JP2017132966A - 重合体およびポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の一般式(I)〜(III)で表される単量体単位を有する、重合体。なお、式中、R1、R2、R4、R5、R8、R9、R11およびR12は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R7およびR10は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、pおよびqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。
【化1】
【選択図】なし
Description
また、本発明は、レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能であり、且つ、高感度なポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
単量体単位(A)および単量体単位(B1)に加えて単量体単位(B2)を含有する重合体は、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性に優れ、且つ、レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能である。従って、高感度な主鎖切断型のポジ型レジストとして良好に使用することができる。
なお、本発明において、式(I)中のpが2以上の場合には、複数あるR2は互いに同一でも異なっていてもよく、また、式(I)中のqが2以上の場合には、複数あるR3は互いに同一でも異なっていてもよい。
なお、本発明において、重合体中の単量体単位の割合は、1H−NMRなどの核磁気共鳴(NMR)法を用いて測定することができる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物によれば、レジストパターンを良好かつ容易に形成することができる。
ここで、本発明の重合体は、電子線などの電離放射線や紫外線などの短波長の光の照射により主鎖が切断されて低分子量化する、主鎖切断型のポジ型レジストとして良好に使用することができる。また、本発明のポジ型レジスト組成物は、ポジ型レジストとして本発明の重合体を含むものであり、例えば、ビルドアップ基板などのプリント基板の製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に用いることができる。
本発明の重合体は、下記の一般式(I):
下記の一般式(II):
下記の一般式(III):
なお、本発明の重合体は、単量体単位(A)並びに単量体単位(B1)および単量体単位(B2)以外の任意の単量体単位を含んでいてもよいが、重合体を構成する全単量体単位中で単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)が占める割合は、合計で90mol%以上であることが好ましく、100mol%(即ち、重合体は単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)のみを含む)ことが好ましい。
また、本発明の重合体は、少なくとも単量体単位(B1)がフッ素原子を有しているので、レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制することができる。なお、フッ素原子を有する単量体単位(B1)を含有させることでレジストパターンの倒れの発生を抑制することができる理由は、明らかではないが、重合体の撥液性が向上するため、レジストパターンの形成過程において現像液やリンス液を除去する際にパターン間で引っ張り合いが起こるのを抑制することができるからであると推察される。
また、式(I)および式(IV)中のR1〜R5を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R1〜R5を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
なお、重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(I)および式(IV)中のpが5であり、qが0であり、5つあるR2の全てが水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、5つあるR2の全てが水素原子または非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、5つあるR2の全てが水素原子であることが更に好ましい。
また、式(II)および式(V)中のR7〜R9を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R7〜R9を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
また、式(III)および式(VI)中のR10〜R12を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R10〜R12を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(B1)および単量体単位(B2)の合計の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
そして、上述した単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)を有する本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されることなく、例えば15000以上150000以下とすることができる。
また、本発明の重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定されることなく、例えば10000以上100000以下とすることができる。
更に、本発明の重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されることなく、例えば2.3以下とすることができる。
なお、本発明において、「数平均分子量(Mn)」および「重量平均分子量(Mw)」は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
そして、上述した単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)を有する重合体は、例えば、単量体(a)と、単量体(b1)と、単量体(b2)とを含む単量体組成物を重合させた後、任意に得られた重合物を精製することにより調製することができる。
なお、重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量および数平均分子量は、重合条件および精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。また、重量平均分子量および数平均分子量は、重合温度を高くすれば、小さくすることができる。更に、重量平均分子量および数平均分子量は、重合時間を短くすれば、小さくすることができる。
ここで、本発明の重合体の調製に用いる単量体組成物としては、単量体(a)、単量体(b1)および単量体(b2)を含む単量体成分と、任意の溶媒と、重合開始剤と、任意に添加される添加剤との混合物を用いることができる。そして、単量体組成物の重合は、既知の方法を用いて行うことができる。具体的には、例えば、溶媒を使用する場合、溶媒としては、シクロペンタノンなどを用いることができる。また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
なお、得られた重合物を精製する場合に用いる精製方法としては、特に限定されることなく、再沈殿法やカラムクロマトグラフィー法などの既知の精製方法が挙げられる。中でも、精製方法としては、再沈殿法を用いることが好ましい。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体と、溶剤とを含み、任意に、レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤を更に含有する。そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体をポジ型レジストとして含有しているので、感度が高く、且つ、レジストパターンの形成に使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制することができる。
なお、溶剤としては、上述した重合体を溶解可能な溶剤であれば既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤としてはアニソールを用いることが好ましい。
また、本発明のポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成は、特に限定されることなく、既知のレジストパターンの形成方法を用いて行うことができる。具体的には、本発明のポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成は、例えば、(1)レジストパターンを利用して加工される基板などの被加工物の上に上述したポジ型レジスト組成物を塗布し、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成した後、(2)レジスト膜に対して電離放射線や光を照射して所望のパターンを描画し、(3)更に、パターンを描写したレジスト膜を現像液と接触させてレジスト膜を現像し、(4)最後に現像したレジスト膜をリンス液でリンスする、ことにより実施できる。
なお、現像液としては、特に限定されることなく、CF3CFHCFHCF2CF3、CF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、CF3CF2CF2CF2OCH3、C8F18等のフッ素系溶剤;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコール;酢酸アミル、酢酸ヘキシルなどのアルキル基を有する酢酸エステル;フッ素系溶剤とアルコールとの混合物;フッ素系溶剤とアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;アルコールとアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;フッ素系溶剤とアルコールとアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;などを用いることができる。また、リンス液としては、特に限定されることなく、使用する現像液の種類に応じた既知のリンス液を用いることができる。
そして、実施例および比較例において、重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性、並びに、レジストパターンの明瞭性は、下記の方法で測定および評価した。
得られた重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー製、HLC−8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<感度>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を直径4インチのシリコンウェハ上に厚さ500nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いて、電子線の照射量が互いに異なるパターン(寸法500μm×500μm)をレジスト膜上に複数描画し、レジスト用現像液としてイソプロピルアルコールを用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF3CFHCFHCF2CF3))で10秒間リンスした。なお、電子線の照射量は、4μC/cm2から200μC/cm2の範囲内で4μC/cm2ずつ異ならせた。次に、描画した部分のレジスト膜の厚みを光学式膜厚計(大日本スクリーン製、ラムダエース)で測定し、電子線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成した。
そして、得られた感度曲線(横軸:電子線の総照射量の常用対数、縦軸:レジスト膜の残膜率(0≦残膜率≦1.00))について、残膜率0.20〜0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成した。また、得られた直線(残膜率と総照射量の常用対数との関数)の残膜率が0となる際の、電子線の総照射量Eth(μC/cm2)を求めた。そして、以下の基準に従って感度を評価した。Ethの値が小さいほど、感度が高く、ポジ型レジストとしての重合体が少ない照射量で良好に切断され得ることを示す。
A:Ethが700μC/cm2未満
B:Ethが700μC/cm2以上1000μC/cm2未満
C:Ethが1000μC/cm2以上
<耐パターン倒れ性>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を、直径4インチのシリコンウェハ上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上に厚さ40nmのレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(Eop)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液としてイソプロピルアルコールを用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF3CFHCFHCF2CF3))で10秒間リンスしてレジストパターンを形成した。そして、形成したレジストパターンのパターン倒れの有無を観察した。なお、最適露光量(Eop)は、それぞれEthの約2倍の値を目安として、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nmとした。
そして、以下の基準に従って耐パターン倒れ性を評価した。
A:パターン倒れ無し
B:パターン倒れ有り
<明瞭性>
耐パターン倒れ性を評価する際と同様にしてシリコンウェハ上にレジスト膜を形成し、レジストパターンを形成した。
そして、レジストパターンを形成する前のレジスト膜の厚みT0と、形成されたレジストパターンの幅方向端部の厚みT1とを走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察で測定し、パターンTopの減膜率(={(T0−T1)/T0}×100%)を求めた。そして、以下の基準に従って明瞭性を評価した。パターンTopの減膜率の値が小さいほど、明瞭性が高いことを示す。
A:パターンTopの減膜率が25%未満
B:パターンTopの減膜率が25%以上
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα−メチルスチレン6.88gと、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチル0.52gと、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチル2.40gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で20時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位10mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位40mol%とを含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性を評価した。また、調製したポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンの明瞭性を評価した。結果を表1に示す。
重合体の調製時に、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチルの配合量を1.04gに変更し、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチルの配合量を1.80gに変更し、78℃の恒温槽内で単量体組成物を撹拌する時間を30時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体およびポジ型レジスト組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位20mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位30mol%とを含んでいた。
重合体の調製時に、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチルの配合量を1.55gに変更し、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチルの配合量を1.20gに変更し、78℃の恒温槽内で単量体組成物を撹拌する時間を40時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体およびポジ型レジスト組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位30mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位20mol%とを含んでいた。
重合体の調製時に、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチルの配合量を2.07gに変更し、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチルの配合量を0.60gに変更し、78℃の恒温槽内で単量体組成物を撹拌する時間を50時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体およびポジ型レジスト組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位40mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位10mol%とを含んでいた。
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα−メチルスチレン6.88gと、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチル3.0gと、溶媒としてのシクロペンタノン2.47gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)30gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位とα−クロロアクリル酸メチル単位とを50mol%ずつ含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性を評価した。また、調製したポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンの明瞭性を評価した。結果を表1に示す。
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα−メチルスチレン6.88gと、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチル2.6gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で60時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位とα−フルオロアクリル酸メチル単位とを50mol%ずつ含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性を評価した。また、調製したポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンの明瞭性を評価した。結果を表1に示す。
更に、表1より、所定の単量体単位(B1)に加えて所定の単量体単位(B2)を含む重合体よりなる実施例1〜4のポジ型レジストは、所定の単量体単位(B2)を含有しない重合体よりなる比較例2のポジ型レジストと比較し、感度が高いことが分かる。
また、表1より、実施例1〜3の重合体よりなるポジ型レジストは明瞭性に優れるレジストパターンを形成し得ることが分かる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物によれば、レジストパターンを良好かつ容易に形成することができる。
Claims (6)
- 下記一般式(I):
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
で表される単量体単位(B1)と、
下記一般式(III):
で表される単量体単位(B2)とを有する、重合体。 - 前記単量体単位(B1)と前記単量体単位(B2)との合計中に占める前記単量体単位(B2)の割合が30mol%以上90mol%以下である、請求項1に記載の重合体。
- 前記R1〜R5が水素原子または非置換のアルキル基である、請求項1または2に記載の重合体。
- 前記R6がフッ素原子である、請求項1〜3の何れかに記載の重合体。
- 前記R10が非置換のアルキル基であり、
前記R11およびR12が水素原子または非置換のアルキル基である、請求項1〜4の何れかに記載の重合体。 - 請求項1〜5の何れかに記載の重合体と、溶剤とを含む、ポジ型レジスト組成物。
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