<写真シール作成装置の外観構成>
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済みの画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、利用者の携帯端末上で画像を閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信したりすることで、利用者に画像を提供する。
写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高校生や女子大学生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業を行うことによって、撮影によって得られた撮影画像に対して、背景画像、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(図2)により構成される。
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(図2)から構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル52Bは、背面パネル51の左端に取り付けられる。
側面パネル42Aと側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
側面パネル42Bと側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Bと側面パネル52Bの下部は、床面に設けられた金属製の部材である連結部(図示せず)によって連結される。
側面パネル42A、連結部31A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も、撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成される。その開口の一部を覆うように天井照明ユニット32が設けられる。天井照明ユニット32の一端は連結部31Aに固定され、他端は連結部31Bに固定される。
天井照明ユニット32の内部には蛍光灯とストロボ発光管とが設けられる。天井照明ユニット32は、撮影空間の照明として機能するとともに、撮影を行っている利用者に対してストロボ光を照射する。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、床面に対して垂直な面である面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71A(図6)が設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71Bが設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテン取付部75を支持する支持部74が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテン取付部75が設けられる。カーテン取付部75は、5本の棒状部材75A乃至75Cが組み合わされて構成される。3本の棒状部材75A乃至75Cは、上から見たときの形状がコの字型となるように組み合わされる。平行に設けられる棒状部材75Aと棒状部材75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、棒状部材75Aと棒状部材75Bの他端は、棒状部材75Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテン取付部75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
後述するように、編集ユニット12の右側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図2は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
まず、利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了するのを待つ。
印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各部の構成について説明する。
<撮影部の構成>
図3は、撮影部21の構成例を示す斜視図であり、図4は、撮影部21の構成例を示す正面図である。
撮影部21の外枠は、複数のキャスターが取り付けられたベース部43に、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが立設して構成される。
正面パネル41の略中央には、略箱形状の撮影・表示ユニット101が設けられる。撮影・表示ユニット101の正面側には、上から順に、前下がりの斜面101A、垂直に対して僅かに前傾した斜面101B、および、斜面101Aより急な斜面101Cが形成される。
斜面101Bの略中央には円形の開口部が形成され、開口部には、撮影空間A1にいる利用者を撮影するカメラ111のレンズが設けられる。撮影・表示ユニット101の内部には、例えば一眼レフカメラであるカメラ111が取り付けられている。
斜面101Cにはタッチパネルモニタ112が設けられる。タッチパネルモニタ112は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。
タッチパネルモニタ112は、カメラ111により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示して利用者の操作を受け付ける機能とを備える。タッチパネルモニタ112には、カメラ111により取り込まれたライブビュー画像や撮影画像が表示される。撮影画像は、所定のタイミングでカメラ111により取り込まれた静止画像である。
後述するように、利用者は、顔を中心として自身の略胸から上の範囲が大きく写る画像であるアップ画像、自身の全身が写る画像である全身画像、および自身の膝から上の範囲が写る膝上画像を撮影することができる。
また、斜面101Cにおけるタッチパネルモニタ112の上方には、距離画像センサ113が設けられる。
距離画像センサ113は、撮影空間A1の距離画像を生成する。具体的には、距離画像センサ113は、TOF(Time of Flight)方式により、照射光と反射光との位相差を用いて、撮影空間A1内の対象物までの距離を示す距離値を、距離画像の各画素の画素値として算出する。なお、距離画像センサ113は、TOF方式に限らず、ストラクチャ光照明方式やInfraredDepth方式、ステレオカメラ方式などの公知の方式より、距離画像を生成するようにしてもよい。
距離画像センサ113は、カメラ111と同一鉛直線上であって、カメラ111の近傍となる位置、具体的には、カメラ111の鉛直方向真下に設けられ、その撮影範囲は、カメラ111と略同一かそれ以上とされる。このような配置により、カメラ111の光学系の妨げになることなく、被写体とカメラ111との距離を正確に表す距離画像が生成されるようになる。また、距離画像の画素数は、カメラ111に取り込まれるライブビュー画像や撮影画像の原画像と略同一の画素数とされる。なお、距離画像の画素数は、カメラ111に取り込まれた原画像がトリミングされたライブビュー画像や撮影画像と略同一の画素数であってもよい。
正面パネル41には、撮影・表示ユニット101を挟んで対称に発光部102Lと発光部102Rが形成される。発光部102Lと発光部102Rは、例えば正面パネル41に形成された細幅の溝に、透光性を有するカバーが嵌め込まれることによって構成される。正面パネル41に形成された細幅の溝にはLED(Light Emitting Diode)などの発光体が設けられる。
図4に示すように、撮影・表示ユニット101の左側の発光部102Lは、細幅の直線状部102L−1乃至102L−3から構成される。直線状部102L−2は、その長さを撮影・表示ユニット101の縦方向の長さと略同じ長さにするように垂直方向に形成される。直線状部102L−1は、直線状部102L−2の上端から右斜め上方に向けて形成され、直線状部102L−3は、直線状部102L−1の下端から右斜め下方に向けて形成される。
一方、撮影・表示ユニット101の右側の発光部102Rは、細幅の直線状部102R−1乃至102R−3から構成される。直線状部102R−2は、その長さを撮影・表示ユニット101の縦方向の長さと略同じ長さにするように垂直方向に形成される。直線状部102R−1は、直線状部102R−2の上端から左斜め上方に向けて形成され、直線状部102R−3は、直線状部102R−2の下端から左斜め下方に向けて形成される。
図4に示されるように、発光部102Lと発光部102Rを合わせた形状は略六角形になる。発光部102Lと発光部102Rが発光することにより、撮影空間A1をシャープな印象に演出することができる。
撮影・表示ユニット101の上方には、曲面のカバーを利用者に向けた上ストロボユニット103が設置される。上ストロボユニット103は、所定の取り付け部材を用いて、正面パネル41などに固定される。上ストロボユニット103は内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有し、正面上方から、利用者の顔付近にストロボ光を照射する。
撮影・表示ユニット101の下方には、カメラ111による撮影に合わせて利用者の下半身にストロボ光を照射する足元ストロボユニット104が設けられる。足元ストロボユニット104の正面は垂直面を形成する板状部材121により構成され、上面は緩やかな斜面を形成する板状部材122により構成される。板状部材121と板状部材122は、乳白色のアクリル板などの透光性を有する板状部材である。足元ストロボユニット104もまた、内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有する。
足元ストロボユニット104の板状部材121の左右には、垂直面を構成する板状部材123Lと板状部材123Rがそれぞれ設けられる。板状部材123Rには、利用者が硬貨を投入する硬貨投入口が設けられる。
足元ストロボユニット104の板状部材122の左右には、板状部材122と同様の緩やかな斜面を形成する板状部材124Lと板状部材124Rがそれぞれ設けられる。板状部材124Lと板状部材124Rにより形成される斜面は、利用者が手荷物を置くためなどに用いられる。
図示はしないが、正面パネル41の例えば天井付近にはスピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影作業に関する案内音声、BGM(Background Music)、効果音などを出力する。
<カメラの構成例>
ここで、図5を参照して、カメラ111の詳細な構成例について説明する。
カメラ111は、撮像装置であるカメラ本体111Mがケース111Cに搭載されて構成される。カメラ111には、所定の駆動機構により、カメラ本体111Mのレンズの光軸に平行な軸を中心に回転する回転部111Rが設けられている。また、カメラ本体111Mの焦点距離を調整するズームリング111Fの円周面に設けられたギアと、回転部111Rの一端に設けられたギア(図示せず)とは、内側にリブが設けられたタイミングベルト111Bにより連結されている。
すなわち、回転部111Rが回転することにより、タイミングベルト111Bを介してズームリング111Fが回転し、カメラ本体111Mのレンズの焦点距離が調整されるようになされている。これにより、後述するように、距離画像における利用者の距離値に応じて、焦点距離を調整することができる。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方中央には背面上ストロボ131が設けられる。また、背面パネル51の上方右側(図中、左側)には背面右ストロボ132が設けられ、背面パネル51の上方左側(図中、右側)には背面左ストロボ133が設けられる。
背面上ストロボ131は、後方上側から利用者にストロボ光を照射する。背面右ストロボ132は、後方右側から利用者にストロボ光を照射する。背面左ストロボ133は、後方左側から利用者にストロボ光を照射する。
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面の色は白色とされる。また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側の面の色も白色とされる。
また、背面パネル51の撮影空間A1側には、図示せぬカーテンユニットにより、クロマキ用のカーテンが、必要に応じて下ろされる。これにより、撮影画像に対してクロマキ処理を施し、利用者が所望する背景画像を、撮影画像の背景部分に合成することができる。なお、クロマキ用のカーテンの色は、緑色であるものとするが、クロマキ処理を行うことができる色であればよく、青色などの他の色であってもよい。
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141の左右にはタッチペン142Aとタッチペン142Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ141は、タッチペン142A,142Bを用いた操作入力を受け付ける。タブレット内蔵モニタ141には、編集作業に用いられる編集画面などが表示される。例えば、タッチペン142Aはタブレット内蔵モニタ141に向かって左側に立つ利用者により用いられ、タッチペン142Bはタブレット内蔵モニタ141に向かって右側に立つ利用者により用いられる。以下、適宜、タッチペン142Aとタッチペン142Bを区別する必要がない場合、タッチペン142という。
図8は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の右側面の下部にはシール紙排出口151が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられる。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が編集を行った画像、または、編集空間A2−2の利用者が編集を行った画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口151から排出される。
<シール紙の例>
図9は、以上のような外観構成を有する写真シール作成装置1により作成されるシール紙の例を示す図である。
図9に示す横長のシール紙には、5枚の編集画像である編集画像161−1乃至161−5が横に並んで印刷されている。
編集画像161−1乃至161−5のうち、編集画像161−1乃至161−3は、アップ画像に対して編集が施されることによって生成された画像であり、編集画像161−4は、全身画像に対して編集が施されることによって生成された画像である。また、編集画像161−5は、膝上画像に対して編集が施されることによって生成された画像である。
アップ画像と、全身画像および膝上画像とは縦横比が異なる。例えば、アップ画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は1:1.2であり、全身画像および膝上画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は3:4である。図9の例においては、アップ画像、全身画像、および膝上画像が、横方向の長さを同じ長さとして印刷されている。なお、実際には、利用者の背景には、所定の色や柄の画像である背景画像が、前景には、手書きの文字やスタンプ画像などが、それぞれ合成用画像として合成される。
シール紙の縁の余白には、機種名(LOVERY)と撮影日の他に、メールアドレス、IDなどが印刷される。余白領域に印刷されたメールアドレスとIDは、写真シール作成装置1からサーバに送信された画像を携帯電話機などの携帯端末で閲覧するときに利用される。
図10は、編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
左端の編集画像P1が編集によって生成される画像である。編集画像P1は、背景画像P11、撮影画像P12、前景画像P13の各レイヤの画像から構成される。
図10の例において、背景画像P11は、レンガを重ねた壁面の柄の画像である。前景画像P13は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、撮影画像P12の中央下方の位置にペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、撮影画像P12の左上の位置にスタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
このように、編集画像P1は、クロマキ処理によって抽出した撮影画像P12の被写体の領域を背景画像P11に重ね、その上に前景画像P13を重ねることによって生成される。ペン画像やスタンプ画像を背景画像P11上に入力し、被写体の背景に表示させるようにすることも可能とされる。
<写真シール作成装置の内部構成>
図11は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208の各構成、編集部209A,209Bの各構成、およびプリンタ241も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者により選択された撮影画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部208は、硬貨処理部221、照明装置222、カメラ111、タッチパネルモニタ112、およびスピーカ223から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入口への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
照明装置222は、上ストロボユニット103、足元ストロボユニット104などの、撮影空間A1内に設けられる各照明装置である。照明装置222のそれぞれは、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ111は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像のデータを制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ141、タッチペン142A,142B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集部209Aと同一の構成を有し、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。
タブレット内蔵モニタ141は、制御部201による制御に従って各種の画面を表示し、表示した画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給される。
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のレイアウトで印刷したシール紙をシール紙排出口151に排出する。
<制御部の構成>
図12は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図12に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201は、撮影処理部301、編集処理部302、および印刷処理部303から構成される。
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御して撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209A,209Bの各部を制御して編集処理を行う。印刷処理部303は、プリンタ241を制御して編集画像をシール紙に印刷する。
図13は、撮影処理部301の構成例を示すブロック図である。
撮影処理部301は、表示制御部311、焦点距離調整部312、および撮影制御部313から構成される。
表示制御部311は、タッチパネルモニタ112の表示を制御する。例えば、表示制御部311は、カメラ111に取り込まれたライブビュー画像や、撮影結果としての撮影画像をタッチパネルモニタ112に表示させる。
焦点距離調整部312は、距離画像センサ113によって生成された距離画像に基づいて、カメラ111の焦点距離を調整する。具体的には、焦点距離調整部312は、距離画像における利用者の距離値に応じて、カメラ111の焦点距離を調整する。
撮影制御部313は、カメラ111の撮影を制御することで、撮影画像を生成する。この撮影画像は、撮影のタイミングにカメラ111に取り込まれた原画像(静止画像)が、所定のサイズになるようトリミングされた画像である。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図14のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。図14の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口に投入されたときに開始される。
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影部208を制御して撮影処理を行う。
撮影処理において、撮影処理部301は、人数や撮影コースの選択画面をタッチパネルモニタ112に表示させ、それらの選択を行わせる。例えば、撮影コースに応じて、異なる写りの撮影画像が生成される。
被写体の写りは、撮影画像に施す画像処理の種類などによって変わる。例えば、被写体の写りは、撮影画像における人物領域の彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの少なくともいずれかを調整することで決定される。撮影画像に対しては、彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの各種のパラメータを調整する画像処理が施される。被写体の写りを、撮影空間A1内の各ストロボの発光量や発光タイミングなどを制御することで変えるようにしてもよい。
人数や撮影コースが選択されたとき、撮影処理部301は、カメラ111を制御して動画像の取り込みを開始する。撮影処理部301は、取り込まれた動画像をライブビュー画像としてタッチパネルモニタ112に表示させる。利用者は、ライブビュー画像を見ることで自分たちの写り方を確認することができる。
ライブビュー画像が所定の時間表示された後、撮影前のカウントダウンが開始される。撮影のタイミングになったとき、撮影処理部301は1回目の撮影を行う。その後、撮影処理部301は、所定の回数分の撮影を繰り返し行う。
例えば5回の撮影のうち1回目から3回目までの撮影がアップ画像の撮影であり、4回目と5回目の撮影が全身画像の撮影である場合、撮影処理部301は、それぞれの撮影画像の種類に応じて、カメラ111の画角(レンズの焦点距離)を調整する等の処理を行う。
全身画像として、正面から見た利用者の全身が写る画像と、斜め上から見た利用者の全身が写る画像とが生成されるようにしてもよい。
5回などの所定の回数の撮影が行われた後、撮影処理部301は、撮影を終えた利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間への移動の案内は、タッチパネルモニタ112に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ223から出力させることによって行われる。
図14のステップS2において、編集処理部302は編集処理を行い、編集画像を生成する。編集処理においては、編集画面がタブレット内蔵モニタ141に表示され、撮影画像の編集が行われる。編集画面が表示されるタブレット内蔵モニタ141は、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に設けられているモニタである。
編集画面を用いた撮影画像の編集は、予め設定された制限時間が経過するか、編集画面に表示された終了ボタンが操作されたときに終了される。撮影画像の編集が終了したとき、レイアウトの選択、携帯専用画像の選択などが行われ、その後、印刷待ち空間A3への移動が案内される。
ステップS3において、印刷処理部303は、プリンタ241を制御し、編集処理によって得られた編集画像をシール紙に印刷する。なお、撮影処理により得られた撮影画像に対して編集が施されていない場合、撮影画像がそのままシール紙に印刷される。
ステップS4において、プリンタ241は、編集画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口151に排出し、処理を終了させる。
<撮影処理>
次に、図15のフローチャートを参照して、図14のステップS1において行われる撮影処理について説明する。なお、図15の処理は、例えば5回の撮影それぞれについて実行される。
ステップS11において、表示制御部311は、カメラ111に取り込まれた動画像をライブビュー画像としてタッチパネルモニタ112に表示する。ライブビュー画像が所定の時間表示された後、撮影前のカウントダウンが開始される。
ライブビュー画像が表示されると、ステップS12において、焦点距離調整部312は、距離画像センサ113によって生成された距離画像を取得する。なお、距離画像は、ライブビュー画像が表示される前に取得されるようにしてもよい。
図16は、距離画像の例を示している。
図16左側には、距離画像と同じ撮影範囲の画像350が示されている。画像350においては、撮影空間内で2人の利用者が、それぞれピースサインをした左手を自身の前方に差し出した状態で写っている。この場合、2人の利用者の身体のうち、それぞれの左手が、距離画像センサ113(カメラ111)に最も近い部分となる。
図16右側には、画像350に対応する距離画像360が示されている。距離画像360においては、黒色の濃い領域ほど距離値が小さく、対応する対象物が近距離にあることが示されている。具体的には、距離画像センサ113(カメラ111)に最も近い、2人の利用者それぞれの左手に対応する領域が、最も黒色の濃い(最も距離値が小さい)領域となっている。
図15のフローチャートに戻り、ステップS13において、焦点距離調整部312は、取得した距離画像における利用者の距離値に応じて、カメラ111の焦点距離を調整する。
図17は、被写体とカメラ111との距離と撮影範囲について説明する図である。
図17左側には、被写体となる利用者A,Bとカメラ111との距離が近い状態で得られた原画像371が示されている。図17右側には、被写体となる利用者A,Bとカメラ111との距離が遠い状態で得られた原画像372が示されている。
なお、以下においては、利用者A,Bは、それぞれ同一の身長で、利用者A,Bそれぞれとカメラ111との距離も同一であるものとする。
図17に示されるように、利用者A,Bとカメラ111との距離が近い状態では、原画像371には被写体(利用者A,B)が大きく写る。一方、利用者A,Bとカメラ111との距離が遠い状態では、原画像372には被写体(利用者A,B)が小さく写る。
図18は、カメラ111の焦点距離と撮影範囲について説明する図である。
図18左側には、カメラ111の焦点距離を短くした状態で得られた原画像381が示されている。図18右側には、カメラ111の焦点距離を長くした状態で得られた原画像382が示されている。
図18に示されるように、カメラ111の焦点距離を短くした状態では、画角が広くなるので、原画像381には被写体(利用者A,B)が小さく写る。一方、カメラ111の焦点距離を長くした状態では、画角が狭くなるので、原画像382には被写体(利用者A,B)が大きく写る。
一般的に、写真シール機においては、撮影により得られた原画像をトリミングし、切り出された領域を所定のサイズに拡大することで、撮影画像が生成される。ここで、トリミングにより切り出された領域が原画像に対して小さいほど、その画素数は少なくなり、その結果、撮影画像の画質が低下する。
図17を参照して説明したように、利用者がカメラから遠いほど、原画像において被写体である利用者は小さく写る。したがって、利用者がカメラから遠いほど、切り出される利用者の領域の画素数は少なくなり、撮影画像の画質が低下してしまう。
そこで、ステップS13において、焦点距離調整部312は、距離画像における利用者の距離値が大きいほど、カメラ111の焦点距離を長くするように調整する。すなわち、利用者がカメラから遠いほど、図18を参照して説明したように、被写体(利用者)が大きく写るようになされる。
図19は、撮影空間A1を上から見た平面図であり、カメラ111との距離と、カメラ111の焦点距離との関係を説明する図である。
図19に示されるように、利用者A,Bそれぞれとカメラ111との距離は同一である。
上述したように、図19に示される状態から、利用者A,Bがカメラ111から遠ざかるほど、カメラ111の焦点距離は長くなるように調整される。また、利用者A,Bがカメラ111に近づくほど、カメラ111の焦点距離は短くなるように調整される。
例えば、図19に示される状態でアップ撮影が行われる場合、アップ撮影における利用者の立ち位置は、カメラ111から800mm乃至1000mm離れた範囲が最適とされ、アップ画像の完成度が最も高まるものとする。なお、アップ撮影において、最適な利用者の立ち位置の範囲は、撮影空間A1の大きさやカメラ111の機能など、写真シール作成装置1の機種によって異なる。
ここで、撮影空間A1において、利用者A,Bの立ち位置が前より(カメラ111からの距離が800mm)である場合、カメラ111の焦点距離は24mmに調整される。
また、撮影空間A1において、利用者A,Bの立ち位置が中ほど(カメラ111からの距離が900mm)である場合、カメラ111の焦点距離は25mmに調整される。
さらに、撮影空間A1において、利用者A,Bの立ち位置が後ろより(カメラ111からの距離が1000mm)である場合、カメラ111の焦点距離は26mmに調整される。
また、図19に示される状態で全身撮影が行われる場合、全身撮影における利用者の立ち位置は、カメラ111から1000mm乃至1200mm離れた範囲が最適とされ、全身画像の完成度が最も高まるものとする。なお、全身撮影においても、最適な利用者の立ち位置の範囲は、撮影空間A1の大きさやカメラ111の機能など、写真シール作成装置1の機種によって異なる。
ここで、撮影空間A1において、利用者A,Bの立ち位置が前より(カメラ111からの距離が1000mm)である場合、カメラ111の焦点距離は10mmに調整される。
また、撮影空間A1において、利用者A,Bの立ち位置が中ほど(カメラ111からの距離が1100mm)である場合、カメラ111の焦点距離は11mmに調整される。
さらに、撮影空間A1において、利用者A,Bの立ち位置が後ろより(カメラ111からの距離が1200mm)である場合、カメラ111の焦点距離は12mmに調整される。
このように、利用者A,Bがカメラ111から遠いほど、カメラ111の焦点距離が長く、利用者A,Bがカメラ111に近いほど、カメラ111の焦点距離が短くなるように調整される。
図20は、被写体とカメラ111との距離、カメラ111の焦点距離、および撮影範囲について説明する図である。
図20左側には、被写体となる利用者A,Bとカメラ111との距離が近い状態で得られた原画像411が示されている。図20右側には、被写体となる利用者A,Bとカメラ111との距離が遠い状態で得られた原画像412が示されている。
上述したように、利用者A,Bとカメラ111との距離が近い状態では、カメラ111の焦点距離が短く調整されるので、原画像411に写る被写体(利用者A,B)は、図17の原画像371ほど大きく写らない。また、利用者A,Bとカメラ111との距離が遠い状態では、カメラ111の焦点距離が長く調整されるので、原画像412に写る被写体(利用者A,B)は、図17の原画像372ほど小さく写らない。
このように、原画像に写る利用者の大きさを、利用者の立ち位置によらず、ある程度一定の大きさとすることができる。
さて、図15のフローチャートに戻り、利用者の距離値に応じてカメラ111の焦点距離が調整されると、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、撮影制御部313は、撮影前のカウントダウンが終了し、撮影のタイミングになったか否かを判定する。
ステップS14において、まだ撮影前のカウントダウンが終了せず、撮影のタイミングになっていないと判定された場合、処理はステップS11に戻り、ステップS11乃至S13の処理が繰り返される。
一方、ステップS14において、撮影前のカウントダウンが終了し、撮影のタイミングになったと判定された場合、処理はステップS15に進む。
ステップS15において、撮影制御部313は、焦点距離が調整されたカメラ111を制御し、カメラ111に取り込まれた原画像(静止画像)を、所定のサイズになるようトリミングすることで撮影画像を生成する。
以上の処理によれば、利用者がカメラ111から遠いほど、カメラ111の焦点距離が長くなるよう調整されるので、原画像に写る被写体(利用者)が小さくなりすぎることはない。したがって、利用者がカメラから遠い場合であっても、切り出される利用者の領域が原画像に対して小さくなり、その画素数が少なくなることを避けることができ、結果として、より高画質な画像を提供することが可能となる。
なお、図15のフローチャートにおいては、ライブビュー画像が表示されている間に、リアルタイムにカメラ111の焦点距離が調整されるものとした(ステップS13)。これに限らず、ステップS13の処理をステップS15の直前に行われるようにし、ライブビュー画像が表示された後、撮影のタイミングの直前に、例えば1回のみ、カメラ111の焦点距離が調整されるようにしてもよい。
<利用者それぞれとカメラとの距離が異なる場合>
上述した例では、撮影空間A1において、利用者A,Bそれぞれとカメラ111との距離は同一であるものとした。以下においては、図21に示されるように、利用者Aとカメラ111との距離、利用者Bとカメラ111との距離が異なる場合の例について説明する。
図21においては、利用者Aとカメラ111との距離が、利用者Bとカメラ111との距離より短い、すなわち、利用者Aが、利用者Bより近い位置に立っている。
ここで、以下の例においては、図21に示される状態でアップ撮影が行われ、撮影空間A1において、利用者Aの立ち位置が前より(カメラ111からの距離が800mm)で、利用者Bの立ち位置が後ろより(カメラ111からの距離が1000mm)であるものとする。
(第1の例)
第1の例においては、焦点距離調整部312は、カメラ111の焦点距離を、距離画像における利用者A,Bそれぞれの距離値に対応する焦点距離の平均値とする。
具体的には、利用者Aのカメラ111からの距離は800mmであるので、距離画像における利用者Aの距離値に対応する焦点距離は24mmとなる。また、利用者Bのカメラ111からの距離は1000mmであるので、距離画像における利用者Bの距離値に対応する焦点距離は26mmとなる。
すなわち、この例では、カメラ111の焦点距離は、24mmと26mmの平均値である25mmに調整される。
これにより、利用者それぞれとカメラとの距離が異なる場合であっても、原画像に写る被写体(利用者)が小さくなりすぎたり、大きくなりすぎたりすることを避けることができる。
なお、本例において、焦点距離調整部312が、カメラ111の焦点距離を、距離画像における利用者A,Bそれぞれの距離値の平均値に対応する焦点距離とするようにしてもよい。
(第2の例)
第2の例においては、焦点距離調整部312は、カメラ111の焦点距離を、距離画像における利用者A,Bそれぞれの距離値に対応する焦点距離のうちの最短の値とする。
具体的には、利用者Aのカメラ111からの距離は800mmであるので、距離画像における利用者Aの距離値に対応する焦点距離は24mmとなる。また、利用者Bのカメラ111からの距離は1000mmであるので、距離画像における利用者Bの距離値に対応する焦点距離は26mmとなる。
すなわち、この例では、カメラ111の焦点距離は、24mmと26mmのうちの最短の値である24mmに調整される。
これにより、利用者それぞれとカメラとの距離が異なる場合であっても、カメラに近い位置に立つ被写体(利用者)に合わせた撮影範囲の原画像が得られるので、カメラに近い位置に立つ利用者が見切れたり、トリミングによりカメラに近い位置に立つ利用者の一部が切り取られることを避けることができる。
なお、本例において、焦点距離調整部312が、カメラ111の焦点距離を、距離画像における利用者A,Bそれぞれの距離値のうちの最短の値に対応する焦点距離とするようにしてもよい。
(第3の例)
第3の例においては、焦点距離調整部312は、カメラ111の焦点距離を、距離画像における利用者A,Bそれぞれの距離値に対応する焦点距離に調整する。撮影制御部313は、利用者毎に調整された焦点距離のカメラ111を制御し、カメラ111に取り込まれた原画像(静止画像)を取得する。そして、撮影制御部313は、取得した原画像それぞれから、対応する焦点距離で撮影された利用者それぞれの領域を切り出して合成することで、1枚の撮影画像を生成する。
具体的には、利用者Aのカメラ111からの距離は800mmであるので、距離画像における利用者Aの距離値に対応する焦点距離は24mmとなる。また、利用者Bのカメラ111からの距離は1000mmであるので、距離画像における利用者Bの距離値に対応する焦点距離は26mmとなる。
この例では、それぞれの焦点距離での撮影、すなわち2回の撮影が行われる。
まず、焦点距離が、利用者Aに対応する焦点距離24mmに調整されたカメラ111で撮影が行われることで、図22左上に示されるような原画像421が得られる。
次に、焦点距離が、利用者Bに対応する焦点距離26mmに調整されたカメラ111で撮影が行われることで、図22左下に示されるような原画像422が得られる。
原画像422においては、原画像421と比較して、利用者A,Bそれぞれが大きく写っている。
原画像421においては、対応する焦点距離で撮影された利用者Aの領域F1が切り出される。すなわち、原画像421からは、利用者A,Bのうち、より大きく写る利用者Aの領域F1が切り出される。これにより、図22中央上に示されるようなトリミング画像421fが得られる。
原画像422においては、対応する焦点距離で撮影された利用者Bの領域F2が切り出される。すなわち、原画像422からは、利用者A,Bのうち、より小さく写る利用者Bの領域F2が切り出される。これにより、図22中央下に示されるようなトリミング画像422fが得られる。
そして、トリミング画像421fとトリミング画像422fとが合成されることで、図22右に示される撮影画像423が得られる。
撮影画像423は、利用者A,Bが小さく写る原画像421から切り出された、大きく写る利用者Aと、利用者A,Bが大きく写る原画像422から切り出された、小さく写る利用者Bとが写る画像となる。
これにより、利用者それぞれとカメラとの距離が異なる場合であっても、あたかも、利用者それぞれとカメラとの距離が同一であるような、利用者それぞれがバランス良く写る撮影画像を提供することができる。
また例えば、利用者のいずれかが、極端に撮影範囲の端に立って写った場合であっても、利用者の領域が確実に切り出されるので、最終的に得られる撮影画像は、利用者が端に寄りすぎない、バランスのとれた撮影画像となる。
なお、利用者の中には、あえて、それぞれ異なる立ち位置(カメラとの距離)で撮影に臨む者がいる可能性がある。そこで、本例の機能の有無を、撮影前に利用者に選択させるようにしてもよい。これにより、利用者が所望する画像をより確実に提供することができる。
(第4の例)
第4の例においては、利用者それぞれとカメラとの距離が同一となるよう、利用者の立ち位置を案内する案内画面がタッチパネルモニタ112に表示されたり、利用者の立ち位置を案内する音声がスピーカ223から出力されるようにする。
本例においては、アップ撮影が行われるので、案内される立ち位置は、アップ撮影に最も適した位置(例えば、カメラ111からの距離が900mm)とされる。
そして、焦点距離調整部312は、距離画像において、利用者それぞれの距離値が略同一になったと判定した場合、その距離値に応じてカメラ111の焦点距離を調整し、撮影制御部313は、焦点距離が調整されたカメラ111を制御することで、撮影画像を生成する。
これにより、利用者それぞれとカメラとの距離が異なる場合であっても、利用者それぞれとカメラとの距離を同一にして撮影が行われるので、利用者それぞれがバランス良く写る撮影画像を提供することができる。
<複数台のカメラを用いる場合>
上述した例においては、カメラ111の焦点距離は、アップ撮影が行われる場合で24mm乃至26mmの間で調整され、全身撮影が行われる場合で10mm乃至12mmの間で調整されるものとした。すなわち、カメラ111のレンズの焦点距離は、10mm乃至26mmの間で調整される。
しかしながら、例えば、アップ撮影において、利用者とカメラ111との距離が1000mmを超える場合、上述した例と同様の撮影画像(アップ画像)を得るためには、カメラ111の焦点距離を26mmより大きい値に調整する必要がある。同様に、全身撮影においても、利用者とカメラ111との距離が1200mmを超える場合、上述した例と同様の撮影画像(全身画像)を得るためには、カメラ111の焦点距離を12mmより大きい値に調整する必要がある。
そこで、写真シール作成装置1において、カメラ111に加え、カメラ111のレンズより長い焦点距離(例えば18mm乃至55mm)のレンズを備える望遠カメラを設けるようにする。この望遠カメラは、カメラ111の近傍に設けられるようにする。
例えば、アップ撮影において、利用者とカメラ111との距離が1000mmを超えない場合、距離画像に基づいてカメラ111の焦点距離が調整され、カメラ111による撮影が行われるようにする。一方、利用者とカメラ111との距離が1000mmを超える場合には、距離画像に基づいて望遠カメラの焦点距離が調整され、望遠カメラによる撮影が行われるようにする。
また、全身撮影において、利用者とカメラ111との距離が1200mmを超えない場合、距離画像に基づいてカメラ111の焦点距離が調整され、カメラ111による撮影が行われるようにする。一方、利用者とカメラ111との距離が1200mmを超える場合には、距離画像に基づいて望遠カメラの焦点距離が調整され、望遠カメラによる撮影が行われるようにする。
以上のような構成により、より広い範囲の利用者の立ち位置に対応して、高画質な画像を提供することが可能となる。
<距離画像センサについて>
上述した例では、距離画像センサ113は、カメラ111の鉛直方向真下に設けられ、その撮影範囲は、カメラ111と略同一かそれ以上であるものとした。なお、距離画像センサ113の撮影範囲がカメラ111の撮影範囲と略同一かそれ以上となる箇所であれば、距離画像センサ113を、カメラ111の鉛直方向真下以外の箇所に配置することは可能である。
しかしながら、距離画像センサ113の撮影範囲が、カメラ111の撮影範囲より狭い場合、被写体とカメラ111との距離を正確に表す距離画像が生成されないおそれがある。
このような場合、図23に示されるように、2つの距離画像センサ113−1,113−2が設けられるようにする。撮影・表示ユニット101において、距離画像センサ113−1,113−2は、タッチパネルモニタ112の上方で、カメラ111のレンズ中心を通る鉛直線を軸として左右対称となる位置に設けられる。
このような構成により、距離画像センサ113−1,113−2の撮影範囲を、カメラ111の撮影範囲より広くすることができ、被写体とカメラ111との距離を正確に表す距離画像を生成することができる。
距離画像センサ113の撮影範囲が、カメラ111の撮影範囲より狭い場合、被写体からみてカメラ111より奥(後方)に、距離画像センサ113が設けられるようにしてもよい。
しかしながら、この場合、距離画像センサ113の撮影範囲内にカメラ111が入り込まないようにする必要がある。
そこで、図24に示されるように、例えば全身撮影において最適な立ち位置に立つ利用者Uの距離画像を生成可能な距離画像センサの配置を示す破線の円C1のうち、撮影ユニット21においてカメラ111のレンズより後方となる位置に、距離画像センサ113が配置されるようにする。この場合、距離画像センサ113は、カメラ111とは離れた位置に設けられるようになるが、座標変換を行うことにより、それぞれの配置に違いによる距離画像と撮影画像との差を無くすことができる。
以上においては、撮影範囲の狭い距離画像センサを複数設ける構成について説明したが、距離検出範囲の狭い距離画像センサを複数設けるようにしてもよい。
例えば、距離検出範囲が1000mm以下の第1の距離画像センサと、距離検出範囲が1000mm以上の第2の距離画像センサとが設けられるようにする。
上述したように、アップ撮影における利用者の立ち位置は、カメラ111から800mm乃至1000mm離れた範囲が最適とされ、全身撮影における利用者の立ち位置は、カメラ111から1000mm乃至1200mm離れた範囲が最適とされる。
そこで、アップ撮影が行われる場合には、第1の距離画像センサにより距離画像が生成されるようにし、全身撮影が行われる場合には、第2の距離画像センサにより距離画像が生成されるようにする。これにより、距離検出精度の向上とともに、距離検出時間の短縮を図ることができる。
また、上述した第1の距離画像センサおよび第2の距離画像センサに代えて、距離検出範囲を切り替え可能な1つの距離画像センサを設けるようにしてもよい。
例えば、距離検出範囲が1000mm以下の第1のモードと、距離検出範囲が1000mm以上の第2のモードの、2つの距離検出モードを有する距離画像センサを設けるようにする。
そして、アップ撮影が行われる場合には、第1のモードで距離画像が生成されるようにし、全身撮影が行われる場合には、第2のモードで距離画像が生成されるようにする。このような構成においても、距離検出精度の向上とともに、距離検出時間の短縮を図ることができる。
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図11に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。