ところで、スプレー式加熱処理装置10による殺菌や滅菌の対象とされる製品Pには、被収容物を入れる上端開口を有する容器本体Paであって、被収容物を収容した容器本体Paと、容器本体Paの上端に貼り付けられ、容器本体Paの上端開口を閉じたシート状の蓋Pbとを備えたものがある。
しかし、この種の製品Pは、容器本体Paの上端に蓋Pbが貼り付けられているため、スプレー式加熱処理装置10によって殺菌や滅菌されると、蓋Pbが容器本体Paから剥がれ、製品Pの密封性が損なわれることがある。
具体的に説明すると、図14に示す如く、スプレー式加熱処理装置10において、スプレーノズル13は、噴射口130の噴射中心CLが製品Pの上端又は上端近傍を通るように配置されるため、噴射中心CL及びその周辺を通る流体Lが製品Pの上端部の側面(容器本体Paと蓋Pbとの間や蓋Pb)に当ることがある。
スプレーノズル13(噴射口130)から噴射される流体Lの噴射範囲は、噴射口130から遠ざかるに連れて広がる傾向にあるが、噴射口130の噴射中心CL及びその周辺において、流体Lの噴射圧及び流体Lの集中度が高い。そのため、製品Pの上端部(上端部の側面)に当たった流体Lが蓋Pbの外周端部を捲り上げて容器本体Paから剥がしてしまうことがある。
そこで、本発明は、食品や医薬品等の被収容物を収容した容器本体の上端にシート状の蓋が貼り付けられた製品を対象に、容器本体から蓋が剥がれることなく製品の殺菌や滅菌を行うことのできるスプレー式加熱処理装置及びスプレー式加熱処理装置用トレーを提供することを課題とする。
本発明に係るスプレー式加熱処理装置は、被収容物を入れる上端開口を有する容器本体及び容器本体の上端に貼り付けられて容器本体の上端開口を閉じたシート状の蓋を備えた製品を載せるトレーと、トレーを収容する処理槽と、処理槽内に配置されたスプレーノズルであって、高温の流体を上下方向と交差する横方向に噴射させる噴射口を有し、噴射口からトレー上の製品の上端部に向けて流体を噴射させるスプレーノズルと、トレー上の製品とスプレーノズルとの間に配置される流体直進阻止体とを備え、流体直進阻止体は、スプレーノズル側の第一端及び製品側の第二端を有する流体ガイド面であって、第一端から第二端に向けて上り傾斜した流体ガイド面を有し、流体ガイド面は、スプレーノズルの噴射口の噴射中心の通る位置に設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、トレー上の製品とスプレーノズルとの間に配置される流体直進阻止体の流体ガイド面が、スプレーノズルの噴射口の噴射中心の通る位置に設けられているため、噴射口から広がりつつ噴射される流体のうち、少なくとも噴射中心及びその周辺にある流体が流体ガイド面に当たる。すなわち、スプレーノズルの噴射口から広がりつつ噴射される流体のうち、噴射圧及び集中度の高い領域にある流体が流体直進阻止体の流体ガイド面に当たる。
流体ガイド面は、スプレーノズル側の第一端から製品側の第二端に向けて上り傾斜しているため、流体ガイド面に当たった流体は、流体ガイド面に沿って製品側に移動する。
流体ガイド面に沿って製品側に移動する流体は、最終的に流体ガイド面から製品側に飛び出すが、流体ガイド面から製品側に飛び出した流体は、製品の上端部の側面(製品の蓋や、蓋と容器本体との間)に直接当たることがなく製品上に落下し、製品全体を加熱する。
従って、上記構成のスプレー式加熱処理装置は、容器本体から蓋を剥がすことなく、製品の殺菌或いは滅菌を可能とする。
本発明の一態様として、トレー、スプレーノズル、及び流体直進阻止体のそれぞれを複数備え、複数のトレーのそれぞれは、製品を載せた状態で上下方向に重ね合わせ可能に構成され、複数のスプレーノズルは、トレーに載せられた製品の上端部と対応した位置に自身の噴射口の噴射中心が通るように、重ね合わされた複数のトレーの配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置され、複数の流体直進阻止体は、スプレーノズルの噴射口の噴射中心の通る位置に自身の流体ガイド面が位置するように、複数のスプレーノズルの配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置されることが好ましい。
このようにすれば、トレー、スプレーノズル、及び流体直進阻止体のそれぞれが複数設けられることになるが、複数のトレー、複数のスプレーノズル、及び複数の流体直進阻止体は、それぞれ対応付けられて配置される。従って、トレーの数に応じた複数の製品に対し、容器本体から蓋を剥がすことなく、殺菌或いは滅菌を行うことができる。
この場合、複数のトレーのそれぞれは、上側に重ねられる別のトレーを受ける上端を有する支持部であって、対応するスプレーノズルの噴射口の噴射中心の通る位置にある流体ガイド面の第二端よりも高い位置に上端がある支持部を備え、複数のスプレーノズルのそれぞれは、対応するトレーの支持部を避けた位置に自身の噴射口の噴射中心が通るように配置されることが好ましい。
このようにすれば、スプレーノズルの噴射口から噴射された流体がトレー(支持部)に当たることを抑えることができ、より多くの流体を製品側に送ることができる。
この場合、流体直進阻止体の流体ガイド面は、当該流体ガイド面に沿って第一端から第二端側に向けて延びる仮想の延長線が、当該流体直進阻止体と対応関係にあるトレーに対して上側で重なるトレーの下面に到達するように形成されることが好ましい。
このようにすれば、スプレーノズルの噴射口から噴射した流体が流体ガイド面に沿って移動し、流体ガイド面から製品側に勢いよく飛び出したとしても、該流体は、上側に重ねられたトレーの下面に当り、下側のトレーに載った製品上に落ちる。これにより、スプレーノズルの噴射口から噴射させた流体の多くが製品に触れることになり、製品を殺菌や滅菌を効率的に行うことができる。
トレーは、製品を載置する底板と、底板の外周から起立した周壁であって、製品の高さ以下の高さを有する部分及び製品の高さよりも高い高さを有する部分を含む周壁とを備え、支持部は、周壁における製品の高さよりも高い高さを有する部分で構成され、流体直進阻止体は、周壁における製品の高さ以下の高さを有する部分に対応して設けられることが好ましい。
このようにすれば、複数のトレーが重ね合わされた状態で、上下で隣り合うトレーのうち、上側のトレーが下側のトレーにおける周壁の製品の高さよりも高い高さを有する部分(支持部)に支持されるため、下側のトレーの底板に載置された製品と上側のトレーとの間に隙間ができる。
従って、これらの隙間に向けてスプレーノズルが流体を噴射することで、流体が隙間を通って製品上に落ちることになる。このように隙間に向かって流体が噴射されるが、流体直進阻止体は、周壁における製品の高さ以下の高さを有する部分に対応して設けられるため、スプレーノズルの噴射口の噴射中心及びその周辺の領域にある流体は、トレー(底板)に載置された製品の上端部の側面に直接あたることがなく、蓋が容器本体から剥がされることが防止される。
流体直進阻止体は、トレーに接続されていることが好ましい。このようにすれば、トレーと流体直進阻止体との位置関係が一定になる。その結果、トレーに載せられた製品と流体直進阻止体との位置関係も一定になる。これに伴い、トレーが処理槽内で一定位置に位置決めされることで、製品、トレー、スプレーノズル、流体直進阻止体の相互の位置関係が一定となる。従って、これらの位置調整を行う必用がなくなり、製品の殺菌或いは滅菌を行う作業の効率化が図られる。
本発明に係るスプレー式加熱処理装置用トレーは、被収容物を入れる上端開口を有する容器本体及び容器本体の上端に貼り付けられて容器本体の上端開口を閉じたシート状の蓋を備えた製品を載置する底板と、処理槽内に配置された状態で、該処理槽内に配置されたスプレーノズルであって、高温の流体を上下方向と交差する横方向に噴射させる噴射口を有し且つ噴射口から底板上の製品の上端部に向けて流体を噴射させるスプレーノズルと底板上の製品との間に位置する流体直進阻止体とを備え、流体直進阻止体は、スプレーノズル側の第一端及び製品側の第二端を有する流体ガイド面であって、第一端から第二端に向けて上り傾斜した流体ガイド面を有し、流体ガイド面は、スプレーノズルの噴射口の噴射中心の通る位置に設けられていることを特徴とする。
上記構成のスプレー式加熱処理装置用トレーによれば、処理槽内に配置された状態で、流体直進阻止体が底板上の製品と処理槽内に設けられたスプレーノズルとの間に配置される。すなわち、流体直進阻止体は、処理槽内でスプレーノズルの噴射口の前方に配置される。そして、流体直進阻止体の流体ガイド面が、スプレーノズルの噴射口の噴射中心の通る位置に設けられているため、噴射口から広がりつつ噴射される流体のうち、少なくとも噴射中心及びその周辺にある流体が流体ガイド面に当たる。すなわち、スプレーノズルの噴射口から広がりつつ噴射される流体のうち、噴射圧及び集中度の高い領域にある流体が流体直進阻止体の流体ガイド面に当たる。
流体ガイド面は、スプレーノズル側の第一端から製品側の第二端に向けて上り傾斜しているため、流体ガイド面に当たった流体は、流体ガイド面に沿って製品側に移動する。
流体ガイド面に沿って製品側に移動する流体は、最終的に流体ガイド面から製品側に飛び出すが、流体ガイド面から製品側に飛び出した流体は、製品の上端部の側面(製品の蓋や、蓋と容器本体との間)に直接当たることがなく製品上に落下し、製品全体を加熱する。
従って、上記構成のスプレー式加熱処理装置用トレーは、容器本体から蓋を剥がすことなく、製品の殺菌或いは滅菌を可能とする。
本発明に係るスプレー式加熱処理装置用トレーの一態様として、上側に重ねられる別のトレーを受ける上端を有する支持部であって、流体ガイド面の第二端よりも高い位置に上端がある支持部を備えることが好ましい。
このようにすれば、支持部を避けた位置に自身の噴射口の噴射中心が通るようにスプレーノズルが配置されることで、スプレーノズルの噴射口から噴射された流体がトレー(支持部)に当たることを抑えることができ、より多くの流体を製品側に送ることができる。
この場合、流体直進阻止体の流体ガイド面は、当該流体ガイド面に沿って第一端から第二端側に向けて延びる仮想の延長線が、上側に重なるトレーの下面に到達するように形成されることが好ましい。
このようにすれば、スプレーノズルの噴射口から噴射した流体が流体ガイド面に沿って移動し、流体ガイド面から製品側に勢いよく飛び出したとしても、該流体は、上側に重ねられたトレーの下面に当り、下側のトレーに載った製品上に落ちる。これにより、スプレーノズルの噴射口から噴射させた流体の多くが製品に触れることになり、製品を殺菌や滅菌を効率的に行うことができる。また、複数のトレーのそれぞれに製品が載せられるため、一度の処理で多数の製品の殺菌或いは滅菌を行うことができる。
また、これらの場合、底板の外周から起立した周壁であって、製品の高さ以下の高さを有する部分及び製品の高さよりも高い高さを有する部分を含む周壁を備え、支持部は、周壁における製品の高さよりも高い高さを有する部分で構成され、流体直進阻止体は、周壁における製品の高さ以下の高さを有する部分に対応して設けられることが好ましい。
このようにすれば、複数のトレーが重ね合わされた状態で、上下で隣り合うトレーのうち、上側のトレーが下側のトレーにおける周壁の製品の高さよりも高い高さを有する部分(支持部)に支持されるため、下側のトレーの底板に載置された製品と上側のトレーとの間に隙間ができる。
従って、これらの隙間に向けてスプレーノズルが流体を噴射することで、流体が隙間を通って製品上に落ちることになる。このように隙間に向かって流体が噴射されるが、流体直進阻止体は、周壁における製品の高さ以下の高さを有する部分に対応して設けられるため、スプレーノズルの噴射口の噴射中心及びその周辺の領域にある流体は、トレー(底板)に載置された製品の上端部の側面に直接あたることがなく、蓋が容器本体から剥がされることが防止される。
以上のように、本発明に係るスプレー式加熱処理装置及びスプレー式加熱処理装置用トレーは、食品や医薬品等の被収容物を収容した容器本体の上端にシート状の蓋が貼り付けられた製品を対象に、容器本体から蓋が剥がれることなく製品の殺菌や滅菌を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置は、製品の殺菌や滅菌を行うためのものである。ここで、殺菌や滅菌の対象となる製品として、食品や医薬品等の被収容物を密閉袋に収容した製品の他、図1に示す如く、被収容物Fを入れる上端開口を有する容器本体Paであって、被収容物Fを収容した容器本体Paと、容器本体Paの上端に貼り付けられ、容器本体Paの上端開口を閉じたシート状の蓋Pbとを備えた製品Pが挙げられる。
本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置は、被収容物Fを収容した容器本体Paの上端にシート状の蓋Pbを貼り付けた製品Pに対して特有の効果を発揮するため、この製品Pを基準に以下の説明を行う。
図2乃至図4に示す如く、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、製品Pを載せるトレー2と、トレー2を収容する処理槽3と、処理槽3内に配置されたスプレーノズル4であって、高温の流体を上下方向と交差(本実施形態においては直交)する横方向に噴射させる噴射口40(図10参照)を有し、噴射口40からトレー2上の製品Pの上端部に向けて流体を噴射させるスプレーノズル4と、トレー2上の製品Pとスプレーノズル4との間に配置される流体直進阻止体5とを備える。
図5乃至図7に示す如く、トレー2は、製品Pを載置する底板200と、底板200の外周から起立した周壁201とを備える。すなわち、トレー2は、底板200と周壁201とを含むトレー本体20を備える。
底板200は、平面視矩形状に形成されている。すなわち、底板200の外形は、一方向に間隔をあけて配置される一対の第一辺と、一方向と直交する方向に間隔をあけて配置される一対の第二辺であって、それぞれが一対の第一辺に繋がる一対の第二辺とによって画定される。本実施形態において、第一辺及び第二辺は、同一の長さに設定され、底板200は、平面視正方形状に形成されている。
本実施形態において、底板200は、複数の製品Pをマトリックス状に(縦横に整列した状態で)配置できるサイズに設定される。これに伴い、本実施形態に係るトレー2は、底板200の上方に配置される位置決プレート22であって、複数の開口220…がマトリックス状に設けられた位置決プレート22を備える。位置決プレート22は、複数の開口220…のそれぞれに製品Pを嵌め込むことで、複数の製品Pを一定位置で位置決めする。
周壁201は、底板200上の製品Pの高さ以下の高さ(本実施形態においては、底板200上の製品Pの高さと同一の高さ)を有する部分202と底板200上の製品Pの高さよりも高い高さを有する部分203とを含む。
具体的に説明すると、周壁201は、底板200の外形を画定する一対の第一辺のそれぞれに沿って設けられた一対の第一側壁202と、底板200の外形を画定する一対の第二辺のそれぞれに沿って設けられた一対の第二側壁203とを備える。
一対の第一側壁202の両端は、一対の第二側壁203に接続されている。これにより、周壁201は、平面視矩形枠状に形成される。
周壁201(第一側壁202及び第二側壁203)は、金属プレートを曲げ加工したもので、図8及び図9に示す如く、上下方向に延びる第一リブ202a,203aと、第一リブ202a,203aの上端から外方に延出した第一延出部202b,203bと、第一リブ202a,203aの下端から外方に延出した第二延出部202c,203cとを備える。
本実施形態において、周壁201(第一側壁202及び第二側壁203)は、上記構成に加え、第二延出部202c,203cの先端から第一延出部202b,203bに向けて延出した第二リブ202d,203dを備える。
これにより、周壁201(第一側壁202及び第二側壁203)は、曲げ剛性及び捻り剛性が高められている。すなわち、周壁201は、トレー2(トレー本体20)のフレーム(骨組み)を構成する。
本実施形態において、第一側壁202は、底板200上の製品Pの高さ以下の高さ(本実施形態においては、底板200上の製品Pの高さと同一の高さ)を有する部分202であり、第二側壁203は、底板200上の製品Pの高さよりも高い高さを有する部分203である。第一側壁202及び第二側壁203の下端は同一平面レベルにある。これを前提に、第一側壁202の上下方向の高さが、第二側壁203の上下方向の高さよりも低く設定されている。これにより、第一側壁202の第一延出部202b(第一側壁202の上端)は、第二側壁203の第一延出部203b(第二側壁203の上端)よりも下方に配置される。
本実施形態において、図2及び図3に示す如く、スプレー式加熱処理装置1は、トレー2を複数備える。複数のトレー2は、製品Pを載せた状態で上下方向に重ね合わせ可能に構成される。これに伴い、複数のトレー2のそれぞれは、図5乃至図7に示す如く、上側に重ね合わされる別のトレー2を受ける上端を有する支持部21を備える。
支持部21の上端は、対応するスプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置にある後述する流体ガイド面52の第二端51よりも高い位置に配置される(図10参照)。
本実施形態では、上述の如く、周壁201は、底板200上の製品Pの高さ以下の高さを有する部分202と底板200上の製品Pの高さよりも高い高さを有する部分203とを含むため、周壁201における製品Pの高さよりも高い高さを有する部分203が支持部21を構成する。本実施形態において、第二側壁203の第一延出部203bは、第一側壁202の第一延出部202bよりも上方に位置するため、一対の第二側壁203が上側に重ねられるトレー2を支持する支持部21を構成し、一対の第二側壁203の第一延出部203bが支持部21の上端を構成する。
これに伴い、一対の第二側壁203のそれぞれの上端(第一延出部203b)は、流体直進阻止体5の頂上(流体ガイド面52の第二端51)よりも高い位置に配置される(図8参照)
図2及び図4に示す如く、処理槽3は、トレー2を収容可能に形成された槽本体30であって、トレー2を出し入れする開口部300を有する槽本体30と、開口部300を閉塞する蓋体31とを備える。本実施形態において、槽本体30は、上下方向と直交する横方向に延びる筒状の胴部301と、胴部301の横方向の一端を閉塞した閉塞部302とを有する。
本実施形態において、胴部301の横方向の他端が開放しており、この他端が槽本体30の開口部300を構成する。胴部301の径及び横方向の長さは、収容するトレー2のサイズ及び数に応じて設定される。本実施形態において、槽本体30(胴部301)は、複数のトレー2を重ね合わせたブロックB1,B2を二つ横並びに配置できるように、サイズ設定されている。
このように複数のトレー2を積み重ねたブロックB1,B2を、槽本体30内に収容するに伴い、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、図2及び図3に示す如く、ブロックB1,B2を槽本体30の開口部300から槽本体30の奥側に移送するための移送手段6を備える。移送手段6は、それぞれが回転自在に構成されたローラ60…であって、槽本体30の胴部301の延びる方向に間隔をあけて配置された複数のローラ60…を備える。
上記構成の処理槽3は、製品Pの殺菌或いは滅菌を行うに際し、蓋体31が槽本体30の開口部300を閉塞することで、トレー2を配置した領域を密閉状態にできるように構成される。
スプレーノズル4は、高温の流体(例えば、熱水、蒸気等)を供給する配管系7に接続される。スプレーノズル4は、図10に示す如く、トレー2に載せられた製品Pの上端部と対応した位置に自身の噴射口40の噴射中心CLが通るように配置される。なお、「製品Pの上端部と対応した位置」とは、製品Pの上端(上端部)と同一高さの位置に限らず、その周辺の位置も含まれる。本実施形態において、スプレーノズル4は、トレー2に載せられた製品Pの上端部に対して僅かに上方の位置に自身の噴射口40の噴射中心CLが通るように配置されている。そして、本実施形態において、トレー2の周壁201が支持部21(第二側壁203)を備えているため、スプレーノズル4は、トレー2の支持部21(第二側壁203)を避けた位置に自身の噴射口40の噴射中心CLが通るように配置される。
上述の如く、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、上下に重ね合わされる複数のトレー2を備えるため、これに伴って、スプレーノズル4も複数備える。複数のスプレーノズル4は、トレー2に載せられた製品Pの上端部と対応した位置に自身の噴射口40の噴射中心CLが通るように、重ね合わされた複数のトレー2の配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置される。本実施形態においては、複数のスプレーノズル4は、配管系7を構成する配管70であって、処理槽3内で上下方向に延びて一定位置に固定された共通(単一)の配管70に接続されることで、上下方向に間隔をあけた配置で維持している。
本実施形態において、トレー2の周囲の複数箇所(ここでは四箇所)から流体を噴射させるべく、図4に示す如く、トレー2の周囲の四箇所のそれぞれに配管70が配置され、各配管70に対してスプレーノズル4が接続される。
本実施形態において、上述の如く、処理槽3内に複数のトレー2を重ねたブロックB1,B2が収容されるため、図3及び図4に示す如く、各ブロックB1,B2の周囲に複数の配管70が配置され、各配管70にスプレーノズル4が接続される。
より具体的に説明すると、図4に示す如く、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1において、処理槽3内におけるブロックB1,B2の移動経路の両側位置であって、収納されるブロックB1,B2の配置位置(定位置)に対応した位置にスプレーノズル4の接続される配管70(配管系7の一部を構成する配管70)が起立状態で配置される。この配管70は、単一のブロックB1,B2に対し、該ブロックB1,B2の移動経路の両側に二つずつ設けられる。積み重ねられたトレー2の配置に対応するように、単一の配管70に対して複数のスプレーノズル4が接続される。
これにより、単一のブロックB1,B2の周囲の四箇所のそれぞれに向けて、複数のスプレーノズル4から流体が噴射される。
本実施形態において、流体直進阻止体5は、トレー2の底板200上の製品Pとスプレーノズル4との間に配置される。
流体直進阻止体5は、図8に示す如く、スプレーノズル4側の第一端50及び製品P側の第二端51を有する流体ガイド面52であって、第一端50から第二端51に向けて上り傾斜した流体ガイド面52を有する。
流体ガイド面52は、平面状に形成される。流体ガイド面52は、当該流体ガイド面52に沿って第一端50から第二端51側に向けて延びる仮想の延長線がトレー2上の製品Pの上端における外周を通る、或いは、前記仮想の延長線がトレー2上の製品Pの上端における外周の上方を通るように形成される。流体ガイド面52の第一端50は、製品Pの上端以下の高さにある位置に配置される。これに対し、流体ガイド面52の第二端51は、第一端50よりも高い位置にあることを前提に、製品Pの上端以上の高さにある位置に配置される。本実施形態において、周壁201の第一側壁202が、底板200上の製品Pの高さと同一の高さに設定されているため、流体ガイド面52の第一端50は、製品Pの上端と同一の高さの位置に配置され、流体ガイド面52の第二端51は、製品の上端より高い位置に配置される。
図10に示す如く、流体ガイド面52は、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられる。すなわち、スプレーノズル4及び流体直進阻止体5は、当該スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLと当該流体直進阻止体5の流体ガイド面52とが交差するように配置される。
これにより、トレー2(トレー2上の製品P)、スプレーノズル4、及び流体直進阻止体5のそれぞれは、互いに対応付けられた配置にされる。すなわち、上述の如く、スプレーノズル4は、トレー2上の製品Pの上端部と対応した位置に噴射口40の噴射中心CLが通るように、トレー2の配置に対応して配置されるため、流体直進阻止体5は、スプレーノズル4と対応関係にある配置にされることで、トレー2(トレー2上の製品P)にも対応して配置される。本実施形態において、流体直進阻止体5は、トレー本体20の周壁201における製品Pの高さ以下の高さを有する部分(第一側壁)202に対応して配置される。
本実施形態において、トレー2及びスプレーノズル4がそれぞれ対応付けられて設けられるため、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、流体直進阻止体5を複数備える。複数の流体直進阻止体5は、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に自身の流体ガイド面52が位置するように、複数のスプレーノズル4の配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置される。
そして、複数のトレー2が上下方向に重ね合わされることを前提に、流体直進阻止体5の流体ガイド面52は、当該流体ガイド面52に沿って第一端50から第二端51側に向けて延びる仮想の延長線が、当該流体直進阻止体5と対応関係にあるトレー2に対して上側で重なるトレー2の下面に到達するように形成される。
本実施形態において、流体直進阻止体5は、図8に示す如く、トレー2に接続されている。具体的に説明すると、流体直進阻止体5は、トレー本体20の周壁201のうち、製品Pの高さ以下の高さを有する部分(第一側壁202)の上端(第一延出部202b)に接続(固定)されている。これにより、流体直進阻止体5は、トレー2と一体的にされている。すなわち、本実施形態に係るトレー2は、トレー本体20に加え、流体直進阻止体5を備える。これにより、流体直進阻止体5は、トレー2を処理槽3内に配置した状態で、トレー2(底板200)上の製品Pとスプレーノズル4との間に配置される。また、複数のトレー2が上下方向に重ね合わされることで、各トレー2に接続された流体直進阻止体5(複数の流体直進阻止体5)は、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に自身の流体ガイド面52が位置するように、複数のスプレーノズル4の配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置される。
本実施形態において、上述の如く、トレー2の周囲の四箇所に配置されたスプレーノズル4から流体を噴射させるため、図5に示す如く、単一のトレー2に対して四つの流体直進阻止体5が接続される。具体的には、一対の第一側壁202のそれぞれに対し、流体直進阻止体5が二つずつ固定されている。共通の第一側壁202に接続される二つの流体直進阻止体5は、第一側壁202の延びる方向に間隔をあけて配置されているが、この配置は、処理槽3内のスプレーノズル4の配置に対応している。
以上のように、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、被収容物Fを入れる上端開口を有する容器本体Pa及び容器本体Paの上端に貼り付けられて容器本体Paの上端開口を閉じたシート状の蓋Pbを備えた製品Pを載せるトレー(スプレー式加熱処理装置用トレー)2と、トレー2を収容する処理槽3と、処理槽3内に配置されたスプレーノズル4であって、高温の流体Lを上下方向と交差する横方向に噴射させる噴射口40を有し、噴射口40からトレー2上の製品Pの上端部に向けて流体Lを噴射させるスプレーノズル4と、トレー2上の製品Pとスプレーノズル4との間に配置される流体直進阻止体5とを備え、流体直進阻止体5は、スプレーノズル4側の第一端50及び製品P側の第二端51を有する流体ガイド面52であって、第一端50から第二端51に向けて上り傾斜した流体ガイド面52を有し、流体ガイド面52は、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられている。
このように、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1によれば、トレー2上の製品Pとスプレーノズル4との間に配置される流体直進阻止体5の流体ガイド面52が、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられているため、図10に示す如く、噴射口40から広がりつつ噴射される流体Lのうち、少なくとも噴射中心CL及びその周辺にある流体Lが流体ガイド面52に当たる。すなわち、スプレーノズル4の噴射口40から広がりつつ噴射される流体Lのうち、噴射圧及び集中度の高い領域にある流体Lが流体直進阻止体5の流体ガイド面52に当たる。
そして、流体ガイド面52は、スプレーノズル4側の第一端50から製品P側の第二端51に向けて上り傾斜しているため、流体ガイド面52に当たった流体Lは、流体ガイド面52に沿って製品P側に移動する。
流体ガイド面52に沿って製品P側に移動する流体Lは、最終的に流体ガイド面52から製品P側に飛び出すが、流体ガイド面52から製品P側に飛び出した流体Lは、製品Pの上端部の側面(製品Pの蓋Pbや、蓋Pbと容器本体Paとの間)に直接当たることがなく製品P上に落下し、製品P全体を加熱する。
従って、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、容器本体Paから蓋Pbを剥がすことなく、製品Pの殺菌或いは滅菌を可能とする。
また、本実施形態に係るスプレー式加熱処理装置1は、トレー2、スプレーノズル4、及び流体直進阻止体5のそれぞれを複数備え、複数のトレー2のそれぞれは、製品Pを載せた状態で上下方向に重ね合わせ可能に構成され、複数のスプレーノズル4は、トレー2に載せられた製品Pの上端部と対応した位置に自身の噴射口40の噴射中心CLが通るように、重ね合わされた複数のトレー2の配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置され、複数の流体直進阻止体5は、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に自身の流体ガイド面52が位置するように、複数のスプレーノズル4の配置に対応して、上下方向に間隔をあけて配置されるため、複数のトレー2、複数のスプレーノズル4、及び複数の流体直進阻止体5は、それぞれ対応付けられて配置される。従って、上述の如く、スプレーノズル4から噴射される流体Lによって、製品Pの蓋Pbが剥がされることなく、トレー2の数に応じた複数の製品Pに対し、容器本体Paから蓋Pbを剥がすことなく、殺菌或いは滅菌を行うことができる。
また、複数のトレー2のそれぞれは、上側に重ねられる別のトレー2を受ける上端を有する支持部21であって、対応するスプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置にある流体ガイド面52の第二端51よりも高い位置に上端がある支持部21を備え、複数のスプレーノズル4のそれぞれは、対応するトレー2の支持部21を避けた位置に自身の噴射口40の噴射中心CLが通るように配置されるため、スプレーノズル4の噴射口40から噴射された流体Lがトレー2(支持部21)に当たることを抑えることができ、より多くの流体Lを製品P側に送ることができる。
特に、流体直進阻止体5の流体ガイド面52は、当該流体ガイド面52に沿って第一端50から第二端51側に向けて延びる仮想の延長線が、対応するスプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に対応する上端部を有する製品Pを載せるトレー2の上側に重なるトレー2の下面に到達するように形成されるため、スプレーノズル4の噴射口40から噴射した流体Lが流体ガイド面52に沿って移動し、流体ガイド面52から製品P側に勢いよく飛び出したとしても、該流体Lは、上側に重ねられたトレー2の下面に当り、下側のトレー2に載った製品P上に落ちる。すなわち、上下に重ね合わされたトレー2のうち、上側のトレー2が流体Lの移動軌跡を矯正し、流体Lを製品P上に落とす。
これにより、スプレーノズル4の噴射口40から噴射させた流体Lの多くが製品Pに触れることになり、製品Pを殺菌や滅菌を効率的に行うことができる。また、複数のトレー2のそれぞれに製品Pが載せられるため、一度の処理で多数の製品Pの殺菌或いは滅菌を行うことができる。
また、本実施形態において、トレー2は、製品Pを載置する底板200と、底板200の外周から起立した周壁201であって、製品Pの高さ以下の高さを有する部分(第一側壁)202と製品Pの高さよりも高い高さを有する部分(第二側壁)203とを含む周壁201を備え、支持部21は、周壁201における製品Pの高さよりも高い高さを有する部分(第二側壁)203で構成され、流体直進阻止体5は、周壁201における製品Pの高さ以下の高さを有する部分(第一側壁)202に対応して設けられるため、複数のトレー2が重ね合わされた状態で、上下で隣り合うトレー2のうち、上側のトレー2が下側のトレー2における周壁201の製品Pの高さよりも高い高さを有する部分(第二側壁)203に支持される。これにより、下側のトレー2の底板200に載置された製品Pと上側のトレー2との間に隙間ができる。
従って、これらの隙間に向けてスプレーノズル4が流体Lを噴射することで、流体Lが隙間を通って製品P上に落ちることになる。このように隙間に向かったスプレーノズル4から流体Lが噴射されるが、流体直進阻止体5は、周壁201における製品Pの高さ以下の高さを有する部分(第一側壁)202に対応して設けられるため、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CL及びその周辺の領域にある流体Lは、トレー2(底板200)に載置された製品Pの上端部の側面に直接あたることがなく、蓋Pbが容器本体Paから剥がされることが防止される。
そして、流体直進阻止体5は、トレー2に接続されているため、トレー2と流体直進阻止体5との位置関係が一定になる。その結果的にトレー2に載せられた製品Pと流体直進阻止体5との位置関係も一定になる。
これに伴い、トレー2が処理槽3内で一定位置に位置決めされることで、製品P、トレー2、スプレーノズル4、流体直進阻止体5の相互の位置関係が一定となる。従って、これらの位置調整を行う必用がなくなり、製品Pの殺菌或いは滅菌を行う作業の効率化が図られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
上記実施形態において、流体ガイド面52は、平面状に形成されたが、これに限定されない。例えば、流体ガイド面52は、スプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられることを前提に、円弧面状に形成されてもよい。
上記実施形態において、流体ガイド面52の第一端50は、製品Pの上端以下の高さにある位置に配置され、流体ガイド面52の第二端51は、第一端50よりも高い位置にあることを前提に、製品Pの上端以上の高さにある位置に配置されたが、これに限定されない。例えば、流体ガイド面52に沿って第一端50から第二端51側に向けて延びる仮想の延長線がトレー2上の製品Pの上端における外周を通る、或いは、前記仮想の延長線がトレー2上の製品Pの上端における外周の上方を通るように、第一端50から第二端51に向けて上り傾斜した平面状の流体ガイド面52が形成され、該流体ガイド面52がスプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられることを前提に、流体ガイド面52の第一端50及び第二端51が製品Pの上端よりも低い位置に配置されてもよい。
このようにすれば、流体ガイド面52に沿って移動した上で該流体ガイド面52から製品P側に飛び出した流体は、仮想の延長線に沿った軌道を通った上で製品P上に落ちる。従って、上記実施形態と同様に、製品Pに対し、容器本体Paから蓋Pbを剥がすことなく、殺菌或いは滅菌を行うことができる。
上記実施形態において、トレー本体20の周壁201と別部材とされた流体直進阻止体5が周壁201に固定されることで、トレー2の一構成とされたが、これに限定されない。例えば、図11に示す如く、トレー2(トレー本体20)の周壁201の上端(例えば、第一延出部202b)を傾斜させた形態に形成し、トレー2の周壁201の上端を流体直進阻止体5としてもよい。
上記実施形態において、流体直進阻止体5がトレー2(トレー本体20)の周壁201に接続されることで、トレー2と一体にされた(トレー2の一構成にされた)が、これに限定されない。例えば、図12に示す如く、流体直進阻止体5は、トレー2と別体に構成されてもよい。すなわち、流体直進阻止体5は、スプレーノズル4とトレー2の底板200上に載置された製品Pとの間で且つスプレーノズル4の噴射口40の前方に配置されれば、トレー2以外の構成(例えば、配管系7や処理槽3等)に固定されてもよい。この場合においても、流体ガイド面52が第二端51から第一端50に向けて上り傾斜し、且つスプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられていることが必須の要件である。
上記実施形態において、トレー2の周壁201の一部(第一側壁202)が、トレー2の周壁201の他の部分(第二側壁203)よりも低く設定され、これに伴って、トレー2の周壁201の他の部分(第二側壁203)が上方のトレー2を支持する支持部21として機能させたが、これに限定されない。例えば、トレー2の周壁201の上端が全周に亘って底板200上の製品Pの上端以下の高さ位置に設定されてもよい。この場合、トレー2は、上端が周壁201の上端よりも上方に位置する支持部21を別途備えれば、重ね合わされたトレー2間にスプレーノズル4の噴射口40から噴射させた流体Lを通過させる隙間(空間)が形成されるため、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。この場合、支持部21は、周壁201の周方向に間隔をあけて複数設けられることが好ましい。この場合においても、流体ガイド面52が第二端51から第一端50に向けて上り傾斜し、且つスプレーノズル4の噴射口40の噴射中心CLの通る位置に設けられていることが必須の要件である。
上記実施形態において、複数のトレー2が積み重ねた状態で処理槽3内に収容されたが、これに限定されない。例えば、単一のトレー2が処理槽3内に収容されもよい。この場合、スプレーノズル4及び流体直進阻止体5は、単一のトレー2の配置に対応して配置されることは勿論である。
上記実施形態において、トレー2が底板200と周壁201とを含むトレー本体20を備えたが、これに限定されるものではなく、トレー2は、少なくとも底板200を備えていればよい。また、トレー2の周壁201がトレー2全体の剛性を高めたが、例えば、周壁201に代え、底板200の外周から下方に向けて垂下した補強リブを設けてもよい。
上記実施形態において、周壁201の製品Pの高さ以下の高さを有する部分である第一側壁202が底板200上の製品Pの高さと同一の高さに設定されたが、これに限定されない。周壁201の製品Pの高さ以下の高さを有する部分である第一側壁202は、底板200上の製品Pの高さよりも低い高さに設定されてもよい。このようにすれば、周壁201(第一側壁202)の上方をスプレーノズル4の噴射中心CLが通ることになるが、その領域内に流体直進阻止体5が存在するため、スプレーノズル4からの流体Lが直接製品Pに到達することが防止される。