JP2017137554A - Ni粉末、Ni粉末の製造方法、内部電極ペースト及び電子部品 - Google Patents

Ni粉末、Ni粉末の製造方法、内部電極ペースト及び電子部品 Download PDF

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【課題】内部電極の連続性を高くすることができ、かつ、ショート不良を生じることを防止しうる、金属粉としてのNi粉末を提供すること。【解決手段】平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下の球状のNi粉と、アスペクト比が1.5より大きく、長手方向において1箇所以上の括れ部を備えている連結状のNi粉とを含み、上記球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下であり、その最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とするNi粉末。【選択図】図1

Description

本発明は、Ni粉末、Ni粉末の製造方法、内部電極ペースト及び電子部品に関する。
積層セラミックコンデンサでは、誘電体層と内部電極層とを交互に積層し、焼成処理して得られた積層体の両端面に外部電極を形成している。このような構造とすることにより、小型で大きな容量を得ることができることから、近年のモバイル機器等の需要増加に伴って、種々の用途に広く用いられている。
特許文献1には、内部電極の連続性が高く、薄層化された積層セラミックコンデンサが開示されている。
特開2010−103198号公報
特許文献1では、セラミック粒子を含む内部電極とセラミック粒子を含まない内部電極を交互に塗布することで、内部電極の連続性を高くしている。但し、特許文献1では内部電極を形成するペーストについての詳細な言及はされていない。
本発明者らが検討したところによると、内部電極の連続性を高くするには、内部電極ペーストに含まれる金属粉のアスペクト比が小さいことと粒度分布が狭いことが重要であると考えられる。
内部電極の連続性を高めるためには、アスペクト比が大きな形状の金属粉を使うとその金属粉の排除体積効果により、その金属粉付近で空隙が生じるため、アスペクト比が小さい金属粉が必要である。またアスペクト比が大きい金属粉の最大径が大きい場合は、金属粉が誘電体層の平面方向に垂直に配向した際に誘電体層を突き破って、内部電極同士を短絡させショート不良が生じることがある。一方で細かい粒子と大きな粒子を配合させることで、焼結前の内部電極の連続性を高めることができるが、粒径が異なる粒子の焼結特性の違いから、焼結後の電極連続性が低下するため粒度分布が狭い金属粉が必要である。
上記金属粉を得る方法の一つとして分級処理がある。しかしながら分級処理では、0.6μm〜2μm程度の任意の値の分級点を目途に、分級点よりも大きな金属粉の除去が可能であるが、分級点よりも小さな金属粉の一部も同時に除去されてしまうため、製品実収が大幅に低下するという欠点がある。したがって、分級処理を行う場合は、上述の高額な設備導入も含め、製品のコストアップが避けられない。
さらに、金属粉として平均粒径が0.2μm以下のNi粉末を用いる場合には、分級処理による粗大粒子の除去自体が困難になるため、今後の内部電極の一層の薄層化に対応できない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、内部電極の連続性を高くすることができ、かつ、ショート不良を生じることを防止しうる、金属粉としてのNi粉末を提供すること、並びに、Ni粉末の製造方法、内部電極ペースト及び電子部品を提供することを目的とする。また、本発明のNi粉末の製造方法によれば、分級処理が必要ないため、積層セラミックコンデンサの内部電極ペーストや、それを用いて製造される内部電極に好適なNi粉末を安価に製造することができる。
すなわち、上記目的を達成するための、本発明のNi粉末は、平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下の球状のNi粉と、アスペクト比が1.5より大きく、長手方向において1箇所以上の括れ部を備えている連結状のNi粉とを含み、上記球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下であり、その最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とする。
本発明のNi粉末において、上記球状のNi粉の平均粒径をX(単位はμm)とし、上記連結状のNi粉の含有量をY(単位は重量%)とすると、
上記球状のNi粉の平均粒径が0.3<X≦0.4の場合、Y≦0.3であり、上記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
上記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.3の場合、Y≦0.1であり、上記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
上記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.2の場合、Y≦0.1であり、上記連結状のNi粉の最大径は0.6μmを超えることが好ましい。
本発明のNi粉末において、上記連結状のNi粉を構成するNi粉の括れ部以外の部分の直径の平均値は、0.05μm以上0.4μm以下の範囲であることが好ましい。
本発明のNi粉末は、その表面に硫黄(S)を含有していることが好ましい。晶析工程で得られたNi晶析粉を、硫黄コート剤(Sコート剤)を含有する処理液と接触させると、その表面を硫黄(S)で修飾することができる。上記硫黄コート剤(Sコート剤)には、メルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む各種の水溶性硫黄化合物が適用でき、例えば、硫化水素ナトリウム(NaSH)等の無機硫黄化合物、あるいは、チオリンゴ酸(HOOCCH(SH)CHCOOH)等の有機硫黄化合物が挙げられる。
Ni粉末は、その表面が触媒的に働いて、内部電極ペーストに含まれるエチルセルロース等のバインダ樹脂の熱分解を促進する作用があり、積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ処理にて、低温からバインダ樹脂が分解されて分解ガスが多量に発生しクラックが発生することがある。このバインダ樹脂の熱分解を促進する作用は、Ni粉末の表面に硫黄(S)が存在すると抑制されるため、Ni粉末には硫黄(S)で修飾する表面処理(硫黄コート処理(Sコート処理))を施すことが好ましい。
上記硫黄コート処理したNi粉末における硫黄含有量は1.0重量%以下が好ましく、一方で、硫黄含有量が1.0重量%を超えたとしても、バインダ樹脂の熱分解を抑制する効果の向上は望めず、かえって積層セラミックコンデンサ製造時の焼成において、硫黄を含有するガスが発生しやすくなって、積層セラミックコンデンサ製造装置を腐食させることがあり、好ましいとは言えない。
本発明のNi粉末の製造方法は、水溶性ニッケル塩と、Au、Cu、Pd及びPtからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む金属塩と、錯化剤とを含む第1の溶液を準備する工程と、アルカリ金属水酸化物を含む第2の溶液を準備する工程と、ヒドラジンを含む第3の溶液を準備する工程と、上記第1の溶液、上記第2の溶液、上記第3の溶液を混合し第4の溶液を作製する工程を備え、上記第4の溶液中にNi粉を析出させるNi粉末の製造方法であって、上記第4の溶液を作製する工程は、上記第4の溶液から析出するNiのモル数に応じて、上記第1の溶液に含まれる上記錯化剤のモル数がNi1モルあたり0.26モル以上0.44モル以下となる範囲に上記第1の溶液の混合量を制御し、上記第2の溶液に含まれる上記アルカリ金属水酸化物のモル数がNi1モルあたり2.84モル以上4.26モル以下となる範囲に上記第2の溶液の混合量を制御し、上記第3の溶液に含まれる上記ヒドラジンのモル数がNi1モルあたり1.66モル以上2.50モル以下となる範囲に上記第3の溶液の混合量を制御することを特徴とする。
本発明のNi粉末の製造方法において、上記錯化剤は、少なくとも一つのカルボキシ基を有する有機酸であることが好ましい。
本発明のNi粉末の製造方法の、上記第4の溶液を作製する工程においては、上記第1の溶液、上記第2の溶液及び上記第3の溶液の温度を45℃以上65℃以下とすることが好ましい。また、本発明のNi粉末の製造方法の、上記第4の溶液を作製する工程は、上記第2の溶液及び上記第3の溶液を予め混合しておき、その混合した溶液を上記第1の溶液に滴下混合する手順により行うことが好ましい。また、上記第1の溶液に上記第2の溶液と上記第3の溶液の混合溶液を滴下混合する際の、上記混合溶液を滴下する時間は160秒以下であることが好ましい。
本発明のNi粉末の製造方法では、上記Ni粉を含む水溶液であるNi粉スラリーに硫黄コート剤(Sコート剤)を加え、硫黄(S)で表面処理されたNi粉を得ることが好ましい。また、上記硫黄コート剤(Sコート剤)が、少なくともメルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む水溶性硫黄化合物であることが好ましい。
本発明の内部電極ペーストは、本発明のNi粉末と、有機溶剤とを含むことを特徴とする。
本発明の電子部品は、本発明の内部電極ペーストを用いて内部電極層を形成してなる電子部品であって、積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1主面及び第2主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1側面及び第2側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1端面及び第2端面とを有しており、上記第1端面及び第2端面に上記内部電極層が露出している積層体と、上記内部電極層に接続され、上記積層体の端面に設けられた外部電極と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、内部電極の連続性を高くすることができ、かつ、ショート不良を生じることを防止しうる、金属粉としてのNi粉末を提供することができる。
図1は、本発明の電子部品である積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサの積層体の一例を模式的に示す斜視図である。 図3は、図1に示す積層セラミックコンデンサのL方向、T方向を含むLT断面図である。 図4は、図1に示す積層セラミックコンデンサのW方向、T方向を含むWT断面図である。 図5は、本発明のNi粉末の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)の一例である。 図6(a)は、球状のNi粉の一例を示す模式図であり、図6(b)は連結状のNi粉の一例を示す模式図である。 図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、本発明のNi粉末の製造フローの一例である。
以下、図面を参照して、本発明のNi粉末、Ni粉末の製造方法、内部電極ペースト及び電子部品について説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明のNi粉末を含む内部電極ペーストを用いて製造することのできる本発明の電子部品としては、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、圧電部品、サーミスタ等が挙げられる。以下、本発明の電子部品の例として、積層セラミックコンデンサについて説明する。
積層セラミックコンデンサは、積層体と、積層体の端面に設けられた外部電極とを備える。図1は、本発明の電子部品である積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。積層セラミックコンデンサ1は、積層体10の端面に外部電極100を設けてなる。積層体10において、長さ方向、幅方向、積層方向をそれぞれ両矢印L、W、Tで定める方向とする。
図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサの積層体の一例を模式的に示す斜視図である。図3は、図1に示す積層セラミックコンデンサのL方向、T方向を含むLT断面図であり、図4は、図1に示す積層セラミックコンデンサのW方向、T方向を含むWT断面図である。
積層体10は、積層された複数の誘電体層20と複数の内部電極層30を含み、積層方向に相対する第1主面11及び第2主面12と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1側面13及び第2側面14と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1端面15及び第2端面16と、を含む。積層体10は角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。角部は、積層体10の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体10の2面が交わる部分である。
図1に示す長さ方向と幅方向と積層方向とは互いに直交する。積層方向は、積層体10を構成する複数の誘電体層20と複数の内部電極層30が積み上げられていく方向である。また、長さ方向は、積層体の両端に外部電極を設けた際に外部電極が向かい合う方向(その方向に複数個の異なる外部電極が存在する方向)である。
積層セラミックコンデンサ1又は積層体10の第1端面15又は第2端面16に交差し、かつ、積層方向に沿う、積層セラミックコンデンサに代表される電子部品又は積層体の断面をLT断面という。図3は積層セラミックコンデンサ1のLT断面図である。また、積層セラミックコンデンサ1又は積層体10の第1側面13又は第2側面14に交差し、かつ、積層方向に沿う、電子部品(積層セラミックコンデンサ)又は積層体の断面をWT断面という。図4は、積層セラミックコンデンサ1のWT断面図である。
図2に示すように第1端面15、第2端面16は、内部電極層30が露出していている面であり、第1端面15及び第2端面16に外部電極100をそれぞれ設けることができる。また、内部電極層30は第1側面13及び第2側面14に露出していてもよい。
図3に示すように積層体10は、積層された複数の誘電体層20と複数の内部電極層30を有し、複数の内部電極層30は、少なくとも積層体10の第1端面15に露出し、第1端面15に設けられた外部電極100と接続する複数の第1内部電極層35と、少なくとも積層体10の第2端面16に露出し、第2端面16に設けられた外部電極100と接続する複数の第2内部電極層36とを備えている。このような構成であると積層セラミックコンデンサとして良好な性能を発揮することができる。
複数の誘電体層20の平均厚みは、例えば、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。各誘電体層の材料としては、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、またはジルコン酸カルシウム(CaZrO)等を主成分とするセラミック材料を含む。また、各誘電体層20は、主成分よりも含有量の少ない副成分として、これらの成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない成分を添加したものを用いてもよい。
また、積層された複数の誘電体層20と複数の内部電極層30の外側に、誘電体層20のみが積層されてなる外層部40が設けられていてもよい。外層部40は、積層体10の両主面側に位置し、主面と最も主面に近い内部電極層30との間に位置する誘電体層である。両外層部40に挟まれた領域を内層部ともいうことができる。外層部40の厚みは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
積層体10に積層される誘電体層の枚数は、20枚以上1500枚以下であることが好ましい。この枚数には外層部40となる誘電体層の枚数も含む。
積層体10の寸法は、長さ方向に沿った長さは80μm以上3200μm以下、幅方向に沿った長さは80μm以上2600μm以下、積層方向に沿った長さは80μm以上2600μm以下であることが好ましい。
複数の内部電極層30は、積層方向に交互に配置された第1内部電極層35及び第2内部電極層36を含む。第1内部電極層35は、誘電体層20を挟んで第2内部電極層36と対向する対向部と、対向部から第1端面15に引き出されて第1端面15に露出する引出部とを有する。第2内部電極層36は、誘電体層20を挟んで第1内部電極層35の対向部と対向する対向部と、対向部から第2端面16に引き出されて第2端面16に露出する引出部とを有する。各内部電極層30は、積層方向から平面視されて、略矩形状である。このように、各対向部では内部電極層が誘電体層を介して対向することにより容量が形成されている。これにより、積層セラミック電子部品はコンデンサとして機能する。
図3に示すように対向部と端面との間に位置し、第1内部電極層及び第2内部電極層のいずれか一方の引き出し部を含む部分を積層体のLギャップとする。積層体のLギャップの長さ方向の長さは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。積層体のLギャップの長さ方向の長さは、図3において両矢印LGapで示す長さである。
また、図4に示すように対向部と側面との間に位置する部分を積層体のWギャップとする。積層体のWギャップの幅方向の長さは、5μm以上100μm以下であることが好ましい。積層体のWギャップの幅方向の長さは、図4において両矢印WGapで示す長さである。
外部電極100は、積層体10の端面(第1端面15、第2端面16)に設けられており、さらに、第1主面11、第2主面12、第1側面13及び第2側面14のそれぞれの一部に延び、それぞれの面の一部を被覆している。そして、外部電極100は、第1端面15で第1内部電極層35と、第2端面16で第2内部電極層36と接続されている。
外部電極100は、図3に示すように、下地層60と、下地層60上に配置されためっき層61を有する。図3に示す下地層60はガラスと金属とを含む焼付け層であり、焼付け層を構成するガラスは、Si及び他の元素(B、Ba、Al)を含むことが好ましい。また、焼付け層を構成する金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。
焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体に塗布して焼き付けたものであり、内部電極層と同時焼成したものでもよく、内部電極を焼成した後に焼き付けられたものであってもよい。焼付け層の厚さ(最も厚い部分の厚さ)は、5μm以上300μm以下であることが好ましい。また、焼付け層は複数層設けられていてもよい。
外部電極を構成する下地層は、焼付け層に限定されるものではなく、樹脂層又は薄膜層であってもよい。下地層が樹脂層である場合、樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。下地層として樹脂層を形成する場合は、焼付け層を形成せずに積層体上に直接樹脂層を形成してもよい。樹脂層の厚さ(最も厚い部分の厚さ)は、5μm以上300μm以下であることが好ましい。また、樹脂層は、複数層であってもよい。
下地層が薄膜層である場合、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された層であって、その厚さが1μm以下の層であることが好ましい。
下地層60の上に配置されるめっき層61としては、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。めっき層は複数層であってもよい。好ましくは、Niめっき層、Snめっき層の2層構造である。Niめっき層は、下地層が電子部品を実装する際のはんだによって侵食されることを防止することができ、Snめっき層は、電子部品を実装する際のはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。めっき層一層あたりの厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
外部電極は、下地層を有していなくてもよく、積層体上に直接設けられ、内部電極層と直接接続されるめっき層からなるものであってもよい。ただし、前処理として積層体上に触媒を設けておき、その上に設けられためっき層であってもよい。
内部電極層と直接接続されるめっき層は、第1めっき層と、第1めっき層上に設けられた第2めっき層とを含むことが好ましい。第1めっき層及び第2めっき層は、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金のめっきを含むことが好ましい。本発明の電子部品は、内部電極層を構成する金属としてNiを用いているので、第1めっき層としては、Niと接合性のよいCuを用いることが好ましい。また、第2めっき層としては、はんだ濡れ性のよいSnやAuを用いることが好ましい。その他、第1めっき層としては、はんだバリア性能を有するNiを用いることが好ましい。
第2めっき層は必要に応じて形成されるものであり、外部電極は、第1めっき層のみから構成されたものであってもよい。また、第2めっき層をめっき層の最外層として設けてもよく、第2めっき層上に他のめっき層を設けてもよい。各めっき層1層あたりの厚みは、1μm以上50μm以下であることが好ましい。また、めっき層にはガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は99体積%以上であることが好ましい。めっき層は、厚み方向に沿って粒成長したものであり、柱状であることが好ましい。
内部電極層30は、第1内部電極層35及び第2内部電極層36を含む層である。内部電極層30は本発明のNi粉末を含む、本発明の内部電極ペーストを用いて形成されてなる、Niを含む層である。本発明のNi粉末及び本発明の内部電極ペーストの詳細な説明は後述する。内部電極層30はNiの他に、他の種類の金属や、誘電体層に含まれるセラミックと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
積層体10に積層される内部電極層30の枚数は、2枚以上1000枚以下であることが好ましい。また、複数の内部電極層30の平均厚みは、0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。
なお、複数の内部電極層30及び複数の誘電体層20の各々の平均厚さは、以下のように測定される。まず、研磨により露出させた積層体の長さ方向に直交する断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察する。次に、積層体の断面の中心を通る積層方向に沿った中心線、及びこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における厚さを測定する。この5つの測定値の平均値とする。より正確な平均厚さを求めるには、積層方向における上部、中央部、下部のそれぞれについて上記5つの測定値を求め、これら測定値の平均値を平均厚さとする。
なお、本発明の電子部品は、基板に内蔵される電子部品として使用でき、また、基板の表面に実装される電子部品としても使用することができる。
以下、本発明のNi粉末、Ni粉末の製造方法、及び、内部電極ペーストについて説明する。
本発明のNi粉末は、平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下の球状のNi粉と、アスペクト比が1.5より大きく、長手方向において1箇所以上の括れ部を備えている連結状のNi粉とを含み、上記球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下であり、その最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とする。図5は、本発明のNi粉末の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)の一例である。すなわち、本発明のNi粉末は、球状のNi粉と、連結状のNi粉の2種類のNi粉を含む粉末である。
図6(a)は、球状のNi粉の一例を示す模式図であり、図6(b)は連結状のNi粉の一例を示す模式図である。
球状のNi粉とは、平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下のNi粉である。球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下となっている。CV値は粒径のバラツキを示す指標であり、(標準偏差/平均値)×100[%]の式に基づいて算出される。
球状のNi粉の平均粒径を0.4μm以下とすることで、薄層化された積層セラミックコンデンサの内部電極に好適に使用することができる。球状のNi粉の平均粒径を0.05μm以上とすることで、乾燥状態のNi粉末の取り扱いが容易となる。
球状のNi粉のCV値が20%を超えると、粒度分布が広いために、薄層化された積層セラミックコンデンサへの適用が困難となる場合が生じる。粒度分布は狭いほど良好であるため、CV値の下限は特に限定されることはない。
球状のNi粉のアスペクト比が1.5を超えると、排除体積効果によりその粒子付近に空隙ができやすく、電極連続性が劣化する。アスペクト比が1に近いほど良好であるため、下限は特に限定されることはない。
粒径及びCV値の測定は、Ni粉末を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、20000倍以上50000倍以下の倍率で観察することにより行う。そして、その観察像を画像解析ソフトを使用して画像解析することによって求めることができる。例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCの統合アプリケーションであるA像くん(登録商標)で取り込み、円度しきい値100(円度しきい値100は、球状のNi粉しか検出されない)で画像解析することによって、球状のNi粉の粒径を求め、その結果から、「平均粒径」及び「CV値」を算出することができる。
球状のNi粉のアスペクト比は、以下のように測定できる。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてNi粉末を観察し、その10000倍の倍率のSEM像から100個の単一粒子のNi粉(連結していないNi粉)を抽出する。それぞれのNi粉のSEM像において最も長い径を長軸とし、長軸方向に対して垂直方向における最大径を短軸として、長軸/短軸比(長軸を短軸で割った値)を求める。次いで、この100個のNi粉の長軸/短軸比の平均値を算出し、その平均値をアスペクト比とする。
連結状のNi粉とは、アスペクト比が1.5より大きく、長手方向において1箇所以上の括れ部を備えているNi粉である。典型的には、球状のNi粉が複数個連結してなるNi粉であり、球状のNi粉同士が連結している部位が球の直径よりも径が小さい部位となって括れ部となる。括れ部の有無は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてNi粉末を観察することにより判定することができる。
連結状のNi粉のアスペクト比は、球状のNi粉のアスペクト比と同様にして、SEM像から10個の連結状のNi粉を抽出し、球状のNi粉の場合と同様の手法で算出することができる。
本発明のNi粉末では、その最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が、0.3重量%以下となっている。また球状のNi粉の平均粒径をX(単位はμm)とし、連結状のNi粉の含有量をY(単位は質量%)とすると、球状のNi粉の平均粒径が0.3<X≦0.4の場合、Y≦0.3であり、連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超えていることが好ましい。同様に球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.3の場合、Y≦0.1であり、連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超えていることが好ましい。また、球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.2の場合、Y≦0.1であり、連結状のNi粉の最大径は0.6μmを超えていることが好ましい。
粒径が小さくなるほど連結状のNi粉量が低減できる製造方法であるため、薄層化された積層セラミックコンデンサの内部電極用に好適に使用することができる。なお下限値については少ないほど良好であるため、特に限定されることはない。
最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量は、アイソポアメンブレンフィルターでろ過することで評価することができる。具体的には、Ni粉末0.1gを水100mLに分散させ、孔径0.8μmのアイソポアメンブレンフィルター上に残ったNi粉が、最大径0.8μmを超える連結状のNi粉であるので、その残ったNi粉をICP(高周波誘導結合プラズマ発光)で定量することにより評価することができる。また、球状のNi粉の平均粒径が0.05μm以上0.2μm以下のNi粉末では、連結状のNi粉の最大径が0.8μm以下となる場合もあるが、任意のアイソポアメンブレンフィルターによって評価が可能である。例えば0.6μmを超える連結状のNi粉を定量することが可能である。
本発明のNi粉末では、最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が0.3重量%以下と少なくなっている。そして、平均粒径が所定の範囲に制御され、その粒径のバラツキ(CV値)が20%以下と小さい球状のNi粉がそのほとんどを占めており、連結状のNi粉の割合が低い範囲に制御されているので、内部電極ペーストを構成する金属粉末として使用した場合に、内部電極の連続性が高くなる。また、球状のNi粉は、扁平状の金属粉とは異なり誘電体層を突き破ってショート不良を生じる原因となることはない。そのため、本発明のNi粉末は、内部電極の連続性を高くすることができ、かつ、ショート不良を生じることを防止しうる、金属粉としてのNi粉末とすることができる。
また、連結状のNi粉を構成するNi粉の括れ部以外の部分の直径の平均値は、0.05μm以上0.4μm以下の範囲であることが好ましい。
本発明のNi粉末は、その表面に硫黄(S)を含有していることが好ましい。後述するように、反応液中に得られたNiを含む沈殿物を洗浄する時に、硫黄コート剤(Sコート剤)を含有する処理液と接触させると、その表面を硫黄(S)で修飾することができる。上記硫黄コート剤(Sコート剤)には、メルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む各種の水溶性硫黄化合物が適用でき、例えば、硫化水素ナトリウム(NaSH)等の無機硫黄化合物、あるいは、チオリンゴ酸(HOOCCH(SH)CHCOOH)等の有機硫黄化合物が挙げられる。
Ni粉末は、その表面が触媒的に働いて、内部電極ペーストに含まれるエチルセルロース等のバインダ樹脂の熱分解を促進する作用があり、積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ処理にて、低温からバインダ樹脂が分解されて分解ガスが多量に発生しクラックが発生することがある。このバインダ樹脂の熱分解を促進する作用は、Ni粉末の表面に硫黄(S)が存在すると抑制されるため、Ni粉末には硫黄(S)で修飾する表面処理(硫黄コート処理(Sコート処理))を施すことが好ましい。
上記硫黄コート処理したNi粉末における硫黄含有量は1.0重量%以下が好ましく、0.03重量%以上0.5重量%以下がより好ましく、0.04重量%以上0.3重量%以下がさらに好ましい。一方で、硫黄含有量が1.0重量%を超えたとしても、バインダ樹脂の熱分解を抑制する効果の向上は望めず、かえって積層セラミックコンデンサ製造時の焼成において、硫黄を含有するガスが発生しやすくなって、積層セラミックコンデンサ製造装置を腐食させることがあり、好ましいとは言えない。
本発明のNi粉末の製造方法は、水溶性ニッケル塩と、Au、Cu、Pd及びPtからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む金属塩と、錯化剤とを含む第1の溶液を準備する工程と、アルカリ金属水酸化物を含む第2の溶液を準備する工程と、ヒドラジンを含む第3の溶液を準備する工程と、上記第1の溶液、上記第2の溶液、上記第3の溶液を混合し第4の溶液を作製する工程を備え、上記第4の溶液中にNi粉を析出させるNi粉末の製造方法であって、上記第4の溶液を作製する工程は、上記第4の溶液から析出するNiのモル数に応じて、上記第1の溶液に含まれる上記錯化剤のモル数がNi1モルあたり0.26モル以上0.44モル以下となる範囲で上記第1の溶液の混合量を制御し、上記第2の溶液に含まれる上記アルカリ金属水酸化物のモル数がNi1モルあたり2.84モル以上4.26モル以下となる範囲に上記第2の溶液の混合量を制御し、上記第3の溶液に含まれる上記ヒドラジンのモル数がNi1モルあたり1.66モル以上2.50モル以下となる範囲に上記第3の溶液の混合量を制御することを特徴とする。
このような条件下でNi粉末を製造することにより、連結状のNi粉の割合を低減させて、その平均粒径、アスペクト比及び粒径のバラツキ(CV値)が好ましい範囲にある球状のNi粉がほとんどを占めるNi粉末を製造することができる。
水溶性ニッケル塩としては、水溶性のニッケル塩であれば特に限定されるものではないが、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル等があげられる。
Au、Cu、Pd及びPtからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む金属塩としては、各金属の硝酸塩、硫酸塩、塩化物等が挙げられる。例えば、硫酸銅、塩化パラジウム、ヘキサクロロ白金酸等が挙げられる。これらの塩の水和物を使用してもよい。
上記金属塩の配合量は、金属塩に由来する金属イオン濃度がNi1モル当たり5wtppm以上30wtppm以下となるようにすることが好ましい。金属イオン濃度をこの範囲にすると連結状のNi粉の割合を小さくすることができ、ショート不良を抑制する効果が高い。
上記金属塩として、パラジウム、ヘキサクロロ白金酸を使用すると球状のNi粉の平均粒径を小さくすることができ、特にヘキサクロロ白金酸の配合量を多くすると球状のNi粉の平均粒径を0.05μmまで小さくすることができる。ヘキサクロロ白金酸の配合量がNi1モル当たり15wtppm以上30wtppm以下になるようにすると球状のNi粉の平均粒径を0.05μmまで小さくすることができるが、それ以上配合しても球状のNi粉の平均粒径はそれ以上小さくならない。
錯化剤としては、少なくとも一つのカルボキシ基を有する有機酸であることが好ましく、例えば、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸等が挙げられる。
錯化剤は水和物の形(例えばクエン酸三ナトリウム二水和物)で添加されてもよい。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。ヒドラジンとしては、抱水ヒドラジンが挙げられる。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、本発明のNi粉末の製造フローの一例である。
本発明のNi粉末の製造方法においては、第4の溶液を作製する際にNi粉が第4の溶液中に析出する。第4の溶液を作製する際には、第2の溶液及び第3の溶液を予め混合しておき、その混合した溶液を第1の溶液に滴下混合する手順により行うことが好ましい。この手順により第4の溶液を作製すると、球状のNi粉のCV値を特に低くすることができる。これは、4電子反応であるN→N↑+4H+4eのような上記ヒドラジンの還元反応から明らかであるように、高アルカリほどヒドラジンの還元力が強くなることに起因している。すなわち、図7(b)に示すように強アルカリである第2の溶液と第3の溶液の混合溶液、つまりアルカリ金属水酸化物とヒドラジンの混合溶液に、核発生剤としての金属塩と水溶性ニッケル塩を含む第1の溶液を滴下混合した場合には、第1の溶液の滴下混合領域が滴下直後から常時強アルカリとなるため、ヒドラジンの強い還元力により滴下する時間の間中、特に滴下混合領域において核発生が継続して起きることとなる。言い換えれば、局所的な核発生が長時間生じるため、空間的にも時間的にも不均一な核発生となる。したがって、CV値増大である粒度分布が広くなり、連結状のNi粉の割合が増加する傾向が見られる。一方、図7(a)および図7(c)の手順だと、滴下開始時点での滴下混合領域は弱酸性から弱アルカリであって、滴下進行に伴い、アルカリが強くなっていくため、核発生は強アルカリになる滴下終盤にだけ起きることとなる。つまり、混合が進んだ第4の溶液中の全体で短時間に核発生が生じるため、この核発生は空間的にも時間的にも均一である。したがって、CV値減少である粒度分布が狭くなり、連結状のNi粉の割合を低下させることができる。
また、第4の溶液を作製する工程においては、第1の溶液、第2の溶液及び第3の溶液の温度を45℃以上65℃以下とすることが好ましい。各溶液の温度をこの範囲とすると、球状のNi粉のCV値を特に低くすることができる。
また、第1の溶液に第2の溶液と第3の溶液の混合溶液を滴下混合する際の、混合溶液を滴下する時間は160秒以下であることが好ましい。混合溶液を滴下する時間が160秒以下であると、球状のNi粉のCV値を特に低くすることができる。
このように第4の溶液を作製するとNi粉が第4の溶液中に析出するが、Niの析出が第2の溶液及び第3の溶液の混合液の第1の溶液への滴下混合後30分以上120分以下の間にされるようにすることが好ましい。このようにして得た析出物を熟成することによりNiを含む沈殿物を得ることができる。
次に、そのNiを含む沈殿物が含まれる反応液を冷却した後、その上澄み液を純水で数回置換することによって、Ni粉末を洗浄することが好ましい。またこの洗浄の際に、硫黄コート剤(Sコート剤)を含有する処理液と接触させることで、Ni粉末の表面に硫黄(S)を修飾することもできる。硫黄コート剤(Sコート剤)としては、メルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む水溶性硫黄化合物の水溶液が好ましく、チオリンゴ酸(HOOCCH(SH)CHCOOH)、L−システイン(HSCHCH(NH)COOH)、チオグリセロール(HSCHCH(OH)CHOH)、ジチオジグリコール酸(HOOCHS−SCHCOOH)等の水溶液が好適である。さらに、アセトンで水を置換し、乾燥した後に、気流式粉砕器で解砕処理をすることでNi粉末を得ることが好ましい。乾燥温度は80℃以上90℃未満とすることが好ましい。上記手順により所望のNi粉末を得ることができる。
本発明の内部電極ペーストは、本発明のNi粉末と、有機溶剤とを含むことを特徴とする。有機溶剤としては、α−テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、アルコール類等を使用することができる。また、有機バインダをさらに含んでいてもよく、有機バインダとしてはエチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂等を使用することができる。本発明の内部電極ペーストは、本発明の電子部品における内部電極層の形成に使用することができ、本発明の内部電極ペーストを使用することによって、内部電極の連続性を高くすることができ、かつ、ショート不良を生じることを防止することができる。内部電極ペーストにおけるNi粉末の割合は40重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
以下に、本発明の電子部品の製造方法の一例として、積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
はじめに、誘電体シート及び内部電極ペーストを準備する。誘電体シートや内部電極ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。なお、内部電極ペーストとしては、本発明の内部電極ペーストを使用することができる。次に、誘電体シート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。次に、内部電極パターンが印刷されていない外層用の誘電体シートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンが印刷された誘電体シートを順次積層し、その上に外層用の誘電体シートを所定枚数積層し、積層シートを作製する。次に、積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスし積層ブロックを作製する。積層ブロックを所定のサイズにカットし、積層チップを切り出す。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みをつけてもよい。次に、積層チップを焼成し積層体を作製する。焼成温度は、誘電体や内部電極の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
次に、積層体の端面に外部電極を形成する。焼付け層を有する外部電極を形成する場合は、積層体の両端面に外部電極用の導電性ペーストを塗布し、焼き付け、外部電極の焼付け層を形成する。焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。次に、必要に応じて焼き付け層の表面にめっきを施してめっき層を形成する。
外部電極として、焼付け層を設けずに、積層体の表面に直接めっき層を形成する場合は、めっき処理を施し、内部電極の露出部上に下地めっき膜を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。
なお、表面導体を形成する場合は、あらかじめ最外層の誘電体シート上に表面導体パターンを印刷して、その他の誘電体シート等と同時焼成してもよく、また、焼成後の積層体の主面上に表面導体を印刷してから焼き付けてもよい。
以下、本発明のNi粉末、内部電極ペーストの例、及び、電子部品の例としての積層セラミックコンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
硫酸ニッケル6水和物100gと、クエン酸三ナトリウムのモル数がNi1モル当たり0.36モルになるようにクエン酸三ナトリウム二水和物40.3gを水270gに溶解し、銅イオン濃度がNi1モル当たり8.2wtppmになるように0.4重量%に希釈した硫酸銅5水和物溶液を0.18g添加して、銅イオンを含有するニッケル塩溶液を準備した。この溶液を第1の溶液とした。
次に、水酸化ナトリウムのモル数が、混合する予定の第1の溶液に含まれるNi1モル当たり3.55モルになるように54gの水酸化ナトリウムを水250gに溶解して、第2の溶液を準備した。次に、ヒドラジンのモル数が、混合する予定の第1の溶液に含まれるNi1モル当たり2.03モルになるように60%抱水ヒドラジン66gを準備した。この溶液を第3の溶液とした。
第1の溶液、第2の溶液及び第3の溶液を55℃に加温し、第2の溶液と第3の溶液を事前に混合した。ついで、その混合された溶液を第1の溶液に滴下時間100秒で投入して第4の溶液を作製し、第4の溶液中にNi粉を析出させた。その後30分熟成してNiを含む沈殿物を得た。次に、反応液を冷却した後、その上澄み液を純水で2回置換してから硫黄コート剤(Sコート剤)としてのチオリンゴ酸(別名称:メルカプトこはく酸)(HOOCCH(SH)CHCOOH、分子量:150.15)水溶液を加え、さらにその上澄み液を純水で数回置換することによって、Ni粉末表面の硫黄(S)処理と洗浄をした。さらに、アセトンで水を置換した後、80℃の温度に設定されたオーブン中でNi粉末を乾燥させ、気流式粉砕器で解砕処理をしてNi粉末を得た。
<平均粒径及びCV値の測定>
得られたNi粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて20000倍の倍率で観察し、SEM像から、旭化成エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCの統合アプリケーションであるA像くん(登録商標)を用いて画像解析して、球状のNi粉の平均粒径と粒径のCV値を上述の方法により算出した。CV値が15%以下を◎、15%を超えて20%以下を○、20%を超えると×と判定した。結果は表1に示した。
<硫黄の含有量測定>
得られたNi粉末について、硫黄含有量を硫黄分析装置(堀場製作所製)を用いて測定した。結果は表1に示した。
<連結状のNi粉の定量>
Ni粉末0.1gを水100mLに分散させ、孔径0.8μmのアイソポアメンブレンフィルター上に残ったNi粉についてNi粉をICP(高周波誘導結合プラズマ発光)で定量することにより、最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量を定量した。
球状のNi粉の平均粒径が0.2μm以下であった実施例については孔径0.6μmのアイソポアメンブレンフィルターについて同様の作業をして最大径が0.6μmを超える連結状のNi粉の含有量を定量した。
結果は表1に示した。
<内部電極ペーストの作製>
次に、このNi粉末を含む内部電極ペーストを作製した。まず、バインダ樹脂としてエチルセルロース樹脂、有機溶剤としてα−テルピネオールを用意し、エチルセルロース樹脂とα−テルピネオールとの混合比率が、体積比率で、1:9となるようにエチルセルロース樹脂をα−テルピネオール中に溶解させ、これにより有機ビヒクルを作製した。次に、Ni粉末の含有量が45重量%となるように、Ni粉末と有機ビヒクルとを混合し、三本ロールミルを使用して分散・混練させ、これによりNi粉末を導電性材料とした内部電極ペーストを作製した。
<電極被覆率の算出>
セラミック原料としてのBaTiOに、ポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤及び有機溶剤としてのエタノールを加え、これらをボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。次いで、このセラミックスラリーをリップ方式によりシート成形し、矩形の誘電体シートを得た。次に、上記誘電体シート上に、Ni粉末を含有する内部電極ペーストをスクリーン印刷し、内部電極層となるべき導電膜を形成した。次に、導電膜が形成された誘電体シートを、導電膜の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層し、積層シートを得た。次に、この生の積層シートを、加圧成形し、ダイシングにより分割してチップを得た。得られたチップをN雰囲気中にて加熱して、バインダを燃焼させた後、H、N及びHOガスを含む還元性雰囲気中において焼成し、焼結した積層体を得た。積層体の構造は、複数の誘電体層と複数の内部電極層を有する構造である。
このように得られた積層体の内部電極層の電極被覆率を算出した。内部電極層の電極被覆率は、試料各5個について、以下の方法で測定した。すなわち、焼結後の各試料を積層方向の中央部で切断し、切断面を光学顕微鏡で観察し、画像解析を行なって内部電極層の理論面積に対する実測面積の面積比率を算出し、その平均値を求め、電極被覆率とした。80%以上を○、それ未満を×と判定した。結果は表1に示した。電極被覆率は内部電極の連続性を示す指標であり、電極被覆率が高いほうが内部電極の連続性が高いといえる。
<ショート不良率の算出>
得られた積層体に外部電極を形成し、絶縁抵抗測定器を用いて電圧2Vを印加して、抵抗値が10Ω乗以下のものをショート不良と判別した。N=1000個で評価して、ショート不良率が1%未満を○、1%以上を×と判定した。結果は表1に示した。
下記実施例、比較例では以下のようにNi粉末を得た。Ni粉末を得る工程の他は実施例1と同様にして各特性の評価を行った。
(実施例2)
実施例1の溶液の滴下手順を逆にして、つまり、第1の溶液を第2の溶液と第3の溶液の混合溶液に滴下した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例3)
実施例1の硫酸銅5水和物溶液の添加量を0.12gとした他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例4)
実施例1の銅イオン濃度がNi1モル当たり15wtppmになるように硫酸銅水溶液を添加した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例5)
実施例1の硫酸銅5水和物溶液に代えて、パラジウムイオン濃度がNi1モル当たり15wtppmになるように塩化パラジウム水溶液を添加した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例6)
実施例1の硫酸銅5水和物溶液に代えて、白金イオン濃度がNi1モル当たり15wtppmになるようにヘキサクロロ白金酸を添加した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例7)
実施例1のクエン酸三ナトリウム二水和物の添加量を、Ni1モル当たり0.44モルになるように49.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例8)
実施例1のクエン酸三ナトリウム二水和物の添加量を、Ni1モル当たり0.26モルになるように28.7gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例9)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり4.26モルになるように64.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例10)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり2.84モルになるように43.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例11)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり2.50モルになるように60%抱水ヒドラジン79.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例12)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり1.66モルになるように60%抱水ヒドラジン52.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例13)
実施例1において第2の溶液と第3の溶液の混合溶液の滴下時間を160秒に変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例14)
実施例1における第1の溶液、第2の溶液及び第3の溶液の加温温度を55℃から65℃に変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例15)
実施例1における第1の溶液、第2の溶液及び第3の溶液の加温温度を55℃から45℃に変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例1)
実施例1のクエン酸三ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり0.48モルになるようにクエン酸三ナトリウム二水和物53.3gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例2)
実施例1のクエン酸三ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり0.22モルになるようにクエン酸三ナトリウム二水和物24.6gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例3)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり4.62モルになるように70.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例4)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり2.49モルになるように37.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例5)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり2.70モルになるように60%抱水ヒドラジン85.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例6)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり1.25モルになるように60%抱水ヒドラジン39.6gに変更した他は実施例1と同様にしたところ、Niの析出が完了せずNiを含む沈殿物を得られなかった。
※滴下手順は、第2の溶液と第3の溶液の混合液を滴下する場合を「順」、第1の溶液を滴下する場合を「逆」とした。
各実施例で得たNi粉末はそのCV値が低く、連結状のNi粉の量が少ないため、電極連続性が高く電極被覆率に優れており、かつ、ショート不良が生じることも防止されていた。また、金属塩の種類として、銅、パラジウム、白金のいずれを使用しても好ましい結果が得られた。
1 積層セラミックコンデンサ(電子部品)
10 積層体
11 第1主面
12 第2主面
13 第1側面
14 第2側面
15 第1端面
16 第2端面
20 誘電体層
30 内部電極層
35 第1内部電極層
36 第2内部電極層
40 外層部
60 下地層
61 めっき層
100 外部電極

Claims (13)

  1. 平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下の球状のNi粉と、アスペクト比が1.5より大きく、長手方向において1箇所以上の括れ部を備えている連結状のNi粉とを含み、
    前記球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下であり、
    その最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とするNi粉末。
  2. 前記球状のNi粉の平均粒径をX(単位はμm)とし、前記連結状のNi粉の含有量をY(単位は重量%)とすると、
    前記球状のNi粉の平均粒径が0.3<X≦0.4の場合、Y≦0.3であり、前記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
    前記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.3の場合、Y≦0.1であり、前記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
    前記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.2の場合、Y≦0.1であり、前記連結状のNi粉の最大径は0.6μmを超える請求項1に記載のNi粉末。
  3. 前記連結状のNi粉を構成するNi粉の括れ部以外の部分の直径の平均値は、0.05μm以上0.4μm以下の範囲である請求項1又は2に記載のNi粉末。
  4. 少なくとも前記Ni粉末の表面に硫黄(S)を含有し、硫黄含有量が1.0重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のNi粉末。
  5. 水溶性ニッケル塩と、Au、Cu、Pd及びPtからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む金属塩と、錯化剤とを含む第1の溶液を準備する工程と、
    アルカリ金属水酸化物を含む第2の溶液を準備する工程と、
    ヒドラジンを含む第3の溶液を準備する工程と、
    前記第1の溶液、前記第2の溶液、前記第3の溶液を混合し第4の溶液を作製する工程を備え、
    前記第4の溶液中にNi粉を析出させるNi粉末の製造方法であって、
    前記第4の溶液を作製する工程は、
    前記第4の溶液から析出するNiのモル数に応じて、
    前記第1の溶液に含まれる前記錯化剤のモル数がNi1モルあたり0.26モル以上0.44モル以下となる範囲に前記第1の溶液の混合量を制御し、
    前記第2の溶液に含まれる前記アルカリ金属水酸化物のモル数がNi1モルあたり2.84モル以上4.26モル以下となる範囲に前記第2の溶液の混合量を制御し、
    前記第3の溶液に含まれる前記ヒドラジンのモル数がNi1モルあたり1.66モル以上2.50モル以下となる範囲に前記第3の溶液の混合量を制御することを特徴とする、Ni粉末の製造方法。
  6. 前記錯化剤は、少なくとも一つのカルボキシ基を有する有機酸である請求項5に記載のNi粉末の製造方法。
  7. 前記第4の溶液を作製する工程における、前記第1の溶液、前記第2の溶液及び前記第3の溶液の温度を45℃以上65℃以下とする請求項5又は6に記載のNi粉末の製造方法。
  8. 前記第4の溶液を作製する工程は、前記第2の溶液及び前記第3の溶液を予め混合しておき、その混合した溶液を前記第1の溶液に滴下混合する手順により行う請求項5〜7のいずれかに記載のNi粉末の製造方法。
  9. 前記第1の溶液に前記第2の溶液と前記第3の溶液の混合溶液を滴下混合する際の、前記混合溶液を滴下する時間は160秒以下である請求項8に記載のNi粉末の製造方法。
  10. 前記Ni粉を含む水溶液であるNi粉スラリーに硫黄コート剤(Sコート剤)を加え、硫黄(S)で表面処理されたNi粉を得る請求項5〜9のいずれかに記載のNi粉末の製造方法。
  11. 前記硫黄コート剤(Sコート剤)が、少なくともメルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む水溶性硫黄化合物である請求項10に記載のNi粉末の製造方法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載されたNi粉末と、有機溶剤とを含むことを特徴とする内部電極ペースト。
  13. 請求項12に記載された内部電極ペーストを用いて内部電極層を形成してなる電子部品であって、
    積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1主面及び第2主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1側面及び第2側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1端面及び第2端面とを有しており、前記第1端面及び第2端面に前記内部電極層が露出している積層体と、
    前記内部電極層に接続され、前記積層体の端面に設けられた外部電極と、を備えることを特徴とする電子部品。
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