JP2017134355A - 感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017134355A
JP2017134355A JP2016016303A JP2016016303A JP2017134355A JP 2017134355 A JP2017134355 A JP 2017134355A JP 2016016303 A JP2016016303 A JP 2016016303A JP 2016016303 A JP2016016303 A JP 2016016303A JP 2017134355 A JP2017134355 A JP 2017134355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
photosensitive resin
component
cured film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016016303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6588354B2 (ja
Inventor
米澤 裕之
Hiroyuki Yonezawa
裕之 米澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2016016303A priority Critical patent/JP6588354B2/ja
Publication of JP2017134355A publication Critical patent/JP2017134355A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6588354B2 publication Critical patent/JP6588354B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、硬化膜の製造方法の提供。
【解決手段】成分A重量平均分子量が10000以上の重合体成分、成分B光酸発生剤、成分C溶剤、成分E架橋剤を含有し、成分Aが酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位および架橋性基を有する構成単位を有する重合体等を含み、成分Aが全固形分中の75質量%以下、成分Eの分子量が3000以下、成分Eが全固形分中の15質量%以上、成分Eが特定の加水分解性シリル基等または不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置、硬化膜の製造方法に関する。詳しくは、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物、ならびに、それを用いた硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置、硬化膜の製造方法に関する。
さらに詳しくは、液晶表示装置、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)表示装置、タッチパネル、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜や層間絶縁膜の形成に好適な、感光性樹脂組成物、ならびに、それを用いた硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置、硬化膜の製造方法に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル、集積回路素子および固体撮像素子などの電子部品には、平坦化膜、保護膜および層間絶縁膜などの硬化膜がパターン形状で設けられている。これらの硬化膜の形成には、必要とするパターンを得るための工程数が少ないといったことから、感光性樹脂組成物が広く使用されている。
感光性樹脂組成物として、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位などを有する重合体を含む化学増幅ポジ型組成物を用いて、層間絶縁膜などの硬化膜を形成することが試みられている。
例えば特許文献1には、[A]同一又は異なる重合体分子中に特定構造の酸解離性基を含む構造単位(I)とエポキシ基含有構造単位とを有する重合体、[B]オキシムスルホネート化合物及びオニウム塩化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、並びに[C]有機溶媒を含有し、固形分濃度が10質量%以上30質量%以下であり、25℃における粘度が2.0mPa・s以上12mPa・s以下であり、かつ[C]有機溶媒として、少なくとも(C1)20℃における蒸気圧が0.1mmHg以上1mmHg未満の有機溶媒を含む吐出ノズル式塗布法用ポジ型感放射線性組成物が記載されている。
特許文献2には、成分A下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、
(1)a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位、およびa2架橋性基を有する構成単位、を有する重合体、
(2)a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、およびa2架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
(成分C)光酸発生剤、および、(成分D)溶剤を含有し、さらに(成分X)特定の加水分解性シリル基および/またはシラノール基を1分子内に2個以上有するケイ素化合物を含有するポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。
特開2011−248331号公報 特開2013−218265号公報
近年、高精細な画像表示パネルの設計では、従来よりも平坦化膜、保護膜および層間絶縁膜などの硬化膜の下地の段差が増えてきている。半導体分野で使用されていた積層配線など立体的な配線が画像表示パネルの設計でも行われ出したことも、硬化膜の下地の段差が増える原因である。下地の段差としては、例えば、金属配線パターンや、金属配線パターンの段差に起因する段差を表面に有する任意の樹脂層、樹脂パターンの段差に起因する段差を有する任意の樹脂層などを挙げることができる。
本発明者が段差を有する下地の上に感光性樹脂組成物を塗布したところ、下地の段差の影響で感光性樹脂組成物から形成された硬化膜の表面にも段差が発生するという問題があることがわかった。近年の段差の大きな基板を用いると、複数の膜を積層させて電子部品を作製するような場合には、硬化膜の表面に発生した段差の影響により硬化膜の上側の膜がうまく形成できなくなり、結果として電子部品の性能が低下したりする問題に繋がる。このように、本発明者は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供するという、従来知られていなかった新規課題を見出すに至った。
本発明者がこの新規課題を解決するために、下地の段差が大きい場合に感光性樹脂組成物が下地の段差を吸収し、表面では段差が発生しない組成の感光性樹脂組成物があるかについて、検討を行った。
従来知られていた組成の化学増幅型ポジレジストは、下地の段差が大きい場合に感光性樹脂組成物が下地の段差を吸収することを十分には想定しておらず、硬化膜の表面における段差が発生についてはさらなる改善の余地があった。従来知られていた組成の化学増幅型ポジレジストは、酸分解性基を含む重合体成分を少量の感光剤(酸発生剤)で変性させるという設計思想であるために重合体成分の含有量が多かった。そのため、感光性樹脂組成物中の溶剤を揮発させる工程や、感光性樹脂組成物をパターン露光および現像した後の熱硬化工程で、塗布膜の形状の変形が少なく、下地の段差を吸収できずに硬化膜の表面に段差が発生しやすいと考えられた。
一方、本発明者が酸分解性基を含む重合体成分の量を減らし、塗布膜の形状の変形を大きくしたところ、パターン露光および現像した後の硬化膜の形状も変形しやすくなる問題が発生することがわかった。特に、硬化膜パターンの側部の形状がなだらかになってテーパー角度が小さくなる問題が発生することがわかった。硬化膜パターンのテーパー角度が小さくなると、例えば層間絶縁膜などの硬化膜の上下の配線をつなぐためのコンタクトホールをパターン形成する場合に、高精細な画像表示パネルの設計に求められる小さなコンタクトホールを高精度で形成できないという問題に繋がる。
このように、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成するという新規課題の解決と、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成するという課題の解決は、トレードオフの関係にあった。
本発明が解決しようとする課題は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供することである。また、本発明が解決しようとする課題は、感光性樹脂組成物を応用した、硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置および硬化膜の製造方法を提供することである。
以上の状況のもと、本発明者が検討を行った結果、重合体成分の含有量を従来の化学増幅ポジレジストに比べて少なくし、かつ、分子量の小さい特定の架橋剤の含有量を多くすることによって、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<12>により、上記課題は解決された。
<1>成分A重量平均分子量が10000以上である重合体成分、
成分B光酸発生剤、
成分C溶剤、および
成分E架橋剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
成分Aが下記重合体1および重合体2の少なくとも一方を満たす重合体を含み、
重合体1:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位、およびa1−2架橋性基を有する構成単位、を有する重合体、
重合体2:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、およびa1−2架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
成分Aの含有量が全固形分中の75質量%以下であり、
成分Eの分子量が3000以下であり、
成分Eの含有量が全固形分中の15質量%以上であり、
成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物および分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物のうち少なくとも一方である、感光性樹脂組成物;
式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
<2>成分Eの含有量が全固形分中の20質量%以上である<1>に記載の感光性樹脂組成物。
<3>成分Eの含有量が全固形分中の25質量%以上である<1>に記載の感光性樹脂組成物。
<4>成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物である<1>〜<3>のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物;
式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
<5>成分Eがイソシアヌル骨格を有する化合物である<4>に記載の感光性樹脂組成物。
<6>成分Eが分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である<1>〜<3>のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物。
<7>成分Eがウレタン構造を有する化合物である<6>に記載の感光性樹脂組成物。
<8><1>〜<7>のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物の硬化膜。
<9>層間絶縁膜である<8>に記載の硬化膜。
<10><8>または<9>に記載の硬化膜を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
<11><8>または<9>に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
<12>少なくとも下記工程1〜5をこの順に含む、硬化膜の製造方法;
工程1:<1>〜<7>のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物を下地の上に塗布する工程;
工程2:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤の少なくとも一部を除去する工程;
工程3:少なくとも一部の溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程;
工程4:露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する現像工程;
工程5:現像された感光性樹脂組成物を熱硬化する工程。
<13>下地が、段差を有する下地である、<12>に記載の硬化膜の製造方法。
本発明によれば、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供できる。また、本発明によれば、この感光性樹脂組成物を応用した、硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置および硬化膜の製造方法を提供できる。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 段差を有する下地の上に従来の感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥し、プリベークし、パターン露光および現像して得られる硬化膜の形状の断面模式図を表す。 段差を有する下地の上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥し、プリベークし、パターン露光および現像して得られる硬化膜の形状の断面模式図を表す。 実施例の平坦性評価における、段差を有する下地の上に感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥し、プリベークし、パターン露光および現像して得られる硬化膜の形状の断面模式図を表す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
本明細書において、特に断りが無い限りにおいて、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定で求めたポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID(内径)×15.0cm)を、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本発明における固形分とは、25℃における固形分をいう。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、成分A重量平均分子量が10000以上である重合体成分、
成分B光酸発生剤、
成分C溶剤、および
成分E架橋剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
成分Aが下記重合体1および重合体2の少なくとも一方を満たす重合体を含み、
重合体1:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位、およびa1−2架橋性基を有する構成単位、を有する重合体、
重合体2:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、およびa1−2架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
成分Aの含有量が全固形分中の75質量%以下であり、
成分Eの分子量が3000以下であり、
成分Eの含有量が全固形分中の15質量%以上であり、
成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物および分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物のうち少なくとも一方である、感光性樹脂組成物;
式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
このような構成により、本発明の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる。
ここで、特開2011−248331号公報の実施例中、重合体成分が最も少ない実施例13であった。この実施例では重合体成分の含有量は全固形分中の78質量%であり、多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は全固形分中の12質量%であった。また、特開2013−218265号公報の実施例中、重合体成分が最も少ない実施例31であった。この実施例では重合体成分の含有量は全固形分中の81質量%であり、多官能アルコキシシランの含有量は全固形分中の12質量%であった。
これに対し、本発明の感光性樹脂組成物では、重合体成分の含有量を従来の化学増幅ポジレジストに比べて少なくし、分子量が小さく分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物や分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物の含有量を従来に比べて多くしたことで、段差を有する下地の上に塗布した場合に硬化膜のテーパー角度を大きく維持しつつ、平坦性を改善できる。
図3は、段差を有する下地の上に従来の感光性樹脂組成物を塗布し、減圧による乾燥をし、プリベークし、パターン露光および現像して得られる硬化膜の形状の断面模式図を表す。図3(a)に示すとおり、段差を有する下地100の上に従来の感光性樹脂組成物を塗布し、減圧による乾燥をすると、感光性樹脂組成物103の膜の表面は少し段差ありの状態となる。これは、溶媒乾燥による膜の収縮で段差が発生するものと考えられる。段差を有する下地100は、段差を有する下地100の段の下部101と、段差102とから構成され、D1は下地の段差の高さを表す。図3(b)では、次にプリベーク工程で例えば110℃程度の加熱をした後、感光性樹脂組成物103の膜の表面は少し段差ありの状態となる。これは、従来の感光性樹脂組成物では、プリベーク中の膜は流動しないためと考えられる。図3(c)では、次に、パターン露光および現像をし、さらに230℃程度の加熱(熱硬化)をした後、得られた硬化膜104の表面は大きな段差ありの状態となる。これは、架橋反応や感光性樹脂組成物中の成分の揮発などによる膜の収縮で、段差が強調されるためと考えられる。下地の段差102の無い部分における硬化膜の厚みをD2とし、硬化膜の表面の段差の高さをΔdとする。硬化膜104はパターンを有し、パターン端部はテーパー角度θである。
一方、図4は、段差を有する下地の上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、減圧による乾燥をし、プリベークし、パターン露光および現像して得られる硬化膜の形状の断面模式図を表す。図4(a)に示すとおり、段差を有する下地100の上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、減圧による乾燥をすると、感光性樹脂組成物103の膜の表面は少し段差ありの状態となる。これは、溶媒乾燥による膜の収縮で段差が発生するものと考えられる。図4(b)では、次にプリベークで例えば110℃程度の加熱をした後、感光性樹脂組成物103の膜の表面は平坦な状態となる。これは、本発明の感光性樹脂組成物は、プリベーク工程の加熱により膜が流動し平坦になったためと考えられる。図4(c)では、次に、パターン露光および現像をし、さらに230℃程度の加熱(熱硬化)をした後、得られた硬化膜104の表面は、硬化膜の表面の段差の高さΔdが小さい状態となり、かつ、テーパー角度θの大きなパターンが得られる。これは、熱硬化工程の加熱により膜が流動し平坦になる影響と、特定の架橋剤により現像されて残った硬化膜104(パターン)側部の速やかな硬化が進むためと考えられる。
図3および図4に示したように、段差を有する下地の上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布した場合の方が、段差を有する下地の上に従来の感光性樹脂組成物を塗布した場合よりも、平坦性に優れ、テーパー角度を大きいパターンを有する硬化膜が得られる。
以下、本発明の詳細について説明する。
形成された硬化膜が高い平坦性を得るためには、プリベーク工程で感光性樹脂組成物の膜が軟化・流動することで平坦になることが望ましい。プリベーク工程の温度は例えば70〜130℃、一般には80℃〜110℃程度であるので、感光性樹脂組成物の軟化温度も同じ範囲であることが好ましい。感光性樹脂組成物の軟化温度が110℃以下であると、プリベーク工程における平坦化が十分に進行する。感光性樹脂組成物の軟化温度が80℃以上であると、続くポストベーク工程での軟化・流動が早く進行し過ぎず、硬化膜のコンタクトホールなどのパターンのテーパー角度が小さくなる前に硬化しやすい。
感光性樹脂組成物の軟化温度は、本発明の感光性樹脂組成物を連続的に昇温していった場合に、樹脂組成物の変形が開始する温度のことを言う。感光性樹脂組成物の軟化温度は以下の方法で測定する。
TMA/SS−6000(セイコーインスツルメンツ製)を用いて、荷重1N、加熱速度10℃/minで室温から加熱を行い、5%以上の変形が認められた温度を軟化温度とする。
<成分A重合体成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分A重量平均分子量が10000以上である重合体成分を含み、成分Aが下記重合体1および重合体2の少なくとも一方を満たす重合体を含み、
重合体1:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位、およびa1−2架橋性基を有する構成単位、を有する重合体、
重合体2:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、およびa1−2架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
成分Aの含有量が全固形分中の75質量%以下である。
これら重合体成分は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、これら以外の重合体を含んでいてもよい。本発明における成分A重合体成分は、特に述べない限り、上記重合体1および上記重合体2に加え、必要に応じて添加される他の重合体を含めたものを意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aの含有量が全固形分中の75質量%以下であり、70質量%以下であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成する観点から好ましく、65質量%以下であることがより好ましい。感光性樹脂組成物は、成分Aの含有量が全固形分中の50質量%以上であることがパターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度の硬化膜を形成する観点から好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aの含有量を好ましい範囲とすることによって、感光性樹脂組成物の軟化温度を好ましい範囲に制御することも好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aの含有量が感光性樹脂組成物の全量(溶剤を含む)中の19質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成する観点からより好ましく、16質量%以下であることが特に好ましい。感光性樹脂組成物は、成分Aの含有量が感光性樹脂組成物の全量(溶剤を含む)中の13質量%以上であることがパターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度の硬化膜を形成する観点から好ましく、14質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、重合体2:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体およびa2架橋性基を有する構成単位を有する重合体を含む場合には、a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体とa2架橋性基を有する構成単位を有する重合体との割合(モル比)は、95:5〜5:95が好ましく、80:20〜20:80がより好ましく、70:30〜30:70がさらに好ましい。
成分A重合体成分は、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸およびそのエステルに由来する構成単位のうち少なくとも一方を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸またはそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。なお、「(メタ)アクリル酸およびそのエステルに由来する構成単位のうち少なくとも一方」を「アクリル系構成単位」ともいう。
<<a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位>>
成分A重合体成分は、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1を少なくとも有する。成分A重合体成分が構成単位a1を有することにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。これら構成単位a1は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における「酸基が酸分解性基で保護された基」は、酸基および酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。
具体的な酸基としては、カルボキシル基、および、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。
また、具体的な酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、後述するエステル構造、テトラヒドロピラニルエステル基、または、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や、酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
構成単位a1は、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが好ましい。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2について、順にそれぞれ説明する。
<<<a1−1酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位>>>
構成単位a1−1は、カルボキシル基を有する構成単位のカルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である。
上記構成単位a1−1に用いることができる上記カルボキシル基を有する構成単位としては、特に制限はなく公知の構成単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1が挙げられる。
以下、上記カルボキシル基を有する構成単位として用いられる、構成単位a1−1−1について説明する。
<<<<a1−1−1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位>>>>
本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては、以下に挙げるようなものが用いられる。
すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、などが挙げられる。
また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。
また、カルボキシル基を有する構成単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、上記構成単位a1−1−1を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、または不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、を用いることがより好ましい。
構成単位a1−1−1は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<<構成単位a1−1に用いることができる酸分解性基>>>>
構成単位a1−1に用いることができる上記酸分解性基としては、上述の酸分解性基を用いることができる。
これらの酸分解性基の中でも、酸分解性基がアセタールの形で保護された構造を有する基であることが好ましい。例えば、カルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。さらに、カルボキシル基が下記一般式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記一般式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
一般式a1−10
(式a1−10中、R101およびR102は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、但し、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基を表す。R101またはR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
上記一般式a1−10中、R101〜R103は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101およびR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101およびR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
上記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
上記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることがさらに好ましい。上記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でもフッ素原子または塩素原子が好ましい。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
また、上記アルキル基が環状アルキル基である場合、上記環状アルキル基は、置換基として炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12の環状アルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていてもよい。
上記一般式a1−10において、R101、R102およびR103がアリール基を表す場合、上記アリール基は、炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。上記アリール基は、置換基を有していてもよく、上記置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102およびR103は、互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103またはR102とR103が結合した場合の環状構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、上記一般式a1−10において、R101およびR102のいずれか一方が、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
上記一般式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、特開2011−221494号公報の段落番号0037〜0040に記載の合成方法などで合成することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
上記構成単位a1−1の第一の好ましい態様は、下記一般式A2’で表される構成単位である。
式A2’中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR1およびR2のいずれか一方がアルキル基またはアリール基を表し、R3は、アルキル基またはアリール基を表し、R1またはR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は、水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合またはアリーレン基を表す。
1およびR2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R1およびR2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R1およびR2は、それぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
3は、アルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
Xは単結合またはアリーレン基を表し、単結合が好ましい。
上記構成単位a1−1の第二の好ましい態様は、下記一般式1−12で表される構成単位である。
一般式1−12
式1−12中、R121は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基またはフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
121は水素原子またはメチル基が好ましい。
1はカルボニル基が好ましい。
122〜R128は、水素原子が好ましい。
上記構成単位a1−1の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、下記の構成単位中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
<<<a1−2酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位>>>
構成単位a1−2は、フェノール性水酸基を有する構成単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2−1であることが好ましい。
<<<<a1−2−1フェノール性水酸基を有する構成単位>>>>
上記フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレン系構成単位やノボラック系の樹脂における構成単位が挙げられるが、これらの中では、ヒドロキシスチレン、またはα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位が、感度の観点から好ましい。またフェノール性水酸基を有する構成単位として、下記一般式a1−20で表される構成単位も、感度の観点から好ましい。
一般式a1−20
一般式a1−20中、R220は水素原子またはメチル基を表し、R221は単結合または二価の連結基を表し、R222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。
上記一般式a1−20中、R220は水素原子またはメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合または二価の連結基を示す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、さらに硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の二価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、R221がアルキレン基である具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。また、上記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1または2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基である。
具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
また、bは0または1〜4の整数を表す。
<<<<構成単位a1−2に用いることができる酸分解性基>>>>
上記構成単位a1−2に用いることができる上記酸分解性基としては、上記構成単位a1−1に用いることができる酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。さらに、酸分解性基の中でも、フェノール性水酸基が上記一般式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が上記一般式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=R102=R103=メチル基やR101=R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2011−215590号公報の段落番号0042に記載のものなどが挙げられる。
これらの中でも、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができる。これらは単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記構成単位a1−2を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
上記構成単位a1−2の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<<<構成単位a1の好ましい態様>>>
上記構成単位a1を含有する重合体が、実質的に、構成単位a2を含まない場合、構成単位a1の含有量は、成分A重合体成分中、20〜100モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましい。
上記構成単位a1を含有する重合体が、構成単位a2を含有する場合、構成単位a1の含有量は、成分A重合体成分中、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。また、特に上記構成単位a1に用いることができる上記酸分解性基が、カルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である場合、20〜50モル%が好ましい。
上記構成単位a1−1は、上記構成単位a1−2に比べると、現像が速い。よって、速く現像したい場合には、構成単位a1−1を用いることが好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には、構成単位a1−2を用いることが好ましい。
<<a2架橋性基を有する構成単位>>
成分A重合体成分は、架橋性基を有する構成単位a2を有する。上記架橋性基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋性基を有する構成単位の態様としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基およびエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位が挙げられ、エポキシ基、オキセタニル基、および、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。その中でも、本発明の感光性樹脂組成物は、成分A重合体成分が、エポキシ基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む構成単位を含むことが好ましい。エポキシ基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む単位とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。これら構成単位a2は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<<a2−1エポキシ基およびオキセタニル基のうち少なくとも一方を有する構成単位>>>
上記成分A重合体成分は、エポキシ基およびオキセタニル基のうち少なくとも一方を有する構成単位(以下、構成単位a2−1ともいう。)を含有することが好ましい。
上記構成単位a2−1は、1つの構成単位中にエポキシ基またはオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基および1つ以上オキセタニル基、2つ以上のエポキシ基、または、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基またはオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基を合計1または2つ有することがより好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基を1つ有することがさらに好ましい。
a2架橋性基を有する構成単位は、a2−1エポキシ基およびオキセタニル基のうち少なくとも一方を有する構成単位の中でも、エポキシ基を有する構成単位であることが、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点から好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、オルト−ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタ−ビニルベンジルグリシジルエーテル、パラ−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落番号0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、特開2012−088459公報の段落番号0027に記載されている化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
上記エポキシ基およびオキセタニル基のうち少なくとも一方を有する構成単位a2−1を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらの中でも好ましいものは、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、オルト−ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタ−ビニルベンジルグリシジルエーテル、パラ−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルが、共重合反応性および硬化膜の諸特性の向上の観点から好ましい。これらの構成単位は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記構成単位a2−1の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、下記の構成単位中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
<<<a2−2エチレン性不飽和基を有する構成単位>>>
上記架橋性基を有する構成単位a2の1つとして、エチレン性不飽和基を有する構成単位a2−2が挙げられる。上記構成単位a2−2としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有する構成単位がより好ましい。
その他、構成単位a2−2については、特開2011−215580号公報の段落番号0072〜0090の記載および特開2008−256974の段落番号0013〜0031に記載の化合物等が好ましいものとして挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<<<a2−3−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基を有する構成単位>>>
本発明で用いる成分A重合体成分は、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基を有する構成単位a2−3も好ましい。構成単位a2−3を有することで、緩やかな加熱処理で硬化反応を起こすことができ、諸特性に優れた硬化膜を得ることができる。ここで、Rは炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基のいずれであってもよいが、好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基である。構成単位a2−3は、より好ましくは、下記一般式a2−30で表される基を有する構成単位である。
一般式a2−30
一般式a2−30中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。
2は、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基のいずれであってもよいが、好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基である。
2の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基、およびn−ヘキシル基を挙げることができる。中でもi−ブチル基、n−ブチル基、メチル基が好ましい。
<<<架橋性基を有する構成単位a2の好ましい態様>>>
上記構成単位a2を含有する重合体が、実質的に、構成単位a1を含まない場合、構成単位a2の含有量は、成分A重合体成分中、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
上記構成単位a2を含有する重合体が、上記構成単位a1を含有する場合、構成単位a2の含有量は、成分A重合体成分中、薬品耐性の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
本発明では、さらに、いずれの態様にかかわらず、成分A重合体成分の全構成単位中、構成単位a2の含有量が3〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましい。
上記の数値の範囲内とすることで、諸特性に優れる硬化膜を形成できる。
<<酸基を有する構成単位a3>>
本発明において、重合体成分Aは、酸基を有する構成単位a3を有してもよい。構成単位a3は、上記構成単位a1を有する重合体が有していてもよく、上記構成単位a1を実質的に含まない重合体が含んでいてもよい。重合体成分が構成単位a3を有することで、アルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像性が向上する。更には、感度に優れる。
酸基としては、カルボキシル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、並びに、これらの酸基の酸無水物基が例示され、カルボキシル基及びフェノール性水酸基のうち少なくとも一方が好ましい。すなわち、構成単位a3は、カルボキシル基を有する構成単位、および、フェノール性水酸基を有する構成単位が好ましい。
構成単位a3は、スチレンに由来する構成単位、ビニル化合物に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸及びそのエステルに由来する構成単位のうち少なくとも一方がより好ましい。例えば、特開2012−88459号公報の段落0021〜0023及び段落0029〜0044記載の化合物を用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。中でも、パラ−ヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸に由来する構成単位が好ましい。
構成単位a3を有する重合体としては、側鎖にカルボキシル基を有する重合体が好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合体も好ましいものとして挙げられる。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
その他にも、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報、特開2009−52020号公報等に記載の公知の高分子化合物を使用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの重合体は、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、Joncryl 586(以上、BASF製)等を用いることもできる。
<<<構成単位a3の好ましい態様>>>
上記構成単位a3を有する重合体が、構成単位a1および構成単位a2を有する場合、構成単位a3の含有量は、重合体の全構成単位に対し、1〜30モル%が好ましく、3〜20モル%がより好ましく、5〜15モル%が更に好ましい。
上記構成単位a3を有する重合体が、構成単位a1および構成単位a2のいずれかしか有しない場合、構成単位a3の含有量は、重合体の全構成単位に対し、1〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%が更に好ましい。
上記構成単位a3を含有する重合体が、構成単位a1および構成単位a2を実質的に含まない場合、構成単位a3の含有量は、重合体の全構成単位に対し1〜50モル%が好ましく、2〜40モル%がより好ましく、3〜30モル%が更に好ましい。
本発明では、さらに、いずれの態様にかかわらず、重合体成分Aの全構成単位中、構成単位a3の含有量は、1〜80モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましく、5〜30モル%が特に好ましく、5〜25モル%が特に好ましい。
<<他の構成単位a4>>
本発明において、成分A重合体成分は、上記構成単位a1および構成単位a2に加えて、上述した構成単位a1〜a3以外の他の構成単位a4を有していてもよい。構成単位a4は、上記重合体1または重合体2が含んでいてもよい。また、上記重合体1または重合体2とは別に、実質的に構成単位a1および構成単位a2を含まずに他の構成単位a4を有する重合体を有していてもよい。
構成単位a4となるモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
具体的には、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−シクロヘキシルマレイミド、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落番号0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
構成単位a4は、スチレン類または脂肪族環式骨格を有する構成単位が、電気特性の観点で好ましい。具体的にはスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
構成単位a4は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点で好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
重合体を構成する全構成単位中、上記の構成単位a4の含有量は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下が更に好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、硬化膜の諸特性が良好となる。
以下に、重合体成分の好ましい実施形態を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
重合体1が、さらに、1種または2種以上のその他の構成単位a4を有する態様。
(第2の実施形態)
重合体2における、a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体が、さらに、1種または2種以上のその他の構成単位a4を有する態様。
(第3の実施形態)
重合体2における、a2架橋性基を有する構成単位を有する重合体が、さらに、1種または2種以上のその他の構成単位a4を有する態様。
(第4の実施形態)
上記第1〜第3の実施形態のいずれかにおいて、その他の構成単位a4として、少なくとも酸基を含む構成単位を含む態様。
(第5の実施形態)
上記重合体1または重合体2とは別に、さらに、実質的に構成単位a1および構成単位a2を含まずに他の構成単位a4を有する重合体を有する態様。
(第6の実施形態)
上記第1〜第5の実施形態の2以上の組み合わせからなる形態。
実質的にa1およびa2を含まずに他の構成単位a4を有する重合体を有する態様においては、a1またはa2を有する重合体の合計量と、実質的にa1およびa2を含まずに他の構成単位a4を有する重合体の合計量との重量割合は、99:1〜5:95が好ましく、97:3〜30:70がより好ましく、95:5〜50:50がさらに好ましい。
<<成分A重合体成分の重量平均分子量>>
成分A重合体成分の重量平均分子量は10,000以上である。重量平均分子量はポリスチレン換算重量平均分子量である。成分A重合体成分の重量平均分子量は好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは10,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、諸特性が良好である。数平均分子量と重量平均分子量の比(分散度)は1.0〜5.0が好ましく1.5〜3.5がより好ましい。
成分A重合体成分の重量平均分子量及び分散度は、GPC測定で求めたポリスチレン換算値として定義される。
<<成分A重合体成分の合成法>>
成分A重合体成分の合成法についても、様々な方法が知られている。一例を挙げると、少なくとも上記a1および上記a2で表される構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
ラジカル重合開始剤としては特に制限はないが、例えばV−601:ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業社製)を用いることが好ましい。
(A)重合体成分は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの少なくとも一方に由来する構成単位を、全構成単位に対し、50モル%以上含有することが好ましく、80モル%以上含有することがより好ましい。
<成分B光酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分B光酸発生剤を含有する。本発明で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKa(酸解離指数;power of Ka;Kaは酸解離定数を表し、pKa=−logKaの関係がある)が4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、2以下の酸を発生する光酸発生剤が最も好ましい。
光酸発生剤の例として、オニウム塩化合物、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、オニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物が好ましく、オニウム塩化合物、オキシムスルホネート化合物が特に好ましい。光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、およびジアゾメタン化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0083〜0088に記載の化合物や、特開2011−105645号公報の段落番号0013〜0049に記載の化合物が例示でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
イミドスルホネート化合物の具体例としてはWO2011/087011号公報の段落番号0065〜0075に記載の化合物が例示でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
オニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩類やトリアリールスルホニウム塩類が好ましく例示できる。
ジアリールヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウム−パラ−トルエンスルホナートが好ましく挙げられる。
トリアリールスルホニウム塩類としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、又は、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテートが好ましく挙げられる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記一般式(B1−1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
一般式(B1−1)
一般式(B1−1)中、R21は、アルキル基またはアリール基を表す。波線は他の基との結合を表す。
一般式(B1−1)中、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、ハロゲン原子、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、環状のアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
上記一般式(B1−1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、特開2014−238438号公報段落0108〜0133に記載のオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
イミドスルホネート系化合物としては、ナフタレンイミド系化合物が好ましく、国際公開WO11/087011号パンフレットの記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。本発明では特に、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネートが好ましく挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、光酸発生剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。下限は、例えば、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。上限は、例えば、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
<成分C溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分C溶剤を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の必須成分と、さらに後述の任意の成分を溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物の調製に用いられる溶剤としては、必須成分および任意成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落番号0174〜0178に記載の溶剤、特開2012−194290公報の段落番号0167〜0168に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種を併用することが好ましく、1種単独がより好ましく、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、がさらに好ましい。
また、溶剤としては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、または、これらの混合物であることが好ましく、沸点160℃以上の溶剤を単独で使用することがプリベーク工程での平坦性を向上させる観点から好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物における、溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全成分100質量部当たり、50〜95質量部であることが好ましく、60〜90質量部であることがさらに好ましい。溶剤は1種類のみ含んでいても良いし、2種類以上含んでいても良い。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における全固形分量は、感光性樹脂組成物中の全成分100質量部当たり、5〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。
<成分E>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分E架橋剤を含有し、成分Eの分子量が3000以下であり、成分Eの含有量が全固形分中の15質量%以上であり、成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物および分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物のうち少なくとも一方である。
式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
成分Eの分子量は3000以下であり、2000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。分子量が上記の範囲であると、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる観点から好ましい。
成分Eの分子量は100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましく、300以上であることが特に好ましい。ただし、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点からは、成分Eの分子量は2000以上であってもよい。
成分Eは、例えば、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよく、モノマーが好ましい。なお本発明において、成分Eがプレポリマー、またはオリゴマーである場合は、成分Eの分子量を重量平均分子量と読みかえる。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eの含有量が全固形分中の15質量%以上であり、成分Eの含有量が全固形分中の20質量%以上であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる観点から好ましく、成分Eの含有量が全固形分中の22質量%以上であることがより好ましく、成分Eの含有量が全固形分中の25質量%以上であることが特に好ましい。感光性樹脂組成物は、成分Eの含有量は40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがパターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点からより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、全固形分中の成分Aの含有量に対する全固形分中の成分Eの含有量の比率である、成分E/成分Aの値が0.20以上であることが好ましく、0.30以上であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる観点からより好ましく、0.32以上であることが特に好ましい。成分E/成分Aの値が0.70以下であることが好ましく、0.52以下であることがパターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点からより好ましい。本発明の感光性樹脂組成物の、全固形分中の上記重合体1または上記重合体2の合計に対する全固形分中の成分Eの含有量の比率の好ましい範囲は、成分E/成分Aの値の好ましい範囲と同様である。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eの含有量が全固形分中の30質量%以上であり、かつ、成分E/成分Aの値が0.52以下であることが、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点から好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eの含有量が全固形分中の30質量%以上であり、成分E/成分Aの値が0.52以下であり、成分Eが分子内に式X1で表される基を3つ以上有する化合物であることが、より好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、全固形分中の成分Aおよび成分E以外の固形分の含有量が15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点から特に好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eの含有量が全固形分中の25〜35質量%であり、かつ、全固形分中の成分Aおよび成分E以外の固形分の含有量が5質量%以下であることがさらに好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eの含有量が全固形分中の25〜35質量%であり、全固形分中の成分Aおよび成分E以外の固形分の含有量が5質量%以下であり、成分Eが分子内に式X1で表される基を3つ以上有する化合物であることが、よりさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)成分以外のその他の架橋剤を実質的に含まない態様とすることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分E架橋剤を、1種単独のみを含んでいてもよいし、2種類以上を組み合わせて含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
硬化膜のコンタクトホールなどのパターンのテーパー角度を大きくするためには、架橋剤の架橋開始温度(本発明においては、樹脂組成物の硬化開始温度)が低いことが好ましい。架橋剤の架橋開始温度が低いことで、ポストベーク時の架橋反応が早く進行し、硬化膜のコンタクトホールなどのパターンが流動する前に硬化させることができ、テーパー角度が大きいパターンが得られる。また、架橋開始温度をプリベーク工程で膜が硬化しない程度に高くすることで、露光および現像してパターン形成しやすくなる。具体的には、本発明の樹脂組成物の硬化開始温度が、感光性樹脂組成物の軟化温度より10℃以上高く、ポストベーク工程の加熱温度以下、好ましくは120℃〜140℃程度であれば、ポストベーク時に膜が流動する前に硬化させることができ、パターンのテーパー角度が大きい硬化膜が得られる。
樹脂組成物の硬化開始温度は、以下の方法で測定した温度である。溶剤を乾燥させた樹脂組成物を種々の温度で30分間加熱した場合に、加熱後の樹脂組成物のヤング率が1kPa以上となる温度を樹脂組成物の硬化開始温度とする。
<<分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物>>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物であることがパターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点から好ましい。
式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
式X1中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、本発明の効果を得やすい観点から、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基がよりさらに好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
また、ハロゲン原子として、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさおよび安定性の観点で、好ましくはCl原子およびBr原子が挙げられ、より好ましくはCl原子が挙げられる。
分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、式X1で表される基を2つ以上有する。すなわち、分子内に加水分解性基が結合したケイ素原子を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物中に含まれる加水分解性基が結合したケイ素原子の数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましい。
2つ以上の構成成分X1を有することで、硬化膜内部で架橋剤として機能し、硬化膜の剥離液や溶剤に対する耐性を向上させることができる。
分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、分子内に式X1で表される基を3つ以上有する化合物であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる観点からより好ましい。
加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜4個の範囲で結合することができ、式X1中における加水分解性基の総個数は2個または3個の範囲であることが好ましく、3個の加水分解性基が結合していることが特に好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
加水分解性基として好ましいアルコキシ基として、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。
分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、硫黄原子、エステル結合、ウレタン結合、エーテル結合、ウレア結合、または、イミノ基を含有してもよい。中でも、分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、アルカリ現像性の観点から、アルカリ水で分解しやすいエステル結合、ウレタン結合またはエーテル結合(特にオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合)を含有することが好ましい。また、本発明における分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、エチレン性不飽和結合を有していない化合物であることが好ましい。分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、重合性基として加水分解性シリル基および/またはシラノール基のみを有するのが好ましい。
本発明における分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、複数の式X1で表される基が二価の連結基を介して結合している化合物が挙げられ、このような二価の連結基としては、効果の観点からスルフィド基(−S−)、イミノ基(−N(R)−)、または、ウレタン結合(−OCON(R)−またはN(R)COO−)を有する連結基が好ましい。なお、Rは水素原子または置換基を表す。Rにおける置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、または、アラルキル基が例示できる。
分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物の合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物の代表的な合成方法は、特開2013−218265号公報の[0098]〜[0100]に記載の方法が挙げられ、この公報の内容は本明細書に参照して組み込まれる。
分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物の具体例としては、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1−メチルジメトキシシリル−4−トリメトキシシリルブタン、1,4−ビス(メチルジメトキシシリル)ブタン、1,5−ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1−メチルジメトキシシリル−5−トリメトキシシリルペンタン、1,5−ビス(メチルジメトキシシリル)ペンタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,5−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、2,5−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6−ビス(メチルジメトキシシリル)ヘキサン、1,7−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、2,5−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、2,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、1,8−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、2,5−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、2,7−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,9−ビス(トリメトキシシリル)ノナン、2,7−ビス(トリメトキシシリル)ノナン、1,10−ビス(トリメトキシシリル)デカン、3,8−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビニルトリクロロシラン、1,3−ビス(トリクロロシラン)プロパン、1,3−ビス(トリブロモシラン)プロパン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、パラ−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、トリメチルシラノール、ジフェニルシランジオール、トリフェニルシラノール等を挙げることができる。
その他にも、以下に示す化合物が好ましい分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物として挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。
上記各式中、R、およびR1は、それぞれ、以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のR、およびR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、適宜合成して得ることも可能であるが、市販品を用いることがコストの面から好ましい。分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物としては、例えば、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ(株)、チッソ(株)等から市販されているシラン製品、シランカップリング剤などの市販品がこれに相当するため、本発明の感光性樹脂組成物に、これら市販品を、目的に応じて適宜選択して使用してもよい。
本発明における分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物として、分子内に式X1で表される基を有する化合物を1種用いて得られた部分加水分解縮合物、または、2種以上用いて得られた部分共加水分解縮合物を用いることができる。以下、これらの化合物を「部分(共)加水分解縮合物」と称することがある。
部分(共)加水分解縮合物前駆体としてのシラン化合物の中でも、汎用性、コスト面、膜の相溶性の観点から、ケイ素上の置換基としてメチル基およびフェニル基から選択される置換基を有するシラン化合物であることが好ましく、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが好ましい前駆体として例示される。
この場合、部分(共)加水分解縮合物としては、上記したようなシラン化合物の2量体(シラン化合物2モルに水1モルを作用させてアルコール2モルを脱離させ、ジシロキサン単位としたもの)〜100量体、好ましくは2〜50量体、更に好ましくは2〜30量体としたものが好適に使用できるし、2種以上のシラン化合物を原料とする部分共加水分解縮合物を使用することも可能である。
なお、このような部分(共)加水分解縮合物は、シリコーンアルコキシオリゴマーとして市販されているものを使用してもよく(例えば、信越化学工業(株)などから市販されている。)、また、常法に基づき、加水分解性シラン化合物に対し当量未満の加水分解水を反応させた後に、アルコール、塩酸等の副生物を除去することによって製造したものを使用してもよい。製造に際しては、前駆体となる原料の加水分解性シラン化合物として、例えば、上記したようなアルコキシシラン類やアシロキシシラン類を使用する場合は、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、トリエチルアミン等のアルカリ性有機物質等を反応触媒として部分加水分解縮合すればよい。クロロシラン類から直接製造する場合には、副生する塩酸を触媒として水およびアルコールを反応させればよい。
硬化性、接着性、耐熱着色安定性、および透明性と接着強度とのバランスにより優れ、耐湿熱接着性に優れるという観点から、ビス(トリアルコキシシリル)アルカンがより好ましく、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,7−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、1,8−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,9−ビス(トリメトキシシリル)ノナンおよび1,10−ビス(トリメトキシシリル)デカンからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンがさらに好ましい。
本発明で用いる分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物は、特に、式X2で表されるケイ素化合物が好ましい。
(式中、Xは、上記式X1で表される基を表し、aは2以上の整数を表す。Roは、a価の連結基を表す。)
式X2におけるXは、上記式X1で表される基と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式X2において、aは2〜4が好ましく、2または3がさらに好ましい。
式X2で表される化合物は、さらに好ましくは、下記式X3で表される化合物である。
(式中、Xは、上記式X1を表し、aは2以上の整数を表す。nは1〜5の整数を表す。Rooは、単結合またはa価の連結基を表す。)
式X3におけるXは、上記式X1で表される基と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式X3において、aは2〜4が好ましく、2または3がさらに好ましく、2が特に好ましい。
式X3において、Rooは、単結合、ならびに、−CR2−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基)、−S−、−CO−、−O−、フェニレン基、イソシアヌル骨格およびこれらの2以上の組み合わせからなる基であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eがイソシアヌル骨格を有する化合物であることが、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる観点から好ましい。
式X3において、Rooは、より好ましくは、単結合、ならびに、−CR2−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基)、−S−、−CO−、−O−およびこれらの組み合わせからなる基であり、さらに好ましくは、単結合、ならびに、−CH2−、−S−、およびこれらの組み合わせからなる基である。
式X3において、nは1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
本発明で用いる成分Eの分子量は3000以下であり、成分Eが分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物である場合、分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物の分子量は100〜1500が好ましく、250〜1100がより好ましい。
本発明では分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物として、特に、以下の化合物(E−1)、(E−2)、(S−2)〜(S−17)が好ましく採用される。
なお、化合物(E−1)はKBM−9659(信越化学製)、化合物(E−2)はKBE−3026(信越化学製)として市販されている。
<<分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物>>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eが分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物であることが段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる観点から好ましい。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、分子内に不飽和二重結合を3つ以上有する化合物であることがより好ましく、分子内に不飽和二重結合を4つ以上有する化合物であることがより好ましい。分子内の不飽和二重結合の数の上限は、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が特に好ましい。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が有する不飽和二重結合は、エチレン性不飽和結合であることが好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物であることが好ましく、分子内に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物であることがより好ましく、分子内に(メタ)アクリロイル基を4つ以上有する化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリロイル基の数の上限は、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が特に好ましい。これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落0095〜0108、特開2013−29760号公報の段落0227、特開2008−292970号公報の段落番号0254〜0257に記載の化合物を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、A−DPH−12E;新中村化学(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。また、KAYARAD RP−1040、DPCA−20(日本化薬(株)製)、M−321(東亞合成(株)製)を使用することもできる。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。さらには、光重合性能が良好で、硬化性に優れる。酸基を有する重合性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−305、M−510、M−520などが挙げられる。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、カプロラクトン構造を有する化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120等が挙げられる。
分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、アルキレンオキシ基を有する重合性化合物を用いることもできる。アルキレンオキシ基を有する分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を有する分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物のうち少なくとも一方が好ましく、エチレンオキシ基を有する分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物がより好ましく、エチレンオキシ基を4〜20個有する(メタ)アクリレート化合物が更に好ましい。アルキレンオキシ基を有する分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ基を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eがウレタン構造を有する化合物であることが、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れる硬化膜を形成できる観点から好ましい。
ウレタン構造を有する化合物である分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ(株)製)、NKオリゴ U−15HA、U−6LPA、UA−7200(新中村化学(株)製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学株式会社製)などが挙げられる。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、溶剤、増感剤、上記成分E以外のその他の架橋剤、塩基性化合物、界面活性剤、酸化防止剤を好ましく加えることができる。さらに本発明の感光性樹脂組成物には、酸増殖剤、現像促進剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を、それぞれ独立に1種または2種以上、加えることができる。また、これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落番号0201〜0224に記載の化合物を使用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の感光性樹脂組成物は、また、成分E架橋剤以外の重合性モノマーを実質的に含まない態様とすることができる。実質的に含まないとは、全固形分の0.5質量%以下、さらには、0.1質量%以下であることをいう。
<<増感剤>>
本発明の感光性樹脂組成物は、光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリリウム類(例えば、スクアリリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が増感剤を含有する場合、増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、0.001〜100質量部であることが好ましく、0.1〜50質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることがさらに好ましい。増感剤は、1種類のみ含んでいても良いし、2種類以上含んでいても良い。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<塩基性化合物>>
本発明の感光性樹脂組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0204〜0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物が塩基性化合物を含有する場合、塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、0.001〜3質量部であることが好ましく、0.005〜1質量部であることがより好ましい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,70
00,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、特開2014−238438号公報段落0151〜0155に記載の化合物も好ましい例として挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、感光性樹脂組成物の全固形分中100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<酸化防止剤>>
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または、分解に起因する膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落番号0026〜0031に記載の化合物、特開2011−227106号公報の段落番号0106〜0116に記載の化合物を挙げる事ができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(ADEKA製)、イルガノックス1035、イルガノックス1098(BASF製)を挙げる事ができる。
本発明の感光性樹脂組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることがより好ましく、0.5〜4質量部であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。酸化防止剤は1種類のみ含んでいても良いし、2種類以上含んでいても良い。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<酸増殖剤>>
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。
本発明に用いることができる酸増殖剤は、酸触媒反応によってさらに酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。
このような酸増殖剤の具体例としては、特開2011−221494の段落番号0226〜0228に記載の酸増殖剤が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
酸増殖剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
<<現像促進剤>>
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、特開2012−042837号公報の段落番号0171〜0172に記載されているものを参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物が現像促進剤を含有する場合、現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落番号0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、WO2011/136074A1に記載の窒素含有化合物および熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<アルコキシシラン化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物は、エポキシ基、エチレン性不飽和結合を有する基、クロロ基で置換されたアルキル基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種とアルコキシシラン構造とを有する化合物が好ましい。このような化合物を配合することにより、感度をより向上させることができるとともに、感光性樹脂組成物の硬化時の下地基板との密着性をさらに向上させることができる。
アルコキシシラン化合物は1種類のみ含んでいても良いし、2種以上含んでいても良い。
アルコキシシラン化合物の分子量は特に定めるものではないが、1000未満であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。アルコキシシラン化合物の分子量の下限値については、特に定めるものではないが、100以上が好ましく、200以上がより好ましい。
アルコキシシラン化合物の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。
市販品としては、信越シリコーン(株)製のKBM−403、KBM−5103、KBM−303、KBM−803が例示される。
本発明の感光性樹脂組成物が、アルコキシシラン化合物を含有する場合、アルコキシシラン化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分中の0.05〜10質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。上限は、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が特に好ましい。
<<成分E以外のその他の架橋剤>>
本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、成分E以外のその他の架橋剤を含むことができる。成分E以外のその他の架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限は無い。
例えば、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、アルコキシメチル基含有化合物、エチレン性不飽和基を分子内に1つのみ有する化合物等が挙げられる。分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物およびアルコキシメチル基含有化合物が好ましく、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物およびアルコキシメチル基含有化合物がより好ましく、分子内に2個以上のエポキシ基およびオキセタニル基を有する化合物のうち少なくとも一方がさらに好ましい。分子内に2個以上のエポキシ基およびオキセタニル基を有する化合物のうち少なくとも一方を配合すると、特に耐熱性に優れた硬化膜が得られ易い。
分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、JER152、JER157S70、JER157S65、JER806、JER828、JER1007(三菱化学(株)製)など、特開2011−221494号公報の段落番号0189に記載の市販品などが挙げられ、その他にも、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402(以上ナガセケムテックス(株)製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(新日鐵化学(株)製)、セロキサイド2021P、2081、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177((株)ダイセル製)、Epicron HP−720(DIC(株)製)などが挙げられる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独でまたはエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、上記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネートであってよい。骨格の具体例については、特開2014−238438号公報段落0144の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
ブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。ブロック剤の具体例としては、特開2014−238438号公報段落0146の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
ブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
アルコキシメチル基含有化合物としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、メトキシメチル基が特に好ましい。
これらの化合物のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい化合物として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
アルコキシメチル基含有化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド製)、ニカラックMX−750、MX−032、MX−706、MX−708、MX−40、MX−31、MX−270、MX−280、MX−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、MW−100LM、MW−390(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
エチレン性不飽和基を分子内に1つのみ有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つのみ含む化合物が好ましい。(メタ)アクリロイル基を分子内に1つのみ含む化合物は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルからなる群から選択される化合物が挙げられる。
本発明において、成分E以外のその他の架橋剤の分子量は、200〜1,000が好ましい。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して感光性樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、例えば孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用することもできる。
[硬化膜の製造方法]
本発明の硬化膜の製造方法は、少なくとも下記工程1〜5をこの順に含む;
工程1:本発明の感光性樹脂組成物を下地の上に塗布する工程;
工程2:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤の少なくとも一部を除去する工程;
工程3:少なくとも一部の溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程;
工程4:露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する現像工程;
工程5:現像された感光性樹脂組成物を熱硬化する工程。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を下地の上に塗布する工程を塗布工程という。
塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を下地の上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。下地は、基板であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、下地が、段差を有する下地であることが好ましく、段差を有する基板であることがより好ましい。
段差を有する下地が有する「段差」としては、特に制限はない。段差を有する下地としては、段差を有する基板を挙げることができる。本発明の感光性樹脂組成物は、従来よりも大きな段差を有する基板に適用した場合であっても、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成できる
本発明を適用することで平坦性を改善することができる段差を有する下地が有する「段差」は、高さが0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜1.5μmであることがより好ましく、0.1〜1.0μmであることが特に好ましい。
段差を有する下地が有する「段差」は、硬化膜の厚みの10〜50%の高さであることが好ましく、10〜40%の高さであることがより好ましく、10〜20%の高さであることが特に好ましい。
その他、段差を有する下地が有する「段差」の好ましい態様は以下のとおりである。
段差のパターンとしては、孤立したパターンではなく連続的なパターンであることが好ましい。連続的なパターンである場合、感光性樹脂組成物の流動によって平坦性が向上する。
感光性樹脂組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことが好ましく、さらに基板洗浄後にヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理することがより好ましい。この処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
基板としては、無機基板、樹脂基板、樹脂複合材料基板などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコーン、シリコンナイトライドからなる基板、および、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂基板としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミドーオレフィン、セルロース、エピスルフィド化合物等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている。特に本発明では、段差を有する下地である、段差を有する基板を用いることが好ましい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。
塗布したときの湿潤膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、通常は0.5〜10μmの範囲で使用される。
さらに、基板に本発明で用いられる感光性樹脂組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
(2)塗布された感光性樹脂組成物から少なくとも一部の溶剤を除去する工程を溶剤除去工程という。
溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)および加熱の少なくとも一方等により、溶剤を除去して下地の上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。本発明では、溶剤除去工程は、塗布された感光性樹脂組成物を加熱するプリベーク工程であることが好ましい。プリベーク工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。温度と時間が上記範囲である場合、パターンの密着性がより良好で、且つ残渣もより低減できる傾向にある。プリベーク工程の加熱条件は、本発明では80℃〜110℃であることが、プリベーク工程の温度と感光性樹脂組成物の軟化温度とを同程度にしやすく、プリベーク工程の温度をかつ架橋剤の架橋開始温度よりも低くしやすい観点から好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が成分C溶剤として沸点160℃以上の溶剤を含む場合、この溶剤除去工程ですべての溶剤が取り除かれなくてもよく、少なくとも沸点70〜130℃程度の溶剤が取り除かれればよい。
(3)少なくとも一部の溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程を露光工程という。
露光工程では、塗膜を設けた下地の上に所定のパターンのマスクを介して活性光線を照射することが好ましい。この工程では、露光部において、カルボキシル基やフェノール性水酸基等の酸基が生成し、露光部における現像液への溶解性が向上する。すなわち、活性光線の照射によって、光酸発生剤が分解して酸が発生する。そして、発生した酸の触媒作用により、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、カルボキシル基やフェノール性水酸基等の酸基が生成する。
活性光線に用いられる露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED(Light Emitting Diode)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。露光量は好ましくは1〜500mJ/cm2である。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパ、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基で保護された酸基からカルボキシル基またはフェノール性水酸基などの酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
ただし、酸分解性基としてアセタール基を用いた場合は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光に起因する酸発生剤由来の酸により容易に分解し、カルボキシル基またはフェノール性水酸基等の酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりパターンを形成することもできる。
露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する現像工程について説明する。
現像液は、アルカリ現像液であることが好ましい。
現像工程では、遊離したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する共重合体を、アルカリ現像液を用いて現像することが好ましい。アルカリ現像液に溶解しやすいカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する感光性樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像を形成することが好ましい。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物の水溶液が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、特開2014−238438号公報の段落0200に記載の化合物を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5%水溶液を挙げる事ができる。TMAHを含む現像液において、本発明の効果は特に効果的に発揮される。
現像液のpH(power of hydrogen)は、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等の何れでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げる事ができる。
(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化する工程を、ポストベーク工程とも言う。
(5)のポストベーク工程では、現像された感光性樹脂組成物を加熱することにより、酸分解性基を熱分解しカルボキシル基またはフェノール性水酸基等の酸基を生成させ、架橋性基、架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃、好ましくは220〜240℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。このように架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等により優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
ポストベークの前に、比較的低温でベークを行った後にポストベークすることもできる(ミドルベーク工程の追加)。また、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより未露光部分に存在する光酸発生剤から酸を発生させ、架橋を促進する触媒として機能させることができる。ミドルベーク工程およびポスト露光工程を行う際の条件としては、特開2014−238438号公報段落0201に記載の条件を用いることができる。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。ポストベーク工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
[硬化膜]
本発明の硬化膜は、上述した本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きいため、層間絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の硬化膜は、上述した本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の厚みは0.1〜2.0μmであることが段差を有する下地の上に配置された場合に平坦性が優れ、かつ、パターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成しやすい観点から好ましく、0.1〜1.5μmであることがより好ましく、0.1〜1.0μmであることが特に好ましい。
本発明の硬化膜は、段差を有する下地の上に配置された場合に平坦性が優れる。段差を有する下地の上に配置された場合、本発明の硬化膜の表面に形成される段差(段差を有する下地が有する「段差」の正射影上の段差)は、0.4μm未満であることが好ましく、0.3μm未満であることがより好ましく、0.2μm未満であることが特に好ましく、0.1μm未満であることが特に好ましい。
また、段差を有する下地の上に配置された場合、本発明の硬化膜の表面に形成される段差(段差を有する下地が有する「段差」の正射影上の段差)の高さは、段差を有する下地が有する「段差」の高さの40%未満であることが好ましく、30%未満であることがより好ましく、20%未満であることが特に好ましく、10%未満であることが特に好ましい。
本発明の硬化膜は、パターンのテーパー角度が大きい。本発明の硬化膜は、ホールを構成するパターン(換言すると、複数のホール形状の空間がくり抜かれたパターン)であることが好ましい。本発明の硬化膜が構成するホールの直径は3〜50μmであることが段差を有する下地の上に配置された場合に平坦性が優れ、かつ、パターンのテーパー角度が大きい硬化膜を形成しやすい観点から好ましく、3〜30μmであることがより好ましく、3〜10μmであることが特に好ましい。
本発明の硬化膜のホールを構成するパターンのテーパー角度は30度以上であることが好ましく、50度以上であることがより好ましく、60度以上であることが特に好ましく、70度以上であることがより特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物により、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい層間絶縁膜が得られる。
本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きいため、液晶表示装置や有機EL表示装置、タッチパネルの用途に有用である。例えば、特開2014−238438号公報段落0207〜0208に記載の液晶表示装置、特開2014−238438号公報段落0209に記載の有機EL表示装置、特開2014−238438号公報段落0212〜0223に記載のタッチパネル表示装置、特開2014−238438号公報段落0210に記載の用途などが挙げられる。
本発明の硬化膜は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの隔壁形成に用いることもできる。MEMSデバイスとしては、例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルター、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルター、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531、特開2008−250200、特開2009−263544等に例示されている。
本発明の硬化膜は、例えば特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)および平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)および平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)および第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)および第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)および画素分離絶縁膜(14)、特開2012−203121号公報の図1に記載の画素分離膜(19)や平坦化膜(17)、特開2013−196919号公報の図1に記載の高抵抗層(18)、画素間絶縁膜(16)、層間絶縁膜(14)、層間絶縁膜(12c)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
本発明の硬化膜を用いたタッチパネルについて説明する。
タッチパネルは、本発明の硬化膜を有するタッチパネルであることが好ましい。
タッチパネルの一例は、絶縁層の全部又は一部が本発明の硬化膜からなるタッチパネルである。また、タッチパネルは、透明基板、ITO(Indium Tin Oxide)電極及び絶縁層を少なくとも有することが好ましい。
また、タッチパネルの製造方法は、透明基板、ITO電極及び絶縁層を有するタッチパネルの製造方法であって、ITO電極に接するように、本発明の感光性樹脂組成物を塗布する工程、上記感光性樹脂組成物上に所定形状の開口パターンを有するマスクを載置し、活性エネルギー線照射を行い露光する工程、露光後の感光性樹脂組成物を現像する工程、及び、現像後の感光性樹脂組成物を加熱して、絶縁層を製造する工程、を含むことが好ましい。
タッチパネルにおける透明基板としては、ガラス基板、石英基板、透明樹脂基板等が好ましく挙げられる。
上記ITO電極に接するように、本発明の感光性樹脂組成物を塗布する工程における塗布は、上述した塗布工程と同様に行うことができ、好ましい態様も同様である。また、上記工程においては、塗布された本発明の感光性樹脂組成物の少なくとも一部が、ITO電極に接していることが好ましい。
上記感光性樹脂組成物上に所定形状の開口パターンを有するマスクを載置し、活性エネルギー線照射を行い露光する工程、露光後の感光性樹脂組成物を現像する工程は、上述した露光工程と同様に行うことができ、好ましい態様も同様である。
上記現像後の感光性樹脂組成物を加熱して、絶縁層を製造する工程は、上述した熱処理工程と同様に行うことができ、好ましい態様も同様である。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有する。
本発明の液晶表示装置としては、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有することが好ましい。本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin−Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜が電気特性に優れる場合、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、FFS(Frings Field Switching)方式、OCB(Optical Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Allay)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物および本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。この液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGB(Rは赤色、Gは緑色、Bは青色をそれぞれ意味する)のカラーフィルター22が設けられている。この液晶表示装置10では、段差を有する下地の「段差」はTFT16に相当する。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げる事ができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。さらにフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。また、国際公開WO11/087011号パンフレットに記載の図9に示される液晶表示装置100や、図18に示される液晶表示装置200や、図20に示される液晶表示装置300などとすることもできる。例えば液晶表示装置100では、有機層間絶縁膜51および51aを積層して用いる。本発明の感光性樹脂組成物は、有機絶縁膜51およびの両方に用いることができる。なお液晶表示装置100では、段差を有する下地の「段差」は、有機絶縁膜51aに相当する。
[有機EL表示装置]
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有する。
本発明の有機EL表示装置としては、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が具備するTFT(Thin−Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成に起因する凹凸を平坦化するために、配線2に起因する凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。図1では、段差を有する下地の「段差」の一つは絶縁膜3の表面の段差に相当し、この絶縁膜3の表面の段差は配線2に起因する段差である。本発明の硬化膜は段差の原因となる配線2の上に直接設けられずに、図1に示すように配線2の上に形成された段差を有する絶縁膜3の上に本発明の硬化膜が設けられてもよい。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。図1では、段差を有する下地の「段差」の一つは、配線2、第一電極5、コンタクトホール7が構成する段差に相当する。本発明の硬化膜は、このように複数の部材が構成する段差の上に設けられてもよい。
さらに、図2には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
また、本発明の有機EL表示装置としては、国際公開WO11/087011号パンフレットの段落0250に示される実施形態3〜6に示される有機EL表示装置とすることもできる。例えば液晶表示装置100を有機EL表示装置とする態様においては、有機層間絶縁膜51および51aを積層して用いる。本発明の感光性樹脂組成物は、有機絶縁膜51およびの両方に用いることができる。なお、この態様における段差を有する下地の「段差」は、有機絶縁膜51aに相当する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
[合成例]
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
MATHF:2−テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
MAEVE:1−エトキシエチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
OXE−30:3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート(大阪有機化学工業社製)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業社製)
NBMA:n−ブトキシメチルアクリルアミド(東京化成製)
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬社製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業社製)
MMA:メチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
St:スチレン(和光純薬工業社製)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート
AICA:イタコン酸無水物(東京化成製)
MAAN:マレイン酸無水物(東京化成製)
γBLMA:γ−ブチロラクトンメタクリレート(大阪有機化学工業社製)
V−601:ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業社製)
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g、0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。反応液を1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で有機相を抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、取り除いた。残渣の黄色油状物を減圧蒸留し、沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg(1mmHg=133.322Pa)留分のメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
<成分A重合体A−1の合成>
3つ口フラスコにPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)(89g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMAA(全単量体成分中の9.5mol%となる量)、MATHF(全単量体成分中の43mol%となる量)、GMA(全単量体成分中の47.5mol%に相当)、V−601(全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)をPGMEA(89g)に室温で溶解させた溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間攪拌し、反応を終了させた。それにより重合体A−1を得た。なお、溶剤以外の成分(固形分と称する。)の濃度が40質量%になるよう調製した。
重合体A−1や成分Aの他の重合体の合成において、重合開始剤および添加剤の数値は、単量体成分を100mol%とした場合の、mol%である。固形分濃度は、モノマー質量/(モノマー質量+溶剤質量)×100(単位質量%)として示している。重合開始剤としてV−601を用い、反応温度は90℃とした。
成分A重合体成分の重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定で求めたポリスチレン換算値として定義される。成分A重合体成分の重量平均分子量(Mw)は、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cm)を、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めた。
<成分Aの他の重合体の合成>
モノマー種類等を下記表1に示すとおりに変更し、ほかは重合体A−1の合成にならって、他の重合体を合成した。
下記表1中、a1の原料は、a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を形成できる原料のことである。a2の原料は、a2架橋性基を有する構成単位を形成できる原料のことである。
下記表1において、表1中の特に単位を付していない数値はmol%を単位とする。また、重合開始剤の数値は、単量体成分の合計量を100mol%とした場合の、重合開始剤の量(mol%)である。
[実施例1〜30、比較例1〜8]
<感光性樹脂組成物の調製>
下記表2に記載の固形分比(単位:質量%)となるように、各成分を配合し、溶剤(MEDG)に固形分濃度15質量%になるまで溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、各実施例および比較例の感光性樹脂組成物を得た。
各実施例の感光性樹脂組成物の軟化温度を本明細書中に記載の方法で測定したところ、いずれも80〜110℃の範囲であった。
実施例および比較例に用いた各化合物を示す略号の詳細は、以下の通りである。
<<成分B光酸発生剤>>
B−1:下記に示す構造(合成例は後述する。)
<<<B−1の合成>>>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4mol/LのHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機相に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2mol/LのHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機相を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、パラ−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してB−1の化合物(上述の構造)(2.3g)を得た。
なお、B−1の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d,1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
B−2:下記に示す構造(PAG−103、BASF製、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
B−3:下記に示す構造(PAI−101、みどり化学(株)製、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)、Meはメチル基を表す。
B−4:下記に示す構造(GSID−26−1、トリアリールスルホニウム塩(BASF製)、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
<<塩基性化合物>>
N−1:下記構造の化合物
N−2:DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
N−3:TPI トリフェニルイミダゾール
<<成分E架橋剤>>
成分E架橋剤の重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定で求めたポリスチレン換算値として定義される。成分E架橋剤の重量平均分子量(Mw)は、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cm)を、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めた。
<<<分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物>>>
E−1 : KBM−9659(信越化学製)、分子量383、イソシアヌル骨格を有する化合物
E−2 : KBE−3026(信越化学製)、分子量616
<<<分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物>>>
E−3 : KAYARAD DPHA(日本化薬製)、分子量578と524の化合物の混合物
E−4 : NKオリゴ U−15HA(新中村化学製)、重量平均分子量2,300、ウレタン構造を有する化合物
成分E架橋剤として用いたE−1〜E−4の架橋開始温度を本明細書中に記載の方法で求めたところ、いずれも120〜140℃の範囲であった。
<<<比較例で用いる架橋剤>>>
e−1 : アルフォンUS−6110(東亞合成製)、重量平均分子量3,200
e−2 : UV−7620EA(日本合成化学製)、重量平均分子量4,100
e−3 : UV−7610B(日本合成化学製)、重量平均分子量11,000
e−4 : KBM−3103(信越化学製)、分子量263、モノアルコキシシラン
e−5 : JER−828(三菱化学製)、分子量370、2官能エポキシ
e−6 : JER−1007(三菱化学製)、重量平均分子量2,900、2官能エポキシ
<<界面活性剤>>
W−1:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン系界面活性剤(F−554,DIC製)
W−2:下記構造(構成単位S’−1−1:構成単位S’−1−2=20:80(質量比)、Mw=2600)
<<成分C溶剤>>
C−1 :MEDG(ジエチレングリコールエチルメチルエーテル):ハイソルブEDM(東邦化学工業社製)
C−2 :PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):昭和電工社製
<<その他の添加剤>>
F−1 : KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学製、成分S−2、分子内に式X1で表される基を1つのみ有する)
F−2 : タケネートB−870N(三井化学(株)製、成分E以外のその他の架橋剤)
F−3 : イルガノックス1035(BASF製、酸化防止剤)
[比較例9]
特開2011−248331号公報の実施例13にしたがって調製した感光性樹脂組成物を、比較例9の感光性樹脂組成物とした。比較例9の感光性樹脂組成物は、成分A重量平均分子量が10000以上である重合体成分の含有量が全固形分中の78質量%であった。比較例10の感光性樹脂組成物は、分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である成分E架橋剤に相当する多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は全固形分中の12質量%であった。
[比較例10]
特開2013−218265号公報の実施例31にしたがって調製した感光性樹脂組成物を、比較例10の感光性樹脂組成物とした。比較例10の感光性樹脂組成物は、成分A重量平均分子量が10000以上である重合体成分の含有量が全固形分中の81質量%であった。比較例10の感光性樹脂組成物は、分子内に式X1で表される基を2つ以上有する化合物である成分E架橋剤に相当するケイ素化合物の含有量は全固形分中の12質量%であった。
[評価]
<平坦性>
(1)下地となるラインアンドスペースパターンの硬化膜を有する基板の作製
水洗処理したガラス基板(EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))の濡れ性を向上させる前処理として、基板をHMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、hexamethyldisilazane)蒸気下に30秒曝し、その後、実施例1の感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、110℃で2分ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させた。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製 MPA 5500CF(高圧水銀灯)を用いて、ライン幅10μm、スペース100μmのラインアンドスペースパターンのマスクを介して100mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるよう露光した。そして、露光後の感光性樹脂組成物層を、アルカリ現像液(0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間パドル現像した後、超純水で20秒リンスした。続いて超高圧水銀灯を用いて積算照射量が300mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるように全面露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で30分加熱して、厚み1μm、幅10μmのラインアンドスペースパターンの硬化膜を有する基板を得た。このラインアンドスペースパターンの硬化膜を有する基板を、下地の段差の高さD1=1μmである、下地に段差を有する基板のサンプルとして用いた。
(2)下地上に塗布した各実施例および比較例の感光性樹脂組成物の平坦性評価
上記(1)で得られたラインアンドスペースパターンの硬化膜を有する基板に、各実施例および比較例の感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、110℃で2分ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させた。その後、高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2で露光した。その後、この基板をオーブンにて230℃/30分加熱して、下地の段102が無い箇所の硬化膜の厚みD2=2μmの硬化膜104を得た。
これらの操作により、図5の構成の、段差を有する下地100と硬化膜104の積層膜が形成される。この時発生する、各実施例および比較例の感光性樹脂組成物の硬化膜の表面の段差の高さΔdを測定し、10箇所の平均値を求めた。
得られた硬化膜の表面の段差の高さΔdの平均値を以下の基準に基づいて判定した。
5:Δdの平均値が0.1μm未満
4:Δdの平均値が0.1μm以上、0.2μm未満
3:Δdの平均値が0.2μm以上、0.3μm未満
2:Δdの平均値が0.3μm以上、0.4μm未満
1:Δdの平均値が0.4μm以上
得られた結果を下記表2に記載した。
<テーパー角度>
水洗処理したガラス基板(EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))の濡れ性を向上させる前処理として、基板をHMDS蒸気下に30秒曝し、その後、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、110℃で2分ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させた。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製 MPA 5500CF(高圧水銀灯)を用いて、直径10μmのホールパターンのマスクを介して100mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるよう露光した。そして、露光後の感光性樹脂組成物層を、アルカリ現像液(0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間パドル現像した後、超純水で20秒リンスした。続いて超高圧水銀灯を用いて積算照射量が300mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるように全面露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で30分加熱して、厚み2μmの直径10μmのホールパターンの硬化膜を得た。
得られたホールパターンの断面形状を観察し、テーパー角度を測定し、10箇所の平均値を求めた。
得られたテーパー角度の平均値を以下の基準に基づいて判定した。
5:テーパー角度の平均値が70度以上
4:テーパー角度の平均値が60度以上、70度未満
3:テーパー角度の平均値が50度以上、60度未満
2:テーパー角度の平均値が30度以上、50度未満
1:テーパー角度の平均値が30度未満
得られた結果を下記表2に記載した。
上記表2から明らかなとおり、各実施例の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を提供できることがわかった。
これに対し、成分E架橋剤を含まない比較例1の感光性樹脂組成物は、平坦性が劣ることがわかった。成分E架橋剤の含有量が少ない比較例2の感光性樹脂組成物は、平坦性が劣ることがわかった。成分E架橋剤の重量平均分子量が大きい架橋剤e−1、e−2およびe−3をそれぞれ用いた比較例3〜5の感光性樹脂組成物は、平坦性が劣ることがわかった。分子内に式X1で表される基を1つしか有さない架橋剤を用いた比較例6の感光性樹脂組成物は、テーパー角度が小さいことがわかった。成分E架橋剤としてエポキシ基を有する架橋剤を用いた比較例7および8の感光性樹脂組成物は、テーパー角度が小さいことがわかった。特開2011−248331号公報の実施例13にしたがって調製した、成分Aの含有量が多く、成分Eの含有量が少ない比較例9の感光性樹脂組成物は、平坦性が劣ることがわかった。特開2013−218265号公報の実施例31にしたがって調製した、成分Aの含有量が多く、成分Eの含有量が少ない比較例10の感光性樹脂組成物は、平坦性が劣ることがわかった。
[第1の応用例]
<実施例100>
特許第3321003号公報の図1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、特許第3321003号公報の図1の層間絶縁膜17として硬化膜を以下のようにして形成し、実施例100の液晶表示装置を得た。すなわち、実施例3の感光性樹脂組成物を用い、特許第3321003号公報の図1の層間絶縁膜17として硬化膜を形成した。特許第3321003号公報の図1の層間絶縁膜17は、段差を有する下地の上に形成されており、コンタクトホール17aが形成される。平均段差は0.7μmであった。
すなわち、特許第3321003号公報の0058段落の基板と層間絶縁膜17の濡れ性を向上させる前処理として、基板をHMDS蒸気下に30秒曝した。その後、上記にて調製した実施例3の感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、110℃で2分ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3μmの感光性樹脂組成物層を形成した。次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製 MPA 5500CF(高圧水銀灯)を用いて、直径10μmのホールパターンのマスクを介して100mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるよう露光した。そして、露光後の感光性樹脂組成物層を、アルカリ現像液(0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間パドル現像した後、超純水で20秒リンスした。続いて超高圧水銀灯を用いて積算照射量が300mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるように全面露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で30分加熱して硬化膜を得た。
実施例3の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜を提供できた。また、上記感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、加熱の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。
得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
<実施例101>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、露光装置をキヤノン(株)製 MPA 5500CF(高圧水銀灯)から、Nikon(株)製FX−803M(gh−Line ステッパ)に変更しても、硬化膜および液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。
<実施例102>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、露光装置をキヤノン(株)製 MPA 5500CF(高圧水銀灯)から、株式会社ブイテクノロジー社製の「AEGIS」を使用し(波長355nm、パルス幅6nsec)に変更しても、硬化膜および液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。
<実施例103>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、プリベーク後に減圧乾燥工程(VCD)を導入しても、段差を有する下地の上に形成された場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜であった。また、得られた硬化膜として、パターンの欠けや剥がれの無い良好な状態であった。また液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。組成物の固形分濃度や膜厚に応じて、塗布ムラを抑制する観点から、減圧乾燥工程を導入することも好ましい。
<実施例104>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、マスク露光してから現像工程の間にPEB工程を導入しても、段差を有する下地の上に形成された場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜であった。また、得られた硬化膜として、パターンの欠けや剥がれの無い良好な状態であった。また液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。寸法安定性を高める観点では、PEB工程を導入することも好ましい。
<実施例105>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、アルカリ現像液を0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液から2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に変更しても、段差を有する下地の上に形成された場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜であった。また、得られた硬化膜として、パターンの欠けや剥がれの無い良好な状態であった。また液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。これは実施例3の感光性樹脂組成物が基板との密着性に優れるためであると思われる。
<実施例106>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、アルカリ現像方法をパドル現像からシャワー現像に変更しても、段差を有する下地の上に形成された場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜であった。また、得られた硬化膜として、パターンの欠けや剥がれの無い良好な状態であった。また液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。これは実施例3の感光性樹脂組成物が基板との密着性に優れるためであると思われる。
<実施例107>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、アルカリ現像液を0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液から0.04%のKOH水溶液に変更しても、段差を有する下地の上に形成された場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜であった。また、得られた硬化膜として、パターンの欠けや剥がれの無い良好な状態であった。また液晶表示装置としての性能も実施例100と同様に良好であった。これは実施例3の感光性樹脂組成物が基板との密着性に優れるためであると思われる。
<実施例108>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、現像・リンス後の全面露光の工程を省いて、オーブンにて230℃で30分加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜および液晶表示装置としての性能は実施例100と同様に良好であった。これは実施例3の感光性樹脂組成物が薬品耐性に優れるためであると思われる。生産性を向上させる観点では、全面露光の工程を省くことも好ましい。
<実施例109>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、全面露光の工程とオーブンでの230℃/30分加熱工程の間に、100℃で3分ホットプレート上で加熱する工程を追加した。得られた硬化膜および液晶表示装置としての性能は実施例100と同様に良好であった。ホールパターンの形状を整えるという観点で、本工程を追加することも好ましい。
<実施例110>
実施例100と以下のプロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。すなわち、現像・リンスの工程と全面露光の工程の間に、100℃で3分ホットプレート上で加熱する工程を追加した。得られた硬化膜および液晶表示装置としての性能は実施例100と同様に良好であった。ホールパターンの形状を整えるという観点で、本工程を追加することも好ましい。
<実施例111>
薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成に起因する絶縁膜3表面の凹凸を平坦化するために、配線2に起因する凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例3の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(110℃/120秒)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を100mJ/cm2(エネルギー強度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液(0.4%のTMAH水溶液)にて現像してパターンを形成し、超高圧水銀灯を用いて積算照射量が300mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるように全面露光し、230℃/30分間の加熱処理を行った。
感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、加熱の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。実施例3の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である平坦化膜4を提供できた。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャントを用いたウエットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(リムーバ100、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用いて上記レジストパターンを50℃で剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、実施例3の感光性樹脂組成物を用い、上記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。実施例3の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である絶縁膜8を提供できた。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
[第2の応用例]
<実施例112>
上述した第1の応用例と同様に、実施例6の感光性樹脂組成物を用いて、液晶表示装置の層間絶縁膜として硬化膜を形成し、液晶表示装置を得た。実施例6の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である層間絶縁膜を提供できた。また、得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
<実施例113>
また、上述した第1の応用例と同様に、実施例6の感光性樹脂組成物を用いて、薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置の平坦化膜と絶縁膜を形成し、有機EL表示装置を作製した。実施例6の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である平坦化膜と絶縁膜を提供できた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
[第3の応用例]
<実施例114>
上述した第1の応用例と同様に、実施例25の感光性樹脂組成物を用いて、液晶表示装置の層間絶縁膜として硬化膜を形成し、液晶表示装置を得た。実施例25の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である層間絶縁膜を提供できた。また、得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
<実施例115>
また、上述した第1の応用例と同様に、実施例25の感光性樹脂組成物を用いて、薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置の平坦化膜と絶縁膜を形成し、有機EL表示装置を作製した。実施例25の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である平坦化膜と絶縁膜を提供できた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
<実施例116>
特開2012−242522号公報に記載の実施例14と同様に、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて、カラーフィルタオンアレイ構造の液晶表示装置の層間絶縁膜として硬化膜を形成し、液晶表示装置を得た。カラーフィルタオンアレイ構造の液晶表示装置の層間絶縁膜の下地の平均段差は1.0μmであった。実施例14の感光性樹脂組成物は、段差を有する下地の上に塗布した場合に平坦性が優れ、かつ、パターン露光および現像されて得られるパターンのテーパー角度が大きい硬化膜である層間絶縁膜を提供できた。また、得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスター)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルター
100:段差を有する下地
101:段の下部
102:段差
103:感光性樹脂組成物
104:硬化膜
1:下地の段差の高さ
2:硬化膜の厚み
Δd:硬化膜の表面の段差の高さ
θ:テーパー角度

Claims (13)

  1. 成分A重量平均分子量が10000以上である重合体成分、
    成分B光酸発生剤、
    成分C溶剤、および
    成分E架橋剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記成分Aが下記重合体1および重合体2の少なくとも一方を満たす重合体を含み、
    重合体1:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位、およびa2架橋性基を有する構成単位、を有する重合体、
    重合体2:a1酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、およびa2架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
    前記成分Aの含有量が全固形分中の75質量%以下であり、
    前記成分Eの分子量が3000以下であり、
    前記成分Eの含有量が全固形分中の15質量%以上であり、
    前記成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物および分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物のうち少なくとも一方である、感光性樹脂組成物;
    前記式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
  2. 前記成分Eの含有量が全固形分中の20質量%以上である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記成分Eの含有量が全固形分中の25質量%以上である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記成分Eが分子内に下記式X1で表される基を2つ以上有する化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物;
    前記式X1中、RX1〜RX3の少なくとも1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、アリルオキシ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシ基を表す;残りのRX1〜RX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基を表す。
  5. 前記成分Eがイソシアヌル骨格を有する化合物である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記成分Eが分子内に不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記成分Eがウレタン構造を有する化合物である請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜。
  9. 層間絶縁膜である請求項8に記載の硬化膜。
  10. 請求項8または9に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
  11. 請求項8または9に記載の硬化膜を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  12. 少なくとも下記工程1〜5をこの順に含む、硬化膜の製造方法;
    工程1:請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を下地の上に塗布する工程;
    工程2:塗布された前記感光性樹脂組成物から溶剤の少なくとも一部を除去する工程;
    工程3:少なくとも一部の溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程;
    工程4:露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する現像工程;
    工程5:現像された感光性樹脂組成物を熱硬化する工程。
  13. 前記下地が、段差を有する下地である、請求項12に記載の硬化膜の製造方法。
JP2016016303A 2016-01-29 2016-01-29 感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法 Expired - Fee Related JP6588354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016016303A JP6588354B2 (ja) 2016-01-29 2016-01-29 感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016016303A JP6588354B2 (ja) 2016-01-29 2016-01-29 感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017134355A true JP2017134355A (ja) 2017-08-03
JP6588354B2 JP6588354B2 (ja) 2019-10-09

Family

ID=59503650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016016303A Expired - Fee Related JP6588354B2 (ja) 2016-01-29 2016-01-29 感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6588354B2 (ja)

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011248331A (ja) * 2010-04-28 2011-12-08 Jsr Corp 吐出ノズル式塗布法用ポジ型感放射線性組成物、表示素子用層間絶縁膜及びその形成方法
JP2013218265A (ja) * 2011-11-02 2013-10-24 Fujifilm Corp ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、液晶表示装置、および、有機el表示装置
WO2013161862A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 富士フイルム株式会社 化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
WO2013191155A1 (ja) * 2012-06-20 2013-12-27 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2014002316A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Fujifilm Corp 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
WO2014030441A1 (ja) * 2012-08-23 2014-02-27 富士フイルム株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2014174428A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Shin Etsu Chem Co Ltd 珪素含有下層膜材料及びパターン形成方法
JP2014174235A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法、及び表示素子
JP2015031842A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法及び表示素子
JP2015052660A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 Jsr株式会社 表示素子の絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物、この組成物の調製方法、表示素子の絶縁膜、この絶縁膜の形成方法及び表示素子
WO2015037695A1 (ja) * 2013-09-13 2015-03-19 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
WO2015046295A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置及び有機el表示装置
WO2015064601A1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011248331A (ja) * 2010-04-28 2011-12-08 Jsr Corp 吐出ノズル式塗布法用ポジ型感放射線性組成物、表示素子用層間絶縁膜及びその形成方法
JP2013218265A (ja) * 2011-11-02 2013-10-24 Fujifilm Corp ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、液晶表示装置、および、有機el表示装置
WO2013161862A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 富士フイルム株式会社 化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
WO2013191155A1 (ja) * 2012-06-20 2013-12-27 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2014002316A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Fujifilm Corp 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
WO2014030441A1 (ja) * 2012-08-23 2014-02-27 富士フイルム株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2014174235A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法、及び表示素子
JP2014174428A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Shin Etsu Chem Co Ltd 珪素含有下層膜材料及びパターン形成方法
JP2015031842A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法及び表示素子
JP2015052660A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 Jsr株式会社 表示素子の絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物、この組成物の調製方法、表示素子の絶縁膜、この絶縁膜の形成方法及び表示素子
WO2015037695A1 (ja) * 2013-09-13 2015-03-19 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
WO2015046295A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置及び有機el表示装置
WO2015064601A1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 富士フイルム株式会社 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6588354B2 (ja) 2019-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6182612B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6082473B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6279571B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6240147B2 (ja) 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6038951B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP5941543B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP5914663B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP5883928B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機el表示装置、および、液晶表示装置
JP6272338B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置及び有機el表示装置
JP6116668B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置及び有機el表示装置
JP6017301B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP5875474B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2015121643A (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6159408B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
WO2014088018A1 (ja) 硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
WO2013191155A1 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2014071308A (ja) 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6588354B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置および硬化膜の製造方法
JP6219949B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP6194357B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6588354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees