JP2017133945A - 物理量センサー、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】外部応力や周辺温度の変化に対してより高精度に物理量を検出できる物理量センサー、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】物理量センサー1は、パッケージ70と、接着剤50を介してパッケージ70上に固定された第2基板40と、第2基板40に支持された第1センサー素子10と第2センサー素子20と第3センサー素子30とを備え、接着剤50は、第2基板40の外周部の1辺部に、第1センサー素子10および第2センサー素子20の第1固定電極部142および第2固定電極部162と第1可動電極側支持部130および第2可動電極側支持部150と、第3センサー素子30の第1固定電極部340および第2固定電極部360と支持部320と、に平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサー、電子機器および移動体に関する。
従来より、基板に固定配置された固定電極と、固定電極に対して間隔を隔てて対向するとともに変位可能に設けられた可動電極と、基板に支持される支持部と、を有するセンサー素子を備え、固定電極と可動電極との間の静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出する静電容量型の物理量センサーが知られている。
例えば、特許文献1に係る物理量センサーのセンサー素子は、1対の固定電極部とそれらの間に挟まれるように配置された可動電極部とを有する。この物理量センサーにおいて、各固定電極部は、一端が基板表面に固定され、連結部によって繋がった櫛歯状の複数の固定電極を有する。一方、可動電極部は、各固定電極部と対向する側に櫛歯状の複数の可動電極を有し、その両端がビーム部を介して基板表面に固定された2つの支持部のそれぞれに支持されている。
例えば、センサー素子を支持する基板が接着剤を介してパッケージに固定された物理量センサーでは、外部応力によりパッケージが変形すると、接着剤を介して基板も変形してしまう。また、周辺温度が変化すると、基板と接着剤との熱膨張係数差から基板が変形して、物理量センサーの温度特性が悪化する。これらの結果、物理量センサーの測定精度が低下するという課題があった。そこで、特許文献1に係る物理量センサーでは、基板(ガラス基板)にザグリを設けて、パッケージと基板との間で接着剤が塗布される面積を減らすことで、外部応力や熱膨張係数差に起因する基板の変形を抑えて、検出精度低下に対する改善を図っている。
特開2006−250702号公報
しかしながら、特許文献1に記載の物理量センサーでは、センサー素子の固定電極部と、可動電極部を支持する支持部とが、基板をパッケージに固定する接着剤が塗布されている領域に対して平面的に重なる位置にある。そのため、外部応力によりパッケージが変形した場合や、周辺温度が変化して基板と接着剤との熱膨張係数差によりガラス基板が変形した場合に、ガラス基板のうち固定電極部と支持部とが固定された部分も変形するため、センサー素子の精度が低下してしまう。従って、外部応力や周辺温度の変化に対してより高精度に物理量を検出できる物理量センサーが求められている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る物理量センサーは、第1基板と、接着剤を介して前記第1基板上に固定された第2基板と、前記第2基板上に配置されたセンサー素子と、を備え、前記センサー素子は、前記第2基板に固定された固定電極部と、可動電極部を可動可能に支持し前記第2基板に固定された支持部と、を有し、前記接着剤は、前記第2基板の外周部の1辺部に、前記固定電極部および前記支持部と平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2基板を第1基板上に固定する接着剤が、第2基板の外周部の1辺部に配置されているので、外部応力による第1基板の変形が接着剤を介して第2基板に伝達された場合や、接着剤と第2基板との熱膨張係数の違いに起因して第2基板が変形した場合に、第2基板の変形は外周部の1辺部以外では緩和される。そして、接着剤が第2基板上に配置されたセンサー素子の固定電極部および支持部と平面的に重ならないように配置されているので、第2基板が変形してもセンサー素子の固定電極部および支持部は変形の影響を受けにくい。したがって、外部応力や周辺温度の変化に対してより高精度に物理量を検出できる物理量センサーを提供できる。
[適用例2]上記適用例に記載された物理量センサーであって、前記第2基板の前記1辺部には、外部と接続するための端子部が設けられ、前記端子部は、前記接着剤と平面的に重なるように配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、第2基板の1辺部に設けられた端子部が接着剤と平面的に重なるように配置されている。端子部はセンサー素子の測定精度を左右する部分ではないので、第2基板の1辺部が変形しても、センサー素子の測定精度にほとんど影響しない。また、端子部が第2基板の外周部の1辺部に配置されることで、センサー素子の固定電極部および支持部を、接着剤が塗布される領域からより離れた位置に配置することが可能となる。これにより、物理量センサーの精度を向上することができる。
[適用例3]上記適用例に記載された物理量センサーであって、前記センサー素子として、前記第2基板の主面に沿った第1方向を検出方向とする第1センサー素子と、前記第2基板の前記主面に沿い前記第1方向と交差する第2方向を検出方向とする第2センサー素子と、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を検出方向とする第3センサー素子と、を有し、前記第3センサー素子は、前記第1センサー素子および前記第2センサー素子よりも前記1辺部から離れた領域に配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、物理量センサーは、互いに異なる3つの方向を検出する3つのセンサー素子を有し、第2基板の主面と交差する第3方向を検出する第3センサー素子は、第2基板の主面に沿った方向を検出方向とする第1センサー素子および第2センサー素子よりも第2基板の1辺部から離れた領域に配置されている。第3センサー素子は、固定電極部が固定された第2基板の主面と交差する第3方向、すなわち第2基板の厚み方向を検出方向とする。外部応力による第1基板の変形が接着剤を介して第2基板に伝達された場合や、接着剤と第2基板との熱膨張係数の違いに起因して第2基板が変形する場合には、第2基板はその厚み方向に変形する。そのため、第2基板の厚み方向を検出方向とする第3センサー素子は、第2基板の主面に沿った方向を検出方向とする第1センサー素子および第2センサー素子と比べて、第2基板の変形によりセンサーの精度低下を招きやすい。そこで、第3センサー素子を他のセンサー素子よりも接着剤が配置される第2基板の1辺部から離すことで、第2基板の変形に起因する第3センサー素子の精度低下が抑えられる。その結果、物理量センサーの精度を向上することができる。
[適用例4]本適用例の電子機器であって、上記適用例の物理量センサーを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、高精度の物理量センサーを備えているため、信頼性の高い電子機器を提供できる。
[適用例5]本適用例の移動体であって、上記適用例の物理量センサーを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、高精度の物理量センサーを備えているため、信頼性の高い移動体を提供できる。
実施形態1に係る物理量センサーの概略断面図。 実施形態1に係る物理量センサーの平面図。 図2のA−A’線に沿った断面図。 図2のB−B’線に沿った断面図。 第1センサー素子の平面図。 第3センサー素子の平面図。 実施形態2に係る物理量センサーの平面図。 実施形態3に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 実施形態3に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 実施形態3に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 実施形態4に係る移動体を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る物理量センサーの概略構成を説明する。図1は、実施形態1に係る物理量センサーの概略断面図である。図2は、実施形態1に係る物理量センサーの平面図である。図1は、図2のA−A’線に沿った断面図に相当する。図2では、第1基板(パッケージ70)の図示を省略しており、また、蓋部材60を透視している。
なお、各図では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸であるX軸、Y軸、およびZ軸を矢印で図示しており、その矢印の先端側を「+」、基端側を「−」としている。また、以下では、X軸に平行な方向(第1方向)を「X軸方向」、X軸と直交するY軸に平行な方向(第2方向)を「Y軸方向」、X軸およびY軸と直交するZ軸に平行な方向(第3方向)を「Z軸方向」という。
図1に示すように、実施形態1に係る物理量センサー1は、第1基板としてのパッケージ70と、第2基板40と、第1センサー素子10と、第2センサー素子20(図2参照)と、2つの第3センサー素子30と、蓋部材60と、接着剤50と、を備えている。第1センサー素子10はX軸方向を検出方向とし、第2センサー素子20はY軸方向を検出方向とし、第3センサー素子30はZ軸方向を検出方向とする。
第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、2つの第3センサー素子30とは、第2基板40の主面41上に配置されている。蓋部材60は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、2つの第3センサー素子30とを覆うようにして、第2基板40の主面41に接合されている。第2基板40は、接着剤50を用いて、第1基板であるパッケージ70に接合されている。
<パッケージ>
パッケージ70は、第1センサー素子10と第2センサー素子20と第3センサー素子30とが配置された第2基板40と、これらのセンサー素子を覆う蓋部材60とを収納する機能を有する。パッケージ70は、凹型の形状をなし、その底部はXY平面に沿って配置されている。このパッケージ70の構成材料としては、特に限定されないが、外部応力に強い材料、例えば、セラミック等が好ましい。
<接着剤>
接着剤50は、パッケージ70と第2基板40との間に塗布され、パッケージ70と第2基板40とを接合し、第2基板40を固定する機能を有する。接着剤50は、平面視で端子部80と重なるように配置されている。接着剤50の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂等がある。
<蓋部材>
蓋部材60は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30とを保護する機能を有する。蓋部材60は、第2基板40の主面41に接合され、第2基板40との間に第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30とを収納する空間Sを形成する。
蓋部材60は、板状をなし、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30とに対向する面に凹部が設けられている。この凹部は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30との可動部分の変位を許容するように形成されている。そして、蓋部材60における凹部よりも外側の下面の部分は、前述した第2基板40の主面41に接合されている。
蓋部材60と第2基板40との接合方法としては、例えば、接着剤を用いた接合方法、陽極接合方法、直接接合方法等を用いることができる。また、蓋部材60の構成材料としては、前述したような機能を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、シリコン材料、ガラス材料等を好適に用いることができる。
<第2基板>
図2に示すように、第2基板40は、板状をなし、X軸方向(第1方向)およびY軸方向(第2方向)を含む平面である主面41を有している。第2基板40の厚み方向がZ軸方向(第3方向)である。図2には、第2基板40の主面41における蓋部材60が接合される領域61に斜線を付している。
第2基板40の構成材料としては、絶縁性を有する基板材料を用いることが好ましく、具体的には、石英基板、サファイヤ基板、ガラス基板を用いるのが好ましく、特に、アルカリ金属イオンを含むガラス材料を用いるのが好ましい。これにより、第1センサー素子10や蓋部材60がシリコンを主材料として構成されている場合、これらを第2基板40に対して陽極接合することができる。
第2基板40の主面41には第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30と、が配置され、第2基板40の−X軸方向側に第1センサー素子10および第2センサー素子20、第2基板40の+X軸方向側に第3センサー素子30が配置されている。また、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、の配置は第2基板の+Y軸方向側に第2センサー素子20、−Y軸方向側に第1センサー素子10が配置されている。
第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、2つの第3センサー素子30とは、第2基板40の主面41上の蓋部材60が接合される領域61よりも内側に配置されている。第1センサー素子10と第2センサー素子20とは、Y軸方向に沿って並ぶように配置されている。2つの第3センサー素子30も、Y軸方向に沿って並ぶように配置されている。
第2基板40の主面41の−X軸方向側の1辺部であって、蓋部材60が接合される領域61の外側には、Y軸方向に沿って、外部と接続するための複数の端子部80が配置されている。複数の端子部80は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、2つの第3センサー素子30とに、第2基板40の主面41上に設けられた配線パターン(図示しない)を介して電気的に接続されている。
複数の端子部80は、平面視で接着剤50が塗布される領域51と重なるように配置されている。2つの第3センサー素子30は、複数の端子部80に対して、第1センサー素子10および第2センサー素子20よりも+X軸方向側に離れた位置に配置されている。すなわち、2つの第3センサー素子30は、第1センサー素子10および第2センサー素子20よりも、接着剤50が配置された1辺部から離れた領域に配置されている。
図3は、図2のA−A’線に沿った断面図である。図4は、図2のB−B’線に沿った断面図である。図3および図4に示すように、第2基板40は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30と、蓋部材60とを支持している。この第2基板40の主面41には、複数の凹部42が設けられている。凹部42は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30と、の可動部分が第2基板40に接触するのを防止する機能を有する。
また、第2基板40の主面41には、凹部42の底面から突出している突起部43が複数設けられている。これらの突起部43は、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30と、を支持する機能を有する。第2基板40の凹部42および突起部43は、例えば、フォトリソグラフィー法およびエッチング法等を用いて形成することができる。
なお、図4に示すように、本実施形態に係る物理量センサー1は、Z軸方向を検出方向とする第3センサー素子30を2つ備えている。これは、第3センサー素子30の検出方向ではないX軸方向およびY軸方向の感度を抑え、本来の検出方向であるZ軸方向の検出精度を上げるためである。物理量センサー1が第3センサー素子30を1つ備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係る物理量センサー1が備える各センサー素子の構成を順次説明する。
<第1センサー素子>
第1センサー素子10の構成を説明する。図5は、第1センサー素子10の平面図である。第1センサー素子10は、X軸方向を検出方向とするセンサー素子である。図5に示すように、第1センサー素子10は、第1固定電極側支持部140と、第2固定電極側支持部160と、第1可動電極側支持部130と、第2可動電極側支持部150と、可動質量部170と、一対の第1弾性部110および一対の第2弾性部112と、を有している。
第1固定電極側支持部140、第2固定電極側支持部160、第1可動電極側支持部130、および第2可動電極側支持部150は、第2基板40の主面41(図2参照)に固定されている。可動質量部170は、第1固定電極側支持部140と第2固定電極側支持部160とを平面視で囲むように配置されている。一対の第1弾性部110および一対の第2弾性部112は、第1可動電極側支持部130および第2可動電極側支持部150と可動質量部170とを接続している。本実施形態では、第1可動電極側支持部130、第2可動電極側支持部150、可動質量部170、一対の第1弾性部110および一対の第2弾性部112は、一体的に形成されており、可動電極部120を構成している。
第1固定電極側支持部140および第2固定電極側支持部160は、X軸方向に沿って延在し、Y軸方向に沿って並んで配置されている。第1固定電極側支持部140は、第1センサー素子10の平面的な中心に対して+Y軸方向側に配置され、一方、第2固定電極側支持部160は第1センサー素子10の平面的な中心に対して−Y軸方向側に配置されている。
第1固定電極側支持部140は、第2基板40の突起部43に接続されている支持部144と、支持部144から+X軸方向および−X軸方向のそれぞれの方向に沿って延出している第1延出部141と、第1延出部141に接続されている第1固定電極部142と、を有している。第1固定電極部142は、第1延出部141に一端が支持されている複数の第1固定電極指143で構成されている。複数の第1固定電極指143は、第1延出部141から+Y軸方向に延出するとともにX軸方向に沿って間隔を隔てて並んで配置されており、櫛歯状をなす第1固定電極部142を構成している。
同様に、第2固定電極側支持部160は、第2基板40の突起部43に接続されている支持部164と、支持部164から+X軸方向および−X軸方向のそれぞれの方向に沿って延出している第2延出部161と、第2延出部161に接続されている第2固定電極部162と、を有している。第2固定電極部162は、第2延出部161に一端が支持されている複数の第2固定電極指163で構成されている。複数の第2固定電極指163は、第2延出部161から−Y軸方向に延出するとともにX軸方向に沿って間隔を隔てて並んで配置されており、櫛歯状をなす第2固定電極部162を構成している。
一方、第1可動電極側支持部130および第2可動電極側支持部150は、Y軸方向に沿って延在し、X軸方向に沿って可動質量部170を挟むように配置されている。第1可動電極側支持部130は、第1センサー素子10の平面的な中心に対して+X軸方向に配置され、一方、第2可動電極側支持部150は、第1センサー素子10の平面的な中心に対して−X軸方向に配置されている。可動質量部170は、平面視で枠状をなす枠部と、枠部に接続されている第1可動電極部131および第2可動電極部151と、を有している。
第1可動電極部131は、前述した第1固定電極部142に対向している部分を有する。具体的には、第1可動電極部131は、可動質量部170の枠部に一端が支持されており、前述した第1固定電極部142の複数の第1固定電極指143に対して間隔gを隔ててかみ合うように枠部の内側へ延出して配置されている複数の第1可動電極指132で構成されている。複数の第1可動電極指132は、枠部から−Y軸方向に延出するとともにX軸方向に沿って間隔を隔てて並んで配置されていて、櫛歯状をなす第1可動電極部131を構成している。
同様に、第2可動電極部151は、前述した第2固定電極部162に対向している部分を有する。具体的には、第2可動電極部151は、可動質量部170の枠部に一端が支持されており、前述した第2固定電極部162の複数の第2固定電極指163に対して間隔gを隔ててかみ合うように枠部の内側へ延出して配置されている複数の第2可動電極指152で構成されている。複数の第2可動電極指152は、枠部から+Y軸方向に延出するとともにX軸方向に沿って間隔を隔てて並んで配置されており、櫛歯状をなす第2可動電極部151を構成している。
可動質量部170は、前述した第1可動電極側支持部130に対して2つの第1弾性部110を介して支持されているとともに、前述した第2可動電極側支持部150に対して一対の第2弾性部112を介して支持されている。
一対の第1弾性部110は、それぞれ可動質量部170をX軸方向に変位可能に第1可動電極側支持部130と可動質量部170とを接続している。同様に、一対の第2弾性部112は、それぞれ、可動質量部170をX軸方向に変位可能に第2可動電極側支持部150と可動質量部170とを接続している。より具体的には、一対の第1弾性部110および一対の第2弾性部112は、Y軸方向に沿って延びている梁で構成されている。
なお、第1弾性部110および第2弾性部112の形状は、可動質量部170をX軸方向に変位可能とすることができれば、前述したものに限定されず、例えば、3本以上の梁とこれらの梁を連結する2つ以上の連結部とで構成されていてもよい。また、一対の第1弾性部110が第1可動電極側支持部130の−X軸方向側の端部からY軸方向に互いに接近と離間とを繰り返すように蛇行しながら−X軸方向に延びている形状をなし、一対の第2弾性部112が第2可動電極側支持部150の+X軸方向側の端部からY軸方向に互いに接近と離間とを繰り返すように蛇行しながら+X軸方向に延びている形状をなしていてもよい。
第1固定電極側支持部140、第2固定電極側支持部160および、可動質量部170の構成材料としては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープされることにより導電性が付与されたシリコン材料(単結晶シリコン、ポリシリコン等)を用いるのが好ましい。
続いて、第1センサー素子10の動作を説明する。第1センサー素子10が検出方向であるX軸方向の加速度を受けると、第1弾性部110および第2弾性部112の弾性変形を伴って、可動質量部170がX軸方向に変位する。すると、第1固定電極部142の第1固定電極指143と第1可動電極部131の第1可動電極指132との間の間隔、および第2固定電極部162の第2固定電極指163と第2可動電極部151の第2可動電極指152との間の間隔がそれぞれ変化する。この距離の変化に伴ってこれらの間の静電容量が変化するので、静電容量の変化に基づいて第1センサー素子10が受けた加速度の大きさを検出することができる。
本実施形態では、第1固定電極指143の−X軸方向側に第1可動電極指132が配置され、第2固定電極指163の+X軸方向側に第2可動電極指152が配置されているので、第1固定電極指143と第1可動電極指132との距離および第2固定電極指163と第2可動電極指152との間の距離は、一方の距離が大きくなると他方の距離が小さくなる。そのため、第1固定電極指143と第1可動電極指132との間の静電容量、および、第2固定電極指163と第2可動電極指152との間の静電容量も、一方の静電容量が大きくなると、他方の静電容量が小さくなる。
したがって、第1固定電極部142の第1固定電極指143と第1可動電極部131の第1可動電極指132との間の静電容量に基づく信号と、第2固定電極部162の第2固定電極指163と第2可動電極部151の第2可動電極指152との間の静電容量に基づく信号とを差動演算する。これにより、検出方向以外の可動質量部170の変位に伴う信号成分を除去してノイズを低減しつつ、第1センサー素子10が受けた加速度に応じた信号を出力することができる。
<第2センサー素子>
第2センサー素子20は、Y軸方向を検出方向とするセンサー素子である。第1センサー素子10と第2センサー素子20とは同一の構成を有し、図5に示す第1センサー素子10をZ軸を中心に90°回転させると第2センサー素子20となるので、第2センサー素子20の構成の説明は省略する。
<第3センサー素子>
図6は、第3センサー素子の平面図である。第3センサー素子30は、Z軸方向を検出方向とするセンサー素子である。図6に示すように、第3センサー素子30は、可動体310と、第1固定電極部340と、第2固定電極部360と、を有している。第1固定電極部340と、第2固定電極部360と、は平面視において、少なくとも一部が可動体310と重なるように、第2基板40の凹部42の底面に設けられている(図4参照)。
可動体310は、第1可動電極部330と、第2可動電極部350と、第1弾性部321と、第2弾性部322と、第2基板40の突起部43(図4参照)に接続された支持部320と、を有する。可動体310は平板状に形成され、XY平面において支持軸Qに沿った位置には厚み方向(Z軸方向)に貫通する開口部370が形成され、開口部370の内側には第1弾性部321と、第2弾性部322と、支持部320と、が備えられている。
第1弾性部321と、第2弾性部322と、はY軸方向に沿った仮想線である支持軸Qに沿って形成されている。第1弾性部321は支持部320から+Y軸方向に延出しており、第2弾性部322は支持部320から−Y軸方向に延出している。支持部320は、第1弾性部321と、第2弾性部322と、に挟まれるように設けられている。支持部320は支持軸Qに沿って、線対称になるように形成されている。
支持部320は、第2基板40の突起部43に固定され支持されている。可動体310と、第1固定電極部340および第2固定電極部360とは、Z軸方向において間隙を有し対向するように設けられ、第1弾性部321と、第2弾性部322と、が支持軸Qを中心軸として回転する回転方向に捻れることができるため、可動体310は支持軸Qを中心軸としてシーソーのように回転可能となる。
可動体310は、平面視において、支持軸Qから−X軸方向の領域である第1可動電極部330と、支持軸Qから+X軸方向の領域である第2可動電極部350と、を有しており、第1可動電極部330と、第2可動電極部350と、は支持軸Qを基準に非対称に設けられている。可動体310の第1可動電極部330と平面視で重なるように、第1固定電極部340が第2基板40の凹部42(図4参照)に設けられ、可動体310の第2可動電極部350と平面視で重なるように、第2固定電極部360が第2基板40の凹部42に設けられている。
続いて、第3センサー素子30の動作について説明する。本実施形態の第3センサー素子30に検出方向であるZ軸方向の加速度が加えられた場合、第1弾性部321と、第2弾性部322と、の変形を伴って、可動体310の第1可動電極部330と、第2可動電極部350と、に支持軸Qを中心軸とする回転モーメントが生じ、回転モーメントに応じて、可動体310が傾倒する。第1可動電極部330と第2可動電極部350とが非対称であるため、回転モーメントが生じた際に可動体310が傾倒する方向が規定される。
可動体310が傾倒すると、凹部42の底面に設けられた第1固定電極部340と、第1可動電極部330との間のZ軸方向における距離、および第2固定電極部360と、第2可動電極部350との間のZ軸方向における距離がそれぞれ変化する。この距離の変化に伴ってこれらの間の静電容量が変化するので、これらの間の静電容量に基づいて、第3センサー素子30が受けた加速度の大きさを検出することができる。
本実施形態では、第1固定電極部340と第1可動電極部330との距離、および、第2固定電極部360と第2可動電極部350との間の距離は、一方の距離が大きくなると、他方の距離が小さくなる。そのため、第1固定電極部340と第1可動電極部330との間の静電容量、および、第2固定電極部360と第2可動電極部350との間の静電容量も、一方の静電容量が大きくなると、他方の静電容量が小さくなる。
したがって、第1固定電極部340と第1可動電極部330との間の静電容量に基づく信号と、第2固定電極部360と第2可動電極部350との間の静電容量に基づく信号とを差動演算する。これにより、検出方向であるZ軸方向以外の可動体310の変位に伴う信号成分を除去してノイズを低減しつつ、第1センサー素子10が受けた加速度に応じた信号を出力することができる。
ここで、図1に示す物理量センサー1において、接着剤50が第2基板40の全領域(パッケージ70と対向する全面)に塗布されている場合を想定する。このような構成の場合、例えば外部応力が加わること等によりパッケージ70が変形すると、接着剤50を介して第2基板40も変形してしまう。また、物理量センサー1の周辺温度が変化すると、第2基板40と接着剤50との熱膨張係数差から第2基板40が変形してしまう。第2基板40は、例えば、凸状や凹状に、すなわち第2基板40の厚み方向に変形する。
第2基板40が変形すると、第1センサー素子10および第2センサー素子20において、第1固定電極指143と第1可動電極指132との間の距離、および第2固定電極指163と第2可動電極指152との間の距離が変化するため、X軸方向やY軸方向における加速度の検出精度が低下する。
また、第3センサー素子30においては、第1固定電極部340と第1可動電極部330との間の距離、および第2固定電極部360と第2可動電極部350との間の距離が変化するため、Z軸方向における加速度の検出精度が低下する。第3センサー素子30では、第1固定電極部340と第2固定電極部360とが第2基板40の凹部42の底面に形成されているため、第1センサー素子10および第2センサー素子20に比べて第2基板40の変形の影響を受けやすい。
特許文献1に係る物理量センサーでは、基板にザグリを設けて、パッケージと基板との間で接着剤が塗布される面積を減らすことにより、外部応力や熱膨張係数差に起因する基板の変形を抑えて、基板の変形に起因する検出精度低下に対する改善を図っている。しかしながら、基板の外周(4辺)、2辺、または4隅が接着剤でパッケージに固定されるため、外部応力や熱膨張係数差により基板の対辺同士の間や対角同士の間である程度の変形が生じてしまう。
また、特許文献1に記載の物理量センサーでは、センサー素子の固定電極部と、可動電極部を支持する支持部とが、基板をパッケージに固定する接着剤が塗布されている領域に対して平面的に重なる位置にある。そのため、外部応力によりパッケージが変形した場合や、周辺温度が変化して基板と接着剤との熱膨張係数差によりガラス基板が変形した場合に、ガラス基板のうち固定電極と支持部とが固定された部分も変形するため、センサー素子の精度の低下を招く。
これに対して、本実施形態に係る物理量センサー1では、接着剤50は、平面視で、複数の端子部80と重なるように配置されている。換言すれば、接着剤50が塗布されている領域51は、平面視で、第2基板40上に配置された第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、第3センサー素子30と、に重ならない領域であり、第2基板40上で第3センサー素子30から離れた−X軸方向の1辺部に位置している。
そのため、外部応力によりパッケージ70が変形した場合に、接着剤50を介して第2基板40に伝達されても、パッケージ70の変形は第2基板40のうち第1センサー素子10と第2センサー素子20と第3センサー素子30とが配置された領域には伝わりにくい。また、周辺温度の変化により接着剤50と第2基板40との熱膨張係数の違いに起因して第2基板40が変形した場合にも、第2基板40のうち接着剤50が塗布された領域51が変形しても、第1センサー素子10と第2センサー素子20と第3センサー素子30とが配置された領域は変形しにくい。
そして、第1センサー素子10および第2センサー素子20において、第1固定電極部142の第1固定電極指143および第2固定電極部162の第2固定電極指163と、可動電極部120を支持する第1可動電極側支持部130および第2可動電極側支持部150とは、接着剤50が塗布されている領域51と平面視で重ならないので、第2基板40の変形の影響を受けにくい。また、第3センサー素子30も、第1固定電極部340および第2固定電極部360と、第1可動電極部330および第2可動電極部350を含む可動体310を支持する支持部320とが、接着剤50が塗布されている領域51と平面視で重ならないので、第2基板40の変形の影響を受けにくい。
さらに、第1センサー素子10および第2センサー素子20に比べて第2基板40の変形の影響を受けやすい第3センサー素子30が、第1センサー素子10および第2センサー素子20よりも、接着剤50が配置された領域51から離れて配置されているので、第2基板40の変形は2つの第3センサー素子30に伝わりにくい。これらの結果、本実施形態に係る物理量センサー1では、より高精度に物理量を検出することができる。
以上述べたように、本実施形態に係る物理量センサー1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態に係る物理量センサー1では、第2基板40をパッケージ70上に固定する接着剤50が、第2基板40の外周部の1辺部に配置されている。そのため、外部応力によるパッケージ70の変形が接着剤50を介して第2基板40に伝達された場合や、接着剤50と第2基板40との熱膨張係数の違いに起因して第2基板40が変形した場合に、第2基板40の変形は外周部の1辺部以外では緩和される。そして、接着剤50が第2基板40上に配置された第1センサー素子10、第2センサー素子20、および第3センサー素子30と平面的に重ならないように配置されている。そのため、第2基板40が変形しても、第1センサー素子10および第2センサー素子20の第1固定電極指143および第2固定電極指163と第1可動電極側支持部130および第2可動電極側支持部150と、第3センサー素子30の第1固定電極部340および第2固定電極部360と支持部320とは変形の影響を受けにくい。したがって、外部応力や周辺温度の変化に対してより高精度に物理量を検出できる物理量センサー1を提供できる。
(2)本実施形態に係る物理量センサー1では、第2基板40の1辺部に設けられた端子部80が接着剤50と平面的に重なるように配置されている。端子部80は第1センサー素子10、第2センサー素子20、および第3センサー素子30の測定精度を左右する部分ではないので、第2基板40うちの接着剤50と重なる1辺部が変形しても、第1センサー素子10、第2センサー素子20、および第3センサー素子30の測定精度にほとんど影響しない。また、端子部80が第2基板40の外周部の1辺部に配置されることで、第1センサー素子10および第2センサー素子20の第1固定電極指143および第2固定電極指163と第1可動電極側支持部130および第2可動電極側支持部150と、第3センサー素子30の第1固定電極部340および第2固定電極部360と支持部320とを、接着剤50が塗布される領域51からより離れた位置に配置することが可能となる。これにより、物理量センサー1の精度を向上することができる。
(3)本実施形態に係る物理量センサー1は、互いに異なる3つの方向を検出する第1センサー素子10、第2センサー素子20、および第3センサー素子30を有し、第2基板40の主面41と交差するZ軸方向を検出する第3センサー素子30は、第2基板40の主面41に平行なX軸方向を検出方向とする第1センサー素子10およびY軸方向を検出方向とする第2センサー素子20よりも第2基板40の1辺部から離れた領域に配置されている。第3センサー素子30は、第1固定電極部340および第2固定電極部360が固定された第2基板40の主面41(凹部42)と交差するZ軸方向、すなわち第2基板40の厚み方向を検出方向とする。外部応力によるパッケージ70の変形が接着剤50を介して第2基板40に伝達された場合や、接着剤50と第2基板40との熱膨張係数の違いに起因して第2基板40が変形する場合には、第2基板40はその厚み方向に変形する。そのため、第2基板40の厚み方向を検出方向とする第3センサー素子30は、第2基板40の主面41に平行な方向を検出方向とする第1センサー素子10および第2センサー素子20と比べて、第2基板40の変形によりセンサーの精度低下を招きやすい。そこで、第3センサー素子30を第1センサー素子10および第2センサー素子20よりも接着剤50が配置される第2基板40の1辺部から離すことで、第2基板40の変形に起因する第3センサー素子30の精度低下が抑えられる。その結果、物理量センサー1の精度を向上することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る物理量センサー2を説明する。図7は、実施形態2に係る物理量センサーの平面図である。実施形態2に係る物理量センサー2は、実施形態1の構成に対して、接着剤50がY軸方向に連続せず、少なくとも2か所以上に分断されて塗布されている点が異なる。それ以外の構成については、実施形態1と同様である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図7に示すように、実施形態2に係る物理量センサー2は、実施形態1に係る物理量センサー1と同様に、第1センサー素子10と、第2センサー素子20と、2つの第3センサー素子30と、第2基板40と、蓋部材60(図1参照)と、パッケージ70(図1参照)と、接着剤50(図1参照)と、を備えている。
実施形態2に係る物理量センサー2では、第2基板40において、接着剤50が実施形態1に係る物理量センサー1と同じ1辺部に塗布されるが、接着剤50が塗布される領域52は少なくとも2か所以上に分断されている。したがって、実施形態2に係る物理量センサー2では、接着剤50が塗布される領域52の総面積は、実施形態1において接着剤50が塗布される領域51の面積よりも小さい。
そのため、外部応力によりパッケージ70が変形した場合に、第2基板40に接着剤50を介してパッケージ70の変形が伝達される面積が小さくなり、かつ、接着剤50が分断されていることで変形の伝達が緩和されるので、実施形態1よりも第2基板40の変形を抑えることができる。また、周辺温度の変化により接着剤50と第2基板40との熱膨張係数の違いに起因して第2基板40が変形する場合にも、接着剤50の塗布面積が小さく、かつ、分断されているので、実施形態1よりも第2基板40の変形を抑えることができる。
実施形態2に係る物理量センサー2の構成によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。さらに、実施形態1と比較して、接着剤50の塗布面積が小さくなっているため、外部応力によるパッケージ70の変形が接着剤50を介して第2基板40に伝達された場合や、接着剤50と第2基板40との熱膨張係数の違いに起因して第2基板40が変形した場合に、第2基板40の変形が第1センサー素子10、第2センサー素子20、および第3センサー素子30に伝わりにくくなる。したがって、外部応力や周辺温度の変化に対してさらに高精度に物理量を検出できる物理量センサー2を提供できる。
(実施形態3)
<電子機器>
次に、実施形態3に係る電子機器について図8、図9、および図10を参照して説明する。図8、図9、および図10は、実施形態3に係る電子機器を模式的に示す斜視図である。
図8に、実施形態3に係る電子機器の一例としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す。図8に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とを備えている。表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。パーソナルコンピューター1100には、上記実施形態の物理量センサー1,2のいずれかが内蔵されている。
図9に、実施形態3に係る電子機器の一例としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す。図9に示すように、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202と、受話口1204および送話口1206とを備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。携帯電話機1200には、上記実施形態の物理量センサー1,2のいずれかが内蔵されている。
図10に、実施形態3に係る電子機器の一例としてのデジタルスチルカメラの構成の概略を示す。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラが被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
図10に示すように、デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。
ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1330が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1340が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1330や、パーソナルコンピューター1340に出力される構成になっている。デジタルスチルカメラ1300には、上記実施形態の物理量センサー1,2のいずれかが内蔵されている。
なお、上記実施形態の物理量センサー1,2は、実施形態3に係るパーソナルコンピューター1100、携帯電話機1200、デジタルスチルカメラ1300の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーターなどの電子機器に適用することができる。
(実施形態4)
<移動体>
次に、実施形態4に係る移動体について図11を参照して説明する。図11は、実施形態4に係る移動体を模式的に示す斜視図である。
図11に、実施形態4に係る移動体の一例としての自動車の構成の概略を示す。図11に示すように、自動車1400は車体1402とタイヤ1406とを備え、タイヤ1406などを制御する電子制御ユニット1404が車体1402に搭載されている。電子制御ユニット1404には、上記実施形態の物理量センサー1,2のいずれかが内蔵されている。
なお、上記実施形態の物理量センサー1,2は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、などの電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に適用することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
実施形態1に係る物理量センサー1および実施形態2に係る物理量センサー2は、第1センサー素子10、第2センサー素子20、および2つの第3センサー素子30の4つのセンサー素子を有する複合センサーであったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、センサー素子として、上述の4つのセンサー素子のうち3つ以下のセンサー素子を有する複合センサーであってもよいし、4つのセンサー素子のいずれか一つを有する物理量センサーであってもよい。このような構成であっても、接着剤50が、少なくともセンサー素子の固定電極部と、可動電極部を支持する支持部とが平面的に重ならないように配置されていれば上記実施形態と同様の効果が得られる。
1,2…物理量センサー、10…第1センサー素子、20…第2センサー素子、30…第3センサー素子、40…第2基板、50…接着剤、60…蓋部材、70…パッケージ(第1基板)、110…第1弾性部、112…第2弾性部、120…第2弾性部、130…第1可動電極側支持部、131…第1可動電極部、132…第1可動電極指、140…第1固定電極側支持部、141…第1延出部、142…第1固定電極部、143…第1固定電極指、144…支持部、150…第2可動電極側支持部、151…第2可動電極部、152…第2可動電極指、160…第2固定電極側支持部、161…第2延出部、162…第2固定電極部、163…第2固定電極指、164…支持部、310…可動体、320…支持部、321…第1弾性部、322…第2弾性部、330…第1可動電極部、340…第1固定電極部、350…第2可動電極部、360…第2固定電極部。

Claims (5)

  1. 第1基板と、
    接着剤を介して前記第1基板上に固定された第2基板と、
    前記第2基板上に配置されたセンサー素子と、を備え、
    前記センサー素子は、前記第2基板に固定された固定電極部と、可動電極部を可動可能に支持し前記第2基板に固定された支持部と、を有し、
    前記接着剤は、前記第2基板の外周部の1辺部に、前記固定電極部および前記支持部と平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする物理量センサー。
  2. 請求項1に記載された物理量センサーであって、
    前記第2基板の前記1辺部には、外部と接続するための端子部が設けられ、
    前記端子部は、前記接着剤と平面的に重なるように配置されていることを特徴とする物理量センサー。
  3. 請求項2に記載された物理量センサーであって、
    前記センサー素子として、前記第2基板の主面に沿った第1方向を検出方向とする第1センサー素子と、前記第2基板の前記主面に沿い前記第1方向と交差する第2方向を検出方向とする第2センサー素子と、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を検出方向とする第3センサー素子と、を有し、
    前記第3センサー素子は、前記第1センサー素子および前記第2センサー素子よりも前記1辺部から離れた領域に配置されていることを特徴とする物理量センサー。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えていることを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えていることを特徴とする移動体。
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