JP2017135160A - 車両の発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】n型半導体部とp型半導体部との間に位置する真性半導体部のバンドギャップエネルギがn型半導体部およびp型半導体部のバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成された熱電変換素子を備える車両の発電装置において、効率良く発電させられる態様で熱電変換素子を車両の流路内に設置可能とする。【解決手段】発電装置10は、n型半導体部12aとp型半導体部12bとの間に位置する真性半導体部12cのバンドギャップエネルギがn型半導体部12aおよびp型半導体部12bのバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成された熱電変換素子12を備える。発電装置10は、熱電変換素子12に熱を供給する排気ガスが流れる排気管2を有する車両に適用されている。熱電変換素子12は、真性半導体部12cの表面が排気ガスの流れに対向する態様で、排気管2内に設置されている。【選択図】図6

Description

この発明は、車両の発電装置に係り、特に、熱電変換素子を利用する車両の発電装置に関する。
ゼーベック効果を利用した様々な熱電変換素子が知られている。この熱電変換素子を用いて起電圧を得るためには、当該熱電変換素子を構成する2種類の金属もしくは半導体の間に温度差を必要とする。このため、この熱電変換素子を利用して発電を行うためには、温度差を維持するための冷却装置等が必要となる。これに対し、特許文献1には、温度差を必要とせずに発電を行える熱電変換素子として利用可能な半導体単結晶が開示されている。
特許文献1に記載の半導体単結晶は、具体的には、n型半導体部と、p型半導体部と、n型半導体部とp型半導体部との間に位置する真性半導体部とを有し、真性半導体部のバンドギャップエネルギがn型半導体部およびp型半導体部のバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成されている。このような構成を有する半導体単結晶を所定の温度範囲に収まるように加熱すると、n型半導体部とp型半導体部との間に温度差が生じていなくても、真性半導体部において、価電子帯から伝導帯に電子が励起する。伝導帯に励起された電子は、エネルギの低いn型半導体部に移動し、価電子帯に生じた正孔は、エネルギの高いp型半導体部に移動する。これらの移動によって生じたキャリア(電子および正孔)の偏りによって、上記半導体単結晶は、p型半導体部を正極とし、n型半導体部を負極とした発電材料となる。このため、上記構成を有する半導体単結晶を熱電変換素子として利用することで、n型半導体部とp型半導体部との間に温度差が生じていなくても、熱電変換素子の温度が所定の温度範囲内にあるときに発電が可能となる。
国際公開第2015/125823号 特開2004−011512号公報
自動車等の車両で生じる熱を有効利用するために、車両を構成する種々の流路内を流れる流体中に、上記特許文献1に記載の半導体単結晶を熱電変換素子として設置することが考えられる。ここで、当該流体の流速もしくは温度は、運転者からの要求もしくはその他種々の要求によって過渡的に変化し得る。運転者からの要求等によって流体の流速もしくは温度が過渡的に変化する状況下においては、n型半導体部、p型半導体部および真性半導体部の各部位への熱の伝わり方が一様ではなく、その結果として、これらの部位の間で温度差が生じることが考えられる。このような場合に生じる温度差が、バンドギャップエネルギが相対的に高いn型半導体部もしくはp型半導体部の温度が真性半導体部の温度よりも高くなるという態様のものであると、上記特許文献1に記載の構成を有する熱電変換素子の起電圧を効率良く確保することが難しくなる。その結果、この熱電変換素子を利用して効率良く発電することが難しくなる可能性がある。
この発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、n型半導体部とp型半導体部との間に位置する真性半導体部のバンドギャップエネルギがn型半導体部およびp型半導体部のバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成された熱電変換素子を備える車両の発電装置であって、効率良く発電させられる態様で熱電変換素子が車両の流路内に設置された発電装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両の発電装置は、n型半導体部と、p型半導体部と、前記n型半導体部と前記p型半導体部との間に位置する真性半導体部とを有し、前記真性半導体部のバンドギャップエネルギが前記n型半導体部および前記p型半導体部のバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成された熱電変換素子を備えている。前記発電装置は、前記熱電変換素子に熱を供給する流体が流れる流路を有する車両に適用される。前記熱電変換素子は、前記真性半導体部の表面が前記流体の流れに対向する態様で、前記流路内に設置されている。
前記発電装置は、前記熱電変換素子における高バンドギャップエネルギ部の表面のうちの少なくとも前記流体の流れ方向の上流側の部位を覆うように設置された高バンドギャップエネルギシールドをさらに備えていてもよい。そして、前記高バンドギャップエネルギ部は、前記真性半導体部を含まず、かつ、前記n型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部および前記p型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部を含む部位であってもよい。
前記発電装置は、前記熱電変換素子を複数有してもよい。複数の前記熱電変換素子は、電極を介して電気的に接続されることで素子積層体として構成されていてもよい。前記熱電変換素子の前記n型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部を第1の端部と称し、前記熱電変換素子の前記p型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部を第2の端部と称した場合、前記電極は、隣り合う一方の前記熱電変換素子の前記第1の端部と、隣り合う他方の前記熱電変換素子の前記第2の端部とを電気的に接続してもよい。そして、前記発電装置は、前記電極の表面のうちの少なくとも前記流体の流れ方向の上流側の部位を覆うように設置された電極シールドをさらに備えていてもよい。
前記電極シールドは、前記電極に接触する態様で当該電極を覆い、かつ、前記電極の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されていてもよい。
前記発電装置は、前記熱電変換素子における高バンドギャップエネルギ部の表面のうちの少なくとも前記流体の流れ方向の上流側の部位を覆うように設置された高バンドギャップエネルギシールドをさらに備えていてもよい。そして、前記高バンドギャップエネルギ部は、前記真性半導体部を含まず、かつ、前記第1の端部および前記第2の端部を含む部位であってもよい。
前記高バンドギャップエネルギシールドは、前記高バンドギャップエネルギ部と接触する態様で当該高バンドギャップエネルギ部を覆い、前記真性半導体部の表面を前記流体中に露出させ、かつ、前記熱電変換素子の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されていてもよい。
前記素子積層体は、複数の前記熱電変換素子を前記電極を介して積層して得られる単位積層体を複数含んでいてもよい。複数の前記単位積層体は、それぞれの前記単位積層体に含まれる前記熱電変換素子の積層方向が前記流体の流れ方向に直交する第1の直交方向となるように設置されてもよい。複数の前記単位積層体は、所定間隔をあけて配置されてもよい。そして、前記流体の流れ方向および前記第1の直交方向の双方に直交する方向を第2の直交方向と称した場合、前記高バンドギャップエネルギシールドは、前記流体の流れ方向および前記第2の直交方向のうちの少なくとも一方に板状に延びるように、かつ、当該高バンドギャップエネルギシールドと重なる位置にある前記熱電変換素子の前記高バンドギャップエネルギ部を覆うように構成されていてもよい。
前記電極シールドと前記高バンドギャップエネルギシールドとが一体的に形成されていてもよい。
前記熱電変換素子は、前記真性半導体部の表面を含む側面と、前記n型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端面と、前記p型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端面とからなる角柱形状もしくは円柱形状を有してもよい。そして、前記熱電変換素子は、前記側面が前記流体から受ける熱流束が、前記n型半導体部の前記端面および前記p型半導体部の前記端面のそれぞれが前記流体から受ける熱流束よりも大きくなる態様で、前記流路内に設置されていてもよい。
前記流路は前記車両に搭載される内燃機関の排気管であり、前記流体は前記排気管を流れる排気ガスであってもよい。
本発明によれば、n型半導体部とp型半導体部との間に位置する真性半導体部のバンドギャップエネルギがn型半導体部およびp型半導体部のバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成された熱電変換素子が、真性半導体部の表面が流体の流れに対向する態様で流路内に設置される。熱電変換素子の表面のうちの流体の流れに対向する表面の周りでは、当該表面への流体の衝突に起因して流体の流動が増大するため、流体から熱電変換素子への熱伝達が促進される。本発明における設置手法によれば、そのような表面の中に真性半導体部の表面が含まれている。これにより、バンドギャップエネルギが相対的に高いn型半導体部もしくはp型半導体部の温度が真性半導体部の温度よりも高くなるという態様での温度差を生じにくくさせられるので、熱電変換素子の起電圧を効率良く確保できるようになる。このため、効率の良い発電を行えるようになる。
本発明の実施の形態1に係る車両の発電装置の適用例を表した図である。 図1に示す発電装置が備える熱電変換素子の構成を模式的に示す斜視図である。 図1に示す熱電変換素子のバンドギャップエネルギの状態を示す概念図である。 熱電変換素子の起電圧と温度との関係を表した図である。 本発明の実施の形態1における素子積層体の構成例を表した斜視図である。 排気ガスの流れに対する図5に示す素子積層体の設置手法を説明するための模式図である。 熱電変換素子の表面Sの解釈を補足的に説明するための図である。 実施の形態1における熱電変換素子の設置手法の効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る車両の発電装置の全体構成を説明するための模式図である。 実施の形態2における電極に関する構成の効果を説明するための図である。 本発明に係る電極に関する構成の変形例を説明するための図である。 本発明の実施の形態3に係る車両の発電装置の全体構成を説明するための模式図である。 図12に示す素子積層体周りの構成を模式的に表した斜視図である。 本発明に係る高バンドギャップエネルギシールドに関する構成の第1の変形例を説明するための図である。 本発明に係る高バンドギャップエネルギシールドに関する構成の第1の変形例を説明するための図である。 本発明に係る高バンドギャップエネルギシールドに関する構成の第2の変形例を説明するための図である。 図2に示す熱電変換素子の他の積層手法を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の各実施の形態を説明する。なお、各図面において、同一または類似の構成要素には同一の符号を付している。
実施の形態1.
まず、図1〜図8を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る車両の発電装置10の適用例を表した図である。図2は、図1に示す発電装置10が備える熱電変換素子12の構成を模式的に示す斜視図である。
[車両における発電装置の適用部位]
本実施形態の発電装置10が備える熱電変換素子12の設置部位は、車両を構成する種々の流路内であれば特に限定されるものではない。実施の形態1では、一例として、熱電変換素子12は、図1に示すように、車両が搭載する内燃機関1が備える排気管2内を流れる排気ガス中に配置されている。すなわち、図1に示す例では、内燃機関1の燃焼室内で燃焼に付された後の高温の排気ガスの熱が熱電変換素子12に供給される。車両を構成する流路内を流れる流体であって熱電変換素子12に熱を供給する流体としては、排気ガス以外にも、例えば、内燃機関1の冷却のための冷却水流路内を流れるエンジン冷却水、および、内燃機関1の潤滑のためのオイル流路内を流れるエンジンオイルを挙げることができる。
本実施形態の発電装置10では、複数の熱電変換素子12を電気的に接続して得られる素子積層体14という形態で、熱電変換素子12が排気ガス中に設置されている。素子積層体14の具体的な構成例については、図5を参照して後述する。発電装置10は、素子積層体14の両端を導線によって接続して構成された電気回路16と、当該電気回路16を開閉するスイッチ18とを備えている。電気回路16には、車両に搭載された電装部品(例えば、灯火類)20が接続されている。スイッチ18の開閉は、車両に搭載される電子制御ユニット(ECU)22によって制御される。
上記のように構成された発電装置10によれば、車両システムの起動中に、排気ガスからの熱供給によって熱電変換素子12の温度が発電に適した温度になっている状態でスイッチ18を閉じることにより、素子積層体14が発電を行えるようになる。本実施形態では、熱を供給する流体が排気ガスであるため、この発電により、内燃機関1の排熱回収を行えるようになる。そして、素子積層体14の発電により得られた電力を電装部品20に供給することができる。なお、スイッチ18に代えて可変抵抗を備えるようにしてもよい。これにより、可変抵抗の抵抗値の調整によって、素子積層体14から電装部品20に供給される電力をより詳細に制御することができる。また、電力の供給を受ける車両部品は、電装部品20に限られず、例えば、電装部品20に代え、あるいはそれとともに、車両が使用する電力を蓄えるバッテリが電気回路16に接続されていてもよい。
[熱電変換素子の構成]
図2に示す一例では、熱電変換素子12は、角柱形状に形成されている。熱電変換素子12は、一端側にn型半導体部12aを備え、他端側にp型半導体部12bを備えている。また、熱電変換素子12は、n型半導体部12aとp型半導体部12bとの間に、真性半導体部12cを備えている。
図3(A)および図3(B)は、図1に示す熱電変換素子12のバンドギャップエネルギの状態を示す概念図である。図3(A)および図3(B)の縦軸は電子のエネルギであり、横軸は熱電変換素子12におけるn型半導体部12a側の端面12aesからの距離L(図2参照)である。
図3(A)および図3(B)に示すように、n型半導体部12aは、フェルミレベルfが伝導帯側にある部位であり、p型半導体部12bは、フェルミレベルfが価電子帯側にある部位である。真性半導体部12cは、フェルミレベルfが伝導帯と価電子帯との間の禁制帯の中央にある部位である。バンドギャップエネルギは、価電子帯の最上部と伝導帯の最下部とのエネルギ差に相当するものである。これらの図から分かるように、熱電変換素子12では、真性半導体部12cにおけるバンドギャップエネルギは、n型半導体部12aおよびp型半導体部12bにおけるバンドギャップエネルギよりも低くなっている。なお、図3(A)および図3(B)中に示すn型半導体部12a、p型半導体部12bおよび真性半導体部12cの長さの割合は、一例であり、この割合は、熱電変換素子(半導体単結晶)12の形成の仕方に応じて変化する。また、n型半導体部12a、p型半導体部12bおよび真性半導体部12cにおけるバンドギャップエネルギは、例えば逆光電子分光法によって測定することができる。
上述の特性(すなわち、真性半導体部12cにおけるバンドギャップエネルギが、n型半導体部12aおよびp型半導体部12bにおけるバンドギャップエネルギよりも低いこと)を有する熱電変換素子(半導体単結晶)12は、例えば、クラスレート化合物(包接化合物)によって構成することができる。このようなクラスレート化合物の一例としては、シリコンクラスレートBaAuSi38を用いることができる。
本実施形態の熱電変換素子12の製造方法は、熱電変換素子12が上述の特性を有するようにできるものであれば特に限定されない。熱電変換素子12が一例としてシリコンクラスレートBaAuSi38である場合には、例えば、国際特許出願の国際公開第2015/125823号において詳述されている製造方法を用いることができる。その概要は次の通りである。すなわち、BaとAuとSiとの比(モル比)が8:8:38となるようにBa粉末、Au粉末およびSi粉末を秤量する。秤量した粉末を、アーク溶融法を利用して溶融する。得られた融液を冷却することで、シリコンクラスレートBaAuSi38のインゴットを得る。このように調製されたシリコンクラスレートBaAuSi38のインゴットを粒状に粉砕する。粉砕されたシリコンクラスレートBaAuSi38を、チョクラルスキー法を利用して坩堝内で溶融することで、シリコンクラスレートBaAuSi38の単結晶を得る。図2に示す熱電変換素子12は、このような手法で得られたシリコンクラスレートBaAuSi38の単結晶を角柱形状(より具体的には、直方体形状)に切断して得られたものである。熱電変換素子の形状は、上記単結晶を直方体形状に限らず、立方体形状、円柱形状、あるいは他の所望の形状に切断することによって任意に選択することができる。
[発電原理]
図3(A)は、熱電変換素子12を所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。熱電変換素子12を温度T0(後述の図4参照)以上に加熱すると、図3(A)に示すように、価電子帯の電子(黒丸)が伝導帯に熱励起する。より具体的には、熱の供給によってバンドギャップエネルギを超えるエネルギが価電子帯の最上部に位置する電子に対して与えられると、電子が伝導帯に励起する。このような熱による電子の励起は、熱電変換素子12の温度が上昇していく過程では、バンドギャップエネルギが相対的に低い真性半導体部12cにおいてのみ生じる状態が得られる。図3(A)はそのような状態が得られる所定の温度(例えば、温度T0)に熱電変換素子12が加熱された状態を示している。この状態では、バンドギャップエネルギが相対的に高いn型半導体部12aおよびp型半導体部12bでは電子が熱励起されない。
図3(B)は、熱電変換素子12を上記所定の温度に加熱したときの電子(黒丸)および正孔(白丸)の移動を示す概念図である。図3(B)に示すように、伝導帯に励起した電子は、エネルギの低い方、すなわち、n型半導体部12a側に移動する。一方、電子の励起により価電子帯に生じた正孔は、エネルギの高い方、すなわち、p型半導体部12bに移動する。このようなキャリアの偏りによって、n型半導体部12aが負に帯電し、p型半導体部12bが正に帯電するため、n型半導体部12aとp型半導体部12bとの間で起電力が生じる。このため、熱電変換素子12によれば、n型半導体部12aとp型半導体部12bとの間に温度差がなくても発電が可能となる。このような発電原理は、温度差に基づいて起電力が生じるゼーベック効果とは異なる。熱電変換素子12を利用した発電装置10は、温度差を設けることを必須としていないため、温度差を設けるための冷却部が不要となるため、装置構成を簡素化することができる。
図4は、熱電変換素子12の起電圧と温度との関係を表した図である。ここでいう熱電変換素子12の起電圧は、正極として機能するp型半導体部12b側の端部と、負極として機能するn型半導体部12a側の端部との電位差を指している。より具体的には、図4に示す関係は、n型半導体部12aとp型半導体部12bとの間で温度差が生じない態様で熱電変換素子12を加熱していった際に生じる起電圧の温度特性を表している。なお、起電圧が生じる温度範囲は、熱電変換素子の組成によって異なるものとなる。
図4に示すように、熱電変換素子12を温度T0以上に加熱することによって、起電圧が生じる。より具体的には、熱電変換素子12の温度が高くなるにつれ、起電圧が上昇していく。図4に示すように昇温によって起電圧が高くなる理由は、供給熱量の増加によって、バンドギャップエネルギが相対的に低い真性半導体部12cにおいて励起できる電子および正孔の数が増えるためであると考えられる。また、図4に示すように、起電圧は、ある温度においてピーク値T1を示し、ピーク値T1よりも熱電変換素子12をさらに昇温させると、起電圧が低下していく。その理由は、熱電変換素子12の温度が高くなると、真性半導体部12cのみならずn型半導体部12aおよびp型半導体部12bにおいても電子および正孔の熱励起が生じることが影響していると考えられる。
[排気ガスの流れ方向に対する熱電変換素子(素子積層体)の設置手法]
上述の図4からも、熱電変換素子12の温度を所定の温度範囲内とすることができれば、熱電変換素子12を利用した発電が可能となることが分かる。より好ましくは、熱電変換素子12の温度を図4中の起電圧のピーク値T1付近の温度とすることができれば、効率の良い発電が可能となる。したがって、車両上において熱電変換素子12を利用して効率良く発電を行うためには、まずは、熱電変換素子12が発電に適した温度となるように熱電変換素子12に熱を供給可能な流体を車両の種々の流路の中から選択し、選択した流体中に熱電変換素子12を設置すればよいといえる。具体的には、排気管2内の排気ガスの温度は、下流に向かうにつれて低くなる。したがって、本実施形態のように、熱源として機能する流体が排気ガスである場合には、効率の良い発電が可能な熱源が得られるようにするために、排気管2内における熱電変換素子12の設置部位を、排気ガスの流れ方向において特定すればよいといえる。
(効率良く発電を行おうとする場合の課題)
既述したように、熱電変換素子12は、流体から熱の供給を受けた際に、真性半導体部12cにおける電子の熱励起に伴う電子および正孔の移動を利用して起電圧を得るという構成である。熱電変換素子12を利用して効率の良い発電を可能とするためには、排気ガスの流れ方向に対する熱電変換素子12(素子積層体14)の設置に関して、以下の要求を満たしていることが望ましい。
熱源として機能する流体(本実施形態では、排気ガス)の流速および温度が定常的に一定である定常的な熱流の下であれば、当該流体から熱の供給を受ける熱電変換素子12の各部位の温度は、時間経過とともに均一に近づいていくといえる。しかしながら、車両の流体の流速もしくは温度は、運転者からの要求もしくはその他種々の要求によって過渡的に変化し得る。このように流体の流速もしくは温度が過渡的に変化する状況下においては、n型半導体部12a、p型半導体部12bおよび真性半導体部12cの各部位への熱の伝わり方が一様ではなく、その結果として、これらの部位の間で温度差が生じることが考えられる。仮に真性半導体部12cの温度がn型半導体部12aおよびp型半導体部12bの温度よりも高くなる態様での温度差が生じる場合であれば、n型半導体部12aおよびp型半導体部12bにおける電子の熱励起よりも真性半導体部12cにおける電子の熱励起が促進されることになるので問題はないといえ、むしろ好ましいといえる。一方、流体に対する熱電変換素子12の設置の態様によっては、n型半導体部12aおよびp型半導体部12bの一方もしくは双方の温度が真性半導体部12cの温度よりも高くなる態様での温度差が生じ易くなる場合もあり得る。この態様での温度差が大きくなっていくと、n型半導体部12aおよびp型半導体部12bの一方もしくは双方において電子の熱励起が生じ易くなる。その結果として、熱電変換素子12の起電圧を確保しにくくなる可能性がある。そうすると、効率の良い発電が難しくなる。
以上の理由から、実際の車両環境における熱電変換素子による発電およびそれに伴う熱回収は、定常的な熱流の下だけでなく、上述のように流体の流速もしくは温度が変化する熱流の下においても、効率良く行えるようになっていることが望ましい。そして、そのためには、n型半導体部12aおよびp型半導体部12bの一方もしくは双方の温度が真性半導体部12cの温度よりも高くなる態様での温度差を生じにくくすることが有効である。
(実施の形態1の熱電変換素子(素子積層体)の設置手法)
そこで、本実施形態では、以下の図5および図6に示す構成で、熱電変換素子12の積層体である素子積層体14を排気管2内に(すなわち、排気ガスの流れの中に)設置することとした。
図5は、本発明の実施の形態1における素子積層体14の構成例を表した斜視図である。図6は、排気ガスの流れに対する図5に示す素子積層体14の設置手法を説明するための模式図である。なお、図5等においては、熱電変換素子12(後述の熱電変換素子62も同様)の配置を分かり易く図示するために、熱電変換素子12をn型半導体部12a側とp型半導体部12b側とに分けて表している。両者の間に位置する真性半導体部12cは、n型半導体部12aとp型半導体部12bとを区別する境界線の付近に存在する。なお、図6においては図示を省略しているが、素子積層体14は、図示省略する取り付け具によって排気管2の内壁に固定されている。
図5に示すように、素子積層体14を構成する複数の熱電変換素子12は、電極24を介して直列に接続されている。このように、素子積層体14は、熱電変換素子12と電極24とを構成要素として構成されている。電極24としては、例えば、電気抵抗率の低い銅などの金属材料を用いることができる。既述した熱電変換素子12の発電原理より、p型半導体部12bが正極として機能し、n型半導体部12aが負極として機能する。このため、発電により生じた起電力による電流の流れ方向Fはp型からn型となる。本実施形態では、電極24の両端の電位差をできるだけ確保しつつ電流を円滑に流せるようにするために、電極24は、一方の熱電変換素子12のn型半導体部12aにおける真性半導体部12cと反対側の端部12ae(図2参照)と、他方の熱電変換素子12のp型半導体部12bにおける真性半導体部12cと反対側の端部12be(図2参照)とを(すなわち、バンドギャップエネルギが最も高い部位同士を)接続するように構成されている。
より具体的には、n型半導体部12aの端部12aeの表面は、端面12aesと、n型半導体部12aの側面における端面12aesの近傍の部位とからなる。同様に、p型半導体部12bの端部12beの表面は、端面12besと、p型半導体部12bの側面における端面12besの近傍の部位とからなる。図5に示す一例では、電極24は、端面12aesと端面12besとを接続している。しかしながら、本発明における電極は、隣り合う熱電変換素子の端部間(すなわち、第1の端部(n型半導体部における真性半導体部と反対側の端部)と、第2の端部(p型半導体部における真性半導体部と反対側の端部)との間)を接続するものであればよい。したがって、電極24は、上記の一例に代え、端面12aesの近傍のn型半導体部12aの側面と、端面12besの近傍のp型半導体部12bの側面と接続するように構成されていてもよい。
ここで、素子積層体14における個々の棒状の部位を単位積層体14aと称する。複数の(図5に示す例では9本の)単位積層体14aは、それぞれの単位積層体14aに含まれる熱電変換素子12の積層方向が排気ガスの流れ方向Fに直交する第1の直交方向D1となるように設置される。また、複数の単位積層体14aは所定間隔(一例として等間隔)をあけて配置されている。より具体的には、隣り合う単位積層体14a同士は、正極および負極の向きを互い違いに変更しつつ、所定間隔をあけて電極24を介して接続されている。排気ガスの流れの下流側に設置される単位積層体14aに排気ガスの熱をできるだけ多く供給するためには、排気ガスの流れ方向Fに縦列に並ぶ単位積層体14aの間に排気ガスが回り込むようになっていることが好ましい。このため、上記所定間隔は、そのような排気ガスの回り込みを確保できる間隔を満たすように設定される。
さらに付け加えると、図5および図6に示す例では、単位積層体14aは、排気ガスの流れ方向Fに縦列に(本実施形態の一例では3列で)設置されており、また、排気ガスの流れ方向Fおよび上記第1の直交方向D1に直交する第2の直交方向D2にも一例として3列で設置されている。熱電変換素子12の積層の態様は特に限定されないが、素子積層体14では、図5に示すように単位積層体14aが電極24を介してサーペンタイン状に折り返されるという態様で、熱電変換素子12が直列に積層されている。なお、素子積層体14によれば、積層される熱電変換素子12の数を適切に決定することにより、排気管2からの熱供給により想定される熱電変換素子12の温度条件の下で所望の大きさの起電圧が得られるようにすることができる。
図5および図6に示すように設置された素子積層体14によれば、各熱電変換素子12は、真性半導体部12cの表面が排気ガスの流れに対向する態様(より具体的には、熱電変換素子12の表面のうちの排気ガスの流れに対向する表面Sの中に真性半導体部12cの表面の一部が含まれる態様)で、排気管2内に設置されるようになる。本実施形態では、既述したように、熱電変換素子12は一例として角柱形状(直方体形状)で形成されている。このため、本熱電変換素子12における表面Sとしては、熱電変換素子12において排気ガスの上流側に面している側面(後述の図7(A)参照)が該当する。
図7(A)〜図7(E)は、熱電変換素子の表面Sの解釈を補足的に説明するための図である。図7(A)〜図7(E)の各図中の太線およびハッチング部は排気ガスの流れに対向する表面Sの該当箇所を表している。まず、図7(A)は、図6と同じ配置の熱電変換素子12を表した側面図および斜視図である。この例では、表面Sの中に、真性半導体部12cの表面の一部S1が含まれている。
次に、図7(B)は、n型半導体部12aの端面12aesが排気ガスの流れ方向Fと対向する設置例を表した側面図および斜視図である。この例における表面Sとしては、端面12aesが該当するので、真性半導体部12cの表面の一部は表面Sに含まれない。このことは、p型半導体部12bの端面12besが排気ガスの流れ方向Fと対向する場合も同様である。
次に、図7(C)は、熱電変換素子12が排気ガスの流れ方向Fに対して傾いた状態(第2の直交方向D2の軸線を中心として、図7(A)に示す設置状態に対して回転した状態)で設置された一例を表した側面図および斜視図である。この例では、熱電変換素子12の1つの側面と1つの端面12aesが表面Sに該当する。このため、この例においても、真性半導体部12cの表面の一部S1は表面Sに含まれる。なお、n型半導体部12aとp型半導体部12bの配置が図7(C)に示す一例と逆になっている場合であれば、熱電変換素子12の1つの側面と1つの端面12besとが表面Sに該当する。
次に、図7(D)は、熱電変換素子12が排気ガスの流れ方向Fに対して傾いた状態(第1の直交方向の軸線を中心として、図7(A)に示す設置状態に対して回転した状態)で設置された他の例を表した図(より具体的には、端面12besと垂直な方向から見た図と、斜視図)である。この例では、熱電変換素子12における排気ガスの流れ方向F側の2つの側面が表面Sに該当する。したがって、この例においても、真性半導体部12cの表面の一部S1は表面Sに含まれる。
次に、図7(E)は、円柱形状で形成された熱電変換素子を、図7(A)と同じ向きで設置した例を表した図(より具体的には、n型半導体部もしくはp型半導体部の端面と垂直な方向から見た図と、排気ガスの流れ方向Fから見た図)である。この例における表面Sとしては、熱電変換素子における排気ガスの流れに対向する側の半円柱部が該当する。したがって、この例においても、真性半導体部12cの表面の一部S1は表面Sに含まれる。
図6の説明に戻り、本実施形態の構成についての説明を継続する。排気ガスの流れに対向する表面Sは、熱電変換素子12が自身よりも温度の高い排気ガスに晒される場合において温まり易い部位となる。その理由は、排気ガスに対向している表面Sの周りでは、表面Sへの排気ガスの衝突によって排気ガスの乱れ(流動)が増大し、この乱れ(流動)の増大に伴って排気ガスから熱電変換素子12への熱伝達が促進されるためである。この効果は、排気ガスの上流側の1列目の単位積層体14aが有する熱電変換素子12に限られず、2列目および3列目の単位積層体14aが有する熱電変換素子12においても得られる。その理由は、1列目の単位積層体14aの周囲を通過した排気ガスが2列目および3列目の単位積層体14aの各表面Sに向けて回り込むという排気ガスの流れがあるためである。したがって、熱電変換素子12の各部位が排気ガスから受ける熱流束(単位時間当たりに単位面積を通過する熱量)を考えた場合、本実施形態の各熱電変換素子12の設置の態様は、表面Sに該当する熱電変換素子12の側面が排気ガスから受ける熱流束を、バンドギャップエネルギが最も高いn型半導体部12aの端面12aesおよびp型半導体部12bの端面12besのそれぞれが排気ガスから受ける熱流束よりも大きくするものであるといえる。このことは、本実施形態のように熱電変換素子12が直方体形状で形成されている場合に限られず、熱電変換素子が、角柱形状の他の態様である立方体形状、もしくは円柱形状などで形成されている場合においても同じである。
(実施の形態1の熱電変換素子(素子積層体)の設置手法の効果)
図8(A)および図8(B)は、実施の形態1における熱電変換素子12の設置手法の効果を説明するための図である。図8(B)は、本発明の設置手法を利用しない手法で設置された熱電変換素子を表している。すなわち、図8(B)の設置手法の場合には、図7(B)に示す例と同様に、真性半導体部の表面は、温まり易い部位(熱伝達係数が最も高い部位)である表面Sに含まれていない。この例において表面Sに該当する部位は、バンドギャップエネルギが最も高い部位(この例では、n型半導体部の端面)である。このため、バンドギャップエネルギが相対的に低い真性半導体部の表面は、バンドギャップエネルギが最も高い上記端面と比べて、排気ガスからの熱伝達が促進されにくくなる。その結果、バンドギャップエネルギが相対的に高いn型半導体部の温度が真性半導体部の温度よりも高くなるという態様での温度差が生じ易くなり、熱電変換素子の起電圧を効率良く確保することが難しくなる可能性がある。
これに対し、図8(A)は、図6に示す構成と同様に、本実施形態の手法で設置された熱電変換素子12を表している。このような構成によれば、温まり易い部位(熱伝達係数が最も高い部位)である表面Sの中に真性半導体部12cの表面の一部が含まれているため、真性半導体部12cの表面において排気ガスからの熱伝達が促進され易くすることができる。これにより、上記態様での温度差を生じにくくさせられるので、熱電変換素子12の起電圧を効率良く確保できるようになる。このため、熱源である排気ガスの流速もしくは温度が運転者の要求等によって過渡的に変化するような場合であっても、熱電変換素子12を利用した発電を効率良く行えるようになる。
ところで、排気ガスの流れの中における熱電変換素子12の設置の向きは、上述した実施の形態1の図7(A)に示す例に代え、図7(C)または図7(D)に示すものであってもよい。また、本発明における熱電変換素子の形状は、既述したように、直方体形状に限られず、例えば、立方体形状もしくは円柱形状であってもよい。立方体形状の熱電変換素子の場合にも、図7(A)、図7(C)または図7(D)に示す例と同様に設置の向きに配慮すればよい。また、円柱形状の熱電変換素子の場合には、図7(E)に示す例のように設置の向きに配慮すればよいし、図7(C)に示す例と同様に排気ガスの流れ方向Fに対して傾けるように設置してもよい。
実施の形態2.
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る車両の発電装置30の全体構成を説明するための模式図である。本実施形態の発電装置30は、複数の単位積層体32aを有する素子積層体32を備えている。各単位積層体32aを構成する複数の熱電変換素子12は、図9に示すように、電極34を介して直列に接続されている。素子積層体32の積層パターンとしては、一例として、実施の形態1の素子積層体14と同様とされている。発電装置30は、電極34に関する構成において実施の形態1の発電装置10と相違している。このため、当該相違点を中心に以下のように説明を行う。
図9に示すように、発電装置30は、隣り合う熱電変換素子12の間を接続する電極34のそれぞれに対し、電極34における排気ガスの上流側の部位の表面だけでなく電極34の表面を全体的に覆うという態様で設置されたシールド36を備えている。より具体的には、図9に示す一例では、シールド36は、シールド36のすべての内表面がこれに対応する電極34のすべての表面に接触するという態様で当該電極34を覆っている。シールド36は、電極34および熱電変換素子12のそれぞれの熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されている。具体的には、シールド36の材質として、例えば、セラミックスを用いることができる。すなわち、本実施形態のシールド36は、断熱材として構成されている。
図10(A)および図10(B)は、実施の形態2における電極34に関する構成の効果を説明するための図である。図10(B)は、実施の形態1における電極24の構成を表している。この構成の場合には、電極24が排気ガスに対して直接接触している。このため、この構成では、電極24の表面も、上述の表面S(温まり易い部位)の一部を構成する。ここで、金属である電極24の熱伝導率は基本的に熱電変換素子12の熱伝導率よりも高い。このため、図10(B)の構成の場合には、熱電変換素子12よりも電極24の方が排気ガスからの熱の供給を受け易くなる。その結果、排気ガスの温度の上昇によって素子積層体14への供給熱量が増加していく状況下においては、熱電変換素子12の温度よりも電極24の温度の方が先に上昇し易くなる。その結果、電極24に供給された熱が、電極24に接触している熱電変換素子12の部位(バンドギャップエネルギが最も高いn型半導体部12aおよびp型半導体部12bの端面(12aesまたは12bes))に伝達し易くなる。
一方、図10(A)に示すように、本実施形態の構成では、電極34と排気ガスとの間には、シールド36が介在している。このようなシールド36によれば、排気ガスの上流側の電極34の表面を覆っているため、排気ガスの流れが電極34に衝突することによって排気ガスから電極34への熱伝達が促進されるのを回避することができる。
そのうえで、本実施形態のシールド36は、シールド36のすべての内表面がこれに対応する電極34のすべての表面に接触するという態様で当該電極34を覆っている。この構成とは異なり、シールド36と電極34とが離間していると、シールド36と電極34との間に排気ガスが回り込むことによって排気ガスの熱が電極34に伝達される可能性がある。しかしながら、本構成によれば、このような態様での熱伝達をも抑制することができる。さらに、シールド36の熱伝導率は電極34の熱伝導率よりも低い。このため、シールド36から電極34への熱伝導も抑制することができる。これにより、電極34からn型半導体部12aおよびp型半導体部12bへの入熱を抑制することができる。その結果、上記態様での温度差の発生を抑制できるので、効率的な発電を行えるようになる。さらに付け加えると、本実施形態では、シールド36の熱伝導率は熱電変換素子12の熱伝導率よりも低い。このため、シールド36から熱電変換素子12への入熱をも抑制することができる。
ところで、電極34への入熱を抑制するためのシールド(本発明における「電極シールド」に相当)の構成は、上述した実施の形態2のシールド36の構成以外にも、例えば、以下のようなものであってもよい。図11(A)および図11(B)は、本発明に係る電極に関する構成の変形例を説明するための図である。
まず、図11(A)に示す構成では、シールド38は、電極34の表面を全体的に覆うのではなく、排気ガスの流れに対向しているために温まり易い部位となる排気ガスの上流側において電極34の表面を(電極34とは接触しない態様で)覆うように設置されている。このシールド38のように、本発明における電極シールドは、電極の表面のうちの流体の流れ方向の上流側の部位のみを覆うように設置されてもよい。このような構成によっても、排気ガスの流れが電極34に直接的に衝突することを抑制することができるので、そのような排気ガスの衝突によって排気ガスから電極34への熱伝達が促進されるのを抑制することができる。なお、シールド38は、図示省略する取り付け具を用いて熱電変換素子12もしくは排気管2に取り付けられているものとする。
また、図11(B)に示すシールド40も、排気ガスの上流側のみで電極34の表面を覆うものであるが、シールド40は、電極34に接触する態様で電極34を覆っている。したがって、このシールド40の場合には、図11(A)に示すシールド38とは異なり、シールド40から電極34への熱伝導を抑制するために実施の形態2のシールド36と同様に断熱材として構成されている。図11(B)に示す構成によれば、図11(A)に示す構成と比べ、シールド40と電極34との間に排気ガスが回り込むことによる電極34への入熱を回避することができ、また、シールド40から電極34への熱伝導を抑制することもできる。このため、図11(A)に示す構成よりも電極34への入熱を抑制することができる。
実施の形態3.
次に、図12および図13を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
図12は、本発明の実施の形態3に係る車両の発電装置50の全体構成を説明するための模式図である。図13は、図12に示す素子積層体14周りの構成を模式的に表した斜視図である。本実施形態の発電装置50は、実施の形態1と同様に素子積層体14を備えている。
ここで、図12に示すように、真性半導体部12cを含まず、かつ、n型半導体部12aの端部12aeおよびp型半導体部12bの端部12be(何れもバンドギャップエネルギが最も高い部位)を含むように特定された部位のことを、各熱電変換素子12の高バンドギャップエネルギ部(以下、主に「高BE部」と略する)12dと称する。
単位積層体14aは、複数(一例として2つ)の熱電変換素子12の積層体である。単位積層体14aは、一例として9本備えられており、これらの単位積層体14aは、図12および図13に示すように、排気ガスの流れ方向Fおよび第2の直交方向D2のそれぞれの方向に所定間隔をあけて配置されている。そして、素子積層体14は、これらの単位積層体14aのそれぞれが有する熱電変換素子12(および電極24)の位置が第1の直交方向D1において揃うように構成されている。
本実施形態の発電装置50における素子積層体14は、シールド52を備えている。シールド52は、上述の構成を有する素子積層体14に対して、排気ガスの流れ方向Fおよび第2の直交方向D2の双方に板状に延びるように、かつ、第1の直交方向D1において当該シールド52と重なる位置にある熱電変換素子12のそれぞれの高BE部12dを覆うように構成されている。その結果、上述のように構成された素子積層体14の構成に対応して、シールド52は、排気ガスの流れ方向Fおよび第2の直交方向D2のそれぞれと平行に延びるように3分割された態様で構成されている。
素子積層体14の各熱電変換素子12が有する高BE部12dは、上述のように構成されたシールド52のそれぞれによって、高BE部12dにおける排気ガスの上流側の部位の表面だけでなく高BE部12dの表面を全体的に覆っている。より具体的には、シールド52のそれぞれは、高BE部12dの表面と接触する態様で高BE部12dの全面を覆っており、かつ、真性半導体部12cとその付近の部位(すなわち、高BE部12d以外の部位)を排気ガス中に露出させている。また、シールド52は、高BE部12dと接触しているため、熱電変換素子12の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されている。具体的には、シールド52の材質として、例えば、セラミックスを用いることができる。
さらに、上述した実施の形態2においては電極34のみがシールド36によって覆われているのに対し、本実施形態のシールド52は、各熱電変換素子12の高BE部12dとともに各電極24についても覆っている。すなわち、本実施形態では、電極24のための電極シールドと、高BE部12dのための高バンドギャップエネルギシールド(本発明における「高バンドギャップエネルギシールド」に相当)とが一体的に形成されている。
より詳細に説明すると、シールド52は、電極24とこれに接続されるn型半導体部12aおよびp型半導体部12bの一方もしくは双方の高BE部12dとを覆っている。シールド52は、電極24に関しても、電極24と接触する態様で覆っている。このため、シールド52は、熱電変換素子12の熱伝導率だけでなく電極24の熱伝導率よりも低い部材(一例として、上述のようにセラミックス)により構成されている。
以上説明した構成を有するシールド52によって、排気管2の流路の一部が塞がれており、排気管2の流路断面積が小さくされている。上述のように、真性半導体部12cおよびその付近の部位はシールド52によって覆われずに排気ガス中に露出している。すなわち、真性半導体部12cおよびその付近の部位の周囲が排気ガスの流路として確保されるという態様で、シールド52によって排気管2の流路の一部が閉塞されている。
シールド52を備える本実施形態の構成によれば、高BE部12dには排気ガスが衝突しないようにすることができる。これにより、高BE部12dの周りでの排気ガスの乱れ(流動)による熱伝達の促進を抑制することができる。また、本構成によれば、バンドギャップエネルギが相対的に低い真性半導体部12cおよびその付近の部位に対しては、シールド52の採用による流路断面積の縮小によって流速が高められた排気ガスを衝突させることができる。これにより、真性半導体部12cおよびその付近の部位の周囲に流速の高い排気ガスの流動を生じさせることができるので、真性半導体部12cおよびその付近の部位での熱伝達を促進させることができる。このように、本構成によれば、真性半導体部12cおよびその付近の部位において集中的に排気ガスからの熱伝達を行えるようになる。このため、実施の形態2の構成と比べて、上記態様での温度差の発生をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態のシールド52は、高BE部12dと接触する態様で高BE部12dを覆っている。このため、シールド52と高BE部12dとの間に排気ガスが回り込むことによって排気ガスの熱が高BE部12dに伝達されることを防止することができる。このことは、シールド52と電極24との関係についても同様である。そして、シールド52の熱伝導率は、熱電変換素子12および電極24のそれぞれの熱伝導率よりも低くなるように構成されている。これにより、シールド52から高BE部12dおよび電極24への熱伝導をも抑制することができる。
ところで、高BE部への流体の衝突を抑制しつつ、真性半導体部12cと流速の高い流体との衝突を促進させるための高バンドギャップエネルギシールドは、上述した実施の形態3のシールド52以外にも、例えば、以下に説明するシールド66もしくはシールド72のように構成されていてもよい。
図14および図15は、本発明に係る高バンドギャップエネルギシールドに関する構成の第1の変形例を説明するための図である。図14は、第1の変形例に係る発電装置60の構成を、図12と同じ方向から見た図であり、図15は、図14に示す素子積層体64の一部を排気ガスの流れ方向Fから見た図である。
シールドの構成以外についての第1の変形例と実施の形態3との主な相違点は、熱電変換素子の形状である。すなわち、発電装置60が備える素子積層体64を構成する熱電変換素子62は、図14および図15から分かるように正八面体として形成されている。熱電変換素子62の真性半導体部62cは2つの四角錐の接合部に位置している。
素子積層体64の積層パターンは、一例として素子積層体14と同じであるものとする。発電装置60は、複数のシールド66を備えている。その中の一部のシールド66は、単位積層体64a毎に分割して備えられており、単位積層体64aの積層方向(すなわち、第1の直交方向D1)に延びるように形成されている。また、残りのシールド66は、上述のシールド52と同様の構成で、素子積層体64における第1の直交方向D1の端部に配置されている。この第1の変形例の構成におけるシールド66も、上述のシールド52と同様に、高BE部62dと接触する態様で高BE部62dを覆い、かつ、真性半導体部62cの表面を排気ガス中に露出させるように構成されている。また、シールド66は、高BE部62dだけでなく、電極68についても(電極68と接触する態様で)覆うように構成されている。そして、シールド66は、熱電変換素子62および電極68のそれぞれの熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されている。具体的には、シールド66の材質として、例えば、セラミックスを用いることができる。
第1の変形例の構成においても、実施の形態1等の構成と同様に、温まり易い部位(熱伝達係数が最も高い部位)である表面S(図15参照)の中に真性半導体部62cの表面の一部が含まれている。そして、本構成によっても、熱電変換素子62の形状の工夫により、実施の形態3の構成と同様に、高BE部62dへの排気ガスの衝突を抑制しつつ、真性半導体部62cと流速の高い排気ガスとの衝突を促進させることができる。
次に、図16は、本発明に係る高バンドギャップエネルギシールドに関する構成の第2の変形例を説明するための図である。図16は、第2の変形例に係る発電装置70の構成を、図12と同じ方向から見た図である。この発電装置70の構成は、シールドの構成以外については基本的に実施の形態2の発電装置30と同じであるとする。
図16に示す発電装置70では、シールド72は、高BE部12dの表面を全体的に覆うのではなく、排気ガスの流れに対向しているために温まり易い部位となる排気ガスの上流側において高BE部12dの表面を(高BE部12dとは接触しない態様で)覆うように設置されている。このシールド72のように、本発明における高バンドギャップエネルギシールドは、高バンドギャップエネルギ部の表面のうちの流体の流れ方向の上流側の部位のみを覆うように設置されてもよい。また、本構成のように、電極シールドと高バンドギャップエネルギシールドとは、別体であってもよい。さらに、本発明における熱電変換素子には、高バンドギャップエネルギシールドのみが備えられていてもよい。
図16に示す構成によっても、排気ガスの流れが高BE部12dに直接的に衝突することを抑制することができるので、そのような排気ガスの衝突によって排気ガスから高BE部12dへの熱伝達が促進されるのを抑制することができる。また、シールド72が設けられていることで、真性半導体部12cと流速の高い排気ガスとの衝突を促進させることができる。なお、シールド72は、図示省略する取り付け具を用いて熱電変換素子12もしくは排気管2に取り付けられる。また、本構成とは異なり、シールド72は、熱電変換素子12の熱伝導率よりも低い熱伝導率の部材を用いて、高BE部12dと接触する態様で高BE部12dを覆うように構成されていてもよい。
また、上述した実施の形態3においては、高BE部12d以外の部位として、真性半導体部12cおよびその付近の部位とが存在する例について説明を行った。しかしながら、高バンドギャップエネルギシールドによって覆われる対象となる高BE部は、真性半導体部以外のすべての部位であってもよい。
また、上述した実施の形態3において例示した素子積層体14では、単位積層体14aが排気ガスの流れ方向Fおよび第2の直交方向D2の双方において所定間隔をあけて複数(一例として3つ)配置されている。このような構成とは異なり、単位積層体が排気ガスの流れ方向Fおよび第2の直交方向D2の何れか一方において所定間隔をあけて複数配置される構成の場合には、高バンドギャップエネルギシールドは、流れ方向Fおよび第2の直交方向D2のうちで単位積層体が複数設置される方向に向けて延びるように構成すればよい。
ところで、上述した実施の形態1〜3およびそれらの変形例においては、複数の熱電変換素子12等の素子積層体14等を備える発電装置10等について説明を行った。しかしながら、本発明に係る発電装置は、複数の熱電変換素子を素子積層体として備えるものに必ずしも限られず、真性半導体部の表面が流体の流れに対向する態様で流路内に設置される1つの熱電変換素子を備えるものであってもよい。
また、図17は、図2に示す熱電変換素子12の他の積層手法を説明するための図である。図17は、素子積層体80を排気ガスの流れ方向Fから見た図である。この図17に示す構成においても、素子積層体80を構成する各熱電変換素子12は、真性半導体部12cの表面が排気ガスの流れに対向する態様で排気管2内に設置されている。
図17に示す構成では、正極として機能するp型半導体部12bの端面12bes同士が電極82によって電気的に接続されており、負極として機能するn型半導体部12aの端面12aes同士が電極84によって電気的に接続されている。複数の熱電変換素子12を積層して素子積層体を形成する場合には、上述の他の例のように熱電変換素子12を直列に接続するものに限られず、図17に示す構成のように熱電変換素子12を並列に接続してもよい。また、複数の熱電変換素子12を積層する場合には、直列接続と並列接続とを適宜組み合わせてもよい。
なお、本発明における熱電変換素子(例えば、熱電変換素子12)が設置される流路内を流れる流体の種類によっては、熱電変換素子から流体への電流のリークを抑制するために、熱電変換素子と流体との間が絶縁されていることが必要とされる場合がある。その場合には、熱電変換素子の表面は、絶縁部材に接触していてもよい。また、熱電変換素子の表面には、絶縁部材以外にも、例えば、保護部材(例えば、熱電変換素子を覆うカバー)が接触していてもよい。このような場合であっても、流体の熱は絶縁部材および保護部材の何れか一方もしくは双方を介して熱電変換素子に伝えられる。このため、このような場合においても真性半導体部が流体の流れに対向する態様で熱電変換素子を流路内に設置することで、流体から真性半導体部への熱の移動を促進させることができる。なお、発電装置が熱電変換素子を収容するハウジングを備えているには、上記カバーは当該ハウジングの一部を構成してもよい。
また、以上説明した各実施の形態の例および他の各変形例は、明示した組み合わせ以外にも可能な範囲内で適宜組み合わせてもよいし、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形してもよい。
1 内燃機関
2 排気管
10、30、50、60、70 発電装置
12、62 熱電変換素子
12a n型半導体部
12ae n型半導体部における真性半導体部と反対側の端部
12aes n型半導体部における真性半導体部と反対側の端面
12b p型半導体部
12be p型半導体部における真性半導体部と反対側の端部
12bes p型半導体部における真性半導体部と反対側の端面
12c、62c 真性半導体部
12d、62d 高バンドギャップエネルギ部(高BE部)
14、32、64、80 素子積層体
14a、32a、64a 素子積層体の単位積層体
16 電気回路
18 スイッチ
20 電装部品
22 電子制御ユニット(ECU)
24、34、68、82、84 電極
36、38、40、52、66、72 シールド

Claims (10)

  1. n型半導体部と、p型半導体部と、前記n型半導体部と前記p型半導体部との間に位置する真性半導体部とを有し、前記真性半導体部のバンドギャップエネルギが前記n型半導体部および前記p型半導体部のバンドギャップエネルギよりも低くなるように構成された熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子に熱を供給する流体が流れる流路を有する車両に適用される発電装置であって、
    前記熱電変換素子は、前記真性半導体部の表面が前記流体の流れに対向する態様で、前記流路内に設置されていることを特徴とする車両の発電装置。
  2. 前記発電装置は、前記熱電変換素子における高バンドギャップエネルギ部の表面のうちの少なくとも前記流体の流れ方向の上流側の部位を覆うように設置された高バンドギャップエネルギシールドをさらに備え、
    前記高バンドギャップエネルギ部は、前記真性半導体部を含まず、かつ、前記n型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部および前記p型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部を含む部位であることを特徴とする請求項1に記載の車両の発電装置。
  3. 前記発電装置は、前記熱電変換素子を複数有し、
    複数の前記熱電変換素子は、電極を介して電気的に接続されることで素子積層体として構成されており、
    前記熱電変換素子の前記n型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部を第1の端部と称し、前記熱電変換素子の前記p型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端部を第2の端部と称した場合、前記電極は、隣り合う一方の前記熱電変換素子の前記第1の端部と、隣り合う他方の前記熱電変換素子の前記第2の端部とを電気的に接続し、
    前記発電装置は、前記電極の表面のうちの少なくとも前記流体の流れ方向の上流側の部位を覆うように設置された電極シールドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車両の発電装置。
  4. 前記電極シールドは、前記電極に接触する態様で当該電極を覆い、かつ、前記電極の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両の発電装置。
  5. 前記発電装置は、前記熱電変換素子における高バンドギャップエネルギ部の表面のうちの少なくとも前記流体の流れ方向の上流側の部位を覆うように設置された高バンドギャップエネルギシールドをさらに備え、
    前記高バンドギャップエネルギ部は、前記真性半導体部を含まず、かつ、前記第1の端部および前記第2の端部を含む部位であることを特徴とする請求項3または4に記載の車両の発電装置。
  6. 前記高バンドギャップエネルギシールドは、前記高バンドギャップエネルギ部と接触する態様で当該高バンドギャップエネルギ部を覆い、前記真性半導体部の表面を前記流体中に露出させ、かつ、前記熱電変換素子の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両の発電装置。
  7. 前記素子積層体は、複数の前記熱電変換素子を前記電極を介して積層して得られる単位積層体を複数含み、
    複数の前記単位積層体は、それぞれの前記単位積層体に含まれる前記熱電変換素子の積層方向が前記流体の流れ方向に直交する第1の直交方向となるように設置され、
    複数の前記単位積層体は、所定間隔をあけて配置されており、
    前記流体の流れ方向および前記第1の直交方向の双方に直交する方向を第2の直交方向と称した場合、前記高バンドギャップエネルギシールドは、前記流体の流れ方向および前記第2の直交方向のうちの少なくとも一方に板状に延びるように、かつ、当該高バンドギャップエネルギシールドと重なる位置にある前記熱電変換素子の前記高バンドギャップエネルギ部を覆うように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両の発電装置。
  8. 前記電極シールドと前記高バンドギャップエネルギシールドとが一体的に形成されていることを特徴とする請求項5〜7の何れか1つに記載の車両の発電装置。
  9. 前記熱電変換素子は、前記真性半導体部の表面を含む側面と、前記n型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端面と、前記p型半導体部における前記真性半導体部と反対側の端面とからなる角柱形状もしくは円柱形状を有しており、
    前記熱電変換素子は、前記側面が前記流体から受ける熱流束が、前記n型半導体部の前記端面および前記p型半導体部の前記端面のそれぞれが前記流体から受ける熱流束よりも大きくなる態様で、前記流路内に設置されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1つに記載の車両の発電装置。
  10. 前記流路は前記車両に搭載される内燃機関の排気管であり、前記流体は前記排気管を流れる排気ガスであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1つに記載の車両の発電装置。
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