JP2017133738A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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工藤 貴之
Takayuki Kudo
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Abstract

【課題】吸込グリル20で前面パネル11の側面まで覆い吸込グリル20を開ける指掛け部30を吸込グリル20の側面部22に設けた空気調和機の室内機において、指掛け部30が目立ちにくいことで意匠性を損ねずに、且つ金型費用も抑えられるものとする。
【解決手段】指掛け部は指当て用凹部31と、指当て用凹部31の前端に設けられた凸リブ部32とからなり、指当て用凹部31は側面部22から傾斜しながら凸リブ部32の根元33に繋がる凹状であり、その深さ31cが吸込グリル20の板厚20aの1/2であり、凸リブ部32は側面部22から外側に向かって立設したリブであり、指当て用凹部31側は根元33から真っ直ぐに立ち上がった壁34であり、壁32の深さ34aは2mm以上となる。
【選択図】図5

Description

本発明は空気調和機の室内機の吸込グリルの構造に関する。
空気調和機の室内機は、筐体の外郭が前面パネルで覆われており、前面パネルの前面側には開閉可能な吸込グリルが取り付けられている。この吸込グリルを開けることで、前面パネルの中に備えたフィルターの着脱が可能となる。
吸込グリルと前面パネルは側面の前方側に互いの部品の合わせ目があり、この合わせ目には吸込グリルを開く時に指を掛けられる指掛け部が設けられている。指掛け部は例えば特許文献1のように吸込グリルの下端に設けた突出したツマミ部であり、また特許文献2のように前面パネルに設けた凹部である。
特開2006−97979号公報(図1) 登録意匠1436571号公報
近年の空気調和機の室内機は、前面から側面に掛けてスッキリとした意匠に見せるため平らな表面を備えた吸込グリルで前面パネルの側面まで覆うものがある。この場合、従来のように吸込グリルと前面パネルの部品の合わせ目に指掛け部を設けようとしても後方に位置することで指が届きにくくなる。
そこで吸込グリルの側面に指掛け部を設ける必要があるが、指を掛けるには例えば2mm以上の段差が必要となる。しかし、平らな表面を備えた吸込グリルの面に2mm突出したツマミ部を設けると目立つものとなりスッキリとした意匠を損ねることになる。
また、吸込グリルは樹脂製で例えばその板厚は約2mmであるが、その板厚の部分に指を掛けるための2mmの凹部を設けるためには裏側に樹脂を盛らないといけないが、その部分を成形するためにスライド金型を用いる必要が生じることにより、金型費用が高くなる。
本発明は以上述べた問題点を解決し、吸込グリルで前面パネルの側面まで覆い吸込グリルを開ける指掛け部を吸込グリルの側面に設けた空気調和機の室内機において、指掛け部を目立ちにくくすることで意匠性を損ねずに、且つ金型費用も抑える指掛け部を提供するものである。
上述した課題を解決するために本発明は、筺体の外郭を覆う前面パネルと、前記前面パネルの前面と左右側面までを覆う開閉可能な吸込グリルを有する空気調和機の室内機において、前記吸込グリルの側面部の前方下部には、前記吸込グリルを開けるための指掛け部が設けられ、前記指掛け部は指当て用凹部と、前記指当て用凹部の前端に設けられた凸リブ部を有することを特徴とする。
また、前記指当て用凹部は前記側面部から前記凸リブ部の根元に向かって徐々に凹こみ、その深さが前記吸込グリルの板厚の1/2となることも含まれる。
さらに、前記凸リブ部は前記側面部から外側に向かって立設したリブであり、前記指当て用凹部側は前記根元から真っ直ぐに立ち上がった壁であり、前記壁の深さは2mm以上となることも含まれる。
上記のように構成した本発明の空気調和機の室内機は、吸込グリルを開ける指掛け部が、指当て用凹部と前記指当て用凹部の前端に設けられた凸リブ部とからなることで、指掛け部が目立ちにくくなり意匠性を損ねずに、且つ金型費用も抑えられるものとなる。
本発明の空気調和機の室内機を下方から見た斜視図である。 本発明の空気調和機の室内機を上方から見た斜視図である。 本発明の空気調和機の室内機の右側面図である。 吸込グリルを開ける状態を示す図である。 図3のA−A部分拡大断面図である。 吸込グリルの指掛け部の拡大斜視図である。 吸込グリルを開ける状態を示す図である。 吸込グリルを開ける状態を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
本発明に係わる空気調和機は、屋外に設置される室外機(図示なし)と、空調室内に設置される室内機1とが冷媒配管を介して接続されて冷凍サイクルを構成する。なお、室内機1の内部構造の具体的な構成や仕様については、本発明において任意的事項であり、その説明は省略する。
図1は空気調和機の室内機1を下方から見た斜視図で、図2は空気調和機の室内機1を上方から見た斜視図で、図3は右側面図である。なお、図1における室内機1に沿わした座標軸において、Y方向を上面または上方、−Y方向を下面または下方、Z方向を前面または前方、−Z方向を背面または後方、X方向を右側面または右方、−Z方向を左側面または左方として以下説明する。各部品においても同様である。
室内機1の筐体10の外郭は、背面以外の左右側面と上面と下面と前面の一部を覆う前面パネル11で覆われる。前面パネル11は左右方向に長い直方体であり上面の一部が開口されて吸込口12となる。吸込口12は波形の桟13で補強されている。前面パネル11の前面と下面の角部には傾斜面11aが設けられ、この傾斜面11aの一部が開口され吹出口14となる。吹出口14は運転停止時には風向板15で閉塞される。この風向板15は運転時には回動して筐体10内部から吹き出された気流を空調室内に送風する。前面パネル11の吹出口14の右隣りにはLEDの発光で運転状態を知らせる表示部16と図示しないリモコンからの赤外線を受信する受光部17を備える。
吸込口12に合わせ前面パネル11の内部にはフィルター19が取り付けられている。また、前面パネル11の前面には開閉可能な吸込グリル20が取り付けられている。吸込グリル20は、平らな表面を備えた形状で前面パネル11の前面を覆う前面部21と、前面部21から左右側面まで回り込んだ側面部22を有する。
なお、本実施例では右側面についてのみ説明するが左側面も右側面の対称となる形状を備えるものである。
前面パネル11は上面の前方左右端にそれぞれアーム受部18を有する。図4を合わせて参照して吸込グリル20におけるアーム受部18の対面にはアーム23を有する。後述する指掛け部30に指を掛けて吸込グリル20を前方に移動するとアーム受部18に軸支されたアームが回転の支点となり、吸込グリル20を持ち上げることができる。吸込グリル20を持ち上げるとフィルター19が外せるようになり、フィルター19を外して清掃することができる。
なお図示しないが吸込グリル20の前面部21の裏面にはラッチがあり、前面パネル11の前面にはラッチに対向する位置にラッチ受けがある。開いた吸込グリル20を降ろしてラッチ部分を手で押すとラッチがラッチ受けにロックされて吸込グリル20を固定することができる。
図5を合わせて参照して吸込グリル20はポリスチレン等の樹脂製であり、側面部22には前面から背面に掛けて外側に傾斜する金型の抜き勾配3度以上の勾配が設けられている。なお本実施例の勾配R1は約7度となっている。また吸込グリル2の板厚20aは約2mmで形成されている。
そして吸込グリル20を開けるための指掛け部30が側面部22の前方下部に設けられている。図6を合わせて参照して指掛け部30は幅31aが約11mm、上下の高さ31bが約27mmの指当て用凹部31と、指当て用凹部31の前端に上下の高さ31bに揃えて設けられた凸リブ部32とを有する。
指当て用凹部31は側面部22から凸リブ部32の根元33に向かって緩やかに傾斜して徐々に凹む傾斜部311と、凸リブ部32の根元33に繋がる深さ31cの凹み部312を有する凹状であり、その凹み部312の深さ31cは吸込グリル20の板厚20aの1/2となる。本実施例では吸込グリル20の板厚20aが約2mmであることから凹み部312の深さ31cは約1mmとなる。
凸リブ部32は側面部22から外側に向かって立設したリブであり、指当て用凹部31側は根元33から真っ直ぐに立ち上がった壁34である。壁34の深さ34aは約2mm以上となる。指当て用凹部31と凸リブ部32との間に約2mm以上の壁34による段差があれば十分に指を掛けることができる。本実施例では凹み部312の深さ31cが約1mmであることから側面部22から凸リブ部32先端までの深さ32aは約1mmとなる。
また凸リブ部32の幅32bは約2mmで後述する指の腹42に食い込んで引っかかりやすくなっている。
吸込グリル20を開けるときは、図7に示すように手4を吸込グリル20の角に当て、吸込グリル20の前面部21に親指40を沿わせ、人差指もしくは中指の指先41を指掛け部30に当てる。この時、図8に示すように指当て用凹部31が指先41の指の腹42に合う形となっている。そして凸リブ部32が指の腹42に食い込むように引っかかる。この状態で手4を前方に引くと容易に吸込グリル20を開くことができる。
図面では稜線を実線で表しているためクッキリとしているが、本発明を実施した場合は凸リブ部32が約1mm突出し、指当て用凹部31が約1mm凹むようになることで殆ど目立たないものとなっている。これにより側面部22の平らな面に指掛け部30を設けても目立ちにくく意匠性を損ねることはない。
また、指当て用凹部31の凹み部312の深さ31cが約1mmであることから、吸込グリル20の板厚2mmの中で収まり、成形する際に外側部分の金型だけをスライド金型にすることで成形することができ、金型費用も抑えることができる。
1:空気調和機の室内機、11:前面パネル、12:吸込口、14:吹出口、19:フィルター
20:吸込グリル、20a:板厚、21:前面部、22:側面部
30:指掛け部、31:指当て用凹部、311:傾斜部、312:凹み部、31c:深さ、32:凸リブ部、32a:深さ、33:根元、34:壁、34a:深さ
4:手、41:指先、42:指の腹

Claims (3)

  1. 筺体の外郭を覆う前面パネルと、前記前面パネルの前面と左右側面までを覆う開閉可能な吸込グリルを有する空気調和機の室内機において、
    前記吸込グリルの側面部の前方下部には、前記吸込グリルを開けるための指掛け部が設けられ、前記指掛け部は指当て用凹部と、前記指当て用凹部の前端に設けられた凸リブ部を有することを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 前記指当て用凹部は前記側面部から前記凸リブ部の根元に向かって徐々に凹こみ、その深さが前記吸込グリルの板厚の1/2となることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
  3. 前前記凸リブ部は前記側面部から外側に向かって立設したリブであり、前記指当て用凹部側は前記根元から真っ直ぐに立ち上がった壁であり、前記壁の深さは2mm以上となることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
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