JP2017142111A - 測量装置、測量装置の使用方法及び建設機械の制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定対象物に対する高低角を測定する高低角測定部30を少なくとも備えている測量装置を前提とする。その前提の下で、高低角測定部30が測定する高低角に反映される垂直軸誤差Δθを検出する誤差検出部35,54,55と、高低角測定部30が測定する高低角を受け入れて、誤差検出部35,54,55が検出した垂直軸誤差Δθを該高低角から相殺したものを、高低角として出力する補正処理部50と、を備えるようにする。
【選択図】図5
Description
第2の目的は、上記測量装置を使用した測量装置の使用方法を提供することにある。
第3の目的は、上記測量装置を利用した建設機械の制御システムを提供することにある。
(1)測定対象物に対する角度を測定する測角部を少なくとも備えている測量装置において、
前記測角部が測定する測定角度に反映される機械的誤差を検出する誤差検出部と、
前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、
が備えられている構成とされている。
この構成によれば、当該測量装置が機械的誤差を有していても、その機械的誤差を誤差検出部が検出し、補正処理部が、自動的に、測角部が測定した測定角度から機械的誤差を相殺することになる。このため、測定タイミング時に、測定角として、当該測量装置の機械的誤差を極力、反映させないものを得ることができ、これに伴い、精度点検調整を特別に行わなくても、機械的誤差を極力、反映させない測定角を含む測定情報を簡単に出力できる。
前記測角部が、測定対象物に対する高低角を測定する高低角測定部であり、
前記誤差検出部が、前記測定角としての高低角に影響を及ぼす機械的誤差を検出するものである構成とされている。この構成によれば、精度点検調整を特別に行わなくても、測定対象物に対する高低角として、機械的誤差を極力、反映させないものを得ることができる。これにより、測定対象物の位置情報に関し、上下方向の誤差を極力、なくすことができ、測定対象物において、上下方向に移動制御を行う場合には、その制御精度を高めることができる。
測定姿勢を自在に変更調整する駆動部と、
起動スイッチが起動されたことを条件に、設置位置情報取得のための正位姿勢態様と反位姿勢態様とを順次、取るように前記駆動部に指示する初期姿勢指示部と、
前記初期姿勢指示部の指示に基づいて取られた正位姿勢態様と反位姿勢態様とを判断して、該正位姿勢態様時及び該反位姿勢態様時に、前記機械的誤差を検出することを前記誤差検出部に指示する初期姿勢判断部と、
前記誤差検出部が検出した正位姿勢態様時の機械的誤差と反位姿勢態様時の機械的誤差とから、代表的な機械的誤差を算出する誤差算出部と、
が備えられている構成とされている。
この構成によれば、機械的誤差取得のための工程を、当該測量装置の使用に当たっての設置位置情報取得作業の中に組み込むことができ、その機械的誤差取得のための工程を独立して設ける必要がなくなる。
しかも、正位姿勢態様時の機械的誤差と反位姿勢態様時の機械的誤差とから、代表的な機械的誤差を算出することから、機械的誤差のばらつきを抑制して、実態に近い機械的誤差を得ることができる。
前記補正処理部が、前記測角部が測定する測定角度から設定誤差を相殺するものを測定角度として出力するように設定されていると共に、該補正処理部に、前記誤差検出部が検出した機械的誤差が前記設定誤差よりも大きいか否かを判定する更新判定部が関係付けられ、
前記更新判定部は、前記誤差検出部が検出した機械的誤差が前記設定誤差よりも大きいと判定したときには、前記補正処理部に対して該機械的誤差を新たな設定誤差として更新することを指示するように設定されている構成とされている。
この構成によれば、誤差検出部が検出した機械的誤差が設定誤差を超えているときには、測角部が測定した測定角からその機械的誤差を相殺して、出力すべき測定角の精度を高めることができる一方、誤差検出部が検出した機械的誤差が設定誤差以下のときには、測角部が測定した測定角から設定誤差を相殺して、画一的な取扱いの下で、出力すべき高低角の精度を高めることができ、補正処理部における構成を簡素化することができる。
勿論、誤差検出部が検出した機械的誤差が設定誤差以下の場合においては、その設定誤差の相殺を通じて、結果的に、測角部が測定した測定角から、誤差検出部が検出した機械的誤差が相殺されることになる。
(5) 測量装置が、建設機械の位置情報を測定しつつ、該建設機械に該建設機械の位置情報を送信する測量装置の使用方法において、
前記測量装置として、測定対象物に対する角度を測定する測角部と、前記測角部が測定する測定角度に反映される機械的誤差を検出する誤差検出部と、前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、該補正処理部の出力値を前記建設機械に送信する通信部と、を備えるものを用意し、
前記測量装置が前記建設機械に対して関与するに先立ち、前記誤差検出部に前記機械的誤差を検出させ、
前記測量装置が前記建設機械に対して関与するに際して、前記補正処理部により、前記測角部が測定する測定角度から、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を相殺すると共に、前記通信部により、該補正処理部の出力値を、測定角度として前記建設機械に送信する構成とされている。
この構成によれば、測量装置が建設機械に対して関与する前に、その測量装置の機械的誤差を的確に得ることができ、測量装置が建設機械に対して関与するときには、測角部が測定する測定角度からその機械的誤差を相殺でき、測定情報(位置情報)として、機械的誤差が極力、反映されない正確な測定角度を含むものを建設機械に送信できる。このため、前述の(1)に係る測量装置を利用することにより、建設機械においては、正確な自己の位置情報を得ることができ、その正確な自己の位置情報に基づき、精度が高い制御を行うことができる。
また、測量装置が建設機械に対して関与するに先立ち、誤差検出部に機械的誤差を検出させることから、測量装置が建設機械に対して関与するときとは異なり、正反観測の両状態の下で機械的誤差を検出することができ、その両機械的誤差から実態に近い代表的な機械的誤差を得ることができる。このため、測量装置が建設機械に対して関与するときには、測量装置は、建設機械の位置情報を測定し続けて、正反観測の一方の観測状態に維持されることになるけれども、上記代表的な機械的誤差を利用することができ、測定情報(位置情報)として、より正確な測定角度を含むものを建設機械に送信できる。
前記建設機械が、該建設機械における構成部材について上下移動制御を行うものであり、
前記測角部に、前記建設機械に対する高低角を測定させ、
前記誤差検出部に、高低角に影響を及ぼす前記測量装置の機械的誤差を検出させ、
前記補正処理部に、前記測角部が測定する高低角から、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を相殺したものを、高低角として出力させる構成とされている。
この構成によれば、建設機械における構成部材の上下移動制御に最も影響を与える高低角に関し、機械的誤差を極力、反映させないものを建設機械に送信することができる。このため、建設機械における構成部材の上下移動制御において、その精度を高めることができる。
前記建設機械に対する関与に先立ち、既知点に対する観測に基づいて該測量装置の設置位置情報を取得すると共に、該観測に同期して前記誤差検出部に前記機械的誤差を検出させる構成とされている。
この構成によれば、機械的誤差の検出作業を、当該測量装置の使用に当たっての設置位置情報の取得作業中に取り込むことができ、その機械的誤差の検出作業を独立して行う必要がなくなる。また、ユーザに知られることなく機械的誤差の検出作業が行われることになり、機械的誤差の検出作業のスマート化を図ることができる。
(8)整地作業を行う建設機械と、該建設機械の位置情報を測定しつつ、該建設機械に該建設機械の位置情報を送信する測量装置と、前記建設機械に設けられて、前記測量装置からの位置情報を利用して該建設機械を制御する制御装置と、が備えられている建設機械の制御システムにおいて、
前記測量装置に、
前記建設機械の位置情報として、該建設機械に対する角度を測定する測角部と、
前記建設機械に関与するに先立って、測定角度に反映される該測量装置の機械的誤差を検出する誤差検出部と、
前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、が備えられている構成とされている。
この構成によれば、前記(1)に係る測量装置を使用することにより、測定精度が高い位置情報を建設機械に利用させることができ、建設機械の制御精度を高めることができる。
また、上記測量装置を使用した測量装置の使用方法を提供できると共に、上記測量装置を利用した建設機械の制御システムを提供できる。
図1は、実施形態に係る建設機械の制御システム1の全体構成を示す図である。この建設機械の制御システム1には、測量装置としてのレーザ測量装置2と、コンクリート版を連続舗装する建設機械としてのスリップフォーム舗装機械(以下、舗装機械という)3とが備えられている。この建設機械の制御システム1においては、概略的には、レーザ測量装置2が、舗装機械3の位置情報を測定し続けると共に、その位置情報を舗装機械3に送信し続けることになり、舗装機械3は、レーザ測量装置2から送信を受けた舗装機械3の位置情報を利用して、該舗装機械3の制御(コンクリート打設表面の高さ制御)を行う。
舗装機械3は、図1に示すように、機体フレーム4を備えている。
機体フレーム4は、対向配置関係にある一対の長辺部材5と、同じく対向配置関係にある一対の短辺部材6とにより、井桁状(矩形状)に構成されており、一対の長辺部材5は、機体フレーム4の四隅部を上下方向に向けつつ、舗装機械3の前後方向に並設されている。この一対の長辺部材5のうちの前側長辺部材5の前面には、レーザ測量装置2の測定対象であるターゲット(プリズム)7が設けられている。ターゲット7は、舗装機械3の装置基準位置(後述のスクリード14に設定)に対して既知の位置に位置されており、ターゲット7の位置情報に基づきその装置基準位置が把握されることになっている。
各脚部8は、上下方向に伸縮可能となっており、その各脚部8には、走行装置10がそれぞれ設けられている。
各支柱9は、その上端にビーム検出器11を有している。各ビーム検出器11は、上下方向に伸びる受光センサ(例えばラインセンサ)12をそれぞれ備えており、その各受光センサ12は、レーザ測量装置2からの後述の水平なレーザ光線13が通過したときに、そのレーザ光線13の受光を検出すると共に受光位置を検出できることになっている。この各受光センサ12は、その上下方向の基準位置(例えば上下方向中央)が、舗装機械3の装置基準位置及びターゲット7に対して既知の位置となっていると共に、各配置関係(距離等)等も既知のものとなっている。
このため、図3に示すように、制御装置15から、スクリード14を駆動調整する駆動調整部16、走行装置10を駆動調整する駆動調整部17に制御信号が出力される一方、制御装置15には、通信部18及び各ビーム検出器11からの情報が入力される。
この制御装置15は、レーザ測量装置2からのターゲット7の測定情報(位置情報)を通信部18を介して受け入れることにより、舗装機械3の位置を判断すると共に、各ビーム検出器11から受光結果情報を受け入れることにより、舗装機械3の姿勢、傾きを判断し、さらには、それら舗装機械3の姿勢、傾き、位置等の情報に基づき、スクリード14の高さ制御(打設表面の高さ制御)、走行装置10の走行制御等を行うための制御信号を出力することになっている。このため、特に、スクリード14の高さ制御に関しては、制御装置15が受け入れるターゲット7の位置情報(特に高低角Av)の正確性が高くなればなるほど、舗装道路工事での仕上げ面高さ精度は高くなる。図3中、符号19は演算処理部、符号20は記憶部を示す。
制御ユニットUには、図4に示すように、前記高低角測定部30、前記水平角測定部28、視準用発光部(図示略)から出射された視準光の反射視準光を受け入れる視準用受光素子(エリアセンサ)31、測距用発光部(図示略)から出射された測距光の反射測距光を受け入れる測距用受光素子32、起動スイッチ33、外部から入力操作を行う操作入力部34(図2では図示略)、支柱部25内に配設されてレーザ測量装置2における機械的誤差(角度)を検出するチルトセンサ35から各種入力信号がそれぞれ入力され、制御ユニットUからは、前記垂直回転駆動部29、前記水平回転駆動部27、舗装機械3(通信部18)との間で送受信する通信部37、表示部38(図2では図示略)に各種出力信号が出力される。
この場合、本実施形態においては、舗装機械3において、コンクリート打設表面の高さ制御を行うことを目的とし、上下方向における誤差を極力、なくす必要があることから、チルトセンサ35は、高低角に影響を及ぼす機械的誤差(角度)のうちでも、最も影響を及ぼす鉛直軸誤差Δθを検出することになっている。
記憶部39には、測定に必要な基本的なプログラム等の他に、自動キャリブレーション処理を行うプログラム、設定誤差の決定を行うプログラム、設定情報等が格納されており、これら各種プログラム等は、必要に応じて、制御演算部40により読み出されることになっている。また、必要な情報が適宜、記憶される。
測距演算処理部42は、測距用受光素子32からの情報(測距用発光部から図示しない光ファイバにより直接測距用受光素子へ入射される参照光、測距用受光素子32に入射される反射測距光)に基づき、反射測距光と参照光との位相差を算出し、それに基づきターゲットまでの距離を導き出す機能を有しており、この距離情報は、通信部37に出力される。
水平角取込み部43は、水平角測定部28からの情報を取り込んで、その情報を水平角(値)として通信部37に出力する機能を有している。
初期姿勢判断部53は、初期姿勢指示部52の指示に基づいて望遠鏡部26が正位姿勢を取ったと判断したときには、鉛直軸誤差(正)取込み部54に、チルトセンサ35からの鉛直軸誤差の取込み指示信号を出力し、初期姿勢指示部52の指示に基づいて望遠鏡部26が反位姿勢を取ったと判断したときには、鉛直軸誤差(反)取込み部54に、チルトセンサ35からの鉛直軸誤差の取込み指示信号を出力する機能を有している。
鉛直軸誤差(正)取込み部54は、初期姿勢判断部53からの取込み指示信号が入力されていることを条件に、チルトセンサ35からの鉛直軸誤差Δθrを取込み、それを誤差算出部56に出力する機能を有している。
鉛直軸誤差(反)取込み部55は、初期姿勢判断部53からの取込み指示信号が入力されていることを条件に、チルトセンサ35からの鉛直軸誤差Δθlを取込み、それを誤差算出部56に出力する機能を有している。この場合、チルトセンサ35、鉛直軸誤差(正)取込み部54及び鉛直軸誤差(反)取込み部55は誤差検出部を構成する。
誤差算出部56は、鉛直軸誤差(正)取込み部54から出力される鉛直軸誤差Δθrと、鉛直軸誤差(反)取込み部55から出力される鉛直軸誤差Δθrと、から、代表的な誤差Δθを算出する機能を有しており、本実施形態においては、代表的な誤差Δθとして、鉛直軸誤差Δθrと鉛直軸誤差Δθlの平均値が算出される(Δθ=(Δθr+Δθl)/2)。
更新判定部57は、誤差算出部56で算出された誤差Δθと、予め設定されている設定誤差Δθ0とを比較して、誤差Δθが設定誤差Δθ0よりも大きいときには(Δθ>Δθ0)、前記補正処理部50に、その誤差Δθを設定誤差Δθ0として更新することを指示する機能を有している。
レーザ測量装置2は、舗装機械3に対して関与(位置測定)するに先立ち、自動キャリブレーション処理を行う。この自動キャリブレーション処理は、レーザ測量装置2の設置位置情報取得作業の中に組み込まれており、その設置位置情報取得作業に同期して、高低角Avに影響を及ぼす機械的誤差として鉛直軸誤差Δθがチルトセンサ35により検出される。
尚、チルトセンサ35が検出した鉛直軸誤差Δθが設定誤差以下の場合においては、その設定誤差Δθ0の相殺を通じて、結果的に、高低角測定部30が検出した高低角Avから、チルトセンサ35が検出した鉛直軸誤差Δθが相殺されることになる。
先ず、レーザ測量装置2が、そのレーザ光線13が舗装機械3に及ぶこと、既知点に位置されるターゲットを検出すること等を考慮して、所定位置に設置される。舗装機械3における制御に関与できるようにすると共に、レーザ測量装置2の自己位置情報(設置位置情報)を取得するためである。
その上で、起動スイッチがONされると、各種情報が読み込まれる(S1、S2)。各種情報としては、本実施形態においては、レーザ測量装置2についての設定誤差Δθ0(一般的な機械的誤差を設定)、自動キャリブレーション処理において使用したターゲットの使用済み数nがn=0(当初)であること、ターゲットの探索ルート、探索範囲等が読み込まれる。
この場合、鉛直軸誤差を複数のターゲットを用いて導き出していることから、ターゲットを1つだけしか用いない場合に比べて、測定値(鉛直軸誤差)のばらつきを抑え、統計処理的に誤差を減少させること(実態に近いものとすること)ができる。
この場合、本実施形態においては、設定誤差Δθ0として、観測に基づく高低角誤差についても考慮し、測量装置から100m付近に位置されたターゲットを視準したときにおける観測に基づく高低角誤差が用いられている。すなわち、測量装置から200m程度を超える測定においては、空気の揺らぎ等による環境要因が生じやすくなる一方、測定物の距離が測量装置から近距離であるときには、観測誤差が高低角に与える影響が相対的に大きくなる。このため、遠すぎず近すぎない最適距離として100m付近の観測に基づく高低角誤差に最も近い代表値を、各各代表値Δθ1、Δθ2、Δθ3・・・Δθn0から選び、それを最終的代表値とすることにより、チルトセンサ35が検出する鉛直軸誤差だけでなく観測に基づく高低角誤差をも考慮したものとされている。
このため、S28(2)−2の演算を終えると、S28(2)−3において、複数の差分値dの中から、最小差分値dminが選択され、次のS28(2)−4において、設定誤差Δθ0との間で最小差分値dminとなる鉛直軸誤差の代表値Δθが最終的代表値として決定される。この最終的代表値Δθは、前記第1実施形態同様、設定誤差(観測に基づく鉛直軸誤差)Δθ0との比較により、その設定誤差Δθ0よりも大きいときには、設定誤差として更新記憶される(S28(2)−5、S28(2)−6)。
この最終的代表値Δθ(=Δθav)は、前記第1実施形態同様、設定誤差Δθ0との比較により、該設定誤差Δθ0よりも大きいときには、設定誤差として更新記憶される(S28(3)−5、S28(3)−6)。
(1)高低角Avの測定精度をより高めるために、鉛直軸誤差だけに限らず、チルトセンサ、分度盤等の付属品についての機械的誤差(高低角に影響を与えるもの)をも検出して、それらを、高低角測定部30が検出する高低角から相殺すること。
(2)高低角Avに限らず水平角Ahについても、それに影響を与える機械的誤差を検出し、それを、水平角測定部28が測定する水平角から相殺し、水平角の測定精度を高めること。
前記測角部が測定する測定角度に反映される機械的誤差を検出する誤差検出部と、
前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、が備えられている前提構成の上で、次の(3−1)〜(3−4)の構成とすること。
前記誤差検出部が、前記測定角としての高低角に影響を及ぼす機械的誤差を検出するものであり、
前記誤差検出部が、鉛直軸誤差を検出するものである構成とすること。
この構成によれば、高低角に最も影響を及ぼす鉛直軸誤差にだけ着目して、その鉛直軸誤差を高低角から排除することができ、誤差検出部、補正処理部の構成の簡単化を図りつつ、測定対象物の位置情報としての高低角について、正確性を高めることができる。
この構成によれば、起動直後における測定作業前のタイミングを利用して、誤差検出部により機械的誤差を的確に検出できる。
前記誤差検出部が、前記測定角としての高低角に影響を及ぼす機械的誤差を検出するものであり、
前記補正処理部は、前記高低角測定部が測定する高低角から設定誤差を相殺したものを高低角として出力するように設定されていると共に、前記更新判定部により、前記誤差検出部が検出した機械的誤差が前記設定誤差よりも大きいと判定されたときには、該誤差検出部が検出した機械的誤差を設定誤差として更新するように設定されている構成とすること。
この構成によれば、誤差検出部が検出した機械的誤差が設定誤差を超えているときには、高低角測定部が測定した高低角からその機械的誤差を相殺して、出力すべき高低角の精度を高めることができる一方、誤差検出部が検出した機械的誤差が設定誤差以下のときには、高低角測定部が測定した高低角から設定誤差を相殺して、画一的な取扱いの下で、出力すべき高低角の精度を高めることができ、補正処理部における構成を簡素化することができる。
勿論、誤差検出部が検出した機械的誤差が設定誤差以下の場合においては、その設定誤差の相殺を通じて、結果的に、高低角測定部が測定した高低角から、誤差検出部が検出した機械的誤差が相殺されることになる。
この構成によれば、機械的誤差を極力、反映しないようにした正確な測定角を送信することができ、測定対象物においてその構成部材の移動制御を行う場合には、その精度を高めることができる。
前記測量装置として、測定対象物に対する角度を測定する測角部と、前記測角部が測定する測定角度に反映される機械的誤差を検出する誤差検出部と、前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、該補正処理部の出力値を前記建設機械に送信する通信部と、を備えるものを用意し、
前記測量装置が前記建設機械に対して関与するに先立ち、前記誤差検出部に前記機械的誤差を検出させ、
前記測量装置が前記建設機械に対して関与するに際して、前記補正処理部により、前記測角部が測定する測定角度から、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を相殺すると共に、前記通信部により、該補正処理部の出力値を、測定角度として前記建設機械に送信する前提構成の上で、次の(4−1)〜(4−3)の構成とすること。
前記測角部に、前記建設機械に対する高低角を測定させ、
前記誤差検出部に、高低角に影響を及ぼす前記測量装置の機械的誤差を検出させ、
前記補正処理部に、前記測角部が測定する高低角から、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を相殺したものを、高低角として出力させ、
前記誤差検出部に、前記測量装置の鉛直軸誤差を検出させる構成とすること。
この構成によれば、高低角に最も影響を及ぼし且つ最も検出し易い鉛直軸誤差を検出することから、測定精度を高めつつ当該測量装置の簡素化を図ることができる。
前記既知点に対する観測を正反観測をもって行うと共に、該正反観測の下で前記誤差検出部に前記機械的誤差をそれぞれ検出させ、
前記正反観測の下での前記機械的誤差から代表的な機械的誤差を導き出して、該代表的な機械的誤差を前記機械的誤差として前記補正処理部で用いる構成とすること。
この構成によれば、正位姿勢態様時の機械的誤差と反位姿勢態様時の機械的誤差とから、代表的な機械的誤差を算出することから、機械的誤差のばらつきを抑制して、実態に近い機械的誤差を得ることができる。
前記既知点として複数の既知点を用意し、
前記複数の各既知点に対する観測に同期して前記誤差検出部に前記機械的誤差をそれぞれ検出させ、
前記複数の機械的誤差から代表的な機械的誤差を導き出して、該代表的な機械的誤差を前記機械的誤差として前記補正処理部で用いる構成とすること。
この構成によれば、機械的誤差のばらつきを、一層抑制して、実態により近い機械的誤差を得ることができる。
3 スリップフォーム舗装機械(建設機械)
14 スクリード
27 水平回転駆動部(駆動部)
29 垂直回転駆動部(駆動部)
30 高低角測定部(測角部)
33 起動スイッチ
35 チルトセンサ(誤差検出部)
37 通信部
50 補正処理部
52 初期姿勢指示部
53 初期姿勢判断部
54 鉛直軸誤差(正)取込み部(誤差検出部)
55 鉛直軸誤差(反)取込み部(誤差検出部)
57 更新判定部
U 制御ユニット
Claims (8)
- 測定対象物に対する角度を測定する測角部を少なくとも備えている測量装置において、
前記測角部が測定する測定角度に反映される機械的誤差を検出する誤差検出部と、
前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、
が備えられている、
ことを特徴とする測量装置。 - 請求項1において、
前記測角部が、測定対象物に対する高低角を測定する高低角測定部であり、
前記誤差検出部が、前記測定角としての高低角に影響を及ぼす機械的誤差を検出するものである、
ことを特徴とする測量装置。 - 請求項1において、
測定姿勢を自在に変更調整する駆動部と、
起動スイッチが起動されたことを条件に、設置位置情報取得のための正位姿勢態様と反位姿勢態様とを順次、取るように前記駆動部に指示する初期姿勢指示部と、
前記初期姿勢指示部の指示に基づいて取られた正位姿勢態様と反位姿勢態様とを判断して、該正位姿勢態様時及び該反位姿勢態様時に、前記機械的誤差を検出することを前記誤差検出部に指示する初期姿勢判断部と、
前記誤差検出部が検出した正位姿勢態様時の機械的誤差と反位姿勢態様時の機械的誤差とから、代表的な機械的誤差を算出する誤差算出部と、
が備えられている、
ことを特徴とする測量装置。 - 請求項1において、
前記補正処理部が、前記測角部が測定する測定角度から設定誤差を相殺するものを測定角度として出力するように設定されていると共に、該補正処理部に、前記誤差検出部が検出した機械的誤差が前記設定誤差よりも大きいか否かを判定する更新判定部が関係付けられ、
前記更新判定部は、前記誤差検出部が検出した機械的誤差が前記設定誤差よりも大きいと判定したときには、前記補正処理部に対して該機械的誤差を新たな設定誤差として更新することを指示するように設定されている、
ことを特徴とする測量装置。 - 測量装置が、建設機械の位置情報を測定しつつ、該建設機械に該建設機械の位置情報を送信する測量装置の使用方法において、
前記測量装置として、測定対象物に対する角度を測定する測角部と、前記測角部が測定する測定角度に反映される機械的誤差を検出する誤差検出部と、前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、該補正処理部の出力値を前記建設機械に送信する通信部と、を備えるものを用意し、
前記測量装置が前記建設機械に対して関与するに先立ち、前記誤差検出部に前記機械的誤差を検出させ、
前記測量装置が前記建設機械に対して関与するに際して、前記補正処理部により、前記測角部が測定する測定角度から、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を相殺すると共に、前記通信部により、該補正処理部の出力値を、測定角度として前記建設機械に送信する、
ことを特徴とする測量装置の使用方法。 - 請求項5において、
前記建設機械が、該建設機械における構成部材について上下移動制御を行うものであり、
前記測角部に、前記建設機械に対する高低角を測定させ、
前記誤差検出部に、高低角に影響を及ぼす前記測量装置の機械的誤差を検出させ、
前記補正処理部に、前記測角部が測定する高低角から、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を相殺したものを、高低角として出力させる、
ことを特徴とする測量装置の使用方法。 - 請求項5において、
前記建設機械に対する関与に先立ち、既知点に対する観測に基づいて該測量装置の設置位置情報を取得すると共に、該観測に同期して前記誤差検出部に前記機械的誤差を検出させる、
ことを特徴とする測量装置の使用方法。 - 整地作業を行う建設機械と、該建設機械の位置情報を測定しつつ、該建設機械に該建設機械の位置情報を送信する測量装置と、前記建設機械に設けられて、前記測量装置からの位置情報を利用して該建設機械を制御する制御装置と、が備えられている建設機械の制御システムにおいて、
前記測量装置に、
前記建設機械の位置情報として、該建設機械に対する角度を測定する測角部と、
前記建設機械に関与するに先立って、測定角度に反映される該測量装置の機械的誤差を検出する誤差検出部と、
前記測角部が測定する測定角度を受け入れて、前記誤差検出部が検出した機械的誤差を該測定角度から相殺したものを、測定角度として出力する補正処理部と、が備えられている、
ことを特徴とする建設機械の制御システム。
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