JP2017137627A - 鋼桁とプレキャスト床版との合成構造、プレキャスト床版、床版取替方法 - Google Patents

鋼桁とプレキャスト床版との合成構造、プレキャスト床版、床版取替方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて簡易で、かつ労力の負担を軽減することが可能な床版取替方法を提供する。
【解決手段】取り替え対象の床版及びスタッドを鋼桁2の上フランジ22から取り外し、床版撤去後の上フランジ22に挿通孔51を形成させ、更に頭付きスタッド4の頭部が予め埋め込まれてなると共に、頭付きスタッド4の根本部に形成されたネジ41が底面から突出されたプレキャスト床版3を上フランジ22に架設し、予め形成させた挿通孔51にネジ41を上から挿通させると共に、当該上フランジ22の底面から下向きに突出させたネジ41をナット42により螺着する。
【選択図】図3

Description

本発明は、鋼桁とプレキャスト床版との合成構造、及びこれに適用されるプレキャスト床版、さらに鋼桁に架設されている床版をプレキャスト床版に取り替える床版取替方法に関するものである。
鋼桁とコンクリート床版との合成構造では、鋼桁の上フランジとコンクリート床版の底面との間に生じる水平せん断力が卓越するため、これに対抗するためのずれ止め部材が必要となる。従来より、このようなずれ止め部材としては、頭付きスタッド(スタッドジベル)が一般的に用いられている。
図15は、このような頭付きスタッド72を鋼桁7の上フランジ71の上面に突設させ、これにコンクリート製床版8を接合する合成構造の例を示している。
鋼桁7は、H形鋼からなり、上フランジ71の上面に頭付きスタッド72が溶接により接合されている。コンクリート製床版8は、床版を上下方向に貫通する箱抜き孔81が形成されており、この箱抜き孔81に頭付きスタッド72が1本以上に亘り配置された状態でモルタルなどの充填硬化材82が充填される。
ところで、上述の如きコンクリート製床版8は長年の使用により老朽化してくるため、適宜新しいプレキャスト床版に取り替える必要が出てくる。特にコンクリート製床版8がRC床版である場合には、鋼桁とコンクリート製床版8とを連結するためのスタッド72の本数が非常に多い。このようなRC床版を新たにプレキャスト床版に取り替える場合には、このスタッド72の本数が多い分において、新たに製造するプレキャスト床版においてもこれら頭付きスタッド72に応じて多数の箱抜き孔81を形成させる必要が出てくる。そして、この箱抜き孔が多くなると、鋼材のかぶり厚が十分に確保できない等の問題が生じる。
このため、特許文献1には、図16に示すように、鋼桁7の上フランジ71の上面に長さの長い長尺スタッド75と、長さの短い短尺スタッド76の2種類を設け、長尺スタッド75は、上述した図15と同様に、箱抜き孔81に収容すると共に、短尺スタッド76はプレキャスト床版としてのコンクリート製床版8の底面に形成された凹部83内に配置させる技術が開示されている。当該特許文献1の開示技術によれば、スタッドの数が多くなる場合においても、これらを長尺スタッド75と短尺スタッド76にほぼ一対一の割合で割り当てることが可能となる。その結果、長尺スタッド75の本数を減らすことが可能となり、これを収容するための箱抜き孔81の数を減らすことが可能となる。
しかしながら、この特許文献1の開示技術によれば、コンクリート製床版8の取替時において、鋼桁7の上フランジ71の上面に長尺スタッド75と短尺スタッド76とを新たに配置する作業が発生することとなり、また、長尺スタッド75を箱抜き孔81に収容させた後に充填硬化材82を充填する作業も発生する。このため、コンクリート製床版8の取替の施工工程が複雑化し、労力の負担も大きくなってしまうという問題点があった。
特開2015−229818号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ずれ止め部材として頭付きスタッドが設けられた鋼桁に架設される床版を取り替える際に、極めて簡易で、かつ労力の負担を軽減することが可能な床版取替方法、並びにその取替えられた鋼桁とプレキャスト床版との合成構造、及びこれに適用されるプレキャスト床版を提供することにある。
本発明者らは上述した課題を解決するために、取り替え対象の床版及びスタッドを鋼桁の上フランジから取り外し、床版撤去後の上フランジに挿通孔を形成させ、更に頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、頭付きスタッドの根本部に形成されたネジが底面から突出されたプレキャスト床版を上フランジに架設し、予め形成させた挿通孔にネジを上から挿通させると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出させたネジをナットにより螺着する床版取替方法、並びにその取替えられた鋼桁とプレキャスト床版との合成構造、及びこれに適用されるプレキャスト床版を発明した。
第1発明に係る鋼桁とプレキャスト床版との合成構造は、鋼桁と、上記鋼桁の上フランジに架設されるプレキャスト床版とを備え、上記プレキャスト床版は、頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、上記頭付きスタッドの根本部に形成されたネジが底面から突出され、上記鋼桁は、上記上フランジに形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させてなると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出された上記ネジをナットにより螺着させてなることを特徴とする。
第2発明に係る鋼桁とプレキャスト床版との合成構造は、第1発明において、上記鋼桁の上フランジの底面に上記ネジを挿通させるための貫通孔が形成された添接板を添接させ、当該添接板の底面から下向きに突出された上記ネジをナットにより螺着させてなることを特徴とする。
第3発明に係る鋼桁とプレキャスト床版との合成構造は、第1又は第2発明において、上記プレキャスト床版は、上記頭付きスタッドが挿通されて下面から上記ネジが突出された埋設プレートがその底面において設けられ、少なくともその頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなり、上記鋼桁は、その上フランジに上記埋設プレートが当接されることを特徴とする。
第4発明に係る鋼桁とプレキャスト床版との合成構造は、鋼桁と、上記鋼桁の上フランジに架設されるプレキャスト床版とを備え、上記プレキャスト床版は、頭付きスタッドを上面に立設させてなると共に下面に取り付けられたネジを突出させて構成した埋設プレートがその底面において設けられ、少なくともその頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなり、上記鋼桁は、その上フランジに上記埋設プレートが当接され、上記上フランジに形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させてなると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出された上記ネジをナットにより螺着させてなることを特徴とする。
第5発明に係る鋼桁とプレキャスト床版との合成構造は、第4発明において、上記埋設プレートは、上記頭付きスタッドと、上記ネジの平面視での配置を互いに異ならせてなることを特徴とする。
第6発明に係るプレキャスト床版は、頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、ネジが底面から突出され、請求項1〜5のうち何れか1項に記載の鋼桁とプレキャスト床版との合成構造に使用されることを特徴とする。
第7発明に係る床版取替方法は、鋼桁と、この鋼桁の上フランジに架設される床版とを有し、上記上フランジの上面から突出するスタッドを上記床版に設けられたずれ止め内に配置し、上記ずれ止めを充填硬化材で充填、硬化して一体化してなる合成構造において上記床版を取り替える床版取替方法において、上記床版及び上記スタッドを上記鋼桁の上記上フランジから取り外す撤去工程と、上記撤去工程後の上記上フランジに挿通孔を形成させる挿通孔形成工程と、頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、上記頭付きスタッドの根本部に形成されたネジが底面から突出されたプレキャスト床版を上記上フランジに架設し、上記挿通孔形成工程において形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出させた上記ネジをナットにより螺着するプレキャスト床版取付工程とを有することを特徴とする。
第8発明に係る床版取替方法は、鋼桁と、この鋼桁の上フランジに架設される床版とを有し、上記上フランジの上面から突出するスタッドを上記床版に設けられたずれ止め内に配置し、上記ずれ止めを充填硬化材で充填、硬化して一体化してなる合成構造において上記床版を取り替える床版取替方法において、上記床版及び上記スタッドを上記鋼桁の上記上フランジから取り外す撤去工程と、上記撤去工程後の上記上フランジに挿通孔を形成させる挿通孔形成工程と、底面において頭付きスタッドを上面に立設させてなると共に下面に取り付けられたネジを突出させて構成した埋設プレートが設けられ、少なくともその頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなるプレキャスト床版を上記上フランジに架設し、上記挿通孔形成工程において形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出させた上記ネジをナットにより螺着するプレキャスト床版取付工程とを有することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、頭付きスタッドを予めプレキャスト床版内に埋設していることから、頭付きスタッドに応じて多数の箱抜き孔を形成させる必要も無くなり、鋼材のかぶり厚を十分に確保することが可能となる。また、上述した工程からなる床版の取替方法によれば、鋼桁の上フランジの上面にスタッドを新たに配置する作業を行う必要が無くなり、スタッドを箱抜き孔に収容させた後に充填硬化材を充填する作業も省略することができる。このため、プレキャスト床版に取り替える上での施工工程を簡略化させることができ、施工労力の負担も軽減させることが可能となる。
本発明を適用した鋼桁とプレキャスト床版との合成構造を上側から視認した状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼桁とプレキャスト床版との合成構造を下側から視認した状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼桁とプレキャスト床版との合成構造の正面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を上から視認した状態を示す斜視図である。 本発明を適用したプレキャスト床版の正面図である。 頭付きスタッドの配設箇所につき橋幅方向から視認した詳細な拡大図である。 本発明を適用した床版取替方法の各工程について説明するための図である。 本発明を適用した床版取替方法の各工程について説明するための他の図である。 鋼桁における上フランジの下面に添接板を添接させた例を示す図である。 プレキャスト床版に埋設するための埋設プレートの例を示す図である。 図10に示す形態における床版取替方法について説明するための図である。 埋設プレートを使用する場合において、頭付きスタッドとネジの平面視での配置を互いに異ならせた例を示す図である。 頭付きスタッド及びネジの配設箇所につき橋幅方向から視認した詳細な拡大図である。 鋼桁の上フランジの上面に、埋設プレートを接触させ、上フランジの下面に添接板を添接させる例を示す図である。 従来におけるコンクリート製床版と鋼桁との合成構造を示す図である。 従来技術の問題点について説明するための図である。
以下、本発明を適用した鋼桁とプレキャスト床版との合成構造の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した鋼桁とプレキャスト床版との合成構造1を上側から視認した状態を示す斜視図であり、図2は合成構造1を下側から視認した状態を示す斜視図であり、図3はその正面図を示している。
合成構造1は、鋼桁2と、プレキャスト床版3とを備えている。
鋼桁2は、上フランジ22並びに下フランジ23間にウェブ21を形成させてなる。上フランジ22には、その長手方向Y(図3中紙面奥行方向)に向けて挿通孔51が間隔を開けて断続的に形成されている。隣接する挿通孔51のY方向における間隔は、後述する頭付きスタッドの配設間隔に対応している。この挿通孔51は、上フランジにおける上面22aから下面22bに至るまで貫通されてなる。鋼桁2はH形鋼に限定されるものではなく、I形断面の桁で構成されるものであってもよい。
プレキャスト床版3は、工場等でコンクリートが打設、養生され、所定の長さと幅を有した平面視でほぼ長方形状に成形されたプレキャストコンクリート製の床版である。このプレキャスト床版3は、必要に応じてPC鋼より線が配置されて長手方向Yにプレストレスが導入されていてもよい。
プレキャスト床版3は、長方形状の平板から下方に突出する鉛直断面逆台形状のハンチ部31が形成されている。このハンチ部31は、鋼桁2における上フランジ22上方に連続するように設けられ、プレキャスト床版3に生じる引張力を減少させてひび割れを防止する機能を有している。
図4は、プレキャスト床版3を上から視認した状態を示す斜視図であり、図5はその正面図を示している。プレキャスト床版3におけるちょうどハンチ部31には、頭付きスタッド4の少なくとも頭部が予め埋め込まれてなる。頭付きスタッド4は頭部がより径大となるように構成されてなるとともにその根本部はネジ41が形成されている。この頭付きスタッド4における少なくともネジ41は、プレキャスト床版3の底面から下方に向けて突出されて構成されている。このような頭付きスタッド4は、鋼桁2の上フランジ22とプレキャスト床版3の底面3aとの間に生じる水平せん断力に対抗するためのずれ止め部材としての機能を担うこととなる。
頭付きスタッド4は長手方向Yに向けて間隔を置いて複数個に亘り設けられている。この隣接する頭付きスタッド4におけるY方向における間隔は、鋼桁2の上フランジ22における挿通孔51の間隔に対応したものとなっている。また頭付きスタッド4におけるネジ41の径は、挿通孔51よりも小さくなるように構成されている。
プレキャスト床版3が鋼桁2に取り付けられる際には、プレキャスト床版3におけるハンチ部31の底面3aが鋼桁2における上フランジ22上に載置されることとなる。このとき、隣接する頭付きスタッド4におけるY方向における間隔は、鋼桁2の上フランジ22における挿通孔51の間隔に対応したものとなっているため、挿通孔51に頭付きスタッド4のネジ41がちょうど挿入されることとなる。そして、図2、3に示すように、挿通孔51を貫通したネジ41は、そのまま鉛直下向きに向けて上フランジ22の下面22bから突出された状態とされる。この突出されたネジ41には、ナット42が螺着される。このナット42とネジ41とが互いに強固に螺着されることでこの頭付きスタッド4が鋼桁2とプレキャスト床版3との間で互いに連結された状態となる。
図6は、頭付きスタッド4の配設箇所につき橋幅方向から視認した詳細な拡大図を示している。橋軸方向としての長手方向Yに向けて頭付きスタッド4が間隔を開けて埋設されてなり、紙面奥行き方向に向けてPC鋼より線38が設けられ、更にY方向に向けて鉄筋39が延長されている。上フランジ22の下面22bから突出されている頭付きスタッド4の根本部のネジ41にはナット42が螺着されているのは上述したとおりであるが、これに加えて、このネジ41には上フランジの上面22a側から他のナット47が更に螺着されている。このナット47も同様にプレキャスト床版3内に埋め込まれている。
通常であれば頭付きスタッド4は上フランジ22の上面22aに溶接により固着されるのに対して、本発明は、予め頭付きスタッド4の頭部がプレキャスト床版3内に埋め込まれ、その根本部に形成されたネジ41を上フランジ22に貫通させて螺着させることで固定する。かかる構成においても上述した頭付きスタッド4において期待される水平せん断力に対抗するためのずれ止めとしての機能を奏することとなる。
次に、本発明を適用した床版取替方法について説明をする。本発明を適用した床版取替方法は、図7(a)に示すような既存の鋼桁2とコンクリート製床版91との合成構造のうち、コンクリート製床版91を上述したプレキャスト床版3へと取り替えるものである。
コンクリート製床版91は、RC床版、プレキャスト床版等、コンクリート製の床版であればいかなる構成も含む概念である。先ず図7(a)に示すように既設のコンクリート製床版91を鋼桁2から取り外す作業を行う。このとき、既設のスタッドジベル92も一緒に取り外すようにする。このスタッドジベル92は、上フランジ22の上面22aに溶接等により固着されているが、これも上フランジ22から切断する等して取り外す。その結果、鋼桁2のみが残ることとなる。
次に図7(b)に示すように上フランジ22において挿通孔51を設ける。この挿通孔51の配設位置は、上述したように頭付きスタッド4の配設位置に対応させ、また挿通孔51の径は頭付きスタッド4よりも径大とする。
次に図8(a)に示すように、工場等で製作したプレキャスト床版3を現場まで搬送し、鋼桁2への取付作業を行う。この取付作業は、鋼桁2における上フランジ22の上面22aに対してプレキャスト床版3における底面3aを徐々に近接させるが、このとき、鉛直下向きに突出されたネジ41を、上フランジ22に設けられた挿通孔51に位置合わせする。
次に図8(b)に示すように、鋼桁2における上フランジ22の上面22aに対してプレキャスト床版3における底面3aを載置させるとともに、鉛直下向きに突出されたネジ41を、上フランジ22に設けられた挿通孔51に挿通させる。その結果、上フランジ22の下面22bからネジ41が下向きに突出されることとなる。このネジ41に対してナット42を螺着させることにより、取替作業が完了となる。
上述した工程からなる床版の取替方法によれば、頭付きスタッド4を予めプレキャスト床版3内に埋設していることから、頭付きスタッド4に応じて多数の箱抜き孔を形成させる必要も無くなり、鋼材のかぶり厚を十分に確保することが可能となる。また、上述した工程からなる床版の取替方法によれば、鋼桁2の上フランジ22の上面22aにスタッドを新たに配置する作業を行う必要が無くなり、スタッドを箱抜き孔に収容させた後に充填硬化材を充填する作業も省略することができる。このため、プレキャスト床版3に取り替える上での施工工程を簡略化させることができ、施工労力の負担も軽減させることが可能となる。
次に本発明を適用した鋼桁とプレキャスト床版との合成構造1における他の実施の形態について説明をする。
図9は、鋼桁2における上フランジ22の下面22bに添接板28を添接させた例を示している。この添接板28は、ネジ41を挿通させるための図示しない貫通孔が設けられている。上フランジ22から下向きに突出されるネジ41は、この添接板28に設けられた図示しない貫通孔を貫通して下側に突出される。この突出されたネジ41には、ナット42が螺着される。
このような添接板28が上フランジ22の下面22bに接触されることにより、この添接板28と上フランジ22との間で互いに面内方向に向けてせん断力(摩擦力)が作用する関係を作り出すことができる。その結果、ネジ41の本数を低減させることも可能となる。
図10は、プレキャスト床版3に埋設するための埋設プレート48の例を示している。この埋設プレート48には、頭付きスタッド4が挿通され、下面からのその根本部に形成させているネジ41を突出させた形態としている。この頭付きスタッド4とネジ41は1本の鋼棒から構成されている場合を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、頭付きスタッド4とネジ41が互いに異なる鋼棒で構成されていてもよい。かかる場合には、頭付きスタッド4、ネジ41共に独立して埋設プレート48に溶接等により取り付けられる。
このようにして予め頭付きスタッド4が取り付けられた埋設プレート48を準備し、図11(a)に示すように、これをプレキャスト床版3の底面3aに添接させた状態となるように製作を行う。このとき、埋設プレート48は、プレキャスト床版3内部に埋め込まれるものであってもよいが、基本的には、図11(a)に示すようにプレキャスト床版3から外部へ露出している状態が望ましい。
このような実施の形態においても、頭付きスタッド4は、プレキャスト床版3内部に埋め込まれた状態となり、ネジ41は鉛直下向きに突出された状態となっている。この埋設プレート48が取り付けられたプレキャスト床版3における鋼桁2への取り付け方法は、上述と同様であり、鉛直下向きに突出されたネジ41を、上フランジ22に設けられた挿通孔51に挿通させ、図11(b)に示すように、このネジ41に対してナット42を螺着させることにより、取替作業が完了となる。
ちなみに、埋設プレート48は、上フランジ22の上面22aに接触されることにより、この埋設プレート48と上フランジ22との間で互いに面内方向に向けてせん断力(摩擦力)が作用する関係を作り出すことができる。その結果、ネジ41の本数を低減させることも可能となる。
このような埋設プレート48をプレキャスト床版3内部に埋め込む形態においても、床版取替方法については上述と同様である。
図12は、同じく埋設プレート48を使用する例であるが、頭付きスタッド4と、ネジ41の平面視での配置を互いに異ならせた例である。頭付きスタッド4は、その根本部においてネジ41は設けられてなく、埋設プレート48上に直接立設されている。この頭付きスタッド4は埋設プレート48に対して溶接等により固着されていてもよい。ネジ41は、ボルトにより具現化される。図13は、頭付きスタッド4及びネジ41の配設箇所につき橋幅方向から視認した詳細な拡大図を示している。橋軸方向としての長手方向Yに向けて頭付きスタッド4が間隔を開けて埋設されている。このボルトからなるネジ41を埋設プレート48に配設する際には、埋設プレート48に貫通孔101を設け、これに対してネジ41を上から挿通させつつ落とし込む。ネジ41の上端に設けられるボルト頭部41aが埋設プレート48に係止されることとなる。このネジ41は平面視で頭付きスタッド4とは異なる箇所となるように配置する。このような埋設プレート48を上述と同様にプレキャスト床版3に取り付けることで上述した図11と同様の効果を奏することとなる。但し、この図12の形態によれば、頭付きスタッド4とネジ41との軸を同一軸で構成する必要も無くなることから設計に自由度が生じ、汎用性を高めることも可能となる。
図14は、上フランジ22の上面22aに、埋設プレート48を接触させ、上フランジ22の下面22bに添接板28を添接させる例を示している。即ち、埋設プレート48と添接板28とにより、この上フランジ22を挟み込む構成とされ、上下からナット47、41を介して締め付け固定される。この図14の構成によれば、上フランジ22と埋設プレート48との間、並びに上フランジ22と添接板28との間でそれぞれせん断力が負荷され得る状態となる。その結果、この図14の形態によれば、ジ41の本数をより低減させることも可能となる。
なお、本発明は、上述した合成構造1として具現化される場合に限定されるものではなく、これに適用されるプレキャスト床版3として具現化されるものであってもよいことは勿論である。
1 合成構造
2 鋼桁
3 プレキャスト床版
4 頭付きスタッド
7 鋼桁
8、91 コンクリート製床版
21 ウェブ
22 上フランジ
22a 上面
22b 下面
23 下フランジ
28 添接板
31 ハンチ部
38 PC鋼より線
39 鉄筋
41 ネジ
41a ボルト頭部
42 ナット
47 ナット
48 埋設プレート
51 挿通孔
71 上フランジ
72 スタッド
75 長尺スタッド
76 短尺スタッド
81 孔
82 充填硬化材
83 凹部
92 スタッドジベル
101 貫通孔

Claims (8)

  1. 鋼桁と、上記鋼桁の上フランジに架設されるプレキャスト床版とを備え、
    上記プレキャスト床版は、頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、上記頭付きスタッドの根本部に形成されたネジが底面から突出され、
    上記鋼桁は、上記上フランジに形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させてなると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出された上記ネジをナットにより螺着させてなること
    を特徴とする鋼桁とプレキャスト床版との合成構造。
  2. 上記鋼桁の上フランジの底面に上記ネジを挿通させるための貫通孔が形成された添接板を添接させ、当該添接板の底面から下向きに突出された上記ネジをナットにより螺着させてなること
    を特徴とする請求項1記載の鋼桁とプレキャスト床版との合成構造。
  3. 上記プレキャスト床版は、上記頭付きスタッドが挿通されて下面から上記ネジが突出された埋設プレートがその底面において設けられ、少なくともその頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなり、
    上記鋼桁は、その上フランジに上記埋設プレートが当接されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の鋼桁とプレキャスト床版との合成構造。
  4. 鋼桁と、上記鋼桁の上フランジに架設されるプレキャスト床版とを備え、
    上記プレキャスト床版は、頭付きスタッドを上面に立設させてなると共に下面に取り付けられたネジを突出させて構成した埋設プレートがその底面において設けられ、少なくともその頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなり、
    上記鋼桁は、その上フランジに上記埋設プレートが当接され、上記上フランジに形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させてなると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出された上記ネジをナットにより螺着させてなること
    を特徴とする鋼桁とプレキャスト床版との合成構造。
  5. 上記埋設プレートは、上記頭付きスタッドと、上記ネジの平面視での配置を互いに異ならせてなること
    を特徴とする請求項4記載の鋼桁とプレキャスト床版との合成構造。
  6. 頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、ネジが底面から突出され、
    請求項1〜5のうち何れか1項に記載の鋼桁とプレキャスト床版との合成構造に使用されること
    を特徴とするプレキャスト床版。
  7. 鋼桁と、この鋼桁の上フランジに架設される床版とを有し、上記上フランジの上面から突出するスタッドを上記床版に設けられたずれ止め内に配置し、上記ずれ止めを充填硬化材で充填、硬化して一体化してなる合成構造において上記床版を取り替える床版取替方法において、
    上記床版及び上記スタッドを上記鋼桁の上記上フランジから取り外す撤去工程と、
    上記撤去工程後の上記上フランジに挿通孔を形成させる挿通孔形成工程と、
    頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなると共に、上記頭付きスタッドの根本部に形成されたネジが底面から突出されたプレキャスト床版を上記上フランジに架設し、上記挿通孔形成工程において形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出させた上記ネジをナットにより螺着するプレキャスト床版取付工程とを有すること
    を特徴とする床版取替方法。
  8. 鋼桁と、この鋼桁の上フランジに架設される床版とを有し、上記上フランジの上面から突出するスタッドを上記床版に設けられたずれ止め内に配置し、上記ずれ止めを充填硬化材で充填、硬化して一体化してなる合成構造において上記床版を取り替える床版取替方法において、
    上記床版及び上記スタッドを上記鋼桁の上記上フランジから取り外す撤去工程と、
    上記撤去工程後の上記上フランジに挿通孔を形成させる挿通孔形成工程と、
    底面において頭付きスタッドを上面に立設させてなると共に下面に取り付けられたネジを突出させて構成した埋設プレートが設けられ、少なくともその頭付きスタッドの頭部が予め埋め込まれてなるプレキャスト床版を上記上フランジに架設し、上記挿通孔形成工程において形成された挿通孔に上記ネジを上から挿通させると共に、当該上フランジの底面から下向きに突出させた上記ネジをナットにより螺着するプレキャスト床版取付工程とを有すること
    を特徴とする床版取替方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018071275A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 鹿島建設株式会社 コンクリート床版の撤去方法及びコンクリート床版の新設方法
CN108316141A (zh) * 2017-12-20 2018-07-24 张昆 钢桥面铺装降温层的路面结构体及其铺装方法

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