JP2017140783A - 記録装置、液体吐出ヘッド、記録方法、及びプログラム - Google Patents

記録装置、液体吐出ヘッド、記録方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】環境の変化が生じても、インク等の液体に含まれる揮発成分が吐出口から蒸発することによって引き起こされる、画像の色ムラ、着弾精度の悪化、吐出不全の発生を抑制することができる記録装置を提供する。【解決手段】液体を吐出する吐出口11と、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、素子を内部に備える圧力室と、圧力室と連通し圧力室に液体を供給する第1流路と、圧力室と連通し圧力室から液体を回収する第2流路と、を備える液体吐出ヘッドと、第1流路、圧力室、第2流路の順に流れる液体の流れを発生させる発生手段と、吐出口からの液体の蒸発に関する情報を取得する取得手段と、取得した情報に基づいて、流れの流量を制御する制御手段と、を有。【選択図】図9

Description

本発明は、記録装置、液体吐出ヘッド、記録方法、及びプログラムに関する。
インクジェット液体吐出ヘッドでは、吐出口からインク中の揮発成分が蒸発することにより、吐出口付近の色材濃度変化に起因する画像の色ムラや、吐出口付近の粘度上昇がもたらす吐出速度変化に起因する着弾精度の悪化といった問題が起こっている。特に休止時間が長い場合、粘度の増加が顕著になり、インクの固形成分が吐出口付近に固着する。固形成分はインクの流体抵抗を著しく増加させるため、インクの吐出不良が生じる。
このような吐出口付近におけるインク増粘現象に対する対策の1つとして、液体吐出ヘッドに供給するインクを循環路により循環させる方法が知られている。特許文献1には、複数の吐出エネルギー発生素子を有するヘッド基板と、複数のインク吐出口を有する吐出口部材とを所定の間隔をあけて配設し、その隙間にインクを循環させるインクジェット液体吐出ヘッドが記載されている。
特開2002−254643号公報
しかしながら、従来のインクジェット液体吐出ヘッドを用いた場合、液体吐出ヘッド自体の温度や環境温度、湿度の変化により吐出口からのインク中揮発成分の蒸発速度が大きく変化し、吐出口部におけるインク流の状態が変わってしまうという問題があった。このような現象が起きる理由は、吐出口からの蒸発による流れと吐出口部に強制的に流入してくる流れ、そして、これらの流れによる色材の溶媒中の拡散具合によって説明できる。
図14(a)は、液体吐出ヘッドの温度と環境温度とが夫々25℃、湿度が50%の場合における、インク流が定常状態になったときの、供給流路16と吐出口部13とを含む領域(吐出部ともいう)における流れをベクトル線図で表した図である。図14(b)は、液体吐出ヘッドの温度と環境温度とが夫々50℃、湿度が10%の場合における、インク流が定常状態になったときの吐出部の流れをベクトル線図で表した図である。なおこれらの図において、各ベクトルの長さはインク流の速度の大きさを表すものでなく、全ての速度値に対し一定とする。図14(a)が示すように、液体吐出ヘッドの温度と環境温度とが夫々25℃、湿度が50%の場合(相対的に蒸発速度が遅い場合)、吐出口部13のインクと、供給流路16から流入してくるインクとを置換する流れが生じている。一方、図14(b)が示すように、液体吐出ヘッドの温度と環境温度とが夫々50℃、湿度が10%の場合(相対的に蒸発速度が速い場合)、吐出口部13のインクと、供給流路16から流入してくるインクとを置換する流れは、図14(a)の場合と比べると弱い。その結果、図14(a)の場合に比べて、吐出口11近傍で不揮発成分の濃度が上昇し、インク粘度が局所的に増加し易くなる。
図15(a)は、図14(a)に示す状態で液体吐出ヘッド43からインクを吐出したときのインク液滴の着弾する様子を示し、図15(b)は、図14(b)に示す状態で液体吐出ヘッド43からインクを吐出したときのインク液滴の着弾する様子を示す。図15(b)の場合、図15(a)の場合と比べると、インク粘度の増加により、気泡の液滴に対する仕事量が損失し、吐出速度が遅くなり、結果的に、液滴を所定の位置に着弾させることができなくなる。最悪の場合、インク粘度が高すぎて吐出口からインクを吐出できないことも起こってしまう。また流れ場が変わったことにより飛翔するインク中の色材濃度が高くなっていた場合、記録媒体上に着弾後のドット濃度が濃くなってしまうということも起こり得る。このように環境に応じて蒸発速度が変化することにより吐出口部における流れが変わると、画像の品質低下が誘発される。
本発明はこのような技術的背景の下になされたものである。本発明の目的は、印刷時、非印刷時を問わず環境の変化が生じても、インク等の液体に含まれる揮発成分が吐出口から蒸発することによって引き起こされる、画像の色ムラ、着弾精度の悪化、吐出不全の発生を抑制することである。
本発明は、液体を吐出する吐出口と、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、該素子を内部に備える圧力室と、該圧力室と連通し該圧力室に液体を供給する第1流路と、該圧力室と連通し該圧力室から液体を回収する第2流路と、を備える液体吐出ヘッドと、前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体の流れを発生させる発生手段と、前記吐出口からの液体の蒸発に関する情報を取得する取得手段と、前記取得した情報に基づいて、前記流れの流量を制御する制御手段と、を有することを特徴とする記録装置である。
本発明により、環境の変化による画像の色ムラ、着弾精度の悪化、吐出不全の発生を抑制し、画像の品質低下を抑制することが可能となる。
第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける吐出部の模式図 第1の実施形態に係る吐出部におけるインク流の流れ場を表す模式図 第1の実施形態に係る吐出口からの蒸発速度の時間変化を表す図 第1の実施形態に係る吐出口部における不揮発性溶媒濃度の時間変化を表す図 第1の実施形態に係る吐出口からの蒸発速度の時間変化を表す図 第1の実施形態に係る吐出口部におけるインク流の流れ場を表す模式図 第1の実施形態に係る吐出口部における不揮発性溶媒の濃度分布を表す図 第1の実施形態に係る吐出口部における不揮発性溶媒濃度の時間変化を表す図 第1の実施形態に係る単位時間辺りに供給するインク量を増加したときの、吐出口部におけるインク流の流れ場を表す模式図 第1の実施形態に係る単位時間辺りに供給するインク量を増加したときの、吐出口部における不揮発性溶媒濃度の時間変化を表す図 第1の実施形態に係る単位時間辺りに供給するインク量を増加したときの、吐出口部における不揮発性溶媒の濃度分布を表す図 第2の実施形態に係る吐出口部におけるインク流の流れ場を表す模式図 第2の実施形態に係る単位時間辺りに供給するインク量を増加したときの、吐出口部における不揮発性溶媒濃度の時間変化を表す図 吐出部におけるインク流の流れ場を表す模式図 液体吐出ヘッドからインクを吐出したときのインク液滴の着弾を表す模式図 本発明に係る記録装置の外観斜視図 本発明に係る記録装置が有するインク供給系のブロック図 本発明に係る記録装置のブロック図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る記録装置及び記録方法について説明する。以下の実施形態では、インクジェット記録装置、インクジェット液体吐出ヘッドについて具体的な構成を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の記録装置及び記録方法は、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用可能である。例えば、バイオチップ作製や電子回路印刷、半導体基板の作製などの用途としても用いることができる。また、以下に述べる実施形態は、本発明の適切な具体例であるから、技術的に好ましい様々の限定が付けられている。しかし、本発明の思想に沿うものであれば、実施形態は、本明細書に記載されている内容やその他の具体的方法に限定されるものではない。
図16から図18は、本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明の液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェット記録装置(液体吐出装置)の構成例について説明するための図である。図16は、本発明の液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェット記録装置の機械的な構成例を表す外観斜視図であり、図17は、そのインクジェット記録装置が有する液体(インク)供給系の1例を表すブロック図である。
図16に示すように、インクジェット記録装置は、シャシー40と、媒体給送部41と、媒体搬送部42と、液体吐出ヘッド43とを備える。シャシー40は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成されており、このインクジェット記録装置の骨格をなす。シャシー40には、媒体給送部41、媒体搬送部42、及び液体吐出ヘッド43が組み付けられている。媒体給送部41は、図示しないシート状の記録媒体をインクジェット記録装置の内部へと自動的に給送する。媒体搬送部42は、媒体給送部41から1枚ずつ給送される記録媒体を、図中矢印Aの方向に沿って所定の記録位置へ導く。液体吐出ヘッド43は、記録位置に搬送された記録媒体に対し、画像データに基づきインクを吐出する記録動作を行う。液体吐出ヘッド43が有するオリフィスプレート(吐出口部材)は液体吐出ヘッド43の下部に配置され、オリフィスプレート上にはインクを吐出するための吐出口が複数形成されている。液体吐出ヘッド43は、記録動作時には、画像データに基づき所定の吐出口から所定量のインクを吐出する。
図17に示すように、インクジェット記録装置は、液体吐出ヘッド43と、液体吐出ヘッド43にインクを供給するための供給用インクタンク44と、液体吐出ヘッド43からインクを回収するための回収用インクタンク45とから成るインク供給系を有する。供給用インクタンク(供給用液体収納容器)44は、後述する供給流路16に供給するインク等の液体を貯留する。回収用インクタンク(回収用液体収容容器)45は、後述する回収流路17から回収されたインクを貯留する。流すインクとしては、用途に応じてインク中の不揮発性溶媒と、揮発性溶媒と、色材との濃度を調整したものが使用され、その粘度は0.002〜0.100Pa・sに調整されている。なお、回収用インクタンク45に回収されたインクを供給用インクタンクに戻す構造を有し、圧力室15と液体吐出ヘッド43外部との間でインクが循環する液体供給系を採用しても良い。この場合、インクは、供給用インクタンク44〜液体吐出ヘッド43〜回収用インクタンク45〜供給用インクタンク44〜・・・の順番で循環することとなる。
図18は、本発明に係るインクジェット記録装置の構成の一例を示すブロック図であり、インクジェット記録装置の制御に関わる構成要素を説明するための図である。インクジェット記録装置は、制御部47と、液体吐出ヘッド制御部46と、センサ制御部48と、メカ制御部50と、液体吐出ヘッド43と、センサ部49と、メカ部51とを備える。制御部47は、CPU、RAM、ROM等から構成され、インクジェット記録装置の要素を統括的に制御する。
液体吐出ヘッド制御部46は、制御部47からの指令に従い画像データに基づいて記録するよう液体吐出ヘッド43を制御する。また、液体吐出ヘッド制御部46は、液体吐出ヘッド43の状態を示す温度を検知し、該検知した温度の情報を制御部47に送る。このとき、液体吐出ヘッドの温度を検知するヘッド温度検知手段として、液体吐出ヘッドに設けたダイオードセンサなどを用いて良い。なお、液体吐出ヘッドの温度は、吐出口部や吐出口における温度と略同一である。センサ部49は、インクジェット記録装置が設置された環境(以下、設置環境)における温度や湿度、キャリッジ位置、インク流の流量等を検知する各種センサを含み、環境温度検知手段、環境湿度検知手段、インク供給量検知手段等の情報取得手段として機能する。センサ部49は、該検知した値をセンサ制御部48に送る。センサ制御部48は、制御部47からの指令に従いセンサ部49を制御するとともに、センサ部49から送られた値を制御部47に転送する。
メカ部51は、インク流を発生させるためのポンプ、流路内の圧力(負圧)を制御するための負圧制御ユニット、流路を開閉するための弁などを含む。メカ制御部50は、制御部47からの指令に従い、メカ部51の駆動を制御する。
インクジェット記録装置は設置環境における温度や湿度により蒸発速度(単位時間辺りの蒸発量)が大きく異なる。従って本発明では、インクジェット記録装置が吐出口からの蒸発速度が速い環境(例えば高温かつ低湿な環境)に設置されることを想定してメカ部51を調整する。
例えば、事前の調査等により、液体吐出ヘッドの温度、設置環境の温度、及び設置環境の湿度のうち少なくとも1つと、吐出口からの蒸発速度に対応するインク流の必要流量とを対応付けしたテーブルを求めておいても良い。以下にテーブルの例を挙げる。
Figure 2017140783
そして、該求めたテーブルを元に調整後の設定値を制御部47のROMに格納しておく実施形態が考えられる(或いは、上記のようなテーブルそのものを制御部47のROMに格納しておいても良い。)。このような実施形態では、制御部47のCPUは、ROMに格納されている値を参照することで、インク流の流量を設定できる。以下、本発明を好適に適用可能な実施形態について説明する。
<第1の実施形態>(吐出口部に渦流が生じる構成)
以下、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置、及び、インクジェット液体吐出ヘッドを、図1から図11を用いて説明する。なお以下では、液体吐出ヘッドの温度と、設置環境の温度とが同一であると仮定して説明を行う。
(吐出部の基本構成について)
図1(a)は、本実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける吐出部の平面図である。図1(b)は、図1(a)の断面線A−A’における断面図である。図1(c)は、図1(a)の断面線A−A’における断面を示す斜視図である。図1(b)に示すように、圧力発生素子(以下ヒーター)14が形成された支持基板12上に、5〜20μmの隙間を形成するようにオリフィスプレート18が配設されている。本実施形態では液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する圧力発生素子として熱エネルギーを発生するヒーターについて説明するが、本発明はこれに限られず圧電素子等の各種圧力発生素子が使用可能である。ヒーター14は、インク吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子である。図1(b)及び図1(c)に示すように、オリフィスプレート18にはインクを吐出するための吐出口11が、ヒーター14と対面する位置に複数設けられており、吐出口11毎の吐出口部13を形成している。圧力室15は、オリフィスプレート18と支持基板12との間の空間のなかで、吐出口部13と連通している領域である。吐出部は、内部にヒーター14を備える圧力室15と、圧力室15にインクを流入させるための流路である供給流路16とが連通し、圧力室15と、圧力室15からインクを流出させるための流路である回収流路17とが連通する構成を有する。このような構成の吐出部において強制的なインク流を発生させることで、圧力室15、及び、吐出口11と圧力室15とを連通する吐出口部13に滞留しているインクを流動させることが可能である。インクは、支持基板12とオリフィスプレート18との間に形成された空間を埋めるように充填される。なお本実施形態では、不揮発性溶媒の濃度が30%であり、粘度が0.002Pa・sのインクを使用した。
(吐出部におけるインク流の流れ場、及び、溶媒濃度について)
図2は、ヘッド温度と環境温度とが夫々25℃、湿度が50%の条件で、供給流路16からインクが強制的に流入した際に、インク流が定常状態になったときのインク流の流れ場を表す模式図である。なお、説明のために図中に示すように座標軸を設定する。また、この図において、各ベクトルの長さはインク流の速度の大きさを表すものでなく、全ての速度値に対し一定とする。本実施形態では、オリフィスプレート18の厚みは11μmであり、オリフィスプレート18と支持基板12との間の隙間の厚さは14μmである。また、供給流路16から供給する単位時間辺りのインク量は8.7×10^−5ml/minである。このとき、圧力室15のx方向の長さを25μm、それに垂直なz方向の長さを20μmとすると、圧力室15内でのインク流の平均流速は約6.3mm/sである。
図3は、上記の条件下における、吐出口11からの蒸発速度の時間変化を表すグラフである。図中実線は、インク流を強制的に発生させ、吐出口部13に循環流が発生している場合を示す。一方、破線は、強制的なインク流が無く、吐出口部13に循環流が発生していない場合を示す。なお、吐出口11はキャップ部材により略密閉状態に覆われており、キャップ部材を液体吐出ヘッドから離脱させることで、吐出口11を大気に開放する瞬間をt=0としている。強制的なインク流が無い場合、吐出口11からインク中の揮発成分が蒸発することにより吐出口11近傍および吐出口部13内に不揮発成分が溜まる。従って、図中に破線で示すように、時間経過とともに、吐出口11表面に存在する揮発性溶媒の量が減少するのに伴って蒸発速度も低下する。一方、強制的なインク流がある場合(圧力室15にインク流が発生している場合)、吐出口11からインク中の揮発成分が蒸発するが、供給流路16から圧力室15に流入してくるインク流の一部が吐出口部13に流れ込む。これにより、吐出口部13内に渦流が生じる(図2参照)。この渦流により、吐出口11からの蒸発により不揮発成分の濃度が高くなったインクと、供給流路16から流入してくるインクとが置換される現象が起こる。その結果、一定時間経過後、揮発成分の蒸発による影響と、インク流入による影響とが釣り合って平衡状態になり、吐出口11の気液界面において揮発成分と不揮発成分との暴露している比率が略一定になる。従って、図中に実線で示すように、強制的なインク流が無い場合に比べると、蒸発速度が大きい状態を保ち続ける。
図4は、図3を用いて上述したような強制的なインク流の有無により吐出口11からの蒸発速度が異なる場合(強制的なインク流が有る場合と、強制的なインク流が無い場合)の、吐出口部13におけるインク中の不揮発性溶媒濃度の時間変化を表すグラフである。図中実線は、インク流を強制的に発生させ、吐出口部13で循環流が発生している場合を示す。一方、破線は、強制的なインク流が無く(蒸発による自然対流のみ)、吐出口部13で循環流が発生していない場合を示す。なお、上記同様、吐出口11を大気に開放する瞬間をt=0としている。図中に実線で示すように、強制的なインク流を発生させることにより、蒸発速度の時間変化(図3参照)同様、不揮発性溶媒濃度も0.4秒程度で平衡状態に達する。一方、図中に破線で示すように、強制的なインク流を発生させない場合、不揮発性溶媒濃度は増加し続ける。
(設置環境に応じて異なる、吐出口部における流れ場、及び、溶媒濃度について)
上述の通り、強制的なインク流を発生させることで、吐出口部13に滞留しているインクと、供給流路16から流入してくるインクとが置換されることが分かったが、記録装置の設置環境によってその程度が異なることが我々の実験により解明された。図5は、強制的なインク流を発生させたときの蒸発速度の時間変化が、設置環境に応じて異なることを説明するためのグラフである。図中、実線は、液体吐出ヘッド温度と環境温度とが夫々25℃で、湿度が50%の場合における、吐出口11からの蒸発速度(=蒸発量/吐出口面積)を示す。また、破線は、液体吐出ヘッド温度と環境温度とが夫々50℃で、湿度が50%の場合における蒸発速度を示し、一点鎖線は、液体吐出ヘッド温度と環境温度とが夫々50℃で、湿度が10%の場合における蒸発速度を示す。なお、吐出口11を大気に開放する瞬間をt=0としている。ここで各設置環境におけるt=0のときの蒸発速度を見ると、湿度50%で温度が25℃から50℃に上昇すると、蒸発速度は約4倍になることが分かる。そして、温度が50℃で湿度が50%から10%に低下すると、蒸発速度は約2倍になることが分かる。t=0のときの蒸発速度が速い場合(本例では温度が50℃で湿度が10%の場合)、吐出口11近傍のインク中不揮発成分濃度が上昇するため、初期の段階では時間経過とともに蒸発速度は減少し続ける。しかし強制的にインク流を発生させることで、フレッシュなインク(供給用インクタンク44に貯留されている、当初の揮発成分と不揮発成分との比率を有するインク)が吐出口部13に流入してくる。従って、t=0のときの蒸発速度が遅い場合と同様、一定時間経過後、蒸発速度は略平衡状態に達する。
図6は、強制的なインク流を発生させたときの、本実施形態に係る形状を有する吐出口部13におけるインク流の流れ場を表す模式図である。図6の各図は、供給流路16から圧力室15に供給する単位時間辺りのインク量を8.7×10^−5ml/minとしたときに、定常状態となった吐出口部13におけるインク流の流れ場を表す。図6(a)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が25℃、湿度が50%の場合を示し、図6(b)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が50%の場合を示し、図6(c)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が10%の場合を示す。なお、説明のために図中に示すように座標軸を設定する。また、これらの図において、各ベクトルの長さはインク流の速度の大きさを表すものでなく、全ての速度値に対し一定とする。図7は、図6と同様の条件下での、吐出口部13におけるインク中の不揮発性溶媒の濃度分布を、等値線を用いて表した図である。図7(a)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が25℃、湿度が50%の場合を示し、図7(b)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が50%の場合を示し、図7(c)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が10%の場合を示す。
図6(a)及び図6(b)を用いて、湿度が50%で温度が25℃から50℃に上昇したとき(言い換えると、蒸発速度が4倍になったとき)の、流れ場の変化を説明する。図6(a)に示すように、湿度50%で温度25℃の場合、吐出口11近傍におけるインク流は、インクが流路を流れる方向とは逆向き(−x方向)の流れが多くを占めている。一方、図6(b)に示すように、湿度50%で温度50℃の場合、吐出口11方向(+y方向)への成分が合成された流れが増えている。それに伴い、強制的なインク流により吐出口部13に発生していた渦流の中心が、吐出口部13の中心から供給流路側(−x方向)へシフトしている。これは、吐出口11からの蒸発量が増えたことにより、強制的なインク流により発生する渦が小さくなったためである。従って、吐出口部13に滞留しているインクを循環させる効果が減少し、結果として図7(b)に示すように、吐出口部13におけるインク中の不揮発性溶媒濃度が上昇してしまう。この状態から更に、温度が一定(50℃)で、湿度が50%から10%に減少したとき(言い換えると、蒸発速度が更に2倍になったとき)の、流れ場の変化を、図6(b)及び図6(c)を用いて説明する。図6(b)及び図6(c)を参照すると、蒸発速度が2倍になったことで、吐出口11近傍におけるインク流が更に吐出口11方向(+y方向)の成分を持つようになり、渦が縮小することが分かる。このように渦が縮小していくと吐出口部13に滞留しているインクを循環させる効果が更に弱まり、図7(c)に示すように、吐出口部13におけるインク中の不揮発性溶媒濃度が更に上昇するということが我々の解析結果から導き出された。
図8は、記録装置の設置環境毎の、強制的なインク流を発生させたときの、吐出口部13における不揮発性溶媒濃度の時間変化を表すグラフである。図中、実線は、液体吐出ヘッド温度及び環境温度が25℃で湿度が50%の場合を、破線は、液体吐出ヘッド温度及び環境温度が50℃で湿度が50%の場合を、一点鎖線は、液体吐出ヘッド温度及び環境温度が50℃で湿度が10%の場合を示す。なお、吐出口11を開放する瞬間をt=0としている。図8に示すように、蒸発速度が速い場合(本例では、温度50℃、湿度10%の場合)、立ち上がりが急峻であり、また、一定時間経過後の定常状態における濃度値も、蒸発速度が遅い場合より高くなっている。図8に示す結果と、実際にインクを吐出したときのインク吐出速度及び着弾後のドット濃度とを比較してみたところ強い相関が示され、冒頭で述べた吐出速度のばらつきや色材濃度変化が、蒸発速度変化によるものが支配的であるという論理の裏付けがされた。
(単位時間辺りに供給するインク量の増加がもたらす、吐出口部における流れ場、及び、溶媒濃度に対する影響について)
本実施形態では、設置環境の変化による蒸発速度の上昇に起因して吐出口部内を循環する効果が低下することに対処するため、供給するインク量を増加させる。これにより、吐出口部13に滞留しているインクを効果的に循環させることが可能となる。以下、単位時間辺りに供給するインク量を増加させることによる効果を説明する。
図9は、単位時間辺りに供給するインク量を増加させることによる効果を説明するための図である。図9の各図は、供給流路16から圧力室15に供給する単位時間辺りのインク量を1.3×10^−3ml/minとした場合の、定常状態となった吐出口部13におけるインク流の流れ場を表す。この1.3×10^−3ml/minという流量は、図6を用いて上で説明した場合の流量である8.7×10^−5ml/minという流量の約15倍である。図9(a)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が50%の場合を表し、図9(b)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が10%の場合を表す。なお、説明のために図中に示すように座標軸を設定する。また、これらの図において、各ベクトルの長さはインク流の速度の大きさを表すものでなく、全ての速度値に対し一定とする。
図6(c)と図9(b)を比較すると、流量を増すことで吐出口部13へ流れ込むインク流の流速が上がり、該インク流が引き起こす対流による流れと比べ蒸発による流れが相対的に小さくなった結果、渦の中心が吐出口部13中心付近にシフトすることが分かる。従って、図9(b)に示す場合(流量が多い場合)は、図6(c)に示す場合(流量が少ない場合)よりも吐出口部13内を効率良くインクが循環している。このときの吐出口部13における不揮発性溶媒濃度の時間変化を図10に、定常状態になったときの溶媒濃度分布を図11に示す。吐出口部13に流入してくるインク量が増加したことにより、吐出口部13内に強い渦流が発生し、それにより置換効果が大きくなっていることが、図8と図10、または、図7と図11を見比べることにより数値的にも視覚的にも理解できる。実際に画像品位に直接関係してくる、吐出口11からのインク吐出速度と着弾後のドット濃度とを測定してみると、設置環境の変化による蒸発速度の上昇に起因する置換効果の低下を抑制していた。このように、置換効果の効率を高くするためには、強制的なインク流により発生する渦の中心が吐出口部13の中心近傍となる、単位時間辺りの流量を設定することが望ましい。本実施形態における流路寸法の場合、渦中心が吐出口部13の中心近傍になるためには、蒸発量の600倍以上の流量のインクが供給流路16から供給される必要がある。なお、さらに単位時間あたりの流量を増加させていくと、インク粘度及び色材濃度の上昇抑制効果は高くなるものの、流量増加の寄与率は漸減していく。一方、流路内での圧力損失に関しては流量が大きくなると増大していくので、吐出口11における圧力制御が困難になってくる。よって不必要に流量を増加させることは好ましくない。そのため、例えば、想定されうる設置環境のなかで最も蒸発速度が速い時の必要流量を設定することが望ましい。また、各設置環境に応じて温度や湿度を測定し、その時の蒸発速度をあらかじめ備えていたテーブルから参照するなどして、供給流量を制御する構成も好適に採用可能である。
<第2の実施形態>(吐出口部に渦流が生じない構成)
以下、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置、及び、インクジェット液体吐出ヘッドを説明する。なお以降の説明においては、主として第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
(設置環境に応じて異なる、吐出口部における流れ場、及び、溶媒濃度について)
図12は、供給流路16および圧力室15に強制的なインク流を発生させたときの、本実施形態に係る形状を有する吐出口部13におけるインク流の流れ場を表す模式図である。図12の各図は、供給流路16から圧力室15に供給する単位時間辺りのインク量を8.7×10^−5ml/minとしたときに、定常状態となった吐出口部13におけるインク流の流れ場を表す。図12(a)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が25℃、湿度が50%の場合を、図12(b)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が50%の場合を、図12(c)は液体吐出ヘッド温度および環境温度が50℃、湿度が10%の場合を示す。なお、説明のために図中に示すように座標軸を設定する。また、これらの図において、各ベクトルの長さはインク流の速度の大きさを表すものでなく、全ての速度値に対し一定とする。
図6と図12とを比較すると分かるように、本実施形態では、第1の実施形態とは異なる形状の吐出口部(吐出部)を採用する。本実施形態では、オリフィスプレート18の厚みは5μmであり、オリフィスプレート18と支持基板12との間の隙間は14μmである。また、供給流路16から供給する単位時間辺りのインク量は8.7×10^−5ml/minである。このとき、圧力室15のx方向の長さを25μm、それに垂直なz方向の長さを20μmとすると、圧力室15内でのインク流の平均流速は約6.3mm/sである。
本実施形態の特徴の1つは、オリフィスプレート18の厚みが第1の実施形態と比べて薄いことから、第1の実施形態では生じていた、強制的なインク流による吐出口部内の渦流が現れないことである。つまり本実施形態は、渦流により、吐出口部13に滞留したインクと供給流路16から流入してくるインクとを置換するものではない。本実施形態では図12(a)に示すように、供給流路16から圧力室15および吐出口部13に流入したインクのインク流は、吐出口部13の上流側で吐出口11方向(y方向)の速度成分を持ち、吐出口11近傍まで流れこむ。そして、吐出口部13の下流側で吐出口11方向と反対方向(−y方向、ヒーター14方向)の速度成分を得て圧力室15および回収流路17に流れる。このようなインク流の流れ場を発生させることにより、吐出口部13内の少なくとも一部のインクと、供給流路16から流入してくるインクとを置換する。ここで、強制的なインク流により渦流を発生させた第1の実施形態と同様、記録装置を設置する環境により置換効果が異なってくることが確認されている。
図13は、供給流路16から圧力室15に供給する単位時間辺りのインク量を増加したときの、吐出口部13における不揮発性溶媒濃度の時間変化を表す。図中、実線は、液体吐出ヘッド温度及び環境温度が25℃で湿度が50%の場合を、破線は、液体吐出ヘッド温度及び環境温度が50℃で湿度が50%の場合を、一点鎖線は、液体吐出ヘッド温度及び環境温度が50℃で湿度が10%の場合を示す。本実施形態においても第1の実施形態と同様、設置環境の変化による蒸発速度の上昇に起因して置換効果が低下することに対処するため、単位時間辺りに供給するインク量を増加させる。つまり、吐出口から蒸発量が増加した場合に、圧力室に供給するインク量を増加させる。これにより吐出口部13の下流側でヒーター14方向(−y方向)への流れが強くなり、置換効果がより大きくなる。
なお上述の実施形態における流路形状は一例に過ぎない。例えば、オリフィスプレート18と支持基板12との間の隙間が14μm、吐出口11のx方向の開口径が12μmの場合であれば、オリフィスプレート18の厚みが6μm以下で、本実施形態のような吐出口部13に渦流が発生しない系となる。
上述の実施形態では、供給流路と回収流路とが一直線上に配されている配置関係を前提として説明しているが、供給流路と回収流路とが一直線上に配されず、オフセットされる場合であっても良い。更に、上述の実施形態における流路の高さ、吐出口断面形状、オリフィスプレートの厚さなどは例示に過ぎず、本発明の思想に沿うものであれば別形状の吐出部を採用しても良い。
本発明は、記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの液体吐出ヘッドを備えるインクジェット記録装置が有するような、複数液体吐出ヘッドの組合せから成る構成や、一体的に形成された液体吐出ヘッドのいずれに対しても適用可能である。また本発明は、シリアルタイプ、装置に固定されるタイプ、装着されることで電気的接続やインク供給が可能になるチップタイプ、液体吐出ヘッド自体にインクタンクが設けられたタイプ等の様々なタイプの液体吐出ヘッドに適用可能である。
尚、上述した各実施形態において記録装置が設置される環境として温度および湿度を主要な3点(温度が25℃、50℃、湿度が50%、10%の場合)について各データを示したが、本発明はこれに限られない。一般に、温度が高いほど蒸発速度は速くなり、湿度が低いほど蒸発速度が速くなる。また、蒸発速度が速くなるほど吐出口11および吐出口部13における液体中の不揮発性溶媒濃度が高くなる傾向にある。この傾向を踏まえて圧力室15を流動する液体の流量を決定すれば良い。
<その他の実施例>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
11・・・吐出口
13・・・吐出口部
15・・・圧力室
16・・・供給流路
17・・・回収流路
43・・・液体吐出ヘッド
47・・・制御部
49・・・センサ部
50・・・メカ制御部
51・・・メカ部

Claims (13)

  1. 液体を吐出する吐出口と、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、該素子を内部に備える圧力室と、該圧力室と連通し該圧力室に液体を供給する第1流路と、該圧力室と連通し該圧力室から液体を回収する第2流路と、を備える液体吐出ヘッドと、
    前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体の流れを発生させる発生手段と、
    前記吐出口からの液体の蒸発に関する情報を取得する取得手段と、
    前記取得した情報に基づいて、前記流れの流量を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記吐出口からの蒸発量が増加すると、前記流量を多くすることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記取得手段として、前記液体吐出ヘッドの温度を検知するヘッド温度検知手段と、前記記録装置が設置されている環境の温度を検知する環境温度検知手段と、該環境の湿度を検知する湿度検知手段とのうちの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドの温度、前記環境の温度、および前記湿度のうちの少なくとも1つと、前記吐出口からの蒸発量に対応する前記流量とが対応付けされたテーブルを更に有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記テーブルを用いて、前記液体吐出ヘッドの温度、前記環境の温度、および前記湿度のうちの少なくとも1つに基づく前記流量を設定することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記液体吐出ヘッドは、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部を更に備え、
    前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体のうちの一部が前記吐出口部に流れ込み、前記吐出口部の内部に渦流が発生することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記渦流の中心が前記吐出口部の中心となるような前記流量を設定することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記液体吐出ヘッドは、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部を更に備え、
    前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体のうちの一部が前記吐出口部に流れ込み、
    前記吐出口部の内部の前記第1流路側における液体の流れは、前記圧力室から前記吐出口に向かう方向の速度成分を持ち、かつ、前記吐出口部の内部の前記第2流路側における液体の流れは該方向と反対方向への速度成分を持つことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の記録装置。
  9. 前記液体の蒸発に関する情報は、前記吐出口から蒸発する液体の単位時間辺りの蒸発量であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 請求項1の記録装置に搭載される液体吐出ヘッドであって、前記圧力室の内部の液体は、前記圧力室の外部との間で循環されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 液体を吐出する吐出口と、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、該素子を内部に備える圧力室と、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部と、該圧力室と連通し該圧力室に液体を供給する第1流路と、該圧力室と連通し該圧力室から液体を回収する第2流路と、を備える液体吐出ヘッドと、
    前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体の流れを発生させる発生手段と、
    を有し、
    前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体のうちの一部が前記吐出口部に流れ込み、
    前記吐出口部の内部の、前記第1流路から前記第2流路に向かう方向に関する前記第1流路側における液体の流れは、前記圧力室から前記吐出口に向かう方向の速度成分を持ち、かつ、前記吐出口部の内部の、前記第1流路から前記第2流路に向かう方向に関する前記第2流路側における液体の流れは、前記吐出口から前記圧力室に向かう方向への速度成分を持つことを特徴とする記録装置。
  12. 液体を吐出する吐出口と、該吐出口と連通し該吐出口から吐出する液体を貯留する圧力室と、該圧力室と連通し該圧力室に液体を供給する第1流路と、該圧力室と連通し該圧力室から液体を回収する第2流路と、を備える液体吐出ヘッドと、
    前記第1流路、前記圧力室、前記第2流路の順に流れる前記液体の流れを発生させる発生手段と、を有する記録装置で実行される記録方法であって、
    前記吐出口からの液体の蒸発に関する情報を取得するステップと、
    前記取得した情報に基づいて、前記流れの流量を制御するステップと、
    を有することを特徴とする記録方法。
  13. コンピュータに、請求項12に記載の方法を実行させるための、プログラム。
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