以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本発明は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値などは例示である。なお、以下の説明や各図において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[画像形成装置の構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置のシステム構成の概略を示す全体構成図である。本実施形態では、複写機に適用する場合を例に挙げている。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、静電気を用いて用紙等の記録媒体Sに画像を形成する電子写真方式を採用しており、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部60と、定着部70と、制御基板80とを有する構成となっている。
原稿搬送部10は、原稿Gをセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、記録媒体Sを積載する。用紙収納部20は、記録媒体Sのサイズや種類に応じて複数設けられている。複数の用紙収納部20の各々には、用紙収納部20に積載された記録媒体Sを搬送する(給紙する)、後述する給紙部90が設けられている。この給紙部90によって給紙された記録媒体Sは、搬送部21及び搬送部22によって転写位置である2次転写部60に搬送される。また、用紙収納部20の近傍には、手差部23が設けられている。この手差部23からは、ユーザによってセットされる、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が、搬送部22によって転写位置へ送られる。
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。このランプLからの照射光に基づく原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。撮像素子35から出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
また、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の周知の画像処理を施して、制御基板80に搭載されたRAM(不図示)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したデータであってもよい。
用紙収納部20と画像読取部30との間には、画像形成部40と像担持体である中間転写ベルト50とが配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するために、第1〜第4の4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンダのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有している。したがって、ここでは、第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、像担持体であるドラム状の感光体(感光体ドラム)41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45とを有している。感光体41は、不図示の駆動モータによる駆動の下に回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与えることにより感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して例えばレーザビームによって露光を行うことにより、感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて、感光体41上に形成された静電潜像を現像する。トナーは、画像を形成する粒子である。キャリアは、現像部44内でのトナーとの混合において摩擦帯電によりトナーに適正な電荷を与える機能と、感光体41と対向する現像領域にトナーを搬送する機能と、感光体41上の静電潜像にトナーが忠実に現像できるように現像電界を形成する機能とを持っている。現像部44には、感光体41に現像剤を供給する現像スリーブ46を有している。この現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面には、イエローのトナー像が形成される。
なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
感光体41上に付着したトナーは、中間転写ベルト50に転写される。中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、複数のローラに掛け渡されている。この中間転写ベルト50は、不図示の駆動モータによる駆動の下に、感光体41の回転(移動)方向とは逆方向に回転する。
中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと逆極性の電圧を印加させることで、感光体41上に付着したトナーを中間転写ベルト50に転写する。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が、中間転写ベルト50の表面に順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合うことによってカラー画像が形成される。
また、中間転写ベルト50に対向した状態でベルトクリーニング装置53が設けられている。このベルトクリーニング装置53は、記録媒体Sへのトナー画像の転写を終えた中間転写ベルト50の表面を清掃する。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部22の用紙搬送方向の下流には、2次転写部60が配置されている。この2次転写部60は、搬送部22によって搬送されてきた記録媒体Sを中間転写ベルト50に接触させることにより、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー像を記録媒体Sに転写する。
2次転写部60は、2次転写ローラ61を有している。2次転写ローラ61は、対向ローラ52に圧接された状態で設けられている。そして、2次転写ローラ61と中間転写ベルト50とが接触する部分は、2次転写ニップ部62となる。この2次転写ニップ部62の位置は、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー像を記録媒体Sに転写する転写位置である。
2次転写部60における記録媒体Sの排出側には、定着部70が設けられている。この定着部70は、記録媒体Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を記録媒体Sに定着させる。定着部70は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラ71及び定着下ローラ72で構成されている。定着上ローラ71及び定着下ローラ72は、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラ71と定着下ローラ72との圧接部として定着ニップ部が形成される。
定着上ローラ71の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラ71のローラ部が温められる。そして、定着上ローラ71のローラ部の熱が記録媒体Sへ伝達されることにより、記録媒体S上のトナー像が定着される。
記録媒体Sは、2次転写部60によってトナー像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラ71と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する記録媒体Sには、定着上ローラ71と定着下ローラ72とによる加圧と、定着上ローラ71のローラ部の熱による加熱が行われる。
定着部70の記録媒体Sの搬送方向の下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部70を通過した記録媒体Sの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、記録媒体Sの片面への画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、記録媒体Sを直進させる。これにより、記録媒体Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、記録媒体Sの片面への画像形成におけるフェースダウン排紙を行う場合、及び記録媒体Sの両面への画像形成を行う場合に、記録媒体Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって記録媒体Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって記録媒体Sの表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転された記録媒体Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。記録媒体Sの両面への画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって記録媒体Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって記録媒体Sの表裏を反転する。そして、表裏が反転された記録媒体Sは、再給紙路27によって再び転写位置へ送られる。
一対の排紙ローラ25の下流側には、記録媒体Sを折ったり、記録媒体Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
[給紙装置の構成例]
複数の用紙収納部20に収納された記録媒体Sを給紙する給紙部90は、複数の用紙収納部20のそれぞれに設けられて給紙装置を構成している。本発明の一実施形態に係る給紙装置の構成の概略を図2及び図3に示す。図2は、給紙装置の正面図であり、図3は、給紙装置の上面図である。
先ず、用紙収納部20の構成について説明する。用紙収納部20は、トレイと呼称され、本例にあっては、上段トレイ、中段トレイ及び下段トレイとして三個設けられている。用紙収納部20は、記録媒体Sを載置する載置台201と、記録媒体Sの前端位置を規制する前端規制ガイド部202と、記録媒体Sの後端位置を規制する後端規制ガイド部203と、記録媒体Sの横幅を規制する横規制ガイド部204とを備えている。載置台201は、昇降動作(上下動)が可能なトレイ(昇降トレイ)である。
前端規制ガイド部202内には、昇降モータ205と分離ファン206が配置されている。昇降モータ205は、載置台201を昇降(上下動)させる。分離ファン206は、載置台201上に積載された記録媒体Sに対して紙面に平行にエアーを送ることによって記録媒体Sを捌き、積載された記録媒体Sを1枚ずつ分離する。ここで、「紙面に平行」とは、厳密に紙面に平行である場合の他、実質的に紙面に平行である場合をも含み、設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
給紙部90は、給送ベルトローラ901と、従動ローラ902と、給送ベルトローラ901と従動ローラ902とに掛け渡された例えば4本の給送ベルト903と、給送ベルトローラ901を駆動する給送ベルトモータ904とを備えている。図4に、給送ベルト903の構成の一例を示す。図4に示すように、給送ベルト903には、エアーを通すための通気孔905が全面に亘って設けられている。
給紙部90はさらに、エアーを流すための吸気ファン906と、吸気ファン906によるエアーを給送ベルト903に送風する通気ダクト907とを備えている。複数の用紙収納部20のそれぞれに対応して設けられた複数の吸気ファン906は、後述する被冷却部品の近傍に設けられる。図5に、通気ダクト907の構成の一例を示す。図5に示すように、通気ダクト907には、4本の給送ベルト903と対向する部位に、吸気ファン906から送られたエアーを給送ベルト903に送り込む通気口908が設けられている。
上記構成の複数の用紙収納部20のそれぞれの昇降モータ205や分離ファン206の駆動及び複数の給紙部90それぞれの給送ベルトモータ904や吸気ファン906の駆動は、後述する制御部100(図8参照)による制御の下に実行される。そして、複数の用紙収納部20の各々から給紙部90によって給紙された記録媒体Sは、搬送部21によって画像形成部40へ搬送される。
図6Aに、制御基板80、給紙部90における各給送ベルトモータ904や吸気ファン906及び搬送部21における各駆動モータ211〜216の配置関係を示す。図6Aにおいて、上段の給紙部90から給紙するとき、給送ベルトモータ904及び駆動モータ211,212,213が動作することで、上段の給紙部90から給紙された記録媒体Sの搬送が行われる。中段の給紙部90から給紙するとき、給送ベルトモータ904及び駆動モータ213,214が動作することで、中段の給紙部90から給紙された記録媒体Sの搬送が行われる。下段の給紙部90から給紙するとき、給送ベルトモータ904及び駆動モータ213,215,216が動作することで、下段の給紙部90から給紙された記録媒体Sの搬送が行われる。すなわち、駆動モータ213は、いずれの給紙部90からの給紙時でも動作することになる。
ここで、制御基板80、給紙部90における各給送ベルトモータ904及び搬送部21における各駆動モータ211〜216は、冷却が必要な被冷却部品である。そのため、図6Bに示すように、画像形成装置1の外装には排気ルーバー301,302が設けられている。複数の給紙部90の各吸気ファン906を動作させたときのエアーフローのイメージを図7に示す。図7において、白抜きの矢印は、上段の給紙部90に対応する吸気ファン906を動作させたときのエアーフローを示し、網掛けの矢印は、中段の給紙部90に対応する吸気ファン906を動作させたときのエアーフローを示し、ハッチングの矢印は、下段の給紙部90に対応する吸気ファン906を動作させたときのエアーフローを示している。
[画像形成装置の各部のハードウェア構成]
次に、画像形成装置1の各部のハードウェア構成について、図8を参照して説明する。図8は、画像形成装置1の各部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、画像形成装置1は、制御部100を備えている。この制御部100は、図1及び図6Aに示す制御基板80上に構成されている。
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103とを有している。なお、ROM102としては、例えば、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMを用いることができる。
CPU101は、画像形成装置1の全体を制御する。このCPU101は、HDD(Hard Disk Drive)104、操作表示部105、用紙残量検知センサ106、上限検知センサ107、温度センサ108及び通信部109に対してシステムバス110を介して接続されている。CPU101はさらに、画像読取部30、画像形成部40及び定着部70に対してシステムバス110を介して接続されている。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号を制御部100に出力する。
用紙残量検知センサ106及び上限検知センサ107は、複数の用紙収納部20の各々に設けられている。用紙残量検知センサ106は、載置台201上に記録媒体Sが残存しているか否かを検知する。上限検知センサ107は、載置台201が上限位置に達したか否かを検知する。用紙残量検知センサ106及び上限検知センサ107の各検知結果は、システムバス110を介して制御部100に供給される。温度センサ108は、複数の給紙部90の各々に設けられており、給紙部90内の温度を検知する。温度センサ108の検知結果は、システムバス110を介して制御部100に供給される。
通信部109は、外部の情報処理装置の一例であるPC(パーソナルコンピュータ)120から送信されるジョブ情報を、通信回線130を介して受け取る。そして、受け取ったジョブ情報を、システムバス110を介して制御部100に送る。ジョブ情報には、形成する画像の画像データと、その画像データに対応付けられた使用する用紙の種類及び枚数などの情報が含まれている。
なお、本実施形態では、外部装置としてPC120を例示したが、これに限定されるものではなく、外部装置としては、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を適用することができる。
画像読取部30は、原稿画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの階調の輝度情報を持つ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、PC120から送信される画像データは、不図示の画像処理部に送られ、画像処理される。この画像処理では、受信した画像データに対してアナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮等の処理が行われる。
制御部100は、CPU101による制御の下に、画像形成装置1の全体を制御する。具体的には、制御部100は、画像形成部40を駆動制御し、画像濃度制御用のトナー像または画像形成用のトナー像を形成し、中間転写ベルト50に1次転写するとともに、2次転写部60を駆動制御し、中間転写ベルト50が担持するトナー画像を用紙Sに2次転写する。また、制御部100は、定着部70を駆動制御し、用紙Sを加圧及び加熱して、トナー画像を用紙Sに定着させる。
さらに、制御部100は、操作表示部105や外部装置の一例であるPC120からのユーザによる指令や、用紙残量検知センサ106、上限検知センサ107及び温度センサ108の各検知結果などの各種の情報に基づいて、複数の用紙収納部20及び複数の給紙部90の駆動制御を行う。具体的には、制御部100のCPU101は、複数の用紙収納部20それぞれの昇降モータ205や分離ファン206の駆動制御、及び複数の給紙部90それぞれの給送ベルトモータ904や吸気ファン906の駆動制御を行う。
以下に、上記構成の本実施形態に係る給紙装置、あるいは当該給紙装置を備える画像形成装置1において、制御部100のCPU101による制御の下に実行される、複数の用紙収納部20及び複数の給紙部90の駆動制御の具体的な実施例について説明する。なお、以下では、理解を容易にするために、複数の用紙収納部20について、トレイX及びトレイYの2つのトレイとして説明することとする。
[実施例1]
実施例1は、本実施形態に係る給紙部90の基本的な制御方法の例である。図9は、実施例1に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、操作表示部105あるいはPC120からの指令に応答してトレイXの給紙動作を開始する(ステップS11)。このトレイXの給紙動作の期間では、トレイXに対応する吸気ファン906がON(動作)状態となる。以下の実施例においても同様である。次に、CPU101は、給紙中のトレイX以外のトレイ(本例では、トレイY)に対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS12)。次に、CPU101は、トレイXについてのジョブの終了によってトレイXの給紙動作を停止し(ステップS13)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をOFF(非動作)状態にし(ステップS14)、しかる後一連の処理を終了する。
上述したように、給紙中のトレイXに対応する吸気ファン906だけでなく、給紙に使用していないトレイYに対応する吸気ファン906をもON状態にすることで、画像形成装置1の機械構造を複雑にすることなく、機械内部を急速に冷却することができる。これにより、坪量の大きい用紙の給紙や、連続給紙による温度上昇等の影響によって、機械内部の背面側に配置されている被冷却部品の温度が上昇したとしても、機械内部を急速に冷却することができるため、被冷却部品の温度上昇を抑えることができる。本実施形態に係る画像形成装置1にあっては、制御基板80、給紙部90における各給送ベルトモータ904、及び搬送部21における各駆動モータ211〜216などが被冷却部品となる。
ところで、使用していないトレイに対応する吸気ファン906をON状態にするにあたって、記録媒体Sが入っていないトレイでは、吸気ファン906をON状態にしても問題ない。しかし、記録媒体Sが入っているトレイでは、迅速に給紙できるように、記録媒体Sが給送ベルト903付近で待機した状態にある。この記録媒体Sの待機状態で吸気ファン906をON状態にすると、通気孔905が設けられた給送ベルト903に記録媒体Sが吸着してしまい、エアーを機械内部の背面側に送ることができないことになる。この点に鑑みてなされたのが、以下に説明する実施例2〜実施例8である。
[実施例2]
実施例2は、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着しないように、用紙収納部20の載置台201を上限位置から下げる例である。ここで、「上限位置」とは、記録媒体Sが給送ベルト903付近で待機する位置である。図10は、実施例2に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、操作表示部105あるいはPC120からの指令に応答してトレイXの給紙動作を開始する(ステップS21)。次に、CPU101は、給紙中のトレイX以外のトレイ(本例では、トレイY)に対応する吸気ファン906をON状態にするにあたって、トレイYに記録媒体Sが載置されている(記録媒体有り)か否かを判断する(ステップS22)。トレイYに記録媒体Sが載置されているか否かの判断は、用紙残量検知センサ106(図8参照)の検知結果に基づいて行うことができる。
CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていれば(S22のYES)、トレイYの昇降モータ205を、載置台201を降下させる方向に動作させ、載置台201を待機位置から所定量Aだけ下げる(ステップS23)。ここで、載置台201を上限位置から下げる所定量Aは、記録媒体Sの坪量や吸気ファン906から送られるエアーの風量などによって決まる。次いで、CPU101は、トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS24)。
CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていなければ(S22のNO)、直接ステップS24に移行し、トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にする。次に、CPU101は、トレイXについてのジョブの終了によってトレイXの給紙動作を停止し(ステップS25)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をOFF状態にする(ステップS26)。
次に、CPU101は、トレイYの載置台201が上限位置であるか否かを判断する(ステップS27)。載置台201が上限位置であるか否かの判断は、上限検知センサ107(図8参照)の検知結果に基づいて行うことができる。CPU101は、載置台201が上限位置でなければ(S27のNO)、トレイYの昇降モータ205を、載置台201が上限位置に達するまで(即ち、上限検知センサ107がONするまで)動作させ(ステップS28)、しかる後一連の処理を終了する。CPU101は、載置台201が上限位置であれば(S27のYES)、そのまま一連の処理を終了する。
上述したように、トレイYに対応する吸気ファン906を動作させるにあたって、当該トレイYに記録媒体Sが載置されているときは、トレイYの載置台201を上限位置から下げることで、通気孔905が設けられた給送ベルト903に記録媒体Sが吸着することを未然に防止できる。これにより、実施例1の場合と同様に、給紙に使用していないトレイYに対応する吸気ファン906の使用によって、機械内部を急速に冷却することができる。トレイYに記録媒体Sが載置されていない場合は、そのまま吸気ファン906をON状態にしても、給送ベルト903に対する記録媒体Sの吸着の問題は発生しない。
[実施例3]
実施例3は、実施例2の変形例である。すなわち、実施例3の場合も実施例2の場合と同様に、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着しないように、用紙収納部20の載置台201を上限位置から下げる例である。図11は、実施例3に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、操作表示部105あるいはPC120からの指令に応答してトレイXの給紙動作を開始し(ステップS31)、次いで、用紙残量検知センサ106の検知結果を基に、トレイYに記録媒体Sが載置されている(記録媒体有り)か否かを判断する(ステップS32)。
CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていれば(S32のYES)、トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上であるか否かを判断する(ステップS33)。記録媒体Sの坪量は、操作表示部105あるいはPC120からユーザによって設定される。所定量Gは、例えば、記録媒体Sが薄紙であるか、厚紙であるかの判断基準となる。
CPU101は、トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上であれば(S33のYES)、トレイYの昇降モータ205による駆動の下に、トレイYの載置台201を上限位置から所定量Bだけ下げる(ステップS34)。また、CPU101は、トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上でなければ(S33のNO)、トレイYの載置台201を所定量Bよりも多い所定量C(C>B)だけ上限位置から下げる(ステップS34)。
CPU101は、トレイYの載置台201を所定量B又は所定量Cまで下げた後、トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にし(ステップS36)、トレイYに記録媒体Sが載置されていなけば(S32のNO)、直接ステップS36に移行し、トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にする。次に、CPU101は、トレイXについてのジョブの終了によってトレイXの給紙動作を停止し(ステップS37)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をOFF状態にする(ステップS38)。
次に、CPU101は、上限検知センサ107の検知結果を基に、トレイYの載置台201が上限位置であるか否かを判断する(ステップS39)。そして、CPU101は、載置台201が上限位置でなければ(S39のNO)、トレイYの昇降モータ205を、載置台201が上限位置に達するまで動作させ(ステップS28)、しかる後一連の処理を終了する。CPU101は、載置台201が上限位置であれば(S39のYES)、そのまま一連の処理を終了する。
上述したように、トレイYに対応する吸気ファン906を動作させるにあたって、当該トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上であるか否かを判断することで、例えば記録媒体Sが薄紙であるか、厚紙であるかを判断することができる。ここで、吸気ファン906をON状態にしたとき、給送ベルト903に対して、薄紙は貼り付き易く、厚紙は貼り付き難い。
そこで、例えば、記録媒体Sが薄紙の場合は、トレイYの載置台201を大きく下げ(所定量C)、厚紙の場合は、トレイYの載置台201を少し下げる(所定量B)ようにする。記録媒体Sが入っているトレイでは、迅速に給紙できるように、記録媒体Sが給送ベルト903付近で待機した状態にあることが好ましい。このような観点から、記録媒体Sの坪量に応じて載置台201を下げる量を可変とすることで、載置台201を下げる量を例えば薄紙を基準に一律に設定する場合に比べて、特に下げ量が少ない、厚紙を収納した載置台201を迅速に待機位置に戻すことができる。
[実施例4]
実施例4は、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着しないように、給紙部90の吸気ファン906の風量を制御する例である。図12は、実施例4に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、操作表示部105あるいはPC120からの指令に応答してトレイXの給紙動作を開始し(ステップS41)、次いで、用紙残量検知センサ106の検知結果を基に、トレイYに記録媒体Sが載置されている(記録媒体有り)か否かを判断する(ステップS42)。
CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていれば(S42のYES)、トレイYに対応する吸気ファン906を例えば風量50%でON状態にする(ステップS43)。風量50%は一例であって、これに限定されるものではなく、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着しない程度の風量であればよい。
また、CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていなければ(S42のNO)、トレイYに対応する吸気ファン906を例えば風量100%でON状態にする(ステップS44)。トレイYに記録媒体Sが載置されていない場合は、吸気ファン906を最大風量、即ち風量100%でON状態にしても、給送ベルト903に対する記録媒体Sの吸着の問題は発生しない。
CPU101は、トレイYに対応する吸気ファン906を風量50%又は風量100%でON状態にした後、トレイXについてのジョブの終了によってトレイXの給紙動作を停止し(ステップS45)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をOFF状態にし(ステップS46)、しかる後一連の処理を終了する。
トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にするにあたって、当該トレイYに記録媒体Sが載置されているときは、トレイYに対応する吸気ファン906の風量を最大風量よりも弱くすることで、通気孔905が設けられた給送ベルト903に記録媒体Sが吸着することを未然に防止できる。これにより、実施例1の場合と同様に、給紙に使用していないトレイYに対応する吸気ファン906の使用によって、機械内部を急速に冷却することができる。
[実施例5]
実施例5は、実施例4の変形例である。すなわち、実施例5の場合も実施例4の場合と同様に、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着しないように、給紙部90の吸気ファン906の風量を制御する例である。図13は、実施例5に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、操作表示部105あるいはPC120からの指令に応答してトレイXの給紙動作を開始し(ステップS51)、次いで、用紙残量検知センサ106の検知結果を基に、トレイYに記録媒体Sが載置されている(記録媒体有り)か否かを判断する(ステップS52)。
CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていれば(S52のYES)、トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上であるか否かを判断する(ステップS53)。所定量Gは、例えば、記録媒体Sが薄紙であるか、厚紙であるかの判断基準となる。
CPU101は、トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上であれば(S53のYES)、トレイYに対応する吸気ファン906を例えば風量70%でON状態にし(ステップS54)、所定量G以上でなければ(S53のNO)、例えば風量50%でON状態にする(ステップS55)。風量70%、風量50%は一例であって、これに限定されるものではない。また、CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていなければ(S52のNO)、トレイYに対応する吸気ファン906を例えば風量100%でON状態にする(ステップS56)。
CPU101は、トレイYに対応する吸気ファン906を風量70%、風量50%又は風量100%でON状態にした後、トレイXについてのジョブの終了によってトレイXの給紙動作を停止し(ステップS57)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をOFF状態にし(ステップS58)、しかる後一連の処理を終了する。
上述したように、トレイYに対応する吸気ファン906を動作させるにあたって、当該トレイYに収納されている記録媒体Sの坪量が所定量G以上であるか否かを判断することで、例えば記録媒体Sが薄紙であるか、厚紙であるかを判断することができる。そして、吸気ファン906をON状態にしたとき、薄紙は給送ベルト903に貼り付き易いことから吸気ファン906の風量を大きく下げ、厚紙は給送ベルト903に貼り付き難いことから吸気ファン906の風量を少し下げるようにする。このように、記録媒体Sの坪量に応じて吸気ファン906の風量を可変とすることで、吸気ファン906の風量を例えば薄紙を基準に一律に設定する場合に比べて、冷却効率を上げることができる。
[実施例6]
実施例6は、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着しないように、用紙収納部20に収容された記録媒体Sを1枚ずつ分離するために設けられている分離ファン206(図3参照)を用いる例である。図14は、実施例6に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、操作表示部105あるいはPC120からの指令に応答してトレイXの給紙動作を開始し(ステップS61)、次いで、用紙残量検知センサ106の検知結果を基に、トレイYに記録媒体Sが載置されている(記録媒体有り)か否かを判断する(ステップS62)。
CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていれば(S62のYES)、トレイYの分離ファン206をON状態にし(ステップS63)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS64)。CPU101は、トレイYに記録媒体Sが載置されていなければ(S62のNO)、直接ステップS64に移行し、トレイYに対応する吸気ファン906をON状態にする。
次に、CPU101は、トレイXについてのジョブの終了によってトレイXの給紙動作を停止し(ステップS65)、次いで、トレイYに対応する吸気ファン906をOFF状態にする(ステップS66)。次に、CPU101は、トレイYの分離ファン206がON状態であるか否かを判断する(ステップS67)。そして、CPU101は、トレイYの分離ファン206がON状態であれば(S67のYES)、当該分離ファン206をOFF状態にし(ステップS68)、しかる後一連の処理を終了し、トレイYの分離ファン206がON状態でなければ(S67のNO)、そのまま一連の処理を終了する。
上述したように、分離ファン206をON状態にすることで、図15に示すように、吸気ファン906の動作によって給送ベルト903の通気孔905を通過するエアーフローE1に対し、分離ファン206によるエアーE2が直交する方向(記録媒体Sの紙面に平行な方向)に流れる。これにより、トレイYに対応する吸気ファン906よりも先に、分離ファン206を動作させることで、分離ファン206によるエアーE2によって記録媒体Sが浮き上がるのを抑えることができるため、給送ベルト903に記録媒体Sが吸着することを未然に防止できる。
特に、給送ベルト903に対する記録媒体Sの吸着防止に分離ファン206によるエアーE2を利用することにより、実施例2や実施例3の場合のように、載置台201を下げなくても、記録媒体Sの吸着を防止できる。したがって、載置台201を下げる必要がないことで、複数の用紙収納部20を使用して複数種類の記録媒体Sを給紙する、所謂ミックス給紙などの場合に有用なものとなる。すなわち、ミックス給紙の場合には、迅速に給紙できるように、記録媒体Sを給送ベルト903付近で待機させた状態にしておく必要があり、載置台201を下げない方が好ましいからである。
[実施例7]
実施例1〜実施例6では、複数の用紙収納部20について、トレイX及びトレイYの二個のトレイとしている。これに対し、実施例7は、複数の用紙収納部20を三個のトレイとし、上段のトレイをトレイ1、中段のトレイをトレイ2、下段のトレイをトレイ3とした例である。図16は、実施例7に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、上段のトレイ1が給紙動作を開始したか否かを判断し(ステップS71)、上段のトレイ1が給紙動作を開始したのであれば(S71のYES)、中段のトレイ2に対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS72)。その後、CPU101は、トレイ1についてのジョブの終了によってトレイ1の給紙動作を停止し(ステップS73)、次いで、トレイ2に対応する吸気ファン906をOFF状態にし(ステップS74)、しかる後一連の処理を終了する。
また、CPU101は、上段のトレイ1が給紙動作を開始していなければ(S71のNO)、中段のトレイ2が給紙動作を開始したか否かを判断する(ステップS75)。そして、中段のトレイ2が給紙動作を開始したのであれば(S75のYES)、CPU101は、上段のトレイ1に対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS76)。その後、CPU101は、トレイ2についてのジョブの終了によってトレイ2の給紙動作を停止し(ステップS77)、次いで、トレイ1に対応する吸気ファン906をOFF状態にし(ステップS78)、しかる後一連の処理を終了する。
CPU101は、中段のトレイ2が給紙動作を開始していなければ(S75のNO)、下段のトレイ3の給紙動作であることから、中段のトレイ2に対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS79)。その後、CPU101は、トレイ3についてのジョブの終了によってトレイ3の給紙動作を停止し(ステップS80)、次いで、トレイ2に対応する吸気ファン906をOFF状態にし(ステップS81)、しかる後一連の処理を終了する。
実施例7に係る制御方法における、給紙中のトレイと、吸気ファン906をON状態にするトレイ(図中、冷却と記す)との関係を図17に模式的に示す。
上段のトレイ1から給紙するとき(図17A)、中段のトレイ2に対応する吸気ファン906がON状態となり、トレイ2に対応する吸気ファン906で冷却が行われる。中段のトレイ2から給紙するとき(図17B)、上段のトレイ1に対応する吸気ファン906がON状態となり、トレイ1に対応する吸気ファン906で冷却が行われる。このとき、下段のトレイ3に対応する吸気ファン906がON状態となり、トレイ3に対応する吸気ファン906で冷却が行われるようにしてもよい。下段のトレイ3から給紙するとき(図17C)、中段のトレイ2に対応する吸気ファン906がON状態となり、トレイ2に対応する吸気ファン906で冷却が行われる。
上述したように、実施例7に係る制御方法によれば、用紙収納部20であるトレイが三個以上ある場合において、ある一つのトレイで給紙が行われているとき、その近傍のトレイに対応する吸気ファン906によって冷却が行われる。給紙動作によって温度が上昇する駆動モータは給紙中のトレイに関連するモータであることから、これらの駆動モータの冷却には、近傍のトレイに対応する吸気ファン906の動作で十分である。また、それ以外のトレイに対応する吸気ファン906を動作させないことで、消費電力を低減できる利点もある。
[実施例8]
実施例8は、複数の用紙収納部20を使用して複数種類の記録媒体Sを給紙するミックス給紙の例である。図18は、実施例8に係る制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、ミックス給紙のジョブ(JOB)を開始し(ステップS91)、次いで、ミックス給紙に使用しない未使用トレイが有るか否かを判断する(ステップS92)。そして、未使用トレイが有れば(S92のYES)、CPU101は、未使用トレイに対応する吸気ファン906をON状態にする(ステップS93)。その後、ミックス給紙のジョブの終了によってミックス給紙のジョブを停止し(ステップS94)、次いで、未使用トレイに対応する吸気ファン906をOFF状態にし(ステップS95)、しかる後一連の処理を終了する。
CPU101は、ミックス給紙に使用しないトレイが無ければ(S92のNO)、給紙部90内の温度が所定温度X以上か否かを判断する(ステップS96)。給紙部90内の温度が所定温度X以上か否かの判断は、温度センサ108(図8参照)の検知結果に基づいて行うことができる。
給紙部90内の温度がX度以上であれば(S96のYES)、CPU101は、給紙速度を落とす(ステップS97)。次に、CPU101は、ミックス給紙のジョブが終了か否かを判断し(ステップS98)、ミックス給紙のジョブが終了であれば(S98のYES)、一連の処理を終了し、終了でなければ(S98のNO)、ステップS96に戻って上述した処理を繰り返す。また、給紙部90内の温度がX度以上でなければ(S96のNO)、CPU101は、給紙速度を初期状態とし(ステップS99)、ステップS98へ移行する。
実施例8に係る制御方法における、給紙のトレイと、吸気ファン906をON状態にするトレイ(図中、冷却と記す)との関係を図19に模式的に示す。実施例8も、実施例7と同様に、複数の用紙収納部20を3つのトレイとし、上段のトレイをトレイ1、中段のトレイをトレイ2、下段のトレイをトレイ3とした例である。そして、トレイ1とトレイ2とを組み合わせたミックス給紙とし、未使用のトレイ3を、吸気ファン906をON状態にするトレイとしている。
このように、トレイ1とトレイ2とを組み合わせたミックス給紙において、トレイ3の載置台201を下げたりして、トレイ3に対応する吸気ファン906で冷却動作を行っても、当該トレイ3が未使用トレイであるため、給紙の生産性を落とすことはない。また、ミックス給紙に使用しないトレイが無い場合、即ち複数のトレイ全てから記録媒体Sを給紙する動作を組み合わせて連続的に行うなどの高負荷状態が続く場合は、給紙速度、即ち生産性を落として負荷を軽くすることで、給紙部90内の温度の上昇を防ぐことができる。
[変形例]
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1として複写機を例に挙げたが、この適用例に限られるものではない。すなわち、本発明は、複写機の他、プリンタ装置、ファクシミリ装置、印刷機、複合機など、給紙装置を備える画像形成装置全般に対して適用可能である。