。
そして、計数処理が発生して120玉の計数が行われると、4円持玉数が120玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、4円持玉数120玉のうち55玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の4円貯玉数は50玉+55玉=105玉、4円持玉数は120玉−55玉=65玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[105玉+(0玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となる。
なお、例1において、仮に、計数処理が発生して55玉の計数が行われたとすると、4円持玉数が55玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、4円持玉数(55玉)の全部が4円貯玉数に加算され、4円貯玉数が105玉となり、4円持玉数は0となる。即ち、貯玉移行処理が実行されることにより、乗入れ先口座に対応した持玉数の一部ではなく全部が移行される場合もある。
このように、この実施の形態では、貯玉移行ボタンが操作されたときに、貯玉移行処理が実行され、乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の少なくとも一部を移行させるようにしている。従来であれば、前述したように、営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときにのみ、各口座の持玉数全部を、対応する各口座の貯玉数に加算すると共に、各口座の持玉数を0にクリアする処理を実行するところであるが、この実施の形態では、カードユニット3における遊技者の操作によって貯玉移行処理を実行可能としているため、乗入れ払出を実行させようとする遊技者の利便性を高めることができる。
また、上記の実施形態(例1)では、乗入れ先口座に対応する4円持玉数のうち、乗入れ払出を実行可能とするために必要となる最低玉数(120玉のうちの55玉)のみを貯玉数に移行させ、残り(120玉のうち65玉)は持玉数として残存させるようにしている。これにより、残った持玉数を、持玉払出により遊技に使用することができる。
特に、この実施の形態では、貯玉払出が一単位数以上の貯玉数を要するのに対して、持玉払出しは、1玉以上の持玉数から可能となっている。従って、仮に貯玉移行処理によって、乗入れ先口座に対応する持玉数を全数移行させるようにした場合、乗入れ払出が実行された後、残存する乗入れ先口座の貯玉数が0より大きく一単位数未満となったときには、移行させた玉数の一部を遊技に使用できなくなってしまうことになる。そのため、この実施の形態では、4円持玉数のうち乗入れ払出を実行可能とするために必要ない分(65玉)については、貯玉移行処理の対象としないことにより、遊技に使用可能な遊技媒体数を極力多く確保するようにしている。
図29の例2では、計数処理前、4円貯玉数が10玉、2円貯玉数が60玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が25玉、2円持玉数が0玉、1円持玉数が0玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(10玉+25玉)−{(60玉+0玉)×2円÷4円}−{(80玉+0玉)×1円÷4円}]=40玉となる。
そして、計数処理が発生して60玉の計数が行われると、4円持玉数が85玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、4円持玉数85玉のうち65玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の4円貯玉数は10玉+65玉=75玉、4円持玉数は85玉−65玉=20玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[75玉+(60玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となる。
このように、計数処理前の乗入れ先口座に対応した口座の持玉数(4円持玉数25玉)に、計数処理により計数された計数玉数(60玉)が加算され、更新後の持玉数(4円持玉数85玉)の少なくとも一部(65玉)が乗入れ先口座の貯玉数(10玉)に移行される。
図29の例3では、計数処理前、4円貯玉数が5玉、2円貯玉数が20玉、1円貯玉数が40玉であり、4円持玉数が10玉、2円持玉数が30玉、1円持玉数が60玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(5玉+10玉)−{(20玉+30玉)×2円÷4円}−{(40玉+60玉)×1円÷4円}]=60玉となる。
そして、計数処理が発生して100玉の計数が行われると、4円持玉数が110玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数の全部である30玉、1円持玉数の全部である60玉、4円持玉数110玉のうち70玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は20玉+30玉=50玉、2円持玉数は30玉−30玉=0玉、1円貯玉数は40玉+60玉=100玉、1円持玉数は60玉−60玉=0玉、4円貯玉数は5玉+70玉=75玉、4円持玉数は110玉−70玉=40玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[75玉+(50玉×2円÷4円)+(100玉×1円÷4円)]=125玉となる。
このように、乗入れ元口座の貯玉数(2円貯玉数20,1円貯玉数40)に、貯玉移行処理によって、乗入れ元口座に対応した口座の持玉数の全部(2円持玉数30,1円貯玉数60)が移行される。そして、乗入れ先口座に対応した口座の持玉数のうち、乗入れ払出可能玉数に不足する差分(70玉)のみが、乗入れ先口座の貯玉数(5玉)に移行される。即ち、乗入れ元口座を対象とした貯玉移行処理によって不足する差分のみを乗入れ先口座を対象とした貯玉移行処理によって補足する構成としており、これにより、前述したように、遊技に使用可能な遊技媒体数を最大化することができる。
図29の例4では、計数処理前、4円貯玉数が25玉、2円貯玉数が40玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が20玉、2円持玉数が80玉、1円持玉数が120玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(25玉+20玉)−{(40玉+80玉)×2円÷4円}−{(80玉+120玉)×1円÷4円}]≦0、であるため、0玉となる。
そして、計数処理が発生することなく、この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数の全部である80玉、1円持玉数の全部である120玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は40玉+80玉=120玉、2円持玉数は80玉−80玉=0玉、1円貯玉数は80玉+120玉=200玉、1円持玉数は120玉−120玉=0玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、125玉≦[25玉+(120玉×2円÷4円)+(200玉×1円÷4円)=135玉]<250玉、であるため、125玉となる。
このように、乗入れ元口座の貯玉数(2円貯玉数40,1円貯玉数80)に、貯玉移行処理によって、乗入れ元口座に対応した口座の持玉数の全部(2円持玉数80,1円貯玉数120)が移行される。そして、乗入れ先口座の貯玉数(4円貯玉数25)に、対応する口座の持玉数(4円持玉数20)を加算するまでもなく、乗入れ払出を実行可能となる。即ち、乗入れ元口座を対象とした貯玉移行処理によって不足する差分がないため、乗入れ先口座を対象とした貯玉移行処理は実行しない構成としており、これにより、前述したように、遊技に使用可能な遊技媒体数を最大化することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る遊技用システム1に関して、第2実施形態と異なる点を説明する。第3実施形態に係る遊技用システム1には、図1に示すように、持玉管理装置140が設けられておらず、カードユニット3は、持玉管理装置140を中継することなく、会員管理装置150と通信可能に接続されている。
従って、第2実施形態においてカードユニット3から持玉管理装置140を介して会員管理装置150に送信されたコマンド(貯玉更新要求や貯玉移行通知等)は、第3実施形態ではカードユニット3から直接、会員管理装置150に送信される。また、第2実施形態において会員管理装置150から持玉管理装置140を介してカードユニット3に送信されたコマンド(貯玉更新応答や貯玉移行結果等)は、会員管理装置150から直接、カードユニット3に送信される。
第2実施形態において制御ユニット328に記憶されている各口座の持玉数(表示される持玉数)に関する処理は、第3実施形態において制御ユニット328に記憶されている各口座の計数玉数(表示される計数玉数)に関する処理と読み替えることができる。即ち、第3実施形態のカードユニット3には、制御ユニット328のRAM328bに、各口座(4円,2円,1円)の計数玉数が記憶され、メイン画面において、記憶している基本単価に対応した口座の計数玉数が表示されることになる。なお、第3実施形態においては、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されている基本単価に対応した口座以外の口座の計数玉数は0となる。
このときカードユニット3で記憶されている基本単価に対応した口座(乗入れ先口座に対応した口座)の計数玉数は、以下のようにして更新されるものとする。まず、計数センサ356によりパチンコ玉が検出される毎に、制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数(メイン画面に表示される計数玉数)の値が加算される。そして、計数払出操作(上記実施形態における計数プレイボタン319の操作に相当)に基づいて遊技媒体が払い出される計数払出が実行され、カードユニット3が記憶している計数玉数(メイン画面に表示される計数玉数)から払出玉数が減算される。
なお、カードユニット3で計数払出が実行されると、第2実施形態の持玉払出と同様に、上位管理装置(第3実施形態では会員管理装置150)と通信が行われることなく、カードユニット3で記憶されている基本単価に対応した口座の計数玉数のみが減算される。一方、貯玉払出が実行されると、第2実施形態の貯玉払出と同様に、会員管理装置150との通信が行われ、カードユニット3で記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数(メイン画面に表示される貯玉数)及び会員管理装置150で管理されている基本単価に対応した口座の貯玉数が減算される。
そして、返却ボタン22が操作されると、受け付けていた会員カードから読み取られた会員番号と、RAM328bに記憶されている各口座(4円,2円,1円)の計数玉数とを含むカード排出通知が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150においては、受信したカード排出通知により指定される会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで管理されている各口座(4円,2円,1円)の貯玉数に、受信したカード排出通知により指定される各口座(4円,2円,1円)の計数玉数を加算する。そして、カード排出通知を送信したカードユニット3では、RAM328bに記憶されている各口座(4円,2円,1円)の計数玉数を0にクリアする。
このように、第3実施形態において、会員管理装置150で管理される各口座の貯玉数に、対応した口座の計数玉数が加算されるのは、カードユニット3で受け付けた会員カードが返却されるとき(カード排出通知を受信したとき)となる。また、第3実施形態では、カードユニット3の基本単価に対応した口座以外の口座の計数玉数は0であるため、会員カードが返却されるときには、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみが実際の加算対象となる。
このような第3実施形態に係る遊技用システム1において、貯玉移行処理が実行されるときの動作の流れを図30及び図31を用いて説明する。なお、図30及び図31において、第2実施形態の図24及び図25と共通する処理には、共通する符号を付している。
ここで、カードユニット3のカードR/W327には会員カードが受け付けられており、該会員カードから読み取られた会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数が35、2円口座の貯玉数が0、1円口座の貯玉数が60であるものとする(図30のS4000A)。
また、制御ユニット328のRAM328bには、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数と合致する貯玉数(4円:35玉,2円:0玉,1円:60玉)が記憶されており、各口座の計数玉数はいずれも0である(4円:0玉,2円:0玉,1円:0玉)ものとする。このとき、表示部312に表示されているメイン画面において、計数玉数として基本単価に対応した4円口座の計数玉数である0が表示され、貯玉数として基本単価に対応した4円口座の貯玉数である35が表示される(図30のS4020A)。
そして、この状態で、遊技者により乗入れ画面移行ボタンが操作され、表示画面がメイン画面から乗入れ画面に切り替えられたものとする(図30のS4025)。移行後の乗入れ画面では、乗入れ先口座の貯玉数(35玉)と、乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算した玉数(0玉×2円÷4円,60玉×1円÷4円)との合算玉数(35玉+0玉+15玉=50玉)が、基本払出玉数(125玉)未満であることに基づいて、乗入れ払出可能玉数は0玉と表示され(図30のS4030)、乗入れ操作領域312bには、乗入れ払出ボタンが無効態様で表示される(図30のS4035)。
そして、前述したように、制御ユニット328は、乗入れ元口座の貯玉数が残存している(1円口座の貯玉数が60玉である)が乗入れ元口座の貯玉数不足により乗入れ払出を実行できないことに基づいて、必要計数玉数算出処理を実行し、必要計数玉数を算出する。この例では、S302で算出される合算玉数が、35玉+0玉+(60玉×1円÷4円)=50玉であり、S304で算出される基本払出玉数と合算玉数との差分が125玉−50玉=75玉となる。従って、制御ユニット328は、乗入れ画面に「75玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図30のS4040A)。
次いで、この状態で、計数・端数払出ユニット340によりパチンコ玉の計数が行われる計数処理が発生し、120玉が計数されたものとする(図30のS4050)。このとき、計数・端数払出ユニット340の制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、当該口座の計数玉数が1以上であり計数払出が可能となったことに基づいて、計数プレイLED319bを点灯し、計数プレイボタン319の操作を有効とする(図30のS4060)。
このとき、基本単価に対応した口座の貯玉数は35玉から更新されていないが、基本単価に対応した口座の計数玉数は、0玉から120玉に更新されている(図30のS4070A)。制御ユニット328は、計数処理が発生したこと(即ち乗入れ先口座の計数玉数が更新されたこと)に基づいて、前述した必要計数玉数算出処理を実行する。
この例では、必要計数玉数算出処理のS302で算出される合算玉数が、(35玉+120玉)+0玉+(60玉×1円÷4円)=170玉となる。制御ユニット328は、S303で合算玉数が基本払出玉数以上となっていること、即ち、必要計数玉数が0であることに基づいて、S310で乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示すると共に、S311で乗入れ画面に「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示することになる。
従って、制御ユニット328は、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに、無効態様で表示されていた乗入れ払出ボタンに代えて、貯玉移行ボタンを表示する(図30のS4080)と共に、「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図30及び図31のS4100)。
次に、遊技者が、乗入れ画面において、乗入れ操作領域312bの貯玉移行ボタンを操作したものとする(図31のS4110)。このとき、図26の貯玉移行数算出処理が実行され、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座の貯玉数に加算すべき計数玉数が算出される。
この例では、合算玉数(50)が基本払出玉数(125)に満たないため、S403ではNoと判定され、S404では差分が125玉−50玉=75玉と算出され、S405では、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(35)に加算すべき4円口座の計数玉数が75と設定される。また、S411では、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0)に加算すべき2円口座の計数玉数が0と設定され、1円口座の貯玉数(60)に加算すべき1円口座の計数玉数が0と設定される。
次いで、制御ユニット328は、会員管理装置150に対して、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座に加算すべき計数玉数を指定する貯玉移行通知を送信する(図31のS4111A)。本例では、貯玉移行通知に、会員カードから読み取られた会員番号と、4円口座の貯玉数に加算させるべき4円口座の計数玉数を指定する4円加算数(75)と、2円口座の貯玉数に加算させるべき2円口座の計数玉数を指定する2円加算数(0)と、1円口座の貯玉数に加算させるべき1円口座の計数玉数を指定する1円加算数(0)と、が含まれる。なお、第3実施形態では、カードユニット3の基本単価に対応した口座以外の口座の計数玉数は0であるため、貯玉移行処理が実行されるときには、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみが実際の加算対象となる。
貯玉移行通知を受信した会員管理装置150は、受信した貯玉移行通知に含まれる会員番号に対応付けて管理されている乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数を特定すると共に、各口座の貯玉数に、指定された加算数を加算する(図31のS4115A)。本例では、4円口座の貯玉数(35)に4円加算数(75)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(60)に1円加算数(0)を加算する。これにより、4円口座の貯玉数は110、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は60となる。
次いで、会員管理装置150は、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に対応する口座の計数玉数が移行されたことを示す貯玉移行結果をカードユニット3に送信する(図31のS4116A)。これにより、貯玉移行結果を受信したカードユニット3の制御ユニット328において、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に、指定した加算玉数が加算されたことが確認される。
貯玉移行結果を受信した制御ユニット328では、RAM328bに記憶している各口座の貯玉数に、S4111Aで指定した各口座に対応する加算数を加算すると共に、RAM328に記憶している各口座の計数玉数から、S4111Aで指定した各口座に対応する加算数を減算する(図31のS4128A)。
本例では、4円口座の貯玉数(35)に4円加算数(75)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(60)に1円加算数(0)を加算する。これにより、制御ユニット328が記憶する4円口座の貯玉数は110、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は60となる。また、4円口座の計数玉数(120)から4円加算数(75)を減算し、2円口座の計数玉数(0)から2円加算数(0)を減算し、1円口座の計数玉数(0)から1円加算数(0)を減算する。これにより、4円口座の計数玉数は45、2円口座の計数玉数は0、1円口座の計数玉数は0となる。
本例では、S4111Aで設定された4円加算数が75、2円加算数が0、1円加算数が0であったことにより、「4円計数玉75玉を貯玉に移行しました。」とのみ表示される(図31のS4130A)。そして、制御ユニット328は、乗入れ払出可能玉数を再計算し(図31のS4150)、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンに代えて乗入れ払出ボタンが有効態様で表示された乗入れ画面を表示する(図31のS4160)。
本例では、貯玉移行処理により、4円口座の貯玉数は110、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は60となっているため、乗入れ画面に表示される乗入れ払出可能玉数は、[110玉+(0玉×2円÷4円)+(60玉×1円÷4円)]=125玉となる。これにより、遊技者は、乗入れ払出が可能となり、乗入れ払出ボタンを操作することで乗入れ払出が実行されることを把握することができる。
このように、第3実施形態では、貯玉移行ボタンが操作されたときに、カードR/W327で受け付けられている会員カードが返却されることなく、貯玉移行処理が実行され、乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の計数玉数の少なくとも一部を移行させるようにしている。従来であれば、前述したように、カードユニット3から会員カードが挿入されたときにのみ、各口座の計数玉数全部を、対応する各口座の貯玉数に加算すると共に、カードユニット3で記憶されている各口座の計数玉数を0にクリアする処理を実行するところであるが、この実施の形態では、カードユニット3における遊技者の操作によって、会員カードを返却することなく、貯玉移行処理を実行可能としているため、乗入れ払出を実行させようとする遊技者の利便性を高めることができる。
[第2実施形態及び第3実施形態の変形例]
次に、前述した第2実施形態及び第3実施形態の変形例を挙げる。
(1)上記の実施形態では、貯玉移行処理が実行されると、乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の全部が加算され、乗入れ先口座の貯玉数には、対応する口座の持玉数(計数玉数)の一部又は全部が加算されるようになっているが、このような形態に限らず、乗入れ元口座及び乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の全部が加算されるようにしても良い。
図32の変形例1では、計数処理前、4円貯玉数が5玉、2円貯玉数が20玉、1円貯玉数が40玉であり、4円持玉数が10玉、2円持玉数が30玉、1円持玉数が60玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(5玉+10玉)−{(20玉+30玉)×2円÷4円}−{(40玉+60玉)×1円÷4円}]=60玉となる。
そして、計数処理が発生して200玉の計数が行われると、4円持玉数が210玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数の全部である30玉、1円持玉数の全部である60玉、4円持玉数の全部である210玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は20玉+30玉=50玉、2円持玉数は30玉−30玉=0玉、1円貯玉数は40玉+60玉=100玉、1円持玉数は60玉−60玉=0玉、4円貯玉数は5玉+210玉=215玉、4円持玉数は210玉−210玉=0玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、250玉≦[215玉+(50玉×2円÷4円)+(100玉×1円÷4円)]<375玉であるため、250玉となる。
この変形例1では、前述した例3のように、計数処理後の4円持玉数の一部(70玉)のみを4円貯玉数に加算することにより、乗入れ払出を実行可能となるが、変形例1では、乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出を実行可能となるにもかかわらず、貯玉移行ボタンが操作されることにより、乗入れ元口座(4円)及び乗入れ先口座(2円,1円)の貯玉数に、対応する口座(4円,2円,1円)の持玉数(計数玉数)の全部が加算される。
(2)上記の実施形態では、貯玉移行処理が実行されると、全ての乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の全部が加算される例について説明したが、このような形態に限らず、一部の乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の一部又は全部が加算されるようにしても良い。
図32の変形例2では、計数処理前、4円貯玉数が45玉、2円貯玉数が40玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が0玉、2円持玉数が100玉、1円持玉数が120玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(45玉+0玉)−{(40玉+100玉)×2円÷4円}−{(80玉+120玉)×1円÷4円}]≦0、であるため、0玉となる。
そして、計数処理が発生することなく、この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数100玉のうち80玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は40玉+80玉=120玉、2円持玉数は100玉−80玉=20玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[45玉+(120玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となるため、1円口座の貯玉数に、対応する1円口座の持玉数を加算させるまでもなく、乗入れ払出が実行可能となる。
即ち、複数の乗入れ元口座(2円口座及び1円口座)のうち一部の乗入れ元口座(2円口座)のみを対象とした貯玉移行処理を実行することにより、乗入れ払出が実行可能となる場合には、該一部の乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理を実行するようにしても良い。また、乗入れ元口座に対応した口座の持玉数(計数玉数)の全部を貯玉数に加算させるまでもなく、乗入れ払出が実行可能となる場合には、該持玉数(計数玉数)の一部のみを貯玉数に加算させるようにしても良い。
なお、変形例2では、乗入れ優先順位テーブルで定められた優先順位に従って、優先順位の高い乗入れ元口座(例えば、最優先の乗入れ元口座である2円口座)から優先的に貯玉移行処理を実行するようにしているが、このような形態に限らず、優先順位の低い乗入れ元口座(例えば、次に優先される乗入れ元口座である1円口座)から優先的に貯玉移行処理を実行するようにしても良い。
また、乗入れ優先順位テーブルで定められた優先順位とは関係無く、貯玉移行処理の対象とする乗入れ元口座の優先順位を会員管理装置150で設定して、設定された優先順位をカードユニット3に送信して記憶させ、カードユニット3及び会員管理装置150において、設定された優先順位に従って貯玉移行処理が実行されるようにしても良い。
(3)上記の実施形態では、乗入れ操作領域312bに操作されている貯玉移行ボタンを操作することにより、貯玉移行処理が実行されて、該乗入れ操作領域312bに、貯玉移行ボタンに代えて、貯玉払出を実行させるときに操作する乗入れ払出ボタンが表示される例について説明した。即ち、貯玉移行ボタンの操作が乗入れ払出の意思確認操作を兼ねており、共通の操作によって、貯玉移行処理及び乗入れ払出の意思確認が実行される例について説明した。
このような形態に限らず、乗入れ操作領域312bに表示された貯玉移行ボタンを操作することで、貯玉移行処理が実行され、貯玉移行処理の完了後に、遊技者の操作を要することなく続けて乗入れ払出が実行されるようにしても良い。上記の実施形態では、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンが表示される条件(貯玉移行処理を実行させる操作が可能となる条件)は、貯玉移行処理が実行されることによって乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出が可能となる場合である。そのため、貯玉移行ボタンの操作に応じて、貯玉移行処理の完了後に自動的に乗入れ払出を実行するようにしても良い。
このような構成とした場合には、貯玉移行処理を実行させる貯玉移行ボタンの操作が、乗入れ払出の意思確認操作及び乗入れ払出を実際に実行させる操作を兼ねており、共通の操作によって、貯玉移行処理及び乗入れ払出の意思確認、並びに乗入れ払出が実行される。これにより、乗入れ払出を実行させるための操作を簡素化することができる。
なお、乗入れ払出の意思確認が、前述したような会員管理装置150で管理されている暗証番号と、カードユニット3に入力された暗証番号との照合完了(暗証番号の一致)である場合には、照合完了によって、その後の遊技者の操作を要することなく自動的に貯玉移行処理が実行されるようにしても良く、照合完了によって、その後の遊技者の操作を要することなく自動的に貯玉移行処理及びその後の乗入れ払出が実行されるようにしても良い。
(4)上記の実施形態では、貯玉移行処理が実行されることによって乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出が実行可能となる場合にのみ、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンが表示され、貯玉移行処理を実行させる操作が可能(有効)となる例について説明した。これによれば、仮に貯玉移行処理を実行したとしても、貯玉移行処理後の乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満となることにより、乗入れ払出が実行できないという事態を防止して、遊技者の無駄な操作を回避することができる。
このような形態に限らず、仮に貯玉移行処理を実行したとしても、貯玉移行処理後の乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満となる場合であっても、貯玉移行ボタンを表示して、貯玉移行ボタンの操作によって貯玉移行処理を実行可能としても良い。このような構成とした場合には、貯玉移行処理によって、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の全部を移行させるようにすると良い。
(5)上記の実施形態では、カードユニット3が会員管理装置150と通信可能である場合にのみ、乗入れ払出が許容される例について説明したが、カードユニット3が会員管理装置150と通信不能な状態であっても、制御ユニット328が記憶している各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行可能としても良い。この場合には、乗入れ払出が実行されるときに、制御ユニット328側で記憶されている各口座の貯玉数が減算され、会員カードが排出されるときに、該会員カードに更新後(減算後)の各口座の貯玉数が記録されるようにすると良い。そして、会員管理装置150と通信可能なカードユニット3に会員カードが挿入されたときに、カードユニット3が受け付けた会員カードから読み取られた会員番号及び各口座の貯玉数が会員管理装置150に対して送信され、会員管理装置150では、受信した会員番号に関連付けられている各口座の貯玉数を、受信した各口座の貯玉数に更新するようにすると良い。
(6)上記の第2実施形態では、カードユニット3における遊技媒体の計数処理や持玉払出が実行されたときに、持玉管理装置140で管理されている持玉数が更新されず、会員カードが返却されるときに持玉管理装置140で管理されている持玉数が更新される例について説明したが、このような形態に限らず、遊技媒体の計数処理や持玉払出により制御ユニット328に記憶される持玉数が更新されるときに、該カードユニット3と持玉管理装置140との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中のカードのカードIDに対応付けて持玉管理テーブルで管理されている持玉数が、当該カードユニット3にて記憶されている持玉数に更新されるようにしても良い。
(7)上記の第3実施形態では、カードユニット3から会員カードが排出されるときに、該会員カードの会員番号及び制御ユニット328に記憶されていた各口座の計数玉数を含むカード排出通知を送信し、会員管理装置150では、受信したカード排出通知に含まれる会員番号に対応付けて管理している各口座の貯玉数に、該カード排出通知で指定される各口座の計数玉数を加算するようにしている(ただし、このとき実際に更新されるのはカードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみとなる)。このような形態に限らず、会員管理装置150において、貯玉数と当日貯玉数を別に管理するようにしておき、営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときに、各口座の貯玉数に、対応する口座の当日貯玉数を加算するようにしても良い。
具体的には、カードユニット3から会員カードが排出されるときに、該会員カードの会員番号及び制御ユニット328に記憶されていた各口座の計数玉数を含むカード排出通知を送信し、会員管理装置150では、受信したカード排出通知に含まれる会員番号に対応付けて管理している各口座の当日貯玉数に、該カード排出通知で指定される各口座の計数玉数を加算するようにする。そして、会員管理装置150では、営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときに、会員番号毎に、各口座の当日貯玉数を、対応する口座の貯玉数に加算する。
このような構成とした場合において、カードユニット3に会員カードが挿入されると、カードユニット3は、カードR/W327で受け付けた会員カードの会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている各口座の当日貯玉数を取得する。カードユニット3では、取得した当日貯玉数のうち、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の当日貯玉数を減算して遊技媒体の付与を行う付与処理が可能である。
そして、このような構成のカードユニット3において、乗入れ操作領域312bに表示された貯玉移行ボタンが操作されると、1以上の口座の当日貯玉数の一部又は全部が、対応する口座の貯玉数に移行される貯玉移行処理が実行される。このときの貯玉移行処理における当日貯玉数と貯玉数との関係は、第2実施形態における持玉数と貯玉数との関係と同様であり、例えば、図29の例1〜例4の説明における持玉数を当日貯玉数と読み替えると良い。
なお、このような当日貯玉数を管理する場合には、当日貯玉数と貯玉数とを同じコンピュータで管理せず、貯玉数は会員管理装置150で管理する一方、当日貯玉数は会員管理装置150と通信可能に接続され、双方向のデータ送信が可能な当日貯玉数管理コンピュータで管理するようにしても良い。
(8)上記の第2実施形態では、いずれの口座(4円,2円,1円)の持玉数を貯玉移行処理の対象とするかについて、予め定められた優先順位に従って決定される例について説明したが、このような形態に限らず、いずれの口座の持玉数を貯玉移行処理の対象とするかを、カードユニット3における遊技者の操作により選択可能としても良い。例えば、貯玉移行処理の対象として2円口座を選択することにより、4円口座、2円口座、及び1円口座のうち、2円口座の持玉数のみを、2円口座の貯玉数に加算させることが可能となる。
(9)上記の実施形態では、貯玉移行処理の対象となる口座の持玉数あるいは計数玉数のうち、何玉を貯玉に移行させるかに関して、乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上となるように自動的に設定される例について説明したが、このような形態に限らず、貯玉移行処理の対象となる口座の持玉数あるいは計数玉数のうち、何玉を移行させるかについて、遊技者の入力操作により設定可能としても良い。
(10)上記の実施形態では、遊技者の貯玉移行操作に基づいて、持玉数あるいは計数玉数の少なくとも一部が貯玉数に加算される例について説明したが、このような形態に限らず、遊技者の操作によらず持玉数あるいは計数玉数の少なくとも一部が貯玉数に自動的に加算されるようにしても良い。例えば、貯玉移行処理前の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行することはできないが、仮に貯玉移行処理を実行した場合には移行後の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行可能となる場合には、遊技者の操作によらず、各口座の持玉数あるいは計数玉数の少なくとも一部が貯玉数に自動的に加算されるようにしても良い。
なお、このような構成とする場合には、(1)現在の乗入れ先口座の貯玉数と乗入れ元口座の貯玉数をカードユニット3の基本単価の玉数に換算した玉数との合算玉数が、既に乗入れ払出を実行可能な基本払出玉数に達しているとき、(2)上記合算玉数が基本払出玉数に達しておらず且つ各口座の持玉数あるいは計数玉数を対応する各口座の貯玉数に加算したとしても、該加算後の上記合算玉数が基本払出玉数に達しないときには、上記のような自動的な加算を実行せず、(3)上記合算玉数が基本払出玉数に達していないが各口座の持玉数あるいは計数玉数を対応する各口座の貯玉数に加算した場合に、該加算後の上記合算玉数が基本払出玉数に達するときには、上記のような自動的な加算を実行可能とすると良い。
(11)上記の第2実施形態では、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3に挿入されたときに、カードユニット3が持玉管理装置140及び会員管理装置150から各口座の持玉数及び貯玉数を取得すると共に、持玉管理装置140及び会員管理装置150においても各口座の持玉数及び貯玉数を継続して記憶する例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3が持玉管理装置140及び会員管理装置150から各口座の持玉数及び貯玉数を取得したことに基づいて、持玉管理装置140及び会員管理装置150において対応するカードID及び会員番号の各口座の持玉数及び貯玉数を0にクリアするようにしても良い。このような構成とする場合には、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3から排出されるときに、カードユニット3で記憶されていた各口座の持玉数及び貯玉数が持玉管理装置140及び会員管理装置150に送信され、持玉管理装置140及び会員管理装置150において受信した持玉数及び貯玉数を、対応するカードID及び会員番号の各口座の持玉数及び貯玉数として記憶するようにすると良い。
(12)上記の第3実施形態では、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3に挿入されたときに、カードユニット3が会員管理装置150から各口座の貯玉数を取得すると共に、会員管理装置150においても各口座の貯玉数を継続して記憶する例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3が会員管理装置150から各口座の貯玉数を取得したことに基づいて、会員管理装置150において対応するカードID及び会員番号の各口座の貯玉数を0にクリアするようにしても良い。このような構成とする場合には、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3から排出されるときに、カードユニット3で記憶されていた各口座の貯玉数(ただし、カードユニット3の基本単価に対応した貯玉数については該貯玉数に計数玉数を合算した後の更新後の貯玉数)が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150において受信した各口座の貯玉数を、対応するカードID及び会員番号の各口座の貯玉数として記憶するようにすると良い。
(13)上記の実施形態では、カードユニット3にて貨幣が受け付けられる毎に、また、カードユニット3でプリペイド払出が実行される毎に、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が更新されると共に、カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が実行され、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額も更新される例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3にて貨幣が受け付けられたとき、カードユニット3でプリペイド払出が実行されたときには、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が更新される一方で、カードユニット3と残額管理装置100との間では通信が実行されず、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額が更新されないようにしても良い。
このような構成とする場合には、カードユニット3からカードが返却されるときに、該カードのカードIDと制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額とを含む情報が残額管理装置100に送信され、残額管理装置140において、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額を、受信したプリペイド残額に更新するようにすると良い。
(14)上記の実施形態では、カードユニット3にて貯玉払出や乗入れ払出が実行される毎に、制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数が更新されると共に、カードユニット3と会員管理装置150との間で通信が実行され、会員管理装置150で管理されている各口座(1以上の口座)の貯玉数も更新される例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3にて貯玉払出や乗入れ払出が実行されたときには、制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数が更新される一方で、カードユニット3と会員管理装置150との間では通信が実行されず、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数は更新されないようにしても良い。
このような構成とする場合には、カードユニット3から会員カードが返却されるときに、該会員カードの会員番号と制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数とを含む情報が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150において、受信した会員番号に対応付けて管理している各口座の貯玉数を、受信した各口座の貯玉数に更新するようにすると良い。
(15)上記の実施形態では、カードR/W327からカードが返却されることに伴い、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードが供給される例について説明したが、このような形態に限らず、カードR/W327からカードが返却されるときには、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードを搬送しないようにしても良い。即ち、カードR/W327の所定位置にカードが存在しない状態で、貨幣受付及びプリペイド払出、並びに、計数処理及び持玉払出を実行可能としても良い。
このような構成とした場合には、上記(13)に示したように、貨幣受付及びプリペイド払出に基づいて制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額が更新される一方で、カードユニット3と残額管理装置100との間では通信が実行されず残額管理装置100で管理されているプリペイド残額は更新されない構成とすると良い。また、上記実施形態のように、計数処理及び持玉払出に基づいて制御ユニット328に記憶されている基本単価の持玉数が更新される一方で、カードユニット3と持玉管理装置140との間では通信が実行されず持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数は更新されない構成とすると良い。
そして、カードR/W327の所定位置にカードが存在しない状態で(カードR/W327にカードが受け付けられていない状態で)、返却ボタン22が操作されると、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードを搬送し、該所定位置のビジターカードのカードIDと制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額とを含む情報を残額管理装置100に送信すると共に、該所定位置のビジターカードのカードIDと制御ユニット328で記憶している各口座の持玉数とを含むカード排出通知を持玉管理装置140に送信し、さらに、該所定位置のビジターカードに制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額並びに各口座の持玉数及び日付を記録して返却すると良い。
カードユニット3から上記の情報を受信した残額管理装置100では、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額を、受信したプリペイド残額に更新する。また、カードユニット3から上記のカード排出通知を受信した持玉管理装置140では、受信したカードIDに対応付けて管理している各口座の持玉数を、受信した各口座の持玉数に更新する。
(16)上記の実施形態では、例えば図27(6)において、乗入れ払出ボタンが操作されると、乗入れ払出が行われる例について説明したが、これに限らず、例えば乗入れ手続ボタンが操作され、暗証番号の入力がされた後に、該乗入れ払出ボタンが操作されると、乗入れ払出が行われるものであってもよい。この場合において、該乗入れ手続ボタンが操作された後、乗入れ払出ボタンが操作される前(例えば、乗入れ手続ボタン操作は完了しているが暗証番号入力操作が完了していない場合や、あるいは、乗入れ手続ボタン操作と暗証番号入力操作は完了しているが乗入れ払出ボタン操作が完了していない場合)に遊技媒体が計数されたことに基づいて、計数付与処理(持玉払出)が実行可能になる場合には、該計数付与処理が実行可能となることを特定可能に報知(例えば表示部312に「持玉を使用できます。」と表示)するのが好ましい。これによれば、乗入れ付与処理を実行せずとも遊技媒体の付与が可能となることを把握できるため遊技者の利便性を高めることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、乗入れ付与処理(乗入れ払出)が可能な遊技媒体数(貯玉数)に上限を設けて該乗入れ払出の実行を制限するものにおいて、該乗入れ付与処理の実行の制限について遊技場が条件を設定できるような遊技用システム1である。具体的には、カードユニット3における基本単価が一の付与レート(自台レート)である場合において、後述する図34のD5001に示すように、乗入れ払出に使用される他の付与レート(他レート)の貯玉数の累積値が第1の上限値に達する場合に該乗入れ払出の実行を制限する第1の制限(「乗入れ元基準の制限」)、乗入れ払出により付与される一の付与レートに対応する貯玉数の累積値が第2の上限値に達する場合に乗入れ払出の実行を制限する第2の制限(「乗入れ先基準の制限」)、その他の制限のうちの、いずれにより乗入れ払出の実行の制限を行うかを設定可能であるかことを特徴とする。
そして、ここで設定された制限に基づき、第1実施形態の貯玉払出処理における乗入れ払出(図15のS134)、並びに第2,第3実施形態の乗入れ払出(図21のS2070,図22のS3030)が行われる前に、後述する図36,図38,図40,又は図42に示す上限判定が行われ、前記累積値が前記上限値に達していなければ、当該乗入れ払出が行われる。即ち第4実施形態は、前記第1〜第3実施形態のいずれにも適用可能なものである。
以下、第4実施形態について、図34〜図42を参照して説明する。なお、以下においては、乗入れ払出に使用される付与レートが4円と1円の2つである場合について説明する。また、以下においては、持玉の乗入れ払出ではなく、貯玉の乗入れ払出について説明する。持玉を使用した再プレイと同じように貯玉を使用した再プレイが無制限に行われると、遊技場が損をするからである。具体的には、貯玉を特殊景品に一旦交換し、該特殊景品に基づいてパチンコ玉を付与する場合には、等価交換ではないことが多い(例えば4円貯玉が3円相当になる)ため、交換ギャップ(本例では4円−3円=1円)が遊技場の利益となるところ、貯玉をそのまま(つまり等価で)遊技に使用する再プレイの場合には、遊技場が該交換ギャップが得られないからである。
図33は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、会員管理装置150の記憶装置155が記憶している、再プレイ消費玉数管理テーブルの一例を示す図であり、(a)は累計ver.,(b)は減算ver.である。なお、(b)の減算ver.については、累積ver.の説明(図38まで)が終わった後に説明する。
(a)の累計ver.の再プレイ消費玉数管理テーブルでは、すべての会員遊技者について、各会員番号に対応付けて、乗入れ元又は乗入れ先となった4円貯玉数の累積値と、乗入れ元又は乗入れ先となった1円貯玉数の累積値と、該4円貯玉数の累積値と1円貯玉数の累積値との合計が、営業当日において管理されている。従って、再プレイ消費玉数管理テーブルの記憶内容は、翌日の営業開始前にはリセットされる。
この再プレイ消費玉数管理テーブルで管理される累積値は、次に述べる図34のD5001において、乗入れ元基準の制限が設定された場合には、乗入れ元となった4円貯玉数及び1円貯玉数の累積値であり、また乗入れ先基準の制限が設定された場合には、乗入れ先となった4円貯玉数及び1円貯玉数の累積値であり、また合計基準の制限が設定された場合には、乗入れ元並びに乗入れ先となった4円貯玉数及び1円貯玉数の累積値である。
ここで会員管理装置150は、会員カードが受け付けられたカードユニット3から、当該会員カードの会員番号を受信すると、該受信した会員番号に対応付けて再プレイ消費玉数管理テーブルで管理している4円貯玉数,1円貯玉数,及び合計の累積値を、当該カードユニット3に対して返信する。次にカードユニット3は、該受信した再プレイ消費玉数を制御ユニット328のRAM328bで記憶して、後述する図35に示すように、再プレイ(通常再プレイ及び乗入れ再プレイ)の実行に伴い、該記憶している累積値を加算更新し、該会員カードが返却されると、会員番号と、該記憶している更新後の累積値とを特定可能な更新要求を、会員管理装置150に対して送信する。そして会員管理装置150は、該受信した更新要求から特定される会員番号に対応付けて再プレイ消費玉数管理テーブルで管理している4円貯玉数,1円貯玉数,及び合計の累積値を、該更新要求から特定される累積値に更新する。即ち、会員管理装置150が記憶している再プレイ消費玉数管理テーブルは、カードユニット3で再プレイが実行される毎に更新されるのではなく、カードユニット3から更新要求を受信したことに基づいて更新されるので、通信負荷を低減できる。
図34は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、会員管理装置150の表示装置157に表示される、乗入れ再プレイ設定画面の一例を示す図である。この乗入れ再プレイ設定画面は、遊技場の営業終了後又は営業開始前に表示されて、D5001の判定種別や、D5002の上限値を設定可能なものである。なお、遊技場の営業中に表示されて、判定種別や上限値を設定可能としてもよい。
まずD5001では、上限判定の判定種別として、乗入れ元基準,乗入れ先基準,又は合計基準のいずれかを選択するためのラジオボタンが表示される。ここで乗入れ元基準は、乗入れ払出に使用される他レートの貯玉数の累積値が第1の上限値に達する場合に該乗入れ払出の実行を制限するものである。また、乗入れ先基準は、乗入れ払出により付与される自台レートに対応する貯玉数の累積値が第2の上限値に達する場合に乗入れ払出の実行を制限するものである。また、合計基準は、乗入れ払出に使用される他レートの貯玉数の累積値と乗入れ払出により付与される自台レートに対応する貯玉数の累積値との合計が第3の上限値に達する場合に乗入れ払出の実行を制限するものである。このD5001で、いずれかのラジオボタンを選択して、「次へ」ボタンを操作すると、D5002に進む。
D5002では、付与レート毎に上限値を設定するか、又は付与レートの種類にかかわらず共通に適用される上限値を設定するかを選択するためのラジオボタンと、付与レート毎に上限値を設定する場合における付与レート毎の上限値の入力欄と、共通に適用される上限値を設定する場合における上限値の入力欄とが表示される。このように、付与レート毎に上限値を設定することにより、遊技の幅が広がり、興趣の向上が見込まれるので、遊技機の稼働を向上できる。また、共通に適用される上限値を設定することにより、付与レートの種類毎に累積値を管理して上限値に達するかを判定しなくてよいので、該判定の負担を軽減できる。
なお、本例では、付与レート毎に上限値を設定する場合において、4円貯玉数の累積値の上限値が2500玉,1円貯玉数の累積値の上限値も2500玉と、両者が同数となるように設定しているが、これに限らず、例えば4円貯玉数の累積値の上限値が2500玉,1円貯玉数の累積値の上限値が10000玉と、両者が同価値となるように設定してもよく、その他任意に設定してもよい。
このD5002で、いずれかのラジオボタンを選択し、上限値を入力して、「設定」ボタンを操作すると、D5001及びD5002で選択及び入力された設定内容が、会員管理装置150で記憶されると共に、該会員管理装置150から各カードユニット3に対して送信され、各カードユニット3でも記憶されて、後述する上限判定に用いられる。
図35は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、再プレイが行われた場合における、カードユニット3が記憶している再プレイ消費玉数の、累計ver.の更新を示す図である。なお、初期状態は、図33(a)に示すように、会員番号K−00001について、4円累積値,1円累積値,及び合計累積値が、いずれも0である(即ち、この日はまだ再プレイを行っていない)ものとする。
まず(a)は、基本単価が4円のカードユニット3(以下、「4円ユニット」と称する。)において、通常再プレイが行われた場合である。この通常再プレイでは、4円貯玉125玉を使用して4円玉125玉を付与する。よって、基本単価である4円貯玉の累積値が0であるところに、使用した125玉を加算更新して、4円貯玉の累積値を125玉とし、合計累積値も125玉とする。
次に(b)は、同じく4円ユニットにおいて、1円貯玉を使用して4円玉を付与する乗入れ再プレイが行われた場合である。この乗入れ再プレイ(全部乗入れ)では、1円貯玉500玉を使用して4円玉125玉を付与する。ここでの更新は、前記図34のD5001で選択された判定種別によって異なる。
第1に、乗入れ元基準の場合には、乗入れ元である1円貯玉の累積値が0であるところに、使用した500玉を加算更新して、(b1)に示すように、1円貯玉の累積値を500玉とし、合計累積値も500玉とする。
第2に、乗入れ先基準の場合には、乗入れ先である4円貯玉の累積値が0であるところに、付与した125玉を加算更新して、(b2)に示すように、4円貯玉の累積値を125玉とし、合計累積値も125玉とする。
第3に、合計基準の場合には、乗入れ先である4円貯玉の累積値が0であるところに、付与した125玉を加算更新し、かつ、乗入れ元である1円貯玉の累積値が0であるところに、使用した500玉を加算更新して、(b3)に示すように、4円貯玉の累積値を125玉,1円貯玉の累積値を500玉とし、合計累積値を両者の合計である625玉とする。
次に(a’)は、基本単価が1円のカードユニット3(以下、「1円ユニット」と称する。)において、通常再プレイが行われた場合である。この通常再プレイでは、1円貯玉200玉を使用して1円玉200玉を付与する。よって、基本単価である1円貯玉の累積値が0であるところに、使用した200玉を加算更新して、1円貯玉の累積値を200玉とし、合計累積値も200玉とする。
次に(b’)は、同じく1円ユニットにおいて、4円貯玉を使用して1円玉を付与する乗入れ再プレイが行われた場合である。この乗入れ再プレイ(全部乗入れ)では、4円貯玉50玉を使用して1円玉200玉を付与する。ここでの更新は、前記図34のD5001で選択された判定種別によって異なる。
第1に、乗入れ元基準の場合には、乗入れ元である4円貯玉の累積値が0であるところに、使用した50玉を加算更新して、(b1’)に示すように、4円貯玉の累積値を50玉とし、合計累積値も50玉とする。
第2に、乗入れ先基準の場合には、乗入れ先である1円貯玉の累積値が0であるところに、付与した200玉を加算更新して、(b2’)に示すように、1円貯玉の累積値を200玉とし、合計累積値も200玉とする。
第3に、合計基準の場合には、乗入れ先である1円貯玉の累積値が0であるところに、付与した200玉を加算更新し、かつ、乗入れ元である4円貯玉の累積値が0であるところに、使用した50玉を加算更新して、(b3’)に示すように、4円貯玉の累積値を50玉,1円貯玉の累積値を200玉とし、合計累積値を両者の合計である250玉とする。
図36は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、カードユニット3が実行する上限判定処理の、累計ver.を示すフローチャートである。この上限判定は、前述の如く、第1実施形態の貯玉払出処理における乗入れ払出(図15のS134)、並びに第2,第3実施形態の乗入れ払出(図21のS2070,図22のS3030)が行われる前に、実行される。
まず、記憶している判定基準が、乗入れ元基準であるか(S5101でYES),乗入れ先基準であるか(S5102でYES),合計基準であるか(S5102でNO)を判定する。
判定基準が乗入れ元基準である場合には(S5101でYES)、乗入れ元レートの累積値に、今回使用数を仮加算する(S5111)。例えば、前記図35(b1)のように、4円ユニットにおいて1円貯玉からの乗り入れを行う場合には、乗入れ元である1円貯玉の累積値に、今回使用する500玉を仮加算する。そして、該仮加算後の累積値が、前記図34のD5002で設定されてカードユニット3で記憶している乗入れ元レートの上限値以下であるか否かを判定する(S5112)。
このS5112で仮加算後の累積値(例えば500玉)が乗入れ元レート(例えば4円)の上限値(例えば2500玉)以下である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5113)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理では、他レートの貯玉数(例えば1円貯玉500玉)を使用して、そのすべてに対応する自台レートの玉(例えば4円玉125玉)を付与する。そして、記憶している乗入れ元レートの累積値に、該使用した玉数を加算する。例えば、前記図35(b1)のように、乗入れ元である1円貯玉の累積値に、今回使用した500玉を加算する。
一方、S5112で仮加算後の累積値が乗入れ元レートの上限値を超える(NO)と判定した場合には、仮加算前の累積値が、記憶している乗入れ元レートの上限値に達しているか否かを判定する(S5114)。
このS5114で仮加算前の累積値(例えば2500玉)が乗入れ元レート(例えば1円)の上限値(例えば2500玉)に達している(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5116)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理では、乗入れ払出の実行を制限(例えば禁止)し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達しているため、乗入れ払出ができません』と表示)する。
一方、S5114で仮加算前の累積値(例えば2200玉)が乗入れ元レート(例えば1円)の上限値(例えば2500玉)に達していない(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5115)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、上限値に達するまでの範囲内で乗入れ払出を実行するものであり、使用する他レートの貯玉数(例えば1円貯玉300玉)に対応する自台レートの玉(例えば4円玉75玉)を付与し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達するので、部分乗入れを行います』と表示)する。そして、記憶している乗入れ元レートの累積値に、該使用した玉数を加算する。
例えば、図37(a1)のように、1円貯玉の累積値が2200玉である状態で、前記S5111の仮加算を行うと、仮加算後の累積値が2700玉となり、上限値である2500玉を超えるので、1円貯玉300玉のみを使用する部分乗入れを行って、4円玉75玉を付与する。ここで75玉は、払出単位である25玉の整数倍なので、すべてがパチンコ機2から払い出される。そして、図37(b1)のように、乗入れ元である1円貯玉の累積値に、今回使用した300玉を加算する。これにより、1円貯玉の累積値が2500玉となるので、次回乗入れ払出を行おうとしても、前記S5114でYESと判定されて、乗入れ払出は行われない。
このように、上限値に達するまでの範囲内で部分乗入れを実行するので、遊技者が不利益を被ることなく遊技をさせることができる。また、該部分乗入れの実行を特定可能に報知するので、遊技者に不信感を与えることを防止できる。
図36に戻り、判定基準が乗入れ先基準である場合には(S5102でYES)、乗入れ先レートの累積値に、今回付与数を仮加算する(S5121)。例えば、前記図35(b2)のように、4円ユニットにおいて1円貯玉からの乗り入れを行う場合には、乗入れ先である4円貯玉の累積値に、今回付与する125玉を仮加算する。そして、該仮加算後の累積値が、前記図34のD5002で設定されてカードユニット3で記憶している乗入れ元レートの上限値以下であるか否かを判定する(S5122)。
このS5122で仮加算後の累積値(例えば125玉)が乗入れ先レート(例えば4円)の上限値(例えば2500玉)以下である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5123)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理では、他レートの貯玉数(例えば1円貯玉500玉)を使用して、そのすべてに対応する自台レートの玉(例えば4円玉125玉)を付与する。そして、記憶している乗入れ先レートの累積値に、該付与した玉数を加算する。例えば、前記図35(b2)のように、乗入れ先である4円貯玉の累積値に、今回付与した125玉を加算する。
一方、S5122で仮加算後の累積値が乗入れ先レートの上限値を超える(NO)と判定した場合には、仮加算前の累積値が、記憶している乗入れ先レートの上限値に達しているか否かを判定する(S5124)。
このS5124で仮加算前の累積値(例えば2500玉)が乗入れ先レート(例えば4円)の上限値(例えば2500玉)に達している(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5126)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5116と同じである。
一方、S5124で仮加算前の累積値(例えば2400玉)が乗入れ先レート(例えば4円)の上限値(例えば2500玉)に達していない(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5125)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、上限値に達するまでの範囲内で乗入れ払出を実行するものであり、使用する他レートの貯玉数(例えば1円貯玉400玉)に対応する自台レートの玉(例えば4円玉100玉)を付与し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達するので、部分乗入れを行います』と表示)する。そして、記憶している乗入れ先レートの累積値に、該付与した玉数を加算する。
例えば、図37(a2)のように、4円貯玉の累積値が2400玉である状態で、前記S5121の仮加算を行うと、仮加算後の累積値が2525玉となり、上限値である2500玉を超えるので、1円貯玉400玉のみを使用する部分乗入れを行って、4円玉100玉を付与する。ここで100玉は、払出単位である25玉の整数倍なので、すべてがパチンコ機2から払い出される。そして、図37(b2)のように、乗入れ先である4円貯玉の累積値に、今回付与した100玉を加算する。これにより、4円貯玉の累積値が2500玉となるので、次回乗入れ払出を行おうとしても、前記S5124でYESと判定されて、乗入れ払出は行われない。
図36に戻り、判定基準が合計基準である場合には(S5102でNO)、各レート合計の累積値に、今回使用数と今回付与数を仮加算する(S5131)。例えば、前記図35(b3)のように、4円ユニットにおいて1円貯玉からの乗り入れを行う場合には、合計の累積値に、今回使用する500玉と今回付与する125玉とを仮加算する。そして、該仮加算後の累積値が、前記図34のD5002で設定されてカードユニット3で記憶している共通の上限値以下であるか否かを判定する(S5132)。
このS5132で仮加算後の累積値(例えば625玉)が共通の上限値(図示していないが、例えば2500玉)以下である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5133)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理では、他レートの貯玉数(例えば1円貯玉500玉)を使用して、そのすべてに対応する自台レートの玉(例えば4円玉125玉)を付与する。そして、記憶している乗入れ元レートの累積値に、該使用した玉数を加算し、乗入れ先レートの累積値に、該付与した玉数を加算し、合計の累積値に、使用した玉数と付与した玉数を加算する。例えば、前記図35(b2)のように、乗入れ元である1円貯玉の累積値に、今回使用した500玉を加算し、乗入れ先である4円貯玉の累積値に、今回付与した125玉を加算し、合計の累積値に、該500玉と125玉を加算する。
一方、S5132で仮加算後の累積値が上限値を超える(NO)と判定した場合には、仮加算前の累積値が、記憶している合計の上限値に達しているか否かを判定する(S5134)。
このS5134で仮加算前の累積値(例えば2500玉)が共通の上限値(例えば2500玉)に達している(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5136)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5116と同じである。
一方、S5134で仮加算前の累積値(例えば2400玉)が共通の上限値(例えば2500玉)に達していない(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5135)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、上限値に達するまでの範囲内で乗入れ払出を実行するものであり、使用する他レートの貯玉数(例えば1円貯玉80玉)に対応する自台レートの玉(例えば4円玉20玉)を付与し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達するので、部分乗入れを行います』と表示)する。具体的に、使用する他レートの貯玉数Xと付与する自台レートの払出玉数Yは、
・他レート1円×貯玉数X=自台レート4円×払出玉数Y
・累積値2400玉+貯玉数X+払出玉数Y=上限値2500玉
の連立方程式の解である。そして、記憶している乗入れ元レートの累積値に、該使用した玉数を加算し、乗入れ先レートの累積値に、該付与した玉数を加算し、合計の累積値に、使用した玉数と付与した玉数を加算する。
例えば、図37(a3)のように、合計の累積値が2400玉である状態で、前記S5131の仮加算を行うと、仮加算後の累積値が3025玉となり、上限値である2500玉を超えるので、1円貯玉80玉のみを使用する部分乗入れを行って、4円玉20玉を付与する。ここで20玉は、払出単位である25玉の整数倍ではないので、計数・端数払出ユニット340から払い出される。そして、図37(b3)のように、乗入れ元である1円貯玉の累積値に、今回使用した80玉を加算し、乗入れ先である4円貯玉の累積値に、今回付与した20玉を加算し、合計の累積値に、該80玉と20玉を加算する。これにより、合計の累積値が2500玉となるので、次回乗入れ払出を行おうとしても、前記S5134でYESと判定されて、乗入れ払出は行われない。
図38は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、カードユニット3が実行する上限判定処理の、累計ver.の変形例を示すフローチャートである。
この図38では、前記図36と同様に、まず、記憶している判定基準が、乗入れ元基準であるか(S5101でYES),乗入れ先基準であるか(S5102でYES),合計基準であるか(S5102でNO)を判定する。
判定基準が乗入れ元基準である場合には(S5101でYES)、乗入れ元レートの累積値が、前記図34のD5002で設定されてカードユニット3で記憶している乗入れ元レートの上限値に達しているか否かを判定する(S5111’)。このS5111’で乗入れ元レートの累積値が乗入れ元レートの上限値に達している(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5112’)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5116と同じである。
一方、S5111’で乗入れ元レートの累積値が乗入れ元レートの上限値に達していない(YES)と判定した場合には、乗入れ元レートの累積値に、今回使用数を仮加算する(S5113’)。この仮加算は、前記S5111と同じである。そして、該仮加算後の累積値が、乗入れ元レートの上限値以下であるか否かを判定する(S5114’)。
このS5114’で仮加算後の累積値が乗入れ元レートの上限値以下である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5115’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理は、前記S5113と同じである。
一方、S5114’で仮加算後の累積値が乗入れ元レートの上限値を超える(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5116’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、前記S5115と同じである。
判定基準が乗入れ先基準である場合には(S5102でYES)、乗入れ先レートの累積値が、前記図34のD5002で設定されてカードユニット3で記憶している乗入れ先レートの上限値に達しているか否かを判定する(S5121’)。このS5121’で乗入れ先レートの累積値が乗入れ先レートの上限値に達している(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5122’)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5126と同じである。
一方、S5121’で乗入れ先レートの累積値が乗入れ先レートの上限値に達していない(YES)と判定した場合には、乗入れ先レートの累積値に、今回付与数を仮加算する(S5123’)。この仮加算は、前記S5121と同じである。そして、該仮加算後の累積値が、乗入れ先レートの上限値以下であるか否かを判定する(S5124’)。
このS5124’で仮加算後の累積値が乗入れ先レートの上限値以下である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5125’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理は、前記S5123と同じである。
一方、S5124’で仮加算後の累積値が乗入れ先レートの上限値を超える(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5126’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、前記S5125と同じである。
判定基準が合計基準である場合には(S5102でNO)、合計の累積値が、前記図34のD5002で設定されてカードユニット3で記憶している共通の上限値に達しているか否かを判定する(S5131’)。このS5131’で合計の累積値が共通の上限値に達している(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5132’)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5136と同じである。
一方、S5131’で合計の累積値が共通の上限値に達していない(YES)と判定した場合には、合計の累積値に、今回使用数と今回付与数を仮加算する(S5133’)。この仮加算は、前記S5131と同じである。そして、該仮加算後の累積値が、共通の上限値以下であるか否かを判定する(S5134’)。
このS5134’で仮加算後の累積値が共通の上限値以下である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5135’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理は、前記S5133と同じである。
一方、S5134’で仮加算後の累積値が共通の上限値を超える(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5136’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、前記S5135と同じである。
この図38に示す変形例によれば、累積値が既に上限値に達している場合には、直ちに乗入れ払出制限処理が行われ、仮加算を行わなくて済むので、処理負荷が軽減される。
以上の説明では、使用した貯玉数や付与した貯玉数を累積した累積値を管理し、該累積値が上限値に達する場合に乗入れ払出の実行が制限される、累積ver.について説明したが、使用した貯玉数や付与した貯玉数を上限値から減算した残数を管理し、該残数が0になる場合に乗入れ払出の実行が制限される、減算ver.であってもよい。即ち、累積ver.において累積値が上限値に達することと、減算ver.において残数が0になることとは、同じ意味である。以下、図33(b)と、図39〜図42を参照して、減算ver.について説明する。
図33(b)の減算ver.の再プレイ消費玉数管理テーブルでは、すべての会員遊技者について、各会員番号に対応付けて、乗入れ元又は乗入れ先となった4円貯玉数の残数と、乗入れ元又は乗入れ先となった1円貯玉数の残数と、該4円貯玉数及び1円貯玉数の残数が、営業当日において管理されている。従って、再プレイ消費玉数管理テーブルの記憶内容は、翌日の営業開始前にはリセットされる。この「残数」は、乗入れ払出における使用数や付与数を、前記図34のD5002で設定された上限値から減じた値である。
この再プレイ消費玉数管理テーブルで管理される残数は、前記図34のD5001において、乗入れ元基準の制限が設定された場合には、乗入れ元となった4円貯玉数及び1円貯玉数を上限値から減じた値であり、また乗入れ先基準の制限が設定された場合には、乗入れ先となった4円貯玉数及び1円貯玉数を上限値から減じた値であり、また合計基準の制限が設定された場合には、乗入れ元並びに乗入れ先となった4円貯玉数及び1円貯玉数を上限値から減じた値である。
ここで会員管理装置150は、会員カードが受け付けられたカードユニット3から、当該会員カードの会員番号を受信すると、該受信した会員番号に対応付けて再プレイ消費玉数管理テーブルで管理している4円貯玉数,1円貯玉数,及び合計の残数を、当該カードユニット3に対して返信する。次にカードユニット3は、該受信した再プレイ消費玉数を制御ユニット328のRAM328bで記憶して、後述する図39に示すように、再プレイ(通常再プレイ及び乗入れ再プレイ)の実行に伴い、該記憶している残数を減算更新し、該会員カードが返却されると、会員番号と、該記憶している更新後の残数とを特定可能な更新要求を、会員管理装置150に対して送信する。そして会員管理装置150は、該受信した更新要求から特定される会員番号に対応付けて再プレイ消費玉数管理テーブルで管理している4円貯玉数,1円貯玉数,及び合計の残数を、該更新要求から特定される残数に更新する。即ち、会員管理装置150が記憶している再プレイ消費玉数管理テーブルは、カードユニット3で再プレイが実行される毎に更新されるのではなく、カードユニット3から更新要求を受信したことに基づいて更新されるので、通信負荷を低減できる。
図39は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、再プレイが行われた場合における、カードユニット3が記憶している再プレイ消費玉数の、減算ver.の更新を示す図である。なお、初期状態は、図示しないが、会員番号K−00001について、4円残数,1円残数,及び合計残数が、いずれも上限値の2500である(即ち、この日はまだ再プレイを行っていない)ものとする。
まず(a)は、4円ユニットにおいて、通常再プレイが行われた場合である。この通常再プレイでは、4円貯玉125玉を使用して4円玉125玉を付与する。よって、基本単価である4円貯玉の残数が2500であるところから、使用した125玉を減算更新して、4円貯玉の残数を2375玉とし、合計残数も2375玉とする。
次に(b)は、同じく4円ユニットにおいて、1円貯玉を使用して4円玉を付与する乗入れ再プレイが行われた場合である。この乗入れ再プレイ(全部乗入れ)では、1円貯玉500玉を使用して4円玉125玉を付与する。ここでの更新は、前記図34のD5001で選択された判定種別によって異なる。
第1に、乗入れ元基準の場合には、乗入れ元である1円貯玉の残数が2500であるところから、使用した500玉を減算更新して、(b1)に示すように、1円貯玉の残数を2000玉とし、合計残数も2000玉とする。
第2に、乗入れ先基準の場合には、乗入れ先である4円貯玉の残数が2500であるところから、付与した125玉を減算更新して、(b2)に示すように、4円貯玉の残数を2375玉とし、合計残数も2375玉とする。
第3に、合計基準の場合には、乗入れ先である4円貯玉の残数が2500であるところから、付与した125玉を減算更新し、かつ、乗入れ元である1円貯玉の残数が2500であるところから、使用した500玉を減算更新して、(b3)に示すように、4円貯玉の残数を2375玉,1円貯玉の残数を2000玉とし、合計残数を1875玉とする。
次に(a’)は、1円ユニットにおいて、通常再プレイが行われた場合である。この通常再プレイでは、1円貯玉200玉を使用して1円玉200玉を付与する。よって、基本単価である1円貯玉の残数が2500であるところから、使用した200玉を減算更新して、1円貯玉の残数を2300玉とし、合計残数も2300玉とする。
次に(b’)は、同じく1円ユニットにおいて、4円貯玉を使用して1円玉を付与する乗入れ再プレイが行われた場合である。この乗入れ再プレイ(全部乗入れ)では、4円貯玉50玉を使用して1円玉200玉を付与する。ここでの更新は、前記図34のD5001で選択された判定種別によって異なる。
第1に、乗入れ元基準の場合には、乗入れ元である4円貯玉の残数が2500であるところから、使用した50玉を減算更新して、(b1’)に示すように、4円貯玉の残数を2450玉とし、合計残数も2450玉とする。
第2に、乗入れ先基準の場合には、乗入れ先である1円貯玉の残数が2500であるところから、付与した200玉を減算更新して、(b2’)に示すように、1円貯玉の残数を2300玉とし、合計残数も2300玉とする。
第3に、合計基準の場合には、乗入れ先である1円貯玉の残数が2500であるところから、付与した200玉を減算更新し、かつ、乗入れ元である4円貯玉の残数が2500であるところから、使用した50玉を減算更新して、(b3’)に示すように、4円貯玉の残数を2450玉,1円貯玉の残数を2300玉とし、合計残数を2250玉とする。
図40は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、カードユニット3が実行する上限判定処理の、減算ver.を示すフローチャートである。この上限判定は、前述の如く、第1実施形態の貯玉払出処理における乗入れ払出(図15のS134)、並びに第2,第3実施形態の乗入れ払出(図21のS2070,図22のS3030)が行われる前に、実行される。
まず、記憶している判定基準が、乗入れ元基準であるか(S5201でYES),乗入れ先基準であるか(S5202でYES),合計基準であるか(S5202でNO)を判定する。
判定基準が乗入れ元基準である場合には(S5201でYES)、乗入れ元レートの残数から、今回使用数を仮減算する(S5211)。例えば、前記図39(b1)のように、4円ユニットにおいて1円貯玉からの乗り入れを行う場合には、乗入れ元である1円貯玉の残数から、今回使用する500玉を仮減算する。そして、該仮減算後の残数が、0以上であるか否かを判定する(S5212)。
このS5212で仮減算後の残数が0以上である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5213)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理では、他レートの貯玉数(例えば1円貯玉500玉)を使用して、そのすべてに対応する自台レートの玉(例えば4円玉125玉)を付与する。そして、記憶している乗入れ元レートの残数から、該使用した玉数を減算する。例えば、前記図39(b1)のように、乗入れ元である1円貯玉の残数から、今回使用した500玉を減算する。
一方、S5212で仮減算後の残数が0未満である(NO)と判定した場合には、仮減算前の残数が、0であるか否かを判定する(S5214)。
このS5214で仮減算前の残数が0である(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5216)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理では、乗入れ払出の実行を制限(例えば禁止)し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達しているため、乗入れ払出ができません』と表示)する。
一方、S5214で仮減算前の残数が0ではない(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5215)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、残数が0に達するまでの範囲内で乗入れ払出を実行するものであり、使用する他レートの貯玉数(例えば1円貯玉300玉)に対応する自台レートの玉(例えば4円玉75玉)を付与し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達するので、部分乗入れを行います』と表示)する。そして、記憶している乗入れ元レートの残数から、該使用した玉数を減算する。
例えば、図41(a1)のように、1円貯玉の残数が300玉である状態で、前記S5211の仮減算を行うと、仮減算後の残数が−200玉となり、0を下回るので、1円貯玉300玉のみを使用する部分乗入れを行って、4円玉75玉を付与する。ここで75玉は、払出単位である25玉の整数倍なので、すべてがパチンコ機2から払い出される。そして、図41(b1)のように、乗入れ元である1円貯玉の残数から、今回使用した300玉を減算する。これにより、1円貯玉の残数が0玉となるので、次回乗入れ払出を行おうとしても、前記S5214でYESと判定されて、乗入れ払出は行われない。
このように、残数が0に達するまでの範囲内で部分乗入れを実行するので、遊技者が不利益を被ることなく遊技をさせることができる。また、該部分乗入れの実行を特定可能に報知するので、遊技者に不信感を与えることを防止できる。
図40に戻り、判定基準が乗入れ先基準である場合には(S5202でYES)、乗入れ先レートの残数から、今回付与数を仮減算する(S5221)。例えば、前記図39(b2)のように、4円ユニットにおいて1円貯玉からの乗り入れを行う場合には、乗入れ先である4円貯玉の残数から、今回付与する125玉を仮減算する。そして、該仮減算後の残数が、0以上であるか否かを判定する(S5222)。
このS5222で仮減算後の残数(例えば125玉)が0以上である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5223)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理では、他レートの貯玉数(例えば1円貯玉500玉)を使用して、そのすべてに対応する自台レートの玉(例えば4円玉125玉)を付与する。そして、記憶している乗入れ先レートの残数から、該付与した玉数を減算する。例えば、前記図39(b2)のように、乗入れ先である4円貯玉の残数から、今回付与した125玉を減算する。
一方、S5222で仮減算後の残数が0未満であると判定した場合には、仮減算前の残数が、0であるか否かを判定する(S5224)。
このS5224で仮減算前の残数が0であると判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5226)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5216と同じである。
一方、S5224で仮減算前の残数が0ではない(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5225)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、残数が0に達するまでの範囲内で乗入れ払出を実行するものであり、使用する他レートの貯玉数(例えば1円貯玉400玉)に対応する自台レートの玉(例えば4円玉100玉)を付与し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達するので、部分乗入れを行います』と表示)する。そして、記憶している乗入れ先レートの残数から、該付与した玉数を減算する。
例えば、図41(a2)のように、4円貯玉の残数が100玉である状態で、前記S5221の仮減算を行うと、仮減算後の残数が−25玉となり、0を下回るので、1円貯玉400玉のみを使用する部分乗入れを行って、4円玉100玉を付与する。ここで100玉は、払出単位である25玉の整数倍なので、すべてがパチンコ機2から払い出される。そして、図41(b2)のように、乗入れ先である4円貯玉の残数から、今回付与した100玉を減算する。これにより、4円貯玉の残数が0玉となるので、次回乗入れ払出を行おうとしても、前記S5224でYESと判定されて、乗入れ払出は行われない。
図40に戻り、判定基準が合計基準である場合には(S5202でNO)、各レート合計の残数から、今回使用数と今回付与数を仮減算する(S5231)。例えば、前記図39(b3)のように、4円ユニットにおいて1円貯玉からの乗り入れを行う場合には、合計の残数から、今回使用する500玉と今回付与する125玉とを仮減算する。そして、該仮減算後の残数が、0以上であるか否かを判定する(S5232)。
このS5232で仮減算後の残数が0以上である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5233)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理では、他レートの貯玉数(例えば1円貯玉500玉)を使用して、そのすべてに対応する自台レートの玉(例えば4円玉125玉)を付与する。そして、記憶している乗入れ元レートの残数から、該使用した玉数を減算し、乗入れ先レートの残数から、該付与した玉数を減算し、合計の残数から、使用した玉数と付与した玉数を減算する。例えば、前記図39(b2)のように、乗入れ元である1円貯玉の残数から、今回使用した500玉を減算し、乗入れ先である4円貯玉の残数から、今回付与した125玉を減算し、合計の残数から、該500玉と125玉を減算する。
一方、S5232で仮減算後の残数が0未満であると判定した場合には、仮減算前の残数が、0であるか否かを判定する(S5234)。
このS5234で仮減算前の残数が0である(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5236)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5216と同じである。
一方、S5234で仮減算前の残数(例えば100玉)が0ではない(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5235)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、残数が0に達するまでの範囲内で乗入れ払出を実行するものであり、使用する他レートの貯玉数(例えば1円貯玉80玉)に対応する自台レートの玉(例えば4円玉20玉)を付与し、その旨を報知(例えば表示部312に、『上限値に達するので、部分乗入れを行います』と表示)する。具体的に、使用する他レートの貯玉数Xと付与する自台レートの払出玉数Yは、
・他レート1円×貯玉数X=自台レート4円×払出玉数Y
・残数100玉−貯玉数X−払出玉数Y=0
の連立方程式の解である。そして、記憶している乗入れ元レートの残数から、該使用した玉数を減算し、乗入れ先レートの残数から、該付与した玉数を減算し、合計の残数から、使用した玉数と付与した玉数を減算する。
例えば、図41(a3)のように、合計の残数が100玉である状態で、前記S5231の仮減算を行うと、仮減算後の残数が−525玉となり、0を下回るので、1円貯玉80玉のみを使用する部分乗入れを行って、4円玉20玉を付与する。ここで20玉は、払出単位である25玉の整数倍ではないので、計数・端数払出ユニット340から払い出される。そして、図41(b3)のように、乗入れ元である1円貯玉の残数から、今回使用した80玉を減算し、乗入れ先である4円貯玉の残数から、今回付与した20玉を減算し、合計の残数から、該80玉と20玉を減算する。これにより、合計の残数が0玉となるので、次回乗入れ払出を行おうとしても、前記S5234でYESと判定されて、乗入れ払出は行われない。
図42は、第4実施形態に係る遊技用システム1において、カードユニット3が実行する上限判定処理の、減算ver.の変形例を示すフローチャートである。
この図42では、前記図40と同様に、まず、記憶している判定基準が、乗入れ元基準であるか(S5201でYES),乗入れ先基準であるか(S5202でYES),合計基準であるか(S5202でNO)を判定する。
判定基準が乗入れ元基準である場合には(S5201でYES)、乗入れ元レートの残数が、0であるか否かを判定する(S5211’)。このS5211’で乗入れ元レートの残数が0である(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5212’)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5216と同じである。
一方、S5211’で乗入れ元レートの残数が0ではない(YES)と判定した場合には、乗入れ元レートの残数から、今回使用数を仮減算する(S5213’)。この仮減算は、前記S5211と同じである。そして、該仮減算後の残数が、0以上であるか否かを判定する(S5214’)。
このS5214’で仮減算後の残数が0以上である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5215’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理は、前記S5213と同じである。
一方、S5214’で仮減算後の残数が0未満である(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5216’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、前記S5215と同じである。
判定基準が乗入れ先基準である場合には(S5202でYES)、乗入れ先レートの残数が、0であるか否かを判定する(S5221’)。このS5221’で乗入れ先レートの残数が0である(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5222’)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5226と同じである。
一方、S5221’で乗入れ先レートの残数が0ではない(YES)と判定した場合には、乗入れ先レートの残数から、今回付与数を仮減算する(S5223’)。この仮減算は、前記S5221と同じである。そして、該仮減算後の残数が、0以上であるか否かを判定する(S5224’)。
このS5224’で仮減算後の残数が0以上である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5225’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理は、前記S5223と同じである。
一方、S5224’で仮減算後の残数が0未満である(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5226’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、前記S5225と同じである。
判定基準が合計基準である場合には(S5202でNO)、合計の残数が、0であるか否かを判定する(S5231’)。このS5231’で合計の残数が0である(YES)と判定した場合には、乗入れ払出制限処理を行って(S5232’)、上限判定を終了する。この乗入れ払出制限処理は、前記S5236と同じである。
一方、S5231’で合計の残数が0ではない(YES)と判定した場合には、合計の残数から、今回使用数と今回付与数を仮減算する(S5233’)。この仮減算は、前記S5231と同じである。そして、該仮減算後の残数が、0以上であるか否かを判定する(S5234’)。
このS5234’で仮減算後の残数が0以上である(YES)と判定した場合には、全部乗入れ処理を行って(S5235’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この全部乗入れ処理は、前記S5233と同じである。
一方、S5234’で仮減算後の残数が0未満である(NO)と判定した場合には、部分乗入れ処理を行って(S5236’)、上限判定及び乗入れ払出を終了する。この部分乗入れ処理は、前記S5235と同じである。
この図42に示す変形例によれば、残数が既に0に達している場合には、直ちに乗入れ払出制限処理が行われ、仮減算を行わなくて済むので、処理負荷が軽減される。
なお、この第4実施形態において、図18に示す再プレイ可能数や、図27及び図28に示す乗入れ払出可能回数は、所有している貯玉数に基づく最高値ではなく、所有している貯玉数に基づいて上限値の範囲内で表示するのが好ましい。例えば、4円ユニットにおいて、1円貯玉が2500玉ある場合には、乗入れ払出可能回数は最高で5回であるが、乗入れ元基準で1円累積値が既に2000玉であり上限値が2500玉である場合には、乗入れ払出可能回数は1回であり、また乗入れ先基準で4円累積値が既に2375玉で有り上限値が2500玉である場合も、乗入れ払出可能回数は1回なので、該1回を表示する。これによれば、遊技者に不信感を与えることを防止できる。
以上に説明した第4実施形態によれば、乗入れ払出の実行の制限について、乗入れ払出に使用される他レートの貯玉数の累積値が第1の上限値に達する場合に乗入れ払出の実行を制限するか、乗入れ払出により付与される自台レートに対応する玉数の累積値が第2の上限値に達する場合に乗入れ払出の実行を制限するかを、遊技場が条件を設定できるので、好適に営業を行うことを可能にできる。
[第4実施形態の変形例]
次に、前述した第4実施形態の変形例を挙げる。
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機2である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、メダルを遊技媒体とするスロットマシンや、遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機であってもよい。
上記の実施形態では、付与レートが4円と1円の2種類である例について説明したが、これに限らず、該付与レートは3種類以上であってもよく、この場合には、またがり乗入れ有りでもよい。例えば、4円ユニットにおいて、2円貯玉200玉と1円貯玉100玉を使用して4円玉125玉を払い出すまたがり乗入れを行う場合において、乗入れ元基準の場合には、乗入れ元である2円貯玉の累積値に200玉,1円貯玉の累積値に100玉を加算し、乗入れ先基準の場合には、乗入れ先である4円貯玉の累積値に125玉を加算して、上限判定を行う。
上記の実施形態では、図34のD5001に示すように、判定種別が、乗入れ元基準,乗入れ先基準,又は合計基準のいずれかから選択される例について説明したが、これに限らず、該判定種別は、乗入れ元基準,又は乗入れ先基準のいずれかから選択されるものであってもよい。即ち、制限種別設定手段は、第1の制限手段(乗入れ元基準)及び第2の制限手段(乗入れ先基準)を含む複数の制限手段のうちのいずれにより乗入れ付与処理の実行の制限を行うかを設定可能なものであればよい。
上記の実施形態では、図34のD5001に示すように、判定種別が、乗入れ元基準,乗入れ先基準,又は合計基準のいずれかから選択される例について説明したが、これに限らず、該判定種別は、乗入れ元基準及び乗入れ先基準の両方が設定されるものであってもよい。即ち、合計基準ではなく、乗入れ元基準及び乗入れ先基準の両方で上限判定を行い、乗入れ元基準及び乗入れ先基準の両方をクリアしなければ乗入れ付与処理が実行されないものであってもよい。
上記の実施形態では、図34のD5001に示すように、判定種別が、カードユニット3の基本単価によらず共通に設定される例について説明したが、これに限らず、該判定種別は、カードユニット3の基本単価毎に設定可能なものであってもよい。例えば、4円ユニットについては乗入れ元基準,1円ユニットについては乗入れ先基準のように、判定種別を設定してもよい。
上記の実施形態では、図34のD5002に示すように、上限値を、遊技場内で一律に適用されるように設定する例について説明したが、これに限らず、該上限値を、遊技機毎や遊技島毎に設定可能としてもよく、例えば人気機種は上限値を低く設定して乗入れ払出があまり行えないようにする一方、不人気機種は上限値を高く設定して稼働を向上させるようにすることができる。この場合には、上限値が低い機種で上限に達しても、上限値が高い機種に台移動すれば、乗入れ払出が行えるようになる。また、該上限値は、会員毎に設定可能としてもよく、例えば優良会員には上限値を高く設定してサービスを向上させるようにすることができる。
上記の実施形態では、図34に示すように、制限種別設定手段が会員管理装置150に設けられる例について説明したが、これに限らず、該制限種別設定手段がカードユニット3に設けられるようにしてもよい。この場合に、一のカードユニットで設定された内容は、当該カードユニットのみで適用されるのでもよく、同一の遊技島に属するカードユニットや同一の機種に対応するカードユニットにも適用されるのでもよく、さらに遊技場内の全カードユニットにも適用されるのでもよい。
上記の実施形態では、図36,図38,図40,図42に示すように、上限判定をカードユニット3で行う例について説明したが、これに限らず、該上限判定を会員管理装置150が行うものであってもよい。この場合には、カードユニット3において乗入れ払出が行われる際に、カードユニット3から会員管理装置150に対して判定要求が送信され、会員管理装置150が上限判定を行った後に、会員管理装置150からカードユニット3に対して乗入れ払出の可否を送信する。これによれば、カードユニット3と会員管理装置150との通信負荷は増加するが、カードユニット3が、判定種別や上限値を記憶する必要はなく、また会員カードを受け付けた際に再プレイ消費玉数管理テーブル(図33)の管理内容を取得して記憶する必要がない。
上記の実施形態では、図36等に示す全部乗入れ処理において、累積値が上限値を超えても加算更新される例について説明したが、これに限らず、該累積値は、上限値で頭打ちとし、以後は加算更新されないようにしてもよい。
上記の実施形態では、図36等に示す部分乗入れ処理における報知や、乗入れ制限処理における報知が、表示部312で表示されることにより行われる例について説明したが、これに限らず、該報知は、例えば対応するパチンコ機2や呼出ランプ装置(図示外)での表示や、スピーカからの音声出力等であってもよい。
上記の実施形態では、図36等に示す部分乗入れ処理が行われる例について説明したが、該部分乗入れ処理は行われないものであってもよい。また、条件を満たす場合に、自動的に部分乗入れ処理が行われるのではなく、条件を満たし、かつ、遊技者の操作(例えば表示部312に表示されるOKボタンの操作)が有った場合に、部分乗入れ処理が行われるものであってもよい。
上記の実施形態では、図36等の上限判定が、乗入れ再プレイ(乗入れ払出)の際に行われる例について説明したが、これに限らず、該上限判定は、通常再プレイの際にも行われるものであってもよい。
上記の実施形態では、貯玉の乗入れに適用される例について説明したが、これに限らず、持玉の乗入れに適用してもよい。その場合の上限判定は、持玉と貯玉とで別個に行ってもよく、持玉と貯玉の合算値で行ってもよい。
上記の実施形態では、図34のD5001に示すように、選択された判定種別が適用される例について説明したが、例えば該判定種別を選択しない場合には、遊技者に有利となる判定種別が自動的に適用されたり、逆に遊技場に有利となる判定種別が自動的に適用されるものであってもよい。
上記の実施形態では、乗入れ付与処理の実行の制限が、乗入れ付与処理の実行の禁止である例について説明したが、これに限らず、該制限は、一部の期間における乗入れ付与処理の実行の禁止や、乗入れ付与処理の実行にあたり追加の手数料を支払いを求めるなど、無制限な乗入れ付与処理の実行に対する何らかの制限であればよく、禁止には限定されない。
[その他の発明]
本願は、以下の発明1〜3も含む。なお、発明1〜3は、相互に組み合わせが可能であり、本願発明とも相互に組み合わせが可能である。
(発明1)
従来より、特開2015−039587号公報に示す遊技用装置のように、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値(例えば持玉数や持メダル数)に応じて、遊技機での遊技に使用可能な当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値(例えばパチンコ玉やメダル)を付与するための乗入れ付与処理を行うものにおいて、乗入れ先の付与レートの所有価値毎に、乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を予め設定したものが知られている。
このような遊技用装置においては、遊技場の意向や遊技者の意向に応じて、当該優先順位を好適に設定可能とすることが求められる。
発明1は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能な、遊技用装置及び当該遊技用装置を含む遊技用システムを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、
まず発明1の手段1は、
遊技機(パチンコ機2,スロットマシン)に対応して設けられる遊技用装置(第1実施形態に係るカードユニット3)を含む遊技用システム(1)であって、
前記遊技用装置は、
遊技者が所有する複数種類の付与レート毎の所有価値(持玉数,貯玉数,持メダル数,貯メダル数,持点数,貯蓄点数)を特定する所有価値特定手段(S103,S104の処理を行うCPU328a)と、
当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの前記所有価値に応じて、遊技機での遊技に使用可能な当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値(パチンコ玉,メダル,得点)を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行する乗入れ付与処理手段(S216,S226,S236の処理を行うCPU328a)と、を備え、
前記遊技用システムは、複数種類の付与レートの所有価値のうち、前記乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定可能な優先順位設定手段(持玉管理装置140の共通優先順位テーブル)をさらに含み、
前記優先順位設定手段は、前記乗入れ付与処理を実行する前記遊技用装置に対応する付与レートが異なる場合であっても共通に、前記優先順位を設定可能であることを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能である。
また発明1の手段2は、
手段1に記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段は、前記遊技用装置が設置されている遊技場の店員が操作可能な店員操作手段(持玉管理装置140の入力装置146)の操作に応じて前記優先順位を設定可能であることを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技場の意向に応じて、優先順位を好適に設定可能である。
また発明1の手段3は、
手段1に記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段は、遊技者が操作可能な遊技者操作手段(カードユニット3の透明タッチパネル314)の操作に応じて前記優先順位を設定可能であり、
前記遊技用システムは、該優先順位設定手段により設定された優先順位を、前記遊技者を個々に識別可能な遊技者識別情報に対応付けて管理する優先順位管理手段(持玉管理装置140の会員毎優先順位テーブル)をさらに含むことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技者の意向に応じて、優先順位を好適に設定可能である。
また発明1の手段4は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段は、複数種類の付与レートの所有価値のうち、該付与レートが高い方から順に、前記優先順位を設定可能である(優先順位設定画面で「高レート優先」を選択すると、付与レートが高い方から順に優先順位が設定される)ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れの利便性を向上できる。
また発明1の手段5は、
手段1〜4のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
複数種類の付与レートの所有価値のうち、前記乗入れ元とする付与レートの所有価値の制限を設定可能な制限設定手段(持玉管理装置140の共通優先順位テーブル,会員毎優先順位テー-ブル)をさらに含み、
前記乗入れ付与処理手段は、前記制限設定手段により制限すると設定されている付与レートの所有価値を除いて、前記優先順位設定手段により設定された優先順位の付与レートの所有価値を前記乗入れ元とする、前記乗入れ付与処理を実行する(S230でYESならば乗入れ付与処理を実行しない)ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、制限を所望する遊技場や遊技者の意向に沿った乗入れが可能である。
また発明1の手段6は、
手段1〜5のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段による設定内容を出力する出力手段(持玉管理装置140の表示装置147,カードユニット3の表示部312)をさらに含むことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技場や遊技者の利便性を向上できる。
また発明1の手段7は、
手段1〜6のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、前記所有価値特定手段により特定された所有価値に、当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値がある場合には、前記乗入れ付与処理を実行せずに、該特定された所有価値に応じて前記遊技用価値を付与するための付与処理(S213,S223,S233の処理)を実行し、
前記優先順位設定手段は、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値について、前記優先順位を設定可能である(「自台レート優先する」を選択すると、優先順位テーブルで、乗入れ先と異なる付与レートの乗入れ元にのみ、優先順位が設定される)ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、優先順位を好適に設定可能である。
また発明1の手段8は、
遊技機(パチンコ機2,スロットマシン)に対応して設けられる遊技用装置(第1実施形態に係るカードユニット3)であって、
遊技者が所有する複数種類の付与レート毎の所有価値(持玉数,貯玉数,持メダル数,貯メダル数,持点数,貯蓄点数)を特定する所有価値特定手段(S103,S104の処理を行うCPU328a)と、
当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの前記所有価値に応じて、遊技機での遊技に使用可能な当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値(パチンコ玉,メダル,得点)を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行する乗入れ付与処理手段(S213,S233,S233の処理を行うCPU328a)と、
複数種類の付与レートの所有価値のうち、前記乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定するための操作を受け付ける操作手段(カードユニット3の透明タッチパネル314)と、を備え、
前記操作手段は、前記乗入れ付与処理を実行する前記遊技用装置に対応する付与レートが異なる場合であっても共通に、前記優先順位を設定するための操作を受付可能であることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能となる。
また発明1の手段9は、
手段1〜7のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記乗入れ付与処理が実行された履歴を特定可能に集計する乗入れ履歴集計手段(持玉管理装置140の乗入れ履歴テーブル)と、
該乗入れ履歴集計手段による集計結果に基づいて特定される乗入れの履歴を出力する乗入れ履歴出力手段(持玉管理装置140の表示装置147やプリンタ148)をさらに含むことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れの履歴が集計されて出力されるので、該乗入れが行われたか否かを確認でき、該乗入れの履歴を遊技場での営業等に活かすことができる。
(発明2)
従来より、特開2015−39587号公報に示されるように、払い出す遊技媒体の遊技種と異なる遊技種の持遊技媒体若しくは貯遊技媒体の残高を減算して遊技媒体を払い出す乗入れ再プレイが可能な遊技媒体管理システムが開示されている。
特開2015−39587号公報に示されるような従来の技術では、乗入れ付与処理(乗入れ再プレイ)を実行するときの遊技者の利便性が課題となる。
発明2は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、遊技者の利便性を向上させることにある。
まず発明2の手段1は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)を備える遊技用装置(第2,第3実施形態に係るカードユニット3)であって、
計数された遊技媒体数の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理(S1110の持玉払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、
前記遊技機での遊技に使用可能な所有価値(貯玉数)を特定する所有価値特定手段(会員管理装置150との通信により会員カードの会員番号に対応した各口座の貯玉数を特定する制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する付与レート(1玉4円)以外の付与レート(1玉2円,1玉1円)の前記所有価値(貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための乗入れ付与処理(S2070,S3030の乗入れ払出)を実行する乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)と、
前記乗入れ付与処理を実行するための乗入れ操作(S2030,S2040,及びS2060の手順からなる操作)を受け付ける乗入れ操作受付手段(タッチパネル314)と、
前記乗入れ操作の途中に遊技媒体が計数されたことに基づいて、前記計数付与処理が実行可能となることを特定可能に報知する報知手段(計数の発生に伴い「持玉を使用できます。」を表示する表示部312)と、をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ付与処理を実行せずとも遊技媒体の付与が可能となることを把握できるため遊技者の利便性を高めることができる。
また発明2の手段2は、
手段1の遊技用装置であって、
前記計数付与処理が実行されているときは前記乗入れ操作を受け付けたときも前記乗入れ付与処理を実行しない(持玉払出が実行されている期間は、乗入れ操作領域312aの操作が無効となる(乗入れ手続ボタンや乗入れ払出ボタンが表示されない)ことにより、乗入れ払出の実行が禁止される)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、計数付与処理及び乗入れ付与処理の両方が実行されることによる遊技者の混乱を防止することができる。
また発明2の手段3は、
手段1又は2の遊技用装置であって、
前記計数付与処理を実行するための計数付与操作(S1100の操作)を受け付ける計数付与操作受付手段(計数プレイボタン319)をさらに備え、
前記乗入れ操作の途中において前記計数付与操作を受け付けたときも前記計数付与処理を実行しない(乗入れ手続の途中では、持玉数が0であるか否かによらず、計数プレイLED319bが消灯され、計数プレイボタン319の操作が無効となる)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ操作の途中において計数付与処理が実行されることによる遊技者の混乱を防止することができる。
また発明2の手段4は、
手段3の遊技用装置であって、
前記乗入れ付与処理が実行された後に、前記計数付与処理を実行可能とする(乗入れ払出が完了するときに、持玉数が0でない場合には計数プレイLED319bが点灯して、計数プレイボタン319の操作が有効となることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、遊技者の混乱を防止しつつ計数付与処理を実行可能となる。
また発明2の手段5は、
手段1〜4から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記乗入れ付与処理の実行後は、前記乗入れ操作よりも簡易な操作で前記乗入れ付与処理を実行可能とする(一旦S2030及びS2040の手順を完了すると、2回目以降の乗入れ払出(S3030)では、S2030及びS2040の手順を要することなく、乗入れ払出ボタンの操作(S3025)のみで乗入れ払出が可能となる)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ払出が実行されるときの遊技者の利便性を向上させることができる。
また発明2の手段6は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)を備える遊技用装置(第2,第3実施形態に係るカードユニット3)と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記遊技機での遊技に使用可能な所有価値を管理する管理装置(会員番号毎に各口座の貯玉数を管理する会員管理装置150)と、を含む遊技用システム(1)であって、
前記遊技用装置は、
計数された遊技媒体数の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理(S1110の持玉払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、
前記管理装置が管理する前記所有価値を特定する所有価値特定手段(会員管理装置150との通信により会員カードの会員番号に対応した各口座の貯玉数を特定する制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する付与レート(1玉4円)以外の付与レート(1玉2円,1玉1円)の前記所有価値に基づいて遊技媒体を付与するための乗入れ付与処理(S2070,S3030の乗入れ払出)を実行する乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)と、
前記乗入れ付与処理を実行するための乗入れ操作(S2030,S2040,及びS2060の手順からなる操作)を受け付ける乗入れ操作受付手段(タッチパネル314)と、
前記乗入れ操作の途中に遊技媒体が計数されたことに基づいて、前記計数付与処理が実行可能となることを特定可能に報知する報知手段(計数の発生に伴い「持玉を使用できます。」を表示する表示部312)と、をさらに備える
ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れ付与処理を実行せずとも遊技媒体の付与が可能となることを把握できるため遊技者の利便性を高めることができる。
(発明3)
従来より、特開2015−39587号公報に示されるように、払い出す遊技媒体の遊技種と異なる遊技種の持遊技媒体若しくは貯遊技媒体の残高を減算して遊技媒体を払い出す乗入れ再プレイが可能な遊技媒体管理システムが開示されている。
特開2015−39587号公報に示されるような従来の技術では、付与される遊技媒体とは異なる付与レート(遊技種)の遊技媒体数の不足により乗入れ付与処理(乗入れ再プレイ)を実行できない場合があり、遊技者の利便性が課題となる。
発明3は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、乗入れ付与処理を実行させ易くすることにより、遊技者の利便性を向上させることにある。
まず発明3の手段1は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)を備える遊技用装置(第2実施形態に係るカードユニット3)であって、
計数された遊技媒体数(持玉数)の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理(S1110の持玉払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、
前記遊技媒体の計数に基づく所有価値(貯玉数)を特定する所有価値特定手段(会員管理装置150との通信により会員カードの会員番号に対応した各口座の貯玉数を特定する制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する一の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための通常付与処理(S1050の貯玉払出)を実行する通常付与処理手段(制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する前記一の付与レートを含む複数の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数及び基本単価以外の単価に対応した乗入れ元口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための乗入れ付与処理(S2070,S3030の乗入れ払出)を実行可能な乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)と、
操作(タッチ操作)を受け付ける操作受付手段(タッチパネル314)と、
所定操作(S4110の貯玉移行ボタンの操作)を受け付けたときに、計数された遊技媒体数(持玉数)の少なくとも一部(例えば120玉計数されたうちの55玉)を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に移行させるための移行処理(S4111の貯玉移行通知の送信)を実行可能な移行処理手段(制御ユニット328)と、をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、遊技者の操作により、計数された遊技媒体数の少なくとも一部を遊技用装置に対応する付与レートの所有価値に移行させて、乗入れ付与処理を実行可能とすることができるため、乗入れ付与処理が実行され易くなり遊技者の利便性を向上させることができる。
また発明3の手段2は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、記録媒体(会員カード)を受け付ける記録媒体受付手段(カードR/W327)と、遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)を備える遊技用装置(第3実施形態に係るカードユニット3)であって、
計数された遊技媒体数(計数玉数)の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理(S1110に相当する計数払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、
前記遊技媒体の計数に基づく所有価値(貯玉数)を特定する所有価値特定手段(会員管理装置150との通信により会員カードの会員番号に対応した各口座の貯玉数を特定する制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する一の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための通常付与処理(S1050の貯玉払出)を実行する通常付与処理手段(制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する前記一の付与レートを含む複数の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数及び基本単価以外の単価に対応した乗入れ元口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための乗入れ付与処理(S2070,S3030の乗入れ払出)を実行可能な乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)と、
受け付けた記録媒体を返却するときに、計数された遊技媒体数(計数玉数)を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に移行させるための返却時処理(会員番号及び各口座の計数玉数を含むカード排出通知の送信)を実行する返却時処理手段(制御ユニット328)と、
操作(タッチ操作)を受け付ける操作受付手段(タッチパネル314)と、
所定操作(S4110の貯玉移行ボタンの操作)を受け付けたときに、前記記録媒体を返却することなく、計数された遊技媒体数(計数玉数)の少なくとも一部(例えば120玉計数されたうちの75玉)を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に移行させるための移行処理(S4111Aの貯玉移行通知の送信)を実行可能な移行処理手段(制御ユニット328)と、をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、遊技者の操作により、記録媒体を返却することなく、計数された遊技媒体数の少なくとも一部を遊技用装置に対応する付与レートの所有価値に移行させて、乗入れ付与処理を実行可能とすることができるため、乗入れ付与処理が実行され易くなり遊技者の利便性を向上させることができる。
また発明3の手段3は、
手段1又は2の遊技用装置であって、
前記移行処理(S4111の貯玉移行通知の送信,S4111Aの貯玉移行通知の送信)が実行されるときに、当該移行処理の対象となる遊技媒体数(S4130で貯玉に移行された持玉数,S4130Aで貯玉に移行された計数玉数)を表示する第1表示手段(表示部312)をさらに備えることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、移行処理の対象となった遊技媒体数を把握することができる。
また発明3の手段4は、
手段1〜3から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記移行処理(S4111の貯玉移行通知の送信,S4111Aの貯玉移行通知の送信)が実行されるときに、前記乗入れ付与処理により付与可能な遊技媒体数(S4150の乗入れ払出可能玉数)を表示する第2表示手段(表示部312)をさらに備えることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ付与処理により付与可能な遊技媒体数を把握することができる。
また発明3の手段5は、
手段1〜4から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)は、複数の付与レートの所有価値に関する特定条件(乗入れ先口座の貯玉数及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が125以上となること)が成立するときに前記乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行し、
前記移行処理が実行されることで前記特定条件が成立するか否かを判定する判定手段(現在の各口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が125未満のときに、貯玉移行処理を実行することで乗入れ払出可能玉数が125に達するか否かを判定する制御ユニット328)と、
前記特定条件が成立すると判定される場合(貯玉移行処理を実行することで乗入れ払出可能玉数が125に達する場合)に、前記移行処理に伴い前記乗入れ付与処理が実行可能となることを特定可能に報知する報知手段(S4080で乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示すると共に、S4100で「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示する表示部312)と、
をさらに備えることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、移行処理を行うことで乗入れ付与処理が実行可能となることを把握することができる。
また発明3の手段6は、
手段1〜5から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)は、複数の付与レートの所有価値に関する特定条件(乗入れ先口座の貯玉数及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が125以上となること)が成立するときに前記乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行し、
前記移行処理に伴い前記特定条件が成立するために計数されるべき遊技媒体数(貯玉移行処理を実行したときの乗入れ払出可能玉数が125に達するために計数が必要な残り玉数)を算出する遊技媒体数算出手段(S4040,S4040Aにおいて必要計数玉数を算出する制御ユニット328)と、
算出された前記遊技媒体数を特定可能な情報を表示する第3表示手段(S4040,S4040Aにおいて算出した必要計数玉数を表示する表示部312)と、
をさらに備えることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ付与処理を実行可能とするために計数されるべき遊技媒体数を把握することができる。
また発明3の手段7は、
手段1〜6から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記所定操作は、前記乗入れ付与処理を実行するか否かの遊技者の意思を確認するための意思確認操作と共通である(S4080の貯玉移行ボタンは乗入れ操作領域312bに表示され、これをタッチすることによりS4160で乗入れ操作領域312bには乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されることになるため、貯玉移行ボタンの操作は乗入れ払出を実行する意思を確認するための操作となっている)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、所定操作とは別に意思確認操作を設ける必要が無く、操作が簡素化される。
また発明3の手段8は、
手段1〜7から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記所定操作は、前記乗入れ付与処理を実行させる乗入れ付与操作と共通である(変形例(3)に記載のカードユニットでは、乗入れ操作領域312bに表示された貯玉移行ボタンを操作することにより、貯玉移行処理の実行後に自動的に乗入れ払出が実行される)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、所定操作とは別に乗入れ付与操作を設ける必要が無く、操作が簡素化される。
また発明3の手段9は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)を備える遊技用装置(カードユニット3)と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記遊技媒体の計数に基づく所有価値(貯玉数)を管理する管理装置(会員管理装置150)と、を含む遊技用システム(1)であって、
前記遊技用装置は、
計数された遊技媒体数(持玉数)の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理(S1110の持玉払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する一の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための通常付与処理(S1050の貯玉払出)を実行する通常付与処理手段(制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する前記一の付与レートを含む複数の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数及び基本単価以外の単価に対応した乗入れ元口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための乗入れ付与処理(S2070,S3030の乗入れ払出)を実行可能な乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)と、
操作(タッチ操作)を受け付ける操作受付手段(タッチパネル314)と、をさらに備え、
前記遊技用システムは、
所定条件が成立したとき(営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたとき)に、前記遊技用装置において計数された遊技媒体数を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値に移行する成立時処理(持玉管理装置140で管理されていた各口座(4円,2円,1円)の持玉数を、会員管理装置150で管理されている各口座(4円,2円,1円)の貯玉数に加算する処理)を実行する成立時処理手段(CPU142及びCPU152)と、
前記遊技用装置において所定操作(S4110の貯玉移行ボタンの操作)を受け付けたときに、当該遊技用装置において計数された遊技媒体数(持玉数)の少なくとも一部(例えば120玉計数されたうちの55玉)を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に移行する移行処理(S4111の貯玉移行通知の送信)を実行可能な移行処理手段(制御ユニット328)と、を備える
ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技者の操作により、計数された遊技媒体数の少なくとも一部を遊技用装置に対応する付与レートの所有価値に移行させて、乗入れ付与処理を実行可能とすることができるため、乗入れ付与処理が実行され易くなり遊技者の利便性を向上させることができる。
さらに発明3の手段10は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、記録媒体(会員カード)を受け付ける記録媒体受付手段(カードR/W327)と、遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)を備える遊技用装置(カードユニット3)と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記遊技媒体の計数に基づく所有価値(貯玉数)を管理する管理装置(会員管理装置150)と、を含む遊技用システム(1)であって、
前記遊技用装置は、
計数された遊技媒体数(計数玉数)の範囲内で遊技媒体を付与するための計数付与処理(S1110に相当する計数払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する一の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための通常付与処理(S1050の貯玉払出)を実行する通常付与処理手段(制御ユニット328)と、
当該遊技用装置に対応する前記一の付与レートを含む複数の付与レートの前記所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数及び基本単価以外の単価に対応した乗入れ元口座の貯玉数)に基づいて遊技媒体を付与するための乗入れ付与処理(S2070,S3030の乗入れ払出)を実行可能な乗入れ付与処理手段(制御ユニット328)と、
操作(タッチ操作)を受け付ける操作受付手段(タッチパネル314)と、をさらに備え、
前記遊技用システムは、
前記遊技用装置において受け付けた記録媒体を返却するときに、計数された遊技媒体数(計数玉数)を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に移行する返却時処理(会員番号及び各口座の計数玉数を含むカード排出通知の送信)を実行する返却時処理手段(制御ユニット328)と、
前記遊技用装置において所定操作(S4110の貯玉移行ボタンの操作)を受け付けたときに、前記記録媒体を返却することなく、計数された遊技媒体数(計数玉数)の少なくとも一部(例えば120玉計数されたうちの75玉)を当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値(制御ユニット328が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数)に移行する移行処理(S4111Aの貯玉移行通知の送信)を実行可能な移行処理手段(制御ユニット328)と、を備える
ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技者の操作により、記録媒体を返却することなく、計数された遊技媒体数の少なくとも一部を遊技用装置に対応する付与レートの所有価値に移行させて、乗入れ付与処理を実行可能とすることができるため、乗入れ付与処理が実行され易くなり遊技者の利便性を向上させることができる。