JP2017137188A - フィルム巻装体のはみ出し試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確な評価を得ることができるフィルム巻装体のはみ出し試験方法を提供する。【解決手段】剥離基材上に接着剤層が設けられた長尺フィルムが巻き芯に巻回されたフィルム巻装体のはみ出し試験方法において、巻き芯と長尺フィルムとが繋がれた巻き芯外周の繋ぎ部31の位置を固定するとともに、フィルム巻装体から引き出した長尺フィルムの端部に荷重を与える負荷工程と、負荷工程後のフィルム巻装体側面からの接着剤層のはみ出し量に基づき、はみ出しの良否を判定する判定工程とを有し、負荷工程では、巻き芯の中心を始点として長尺フィルムが引き出されたフィルム巻装体の引き出し部32を通る第1の半直線と、巻き芯の中心を始点として繋ぎ部31を通る第2の半直線とがなす角を固定する。【選択図】図3

Description

本発明は、ACF(Anisortropic Conductive Film)、NCF(Non Conductive Film)などの接着フィルムが巻回されたフィルム巻装体のはみ出し試験方法に関する。
ACF、NCFなどの接着フィルムは、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)などの基材上に接着剤層が設けられており、リールに巻かれたフィルム巻装体の状態で保存、保管、運搬等が行われる。接着フィルムを使用する際には、リールから接着フィルムを巻き解し、基材から剥離された接着層を接続部材間に配置する。
フィルム巻装体は、リールから接着フィルムを巻き解す際の負荷、温度環境などで、接着層が変形してしまい、側面から接着層がはみ出すことがある。このため、リールから接着フィルムを少々引き出し、先端に分銅を加えてテンションを掛け、オーブンにて温度を加え、ユーザーと同等な使用環境を作り、接着層の変形を確認するはみ出し試験を実施している。はみ出し試験では、例えば、サンプル2リールについて試験実施し、接着層の変形の大きい方を評価対象としている。ここで、接着層の変形とは、接着層の接着成分が基材を挟み込み、上段の接着層に貼り付くことをいい、1層上段の接着層に貼り付いた場合を1層はみ出しといい、2層上段の接着層に貼り付いた場合を2層はみ出しという。評価基準は、例えば、2層未満のはみ出しをOK基準とし、2層以上のはみ出しをNG基準としている。
しかしながら、前述したはみ出し試験は、同一サンプルでも評価結果のばらつきが大きく、正確な評価を得ることが困難であった。
特開2013−216436号公報
本発明は、上述した従来技術における課題を解決するものであり、正確な評価を得ることができるフィルム巻装体のはみ出し試験方法を提供する。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、巻き芯と接着フィルムとが繋がれた巻き芯外周の繋ぎ部の位置を設定することにより、はみ出し試験のレベルを調整し、評価結果のばらつきを抑制可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、剥離基材上に接着剤層が設けられた長尺フィルムが巻き芯に巻回されたフィルム巻装体のはみ出し試験方法において、巻き芯と長尺フィルムとが繋がれた巻き芯外周の繋ぎ部の位置を固定するとともに、フィルム巻装体から引き出した長尺フィルムの端部に荷重を与える負荷工程と、前記負荷工程後のフィルム巻装体側面からの接着剤層のはみ出し量に基づき、はみ出しの良否を判定する判定工程とを有し、前記負荷工程では、前記巻き芯の中心を始点として長尺フィルムが引き出されたフィルム巻装体の引き出し部を通る第1の半直線と、前記巻き芯の中心を始点として前記繋ぎ部を通る第2の半直線とがなす角を固定することを特徴とする。
また、本発明に係る巻き芯固定治具は、巻き芯の回転軸の軸穴に嵌合される嵌合部と、巻き芯の回転軸と同じ中心軸を有し、断面形状が正多角形である貫通穴とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、巻き芯外周の繋ぎ部の位置を設定し、はみ出し試験のレベルを調整することができるため、評価結果のばらつきを抑制し、正確な評価を得ることができる
図1は、フィルム巻装体の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、フィルム巻装体のはみ出し試験を模式的に示す斜視図である。 図3は、はみ出し試験におけるフィルム巻装体を模式的に示す側面図である。 図4は、繋ぎ部の一例を模式的に示す側面図である。 図5(A)は、巻き芯固定治具の一例を模式的に示す側面図であり、図5(B)は、図5(A)に示す巻き芯固定治具のA−A断面図である。 図6は、巻き芯固定治具の貫通穴の一例を模式的に示す側面図である。 図7は、固定棒の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、下記順序にて詳細に説明する。
1.フィルム巻装体のはみ出し試験方法
2.はみ出し試験用治具
3.実施例
<1.フィルム巻装体のはみ出し試験方法>
本実施の形態に係るフィルム巻装体のはみ出し試験方法は、剥離基材上に接着剤層が設けられた長尺フィルムが巻き芯に巻回されたフィルム巻装体のはみ出し試験方法であって、巻き芯と長尺フィルムとが繋がれた巻き芯外周の繋ぎ部の位置を固定するとともに、フィルム巻装体から引き出した長尺フィルムの端部に荷重を与える負荷工程と、負荷工程後のフィルム巻装体側面からの接着剤層のはみ出し量に基づき、はみ出しの良否を判定する判定工程とを有し、負荷工程では、巻き芯の中心を始点として長尺フィルムが引き出されたフィルム巻装体の引き出し部を通る第1の半直線と、巻き芯の中心を始点として繋ぎ部を通る第2の半直線とがなす角を固定するものである。これにより、はみ出し試験のレベルを調整し、評価結果のばらつきを抑制することができる。
図1は、フィルム巻装体の一例を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、フィルム巻装体1は、接着剤層としての接着フィルム2と、剥離基材としての剥離フィルム3とを有する長尺フィルムが、例えば、接着フィルム2側が内周側となるようにリール4に巻装されることにより構成される。
接着フィルム2としては、電子部品を回路基板等に実装するCOG実装や基板同士を接続するFOG実装などに用いられる異方性導電フィルム(ACF:Anisortropic Conductive Film)、接着剤フィルム(NCF:Non Conductive Film)、太陽電池の電極とタブ線とを接続する導電性接着フィルムなどが例示される。
剥離フィルム3は、テープ状に成型され、接着フィルム2を支持する支持フィルムである。剥離フィルム3に用いられる基材としては、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などが挙げられる。また、接着フィルム2を剥離フィルム3と挟む場合のカバーフィルムも略同様の材質を用いる。剥離フィルム3やカバーフィルムの色は、例えば白色(乳白色)ないしは無色透明である。
また、接着フィルム2及び剥離フィルム3の幅は、例えば0.5mm〜5.0mmであり、接着フィルム2及び剥離フィルム3の長さは、例えば10m以上、好ましくは50m〜5000mである。
リール4は、接着フィルム2及び剥離フィルム3を巻き取る筒状の巻き芯5と、巻き芯5の両端にそれぞれ設けられた板状のフランジ6とを備える。巻き芯5は、リール4を回転させるための回転軸が挿入される軸穴を有する。巻き芯5には、接着フィルム2又は剥離フィルム3の長手方向の一方の端部が接続され、接着フィルム2及び剥離フィルム3が巻回される。
巻き芯5及びフランジ6は、例えば、種々のプラスチック材料を用いて形成することができる。フランジ6は、接着フィルム2と接する面に、静電処理を施すようにしてもよい。静電処理を施す方法としては、例えば、ポリチオフェンなどの化合物をフランジ6に塗布する方法などが挙げられる。なお、図1に示すフィルム巻装体は、両端にフランジ6を有する巻き芯5に接着フィルムを巻装する構成としたが、フランジがない巻き芯に接着フィルムを巻装する構成であってもよい。
このような構成からなるフィルム巻装体は、リールから接着フィルムを巻き解す際の負荷、温度環境などで、接着層が変形してしまい、側面から接着層がはみ出すことがあるため、接着層の変形を確認するはみ出し試験を実施することが必要である。以下、フィルム巻装体のはみ出し試験の負荷工程及び判定工程について説明する。
[負荷工程]
図2は、フィルム巻装体のはみ出し試験を模式的に示す斜視図であり、図3は、はみ出し試験におけるフィルム巻装体を模式的に示す側面図である。図2及び図3に示すように、負荷工程では、巻き芯5の軸穴に固定棒10を挿入して巻き芯5の回転を固定し、巻き芯5と長尺フィルムとが繋がれた巻き芯外周の繋ぎ部31の位置を固定するとともに、フィルム巻装体から長尺フィルムを引き出し、その端部に荷重を与える。例えば、図2に示すように所定長さ引き出された長尺フィルムの端部に分銅11を付け、静荷重負荷を与える。
図4は、繋ぎ部の一例を模式的に示す側面図である。図4に示すように、繋ぎ部は、例えば、巻き芯5に固定された接続フィルム41と剥離フィルム3とが、繋ぎテープ42で接続された構成となっている。接続フィルム41の色は、剥離フィルム3や接着フィルム2と異なる、区別し易い色であることが好ましい。例えば接続フィルム41が黒色のPETフィルムからなり、繋ぎテープ42の両端部に段差が生じている場合、繋ぎ部を目視にて容易に確認することができる。なお、繋ぎ部は、前述した構成に限られず、例えば長尺フィルムの第1周目と第2周目の境界部分など、巻き芯外周に生じた段差とすることができる。
また、引き出し部32は、最外周の長尺フィルムが内側の長尺フィルムから離れた部分である。また、巻き芯5の中心を始点として引き出し部を通る第1の半直線は、フィルム巻装体から引き出した長尺フィルムの荷重方向と直交する。
負荷工程において、繋ぎ部31の位置の固定は、巻き芯5の中心を始点として長尺フィルムが引き出されたフィルム巻装体の引き出し部32を通る第1の半直線と、巻き芯5の中心を始点として繋ぎ部31を通る第2の半直線とがなす角を設定する。以下、第1の半直線と第2の半直線とがなす、長尺フィルムの巻き数の少ない方の角を、繋ぎ位置角αとする。
ここで、繋ぎ位置角αは、45°〜180°の範囲に設定することが好ましい。この範囲は、接着剤層のはみ出し量が少ない傾向にあるため、はみ出し試験のレベルを比較的低くすることができる。
また、繋ぎ位置角αは、225°〜360°の範囲に設定することが好ましい。この範囲は、接着剤層のはみ出し量が多い傾向にあるため、はみ出し試験のレベルを比較的高くすることができる。
また、負荷工程では、フィルム巻装体をオーブンなどにより加温し、環境試験を行うことが好ましい。負荷工程の条件は、特に限定されるものではないが、例えば、温度が23〜40℃、負荷荷重(重りの重さ)が10〜500g、負荷時間が3〜72時間の範囲で適宜設定することができる。
また、負荷工程では、後述するように、巻き芯の回転軸の軸穴に嵌合される嵌合部と、巻き芯の回転軸と同じ軸を有し、断面形状が正多角形である貫通穴とを備える巻き芯固定治具を用い、巻き芯の回転軸の軸穴に、嵌合部を嵌合するとともに、貫通穴に、この貫通穴と同じ断面形状の固定棒を挿入することが好ましい。これにより、簡便に巻き芯外周の繋ぎ部の位置を固定することができる。
また、負荷工程では、嵌合部が挿入され、巻き芯を挟む挟持部をさらに備える巻き芯固定治具を用いることが好ましい。これにより、1つの固定棒に繋ぎ部の位置を設定した複数のフィルム巻装体を均等な間隔で固定することができる。
[判定工程]
判定工程では、フィルム巻装体側面からの接着剤層のはみ出し量に基づき、はみ出しの良否を判定する。接着剤層のはみ出しは、巻き芯外周の繋ぎ部から半径方向の巻き芯近くで発生するこることが多いため、少なくともフィルム巻装体の巻き芯外周の繋ぎ部から半径方向の側面を観察することが好ましい。
判定基準としては、例えば、接着フィルムの接着剤成分が剥離フィルムを挟み込み、1層上段の接着フィルムと繋がった場合を「1.0層はみ出し」とし、2層上段の接着フィルムと繋がった場合を「2.0層はみ出し」とし、はみ出し層数を接着剤成分の剥離フィルムの挟み込み具合により小数点第1位まで求めることが好ましい。これにより、精度よく判定することができる。
<2.はみ出し試験用治具>
次に、図5〜7を参照し、前述したはみ出し試験に用いられる治具の一例について説明する。図5(A)は、巻き芯固定治具の一例を模式的に示す側面図であり、図5(B)は、図5(A)に示す巻き芯固定治具のA−A断面図である。また、図6は、巻き芯固定治具の貫通穴の一例を模式的に示す側面図である。また、図7は、固定棒の一例を模式的に示す斜視図である。
図5(A)及び図5(B)に示すように、巻き芯固定治具は、巻き芯の回転軸の軸穴に嵌合される嵌合部50と、巻き芯の回転軸と同じ中心軸を有し、断面形状が正多角形である貫通穴51とを備える。嵌合部50は、凸部52を有し、巻き芯の回転を固定する。貫通穴51は、図6に示すように、正多角形の断面形状を有し、角の頂点に空気の逃げ穴53を有することが好ましい。これにより、固定棒70に巻き芯固定治具をスムーズに着脱することができる。また、貫通穴51の断面形状は、繋ぎ位置角αの設定範囲、回転に対する強度などの観点から、正3角形以上であることが好ましく、正6角形以上正12角形以下であることが好ましい。
また、巻き芯固定治具は、嵌合部50が挿入され、巻き芯を挟む挟持部60をさらに備えることが好ましい。挟持部60は、嵌合部50が挿入される挿入部61を有し、他の巻き芯固定治具の挟持部とともに巻き芯を挟む。これにより、1つの固定棒70に繋ぎ部の位置を設定した複数のフィルム巻装体を均等な間隔で固定することができる。
また、嵌合部50の貫通穴方向の長さ50aは、リールの幅より大きく、挟持部60の貫通穴方向の長さ60aは、10mm以上30mm以下であることが好ましい。これにより、リールとリールとの間隔を均等にするとともに、サンプルの評価結果のばらつきを抑制することができる。
巻き芯固定治具の材料としては、MCナイロン(商標)、塩化ビニール樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ベークライト(布系)、PTFE(フッ素樹脂)、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのプラスチック素材を用いることができる。また、固定棒の材料としては、アルミニウム(A5056、A5052、A2017)、ステンレス(SUS)などの金属を用いることができる。
<3.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、ACFを巻き芯に巻き回し、フィルム巻装体のサンプルを作製した。そして、はみ出し試験を行い、試験結果を評価した。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[サンプルAの作製]
フェノキシ樹脂(商品名:YP−50、新日鐵化学(株)製)50質量部、2官能アクリルモノマー(商品名:A−200、新中村化学(株)製)20質量部、ウレタンアクリレート(商品名:U−2PPA、新中村化学(株)製)20質量部、ジラウロイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBW、日本油脂(株)製)5質量部、及び導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)5質量部を、常法により均一に混合することによりラジカル系ACFの組成物を調整した。この組成物を20μm厚みになるように剥離PETフィルム(厚み50μm)に塗布した後、カバーフィルムを貼り付け、幅1.5mmに裁断して長さ300mのACFを得た。次に、カバーフィルムを剥がし、内周側にACFが配されるようにACFと剥離PETフィルムとを10gのテンションを掛けて直径30mmの巻き芯を有するリールに巻き取り、いわゆる内巻きのフィルム巻装体を得た。表1に、サンプルAの構成の概要を示す。
[サンプルBの作製]
ACFと剥離PETフィルムとを15gのテンションを掛けてリールに巻き取った以外は、サンプルAと同様にフィルム巻装体を得た。表1に、サンプルBの構成の概要を示す。
[サンプルCの作製]
厚み38μmの剥離PETフィルムを用い、幅1.0mmに裁断して長さ550mのACFを得るとともに、ACFと剥離フィルムとを15gのテンションを掛けてリールに巻き取った以外は、サンプルAと同様にフィルム巻装体を得た。表1に、サンプルCの構成の概要を示す。
[サンプルDの作製]
直径24mmの巻き芯を有するリールに巻き取った以外は、サンプルBと同様にフィルム巻装体を得た。表1に、サンプルDの構成の概要を示す。
[サンプルEの作製]
フェノキシ樹脂(YP50、新日鉄住金化学(株)製)35質量部、液状エポキシ樹脂(EP828、三菱化学(株))14質量部、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(ノバキュアHX3941、旭化成ケミカルズ(株))50質量部、シランカップリング剤(KBE403、信越化学工業(株))1質量部、及び導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)5質量部を、常法により均一に混合することによりカチオン系ACFの組成物を調整した。この組成物を25μm厚みになるように剥離PETフィルム(厚み38μm)に塗布した後、カバーフィルムを貼り付け、幅1.5mmに裁断して長さ100mのACFを得た。次に、カバーフィルムを剥がし、内周側にACFが配されるようにACFと剥離フィルムとを15gのテンションを掛けて直径30mmの巻き芯を有するリールに巻き取り、いわゆる内巻きのフィルム巻装体を得た。表1に、サンプルEの構成の概要を示す。
Figure 2017137188
[はみ出し試験の評価]
はみ出し試験の負荷工程後、デジタルマイクロスコープを用いて、フィルム巻装体の巻き芯外周の繋ぎ部から半径方向の側面を50〜200倍の倍率で外観を観察した。ACFが剥離フィルムを挟み込み、1層上段のACFと繋がった場合を「1.0層はみ出し」とし、2層上段のACFと繋がった場合を「2.0層はみ出し」とし、はみ出し層数を接着剤成分の剥離フィルムの挟み込み具合により小数点第1位まで求めた。1.0層未満のはみ出しの評価を「A」、1.0層以上2.0層未満のはみ出しの評価を「B」、及び2.0層以上のはみ出しの評価を「C」とした。そして、所定のサンプル数の中ではみ出し試験の評価が最も悪いものを、サンプルの評価とした。また、各サンプルについて、はみ出し層数の最大値と最小値との範囲(レンジ)を算出した。
[実施例]
サンプルをセットし、50gの静荷重負荷を加え、35℃のオーブンに5時間静置した。サンプルのセットは、巻き芯の中心を始点としてACFと剥離フィルムとが引き出されたフィルム巻装体の引き出し部を通る第1の半直線と、巻き芯の中心を始点として繋ぎ部を通る第2の半直線とがなす、ACFの巻き数の少ない方の角(以下、「繋ぎ位置角α」という)を45°に設定した。はみ出し試験は、15サンプルを同一条件で一括して行った。表2に、実施例におけるサンプルA〜Eのはみ出し試験の評価結果を示す。
[比較例]
繋ぎ位置角αを任意に設定した以外は、実施例と同様に試験を行った。表2に、比較例におけるサンプルA〜Eのはみ出し試験の評価結果を示す。
Figure 2017137188
比較例のように繋ぎ位置角αを任意に設定した場合、はみ出し層数の最大値と最小値との範囲が大きく、評価結果のバラツキが大きかった。一方、実施例のように繋ぎ位置角αを固定した場合、はみ出し層数の範囲を小さくし、評価結果のバラツキを小さくすることができた。
また、従来、2サンプル中でみ出し試験の評価が最も悪いものをサンプルの評価としていたが、実施例のように繋ぎ位置角αを45°に設定した場合、3サンプル中ではみ出し試験の評価が最も悪いものをサンプルの評価としたにも関わらず、比較例よりも優れた評価とすることができた。
[繋ぎ位置角αによる評価結果]
次に、サンプルAを使用し、繋ぎ位置角αによる評価結果について検証した。はみ出し試験の評価は、前述の実施例と同様とした。巻き芯固定治具は、図5(A)及び図5(B)に示すような巻き芯固定治具において、嵌合部50の貫通穴方向の長さ50aが8mm、挟持部60の貫通穴方向の長さ60aが15mmであるMCナイロン(商標)製のものを使用した。また、固定棒は、図7に示すような固定棒において、断面形状が正八角形でアルミニウム(A5056)のものを使用した。
巻き芯固定治具を用いて固定棒に計8サンプルのサンプルAを繋ぎ位置角αが45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、360°の順に固定し、1回目のはみ出し試験を行った。2回目のはみ出し試験は、1回目と逆の順にサンプルAを繋ぎ位置角αが360°、315°、270°、225°、180°、135°、90°、45°の順に固定棒に固定して行った。表3に、繋ぎ位置角αによる評価結果を示す。
Figure 2017137188
表3に示すように、繋ぎ位置角αが45°〜180°の場合の方が、225°〜360°の場合よりも評価が良好な傾向にあった。すなわち、繋ぎ位置角を45°〜180°又は225°〜360°に設定することにより、はみ出し試験のレベルを調整可能であることが分かった。
1 フィルム巻装体、2 接着フィルム、3 剥離フィルム、4 リール、5 巻き芯、6 フランジ、10 固定棒、20 分銅、31 繋ぎ部、32 引き出し部、41 接続フィルム、42 繋ぎテープ、50 嵌合部、51 貫通穴、52 凸部、53 逃げ穴、60 挟持部、61 挿入部、70 固定棒

Claims (8)

  1. 剥離基材上に接着剤層が設けられた長尺フィルムが巻き芯に巻回されたフィルム巻装体のはみ出し試験方法において、
    巻き芯と長尺フィルムとが繋がれた巻き芯外周の繋ぎ部の位置を固定するとともに、フィルム巻装体から引き出した長尺フィルムの端部に荷重を与える負荷工程と、
    前記負荷工程後のフィルム巻装体側面からの接着剤層のはみ出し量に基づき、はみ出しの良否を判定する判定工程とを有し、
    前記負荷工程では、前記巻き芯の中心を始点として長尺フィルムが引き出されたフィルム巻装体の引き出し部を通る第1の半直線と、前記巻き芯の中心を始点として前記繋ぎ部を通る第2の半直線とがなす角を固定するフィルム巻装体のはみ出し試験方法。
  2. 前記負荷工程では、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす、長尺フィルムの巻き数の少ない方の角を、45°〜180°の範囲に固定する請求項1記載のフィルム巻装体のはみ出し試験方法。
  3. 前記負荷工程では、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす、長尺フィルムの巻き数の少ない方の角を、225°〜360°の範囲に固定する請求項1記載のフィルム巻装体のはみ出し試験方法。
  4. 前記判定工程では、フィルム巻装体の巻き芯外周の繋ぎ部から半径方向の接着剤層のはみ出し量に基づき、はみ出しの良否を判定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフィルム巻装体のはみ出し試験方法。
  5. 前記負荷工程では、巻き芯の回転軸の軸穴に嵌合される嵌合部と、巻き芯の回転軸と同じ軸を有し、断面形状が正多角形である貫通穴とを備える巻き芯固定治具を用い、前記巻き芯の回転軸の軸穴に、前記嵌合部を嵌合するとともに、前記貫通穴に、該貫通穴と同じ断面形状の固定棒を挿入し、前記巻き芯外周の繋ぎ部の位置を固定する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフィルム巻装体のはみ出し試験方法。
  6. 前記負荷工程では、前記嵌合部が挿入され、巻き芯を挟む挟持部をさらに備える巻き芯固定治具を用い、複数のフィルム巻装体の巻き芯外周の繋ぎ部の位置を固定する請求項5記載のフィルム巻装体のはみ出し試験方法。
  7. 巻き芯の回転軸の軸穴に嵌合される嵌合部と、
    巻き芯の回転軸と同じ中心軸を有し、断面形状が正多角形である貫通穴と
    を備える巻き芯固定治具。
  8. 前記嵌合部が挿入され、巻き芯を挟む挟持部をさらに備える請求項7記載の巻き芯固定治具。
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