JP2009148956A - インク供給装置、インクジェット記録装置、インク供給方法およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インク供給装置、インクジェット記録装置、インク供給方法およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置構成の簡略化によるコストダウンおよび記録品位の向上を実現可能なインクジェット記録装置を実現すること。
【解決手段】吐出部や貯留部で発生した気泡が液面まで上昇可能な構成により気液分離が可能であり、ファンによって負圧制御と同時に排出を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録媒体に液体を吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置では、一般にインクが吐出される複数のノズルが高密度に形成された小型の記録ヘッドを用いて高精細な記録が行われる。また、この小型の記録ヘッドを複数配置して各記録ヘッドに異なる色のインクを供給することにより、比較的安価でかつ小型な構成で、記録媒体にカラー記録を行うことができる。そのためインクジェット記録装置は、業務用、家庭用を問わず、プリンタ、ファクシミリおよび複写機など、様々な記録装置に用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、記録ヘッドからのインク吐出動作を安定させるために、記録ヘッド内のインクを所定の負圧に維持する(記録ヘッド内のインクに作用する圧力を所定の負圧に保つ)ことが重要である。このため、一般には記録ヘッドにインクを供給するインク供給系の中に負圧発生手段を備え、その負圧発生手段によって負圧が付与されたインクを記録ヘッドに供給している。
負圧発生手段として特許文献1には、インクタンク内に収容したスポンジ状のインク吸収体の毛管作用を利用して負圧を発生する構成が開示されている。また他の負圧発生手段として特許文献2には、可撓性のインクバッグと弓形ばねとを備えた構成が開示されている。さらに他の負圧発生手段として特許文献3には、記録ヘッドよりも下方にインクタンクを配置し、記録ヘッドとインクタンクとの水頭差を利用してインクに負圧を付与する構成が開示されている。
特許文献1から特許文献3のような負圧発生手段を備えたインク供給系では、記録ヘッドからのインク吐出に伴って、記録ヘッド内の負圧は上昇する。この上昇する負圧を利用して、インクタンクから記録ヘッドへインクが供給される。このため、単位時間当りに記録ヘッドから吐出されるインクの量が多いときには、インクタンクから記録ヘッドへのインク供給が追いつかず、記録ヘッド内の負圧が所定の負圧より大きくなることがある。また逆に、単位時間当りに記録ヘッドから吐出されるインクの量が少ないときは、インクの慣性によって記録ヘッド内の負圧が所定の負圧よりも小さくなることがある。
このような課題に対して特許文献4では、記録ヘッドへのインク供給はポンプにより行い、記録ヘッド内の負圧はファンによって制御を行い、インクの供給と負圧の制御とを別々に行う構成が提案されている。
特開2002−1988号公報 特開平06−198904号公報 特開2003−11380号公報 特開2006−326855号公報
しかし、記録ヘッド内の負圧をファンによって直接制御する場合、その制御は記録ヘッド内の圧力変動に敏感に対応する必要がある。すなわち、ファンで発生させた負圧が直接ノズル内に作用することから、インクの吐出状態に応じて変化する記録ヘッド内の圧力に敏感に対応して、その圧力変動に直ちに追従する必要がある。従来ファンの回転数を一定に保った上でファンの吸排出口間の差圧変化に応じ空気が移動することで追従させるか、もしくは圧力変化が短時間で大きい場合にはファンの回転速度を制御する必要がある。従来はファンの回転速度を一定に保った上でヘッド内の圧力変動を吸収できる範囲が限られていた。ファンの回転速度を制御する場合には記録ヘッド内の負圧を一定に保つためにファンを高感度に制御することが必要であり、ファンの回転速度を変化させた時の記録ヘッド内の圧力変化の応答性をも考慮してファンの回転速度を制御しなければならない。そのため、ファンの制御が複雑化することは避けられない。また、記録ヘッド内の負圧をファンによって制御した場合、ファンによって記録ヘッド内のインクが直接攪拌されるために、インクに含まれる水分の蒸発が促進されて、インクが増粘するおそれがある。そのインクの増粘による劣化で交換が必要になった場合には、新しいインクが必要になりランニングコストがアップする等が懸念される。
よって本発明はインクの吐出部に供給するインクの負圧制御を単純化し、それに伴って装置構成の簡略化によるコストダウンを実現可能なインク供給装置、インクジェット記録装置、インク供給方法およびインクジェット記録方法を実現することを目的とする。
そのため本発明のインク供給装置は、インクを吐出可能な吐出部に、液室内に貯留されたインクを供給するインク供給装置において、前記液室上部に設けられる空間内の空気を、外部に放出することによって、前記空間内に負圧を発生させることが可能な負圧発生機構と、外部の空気を前記空気流路内に導入可能な空気導入部と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、液室内から供給されたインクを吐出部から吐出することによって、記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記吐出部に前記インクを供給するためのインク供給装置として、前記インク供給装置を備えることを特徴とする。
また、本発明のインク供給方法は、インクを吐出可能な吐出部に、液室内に貯留されたインクを供給するインク供給方法において、前記液室の上部の空気を、空気流路を介して外部に放出しつつ、外部の空気を前記空気流路内に導入することにより、前記液室内に負圧を発生させることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、液室内から供給されたインクを吐出部から吐出することによって、記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記記録媒体に記録を行う際に、外部の空気を空気流路内に導入しつつ、前記液室の上部の空気を外部に放出することにより、前記液室内に負圧を発生させることを特徴とする。
本発明によれば、液室の上部の空気を、空気流路を介して外部に放出しつつ、外部の空気を空気流路内に導入することにより、液室内に負圧を発生させる。これにより記録ヘッド内の負圧制御を単純な制御によって行い、それに伴って装置構成の簡略化によるコストダウンを実現することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態を適用可能なインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)を模式的に示した正面図である。記録装置10はホストPC12と接続されており、ホストPC12から送信される記録情報に基づいて、4つのヘッドユニット22K、22C、22M、22Yから記録媒体(以下、ロール紙ともいう)Pにインクを吐出することで記録を行う。4つのヘッドユニット22K、22C、22M、22Yは、記録媒体Pの搬送方向(矢印A方向)に沿って配置されている。各ヘッドユニットは搬送方向に黒インク用ヘッドユニット22K、シアンインク用ヘッドユニット22C、マゼンタインク用ユニットヘッド22M、イエローインク用ヘッドユニット22Yの順で配置されている。ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yは所謂ラインヘッドであり、記録媒体搬送方向に対して記録幅全域に亘ってそれぞれを平行に並べた状態で設けられている。記録装置が記録を行う際は、各ヘッドユニットを移動させることなく、ヘッドユニットに設けられたヒータを駆動することによってノズルからインクを吐出して記録を行う。
ヘッドユニットは記録に伴って、ノズルを有する面(以下、インク吐出口面ともいう)22Ks、22Cs、22Ms、22Ysにゴミやインク滴等の異物が付着することで吐出状態が変わり、記録に影響を与えることがある。そのため、各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yから安定してインクを吐出できるように、記録装置10には回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40によるインク吐出口面のクリーニングを定期的に行うことによって、ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yのノズルからのインク吐出状態を初期の良好なインク吐出状態に回復することができる。回復ユニット40には、クリ−ニング動作のときに4つのヘッドユニット22K、22C、22M、22Yのインク吐出口面22Ks、22Cs、22Ms、22Ysからインクを除去するキャップ50が備えられている。キャップ50は各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yに独立して設けられており、ブレード、インク除去部材、ブレード保持部材、キャップ等から構成されている。
記録媒体Pはロール紙供給ユニット24から供給され、記録装置10に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロ−ル紙Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させる搬送モータ26b、搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどから構成されている。
記録を行う際には、搬送中のロール紙Pがブラックのヘッドユニット22Kの下に到達すると、ホストPC12から送られた記録情報に基づいて、ヘッドユニット22Kからブラックインクが吐出される。同様にヘッドユニット22C、ヘッドユニット22M、ヘッドユニット22Yの順に、各色のインクが吐出されてロール紙Pへのカラー記録が完成する。
更に記録装置10には各ヘッドユニットに供給されるインクを貯めておくメインタンク28K、28C、28M、28Yや、各ヘッドユニットにインクを補充可能なポンプや、後述するクリーニング動作をするためのポンプ(図3等参照)などが備えられている。
図2は、図1の記録装置10の制御系を示すブロック図である。ホストPC(ホスト装置)12から送信された記録情報やコマンドは、インターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。
CPU100は、記録装置10の記録情報の受信、記録動作、ロール紙Pのハンドリング等全般の制御を掌る演算処理装置である。CPU100では、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。記録前に行う動作処理では、出力ポート114およびモータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yをキャップ50から離して記録位置に移動させる。またCPU100は、後述するように、ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yに適正な負圧を付与するためのファンのファンモータの回転を、圧力センサによって得られた圧力情報に基づいて随時補正する制御を行う。さらにCPU100は、出力ポート114およびモータ駆動部116を介してロ−ル紙Pを繰り出すロールモータ126およびロール紙Pを搬送する搬送モータ120等を駆動してロ−ル紙Pを記録位置に搬送する制御を行う。
記録を行う際は、一定速度で搬送されるロール紙Pにインクを吐出するタイミング(記録タイミング)を決定するため、先端検知センサ109でロール紙Pの先端位置を検出する。その後、ロ−ル紙Pの搬送に同期して、CPU100はイメージメモリ106から記録情報を順次読み出し、この読み出した記録情報を各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yに、ヘッドユニット制御回路112経由して転送する。
CPU100の動作はプログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラムおよびテーブルなどが記憶されている。また、CPU100は作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。さらにCPU100は、各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yのクリーニングや回復動作時に、出力ポート114、モータ駆動部116を介してポンプモータ124を駆動し、インクの加圧および吸引等の制御を行う。
図3は、本実施形態の記録装置におけるインクタンク28Kからヘッドユニット22Kまでのインクの通る経路を模式的に示した図である。各ヘッドユニットは同じ構造であるため、以下、例としてブラックインク用ヘッドユニット22Kについてのみ説明を行う。
記録装置10には、ヘッドユニット22Kにインクを供給するインク供給装置60が組み込まれており、ヘッドユニット22Kは、貯留部22Krとインクを吐出可能な吐出部22KSiとを備えている。インク供給装置60は、記録装置10の本体に着脱自在なインクタンク28Kと、このインクタンク28Kとヘッドユニット22Kとをつなぐインク供給路62の途中に配置されたインク供給ポンプ72などから構成されている。供給ポンプ72は、インクフィルタ90を介して貯留部22Krへのインク供給を担う。
貯留部22Krには、貯留されているインク(以下、貯留インクともいう)の液面22Krsのレベルを検知する液面検知センサ86が取り付けられている。また、貯留部22Kr下方では、ヘッドユニット22Kのノズル22Knと、ノズル22Knへのインク供給口が形成された吐出部22KSiとが接続されている。
貯留部22Kr上部には、空気で満たされた空間(以下、空気室という)66にエアーフィルタ95を介して空気流路64が接続されており、その空気流路64には、大気バルブ84および圧力を測定可能な圧力検出センサ81が備えられている。圧力検出センサ81は空気室66内の圧力を検出することが可能である。また、空気流路64のエアーフィルタ95が設けられている一方端部とは反対の他方端部は、減圧流路65とT字状に接続されており、その減圧流路65は、一端が大気開放、他端はファン68に接続されている。
インクタンク28Kには、このインクタンク28K内のインクの有無を検出する検出センサ(不図示)が取り付けられている。また、インクタンク28Kには、インクタンク28Kの内部圧力を大気圧にするための大気開放バルブ74が取り付けられている。
貯留部22Krの液面検知センサ86の測定結果でインク液面22Krsが一定レベル以下と判断した時は、インクタンク28Kの大気開放バルブ74が開放され、供給ポンプ72を稼動してインクタンク28Kからインクを吸引する。そして、吸引したインクを貯留部22Kr内に供給する。一方、液面検知センサ86が一定レベル以上のインク液面22Krsを検知したときは、供給ポンプ72が停止し、インクタンク28Kの大気解放バルブ74が密閉されてインクの供給は停止される。
ところで、供給ポンプ72にはチューブポンプが用いられており、供給ポンプ72が非稼動時にはインク供給路62は遮断される(インクタンク28Kと貯留部22Krとの間の流路が遮断される)。
図4は、ヘッドユニットの吐出口面22Ksをクリーニングする際の手順を示したフローチャートである。また、図5は、吐出面22Ksからワイパ52によってインクを拭き取る手順を示す模式図であり、(a)は拭き取り開始前を示し、(b)は拭き取り終了直後を示し、(c)は拭き取り終了後の待機状態を示す図である。ここでいうクリーニングとはヘッドユニット22Kのインク吐出を良好な状態に継続的に維持するために行われる動作をいい、経過時間や吐出状況等の条件を満たした場合、または、記録品位に異常が見られる場合等に自動的にもしくは任意で実施される動作である。以下、クリーニングの動作について順に説明する。
ステップS401でクリーニング指令を受信すると、ステップS402で大気開放バルブ84を解放する。その後、ステップS403でクリーニングポンプ92がキャップ50内を減圧させる方向に駆動し、貯留部22Kr内のインクをノズル22Knからキャップ50に引き込んで排出させる。このインクの排出によって、記録動作中等にノズル22Knの周囲部に溜まった微細な気泡や、ヘッドユニットの吐出口面22Ks上に付着したゴミ等の異物を除去することができる。そして一定時間経過後、ステップ404でクリーニングポンプ92の駆動を停止し、ステップ405で大気バルブ84を閉じる。
なお、この状態ではヘッドユニット22Kの各ノズル22Knの開口を含む吐出口面22Ksに、まだインクが付着していることがある。そこで、この汚れを除去するために、後述するように、キャップ50と共に設けられたワイパ52で吐出口面22Ksを拭く。その際、先ずステップS406で図5(a)に示すように、ヘッドユニット22Kが回復キャップ50の上方へと移動する。その後、ステップS407でキャップ50が矢印B方向に移動することにより、図5(b)に示すように、フェイス面22Ksに付着しているインクなどの汚れがワイパ52で拭き取られる。この動作をワイピング動作と呼び、ワイピング動作終了後は、ステップS408で図5(c)に示すように、ヘッドユニット22Kは再びキャッピングされて待機状態になる。この待機状態にあるヘッドユニット22Kはフェイス面22Ksがキャップ当接部54でキャッピングされている(塞がれている)ので、キャップ50内での空気の対流がほとんど無く、ノズル22Knにあるインクが増粘するのを防止することができる。ヘッドユニット22Kが待機状態になってクリーニング動作は終了となる。
なお、ノズル22Knから排出されたインク(廃インク)はキャップ50に受容されて吸引ポンプ92(図3参照)によって吸引される。吸収された廃インクは、廃インクタンク71(図3参照)に圧送される。廃インクタンク71には微小な大気開放口75が設けられており、廃インク(および気泡)の流入に伴い変化する廃インクタンク71内の圧力を大気へと解放する役割を担う。
図6は、ヘッドユニット22Kとその周囲を拡大して示した図である。記録時にはノズル22Knにメニスカスを形成するためにヘッドユニット22Kに適正な負圧を付与する必要がある。そのため、記録時には大気バルブ84を開放状態にして、ファン68をC方向への空気の流れを作るように作動させることによって、ヘッドユニット22K内の空気室66が減圧される。その結果、貯留部22Krを介してノズル22Kn内も同様に減圧される。
本実施形態では大気と連通した貯留部22Krが、吐出部22Ksの上方に配置されているので、大気バルブ84が開くことによりノズル22Kn先端の開口部には液面22Krsからの水頭圧力Hの正圧力がノズル22Kn開口部に作用する。そのため、ファン68による空気室66内への減圧量は水頭圧力H以上に設定される。これによりヘッドユニット22Kのノズル22Knに負圧が付与される。この結果、ノズル22Knの開口部においてインクのメニスカスが形成されることになる。
本実施形態では、特許文献4のように、負圧を発生させる空間から直接ファン68によって気体を吸引するのではなく、図6のように間接的に吸引する手法を用いている。つまり、ファン68を作動させることで発生する負圧が直接空気室66に掛かるのではなく、大気を導入可能な吸入口61(空気導入部)を設けていることで、負圧は間接的に空気室66に掛かることになる。また本実施形態では、ファン68を作動させることにより、吸入口61から取り込まれた空気の流れが減圧流路65に生じ、その減圧流路65に接続された空気流路64内の空気は、主にエジェクタの原理により、減圧流路65の空気の流れに引き込まれる。この結果、空気室66に負圧が生じることになる。
大気バルブ84が解放されているときには、ノズルにおけるインクのメニスカスを最適な状態に維持するため常に一定の負圧を空気室66に付与することが必要である。吐出部22KSiからインクが吐出されると貯留部22Krのインク量が減るため、それに伴って空気室66の負圧は高くなる。空気室66の負圧が高い状態のままだと、メニスカスを所定の位置に形成することができなくなり、インクを良好に吐出できなくなる。そのため、インクの吐出に伴って高くなった負圧を一定の負圧に戻すために、空気室66内の圧力調整を行う必要がある。
本実施形態のように空気室66の空間内の空気を間接的に吸引する手法では、空気室66からファン68までの間に大気と連通している部分があるため、減圧流路65には、ファン68の回転によって常に空気の流れが生じている。空気室66内の負圧は、その減圧流路65内の空気の流れに起因し、ファン68の回転速度が速くなって空気の単位面積あたりの流量(流速)が増大するほど、空気室66内の負圧は大きくなる。逆に、ファン68の回転速度が低下して空気の流量が減少するほど、空気室66内の負圧は小さくなる。
空気室66内の負圧を一定に維持するためには、その空気室66内の負圧の変動に応じてファン68を制御し、減圧流路65内の空気の流量を調整する必要がある。このような流量の調整に際しては、定常的に流れる空気が有利に作用する。すなわち、空気室66内の圧力が変動した時に、ファン68の回転速度が一定であっても空気室66内の圧力変動をある程度吸収するように、減圧流路65内の空気流量が自動的に変化する。従って、空気室66内の細かな圧力変動に追従させるように、ファン68をさほど細かく制御する必要が無い。つまり、ファン68の一定回転速度下において圧力変動に追従できる範囲(圧力ヘッドの吸収可能な程度)は、特許文献4のような構成、つまり空気室内の空気を直接的に吸引する場合よりも広くなる。そのため、空気室66内を比較的簡単な制御によって所定の負圧力に安定的に維持することができる。ファン68の回転を制御することにより、圧力変動量が短時間に大きく発生する場合にも一定の負圧を維持できることは勿論である。また本実施形態のように、空気室66内の空気を間接的に吸引する手法では、自動的に大気から空気を取り込むことで、空気室66内の圧力が目標値に収束するまでの時間を短時間にすることができる。
さらに、本実施形態のように空気室66内の空気を間接的に吸引することにより、貯留部22Krのインクと触れる空気室66の空気を大きく攪拌することがない。そのため、インクの揮発成分が蒸発しにくく、インクは増粘しにくい。また、本実施形態においては、ファン68の作動時に常時空気の流れが生じるため、その流れを利用してファンモータ82を冷却することができる。
ちなみに、特許文献4の構成のように空気室内の空気をファンによって直接吸引する場合には、空気室の圧力変動に敏感に対応するようにファンを制御する必要がある。すなわち、ファンで発生させた負圧が直接ノズル内に作用することから、ファンの回転数を細かく制御する必要がある。しかし、ファンによる圧力制御の場合、オーバーシュートやアンダーシュートが発生しやすく、目標とする圧力に収束させるには比較的時間を要する。しかも、空気室内の空気がファンによって攪拌されるため、貯留部にあるインクの揮発成分の蒸発が促進されるおそれがある。
図7は、記録信号を受信してから記録が終了するまでの動作を表わしたフローチャートである。通常、記録装置を使用していない状態では、ノズルKnからのインクの漏れを防止する目的で大気バルブ84は閉じられている。記録を開始する場合には、先ず大気バルブ84が閉じられている状態で、ファン68を作動させて、減圧流路65および空気流路64内を減圧させてから、大気バルブ84を開く。以下、このような記録を行う際の処理に関して順に説明する。
ステップS701で記録装置10が記録信号を受信すると、ステップS702へ進みファン68を作動させる。次にステップS703で、ファン68による減圧が正常に行われているかを確認するために空気流路64内の圧力を圧力検出センサ81で確認する。ここで、所定の圧力が得られていない場合には、ステップS704へ進み、ファン68の回転数の補正を行う。ステップS703で所定の圧力が得られていればステップS705へと移行して大気バルブ84を解放する。大気バルブ84の解放によって空気室66が減圧されて、ノズル22Knにも負圧が作用するようになり、ノズルKnの開口(吐出口)にはメニスカスが最適な状態で形成される。
次に、ステップS706でヘッドユニット22Kをワイピング位置へ移動させて、ステップS707でヘッドユニット22Kの吐出口面22Ksのワイピングを行う。その後、ステップ708で記録を行うためヘッドユニット22Kを下降させてから記録位置へ移動させる。ステップ709で記録媒体Pに対して記録を行い、記録動作終了後、ステップS710でヘッドユニット22Kを上昇させて、待機位置まで移動して再びキャップ50によってキャッピングされる。その後、ステップS711で大気バルブ84を閉じて、ステップS712でファン68の作動を停止し、再び待機モードとなってこのフローチャートを終了する。
記録動作が実行されている間、貯留部22Krのインクは、記録によるインク消費によって減っていくが、本実施形態のヘッドユニット22Kの構成では、減ったインクと同等体積の空気が吸入口61および空気流路64を経由して空気室66内に導かれる。また、液面検知センサ86によって液面22Krsが一定レベル以下になったと検知した場合にはインク供給ポンプ72により、液面検知センサ86がインク液面22Krsの上限レベルを検知するまで貯留部22Kr内へインクを供給する。この際も、貯留部22Kr内に流入するインクの体積相当分の空気が空気流路64を介して大気へ放出される。従って、貯留部22Kr内のインクの増減によるノズル22Knに作用する圧力変動は抑制される。
図8は、図6のA−A断面を示した図である。
吐出部22KSi内のノズル22Knは、ヒーターボード22Khと供給口形成部材22Ktとの2つのチップを接合することで形成されている。また、供給口形成部材22Ktには、貯留部22Krを形成する液室25Kが当接し、供給口形成部材22Ktのインク流路と連通している。また、ヒーターボード22Khとヘッド基板24Kとは、通電ワイヤ26Kによって結線され、ヘッドユニット22Kと外部基板との間で信号のやり取りを行う。また、吐出部22KSi、ヘッド基板24、液室25K等は図示せぬ手段によりベースプレート23Kに固定されている。
ところで、貯留部22Kr内には記録動作および待機時に、インク中の溶存ガスの析出や、インク供給動作により気泡69が混入する場合がある。尚、インク中の溶存ガスとはインクに溶け込んでいる空気を指し、一般に温度が低い程多く溶け込む。こういったガスがインク中に析出する一例としては、記録動作中にインクが吐出部22KSiの方へ移動するのに伴い、吐出部22KSiに設けられたヒータの熱によって、インクの温度が上昇していくケースが挙げられる。また、貯留部22Kr内への供給インクに気泡が含まれる一例としては、供給路62でのガス透過が挙げられる。供給路62内は通常インクで満たされるが、供給路62をチューブ等で構成する場合、時間の経過とともに大気中の空気がチューブを透過し内部に混入する。このような気泡69が、インク供給動作にともない液室22Kr内へ混入する。こういった気泡は累積するように溜まっていき、やがてインク供給路を塞ぐ等、記録品位に問題を発生させるような現象を引き起こす。そのため従来は、所定の間隔で記録に寄与しないインクを排出させると同時に気泡69も排出して気泡の除去を行ったり、累積して溜まった気泡を所定位置(例えばインクタンク)にまで押し流すといった手法をとっていた。
本実施形態のインクジェット記録装置では、供給口形成部材22Ktと液室25Kとの当接面からインク液面22Krsに至る流路では、気泡が自らの浮力により上方へ移動できるように形成されている(気泡によりインク流路が遮断されない)。
貯留部22Krに混入した気泡69は、上方へ移動するとともにインク液面22Krsに達し消滅(以下、気液分離という)する。また、上述したインク供給動作により貯留部22Krのインク量は一定範囲内に維持されるので、気液分離した気泡69が貯留部22Kr上方の空気室66に累積して溜まっていくことはない。なお、気泡69が壁面等に付着する場合があるが、こうした気泡69は微細であり、流路を塞ぐ等の弊害になることはない。また大きくなる場合にはいずれ壁面から離れて気液分離される。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置では、気泡69の除去は記録動作、待機時等、通常の動作サイクルの中で自動的に行われるため特別に気泡除去のためのシーケンスを実施する必要がない。
ただし、ノズル22Knは、きわめて極細な流路で構成されており、気泡69が供給口形成部材22Ktを通して貯留部22Krに出てこない場合があり、吐出部22KSi内に留まることがある。このような場合には、上述したようなクリーニング動作によりインクの排出を伴ってノズル22Knより気泡69を排出する。ただし上述したように気泡69の大部分は通常の動作内で取り除かれる。よってここでは吐出部22KSi内に留まる少量の気泡69を除去するのみである。そして、そのような少量の気泡69はノズル22Kn近傍に存在するため、クリーニング動作により排出するインクの量が少ない量で気泡69を取り除くことができる。
なお、上述の説明における貯留部22Krは、気泡69がノズル22Knから液面22Krsに達するまでに遮るものがない構成を示しているが、これに限定するものではなく以下で説明するような構成でもよい。
図9および図10は、本実施形態の変形例であるヘッドユニット22Kx、22Kyをそれぞれ示した図である。ヘッドユニット22Kxでは貯留部22Krに、吐出部22KSiとインク液面22Krsとの間に流路が設けられた仕切りが備えられている。この流路は、発生する気泡69の径より大きな間隔Dを備えているため、気泡が浮力によって上昇するのを妨げず、インク液面22Krsに達して気液分離する。
また、ヘッドユニット22Kyも同様に貯留部22Krに、吐出部22KSiとインク液面22Krsとの間に流路が設けられた仕切りが備えられている。そして、この仕切りには一部気泡が滞留する滞留部22Krtが設けられる。ただし滞留部22Krtは、気泡がインク流路を塞ぐほど累積する前に、滞留した気泡70が一部分離するように構成されており、さらにこの仕切りは、分離した気泡69の径よりも大きな間隔Dの絞り部22Krdを備えている。その結果、分離した気泡69はインク液面22Krsまで上昇して気液分離する。
なお、本変形例では、ヘッドユニットと仕切りとは一体で構成された例を示しているが、これに限定するものではなく、別体で構成されていてもよい。
このように、吐出部や貯留部で発生した気泡が液面まで上昇可能な構成により気液分離が可能であり、ファンによって負圧制御と同時に気泡の排出を行う構成によって、ヘッドユニット内に累積で溜まることがない。そのため、気泡の除去のためのクリーニング実施頻度が低減し、同時に記録に寄与しないインクの吐出量を抑制することができた。またクリーニング実施頻度の低減のより記録速度をアップすることができた。
よって本実施形態のインクジェット記録装置を用いることで、インクの吐出部に供給するインクの負圧制御を単純化し、それに伴う装置構成の簡略化によるコストダウンを実現可能なインク供給装置、インクジェット記録装置を実現できた。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
図11(a)、(b)は本実施形態のヘッドユニットを示した図である。本実施形態のヘッドユニットの貯留部は、吐出部と当接した第2貯留部と、気泡の気液分離を行う第1貯留部とに分かれている構成である。図11(a)は、吐出部がキャッピングされている状態を示した図であり、(b)は、吐出部がキャッピングされていない状態を示した図である。
吐出部には第2貯留部22Kraが当接され、記録ヘッド部22Kvとして構成される。また第2貯留部22Kraと第1貯留部22Krbは中間チューブ63を介して接続されている。第1貯留部22Krbには、第1の実施形態と同様の構成であるファン68等の減圧機構および、インク供給路62が接続されている。第1貯留部22Krbは本体フレームに固定されており、記録ヘッド部22Kvは記録動作やキャッピング動作等による移動時に第1貯留部22Krbに対して相対移動する。
図12は、中間チューブ63を拡大して示した図である。(a)はキャッピング状態を示しており、(b)は記録動作時の状態を示している。図11(a)で示すように、記録ヘッド部22Kvがキャッピングポジションにある時、記録ヘッド部22Kvは第1貯留部22Krbと相対的に近づくため、中間チューブ63は湾曲し一部逆U字状の部分が形成される。ゆえに図12(a)で示すようにキャッピング中、もしくは記録動作中に第2貯留部22Kra内で発生し、上昇した気泡は、上記逆U字状部分で気泡溜まり71を形成し、インク流路を塞ぐことがある。
しかし、図11(b)で示すように記録ヘッド部22Kvが再び記録動作等で下方に移動する(第1貯留部22Krbより相対的に離れる)ことで中間チューブ63の逆U字状の部分は解消される。その結果、中間チューブ63は第2貯留部22Kra内で発生した気泡26が連続的に上昇して第1貯留部22Krbと連通するようになる。そして、図12(b)で示すように気泡溜まり71から気泡69が分離し、自らの浮力により上昇していく。特に中間チューブ63のインク流路径Dcは分離する気泡26の径よりも大きいため、気泡26は第1貯留部22Krbに達し第1実施形態で説明したように気液分離される。
よってキャッピング時に気泡溜まり71によってインク流路を塞いでも、実際にインクを吐出する記録動作時には、インク流路が遮断されることはない。またこの時、気泡溜まり71の一部が中間チューブ63に残存することがあるが、こうした場合を考慮し、最低限のインク流路Diを確保できるように中間チューブ63の径Dcを設定すればよい。
ところで、記録ヘッド部22Kvがキャッピングポジションから記録動作に移行する前に、ノズル22Kn開口部の大気に暴露されたインクをフレッシュなインクに置換するため、キャップ50内にインクを吐出することがある。この場合、気泡溜まり71によりインク流路が遮断されているために第2貯留部22Kra内の負圧量が上昇するが、吐出量が少ない場合には、気泡溜まり71自体が第2貯留部22Kra側に引き込まれるように移動するか、もしくは自ら膨張するため問題ない。
また、第1の実施形態でも説明したように、吐出毎に変化する圧力に対応した圧力調整に複雑な制御が不要であり、適切な負圧を発生させるにあたり、第1貯留部内の空気を間接的に吸引するためインクが増粘しにくい。
よって本実施形態のインクジェット記録装置を用いることで、インクの吐出部に供給するインクの負圧制御を単純化し、それに伴う装置構成の簡略化によるコストダウンを実現可能なインク供給装置、インクジェット記録装置を実現できた。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
図13は、本実施形態のヘッドユニットとその周囲を示した図である。ファン68による負圧制御手段は、本実施形態のように、複数のヘッドユニット22Y、22M、22C、22Kに接続されていてもよい。
また、図14は本実施形態の図13とは別の実施形態を示した図である。上記各実施形態では、大気と連通する吸入口61からファン68までの空気の流れは直線的な流れであった。しかしこれに限定するものではなく、図14のように、空気室66からファン68までの空気の流れを直線的な流れにして、その流れの途中に、大気と連通する吸入口61を設けてもよい。ここで、空気流路64のうち大気バルブ84を介して空気室66と連通する部分を第1の流路、空気流路64のうちファン68と連通する部分を第2の流路、空気流路64に連通し大気に解放されている部分を第3の流路とする。この場合、第1の流路と第2の流路とが直線状に連通し、その連通部にさらに第3の流路を連通(結合)させた構成になっている。また第1、第2、第3の流路は各1本に限定されるものではなく例えば第3の流路は複数で構成してもよく、また流路が途中で分岐したり、端部が枝分かれのようになっていても良い。また流路中や端部を壁で仕切り、壁に単数もしくは複数の連通穴を持つような構成でもよい。また図15に示されるようにファンのケーシングに大気との連通口を設け、大気に連通した空気流路から空気が導入される空気流路を形成し、空気流路を通じて空気を吸引するようにしてもよい。またファンの数も複数で構成してもよい。いずれにしてもファンの吸引力により、大気に連通した空気流路から空気が導入され、空気流路を通じて空気を吸引することでヘッドユニット内の圧力が減圧される構成であれば本発明の効果が得られることは明らかである。
また図16に示されるようにファンのケーシングに大気との連通口を設けるとともに、別の場所に空気流路64のうち大気バルブ84を介して空気室66と連通する空気流路を設けてもよい。この構成は空気流路を通じて空気を吸引する構成ではないが、大気に連通した連通口から空気が導入され、空気室66の圧力変動に対して緩衝効果をもつため上述してきたような空気室66内の負圧を安定化させる効果を持つ。
このような構成においても、インクの吐出部に供給するインクの負圧制御を単純化し、それに伴う装置構成の簡略化によるコストダウンを実現可能なインク供給装置、インクジェット記録装置を実現できた。
なお、上記各実施形態においては、ヘッドユニット内の負圧を制御する制御部は、記録装置に備えられている例を示したが、これに限定するものではなく、インク供給装置としてヘッドユニットが備えていてもよい。
また、上記各実施形態では、フルラインタイプの記録装置の説明を行ったが、これに限定するものではなく、記録ヘッドの主走査と記録媒体の搬送とを交互に行うことによって記録を行うシリアルタイプの記録装置でもよい。
また、上記各実施形態では、負圧発生機構にプロペラタイプのファンである、いわゆる非容積型のポンプを用いているが、これに限定するものではなく、容積型のポンプを用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1貯留部と第2貯留部とを中間チューブで接続し、その中間チューブがインクの供給と、第2貯留部から第1貯留部へ移動する気泡の通路と、を兼ねているが、これに限定するものではない。第1貯留部から第2貯留部へインクを供給するインク供給路とは別に、第2貯留部で発生した気泡を第1貯留部へ導く連通路を備えていてもよい。
なお、本明細書でいう、「記録」(画像形成とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成するものに限らない。つまり記録とは、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も含むものとする。
また、「記録媒体」(シートとも称する)とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含むものとする。
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様に広く解釈されるべきものである。つまりインクとは、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を含むものとする。
また、本発明の装置にインク以外の液体を用いてもよいことは言うまでもない。
第1の実施形態を適用可能なインクジェット記録装置を模式的に示した正面図である。 図1の記録装置の制御系を示すブロック図である。 第1の実施形態の記録装置におけるインクタンクからヘッドユニットまでのインクの通る経路を模式的に示した図である。 ヘッドユニットの吐出口面をクリーニングする際の手順を示したフローチャートである。 吐出面からワイパによってインクを拭き取る手順を示す模式図であり、(a)は拭き取り開始前を示し、(b)は拭き取り終了直後を示し、(c)は拭き取り終了後の待機状態を示す図である。 ヘッドユニットとその周囲を拡大して示した図である。 記録信号を受信してから記録が終了するまでの動作を表わしたフローチャートである。 図6のA−A断面を示した図である。 第1の実施形態の変形例であるヘッドユニットを示した図である。 第1の実施形態の変形例であるヘッドユニットを示した図である。 (a)、(b)は第2の実施形態のヘッドユニットを示した図である。 (a)、(b)は中間チューブを拡大して示した図である。 第3の実施形態のヘッドユニットとその周囲を示した図である。 第3の実施形態のヘッドユニットとその周囲を示した図である。 第3の実施形態のヘッドユニットとその周囲を示した図である。 第3の実施形態のヘッドユニットとその周囲を示した図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置
12 ホストPC
22K ヘッドユニット
22C ヘッドユニット
22M ヘッドユニット
22Y ヘッドユニット
22Kn ノズル
22Kr 貯留部
22Krs 液面
22KSi 吐出部
22Kv 記録ヘッド部
22Krb 第1貯留部
22Kra 第2貯留部
24 ロール紙供給ユニット
26 搬送機構
63 中間チューブ
64 空気流路
66 空気室
68 ファン
69 気泡
70 インクタンク
71 気泡溜まり
84 大気バルブ
86 液面検知センサ

Claims (18)

  1. インクを吐出可能な吐出部に、液室内に貯留されたインクを供給するインク供給装置において、
    前記液室の上部に設けられる空間内の空気を、外部に放出することによって、前記空間内に負圧を発生させることが可能な負圧発生機構と、
    外部の空気を前記空間内に導入可能な空気導入部と、
    を備えていることを特徴とするインク供給装置。
  2. 前記負圧発生機構は、ファンによって空間内の空気を、空気流路を介して外部に放出することを特徴とする請求項1に記載のインク供給装置。
  3. 前記空気流路は、前記空間と連通する第1の流路と、前記負圧発生機構と連通する第2の流路と、前記空気導入部と連通する第3の流路と、が結合する部分を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインク供給装置。
  4. 前記空間内の空気の圧力を測定可能なセンサが設けられていることを特徴とする請求項1〜3に記載のインク供給装置。
  5. 前記センサの測定結果に基づいて、前記負圧発生機構を制御することで、前記空間内の圧力を一定に保つ制御部を備えていることを特徴とする請求項4に記載のインク供給装置。
  6. 前記第1の流路には流路の遮断と解放とが可能なバルブが設けられていることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のインク供給装置。
  7. 前記第1の流路と前記第2の流路とは直線を成していることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれかに記載のインク供給装置。
  8. 前記第2の流路と前記第3の流路とは直線を成していることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれかに記載のインク供給装置。
  9. 前記空間が形成された前記液室と前記吐出部とは、一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のインク供給装置。
  10. 前記液室は、分けて形成された互いに連通する第1貯留部と第2貯留部とを含み、前記空間は前記第1貯留部の上部に設けられて前記負圧発生機構と連通し、前記第2貯留部は前記吐出部と連通していることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のインク供給装置。
  11. 前記吐出部と前記空間との間に、
    前記吐出部で発生した気泡を前記空間に導くための連通路を有することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のインク供給装置。
  12. インクタンク内の前記インクを前記液室内に補充可能なポンプを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のインク供給装置。
  13. 液室内から供給されたインクを吐出部から吐出することによって、記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記吐出部に前記インクを供給するためのインク供給装置として、前記請求項1から請求項12のいずれかのインク供給装置を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 前記インク供給装置は、前記空間内の空気の圧力を測定可能なセンサを備え、
    前記インクジェット記録装置は、前記センサの測定結果に基づいて、前記負圧発生機構を制御することで、前記空間内の圧力を一定に保つ制御部を備えていることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
  15. インクを吐出可能な吐出部に、液室内に貯留されたインクを供給するインク供給方法において、
    前記液室の上部の空気を、空気流路を介して外部に放出しつつ、外部の空気を前記空気流路内に導入することにより、前記液室内に負圧を発生させることを特徴とするインク供給方法。
  16. 前記空間内の負圧に応じて、前記液室の上部の空気を外部に放出する量を制御することによって、前記空間内の負圧を一定に保つことを特徴とする請求項15に記載のインク供給方法。
  17. 液室内から供給されたインクを吐出部から吐出することによって、記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
    前記記録媒体に記録を行う際に、前記液室の上部の空気を、空気流路を介して外部に放出しつつ、外部の空気を前記空気流路内に導入することにより、前記液室内に負圧を発生させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 前記液室内の負圧に応じて、前記液室の上部の空気を外部に放出する量を制御することによって、前記空間内の負圧を一定に保つことを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
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