JP2017137554A - Ni粉末、Ni粉末の製造方法、内部電極ペースト及び電子部品 - Google Patents
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Description
内部電極の連続性を高めるためには、アスペクト比が大きな形状の金属粉を使うとその金属粉の排除体積効果により、その金属粉付近で空隙が生じるため、アスペクト比が小さい金属粉が必要である。またアスペクト比が大きい金属粉の最大径が大きい場合は、金属粉が誘電体層の平面方向に垂直に配向した際に誘電体層を突き破って、内部電極同士を短絡させショート不良が生じることがある。一方で細かい粒子と大きな粒子を配合させることで、焼結前の内部電極の連続性を高めることができるが、粒径が異なる粒子の焼結特性の違いから、焼結後の電極連続性が低下するため粒度分布が狭い金属粉が必要である。
上記金属粉を得る方法の一つとして分級処理がある。しかしながら分級処理では、0.6μm〜2μm程度の任意の値の分級点を目途に、分級点よりも大きな金属粉の除去が可能であるが、分級点よりも小さな金属粉の一部も同時に除去されてしまうため、製品実収が大幅に低下するという欠点がある。したがって、分級処理を行う場合は、上述の高額な設備導入も含め、製品のコストアップが避けられない。
さらに、金属粉として平均粒径が0.2μm以下のNi粉末を用いる場合には、分級処理による粗大粒子の除去自体が困難になるため、今後の内部電極の一層の薄層化に対応できない。
上記球状のNi粉の平均粒径が0.3<X≦0.4の場合、Y≦0.3であり、上記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
上記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.3の場合、Y≦0.1であり、上記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
上記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.2の場合、Y≦0.1であり、上記連結状のNi粉の最大径は0.6μmを超えることが好ましい。
Ni粉末は、その表面が触媒的に働いて、内部電極ペーストに含まれるエチルセルロース等のバインダ樹脂の熱分解を促進する作用があり、積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ処理にて、低温からバインダ樹脂が分解されて分解ガスが多量に発生しクラックが発生することがある。このバインダ樹脂の熱分解を促進する作用は、Ni粉末の表面に硫黄(S)が存在すると抑制されるため、Ni粉末には硫黄(S)で修飾する表面処理(硫黄コート処理(Sコート処理))を施すことが好ましい。
上記硫黄コート処理したNi粉末における硫黄含有量は1.0重量%以下が好ましく、一方で、硫黄含有量が1.0重量%を超えたとしても、バインダ樹脂の熱分解を抑制する効果の向上は望めず、かえって積層セラミックコンデンサ製造時の焼成において、硫黄を含有するガスが発生しやすくなって、積層セラミックコンデンサ製造装置を腐食させることがあり、好ましいとは言えない。
球状のNi粉とは、平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下のNi粉である。球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下となっている。CV値は粒径のバラツキを示す指標であり、(標準偏差/平均値)×100[%]の式に基づいて算出される。
球状のNi粉の平均粒径を0.4μm以下とすることで、薄層化された積層セラミックコンデンサの内部電極に好適に使用することができる。球状のNi粉の平均粒径を0.05μm以上とすることで、乾燥状態のNi粉末の取り扱いが容易となる。
球状のNi粉のCV値が20%を超えると、粒度分布が広いために、薄層化された積層セラミックコンデンサへの適用が困難となる場合が生じる。粒度分布は狭いほど良好であるため、CV値の下限は特に限定されることはない。
球状のNi粉のアスペクト比が1.5を超えると、排除体積効果によりその粒子付近に空隙ができやすく、電極連続性が劣化する。アスペクト比が1に近いほど良好であるため、下限は特に限定されることはない。
粒径及びCV値の測定は、Ni粉末を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、20000倍以上50000倍以下の倍率で観察することにより行う。そして、その観察像を画像解析ソフトを使用して画像解析することによって求めることができる。例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCの統合アプリケーションであるA像くん(登録商標)で取り込み、円度しきい値100(円度しきい値100は、球状のNi粉しか検出されない)で画像解析することによって、球状のNi粉の粒径を求め、その結果から、「平均粒径」及び「CV値」を算出することができる。
粒径が小さくなるほど連結状のNi粉量が低減できる製造方法であるため、薄層化された積層セラミックコンデンサの内部電極用に好適に使用することができる。なお下限値については少ないほど良好であるため、特に限定されることはない。
最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量は、アイソポアメンブレンフィルターでろ過することで評価することができる。具体的には、Ni粉末0.1gを水100mLに分散させ、孔径0.8μmのアイソポアメンブレンフィルター上に残ったNi粉が、最大径0.8μmを超える連結状のNi粉であるので、その残ったNi粉をICP(高周波誘導結合プラズマ発光)で定量することにより評価することができる。また、球状のNi粉の平均粒径が0.05μm以上0.2μm以下のNi粉末では、連結状のNi粉の最大径が0.8μm以下となる場合もあるが、任意のアイソポアメンブレンフィルターによって評価が可能である。例えば0.6μmを超える連結状のNi粉を定量することが可能である。
本発明のNi粉末は、その表面に硫黄(S)を含有していることが好ましい。後述するように、反応液中に得られたNiを含む沈殿物を洗浄する時に、硫黄コート剤(Sコート剤)を含有する処理液と接触させると、その表面を硫黄(S)で修飾することができる。上記硫黄コート剤(Sコート剤)には、メルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む各種の水溶性硫黄化合物が適用でき、例えば、硫化水素ナトリウム(NaSH)等の無機硫黄化合物、あるいは、チオリンゴ酸(HOOCCH(SH)CH2COOH)等の有機硫黄化合物が挙げられる。
Ni粉末は、その表面が触媒的に働いて、内部電極ペーストに含まれるエチルセルロース等のバインダ樹脂の熱分解を促進する作用があり、積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ処理にて、低温からバインダ樹脂が分解されて分解ガスが多量に発生しクラックが発生することがある。このバインダ樹脂の熱分解を促進する作用は、Ni粉末の表面に硫黄(S)が存在すると抑制されるため、Ni粉末には硫黄(S)で修飾する表面処理(硫黄コート処理(Sコート処理))を施すことが好ましい。
上記硫黄コート処理したNi粉末における硫黄含有量は1.0重量%以下が好ましく、0.03重量%以上0.5重量%以下がより好ましく、0.04重量%以上0.3重量%以下がさらに好ましい。一方で、硫黄含有量が1.0重量%を超えたとしても、バインダ樹脂の熱分解を抑制する効果の向上は望めず、かえって積層セラミックコンデンサ製造時の焼成において、硫黄を含有するガスが発生しやすくなって、積層セラミックコンデンサ製造装置を腐食させることがあり、好ましいとは言えない。
錯化剤は水和物の形(例えばクエン酸三ナトリウム二水和物)で添加されてもよい。
本発明のNi粉末の製造方法においては、第4の溶液を作製する際にNi粉が第4の溶液中に析出する。第4の溶液を作製する際には、第2の溶液及び第3の溶液を予め混合しておき、その混合した溶液を第1の溶液に滴下混合する手順により行うことが好ましい。この手順により第4の溶液を作製すると、球状のNi粉のCV値を特に低くすることができる。これは、4電子反応であるN2H4→N2↑+4H++4e−のような上記ヒドラジンの還元反応から明らかであるように、高アルカリほどヒドラジンの還元力が強くなることに起因している。すなわち、図7(b)に示すように強アルカリである第2の溶液と第3の溶液の混合溶液、つまりアルカリ金属水酸化物とヒドラジンの混合溶液に、核発生剤としての金属塩と水溶性ニッケル塩を含む第1の溶液を滴下混合した場合には、第1の溶液の滴下混合領域が滴下直後から常時強アルカリとなるため、ヒドラジンの強い還元力により滴下する時間の間中、特に滴下混合領域において核発生が継続して起きることとなる。言い換えれば、局所的な核発生が長時間生じるため、空間的にも時間的にも不均一な核発生となる。したがって、CV値増大である粒度分布が広くなり、連結状のNi粉の割合が増加する傾向が見られる。一方、図7(a)および図7(c)の手順だと、滴下開始時点での滴下混合領域は弱酸性から弱アルカリであって、滴下進行に伴い、アルカリが強くなっていくため、核発生は強アルカリになる滴下終盤にだけ起きることとなる。つまり、混合が進んだ第4の溶液中の全体で短時間に核発生が生じるため、この核発生は空間的にも時間的にも均一である。したがって、CV値減少である粒度分布が狭くなり、連結状のNi粉の割合を低下させることができる。
硫酸ニッケル6水和物100gと、クエン酸三ナトリウムのモル数がNi1モル当たり0.36モルになるようにクエン酸三ナトリウム二水和物40.3gを水270gに溶解し、銅イオン濃度がNi1モル当たり8.2wtppmになるように0.4重量%に希釈した硫酸銅5水和物溶液を0.18g添加して、銅イオンを含有するニッケル塩溶液を準備した。この溶液を第1の溶液とした。
得られたNi粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて20000倍の倍率で観察し、SEM像から、旭化成エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCの統合アプリケーションであるA像くん(登録商標)を用いて画像解析して、球状のNi粉の平均粒径と粒径のCV値を上述の方法により算出した。CV値が15%以下を◎、15%を超えて20%以下を○、20%を超えると×と判定した。結果は表1に示した。
得られたNi粉末について、硫黄含有量を硫黄分析装置(堀場製作所製)を用いて測定した。結果は表1に示した。
Ni粉末0.1gを水100mLに分散させ、孔径0.8μmのアイソポアメンブレンフィルター上に残ったNi粉についてNi粉をICP(高周波誘導結合プラズマ発光)で定量することにより、最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量を定量した。
球状のNi粉の平均粒径が0.2μm以下であった実施例については孔径0.6μmのアイソポアメンブレンフィルターについて同様の作業をして最大径が0.6μmを超える連結状のNi粉の含有量を定量した。
結果は表1に示した。
次に、このNi粉末を含む内部電極ペーストを作製した。まず、バインダ樹脂としてエチルセルロース樹脂、有機溶剤としてα−テルピネオールを用意し、エチルセルロース樹脂とα−テルピネオールとの混合比率が、体積比率で、1:9となるようにエチルセルロース樹脂をα−テルピネオール中に溶解させ、これにより有機ビヒクルを作製した。次に、Ni粉末の含有量が45重量%となるように、Ni粉末と有機ビヒクルとを混合し、三本ロールミルを使用して分散・混練させ、これによりNi粉末を導電性材料とした内部電極ペーストを作製した。
セラミック原料としてのBaTiO3に、ポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤及び有機溶剤としてのエタノールを加え、これらをボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。次いで、このセラミックスラリーをリップ方式によりシート成形し、矩形の誘電体シートを得た。次に、上記誘電体シート上に、Ni粉末を含有する内部電極ペーストをスクリーン印刷し、内部電極層となるべき導電膜を形成した。次に、導電膜が形成された誘電体シートを、導電膜の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層し、積層シートを得た。次に、この生の積層シートを、加圧成形し、ダイシングにより分割してチップを得た。得られたチップをN2雰囲気中にて加熱して、バインダを燃焼させた後、H2、N2及びH2Oガスを含む還元性雰囲気中において焼成し、焼結した積層体を得た。積層体の構造は、複数の誘電体層と複数の内部電極層を有する構造である。
得られた積層体に外部電極を形成し、絶縁抵抗測定器を用いて電圧2Vを印加して、抵抗値が105Ω乗以下のものをショート不良と判別した。N=1000個で評価して、ショート不良率が1%未満を○、1%以上を×と判定した。結果は表1に示した。
(実施例2)
実施例1の溶液の滴下手順を逆にして、つまり、第1の溶液を第2の溶液と第3の溶液の混合溶液に滴下した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例3)
実施例1の硫酸銅5水和物溶液の添加量を0.12gとした他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例4)
実施例1の銅イオン濃度がNi1モル当たり15wtppmになるように硫酸銅水溶液を添加した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例5)
実施例1の硫酸銅5水和物溶液に代えて、パラジウムイオン濃度がNi1モル当たり15wtppmになるように塩化パラジウム水溶液を添加した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例6)
実施例1の硫酸銅5水和物溶液に代えて、白金イオン濃度がNi1モル当たり15wtppmになるようにヘキサクロロ白金酸を添加した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例7)
実施例1のクエン酸三ナトリウム二水和物の添加量を、Ni1モル当たり0.44モルになるように49.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例8)
実施例1のクエン酸三ナトリウム二水和物の添加量を、Ni1モル当たり0.26モルになるように28.7gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例9)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり4.26モルになるように64.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例10)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり2.84モルになるように43.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例11)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり2.50モルになるように60%抱水ヒドラジン79.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例12)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり1.66モルになるように60%抱水ヒドラジン52.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例13)
実施例1において第2の溶液と第3の溶液の混合溶液の滴下時間を160秒に変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例14)
実施例1における第1の溶液、第2の溶液及び第3の溶液の加温温度を55℃から65℃に変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(実施例15)
実施例1における第1の溶液、第2の溶液及び第3の溶液の加温温度を55℃から45℃に変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
実施例1のクエン酸三ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり0.48モルになるようにクエン酸三ナトリウム二水和物53.3gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例2)
実施例1のクエン酸三ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり0.22モルになるようにクエン酸三ナトリウム二水和物24.6gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例3)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり4.62モルになるように70.2gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例4)
実施例1の水酸化ナトリウムの添加量を、Ni1モル当たり2.49モルになるように37.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例5)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり2.70モルになるように60%抱水ヒドラジン85.8gに変更した他は実施例1と同様にして、Ni粉末を得た。
(比較例6)
実施例1のヒドラジンの添加量を、Ni1モル当たり1.25モルになるように60%抱水ヒドラジン39.6gに変更した他は実施例1と同様にしたところ、Niの析出が完了せずNiを含む沈殿物を得られなかった。
10 積層体
11 第1主面
12 第2主面
13 第1側面
14 第2側面
15 第1端面
16 第2端面
20 誘電体層
30 内部電極層
35 第1内部電極層
36 第2内部電極層
40 外層部
60 下地層
61 めっき層
100 外部電極
Claims (13)
- 平均粒径が0.05μm以上0.4μm以下であり、アスペクト比が1.5以下の球状のNi粉と、アスペクト比が1.5より大きく、長手方向において1箇所以上の括れ部を備えている連結状のNi粉とを含み、
前記球状のNi粉の粒径のCV値は、20%以下であり、
その最大径が0.8μmを超える連結状のNi粉の含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とするNi粉末。 - 前記球状のNi粉の平均粒径をX(単位はμm)とし、前記連結状のNi粉の含有量をY(単位は重量%)とすると、
前記球状のNi粉の平均粒径が0.3<X≦0.4の場合、Y≦0.3であり、前記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
前記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.3の場合、Y≦0.1であり、前記連結状のNi粉の最大径は0.8μmを超え、
前記球状のNi粉の平均粒径が0.05≦X≦0.2の場合、Y≦0.1であり、前記連結状のNi粉の最大径は0.6μmを超える請求項1に記載のNi粉末。 - 前記連結状のNi粉を構成するNi粉の括れ部以外の部分の直径の平均値は、0.05μm以上0.4μm以下の範囲である請求項1又は2に記載のNi粉末。
- 少なくとも前記Ni粉末の表面に硫黄(S)を含有し、硫黄含有量が1.0重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のNi粉末。
- 水溶性ニッケル塩と、Au、Cu、Pd及びPtからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む金属塩と、錯化剤とを含む第1の溶液を準備する工程と、
アルカリ金属水酸化物を含む第2の溶液を準備する工程と、
ヒドラジンを含む第3の溶液を準備する工程と、
前記第1の溶液、前記第2の溶液、前記第3の溶液を混合し第4の溶液を作製する工程を備え、
前記第4の溶液中にNi粉を析出させるNi粉末の製造方法であって、
前記第4の溶液を作製する工程は、
前記第4の溶液から析出するNiのモル数に応じて、
前記第1の溶液に含まれる前記錯化剤のモル数がNi1モルあたり0.26モル以上0.44モル以下となる範囲に前記第1の溶液の混合量を制御し、
前記第2の溶液に含まれる前記アルカリ金属水酸化物のモル数がNi1モルあたり2.84モル以上4.26モル以下となる範囲に前記第2の溶液の混合量を制御し、
前記第3の溶液に含まれる前記ヒドラジンのモル数がNi1モルあたり1.66モル以上2.50モル以下となる範囲に前記第3の溶液の混合量を制御することを特徴とする、Ni粉末の製造方法。 - 前記錯化剤は、少なくとも一つのカルボキシ基を有する有機酸である請求項5に記載のNi粉末の製造方法。
- 前記第4の溶液を作製する工程における、前記第1の溶液、前記第2の溶液及び前記第3の溶液の温度を45℃以上65℃以下とする請求項5又は6に記載のNi粉末の製造方法。
- 前記第4の溶液を作製する工程は、前記第2の溶液及び前記第3の溶液を予め混合しておき、その混合した溶液を前記第1の溶液に滴下混合する手順により行う請求項5〜7のいずれかに記載のNi粉末の製造方法。
- 前記第1の溶液に前記第2の溶液と前記第3の溶液の混合溶液を滴下混合する際の、前記混合溶液を滴下する時間は160秒以下である請求項8に記載のNi粉末の製造方法。
- 前記Ni粉を含む水溶液であるNi粉スラリーに硫黄コート剤(Sコート剤)を加え、硫黄(S)で表面処理されたNi粉を得る請求項5〜9のいずれかに記載のNi粉末の製造方法。
- 前記硫黄コート剤(Sコート剤)が、少なくともメルカプト基(−SH)、ジスルフィド基(−S−S−)のいずれかを含む水溶性硫黄化合物である請求項10に記載のNi粉末の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載されたNi粉末と、有機溶剤とを含むことを特徴とする内部電極ペースト。
- 請求項12に記載された内部電極ペーストを用いて内部電極層を形成してなる電子部品であって、
積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1主面及び第2主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1側面及び第2側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1端面及び第2端面とを有しており、前記第1端面及び第2端面に前記内部電極層が露出している積層体と、
前記内部電極層に接続され、前記積層体の端面に設けられた外部電極と、を備えることを特徴とする電子部品。
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