JP2017137010A - 臭気監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和装置が設置された環境内において、空気調和装置由来の臭気と空気調和装置以外の当該環境内の要因に由来する臭気の両方を合わせた強さについて、最小限のセンサでもって総合的に監視することができる臭気監視システムを提供する。【解決手段】臭気監視システムにおいて、空気調和装置10の吹出口2bの風下に設けられ、吹出口2bから吹き出された空気中の揮発性有機化合物量を検出するセンサ30と、センサ30の検出結果を表示する表示部40と、を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、臭気監視システムに関するものである。
従来、室内ファンにより吸込ダクトから吸い込まれた車内の空気が脱臭フィルタを通って室内熱交換器に至り、冷却又は加熱された後、室内ファンに吸い込まれて吐出ダクトから車内に吐出する車両用空気調和装置において、脱臭フィルタの吸込口手前側に取り付けた臭度センサにより香り発生装置を制御するとともに、脱臭フィルタの後に取り付けた臭度センサとの臭度差から、脱臭フィルタの交換時期を判断するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平04−108063号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来における臭気監視システムにおいては、車両内における臭気のうち、車両用空気調和装置より上流側、すなわち、車両へ乗車した乗客由来の臭気及び車両ドアの開閉により侵入してくる車両外の臭気等については臭度センサにより検出することができるものの、車両用空気調和装置の内部で発生する臭気については検出できない。したがって、(車両用)空気調和装置が設置された環境内において、空気調和装置由来の臭気と空気調和装置以外の当該環境内の要因に由来する臭気の両方を合わせた強さについて、最小限のセンサでもって総合的に監視することができない。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、空気調和装置が設置された環境内において、空気調和装置由来の臭気と空気調和装置以外の当該環境内の要因に由来する臭気の両方を合わせた強さについて、最小限のセンサでもって総合的に監視することができる臭気監視システムを得るものである。
この発明に係る臭気監視システムにおいては、空気調和装置の吹出口の風下に設けられ、前記吹出口から吹き出された空気中の揮発性有機化合物量を検出するセンサと、前記センサの検出結果を表示する表示部と、を備えた構成とする。
この発明に係る臭気監視システムにおいては、空気調和装置が設置された環境内において、空気調和装置由来の臭気と空気調和装置以外の当該環境内の要因に由来する臭気の両方を合わせた強さについて、最小限のセンサでもって総合的に監視することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムが適用された車両の側面の概略透視図である。 図1のA−A概略断面図である。 この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムが適用された車両に設けられた車両用空気調和装置の上面図である。 図3のB−B断面図の一部である。 この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムの全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムが備える表示部に表示される内容の一例を示す図である。
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図6は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は臭気監視システムが適用された車両の側面の概略透視図、図2は図1のA−A概略断面図、図3は臭気監視システムが適用された車両に設けられた車両用空気調和装置の上面図、図4は図3のB−B断面図の一部、図5は臭気監視システムの全体構成を示すブロック図、図6は臭気監視システムが備える表示部に表示される内容の一例を示す図である。
なお、以下の説明において、車両1の長さ方向とは図1、図3の左右方向に相当し、車両1の幅方向とは図2、図4の左右方向及び図3の上下方向に相当するものとする。
図1に示すように、車両1の上方側の外部すなわち車両1の屋根上には、車両用空気調和装置10が設置されている。車両用空気調和装置10は、車両1内の空気調和を行う。車両用空気調和装置10は、車両1の幅方向中央部に配置されている。
車両1の天井2には、図2に示すように、天井吸気口2a及び天井排気口2bが形成されている。天井吸気口2aは、車両1内から車両用空気調和装置10へと吸気するための開口である。天井排気口2bは、車両用空気調和装置10から車両1内へと排気するための開口である。つまり、天井排気口2bは車両用空気調和装置10の吹出口である。
天井吸気口2aは、車両1の幅方向の両端側であって長さ方向の中央寄りの位置にそれぞれ配置されている。それぞれの天井吸気口2aは、車両1の長さ方向に延びるようにして形成される。また、天井排気口2bは、車両1の長さ方向及び幅方向の中央部に配置されている。そして、天井排気口2bは、幅方向に間隔を空けてここでは2箇所に形成されている。
図1及び図2に示すように、車両1の内部の上側には、化粧パネル3が取り付けられている。化粧パネル3は、車両1の天井2から下方に一定距離だけ離れて配置されている。天井吸気口2a及び天井排気口2bは、化粧パネル3の影に隠れて乗客からは見えない位置に配置されている。
化粧パネル3には、車内吸気口3a、車内排気口3b及び車内補助排気口3cが形成されている。車内吸気口3aは、天井吸気口2aに通じている。すなわち、化粧パネル3と天井2との間には、車内吸気口3aから天井吸気口2aへと至る吸気風路が形成されている。また、車内排気口3b及び車内補助排気口3cは、それぞれが天井排気口2bに通じている。すなわち、化粧パネル3と天井2との間には、天井排気口2bから車内排気口3b及び車内補助排気口3cのそれぞれへと至る排気風路が形成されている。
車内吸気口3aは、例えば、車両1の幅方向の両端部のそれぞれに対となって形成される。それぞれの車内吸気口3aは、天井吸気口2aよりも車両1の幅方向の端部側に配置されている。また、車内吸気口3aは、例えば、車両1の長さ方向の2箇所に配置されている。したがって、ここでは車内吸気口3aは、計4箇所に形成されている。
また、車内排気口3bは、例えば、車両1の幅方向の中央部において、車両1の長さ方向に間隔を空けて複数形成される。さらに、車内補助排気口3cは、例えば、車両1の長さ方向に延びるようにして車内排気口3bの車両幅方向の両側の2箇所に形成されている。
車両用空気調和装置10は、図2の矢印に示すように、車両1内の空気を車内吸気口3a及び天井吸気口2aを介して吸気する。そして、車両用空気調和装置10は、図3の矢印に示すように、吸気した空気を天井排気口2b、車内排気口3b及び車内補助排気口3cを介して車両1内へと吹き出すようになっている。すなわち、車内排気口3b及び車内補助排気口3cは、化粧パネル3に形成された車内吹出口である。車両用空気調和装置10は、このようにして車両1内の空気を循環させながら車両1内の空気調和を行う。
車内吸気口3aから天井吸気口2aに至る風路すなわち吸気風路の内部には、空気調和装置用の除塵装置20が設置されている。除塵装置20は、車両用空気調和装置10の吸込口(天井吸気口2a)に入る空気から塵埃を濾過して捕集し、清浄な空気を車両用空気調和装置10に供給するためのものである。
また、化粧パネル3の天井2側には車両用空気調和装置10の制御装置(図示せず)が配置されている。制御装置は、例えばマイコンで構成されている。制御装置は、車両用空気調和装置10全体を制御するとともに、除塵装置20の駆動制御も行う。制御装置は、例えば、車両用空気調和装置10の稼動時間を計時して稼動積算時間を保持する計時部と、除塵装置20の除塵フィルタの巻き取り動作回数を検知して計数するカウンタとを有している。
さらに図3及び図4も参照しながら、車両用空気調和装置10の構成について詳しく説明する。図3は車両の上からみた車両用空気調和装置10の構成の上面図、図4は図3のB−B断面図で、車両用空気調和装置10及びその風路の要部を示している。これらの図3及び図4に示すように、車両用空気調和装置10は、室内熱交換器13及び室外熱交換器14の2つの熱交換器と、室内送風機15及び室外送風機16の2つの送風機とを備えている。
室内熱交換器13と室内送風機15とは1つにまとまって配置される。また、室外熱交換器14及び室外送風機16も1つにまとまって配置される。室内熱交換器13及び室内送風機15のまとまりと、室外熱交換器14及び室外送風機16のまとまりとは、車両1の長さ方向に並んで配置される。
室内送風機15は車両1の幅方向の中央に配置される。室内熱交換器13は、室内送風機15より車両1の幅方向の端側に隣接してそれぞれ1つずつ配置される。また、室外送風機16は車両1の幅方向の中央に配置される。室外熱交換器14は、車両1の幅方向の端部寄りにそれぞれ1つずつ配置される。
室内熱交換器13と室外熱交換器14とは、冷媒が封入された冷媒配管により循環的に接続される。室内熱交換器13と室外熱交換器14とが冷媒配管により循環的に接続されることで、1つの冷媒回路が形成されている。この冷媒回路には、図示を省略する、例えば、圧縮機、凝縮器、絞り装置及び蒸発器等の各種機器も備えられており、これらの機器も冷媒配管で接続されている。
室内熱交換器13は、室内の空気ここでは車両1の内部の空気と冷媒回路内の冷媒との間で熱交換させるためのものである。また、室外熱交換器14は、室外の空気ここでは車両1の外部の空気と冷媒回路内の冷媒との間で熱交換させるためのものである。
室内送風機15は、車両1の内部の空気を室内熱交換器13の周囲へと取り込み、室内熱交換器13において熱交換した後の空気を再び車両1の内部へと送り出す気流を発生させるためのものである。また、室外送風機16は、車両1の外部の空気を室外熱交換器14の周囲へと取り込み、室外熱交換器14において熱交換した後の空気を再び車両1の外部へと送り出す気流を発生させるためのものである。
図2及び図4に示すように、車両用空気調和装置10の吹出口である天井排気口2bの風下には、臭気センサ30が設けられている。臭気センサ30は、ここでは例えば、車内排気口3bと天井排気口2bとの間の風路中、すなわち排気風路中に配置されている。
臭気センサ30は、空気中に存在するガス状物質の量を検出するものである。このようなガス状物質としては、例えば、建材から発生する揮発性の有機化合物(VOC)、人から発生した脂肪酸、微生物が代謝の際に発生する揮発性の有機化合物(VOC)等が挙げられる。また、臭気センサ30が検出するガス状物質に、生活の中で発生し、アルデヒド基、アルコール基を有する化合物(芳香族脂肪酸、アミン類等)も含まれるようにしてもよい。
このようにして設けられた臭気センサ30は、前述したような、車両用空気調和装置10の室内送風機15から吹き出す空気中の臭気(VOC量)を測定できる位置に配置されている。すなわち、臭気センサ30は、車両用空気調和装置10の吹出口である天井排気口2bから吹き出された空気中の少なくとも揮発性有機化合物の量又は濃度を検出する。
次に図5を参照しながらこの発明の実施の形態1に係る臭気監視システムの説明を続ける。この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムが適用される対象は、ここでは例えば、以上のように構成された車両1が複数連結されて、1つの列車をなしている。そして、臭気センサ30(及び車両用空気調和装置10)は、1つの列車をなす複数の車両1のそれぞれに設けられている。
図5に示すように、この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムは、表示部40を備えている。表示部40は、臭気センサ30の検出結果を表示するためのものである。表示部40は、例えば表示装置50に設けられる。
表示部40を含む表示装置50は、例えば、車両1を運転するための運転台に設けられている。他に例えば、表示部40を含む表示装置50は、車両1を含む列車の運行を管理する車両基地内の例えば運行管理センター又は運転指令所等に設けられている。又は、表示装置50は移動携帯端末であってもよい。すなわち、表示部40は、移動携帯端末に設けられていてもよい。ここで、移動携帯端末は、具体的に例えば、スマートフォン等の携帯電話機、タブレットPC、又は、持ち運び可能な専用端末等である。
各車両1に設けられた臭気センサ30のそれぞれには、送信部31が設けられている。送信部31は、それぞれの臭気センサ30の検出結果を送信する。それぞれ送信部31から送信された各臭気センサ30の検出結果は、表示装置50が備える受信部51により受信される。各送信部31と受信部51との間でなされる通信の方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
表示装置50には、表示制御部52が備えられている。表示制御部52は、表示部40の表示内容を制御する。表示部40には、臭気センサ30の検出結果の他に、必要に応じて例えば車両1が含まれる列車の運行情報を表示するようにしてもよい。列車の運行情報を表示部40に表示する場合、運行情報取得部53が設けられる。運行情報取得部53は、臭気監視システム外部の例えば運行管理サーバ等から、表示部40の表示に必要な列車の運行情報を取得する。
この図5では、運行情報取得部53を表示装置50に設けるようにしているが、運行情報取得部53は表示装置50の外部に設けるようにしてもよい。運行情報取得部53は表示装置50の外部に設ける場合、例えば、表示装置50では、受信部51を介して運行情報取得部53により取得された車両1(列車)の運行情報を受信するようにすればよい。
また、複数の車両1のそれぞれに臭気センサ30が設けられている場合、すなわち、1つの列車に複数の臭気センサ30が設けられている場合、表示部40は、複数の臭気センサ30の検出結果と、それぞれの臭気センサ30が設けられた車両1が列車をなす複数の車両1のうちのどれであるかを特定する情報とを表示するようにしてもよい。複数の車両1のうちのどれであるかを特定する情報とは、具体的に例えば、車両1の号車番号等である。
この場合、それぞれの送信部31から臭気センサ30の検出結果を送信する際に、当該臭気センサ30が設けられている車両1の号車番号の情報を付加した上で、送信部31から受信部51へと情報が送信される。
そして、表示制御部52は、これらの受信部51により受信した臭気センサ30の検出結果及び号車番号、並びに、運行情報取得部53により取得した列車の運行情報等を表示部40に表示させるように制御を行う。この際、表示制御部52は、例えば、臭気センサ30の検出結果を後述する臭気強度表示法による指標値への換算等を行う。
図6に示すのは、このようにして表示部40に表示される画面内容の一例である。この図6に示す例では、表示部40はモニタ41を備えている。そして、表示部40は、このモニタ41に情報を表示する。この例では、モニタ41の表示領域は、列車情報表示部42、臭気情報表示部43及び測定表示部44の複数(ここでは3つ)の領域に区分されている。
列車情報表示部42は、臭気監視の対象となる列車の情報を表示する領域である。具体的に例えば、列車情報表示部42には、当該列車の編成、状態(走行中、駅停車中、車両基地待機中等)、運転中の路線及び前回の洗浄日等が表示される。
臭気情報表示部43は、臭気監視の対象となる列車を構成する各車両1における臭気センサ30の検出結果を表示する領域である。臭気情報表示部43における表示は、6段階臭気強度表示法、快・不快度表示法、臭気指数表示法等の周知の方法を用いることができる。また、それぞれの車両1について色別表示をすることにより視覚的に判別しやすくしてもよい。この色別表示は、例えば、臭気が少ない場合は青、若干の臭気を検出した場合は黄、強い臭気を検出した場合は赤等とすることが考えられる。また、この際の色別判断について、前述した6段階臭気強度表示法等の周知の表示法を用いて、例えば6段階臭気強度表示法の0と1が青、2と3が黄、4と5が赤等としてもよい。このような表示により、表示部40を見た人が、臭気が強い車両1を容易に認識することができる。
測定表示部44は、臭気監視の対象となる列車を構成する車両1のうちから選択された号車番号の車両1の臭気センサ30の検出結果を詳細に表示する領域である。測定表示部44には、例えば、表示を選択した車両1の号車番号、当該車両1の温度及び湿度の測定値、並びに、臭気センサ30の検出結果に基づく臭気強度が表示される。測定表示部44で表示する車両1の選択は、例えば、モニタ41をタッチパネルにし、臭気情報表示部43に表示されている号車をタッチすることにより行うことができるようにすることが考えられる。
以上のように構成された臭気監視システムにおいて、車両用空気調和装置10が稼動すると、図4に示すように、車両1の内部の空気は、車内吸気口3aから取り込まれ、まず、除塵装置20を通過する。除塵装置20において塵埃を取り除かれて清浄化された空気は、天井吸気口2aから車両用空気調和装置10の内部へと入る。車両用空気調和装置10の内部においては、まず、室内熱交換器13を通過して冷媒との熱交換が行われる。熱交換後の空気は、室内送風機15を通過して室内送風機15の吹出口及び天井排気口2bから吹き出される。室内送風機15の吹出口から吹き出された空気は、天井排気口2bから排気風路を通って車内排気口3b及び車内補助排気口3cから車両1の内部へと戻される。
ここで、車両1中の異臭の発生は、車両1へ乗車した乗客由来の臭気、車両ドアの開閉により侵入してくる車両1外の臭気、車両用空気調和装置10内部で発生する臭気等の複数の要因が考えられる。
ここで、車両用空気調和装置10の内部で臭気が発生するのは、主に次のような事情がある。すなわち、車両用空気調和装置10は、車両1の屋根の上部に設置されており、冷房運転を行うと内部にドレン水が発生する。通常、ドレン水は排水口から排出されるが一部が残り、空気調和装置内部に堆積した埃、ゴミ等に付着してカビ及び雑菌の温床となる。そして、このカビ及び雑菌が異臭を発する。また、カビ及び雑菌が発する異臭のほか、内部に堆積した埃、ゴミ等に吸着された溶剤から再放出される溶剤臭も異臭の原因となる。そして、これらの臭気が車両用空気調和装置10の吹出口から車両1内に吹出され乗客に不快感を与える。
したがって、車両1中の異臭については、乗客由来の臭気、車両1外の臭気及び車両用空気調和装置10の内部で発生した臭気等の複数の要因を総合して検出及び監視する必要がある。
この発明の実施の形態1に係る臭気監視システムによれば、臭気センサ30は天井排気口2bより下流側の排気風路内に配置されているため、車両用空気調和装置10の室内送風機15から排出された空気中の臭気の強さ(揮発性有機化合物量等)を臭気センサ30により検出することができる。すなわち、前述した車両1内での異臭を発生させる複数の要因について総合して検出することができる。
この臭気センサ30の検出結果は表示装置50の表示部40に表示される。表示部40においては、列車を構成する各車両1の臭気センサ30の検出結果を一覧して確認することができる。そして、例えば、営業運転開始時に車両用空気調和装置10の試運転を行うことで車両用空気調和装置10から臭気の発生状況が分かり、営業運転開始前に車両ドアを開ける等の臭気を排気する暫定対策を講じることができる。
また、前述したように、車両1内での臭気は人由来でも発生することが知られている。このため、根本的な対策を講じるためには、臭気が乗客による一時的なものであるか、車両用空気調和装置10で発生しているものであるかを判別する必要がある。そこで、例えば、回送運転時等の車両1内に乗客がいない場合に車両用空気調和装置10を運転して臭気を測定することで判別してもよい。又は、表示装置50に例えばメモリ(記憶手段)とカウンタ機能とを設けて臭気の発生頻度又は時間等を測定し、測定した発生頻度又は時間を予め設定された基準値と比較することで、判別してもよい。
そして、臭気の原因が車両用空気調和装置10にあると判断した場合に、臭気の原因が車両用空気調和装置10にあると判断した車両1の号車番号を表示部40に表示するようにしてもよい。このようにすることで、車両用空気調和装置10の洗浄が必要な状態である車両1について洗浄時期を知らせることができる。これにより、監視の結果として臭気が発生している車両1を認識することができ、洗浄が必要な車両1及び車両用空気調和装置10を適切かつ確実に選択して効率的に洗浄することが可能である。
そして、車両用空気調和装置10の内部の汚れ(埃、ゴミ、残留ドレン水等)を除去することで、汚れとともに臭気の原因となっていたカビ、雑菌及び溶剤等を車両用空気調和装置10の内部から除去することができ、車両用空気調和装置10の内部で発生する臭気の強さを大きく低下させることができる。すなわち、臭気の原因が車両用空気調和装置10にある場合に根本的な対処を行うことが可能である。
このように、以上の構成を備えた臭気監視システムによれば、空気調和装置(車両用空気調和装置10)が設置された環境内において、空気調和装置由来の臭気と空気調和装置以外の当該環境の要因に由来する臭気の両方を合わせた強さについて、最小限のセンサでもって総合的に監視することができる。したがって、車両1の乗客からの申告に頼ることなく、車両1での異臭の発生を監視することが可能である。
また、空気調和装置が車両の屋根上に設置された車両用空気調和装置10である場合に、臭気センサ30を車内排気口3bと天井排気口2bとの間の排気風路中に配置することで、臭気を監視するための臭気センサ30を、車両1内の乗客の目につかず、かつ、空気調和装置由来の臭気と空気調和装置以外の車両環境の要因に由来する臭気の両方を合わせた強さを検出可能なように設けることができる。
また、臭気センサ30の検出結果を表示する表示部40を、車両1を運転するための運転台、又は、車両1の運行を管理する車両基地内に設けることで、例えば、車両1の運転手、指令員等が、常時、車両1の臭気の検出結果を確認し、監視することができる。又は、臭気センサ30の検出結果を表示する表示部40を、移動携帯端末に設けることで、例えば、車両1の保守作業員が、保守作業を行う現地で車両1の臭気の検出結果を確認することができる。
また、従来では、異臭の発生が主に乗客からの申告により判明するため、異臭の発生が判明した場合に、この異臭が発生した車両番号等は不明であることが多い。このため、該当する可能性のある車両用空気調和装置10を順次洗浄する必要がある。さらに車両1の屋根上に設置された車両用空気調和装置10の汚れを除去する洗浄には手間がかかる。
これに対し、列車を組成する複数の車両1のそれぞれに臭気センサ30を設けた上で、複数の臭気センサ30の検出結果と、各臭気センサ30が設けられた車両1が列車を組成する複数の車両1のうちのどれであるかを特定する情報(号車番号等)とを表示部40に表示することで、常時、各編成の車両単位で臭気の発生状況を把握することができ、メンテナンスが必要な車両1を抽出して適切な頻度で効率的に洗浄等の対応を行うことが可能である。
なお、この実施の形態1で説明した車両用空気調和装置10とは、例えば暖房や冷房等の温度調節を行うもの、あるいは、除湿を行うものに加え、単に空気を循環させる送風機等の空気循環機も含むものとする。
また、以上においては、車両用空気調和装置10を備えた車両1に臭気監視システムを適用する例について説明した。しかし、この発明に係る臭気監視システムの適用対象はこれに限られず、他に例えば、空気調和装置が設置された建物等であってもよい。
1 車両
2 天井
2a 天井吸気口
2b 天井排気口
3 化粧パネル
3a 車内吸気口
3b 車内排気口
3c 車内補助排気口
10 車両用空気調和装置
13 室内熱交換器
14 室外熱交換器
15 室内送風機
16 室外送風機
20 除塵装置
30 臭気センサ
31 送信部
40 表示部
41 モニタ
42 列車情報表示部
43 臭気情報表示部
44 測定表示部
50 表示装置
51 受信部
52 表示制御部
53 運行情報取得部

Claims (6)

  1. 空気調和装置の吹出口の風下に設けられ、前記吹出口から吹き出された空気中の揮発性有機化合物量を検出するセンサと、
    前記センサの検出結果を表示する表示部と、を備えた臭気監視システム。
  2. 前記空気調和装置は、車両の屋根上に設置され、
    前記吹出口は、前記車両の天井に形成され、
    前記センサは、前記天井の下方に設けられた化粧パネルに形成された車内吹出口と前記吹出口との間の風路中に配置された請求項1に記載の臭気監視システム。
  3. 前記表示部は、前記車両を運転するための運転台に設けられた請求項2に記載の臭気監視システム。
  4. 前記表示部は、前記車両の運行を管理する車両基地内に設けられた請求項2に記載の臭気監視システム。
  5. 前記表示部は、移動携帯端末に設けられた請求項2に記載の臭気監視システム。
  6. 前記センサは、1つの列車をなす複数の前記車両のそれぞれに設けられ、
    前記表示部は、複数の前記センサの検出結果と、それぞれの前記センサが設けられた前記車両が前記列車をなす複数の前記車両のうちのどれであるかを特定する情報とを表示する請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の臭気監視システム。
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