JP2017141120A - Iii族窒化物半導体基板及びiii族窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体基板及びiii族窒化物半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極性や表面欠陥の影響を軽減できるIII族窒化物半導体基板を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するため、III族窒化物半導体層10を有するIII族窒化物半導体基板1を提供する。III族窒化物半導体層10は、III族窒化物半導体で構成され、主面11がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面である。主面11に存在する複数の欠陥の一部は線状に並んで欠陥列を形成している。【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体基板及びIII族窒化物半導体基板の製造方法に関する。
III族窒化物半導体基板の+c面(極性面)上に光デバイスや電子デバイス(以下、これらをまとめて「デバイス」という)を作製する場合、極性に起因する様々な制約を受ける。そこで、無極性面や半極性面上にデバイスを作製する試みがなされている。
非特許文献1には、m面サファイア基板上にマスクパターンを形成し、有機気相成長(MOCVD)法により気相成長を行い、+c面以外の主面を有するIII族窒化物半導体層を得る発明が開示されている。
Journal of Applied Physics Vol.108 083521 (2010).
非特許文献1のFig.3.に示されるように、III族窒化物半導体基板の主面(表面)上には表面欠陥(転位等)が存在し得る。多数の表面欠陥(転位等)が存在する基板にデバイスを作製した場合、デバイスの品質に悪影響を及ぼす。また、結晶成長時にマスクパターンを使用することにより、マスク近傍に局所的な歪が発生し、結晶に割れが発生しやすくなる。
本発明は、マスクパターンを使用せずに極性や表面欠陥の影響を軽減したIII族窒化物半導体基板を提供することを課題とする。
本発明によれば、
III族窒化物半導体で構成され、主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であり、前記主面に複数の欠陥が存在し、複数の前記欠陥の一部が線状に並んで欠陥列となっているIII族窒化物半導体層を有するIII族窒化物半導体基板が提供される。
また、本発明によれば、
主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であるIII族窒化物半導体下地層を準備する準備工程と、
前記III族窒化物半導体下地層の前記主面上に、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法でIII族窒化物半導体を成長することで、表面に複数の欠陥が存在し、複数の前記欠陥の一部が線状に並んで欠陥列となっているIII族窒化物半導体層を形成する形成工程と、
を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、極性や表面欠陥の影響を軽減できるIII族窒化物半導体基板が実現される。
本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の側面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の側面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の側面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の平面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板1のIII族窒化物半導体層10の主面11の一部を拡大した平面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板1のIII族窒化物半導体層10の主面11の一部を拡大した平面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本実施形態で用いることができるHVPE装置の一例の模式図である。 実施例1のIII族窒化物半導体層10の主面11をCL観察した画像である。 実施例2のIII族窒化物半導体層10の主面11を蛍光顕微鏡観察した画像である。
以下、本発明のIII族窒化物半導体基板、及び、III族窒化物半導体基板の製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。なお、図はあくまで発明の構成を説明するための概略図であり、各部材の大きさ、形状、数、異なる部材の大きさや厚さの比率などは図示するものに限定されない。
図1乃至図3に、本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の側面模式図の一例を示す。図示するように、III族窒化物半導体基板1は、III族窒化物半導体(AlGa1−x−yInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)。以下同様。)、例えばGaNで構成されたIII族窒化物半導体層10を有する。
III族窒化物半導体層10は、主面(露出面、成長面)11がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面である。例えば、主面11の面方位は、{−1−12X}面(X<0)である。
III族窒化物半導体層10の厚さは、100μm以上10mm以下、好ましくは300μm以上6mm以下である。
図1に示すように、III族窒化物半導体基板1は、III族窒化物半導体層10のみからなってもよいし、図2及び図3に示すように、III族窒化物半導体層10と他の層との積層体であってもよい。
図2のIII族窒化物半導体基板1は、他の層として、下地基板30及び中間層20を有する。例えば、下地基板30はサファイア基板等の異種基板であり、中間層20はバッファ層を含む。中間層20は、バッファ層のみからなる単層であってもよいし、バッファ層と他の1つ又は複数の層との積層体であってもよい。
図3のIII族窒化物半導体基板1は、他の層として、下地基板30を有する。例えば、下地基板30は、III族窒化物半導体層10と同種のIII族窒化物半導体で構成された基板である。
図4に、III族窒化物半導体基板1をIII族窒化物半導体層10側から見た平面模式図の一例を示す。図4は、図1乃至図3のIII族窒化物半導体基板1を図中上から下方向に見た図である。III族窒化物半導体基板1の平面形状は、例えば図4に示すように円形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
III族窒化物半導体層10の主面11には、複数の欠陥(不図示)が存在する。主面11に存在する欠陥は、III族窒化物半導体層10の厚さ方向に伸び、主面11まで達した転位を含む。
図5及び図6に、主面11の一部を拡大した模式図の一例を示す。図示するように、主面11には複数の欠陥12が存在する。そして、複数の欠陥12の一部は線状(例:直線、曲線)に並んで、一方向に延伸する欠陥列Mを形成している。線状に並ぶとは、複数の欠陥12が欠陥列Mの幅Wの方向(延伸方向に対して垂直な方向)に膨らむことなくきれいに一列に並んだ状態であってもよいし、3μm以下、好ましくは2μm以下程度の幅Wの方向のばらつきで、一列に並んだ状態であってもよい。
「複数の欠陥12が線状(例:直線、曲線)に並んで一方向に延伸する欠陥列Mを形成している状態」においては、以下の実施例で詳細を示すが、図10に示すように、少なくとも蛍光顕微鏡で50倍の倍率でIII族窒化物半導体層10の表面を観察した際、複数の欠陥12の一部が線状に並んで欠陥列M(図中、矢印で示す)を形成していることを確認できる。
なお、図示するように、主面11上には、線状に並ばない欠陥12も存在する。しかし、主面11上の複数の欠陥12は、欠陥列に集中している。結果、欠陥列部分における欠陥12の密度は、欠陥列が存在しない部分における欠陥12の密度よりも大きくなっている。例えば、主面11上で欠陥列を含むように設定した所定面積の第1のエリアにおける欠陥12の密度は、主面11上で欠陥列を含まないように設定した所定面積の第2のエリアにおける欠陥12の密度よりも大きくなる。
主面11には、複数の欠陥列が存在する。図5の例では、2個の欠陥列M1及びM2が示されている。図6の例では、13個の欠陥列M3乃至M15が示されている。図示するように、複数の欠陥列は、同一方向に延伸する。具体的には、複数の欠陥列は、III族窒化物半導体層10を構成するIII族窒化物半導体のc軸方向を主面11に投影したc軸投影方向に延伸している。なお、他の方向に延伸する欠陥列が混在してもよいが、複数の欠陥列の大部分は、同一方向(c軸投影方向)に延伸する。
第1の欠陥列と、第1の欠陥列に隣接する第2の欠陥列との距離Dは、5μm以上、好ましくは300μm以上である。互いに隣接する第1及び第2の欠陥列の間には、他の欠陥列が存在しない。本実施形態の場合、主面11上に、このような関係を満たす第1及び第2の欠陥列のペアが少なくとも1組存在する。
欠陥列の長さLは、数μmから数百μm程度、さらにそれ以上になる場合もある。欠陥列の長さLは、III族窒化物半導体層10の厚さの変化(成長の程度)に応じて変動する。なお、「欠陥列に欠陥を集中させる」観点では、欠陥列の長さLは、1μm以上であるのが好ましい。一方、本発明者らは、III族窒化物半導体層10の厚さをある程度十分に大きくすると、厚さが増えるに従いIII族窒化物半導体層10の表面の欠陥が低減し、欠陥列Mが短くなっていくことを確認している。かかる場合、低欠陥領域(デバイス作製領域)を広く取る観点では、欠陥列の長さLは10μm未満程度に減らせるのが好ましい。すなわち、結晶成長初期(III族窒化物半導体層10の厚さが相対的に薄い時)では、長さLが1μm以上となり、欠陥を線状に集中させるのが好ましい。一方、III族窒化物半導体層10の厚さがある程度厚くなり、厚さが増えるほど欠陥を減らせる状態になった後は、欠陥列の長さLを10μm未満に短くするのが好ましい。本実施形態の場合、主面11上に、当該長さを満たし、かつ、上記距離の関係を満たす第1及び第2の欠陥列のペアが少なくとも1組存在する。
図示しないが、主面11には、主面11の面方位(主面11の法線方向と垂直な面の面方位)から傾いた面方位のファセット面が複数存在してもよい。複数のファセット面の中には、2つのファセット面同志が辺で繋がり谷部を形成しているものが存在してもよい。当該例の場合、上記欠陥列は、ファセット面で形成された谷部の底の辺に沿って延在する。
なお、複数のファセット面により、複数の谷部が形成されていてもよい。当該例の場合、複数の谷部の底の辺は、同一方向に延伸する。具体的には、III族窒化物半導体層10を構成するIII族窒化物半導体のc軸方向を主面11に投影したc軸投影方向に延伸する。そして、複数の欠陥列各々は、複数の谷部各々の底の辺に沿って延在する。以下の実施例で、このようなファセット面を有する主面11の画像を示す。
次に、上述のような特徴的な構成のIII族窒化物半導体基板1の製造方法の一例を説明する。図7のフローチャートに示すように、III族窒化物半導体基板1の製造方法は、準備工程S10と、形成工程S20とを有する。
準備工程S10では、主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であるIII族窒化物半導体下地層を準備する。
例えば、c面成長したIII族窒化物半導体結晶から、ミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面の中の所定の面を切断面としてIII族窒化物半導体下地層(基板)を切り出してもよい。または、c面成長したIII族窒化物半導体結晶の一部を研磨等で除去し、研磨面にミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面の中の所定の面を露出させることで、III族窒化物半導体下地層(基板)を得てもよい。その他の例として、成長面が所定の面方位となったサファイア基板等の異種基板上に、ミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面の中の所定の面を成長面としてIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させることで、III族窒化物半導体下地層を形成してもよい。この場合、異種基板とIII族窒化物半導体下地層の間に、バッファ層等の他の層が介在してもよい。
形成工程S20では、準備工程S10で準備したIII族窒化物半導体下地層の上記主面上に、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法でIII族窒化物半導体、例えばGaNをエピタキシャル成長する。III族窒化物半導体下地層の主面(成長面)の面方位と、以下で説明する成長条件とを組み合わせることで、上述のようなファセット面、及び、上述のように並んだ欠陥列を有するIII族窒化物半導体層10を形成することができる。
成長条件は、以下の通りである。
温度:900℃以上1150℃以下
V/III比:0.8以上50以下
ここで、図8を用いて、ハイドライド気相成長(HVPE)装置100でGaNをエピタキシャル成長させる一例を説明する。
図示するHVPE装置100は、反応管121と、反応管121内に設けられている基板ホルダ123とを備える。基板ホルダ123には基板141(準備工程S10で準備したIII族窒化物半導体下地層を含む基板)が保持される。基板141は、ミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面である主面が露出するように保持される。
また、HVPE装置100は、III族原料ガスを反応管121内に供給するIII族原料ガス供給部139と、窒素原料ガスを反応管121内に供給する窒素原料ガス供給部137とを備える。さらに、HVPE装置100は、ガス排出管135と、ヒータ129、130とを備える。
基板ホルダ123は、反応管121の下流側に回転軸132により回転自在に設けられている。ガス排出管135は、反応管121のうち基板ホルダ123の下流側に設けられている。
III族原料ガス供給部139は、ガス供給管126とソースボート128とIII族(Ga)原料127と反応管121のうち遮蔽板136の下の層とを含む。
窒素原料ガス供給部137は、ガス供給管124と反応管121のうち遮蔽板136の上の層とを含む。
III族原料ガス供給部139は、III族原子のハロゲン化物(たとえば、GaCl)を生成し、これを基板ホルダ123に保持された基板141の表面に供給する。
ガス供給管126の供給口は、III族原料ガス供給部139内の上流側に配置されている。このため、供給されたハロゲン化水素ガス(たとえば、HClガス)は、III族原料ガス供給部139内でソースボート128中のIII族原料127と接触するようになっている。
これにより、ガス供給管126から供給されるハロゲン含有ガスは、ソースボート128中のIII族原料127の表面または揮発したIII族分子と接触し、III族分子をハロゲン化してIII族のハロゲン化物を含むIII族原料ガスを生成する。なお、このIII族原料ガス供給部139の周囲にはヒータ129が配置され、III族原料ガス供給部139内は、たとえば800〜900℃程度の温度に維持される。
反応管121の上流側は、遮蔽板136により2つの層に区画されている。図中の遮蔽板136の上側に位置する窒素原料ガス供給部137中を、ガス供給管124から供給されたアンモニアが通過し、熱により分解が促進される。なお、この窒素原料ガス供給部137の周囲にはヒータ129が配置され、窒素原料ガス供給部137内は、たとえば800〜900℃程度の温度に維持される。
図中の右側に位置する成長領域122には、基板ホルダ123に保持された基板141が配置され、この成長領域122内でGaN等のIII族窒化物半導体の成長が行われる。この成長領域122の周囲にはヒータ130が配置され、成長領域122内は、たとえば1000℃〜1050℃程度の温度に維持される。
本実施形態のIII族窒化物半導体基板1の製造方法は、形成工程S20の後、後工程を有してもよい。後工程では、III族窒化物半導体層10の主面11をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の手段で研磨してもよい。また、後工程では、任意の手段で、III族窒化物半導体層10以外の層を除去してもよい。また、後工程では、III族窒化物半導体層10をスライスし、1つ又は複数の基板を取り出してもよい。
後工程により、III族窒化物半導体層10の主面11に形成されたファセット面が除去され得る。しかし、以下の実施例で示すように、ファセット面が除去された主面11上には、ファセット面の名残や、上述のように並んだ欠陥列が存在し得る。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態の製造方法によれば、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長してIII族窒化物半導体層10を形成する際に、成長面にファセット面を形成することができる。このようなファセット面からエピタキシャル成長させることで横または斜め方向への成長を促進し、転位の延伸方向を横または斜め方向に曲げることができる。結果、III族窒化物半導体層10の主面11に転位が達する不都合を軽減し、主面11上の転位の密度を少なくすることができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、ファセット面同志が辺で繋がり谷部を形成し、谷部の底付近に欠陥を集中させることができる。このような本実施形態の製造方法で得られるIII族窒化物半導体層10は、主面上の複数の欠陥の一部が線状に並んで欠陥列を形成している。そして、当該欠陥列に欠陥が集中している。
このように、欠陥が集中して規則的に並んでいるので、欠陥が存在する領域や、欠陥があまり存在しない領域を容易に特定することができる。結果、欠陥があまり存在しない領域上に選択的にデバイスを作製することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、複数のファセット面が複数の谷部を形成する。そして、複数の谷部の底の辺は同一方向に延伸し、複数の欠陥列各々は、複数の谷部各々の底の辺に沿って延在する。このような本実施形態の製造方法で得られるIII族窒化物半導体層10においては、III族窒化物半導体層10の主面上の複数の欠陥列が同一方向に延伸している。このため、欠陥が存在する領域や、欠陥があまり存在しない領域をより容易に特定することができる。
また、欠陥があまり存在しない領域が規則的に現れるので、欠陥があまり存在しない領域上に選択的にデバイスを作製する場合であっても、規則的に並べてデバイスを作製することができる。結果、デバイス作製工程が複雑化する不都合を軽減できる。
また、本実施形態の製造方法によれば、成長するIII族窒化物半導体層10の厚さを厚くするほど、隣接する谷部の底の距離は大きくなる。すなわち、成長するIII族窒化物半導体層10の厚さを調整することで、隣接する谷部の底の距離を調整することができる。結果、隣接する谷部の底の距離を300μm以上とすることができる。
このような本実施形態の製造方法で得られるIII族窒化物半導体層10は、隣接する欠陥列の距離を300μm以上とすることができる。すなわち、欠陥があまり存在しない領域の幅を300μm以上とすることができる。このように、欠陥があまり存在しない領域の幅を、デバイスを作製するために十分な幅とすることができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、谷部の底の辺の長さは、1μm以上となる。このような本実施形態の製造方法で得られるIII族窒化物半導体層10は、欠陥列の長さを1μm以上とすることができる。すなわち、欠陥があまり存在しない領域(欠陥列で挟まれる領域)の長さを1μm以上とすることができる。このように、欠陥があまり存在しない領域の長さを、デバイスを作製するために十分な長さとすることができる。
また、本実施形態の場合、III族窒化物半導体層10の厚さを100μm以上とすることができる。本発明者らは、III族窒化物半導体層10の成長厚さを増加するほど、主面11における欠陥の数を減らせることを確認している。また、本発明者らは、III族窒化物半導体層10の成長厚さを増加するほど、欠陥列の数を減らし、隣接する欠陥間の距離を大きくできることを確認している。III族窒化物半導体層10の厚さを100μm以上とすることで、主面11上の欠陥の数を十分に減らし、かつ、隣接する欠陥列間の距離(幅)を、デバイスを作製するための領域として十分な幅にすることができる。また、本発明者らは、III族窒化物半導体層10の成長厚さを増加するほど、欠陥列の長さLを短くし、10μm未満にできることを確認している。このように、欠陥列の長さを短くすることで、主面11における欠陥の数を減らすことができる。
また、本実施形態のIII族窒化物半導体基板1は、主面11が半極性面であるIII族窒化物半導体層10を有する。このようなIII族窒化物半導体層10の主面11上にデバイスを作製することで、極性面上にデバイスを作製する場合に比べて極性の影響を軽減できる。
また、本実施形態のIII族窒化物半導体基板1は、結晶成長においてマスク等を用いない。このため、従来技術のようにマスク近傍で局所的な歪が生じるということは無く、結晶に割れが生じにくい。
また、本実施形態の製造方法で得られるIII族窒化物半導体層10は、隣接する欠陥列の距離を5μm以上とすることができる。このように隣接する欠陥列間の幅を5μm以上とすることで、結晶上への再成長を行う際、結晶成長が円滑に行われることが予想される。
本実施形態のIII族窒化物半導体層10は、デバイス用基板として利用することができる。通常、結晶を基板に加工する際には加工工程としてCMP(化学機械研磨)が入る。この化学エッチングにおいて、欠陥集合部(=欠陥列)と低欠陥部(=欠陥列間)との間のエッチングレート差により凹凸が生じ得る。
一般的に、低欠陥部はエッチングレートが遅く、凸になる。このような凸の上に何らかの形で再成長を行う際、幅(欠陥列間)があまり狭いと、安定した成長が困難になると予想される。例えば、異常成長が起きたり、結晶軸に傾きが生じたりする可能性がある。欠陥列間の幅を5μm以上とすることで、上述のような不都合の軽減が期待される。
<<実施例>>
<実施例1>
(−1−12−3)面を主面として有するIII族窒化物半導体下地層を準備した。そして、当該主面上に、以下の成長条件でGaNをエピタキシャル成長し、III族窒化物半導体層10を形成した。
温度:1040℃
V/III比=10
成長時間:60分
図9に、III族窒化物半導体層10の主面11をCL(Cathodoluminescence)観察した画像を示す。図中に、III族窒化物半導体層10を構成するGaNの軸方向を示している。
図中、上下方向に伸びる白線部が、ファセット面で形成された谷部の底である。そして、白線部(谷部の底)に沿って並んでいる暗点が、欠陥(転位)である。
図より、複数の欠陥が線状に並んで欠陥列を形成していることが分かる。また、複数の欠陥列が存在し、同一方向に延伸していることが分かる。
<実施例2>
(−1−12−3)面を主面として有するIII族窒化物半導体下地層を準備した。そして、当該主面上に、以下の成長条件でGaNを2回エピタキシャル成長し、III族窒化物半導体層10を形成した。
温度:1040℃
V/III比=10
成長時間:11.5時間
エピタキシャル成長で得られたIII族窒化物半導体層10を、ワイヤソーを用いて主面11に沿ってスライスし、得られた主面11を機械研磨およびCMP研磨した。
図10に、研磨後のIII族窒化物半導体層10の主面11を蛍光顕微鏡で50倍(接眼レンズ10倍×対物レンズ5倍)の倍率で観察した画像を示す。矢印で示す暗点の列が、欠陥列である。
図より、主面11をCMPで研磨した後も、線状に並んだ欠陥列の特徴が観察されることが分かる。また、主面11をCMPで研磨した後も、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長している際にファセットが存在していたことの影響が残り、ファセットによる濃淡が観察できることが分かる。また、隣接する欠陥列の距離が300μm以上となっていることが分かる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. III族窒化物半導体で構成され、主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であり、前記主面に複数の欠陥が存在し、複数の前記欠陥の一部が線状に並んで欠陥列となっているIII族窒化物半導体層を有するIII族窒化物半導体基板。
2. 1に記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記主面には複数の前記欠陥列が存在し、複数の前記欠陥列は同一方向に延伸しているIII族窒化物半導体基板。
3. 1又は2に記載のIII族窒化物半導体基板において、
第1の前記欠陥列と、前記第1の欠陥列に隣接する第2の前記欠陥列との距離は、5μm以上であるIII族窒化物半導体基板。
4. 1から3のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記欠陥列の長さは、1μm以上であるIII族窒化物半導体基板。
5. 1から4のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記欠陥列は、前記III族窒化物半導体層を構成するIII族窒化物半導体のc軸方向を前記主面に投影したc軸投影方向に延伸しているIII族窒化物半導体基板。
6. 1から5のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記主面は、{−1−12X}面(X<0)であるIII族窒化物半導体基板。
7. 1から6のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記III族窒化物半導体層の厚さは、100μm以上であるIII族窒化物半導体基板。
8. 1から7のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記主面には、前記主面の面方位から傾いた面方位のファセット面が複数存在し、
前記ファセット面同志が辺で繋がり谷部を形成し、
前記谷部の底の前記辺に沿って、前記欠陥列が延在するIII族窒化物半導体基板。
9. 1から8のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板において、
前記主面上の複数の前記欠陥は、前記欠陥列に集中しているIII族窒化物半導体基板。
10. 主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であるIII族窒化物半導体下地層を準備する準備工程と、
前記III族窒化物半導体下地層の前記主面上に、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法でIII族窒化物半導体を成長することで、表面に複数の欠陥が存在し、複数の前記欠陥の一部が線状に並んで欠陥列となっているIII族窒化物半導体層を形成する形成工程と、
を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。
1 III族窒化物半導体基板
10 III族窒化物半導体層
11 主面
12 欠陥
20 中間層
30 下地基板
100 HVPE装置
121 反応管
122 成長領域
123 基板ホルダ
124 ガス供給管
125 配管
126 ガス供給管
127 III族原料
128 ソースボート
129 ヒータ
130 ヒータ
132 回転軸
135 ガス排出管
136 遮蔽板
137 窒素原料ガス供給部
139 III族原料ガス供給部
141 基板

Claims (10)

  1. III族窒化物半導体で構成され、主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であり、前記主面に複数の欠陥が存在し、複数の前記欠陥の一部が線状に並んで欠陥列となっているIII族窒化物半導体層を有するIII族窒化物半導体基板。
  2. 請求項1に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記主面には複数の前記欠陥列が存在し、複数の前記欠陥列は同一方向に延伸しているIII族窒化物半導体基板。
  3. 請求項1又は2に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    第1の前記欠陥列と、前記第1の欠陥列に隣接する第2の前記欠陥列との距離は、5μm以上であるIII族窒化物半導体基板。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記欠陥列の長さは、1μm以上であるIII族窒化物半導体基板。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記欠陥列は、前記III族窒化物半導体層を構成するIII族窒化物半導体のc軸方向を前記主面に投影したc軸投影方向に延伸しているIII族窒化物半導体基板。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記主面は、{−1−12X}面(X<0)であるIII族窒化物半導体基板。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記III族窒化物半導体層の厚さは、100μm以上であるIII族窒化物半導体基板。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記主面には、前記主面の面方位から傾いた面方位のファセット面が複数存在し、
    前記ファセット面同志が辺で繋がり谷部を形成し、
    前記谷部の底の前記辺に沿って、前記欠陥列が延在するIII族窒化物半導体基板。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板において、
    前記主面上の複数の前記欠陥は、前記欠陥列に集中しているIII族窒化物半導体基板。
  10. 主面がミラー指数{hklm}で表される六方晶系結晶においてmの指数がマイナスとなる半極性面であるIII族窒化物半導体下地層を準備する準備工程と、
    前記III族窒化物半導体下地層の前記主面上に、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法でIII族窒化物半導体を成長することで、表面に複数の欠陥が存在し、複数の前記欠陥の一部が線状に並んで欠陥列となっているIII族窒化物半導体層を形成する形成工程と、
    を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。
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