JP2017134245A - 観察光学機器及びプリズム - Google Patents

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Abstract

【課題】屈折率1.6未満の基材はもちろん、屈折率1.6以上の基材からなるダハプリズムのダハ面に入射した光束のs偏光とp偏光との位相差の変化を抑制できる多層膜を提供する。【解決手段】少なくとも1枚のレンズと、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズムを備えた観察光学系を有し、前記プリズムは、前記一対の反射面の稜線が前記観察光学系の瞳を分割するよう配置されており、前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜とが交互に積層された誘電体多層膜が設けられた観察光学機器。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1枚のレンズと、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズムを備えた観察光学系を有する観察光学機器及び物体像の上下左右を反転し正立正像に変換するプリズム、特にダハプリズムに関する。
顕微鏡、望遠鏡、双眼鏡、一眼レフカメラ、一眼レフデジタルカメラ、測量機などの観察光学機器に使われるダハプリズムは、呼び面角90°で交わる一対の反射面の稜線によって観察光学系の瞳が分割されることから、高い加工精度が要求されるが、ポロプリズムなどの他の正立プリズムに比べてプリズムを小型にできるため、光学機器を小型・軽量化が可能になるという利点がある。
一方、光束が反射面で反射すると、その面の前後において光波の互いに直交するs偏光成分とp偏光成分とに位相差が生じることが知られている。ダハプリズムのように稜線で瞳が分割される光学系では、分割された瞳の一方と他方とでダハプリズムから出射した光の偏光状態に違いが生じるため、波面収差が生じ、観察像の結像性能を劣化させる。反射面で生じる位相差が大きいほど、生じる偏光状態の違いが大きくなり、面角の加工精度が低い場合と同様に、二重像が観察されたり、コントラストが低下したりする。
このダハプリズムの反射面で生じる位相差を軽減するために、従来は反射面にアルミニウムや銀の金属膜を形成することが行われていた。しかし、ダハプリズムの加工精度が向上するのに伴い、金属膜では、問題の位相差を低減する効果が不十分であると指摘されるようになった。
特許文献1(特開平11-326781号)は、ダハプリズムのダハ面に、屈折率M1、M2及びM3の誘電体膜(ただし、2.0<M1<2.1、1.35<M2<1.4及び1.45<M3<1.5)を9層積層してなる位相差低減多層膜を開示しており、1.46〜1.6の屈折率を有する基材からなるダハプリズムに対する可視域波長光の位相差低減に有効であると記載している。すなわち、特許文献1に記載の位相差低減多層膜は、ダハプリズムの一対の反射面に入射する光束の反射前後におけるs偏光とp偏光との位相差の変化を抑制し、波面収差の劣化を抑えて観察像の性能を向上させる効果を有している。
しかしながら、特許文献1に記載の位相差低減多層膜は、屈折率1.6未満の基材からなるダハプリズムに対しては有効であるが、それよりも高い屈折率1.6以上の基材からなるダハプリズムに適用した場合、不十分な位相差低減効果が得られず、さらに反射面への光束の入射角度が変化した場合に、可視域波長光の位相差変化量が90°(±45°)を超えるため、観察像の左右及び周辺部での画質差(コントラスト、色調の違い等)が顕著になるという問題点を有している。このため、特許文献1に記載の位相差低減多層膜を、高屈折率(屈折率1.6以上)の基材からなるダハプリズムに適用しても、十分な実用性能を有する観察光学機器を得ることができない。
1.6以上の従来よりも高い屈折率を有する基材を用いた場合、より小さい入射角の光線に対しても全反射させることができるというメリットがある。すなわち、ダハプリズムの基材の屈折率をM0としたとき、臨界角θcは
θc=Arcsin(1/M0)
で求められるので、M0=1.46のときの臨界角43.2°に対して、M0=1.6のときの臨界角は38.7°となり、高屈折率の基材からなるダハプリズムの方が、全反射光できる入射角範囲が広いことがわかる。屈折率M0が1.6より高い基材を用いた場合には、さらに臨界角θcが小さくなるため、ダハ反射面への入射角が広い範囲(38.7°以上)で全反射を示し、ダハ反射面からの画像は広い画面範囲でニュートラルな色調で非常に明るいものとなる。
従って、このような1.6以上の高い屈折率を有する基材からなるダハプリズムにおいても、s偏光とp偏光との位相差の変化及び入射角依存性を十分に抑制し、このような基材を幅広い観察光学機器(例えば、一眼レフカメラのペンタダハプリズム)へ使用できるようにする技術の開発が望まれている。
特開平11-326781号公報
従って、本発明の目的は、屈折率1.6未満の基材はもちろん、屈折率1.6以上の基材からなるダハプリズムのダハ面に入射した光束のs偏光とp偏光との位相差の変化を抑制できる多層膜を提供することである。
前記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、屈折率1.6以上の基材に、屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜とが交互に積層された誘電体多層膜を形成することにより、光束のs偏光とp偏光との位相差の変化を抑制できることを見出し、本発明に想到した。
本発明の開発経緯について詳しく説明する。
基材内を進む光束が、空気との界面(反射面)に臨界角を越えた入射角で入射すると、光束は全反射するので、s偏光もp偏光も反射率は100%を示し、s偏光とp偏光との位相差のみが変化する。従って、ダハプリズムの反射面の入射角を臨界角以上とすることで、入射角による反射率変化を考えないでs偏光とp偏光との位相差を制御することができる。ここで、s偏光とp偏光との位相差は、基材に誘電体多層膜を設けることにより制御することができる。
屈折率が1.6以上の基材に、屈折率の異なる膜材料の単層膜を形成し、s偏光とp偏光との位相差の波長依存性を調べた結果、2.15以上の比較的高い屈折率を有する膜材料(TiO2等)は、位相差を0°に近づける効果が大きいが、比較的低い屈折率を有する膜材料(MgF2、SiO2等)は、位相差を0°に近づける効果が小さく、膜材料の屈折率を多少変化させても位相差を低減する効果にそれほど差がないことが分かった。この考えを基に検討した結果、屈折率1.6以上の基材に対しては、2種類の屈折率の異なる材料を用いて少なくとも2層の積層膜を形成することで、波長400〜700 nmの可視光域においてs偏光とp偏光との位相差の変化量を90°以内、さらには20°以内にできることを見出した。
さらに入射角度依存性については、光学薄膜の干渉理論から、層数が少なく総光学膜厚が小さい方が、s偏光とp偏光との反射率や位相差の差を小さくできることがわかっている。この考え方から、層数を特許文献1に記載の9層膜より少なくし、総光学膜厚のより薄い位相差低減膜を設計することで、s偏光とp偏光との位相差における入射角度依存性を低減することができることを見出した。
以上の考察により、発明者らは、以下に記載する発明を達成した。すなわち、本発明の観察光学機器は、少なくとも1枚のレンズと、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズムを備えた観察光学系を有する観察光学機器であって、記プリズムは、前記一対の反射面の稜線が前記観察光学系の瞳を分割するよう配置されており、前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜とが交互に積層された誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする。
前記高屈折率膜には屈折率2.3〜2.5の超高屈折率膜が少なくとも1層含まれるのが好ましい。
前記誘電体多層膜の総光学膜厚は200〜950 nmであるのが好ましい。
前記低屈折率膜の光学膜厚の和は50〜450 nmであるのが好ましい。
前記高屈折率膜の光学膜厚の和は100〜600 nmであるのが好ましい。
前記高屈折率膜はTa2O5膜、Nb2O5膜、CeO2膜、TiO2膜及び(TiO2+ZrO2)混合膜のいずれかからなり、前記低屈折率膜はAl2O3膜、SiO2膜、MgF2膜及び(Al2O3+SiO2)混合膜のいずれかからなるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層及び第2層が順に積層された2層膜であり、
前記第1層が光学膜厚65〜145 nmの低屈折率膜、及び
前記第2層が光学膜厚75〜160 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第3層が順に積層された3層膜であり、
前記第1層が光学膜厚5〜80 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚70〜160 nmの低屈折率膜、及び
前記第3層が光学膜厚100〜190 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第4層が順に積層された4層膜であり、
前記第1層が光学膜厚10〜70 nmの低屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚25〜135 nmの高屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚30〜200 nmの低屈折率膜、及び
前記第4層が光学膜厚100〜245 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第5層が順に積層された5層膜であり、
前記第1層が光学膜厚30〜100 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚30〜100 nmの低屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚60〜140 nmの高屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚110〜200 nmの低屈折率膜、及び
前記第5層が光学膜厚110〜200 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第6層が順に積層された6層膜であり、
前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの低屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚40〜120 nmの低屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの低屈折率膜、及び
前記第6層が光学膜厚155〜255 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第7層が順に積層された7層膜であり、
前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚20〜125 nmの低屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚15〜80 nmの低屈折率膜、
前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
前記第6層が光学膜厚30〜210 nmの低屈折率膜、及び
前記第7層が光学膜厚70〜210 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第8層が順に積層された8層膜であり、
前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚20〜125 nmの低屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚15〜80 nmの低屈折率膜、
前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
前記第6層が光学膜厚30〜210 nmの低屈折率膜、
前記第7層が光学膜厚70〜210 nmの高屈折率膜、及び
前記第8層が光学膜厚5〜100 nmの低屈折率膜
であるのが好ましい。
本発明のプリズムは、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有し、前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜が交互に積層された誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする。
前記プリズムにおいて、前記高屈折率膜には屈折率2.3〜2.5の超高屈折率膜が少なくとも1層含まれるのが好ましい。
前記プリズムはペンタダハプリズムであるのが好ましい。
前記プリズムはペシャンプリズムであるのが好ましい。
前記プリズムはアミチプリズムであるのが好ましい。
本発明の観察光学機器に備えられたダハプリズムは、屈折率1.6以上の基材であっても入射した光束のs偏光とp偏光との位相差の変化を抑制できる多層膜が設けられているため、全反射光できる入射角範囲が広く、広い画面範囲でニュートラルな色調で非常に明るい、波面収差の劣化が抑えられた観察像が得られる。このような1.6以上の屈折率を有し、全反射光できる入射角範囲が広く、かつ波面収差の劣化が抑えたダハプリズムは、より様々な観察光学機器に使用することができる
基材内部からの光束が表面(空気との界面)で反射したときのs偏光とp偏光との位相差の変化を説明するための模式図である。 基材内部からの光束が表面で反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 ペシャンプリズムに入射した光束の光路を示す模式図である。 ペンタプリズムに入射した光束の光路を示す模式図である。 アミチプリズムに入射した光束の光路を示す模式図である。 単層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の波長依存性を示すグラフである。 設計例1及び設計例2に示す多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の波長依存性を示すグラフである。 従来技術(比較例)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例1)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例2)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例3)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例4)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例5)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例6)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例7)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例8)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例9)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。 実施例(設計例10)の多層膜を設けた基材の表面で内部からの光束が反射したときのs偏光とp偏光との位相差の入射角依存性を示すグラフである。
本発明の実施の形態を説明する。本発明は、少なくとも1枚のレンズと、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズム、すなわちダハプリズムのダハ面に、以下に説明する新規な誘電体多層膜を設けたことにより達成されたものである。
[1] 観察光学機器
本発明の観察光学機器は、少なくとも1枚のレンズと、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズムを備えた観察光学系を有し、前記プリズムは、前記一対の反射面の稜線が前記観察光学系の瞳を分割するよう配置されており、前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜とが交互に積層された誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする。
基材(プリズム)の表面に、屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜とを交互に積層してなる誘電体多層膜を形成することで、最適な干渉効果を得ることができ、基材内を進む光束が空気との界面で反射する際のs偏光とp偏光との位相差の変化を低減することができる。前記誘電体多層膜は、前記高屈折率膜と低屈折率膜とを少なくとも1層ずつ有していればよい。すなわち、前記高屈折率膜と低屈折率膜とからなる2層膜であれば位相差を低減する効果を発揮し、屈折率1.6以上の基材からなるダハプリズムのダハ面にこの2層膜を形成することで、広い画面範囲でニュートラルな色調で非常に明るい、波面収差の劣化が抑えられた観察像が得られる観察光学機器を提供することができる。前記高屈折率膜には屈折率2.3〜2.5の超高屈折率膜が少なくとも1層含まれるのが好ましい。
誘電体多層膜の層数は、8層以下であるのが好ましい。9層以上でも位相差を低減する効果を発揮する多層膜を得ることは可能であるが、層数が増えると製造工程が増えるとともに、総光学膜厚が増えることでs偏光とp偏光との位相差の入射角度依存性が大きくなり、観察像の周辺部での色調変化が大きくなる。誘電体多層膜の層数は、4層又は7層であるのがより好ましく、7層であるのが最も好ましい。
誘電体多層膜の総光学膜厚は200〜950 nmであるのが好ましく、高屈折率膜の総光学膜厚は100〜600 nmであるのが好ましく、低屈折率膜の総光学膜厚は50〜450 nmであるのが好ましい。このような膜厚を有する膜構成として各層の光学膜厚を最適化することで、以下に述べるような干渉効果が最適化された2層〜8層構成の誘電体多層膜が得られる。これらの誘電体多層膜を屈折率1.6以上の基材に形成することにより、入射中心角±5°でのs偏光とp偏光との位相差の変動を90°(±45°)以内とすることができる。さらに特許文献1に記載の位相差低減膜(3種類の誘電体材料からなる9層構成で全光学膜厚約1000 nmの誘電体多層膜)に比べて、層数(2〜8層)及び誘電体材料(少なくとも2種類)の種類が少なく、全光学膜厚が薄いので、製造が容易でコスト的にも有利であることがわかる。
2層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層及び第2層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚65〜145 nmの低屈折率膜、及び
前記第2層が光学膜厚75〜160 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
3層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第3層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚5〜80 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚70〜160 nmの低屈折率膜、及び
前記第3層が光学膜厚100〜190 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
4層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第4層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚10〜70 nmの低屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚25〜135 nmの高屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚30〜200 nmの低屈折率膜、及び
前記第4層が光学膜厚100〜245 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
5層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第5層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚30〜100 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚30〜100 nmの低屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚60〜140 nmの高屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚110〜200 nmの低屈折率膜、及び
前記第5層が光学膜厚110〜200 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
6層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第6層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの低屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚40〜120 nmの低屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの低屈折率膜、及び
前記第6層が光学膜厚155〜255 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
7層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第7層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚20〜125 nmの低屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚15〜80 nmの低屈折率膜、
前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
前記第6層が光学膜厚30〜210 nmの低屈折率膜、及び
前記第7層が光学膜厚70〜210 nmの高屈折率膜
であるのが好ましい。
8層構成の誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第8層が順に積層され、
前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの高屈折率膜、
前記第2層が光学膜厚20〜125 nmの低屈折率膜、
前記第3層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
前記第4層が光学膜厚15〜80 nmの低屈折率膜、
前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
前記第6層膜が光学膜厚30〜210 nmの低屈折率、
前記第7層が光学膜厚70〜210 nmの高屈折率膜、及び
前記第8層が光学膜厚5〜100 nmの低屈折率膜
であるのが好ましい。
前記高屈折率膜はTa2O5膜、Nb2O5膜、CeO2膜、TiO2膜及び(TiO2+ZrO2)混合膜のいずれかの材料からなるのが好ましく、前記低屈折率膜はAl2O3膜、SiO2膜、MgF2膜、(Al2O3+SiO2)混合膜のいずれかの材料からなるのが好ましい。これらの材料からなる高屈折率膜及び低屈折率膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法等によって形成することができる
[2]プリズム
本発明のプリズムは、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有し、前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜が交互に積層された誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする。前記高屈折率膜、低屈折率膜及び誘電体多層膜は、前述した観察光学機器のプリズムの反射面に設けられたものと同じである。
プリズムの一対の反射面への誘電体多層膜を形成する場合、一対の反射面の両方に同一の多層膜を形成することが望ましい。反射面に形成される多層膜に差異が生じると、両面のs偏光とp偏光との位相差にも差異を生じて、稜線付近での結像性能を劣化させる。このため、プリズムの一対の反射面に成膜する誘電体多層膜は、できるだけ成膜安定性の高い位相差低減膜であるのが望ましい。すなわち、層数が少なく、膜材料の種類が少なく、全光学膜厚が薄い誘電体多層膜であれば、誤差要因が少なくなり、安定性が高くなるので、位相差低減膜として望ましい。
本発明のプリズムはダハプリズムとして用いられるのが好ましく、このようなダハプリズムとしては、例えば、図3に示すペシャンプリズム、図4に示すペンタダハプリズム(ペンタプリズム)、図5に示すアミチプリズムが挙げられる。これらの図において、破線矢印で示した光線がダハ面へ入射する角度はペシャンプリズムでは48°(図3)、ペンタダハプリズムでは49°(図4)、アミチプリズムでは60°(図5)となる。ペンタダハプリズムが観測光学系として利用される光学機器としては、一眼レフカメラや一眼レフデジタルカメラなどが挙げられ、アミチプリズムが観測光学系として利用される光学機器としては、顕微鏡や測量機などが挙げられ、ペシャンプリズムが観測光学系として利用される光学機器としては、双眼鏡や望遠鏡などが挙げられる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(1) s偏光とp偏光との位相差の入射角度依存性
s偏光とp偏光との位相差について、図1の通り座標を定義する。入射光線1と出射光線2とは紙面に平行であり、光線方向をz軸、紙面と平行でz軸と垂直な方向をx軸、紙面と垂直で紙面から出る方向をy軸とした。この場合にはy軸がs偏光で、x軸がp偏光に相当する。光線入射角θiと出射角θoとは反射の定義から等しくなる。位相差の定義では、未成膜基材と空気との界面3におけるs偏光とp偏光との位相差は、入射した光線がブリュスター角に達するまでは0°、ブリュスター角から臨界角までは180°、臨界角以上では角度に依存した値となる。図2に、屈折率nd=1.7725のS-LAH66(株式会社オハラ製)を基材として用いた場合の、波長550 nmにおけるs偏光とp偏光との位相差の入射角度依存性を示す。図2において、ブリュスター角が29.4°、臨界角が34.3°となる。
(2) 誘電体単層膜
ダハプリズムとして、一眼レフカメラのファインダ光学系に用いられたペンタダハプリズムの場合を例に挙げて誘電体膜によるs偏光とp偏光との位相差の低減効果について詳しく説明する。この場合、一眼レフカメラのピント板から発散する光束が、ペンタダハプリズムのダハ面に入射角49°を中心とした光束として入射する。ペンタダハプリズムの基材としてS-LAH66(nd=1.7725,臨界角θ=34.3°)を用いた場合、正規光線の全てが全反射(反射率100%)し、s偏光とp偏光との位相差は120°となる。この反射面にMgF2(nd=1.388)、SiO2(nd=1.468)、Al2O3(nd=1.635)、ZrO2(nd=2.038)及びTiO2(nd=2.304)の単層膜を、波長550 nmの1/4波長膜厚である光学膜厚137.5 nmで形成した場合の、入射角49°の波長に対するs偏光とp偏光との位相差を図6に示す。
図6から、屈折率が高い膜TiO2を使うと効率良くs偏光とp偏光との位相差を0°に近づけられることが推測できる。さらに屈折率が低い膜はMgF2及びSiO2のいずれも位相差が同程度であり、いずれの材料を用いても、位相差を0°に近づける効果に大きな差がないと推測できる。従って、屈折率が1.6より低い基材においては、特許文献1に記載の多層膜のように、屈折率M1(2.0<M1<2.1)の高屈折率膜、屈折率M2(1.35<M2<1.4)の低屈折率膜及び屈折率M3(1.45<M3<1.5)の中間屈折率膜の3種類の膜材料がs偏光とp偏光との位相差を0°に近づけるには有効であるが、S-LAH66のように屈折率が1.6より大きい基材に対しては、低屈折率膜に該当するMgF2と中間屈折率膜に該当するSiO2とを区別して使用する必要がないことが推測できる。
(3) 誘電体多層膜
設計例1及び2
このような検討結果から、高屈折率のTiO2と低屈折率のMgF2とで可視域波長400〜700 nmでs偏光とp偏光との位相差が0°に近づくような最適化設計を行った。その結果、S-LAH66(nd=1.7725)基材に、表1に示すような4層膜を構成した設計例1及び表2に示すような7層膜を構成した設計例2を得た。設計例1及び設計例2について求めた、入射角49°でのs偏光とp偏光との位相差の波長依存性(波長400〜700 nm)を図7に示す。なおこの入射角49°は、一眼レフカメラに用いられるペンタダハプリズムを想定したものである。表1、表2及び図7から、特許文献1に記載の多層膜より少ない種類の材料(2種類)で、かつ少ない層数(4層及び7層)で、波長400〜700 nmにおけるs偏光とp偏光との位相差の幅が20°(±10°)の範囲に入る誘電体多層膜が得られることが確認できた。
Figure 2017134245
Figure 2017134245
次に、入射角度依存性について考察する。光学薄膜の干渉理論によれば、波長λ、光学膜厚qf、膜内部の入射角θf、屈折率nfとした場合に、各層の反射振幅の位相項はs偏光もp偏光も共通で、[π・qf・cosθf/λ]で表わされる。各層の反射振幅は、s偏光において[nf・cosθf]の屈折率で、p偏光において[nf/cosθf]の屈折率の膜であるように考えることで、ほぼ共通の計算式で記述できる。従って、単純に考えた場合には、層数が少なくて総合的な光学膜厚が小さい方が、s偏光とp偏光との反射率や位相差の差は小さくできる。
比較例
比較例として、BK7(株式会社オハラ製S-BSL7相当nd=1.516)基材に表3に示す9層膜を構成した。この9層膜は、特許文献1の実施例1に記載された従来技術の誘電体多層膜と同等のものである。
Figure 2017134245
比較例、設計例1及び設計例2について、入射角44°、49°及び54°の波長400〜700 nmにおけるs偏光とp偏光との位相差をそれぞれ図8、図9及び図10に示す。これらの結果から、設計例1、設計例2及び比較例の誘電体多層膜について求めた、入射角44〜54°の範囲で波長400〜700 nmにおけるs偏光とp偏光との位相差の最大値、最小値及びその幅を表4に示す。表4から、設計例1及び設計例2は、位相差が目標である90°(0±45°)の範囲にあるが、比較例はその目標範囲を大きく外れていることがわかる。
Figure 2017134245
設計例3
アミチプリズム(ダハ面入射角60°)を想定し、基材をTAFD40(HOYA株式会社製、nd=2.001)に変更し、設計例2と同様に7層の誘電体多層膜を構成して最適化を行い、表5に示す膜構成の設計例3を得た。設計例3の7層膜について求めた、入射角55°、60°及び65°でのs偏光とp偏光との位相差の波長依存性(波長400〜700 nm)を図11に示す。図11から、設計例3誘電体多層膜は、位相差が目標である90°(0±45°)の範囲にあることがわかる。
Figure 2017134245
設計例4
ぺシャンプリズム(ダハ面入射角48°)を想定し、基材をS-LAL7(株式会社オハラ製、nd=1.678)に変更し、設計例2と同様に7層の誘電体多層膜を構成して最適化を行い、表6に示す膜構成の設計例4を得た。設計例4の7層膜について求めた、入射角43°、48°及び53°でのs偏光とp偏光との位相差の波長依存性(波長400〜700 nm)を図12に示す。図12から、設計例4の誘電体多層膜は、位相差が目標である90°(0±45°)の範囲にあることがわかる。
Figure 2017134245
設計例5〜10
さらに設計例5〜10として、S-LAH66 (nd=1.7725)基材に、それぞれ表7に示す2層構成、表8に示す3層構成、表9に示す5層構成、表10に示す6層構成、表11に示す8層構成及び表12に示す10層構成の誘電体多層膜を設計し最適化した。これらの設計例5〜10の誘電体多層膜について求めた、入射角44°、49°及び54°でのs偏光とp偏光との位相差の波長依存性(波長400〜700 nm)をそれぞれ図13〜図18に示す。図13〜図18から、設計例5〜10の誘電体多層膜は、波長400〜700 nmにおける入射角44〜54°の範囲において、位相差が目標である90°(0±45°)の範囲にあることがわかる。
Figure 2017134245
Figure 2017134245
Figure 2017134245
Figure 2017134245
Figure 2017134245
Figure 2017134245
1・・・入射光線
2・・・出射光線
3・・・界面

Claims (18)

  1. 少なくとも1枚のレンズと、呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズムを備えた観察光学系を有する観察光学機器であって、
    前記プリズムは、前記一対の反射面の稜線が前記観察光学系の瞳を分割するよう配置されており、
    前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜とが交互に積層された誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする観察光学機器。
  2. 請求項1に記載の観察光学機器において、前記高屈折率膜には屈折率2.3〜2.5の超高屈折率膜が少なくとも1層含まれることを特徴とする観察光学機器。
  3. 請求項1又は2に記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜の総光学膜厚が200〜950 nmであることを特徴とする観察光学機器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の観察光学機器において、前記低屈折率膜の光学膜厚の和が50〜450 nmであることを特徴とする観察光学機器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の観察光学機器において、前記高屈折率膜の光学膜厚の和が100〜600 nmであることを特徴とする観察光学機器。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の観察光学機器において、前記高屈折率膜がTa2O5膜、Nb2O5膜、CeO2膜、TiO2膜及び(TiO2+ZrO2)混合膜のいずれかからなり、前記低屈折率膜がAl2O3膜、SiO2膜、MgF2膜及び(Al2O3+SiO2)混合膜のいずれかからなることを特徴とする観察光学機器。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層及び第2層が順に積層された2層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚65〜145 nmの低屈折率膜、及び
    前記第2層が光学膜厚75〜160 nmの高屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第3層が順に積層された3層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚5〜80 nmの高屈折率膜、
    前記第2層が光学膜厚70〜160 nmの低屈折率膜、及び
    前記第3層が光学膜厚100〜190 nmの高屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第4層が順に積層された4層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚10〜70 nmの低屈折率膜、
    前記第2層が光学膜厚25〜135 nmの高屈折率膜、
    前記第3層が光学膜厚30〜200 nmの低屈折率膜、及び
    前記第4層が光学膜厚100〜245 nmの高屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第5層が順に積層された5層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚30〜100 nmの高屈折率膜、
    前記第2層が光学膜厚30〜100 nmの低屈折率膜、
    前記第3層が光学膜厚60〜140 nmの高屈折率膜、
    前記第4層が光学膜厚110〜200 nmの低屈折率膜、及び
    前記第5層が光学膜厚110〜200 nmの高屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第6層が順に積層された6層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの低屈折率膜、
    前記第2層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
    前記第3層が光学膜厚40〜120 nmの低屈折率膜、
    前記第4層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
    前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの低屈折率膜、及び
    前記第6層が光学膜厚155〜255 nmの高屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第7層が順に積層された7層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの高屈折率膜、
    前記第2層が光学膜厚20〜125 nmの低屈折率膜、
    前記第3層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
    前記第4層が光学膜厚15〜80 nmの低屈折率膜、
    前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
    前記第6層が光学膜厚30〜210 nmの低屈折率膜、及び
    前記第7層が光学膜厚70〜210 nmの高屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の観察光学機器において、前記誘電体多層膜は、基材側から第1層〜第8層が順に積層された8層膜であり、
    前記第1層が光学膜厚20〜80 nmの高屈折率膜、
    前記第2層が光学膜厚20〜125 nmの低屈折率膜、
    前記第3層が光学膜厚80〜155 nmの高屈折率膜、
    前記第4層が光学膜厚15〜80 nmの低屈折率膜、
    前記第5層が光学膜厚70〜155 nmの高屈折率膜、
    前記第6層が光学膜厚30〜210 nmの低屈折率膜、
    前記第7層が光学膜厚70〜210 nmの高屈折率膜、及び
    前記第8層が光学膜厚5〜100 nmの低屈折率膜
    であることを特徴とする観察光学機器。
  14. 呼び面角90°で交わる一対の反射面を有するプリズムであって、
    前記一対の反射面には屈折率2.15以上の高屈折率膜と屈折率1.3〜1.7の低屈折率膜が交互に積層された誘電体多層膜が設けられていることを特徴とするプリズム。
  15. 請求項14に記載のプリズムにおいて、前記高屈折率膜には屈折率2.3〜2.5の超高屈折率膜が少なくとも1層含まれることを特徴とするプリズム。
  16. 請求項14又は15に記載のプリズムはペンタダハプリズムであることを特徴とするプリズム。
  17. 請求項14又は15に記載のプリズムはペシャンプリズムであることを特徴とするプリズム。
  18. 請求項14又は15に記載のプリズムはアミチプリズムであることを特徴とするプリズム。
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