JP2017133835A - 非破壊検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気ノイズの影響を受けることなく、自走しつつ検査を行うことのできる磁気を用いた非破壊検査装置を提供する。
【解決手段】被検査配管2の欠陥を非破壊検査する非破壊検査装置であって、被検査配管2を挿通した状態でパルス電圧が印可されることで当該被検査配管2に磁場を与える励磁コイル12,12と、励磁コイル12,12にパルス電圧を印可したことで発生した磁場を検出する磁気センサー13と、励磁コイル12,12及び磁気センサー13をX方向に走行させる走行部16と、走行部16に駆動力を付与する駆動モーター14と、磁気センサー13を駆動モーター14の発する磁気ノイズから磁気的に遮断する磁気シールド部11と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、非破壊検査装置に関する。
従来、鉄鋼材料等でできた配管や、鋼管を断熱材等で覆った多重配管における腐食や疲労、亀裂などの欠陥を探傷する非破壊検査装置が知られている。
例えば、特許文献1には、検査対象の配管を励磁コイルに挿通し、当該励磁コイルにパルス電圧を印加して、配管に発生する磁場を磁気センサーにより検出し、検出した磁場の応答を解析する非破壊検査装置が提案されている。
ところで、検査対象である配管が長距離にわたって敷設されたものなどである場合、検査時間が長く作業者が常時立ち会うのは困難である。
これに対して、例えば、特許文献2には、自走機構を備え、自走しながらX線を照射して配管の腐食状態等を検査するX線照射装置が記載されている。
特開2014−44087号公報 特許第3084157号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の装置では、装置を自走させるための駆動モーターが磁気ノイズを発生するため、X線照射装置では問題ないが、特許文献1のような磁気を用いた装置に適用しようとすると、磁気ノイズの影響で正確な検査結果が得られないという問題がある。
本発明の課題は、磁気ノイズの影響を受けることなく、自走しつつ検査を行うことのできる磁気を用いた非破壊検査装置を提供することである。
上記課題を解決するため、
本発明の一の態様によれば、
被検査配管の欠陥を非破壊検査する非破壊検査装置であって、
前記被検査配管を挿通した状態でパルス電圧が印可されることで当該被検査配管に磁場を与える励磁コイルと、
前記励磁コイルにパルス電圧を印可したことで発生した磁場を検出する磁気センサーと、
前記励磁コイル及び前記磁気センサーを前記被検査配管の中心軸方向に走行させる走行部と、
前記走行部に駆動力を付与する駆動部と、
前記磁気センサーを前記駆動部の発する磁気ノイズから磁気的に遮断する遮断部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、磁気ノイズの影響を受けることなく、自走しつつ検査を行う非破壊検査装置を提供することができる。
本発明の非破壊検査装置の基本構成を示すブロック図である。 被検査配管の一例を示す断面図である。 第1実施形態の非破壊検査装置の検出部の概略構成を示す斜視図である。 図3のIV-IV線における断面図である。 走行部の構成を説明するための図である。 第2実施形態の非破壊検査装置の検出部の概略構成を示す斜視図である。 図6のVII-VII線における断面図である。 第2実施形態の非破壊検査装置の変形例を示す図である。 第2実施形態の非破壊検査装置の変形例を示す図である。 第3実施形態の非破壊検査装置の検出部の概略構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態における非破壊検査装置1の基本構成を示すブロック図である。
非破壊検査装置1は、検査対象である被検査配管2にパルス磁場を印加して、被検査配管2に流れるパルス磁場の変化を検出することによりその被検査配管2の欠陥を探傷する装置である。
具体的には、図1に示すように、非破壊検査装置1は、被検査配管2に装着された状態で、被検査配管2の長手方向に自走しつつ当該被検査配管2にパルス磁場を印加し、被検査配管2を伝わっていく磁場の変化を検出する検出部10と、検出部10を遠隔操作するためのステーション40と、を備えている。
図2は、被検査配管2の一例を示す断面図である。
図2に示すように、被検査配管2は、例えば断熱配管であって、鋼管2aと、鋼管2aの周囲を覆う断熱材2bと、断熱材2bの周囲を覆う溶融亜鉛鉄板等の外筒2cと、からなる長尺な円筒形状の管である。
本発明の非破壊検査装置1は、例えば、数メートルから数キロメートルの長さの被検査配管2に適用可能であって、このような被検査配管2の欠陥として、例えば断熱材2bと接した鋼管2a表面に形成された凹状の減肉部Dなどを測定することができる。
図3は、非破壊検査装置1の検出部10の概略構成を示す斜視図である。また、図4は、図3のIV-IV線における断面図である。図4では、駆動連結部15の図示は省略している。
なお、以下の説明において、被検査配管2の長手方向をX方向、鉛直方向をZ方向とし、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。
また、X方向について前側及び後側を付し、Y方向について右側及び左側を付し、Z方向について上側及び下側を付して説明する。ここで、前側は検出部10の進行方向側であり、後側はその逆側である。
図3、4に示すように、検出部10は、磁気シールド部11、励磁コイル12,12、磁気センサー13、駆動モーター14、駆動連結部15、走行部16、センター保持部17、通信部18、及び制御部19を備えている。
磁気シールド部11は、前後両端部の開口した円筒形状に形成されている。
磁気シールド部11は、内部に励磁コイル12,12、磁気センサー13、及び走行部16を保持し、外部に走行部16に駆動力を付与するための駆動モーター14が備えられている。
磁気シールド部11は、励磁コイル12,12及び磁気センサー13を、駆動モーター14の発する磁気ノイズから磁気的に遮断するための遮断部であって、例えば、鉄などの強磁性体、ケイ素鋼などの合金、セラミック等を用いて形成することができる。また、磁気シールド部11には、軟磁性体を用いることが好ましい。軟磁性体としては、鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、フェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金などが挙げられる。磁気シールド部11に軟磁性体を使用した場合、磁気シールド部11自体の磁化により生じるノイズの影響も低減することができる。
励磁コイル12,12は、磁気シールド部11の内面に所定距離離間して保持された一対のコイルである。励磁コイル12,12は、被検査配管2を挿通可能なサイズに形成され、被検査配管2を挿通した状態でパルス電圧が印可されることで当該被検査配管2に磁場を与えるものである。
磁気センサー13は、磁気シールド部11内面の一対の励磁コイル12,12の間に配置され、励磁コイル12,12の少なくとも一つを駆動した際に発生する、被検査配管2の中心軸方向(X方向)に平行なパルス磁場を検出する。
磁気センサー13としては、例えば、磁気抵抗素子(MR素子)のほか、磁気インピーダンス素子、ホール素子、フラックス・ゲート、超伝導量子干渉素子(SQUID)等の極低周波からの磁気信号を計測できる磁気センサーを用いることができる。
ここで、磁気センサーの検出結果に影響を与える磁気ノイズ元は、モーター、電線、送油のためのポンプ、ひいては地磁気などいたるところに存在する。
本発明においては、駆動モーター14や制御部19、駆動モーター14と制御部19を接続する配線(図示省略)などすべて磁気ノイズ元となるが、磁気シールド部11により、励磁コイル12,12や磁気センサー13と、ノイズ元とを磁気的に遮断することができる。これは、磁気の物理現象として、ノイズ元と検出部(本発明においては励磁コイル12,12や磁気センサー13と駆動モーター14)の間に磁性体(磁気シールド部11)を配置する事で、磁性体が磁気シールドとして機能しているためである。
さらに、磁気は必ずS極とN極を結ぶため、物理的な距離が長くなると磁場は発生しない。つまり、磁気シールド部11の開口部においては、軒の部分を長くする事で、磁気の入り込みを低減する事ができる。
従って、磁気シールド部11の軒の部分は長い程好ましいが、具体的には、磁気センサー13は、励磁コイル12,12に電圧が印可されていない非測定時に駆動モーター14を駆動した際、その値が、0.5ガウス以下、より好ましくは0.1ガウス以下となるように、磁気シールド部11の前端部及び後端部からの距離及び位置が定められている。
このようにすることで、駆動モーター14や地磁気による磁気ノイズの影響を排除することができる。
駆動モーター14は、走行部16に付与される駆動力を生じさせる駆動部である。
駆動モーター14は、例えば、サーボモーター等が用いられ、駆動連結部15を介して走行部16に連結されている。駆動モーター14は、制御部19によって制御される。
駆動連結部15は、駆動モーター14の駆動力を走行部16に伝達するための伝達機構である。
駆動連結部15は、例えば、第1シャフト151と、第2シャフト152と、第1シャフト151及び第2シャフト152を連結する第1ギアボックス153と、第2シャフト152及び走行部16を連結する第2ギアボックス154と、を備えている。
第1シャフト151は、磁気シールド部11の外部上方に位置し、一端が駆動モーター14に連結され、他端が第1ギアボックス153に連結され、駆動モーター14の駆動に伴って回転する。
第1ギアボックス153は、磁気シールド部11前端側の外部に位置し、第1シャフト151の駆動力を第2シャフト152に伝達するためのリンク機構を備えている。かかるリンク機構としては、例えば、第1シャフト151の端部に設けられた第1ギアと、第2シャフト152の端部に設けられ第1ギアと噛合する第2ギアとからなる構成等が挙げられるが、駆動力を伝達できるものであれば、公知の如何なる構成であっても良い。
第2シャフト152は、一端が第1ギアボックス153に連結され、他端が第2ギアボックス154に連結され、第1ギアボックス153を介して伝達された駆動力により回転する。
第2シャフト152は、第1ギアボックス153に連結された端部以外の主な部分が、磁気シールド部11の内部上方、即ち、被検査配管2の上方に位置する。
第2ギアボックス153も、公知のリンク機構を備え、第2シャフト152の駆動力を走行部16に伝達する。
なお、駆動モーター14の駆動力を走行部16に伝達できるものであれば、駆動連結部の構成は上記したようなシャフトを用いた構成に限定されるものではない。
例えば、上述したシャフト(第1シャフト151及び第2シャフト152)を用いる構成の代わりに、ドライブベルトを用いた構成であっても良い。この場合、第1ギアボックス153及び第2ギアボックス153の代わりに、適切に駆動力を伝達することの可能な公知の連結機構を有する構成となるのは勿論である。
走行部16は、検出部10を前方に走行させる。
図5は、走行部16の構成を説明するための図であって、図5(a)は、走行部16を上側からみた図であり、図5(b)は、走行部16を左側からみたである。
図5(a)に示すように、走行部16は、基端部が第2ギアボックス154に連結され、第2ギアボックス154から伝達された駆動力により図5(b)の矢印方向に回転する軸部161を備えている。
軸部161は、磁気シールド部11に対して回動可能に設けられた逆V字状のフレーム(支持部)Fを支持している。
フレームFは、X方向の中央部が頂点となる逆V字状であって、その頂点部が軸部161に支持されている。フレームFの頂角は、予め定められた所定角度である。なお、フレームFは、その頂角が所定角度に維持できるものであれば、1つの部材を折り曲げて形成しても良いし、2つの部材を組み合わせて形成しても良い。
フレームFは、その2つの下端部(両端部)において、プーリー162,162、及びプーリー162,162と同軸の車輪163,163を保持している。
軸部161の先端部及びプーリー162,162には、無端ベルト164,164が巻掛けられている。
また、フレームFは、その2つの下端部がX方向に沿うように配され、このため、車輪163,163は、被検査配管2のY方向中央部においてX方向に沿うように配されることとなる。
車輪163,163は、例えば、空気圧が適正に調節された空気入りタイヤ、硬さが適正に調節されたスポンジタイヤ等の、被検査配管2上を走行した際に、被検査配管2表面の凹凸による衝撃を緩衝可能なものを用いることができる。
かかる構成においては、軸部161の回転が、プーリー162,162、無端ベルト164,164を介して車輪163,163に伝達され、車輪163,163が図5(b)の矢印方向に回転することで、検出部10は前方に走行することとなる。
また、かかる構成であれば、被検査配管2表面の凹凸に対して、軸部161を中心にフレームFが回動することで車輪163,163が上下に動き、車輪163,163を被検査配管2表面の凹凸に追従させて走行させることができる。
センター保持部17は、図4に示すように、例えば、当接部材171,171及び当接部材171,171を支持するバネ部材172,172により構成される。
当接部材171,171は、磁気シールド部11内面に左右対を成すように設けられる。
当接部材171,171は、磁気シールド部11(励磁コイル12,12)に被検査配管2が挿通された際に、被検査配管2を左右両側から押圧し、これにより、被検査配管2の左右の中心部と、検出部10(励磁コイル12,12)の左右の中心部とを合わせることができる。
即ち、センター保持部17は、被検査配管2の外周面上の対向する2点において当接し、被検査配管2の磁気シールド部11に対する位置、ひいては励磁コイル12,12に対する位置を規制する規制手段として機能している。
また、当接部材171,171としては、例えばナイロン等の被検査配管2に対して滑りやすい素材が用いられ、このため、検出部10が走行しても、被検査配管2に対して過度な摩擦が生じるのが防止される。
なお、センター保持部17としては、上記した当接部材171,171及びバネ部材172,172による構成以外にも、例えば、空気圧が適正に調節された空気入りタイヤ、硬さが適正に調節されたスポンジタイヤ等からなるガイドローラーなどを用いることも可能である。
また、センター保持部17は、被検査配管2の外周面上の2点でなく、3点以上に当接する構成であっても良い。
通信部18は、ステーション40と無線通信を行う。無線通信として、通信部18で得たデータを測定装置とは別の場所に配置されたデータセンターへ測定データを転送しても良い。
制御部19は、検出部10の各部を制御する制御回路やバッテリー等を備え、磁気シールド部11の下部に設けられた筐体19a内に収納されている。
具体的に、制御部19は、例えば、磁気センサー13を駆動する磁気センサー用回路、駆動モーター14を駆動するモーター用回路、励磁コイル12,12に電圧を印加するためのパルス電源、パルス電源に電気的に接続された電源切り替え回路、ステーション40より入力された信号を受信して処理する信号処理回路、及びバッテリー充電回路等を備える。
磁気センサー用回路は、磁気センサー13を駆動し、磁場を計測するための回路である。
モーター用回路は、駆動モーター14を駆動し、走行部16を動作させるための回路である。
パルス電源は、励磁コイル12,12の少なくとも一つにパルス電圧を印加することができる。なお、パルス電源は、方形波を出力することができ、所定の繰り返し周波数及びデューティ比で駆動することができる。
電源切り替え回路は、励磁コイル12,12の一方の励磁コイルと他方の励磁コイルの電流の方向をそれぞれ同じ方向あるいは反対方向に切り替え、あるいは励磁コイル12,12の片方だけ駆動するように切り替え可能な回路である。電源切り替え回路により、励磁コイル12,12に流れる電流の方向と、両方あるいはどちらか片方だけを動作させることを選択することができる。
信号処理回路は、通信部18を介してステーション40より受信した信号を処理して、処理した信号を磁気センサー用回路、モーター用回路、電源切り替え回路等に出力する。
バッテリー充電回路は、バッテリーを充電する。なお、検出部10の各部は、バッテリーから電力を供給されることにより、外部電源と接続することなく自走しつつ測定可能となる。
図1に戻り、ステーション40は、メイン制御部41、信号解析部42、操作入力部43、表示部44、及び通信部45等を備えている。
メイン制御部41は、ステーション40の各部を制御する制御回路である。
メイン制御部41は、操作入力部43により入力される信号に基づいて、例えば、検出部10の走行開始、走行停止、測定開始、測定停止等を指示する各種信号を、検出部10に送信する。
また、メイン制御部41は、検出部10から受信した磁気センサー13の検出信号を、信号解析部42に出力する。
信号解析部42は、磁気センサー13の検出信号に基づいて、当該磁気センサー13により検出された被検査配管2の中心軸方向(X方向)に平行なパルス磁場の応答を解析する。
例えば、欠陥がある被検査配管2と、欠陥がない被検査配管2のそれぞれで測定された検出信号におけるパルス強度及び信号時間の減衰を比較すると、欠陥がない被検査配管2に比べ欠陥のある被検査配管2では信号の減衰が早く、これは欠陥構造として肉厚が薄くなっているためである。信号解析部42は、このようにパルス応答特性の変化により、欠陥の有無を特定する。
操作入力部43は、例えば、押しボタンスイッチ、キーボード、マウス、又はトラックボール等を備えており、作業者の入力操作を操作信号に変換し、メイン制御部41に入力する。
表示部44は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などを用いた表示画面を備え、メイン制御部41から出力された制御信号に従って、表示画面上に、磁気センサー13により検出されたパルス磁場の波形等の検査データの表示を行う。
通信部45は、検出部10と無線通信を行う。
次に、非破壊検査装置1による被検査配管2の欠陥検査の動作を説明する。
先ず、検出部10を被検査配管2に装着する。
具体的には、検出部10の走行部16が被検査配管2の上に配されるよう、磁気シールド部11(励磁コイル12,12)に被検査配管2を挿通させる。
このとき、センター保持部17により、磁気シールド部11の左右中心と、被検査配管2の左右中心が揃った状態となる。
また、検出部10は、磁気シールド部11の下方に制御部19を備え、重心が当該検出部10の下部に位置する構成であるため、検出部10を被検査配管2に挿通させた際に、車輪163,163が被検査配管2に押し付けられる。
次いで、駆動モーター14を駆動して走行部16を動作させることで検出部10を走行させ、走行中、所定タイミング毎に励磁コイル12,12を駆動して被検査配管2に対してパルス磁場を印加する。
励磁コイル12,12により発生したX方向に平行な磁場は磁気センサー13により検出され、順次、ステーション40に送信される。
ステーション40においては、検出信号を受信すると、その検出信号におけるパルス強度(信号強度)および信号時間減衰を解析することで被検査配管2の欠陥が特定される。
以上のように、本実施形態によれば、被検査配管2の欠陥を非破壊検査するパルス磁気を用いた非破壊検査装置1であって、被検査配管2を挿通した状態でパルス電圧が印可されることで当該被検査配管2に磁場を与える励磁コイル12,12と、励磁コイル12,12にパルス電圧を印可したことで発生した磁場を検出する磁気センサー13と、励磁コイル12,12及び磁気センサー13をX方向に走行させる走行部16と、走行部16に駆動力を付与する駆動モーター14と、磁気センサー13を駆動モーター14の発する磁気ノイズから磁気的に遮断する磁気シールド部11と、を備えている。
このため、走行部16により、例えば長距離にわたって敷設された被検査配管2に対して作業者の立ち合いなしに連続して減肉状況の測定を行うことができる。
このとき、検出部10が磁気シールド部11を具備するため、走行部16を動作させるための駆動モーター14の磁気ノイズの影響を受けずに、正確な検査を行うことができる。
即ち、非破壊検査装置1は、磁気ノイズの影響を受けることなく、自走しつつ検査を行うことができる。
また、本実施形態によれば、磁気シールド部11は、励磁コイル12,12を駆動モーター14の発する磁気ノイズから磁気的に遮断する。
このため、磁気シールド部11により、磁気センサー13のみならず励磁コイル12,12も磁気ノイズから保護できるので、より正確な検査を行うことができる。
また、本実施形態によれば、磁気シールド部11は、両端部の開口した筒状に形成され、磁気センサー13は、磁気シールド部11の内部に配置され、駆動モーター14は、磁気シールド部11の外部に配置され、非検査時において駆動モーター14を駆動した際、磁気センサー13の値が0.1ガウス以下となるように、磁気シールド部11の開口端部から磁気センサー13までの距離及び位置が定められている。
このため、駆動モーター14や地磁気による磁気ノイズの影響を確実に排除でき、より正確な検査を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、走行部16は、磁気シールド部11の内部に配置され、駆動モーター14から走行部16に駆動力を伝達する駆動連結部15を備え、駆動連結部15は、磁気シールド部11の開口端部の少なくとも一方から、シャフト又はベルトを用いて駆動モーター14及び走行部16を連結する。
このため、比較的簡単な機構により、磁気シールド部11の外部に設けられた駆動モーター14の駆動力を磁気シールド部11の内部に設けられた走行部16に伝達することができる。
また、本実施形態によれば、励磁コイル12,12及び磁気センサー13は、磁気シールド部11に保持される。
このため、検出部10の装置構成を簡単にすることができる。
また、本実施形態によれば、走行部16は、磁気シールド部11に保持される。
このため、検出部10の装置構成を簡単にすることができる。
また、本実施形態によれば、走行部16は、磁気シールド部11に対して回動可能に設けられた逆V字状のフレームFと、フレームFの下端部に設けられた一対の車輪163,163と、を備え、駆動モーター14からの駆動力により一対の車輪163,163が回転する。
このため、車輪163,163を被検査配管2表面の凹凸に追従させて走行させることができる。
また、本実施形態によれば、被検査配管2に当接し、当該被検査配管2の励磁コイル12,12に対する位置を規制するセンター保持部17を備える。
このため、被検査配管2と、磁気シールド部11及び励磁コイル12,12とのY方向の位置を、適正に保持することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の非破壊検査装置(図示省略)は、第1実施形態の検出部10の代わりに、検出部20を備えている。
図6は、検出部20の概略構成を示す斜視図である。また、図7は、図6のVII-VII線における断面図である。
図6、7に示すように、検出部20は、磁気シールド部11、励磁コイル12,12、磁気センサー13、駆動モーター14、駆動連結部25、走行部26、通信部18、及び制御部19を備えている。
駆動連結部25は、第1シャフト251と、第2シャフト252と、第1ギアボックス253と、3つの第2ギアボックス254,254,254と、を備えている。
第1シャフト251、第2シャフト252、第1ギアボックス253は、第1実施形態の第1シャフト151、第2シャフト152、第1ギアボックス153と同一の構成である。
また、第2ギアボックス254は、第2シャフト252の駆動力を走行部26に伝達できるものであれば、公知の如何なる機構を用いても良い。
走行部26は、左右対をなし逆V字状に設けられた軸部(支持部)261,261と、軸部261,261の下端部(両端部)に設けられた一対の車輪262,262と、を有するユニットUを、3つ備えた構成である。
各ユニットUは、一対の車輪262,262がY方向に沿うよう配されている。
各軸部261は、上端部が第2ギアボックス254に連結され、下端部に車輪262を回転可能に保持し、第2ギアボックス254から伝達された駆動力により回転することで車輪262を図6の矢印方向に回転させる。
以上のように、本実施形態においては、走行部26は、逆V字状の軸部261,261と、軸部261,261の両端部に設けられ、Y方向に沿って配された一対の車輪262,262と、を有するユニットUを複数備え、駆動モーター14からの駆動力によりユニットUの一対の車輪262,262が回転する。
このため、第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、車輪262,262がY方向に沿って配されるユニットUを複数備えることで、より安定した走行が可能となる。
なお、本実施形態においては、ユニットUを3つ備えた構成、即ち、車輪262が6つの構成を例示して説明したが、ユニットUの数(車輪262の数)がこれに限定されないのは勿論である。つまり、ユニットUを2つ或いは4つ以上備えた構成にすることもできる。
また、本実施形態によれば、走行部26における車輪262の全てが駆動する。
このため、被検査配管2表面の状態に関わらず推進力が維持され、より安定した走行が可能となる。
なお、6つの車輪262全てを駆動させる場合、例えば、図8に示すように、複数(ここでは2つ)の駆動モーター14,14を設け、磁気シールド部11の前後両端部から、駆動連結部25,25を介して駆動モーター14,14と走行部26とを連結する構成であっても良い。
また、本実施形態においては、6つの車輪262全てが第2シャフト152と連結されて駆動する構成を例示して説明したが、例えば進行方向前側の2つの車輪262のみ第2シャフト152と連結した構成であっても良い。即ち、進行方向前側の2つの車輪262のみが駆動し、残りの4つの車輪262は従動する構成であっても良い。
また、図9に示すように、車輪262を連結する無限軌道(所謂、キャタピラー)263を備える構成であっても良い。
かかる構成であれば、被検査配管2表面に凹凸がある場合にも、無限軌道263越しに車輪262が通るためより安定した走行が可能となる。
なお、この構成においても、車輪262の全てを駆動してもよいが、無限軌道263により車輪262が連結されるため、進行方向前側の2つの車輪262のみ駆動する構成とすることも好ましい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の非破壊検査装置(図示省略)は、第1実施形態の検出部10の代わりに、検出部30を備えている。
図10は、検出部30の概略構成を示す斜視図である。
図10に示すように、検出部30は、磁気シールド部31、励磁コイル12,12、磁気センサー13、駆動モーター14、走行部16、センター保持部17、通信部18、及び制御部19を備えている。
即ち、検出部30は、磁気シールド部11の代わりに、磁気シールド部31を備えた構成である。
磁気シールド部31は、箱状に形成され、その内部空間に駆動モーター14を収容する。
磁気シールド部31は、例えば、鉄などの強磁性体、ケイ素鋼などの合金、セラミック等を用いて形成することができる。
このように駆動モーター14を磁気シールド部31にて覆うことで、駆動モーター14が駆動した際に発生する磁気ノイズを遮断することができる。
また、励磁コイル12,12は、X方向に延在する複数の支持部材12aにより連結保持されている。
また、被検査配管2の上方に位置する支持部材12aにより、走行部16が保持される。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2実施形態と同様の効果を得られるのは勿論のこと、駆動モーター14を磁気シールド部31にて覆うだけなので、装置構成を簡単にすることができる。
なお、図示は省略するが、走行部16の代わりに、第2実施形態で説明した複数の車輪を備えた走行部26を用いても良いのは勿論である。
また、上記第1〜第3実施形態においては、検出部10とステーション40とが無線接続された構成を例示して説明したが、有線接続する構成であっても良い。
1 非破壊検査装置
10、20、30 検出部
11、31 磁気シールド部(遮断部)
12,12 励磁コイル
12a 支持部材
13 磁気センサー
14 駆動モーター(駆動部)
15、25 駆動連結部(伝達機構)
151、251 第1シャフト
152、252 第2シャフト
153、253 第1ギアボックス
154、254 第2ギアボックス
16 走行部
161 軸部
162,162 プーリー
163,163 車輪
164,164 無端ベルト
F フレーム(支持部)
26 走行部
U ユニット
261 軸部(支持部)
262 車輪
263 無限軌道
17 センター保持部(規制手段)
171,171 当接部材
172,172 バネ部材
18 通信部
19 制御部
19a 筐体
40 ステーション
41 メイン制御部
42 信号解析部
43 操作入力部
44 表示部
45 通信部
2 被検査配管
2a 鋼管
2b 断熱材
2c 外筒
D 減肉部

Claims (11)

  1. 被検査配管の欠陥を非破壊検査する非破壊検査装置であって、
    前記被検査配管を挿通した状態でパルス電圧が印可されることで当該被検査配管に磁場を与える励磁コイルと、
    前記励磁コイルにパルス電圧を印可したことで発生した磁場を検出する磁気センサーと、
    前記励磁コイル及び前記磁気センサーを前記被検査配管の中心軸方向に走行させる走行部と、
    前記走行部に駆動力を付与する駆動部と、
    前記磁気センサーを前記駆動部の発する磁気ノイズから磁気的に遮断する遮断部と、
    を備えたことを特徴とする非破壊検査装置。
  2. 前記遮断部は、前記励磁コイルを前記駆動部の発する磁気ノイズから磁気的に遮断することを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
  3. 前記遮断部は、両端部の開口した筒状に形成され、
    前記磁気センサーは、前記遮断部の内部に配置され、
    前記駆動部は、前記遮断部の外部に配置され、
    非検査時において前記駆動部を駆動した際、前記磁気センサーの値が0.1ガウス以下となるように、前記遮断部の開口端部から前記磁気センサーまでの距離及び位置が定められていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非破壊検査装置。
  4. 前記走行部は、前記遮断部の内部に配置され、
    前記駆動部から前記走行部に駆動力を伝達する伝達機構を備え、
    前記伝達機構は、前記遮断部の開口端部の少なくとも一方から、シャフト又はベルトを用いて前記駆動部及び前記走行部を連結することを特徴とする請求項3に記載の非破壊検査装置。
  5. 前記励磁コイル及び前記磁気センサーは、前記遮断部に保持されることを特徴とする請求項3又は4に記載の非破壊検査装置。
  6. 前記走行部は、前記遮断部に保持されることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の非破壊検査装置。
  7. 前記走行部は、
    前記遮断部に対して回動可能に設けられた逆V字状の支持部と、
    前記支持部の両端部に設けられ、前記中心軸方向に沿って配された対をなす車輪と、
    を備え、
    前記駆動部からの駆動力により前記車輪が回転することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の非破壊検査装置。
  8. 前記被検査配管に当接し、当該被検査配管の前記励磁コイルに対する位置を規制する規制手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の非破壊検査装置。
  9. 前記走行部は、
    逆V字状の支持部と、前記支持部の両端部に設けられ、前記中心軸方向と交差する方向に沿って配された対をなす車輪と、を有するユニットを複数備え、
    前記駆動部からの駆動力により前記ユニットの前記車輪が回転することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の非破壊検査装置。
  10. 前記走行部は、前記車輪を連結する無限軌道を備えることを特徴とする請求項9に記載の非破壊検査装置。
  11. 前記走行部における前記車輪の全てが駆動することを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の非破壊検査装置。
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