JP6004967B2 - 液体移送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は液体移送装置及び画像形成装置に関する。
近年、印刷業界では少部数印刷の需要が高まっている。オフセット印刷では、版を作成する必要があり、少部数印刷を行う際には、時間及びコストの面で障害となっている。これに対し、記録媒体を一定方向に搬送しながらインクを吐出するシングルパス方式のインクジェット記録は、時間及びコストの面で有利である。
しかしながら、シンブルパス方式では、インクを吐出しないノズル又はインクの吐出曲りを起こしたノズルが存在すると、抜けた部分にスジが目立ちやすいという欠点を有している。
スジを起こす要因として、インクジェットヘッド内の気泡が大きな要因を占めている。インク中の気泡に対する対策としては、下記特許文献1、2が提案されている。
特許文献1には、バッファタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させる循環経路中に脱気装置を設置し、脱気装置によりインク中の気泡の除去を促進させるようにした装置が開示されている。
特許文献2には、インク中の溶存酸素量を測定し、その測定値が所定値を超えた場合に、インクジェットヘッドへの液体の供給を停止する装置が開示されている。
特開2010−83021号公報 特開2000−190529号公報
特許文献1では、メインタンクからバッファタンクにインクを補充する経路に脱気装置が無く、高濃度印刷(インクを大量に使うベタ画像印刷)のときに、メインタンクから非脱気のインクがバッファタンクに大量に補充されることになる。このため、インク中の気泡の除去を促進するためには改善の余地がある。
特許文献2では、高濃度印刷(インクを大量に使うベタ画像印刷)のときにインク中の溶存酸素量が所定値を超え、インクジェットヘッドへの液体の供給を停止すると、生産性の低下が発生してしまう。
本発明は上記事実を考慮し、高濃度印刷時にも必要な液体供給量を保持しつつ、気泡によるスジの発生を抑制することができる液体移送装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明に係る液体移送装置は、内部に液体が貯留されるメインタンクと、前記メインタンク内の液体が補充流路を通じて補充されるバッファタンクと、前記バッファタンク内の液体が供給流路を通じて供給されると共に、搬送部を搬送される記録媒体に前記液体による液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記供給流路の途中に設けられ、前記液体中に含まれる気体を除去する第1脱気モジュールと、前記補充流路の途中に設けられ、前記液滴吐出ヘッドによる最大濃度印刷時に前記メインタンクから前記バッファタンクに補充する前記液体の単位時間当たりの液体補充量より大きい単位時間当たりの液体量の前記液体中に含まれる気体を除去できる第2脱気モジュールと、を有し、前記第1脱気モジュールと前記第2脱気モジュールに同一の脱気用ポンプが接続されており、前記メインタンクから前記バッファタンクへの液体補充中は、前記脱気用ポンプによる吸引を前記第1脱気モジュールによる前記供給流路と前記第2脱気モジュールによる前記補充流路の両方から行い、前記液体補充中以外は、前記脱気用ポンプによる吸引を前記第1脱気モジュールによる前記供給流路のみで行うように切り替える
上記の発明によれば、メインタンク内に貯留される液体が補充流路を通じてバッファタンクに補充される。バッファタンク内の液体が供給流路を通じて液滴吐出ヘッドに供給され、搬送部を搬送される記録媒体に液滴吐出ヘッドから液体による液滴が吐出される。供給流路の途中には、第1脱気モジュールが設けられており、バッファタンクから液体が液滴吐出ヘッドに供給される際に、第1脱気モジュールにより液体中に含まれる気体が除去される。さらに、補充流路の途中には、第2脱気モジュールが設けられており、メインタンクから液体がバッファタンクに補充される際に、第2脱気モジュールにより液体中に含まれる気体が除去される。その際、第2脱気モジュールは、液滴吐出ヘッドによる最大濃度印刷時にメインタンクからバッファタンクに補充する液体の単位時間当たりの液体補充量より大きい単位時間当たりの液体量の液体中に含まれる気体を除去できる。このため、最大濃度印刷時にメインタンクからバッファタンクに、第2脱気モジュールにより脱気処理された液体が供給され、非脱気液体がバッファタンクに供給されることが抑制される。これにより、高濃度印刷時にも液滴吐出ヘッドへの必要な液体供給量を保持することができると共に、脱気効率の向上によりスジの発生を抑制することができる。
また、上記の発明によれば、第1脱気モジュールと第2脱気モジュールに同一の脱気用ポンプが接続されている。すなわち、同一の脱気用ポンプにより第1脱気モジュールと第2脱気モジュールの両方、又は第1脱気モジュールと第2脱気モジュールの一方を吸引する(脱気する)ことができ、コストを低減することができる。
さらに、上記の発明によれば、メインタンクからバッファタンクへの液体補充中は、脱気用ポンプによる吸引を第1脱気モジュールによる供給流路と第2脱気モジュールによる補充流路の両方から行い、液体補充中以外は、脱気用ポンプによる吸引を第1脱気モジュールによる供給流路のみで行うように切り替える。これにより、液体補充中以外は、供給流路のみに集中して脱気させることができ、脱気効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体移送装置において、前記供給流路は、前記バッファタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間で前記液体を循環させる循環経路の一部として構成されている。
上記の発明によれば、供給流路は、バッファタンクと液滴吐出ヘッドとの間で液体を循環させる循環経路の一部として構成されており、バッファタンクと液滴吐出ヘッドとの間で液体を循環させる過程で、第1脱気モジュールにより液体中に含まれる気体を除去することができる。
請求項に記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1又は請求項に記載の液体移送装置を備え、前記液滴吐出ヘッドが、前記液体としてのインクを前記記録媒体に吐出するインクジェットヘッドで構成されている。
上記の発明によれば、液滴吐出ヘッドが、インクを記録媒体に吐出するインクジェットヘッドで構成されており、インク中に含まれる気体が第1脱気モジュール、第2脱気モジュールにより除去される。このため、高濃度印刷時にもインクジェットヘッドへの必要なインク供給量を保持することができると共に、脱気効率の向上によりスジの発生を抑制することができる。
本発明は上記構成としたので、高濃度印刷時にも必要な液体供給量を保持しつつ、気泡によるスジの発生を抑制することができる。
本実施の形態に係るインクジェット記録装置のインクジェットヘッドに適用されるインク移送装置の配管図である。 図1のインクジェットヘッドにおける動作を制御するためのインク供給制御装置のブロック図である。 図1の配管図における、第1のインク循環モードにおける循環経路を示す配管図である。 図1の配管図であり、(A)は第2のインク循環モードにおける第1の循環経路を示す配管図、(B)は第2のインク循環モードにおける第2の循環経路を示す配管図、(C)は第2のインク循環モードにおける第3の循環経路を示す配管図である。 図1に示す脱気モジュールの断面図である。 図1の配管図における、インク補充中の脱気モジュールの動作状態を示す配管図である。 図1の配管図における、インク補充中以外の脱気モジュールの動作状態を示す配管図である。 本実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
〔装置の全体構成〕
本実施の形態では、液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置の一例として、インク滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置について説明する。
なお、画像形成装置としては、インクジェット記録装置に限定されるものではない。例えば、フィルムやガラス上にインク等を吐出してカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置、有機EL溶液を基板上に吐出してELディスプレイパネルを形成する装置、溶解状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成する装置、金属を含む液体を吐出して配線パターンを形成する装置及び液滴を吐出して膜を形成する各種の成膜装置であってもよく、液滴を吐出するものであればよい。
図8は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。
図8に示すように、インクジェット記録装置1010は、用紙等の記録媒体Pが収容される記録媒体収容部1012と、記録媒体Pに画像を記録する画像記録部1014と、記録媒体収容部1012から画像記録部1014へ記録媒体Pを搬送する搬送手段1016と、画像記録部1014によって画像が記録された記録媒体Pが排出される記録媒体排出部1018と、を備えている。
画像記録部1014は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの一例として、インク滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェットヘッド10Y、10M、10C、10K(以下、10Y〜10Kと示す)を備えている。
また、インクジェットヘッド10Y〜10Kは、ノズル(図示省略)が形成されたノズル面1022Y〜1022Kをそれぞれ有している。このノズル面1022Y〜1022Kは、インクジェット記録装置1010での画像記録が想定される記録媒体Pの最大幅と同程度か、又はそれ以上の記録可能領域を有している。
さらに、インクジェットヘッド10Y〜10Kは、記録媒体Pの搬送方向の下流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色の順で並列に並べられており、その各色に対応したインク滴を、圧電方式によって、複数のノズルから吐出し、画像を記録する構成となっている。なお、インクジェットヘッド10Y〜10Kにおいて、インク滴を吐出させる構成は、サーマル方式等の他の方式によって吐出させる構成であっても良い。
インクジェット記録装置1010には、液体を貯留する貯留部として、各色のインクを貯留するインクタンク1021Y、1021M、1021C、1021K(以下、1021Y〜1021Kと示す)が設けられている。このインクタンク1021Y〜1021Kから、各インクジェットヘッド10Y〜10Kへインクが供給される。なお、インクジェットヘッド10Y〜10Kへ供給されるインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、各種インクの使用が可能である。
搬送手段1016は、記録媒体収容部1012内の記録媒体Pを1枚ずつ取り出す取出ドラム1024と、画像記録部1014のインクジェットヘッド10Y〜10Kへ記録媒体Pを搬送しその記録面(表面)をインクジェットヘッド10Y〜10Kに対面させる搬送体としての搬送ドラム1026と、画像が記録された記録媒体Pを記録媒体排出部1018へ送り出す送出ドラム1028と、を有している。そして、取出ドラム1024、搬送ドラム1026、送出ドラム1028は、それぞれ記録媒体Pがその周面に静電的吸着手段、或いは吸引や粘着などの非静電的吸着手段によって保持されるように構成されている。
また、取出ドラム1024、搬送ドラム1026、送出ドラム1028には、それぞれ記録媒体Pの搬送方向下流側端部を挟んで保持する保持手段としてのグリッパー1030が、例えば2組ずつ備えられており、これら3個のドラム1024、1026、1028は、それぞれその周面に記録媒体Pを、グリッパー1030によってこの場合は2枚まで保持可能に構成されている。そして、グリッパー1030は、各ドラム1024、1026、1028の周面に2つずつ形成された凹部1024A、1026A、1028A内に設けられている。
具体的には、各ドラム1024、1026、1028の凹部1024A、1026A、1028A内の予め定められた位置に、各ドラム1024、1026、1028の回転軸1032に沿って回転軸1034が支持されており、この回転軸1034には、その軸方向に間隔をおいて複数のグリッパー1030が固定されている。したがって、回転軸1034が、図示しないアクチュエーターによって正逆両方向に回転することにより、グリッパー1030が各ドラム1024、1026、1028の周方向に沿って正逆両方向に回転し、記録媒体Pの搬送方向下流側端部を挟んで保持したり、離したりするようになっている。
つまり、グリッパー1030は、その先端部が各ドラム1024、1026、1028の周面から若干突出するように回転することで、取出ドラム1024の周面と搬送ドラム1026の周面とが対面する受渡位置1036において、取出ドラム1024のグリッパー1030から搬送ドラム1026のグリッパー1030へ記録媒体Pを受け渡すようになっており、搬送ドラム1026の周面と送出ドラム1028の周面とが対面する受渡位置1038において、搬送ドラム1026のグリッパー1030から送出ドラム1028のグリッパー1030へ記録媒体Pを受け渡すようになっている。
また、インクジェット記録装置1010は、インクジェットヘッド10Y〜10Kをメンテナンスするメンテナンスユニット(図示省略)を備えている。メンテナンスユニットは、インクジェットヘッド10Y〜10Kのノズル面を覆うキャップ、予備吐出(空吐出)された液滴を受ける受け部材、ノズル面を清掃する清掃部材、ノズル(図示省略)内のインクを吸引するための吸引装置等を有しており、メンテナンスユニットがインクジェットヘッド10Y〜10Kに対向する対向位置に移動し、各種のメンテナンスを行う。
また、インクジェット記録装置1010は、送出ドラム1028の内部などにインクを熱風又は赤外線等により乾燥させる乾燥部(図示省略)を備えており、記録媒体Pに吐出されたインクを乾燥させるようになっている。また、図示を省略するが、送出ドラムを複数配置し、送出ドラムと対向する位置に、インクを乾燥させる乾燥部と、例えば紫外線硬化型のインクを紫外線の照射により定着させる定着部と、を設けてもよい。
次に、インクジェット記録装置1010の画像記録動作について説明する。
記録媒体収容部1012から取出ドラム1024のグリッパー1030により1枚ずつ取り出されて保持された記録媒体Pは、取出ドラム1024の周面に吸着されつつ搬送され、受渡位置1036において、取出ドラム1024のグリッパー1030から搬送ドラム1026のグリッパー1030へ受け渡される。
搬送ドラム1026のグリッパー1030により保持された記録媒体Pは、その搬送ドラム1026に吸着されつつインクジェットヘッド10Y〜10Kの画像記録位置まで搬送され、そのインクジェットヘッド10Y〜10Kから吐出されるインク滴により、記録面に画像が記録される。
記録面に画像が記録された記録媒体Pは、受渡位置1038において、搬送ドラム1026のグリッパー1030から送出ドラム1028のグリッパー1030へ受け渡される。そして、送出ドラム1028のグリッパー1030により保持された記録媒体Pは、その送出ドラム1028に吸着されつつ搬送され、記録媒体排出部1018へ排出される。以上のように、一連の画像記録動作が行われる。
なお、インクジェット記録装置1010の構成は、本実施形態の構成に限定するものではなく、適宜変更して使用してもよい。例えば、送出ドラム1028に代えて、記録媒体Pの先端部(搬送方向下流側の端部)を把持して搬送するチェーングリッパを用いてもよい。この場合、チェーングリッパと対向して配置されたインク乾燥部で記録媒体Pを乾燥とすることができる。また、紫外線硬化型のインクを用いた場合には、チェーングリッパと対向して配置されたUV照射部で記録媒体P上のインクを硬化させる構成としてもよい。
〔配管構成〕
図1には、本実施の形態に係るインクジェット記録装置1010のインクジェットヘッド10に適用された液体移送装置の一例としてのインク移送装置300の配管図が示されている。尚、図1に示す配管図は各色のインクのうちの1色、例えばイエローについてのものである。他の色のインクの配管構成も同様である。
本実施の形態のインクジュットヘッド10には、複数の液体吐出部(以下、「ヘッドモジュール」という)12が取り付けられ、それぞれのヘッドモジュール12へ均等(一定の圧力、一定の流量)にインクを供給するためのインク循環用配管路が形成されている。
図1に示される如く、ヘッドモジュール12には、インクが流入する入力ポート12Aと、インクを排出する出力ポート12Bとが設けられている。入力ポート12Aには、供給側マニホールド14から分岐した供給側分岐管16の先端が取り付けられ、出力ポート12Bには、回収側マニホールド18から分岐した回収側分岐管20の先端が取り付けられている。すなわち、供給側マニホールド14及び回収側マニホールド18には、ヘッドモジュール12の設置数分の分岐管(供給側分岐管16及び回収側分岐管20)が設けられ、供給側マニホールド14に供給されるインクを予め定められた圧力Pin、かつ予め定められた流量でそれぞれのヘッドモジュール12へ供給し、さらには、ヘッドモジュール12へ供給されたインクを予め定められた圧力Pout、かつ予め定められた流量でそれぞれヘッドモジュール12から回収側マニホールド18へ回収する構造となっている。
すなわち、供給側マニホールド14の圧力Pinと回収側マニホールド18の圧力Poutにより、ヘッドモジュール12部で差圧ΔPを発生させ、この結果、ヘッドモジュール12内では、入力ポート12Aと出力ポート12Bの間にインクの流れが生じ、この流れにより、常にフレッシュなインクがヘッドモジュール12に供給されることになる。インク吐出口であるノズル面には、当該供給側マニホールド14の圧力Pinと回収側マニホールド18の圧力Poutに依存する背圧Pnzlが付与されている。
供給側分岐管16にはそれぞれ、開閉弁の一例としての供給側バルブ22と緩衝器24とが介在されている。また、回収側分岐管20にはそれぞれ、開閉弁の一例としての回収側バルブ26と緩衝器24とが介在されている。供給側バルブ22及び回収側バルブ26は、ヘッドモジュール12を個別に動作させる必要があるときに開閉操作されるものであると共に、後述するようにヘッドモジュール12へのインクの循環を開始する際あるいは終了する際に開閉操作されるものである。緩衝器24は、供給側マニホールド14から供給されるインク、或いは回収側マニホールド18へ回収されるインクの流動時の圧力変動等を緩和する役目を有している。
供給側マニホールド14は、その長手方向一端部(図1の右端部)に供給流路の一例としてのインク循環配管系の供給管28の一端部が取り付けられ、一方回収側マニホールド18は、その長手方向一端部(図1の右端部)にインク循環配管系の回収管30の一端部が取り付けられている。
また、供給側マニホールド14と回収側マニホールド18のそれぞれの他端部(図1の左端部)の間には、第1のバイパス流路32と迂回流路の一例としての第2のバイパス流路34とが設けられている。第1のバイパス流路32には、第1のバイパスバルブ36が介在されている。また、第2のバイパス流路34には、迂回流路開閉弁の一例としての第2のバイパスバルブ38が介在されている。この第1のバイパス流路32及び第2のバイパス流路34は、供給側マニホールド14と回収側マニホールド18との間の圧力、流量調整等に用いられる。例えば、後述の第1の循環時(供給側マニホールド14から回収側マニホールド18への流れ)は、第1のバイパスバルブ36が閉止、第2のバイパスバルブ38が開放されており、第2のバイパス流路34のみが通じている。
さらに、供給側マニホールド14と回収側マニホールド18の他端部には、それぞれ供給側圧力センサ40及び回収側圧力センサ42が取り付けられており、供給側マニホールド14と回収側マニホールド18内のインクの圧力を監視している。
供給側マニホールド14に連結された供給管28の他端部は、供給側サブタンク44に連結されている。供給側サブタンク44は、二室構造で、弾性力を有する薄膜部材44Aで仕切られており、その1つがインク用サブタンク室44B、他の1つが空気室44Cとなっている。
インク用サブタンク室44Bには、インクをバッファタンク46から引き込む(およびバッファタンク46へ回収する)ための供給側主管48の一端部が連結されている。供給側主管48の他端の開口はバッファタンク46に貯留されたインクに浸漬されている。
供給側主管48には、バッファタンク46から供給側サブタンク44にかけて順番に、第1脱気モジュールの一例としての脱気モジュール150、一方向弁52、第1圧力調整手段の一例としての供給側ポンプ54、供給側フィルタ56、インク温度調整器58がそれぞれ介在されている。脱気モジュール150には、通気管152の一端部が接続されており、通気管152の途中には、開閉弁の一例としての循環側バルブ154と、脱気モジュール150内の空気を吸引するための脱気用ポンプの一例としての真空ポンプ156と、が介在されている。脱気モジュール150の詳細については後述する。
本実施形態では、供給側ポンプ54の駆動力で、バッファタンク46に貯留されているインクを供給側サブタンク44へ供給する途中で、脱気モジュール150によりインク内から気泡を取り除き、かつインク温度調整器58によりインクの温度を管理している。供給側主管48は、インクジェットヘッド10Y〜10Kとバッファタンク46との間でインクを循環させる循環経路の一部として構成されている。
なお、供給側ポンプ54の入側は、供給側主管48とは別に分岐管53の一端部が接続され、この分岐管53の他方の開口は、一方向弁55を介して、バッファタンク46に貯留されたインクに浸漬されている。
また、本実施の形態で適用される供給側ポンプ54は、ステッピングモータを用いたチューブポンプ(弾性力を持つチューブをステッピングモータによる回転駆動でしごきながらチューブ内のインクを供給する)であるが、特にこのような圧力調整手段(ポンプ)に限定されるものではない。要は、回転を正逆転させることで、供給側のインクの圧力を高圧側および低圧側に調整できるものであればよい。なお、以下で、ポンプの駆動回転数を示す場合、ステッピングモータの回転数と同等とする。
供給側サブタンク44の空気室44Cには、開放管60が取り付けられている。開放管60には、供給側エアバルブ66が介在されている。
また、インク用サブタンク室44Bは、ドレイン管68の一端が連結されている。ドレイン管68の他端の開口は、バッファタンク46に貯留されたインクに浸漬されている。ドレイン管68には、供給側ドレインバルブ70が介在されている。
供給側サブタンク44は、空気室44Cと薄膜部材44Aにより、インク用サブタンク室44B内の圧力を所望の値に調整・維持する役目を有している。
一方、回収側マニホールド18に連結された回収管30の他端部は、回収側サブタンク72に連結されている。回収側サブタンク72は、二室構造で、弾性力を有する薄膜部材72Aで仕切られており、その1つがインク用サブタンク室72B、他の1つが空気室72Cとなっている。
インク用サブタンク室72Bには、インクをバッファタンク46へ回収する(およびバッファタンク46から引き込む)ための回収側主管74の一端部が連結されている。
回収側主管74には、一方向弁76が介在されており、第2圧力調整手段の一例としての回収側ポンプ80の駆動力で、回収側サブタンク72内のインクをバッファタンク46へ回収している。回収側ポンプ80も供給側ポンプ54と同様なチューブポンプから構成されている。
回収側サブタンク72の空気室72Cには、開放管82が取り付けられている。開放管82には、回収側エアバルブ88が介在されている。
また、インク用サブタンク室72Bは、ドレイン管90の一端が連結されている。ドレイン管90の他端は、回収側ドレインバルブ92を介して供給側サブタンク44のドレイン管68に接続されている。
回収側サブタンク72は、空気室72Cと薄膜部材72Aにより、インク用サブタンク室72B内の圧力を所望の値に調整・維持する役目を有している。
ところで、第一の循環モードでは、供給側ポンプ54及び回収側ポンプ80による圧力は、供給側マニホールド14の圧力Pin>回収側マニホールド18の圧力Poutであるが、それぞれ負圧とされている。すなわち、供給側ポンプ54の供給圧力は負圧であるが、回収側ポンプ80の回収圧力がさらに低圧の負圧であるため、インクは、供給側マニホールド14から回収側マニホールド18へ流れ、かつヘッドモジュール12のノズル(図示省略)の背圧Pnzlが負圧に維持されるようになっている。従って、ヘッドモジュール12のノズル(図示省略)ではインクがメニスカス保持されつつ、ノズルに対してインクが循環するようになっている。
なお、本実施の形態では、回収側ポンプ80の入側と、供給側主管48における脱気モジュール150の出側との間を連結する、ヘッドモジュール12内の加圧パージ用配管94が設けられている。
加圧パージ用配管94には、脱気モジュール150から回収側ポンプ80にかけて順番に、一方向弁96、回収側フィルタ98が介在されている。
すなわち、ヘッドモジュール12内を加圧して、一気にインクを排出することで気泡等を排除するとき、供給側ポンプ54の駆動に加え、回収側ポンプ80の駆動方向を通常時に対して逆転させ、バッファタンク46から回収側マニホールド18へインクを供給するようにしている。なお、排出時は、ドレイン管68、90を用いる。
バッファタンク46は、メインタンク100(図8に示すインクタンク1021Y、1021M、1021C、1021Kに相当)に連結されている。すなわち、バッファタンク46には、インクを循環させるために必要なインク量が貯留されており、インク消費に応じて、メインタンク100からインクが補充される構成となっている。すなわち、メインタンク100に貯留されたインクに補充流路の一例としての補充管102の一端部が浸漬されている。この補充管102の浸漬された一端開口にはフィルタ104が取り付けられている。補充管102は、補充ポンプ106の入側に連結されている。補充ポンプ106の入側における補充管102の途中には、第2脱気モジュールの一例としての脱気モジュール160が設けられている。補充ポンプ106の出側は、バッファタンク46へ配管された、回収側主管74の途中に接続されている。ここで、補充ポンプ106が駆動することで、バッファタンク46へインクが補充される。なお、バッファタンク46とメインタンク100との間には、オーバーフロー管108が設けられ、過剰補充時にインクがメインタンク100へ戻されるようになっている。
脱気モジュール160には、通気管162の一端部が接続されており、通気管162の途中には、開閉弁の一例としての補充側バルブ164が介在されている。通気管162の他端部は、通気管152の途中である真空ポンプ156の入側(循環側バルブ154と真空ポンプ156との間)に接続されている。
本実施形態では、バッファタンク46内のインク収容量は、例えば約200mlとされており、メインタンク100のインク収容量が、例えば約10〜15l(リットル)とされている。バッファタンク46内には、液面センサ190が配置されており、液面センサ190によりバッファタンク46内のインク量が所定量より減少したことが検出されると、補充ポンプ106の駆動によりメインタンク100からバッファタンク46内にインクが補充されるようになっている。
なお、メインタンク100には、図示しないインクカートンが接続されている。例えば、インクカートンはメインタンク100より鉛直上方に配置されており、水頭差によりインクカートンからインクがメインタンク100に供給されるようになっている。
また、インクジェットヘッド10には、供給側バルブ22と回収側バルブ26の動作をさせるための電力を供給可能な非常用電源200が備えられている。
〔制御系構成〕
図2には、本実施の形態に係るインクジェットヘッド10における動作を制御するためのインク供給制御装置110のブロック図が示されている。
インク供給制御装置110は、マイクロコンピュータ112を含んで構成されている。マイクロコンピュータ112は、CPU114、RAM116、ROM118、I/O120及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス122を備えている。
I/O120には、ハードディスクドライブ(HDD)124が接続されている。また、I/O120には、供給側圧力センサ40、回収側圧力センサ42、液面センサ190が接続されている。
さらに、I/O120には、図示は省略したが、ヘッドモジュール12のノズル(図示省略)からインクを吐出して画像形成する際の画像データが入力されるようになっている。なお、画像データは、インク吐出位置や吐出量が定められた状態(ラスターデータ)であってもよいし、JPEG等の圧縮されたデータ等であってもよく、この場合はCPU114においてインク吐出用のデータ(ラスタデータ)に変換される。CPU114では、ROM118に記憶されたインク循環系プログラムが読み出されて実行される。ROM118には、インク循環制御形態(以下、「制御形態」の同義として「モード」という場合がある)として、少なくとも以下のような制御プログラムが記憶されている。
(第1のインク循環モード)
バッファタンク46内のインクを、供給側マニホールド14から回収側マニホールド18方向へ流動させ、ヘッドモジュール12のノズル(図示省略)に対して循環させるための循環制御プログラム(プログラム1)。
(第2のインク循環モード)
インク供給経路内に発生する気泡を排出する(パージする)ための循環制御プログラム(プログラム2)。
なお、上記第1のインク循環モード及び第2のインク循環モードを実行するためのプログラムは、ROM118に限らず、HDD124或いは外部記憶媒体に記憶しておき、当該外部記憶媒体を装填することで情報を読み取るリーダーやLAN等のネットワーク(共に図示省略)から取得するようにしてもよい。
CPU114では、循環制御プログラムを読み出し、当該読み出した循環制御プログラムに基づいて、I/O120に接続されたヘッドモジュール循環系制御部126、圧力調整制御部128、ドレイン制御部130、ポンプ駆動制御部132、温度制御部134が動作する。
ヘッドモジュール循環系制御部126には、ヘッドモジュール12に内蔵されたノズル吐出デバイス13(例えば、圧電素子等への通電制御による圧力室の振動でインク滴をノズルから吐出する動作をするデバイス)12dev.、供給側バルブ22,回収側バルブ26、第1のバイパスバルブ36、第2のバイパスバルブ38が電気的に接続されている。
圧力調整制御部128には、供給側エアバルブ66、回収側エアバルブ88が電気的に接続されている。
ドレイン制御部130には、供給側ドレインバルブ70、回収側ドレインバルブ92が電気的に接続されている。
ポンプ駆動制御部132には、供給側ポンプ54、回収側ポンプ80、補充ポンプ106が接続されている。なお、本実施の形態では、供給側ポンプ54、回収側ポンプ80、補充ポンプ106の回転速度を回転数(rpm)で表現するが、線速度、角速度等、別の表現であってもよい。
温度制御部134には、インク温度調整器58が電気的に接続されている。
(第1のインク循環モード)
ここで、前述した第1のインク循環モード(バッファタンク46内のインクを、供給側マニホールド14から回収側マニホールド18方向へ流動させ、ヘッドモジュール12のノズルに対して循環させる循環制御。以下、「第1の循環モード」という場合がある。)では、ヘッドモジュール12のノズル(図示省略)に対する供給側と回収側との差圧ΔPが一定となるように制御される。すなわち、第1のインク循環モードは、圧力制御によって実行されることになる(図3参照)。
なお、図3は、図1に示した配管図と同一であるが、符号を省略し、かつ循環経路を太い鎖線で示している。
供給側マニホールド14には、供給側ポンプ54の駆動力による圧力Pinでインクが供給されており、回収側マニホールド18には、回収側ポンプ80の駆動力による圧力Poutでインクが回収されている。このときの圧力Pinと圧力Poutはそれぞれ負圧であり、かつ、圧力Poutの方が圧力Pinよりもさらに低圧の負圧となっている。
(第2のインク循環モード)
一方、第2のインク循環モード(インク供給経路内に発生する気泡を排出するための循環制御/以下、「第2の循環モード」という場合がある。)では、本実施の形態では、少なくともヘッドモジュール12へインクが流れない3種類の循環経路(第1〜第3の循環経路)が設定されており、この3種類の循環経路が順次設定され、供給側ポンプ54又は回収側ポンプ80の駆動による流量制御が実行されるようになっている(図4(A)〜(C)参照)。
(第1の循環経路)
供給側マニホールド14からヘッドモジュール12への流路(供給側分岐管16)と、ヘッドモジュール12から回収側マニホールド18への流路(回収側分岐管20)とを断ち(供給側バルブ22と回収側バルブ26の閉止)、第2のバイパス流路34よりも相対的に内径が大きい第1のバイパス流路32を開放し、供給側ポンプ54の駆動で流量制御を行う(図4(A)参照)
なお、図4(A)は、図1に示した配管図と同一であるが、符号を省略し、かつ循環経路を太い鎖線で示している。
(第2の循環経路)
供給側主管48を主体とし、ドレイン管68に設けられた供給側ドレインバルブ70を開放し、供給側ポンプ54の駆動で流量制御を行う(図4(B)参照)。
なお、図4(B)は、図1に示した配管図と同一であるが、符号を省略し、かつ循環経路を太い鎖線で示している。
(第3の循環経路)
回収側主管74を主体とし、ドレイン管90に設けられた回収側ドレインバルブ92を開放し、回収側ポンプ80の駆動で流量制御を行う(図4(C)参照)。
なお、図4(C)は、図1に示した配管図と同一であるが、符号を省略し、かつ循環経路を太い鎖線で示している。
インク循環系プログラムは、インク供給制御装置110によって実行される。すなわち、インク供給制御装置110では、所定のタイミングで循環モードの判定が行われ、当該循環指示の形態が解析される。本実施形態では、例えば、圧力制御による循環制御、すなわち、電源投入後、印字可能な状態での待機(印字待機)時の循環モードが指示された場合は、第1の循環モードが実行されるようになっている。
また、流量制御による循環制御、すなわち、電源オフから一定時間経過した後の電源オン時、待機中の定期、ユーザーによる実行指示の何れかに該当する場合は、第2の循環モードが実行されるようになっている。
図2に示されるように、CPU114では、脱気制御プログラムを読み出し、当該読み出した脱気制御プログラムに基づいて、I/O120に接続された脱気制御部180が動作するようになっている。脱気制御部180には、真空ポンプ156、循環側バルブ154、補充側バルブ164が電気的に接続されている。脱気制御部180による脱気モジュール150、160(図1参照)の制御については後述する。
〔脱気モジュールの構成及び動作〕
図5には、本実施形態の脱気モジュール150が断面図にて示されている。
図5に示されるように、脱気モジュール150は、略円筒状に形成された容器210と、容器210内に容器210の内壁と間隔をおいて配置されたチューブ状の気体透過膜212と、を備えている。気体透過膜212は、容器210の中心部を囲むように長手方向に沿って配置されており、容器210の長手方向両側の壁部210Aには、インクがチューブ状の気体透過膜212の内部を通過するように供給側主管48が接続されている。チューブ状の気体透過膜212の外部と対向する容器210の周壁部210Bには、通気管152の一端部が接続されている。
脱気モジュール150では、供給側ポンプ54を駆動することにより、インクが脱気モジュール150のチューブ状の気体透過膜212の内部を通過する。その際、通気管152に設けられた真空ポンプ156を駆動することにより、容器210内の気体が吸引されて負圧とされ、気体透過膜212の内外の気体の分圧差によって気体透過膜212内を流れるインク中に含まれる気体(溶存気体)が気体透過膜212を通って除去されるようになっている。
図示を省略するが、図1に示す脱気モジュール160も、脱気モジュール150とほぼ同様の構成とされている。その際、脱気モジュール150の気体透過膜212の膜面積が、脱気モジュール160の気体透過膜(図示省略)の膜面積より大きくなるように設定されている。本実施形態では、脱気モジュール150の気体透過膜212の膜面積が、脱気モジュール160の気体透過膜の膜面積の略2.5倍に設定されている。脱気モジュール150の気体透過膜212の膜面積を大きくすることで、インク中の溶存気体を除去する処理量を上げることができる。
また、図1に示されるように、脱気モジュール150と脱気モジュール160には、同一の真空ポンプ156が接続されている。言い換えると、脱気モジュール150と脱気モジュール160とは真空ポンプ156を共用する構成とされている。真空ポンプ156で吸引することで、脱気モジュール150と脱気モジュール160の内部が負圧とされる。本実施形態では、真空ポンプ156により、−8MPa〜−10MPaの負圧とするように設定されている。
本実施形態では、循環側バルブ154と補充側バルブ164を開放して脱気モジュール150と脱気モジュール160の両方を同一の真空ポンプ156で吸引する場合と、補充側バルブ164を閉止して脱気モジュール150のみを真空ポンプ156で吸引する場合がある。その際、脱気モジュール150のみを真空ポンプ156で吸引する場合に比べて、脱気モジュール150と脱気モジュール160の両方を同一の真空ポンプ156で吸引する場合は、吸引力が若干低下しても脱気性(インク中の溶存酸素の除去性能)に影響を及ぼさないように設定されている。
また、脱気モジュール160は、インクジェットヘッド10Y〜10Kによる最大濃度印刷時にメインタンク100からバッファタンク46に補充するインクの単位時間当たりのインク補充量をx(ml/min)とするとき、当該xより大きい単位時間当たりのインク量y(ml/min)を処理できる(インク中の溶存気体を除去できる)構成とされている。言い換えると、脱気モジュール160は、インク中の溶存気体を除去できる単位時間当たりのインク量、すなわち単位時間当たりの処理流量がy(ml/min)とされており、この単位時間当たりの処理流量y(ml/min)は、最大濃度印刷時にメインタンク100からバッファタンク46に補充する単位時間当たりのインク補充量x(ml/min)よりも大きく設定されている。これにより、最大濃度印刷時にメインタンク100からバッファタンク46にインクを補充しても、脱気モジュール160によりインク中の溶存気体を除去することができるため、非脱気インクがバッファタンク46に補充されることが抑制されるようになっている。
図6に示されるように、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中には、循環側バルブ154が開放されると共に、補充側バルブ164が開放され、真空ポンプ156が駆動される。循環側バルブ154、補充側バルブ164、真空ポンプ156の制御は、メインタンク100からバッファタンク46にインクを補充するタイミングで脱気制御部180(図2参照)により実行される。これにより、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中は、脱気モジュール160と脱気モジュール150の両方が駆動され、脱気モジュール160によりメインタンク100からバッファタンク46に補充されるインク中の溶存気体が除去される。これと共に、脱気モジュール150によりインクを循環される循環経路の一部を構成する供給側主管48を流れるインク中の溶存気体が除去される。
図7に示されるように、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中以外(インク循環中)は、循環側バルブ154が開放されると共に、補充側バルブ164が閉止され、真空ポンプ156が駆動される。循環側バルブ154、補充側バルブ164、真空ポンプ156の制御は、インクの循環を開始するタイミングで脱気制御部180により実行される。本実施形態では、インクの循環は、図3に示す第1のインク循環モードによる場合と、図4に示す第2のインク循環モードの3通りの循環経路による場合がある。これにより、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中以外(インク循環中)は、脱気モジュール150のみが駆動され、脱気モジュール150によりインクを循環される循環経路の一部を構成する供給側主管48を流れるインク中の溶存気体が除去される。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
図6に示されるように、バッファタンク46内に配置された液面センサ190により、バッファタンク46内のインク量が所定量より減少したことが検出されると、インク供給制御装置110のポンプ駆動制御部132(図2参照)により補充ポンプ106が駆動される。これにより、メインタンク100からバッファタンク46内にインクが補充される。
メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中には、インク供給制御装置110(図2参照)によりインクジェットヘッド10Y〜10Kとバッファタンク46との間で、インクを循環されるインク循環モード(例えば図3に示す第1のインク循環モード)が実行される。
また、メインタンク100からバッファタンク46にインクを補充するタイミングで、インク供給制御装置110の脱気制御部180(図2参照)により循環側バルブ154が開放されると共に、補充側バルブ164が開放され、真空ポンプ156が駆動される。これにより、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中は、脱気モジュール160と脱気モジュール150の両方が駆動され、脱気モジュール160によりメインタンク100からバッファタンク46に補充されるインク中の溶存気体が除去される。これと共に、脱気モジュール150によりインクを循環される循環経路の一部を構成する供給側主管48を流れるインク中の溶存気体が除去される。
その際、脱気モジュール160は、インク中の溶存気体を除去できる単位時間当たりのインク量、すなわち処理流量y(ml/min)が、最大濃度印刷時にメインタンク100からバッファタンク46に補充するインク補充量x(ml/min)よりも大きく設定されている。これにより、最大濃度印刷時にメインタンク100からバッファタンク46にインクを補充しても、脱気モジュール160によりインク中の溶存気体を除去することができる。このため、非脱気インクがバッファタンク46に補充されることが抑制され、高濃度印刷時にもインクジェットヘッド10Y〜10Kへの必要なインク供給量を保持することができると共に、脱気効率の向上により印刷画像でのスジの発生を抑制することができる。
一方、図7に示されるように、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中以外のインクを循環させる動作時(図3及び図4参照)には、インク供給制御装置110の脱気制御部180(図2参照)により循環側バルブ154が開放されると共に、補充側バルブ164が閉止され、真空ポンプ156が駆動される。これにより、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中以外(インク循環中)は、脱気モジュール150のみが駆動され、脱気モジュール150によりインクを循環される循環経路の一部を構成する供給側主管48を流れるインク中の溶存気体が除去される。このため、バッファタンク46とインクジェットヘッド10Y〜10Kとの間でインクを循環させる過程で、脱気モジュール150によりインク中の溶存気体を除去することができる。
また、本実施形態では、脱気モジュール150と脱気モジュール160に同一の真空ポンプ156が接続されている。このため、同一の真空ポンプ156により脱気モジュール150と脱気モジュール160の両方、又は脱気モジュール150のみを吸引する(脱気する)ことができ、コストを低減することができる。
さらに、本実施形態では、循環側バルブ154と補充側バルブ164を制御することにより、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中は、真空ポンプ156による吸引を脱気モジュール150と脱気モジュール160の両方から行い、インク補充中以外は、真空ポンプ156による吸引を脱気モジュール150のみで行うように切り替えている。このため、メインタンク100からバッファタンク46へのインク補充中以外(インク循環中)は、脱気モジュール150のみに集中して脱気させることができ、脱気効率を向上させることができる。
<その他>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、脱気モジュール150と脱気モジュール160に同一の真空ポンプ156が接続されているが、これに限定されず、脱気モジュール150と脱気モジュール160に個別に脱気用ポンプを接続してもよい。
また、上記実施形態では、インクの循環は、図3に示す第1のインク循環モードによる場合と、図4に示す第2のインク循環モードの3通りの循環経路による場合があるが、これに限定されるものではない。例えば、インクの循環経路は変更可能であり、インクを循環される循環経路の一部を構成する供給流路に脱気モジュール150を設ける構成としてもよい。
また、バッファタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させない画像形成装置において、バッファタンクからインクジェットヘッドにインクを供給する供給流路に脱気モジュール150を設ける構成としてもよい。
10Y〜10K インクジュットヘッド(液滴吐出ヘッド)
46 バッファタンク
48 供給側主管(供給流路)
100 メインタンク
102 補充管(補充流路)
150 脱気モジュール(第1脱気モジュール)
152 通気管
154 循環側バルブ
156 真空ポンプ(脱気用ポンプ)
160 脱気モジュール(第2脱気モジュール)
162 通気管
164 補充側バルブ
300 インク移送装置(液体移送装置)
1010 インクジェット記録装置(画像形成装置)

Claims (3)

  1. 内部に液体が貯留されるメインタンクと、
    前記メインタンク内の液体が補充流路を通じて補充されるバッファタンクと、
    前記バッファタンク内の液体が供給流路を通じて供給されると共に、搬送部を搬送される記録媒体に前記液体による液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記供給流路の途中に設けられ、前記液体中に含まれる気体を除去する第1脱気モジュールと、
    前記補充流路の途中に設けられ、前記液滴吐出ヘッドによる最大濃度印刷時に前記メインタンクから前記バッファタンクに補充する前記液体の単位時間当たりの液体補充量より大きい単位時間当たりの液体量の前記液体中に含まれる気体を除去できる第2脱気モジュールと、
    を有し、
    前記第1脱気モジュールと前記第2脱気モジュールに同一の脱気用ポンプが接続されており、
    前記メインタンクから前記バッファタンクへの液体補充中は、前記脱気用ポンプによる吸引を前記第1脱気モジュールによる前記供給流路と前記第2脱気モジュールによる前記補充流路の両方から行い、前記液体補充中以外は、前記脱気用ポンプによる吸引を前記第1脱気モジュールによる前記供給流路のみで行うように切り替える液体移送装置。
  2. 前記供給流路は、前記バッファタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間で前記液体を循環させる循環経路の一部として構成されている請求項1に記載の液体移送装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体移送装置を備え、
    前記液滴吐出ヘッドが、前記液体としてのインクを前記記録媒体に吐出するインクジェットヘッドで構成されている画像形成装置。
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