JP2017132966A - 重合体およびポジ型レジスト組成物 - Google Patents

重合体およびポジ型レジスト組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017132966A
JP2017132966A JP2016016591A JP2016016591A JP2017132966A JP 2017132966 A JP2017132966 A JP 2017132966A JP 2016016591 A JP2016016591 A JP 2016016591A JP 2016016591 A JP2016016591 A JP 2016016591A JP 2017132966 A JP2017132966 A JP 2017132966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl group
polymer
fluorine atom
monomer unit
unsubstituted alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016016591A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6593205B2 (ja
Inventor
学 星野
Manabu Hoshino
学 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2016016591A priority Critical patent/JP6593205B2/ja
Publication of JP2017132966A publication Critical patent/JP2017132966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6593205B2 publication Critical patent/JP6593205B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能であり、且つ、感度の高い主鎖切断型のポジ型レジストとして使用し得る重合体を提供する。
【解決手段】下記の一般式(I)〜(III)で表される単量体単位を有する、重合体。なお、式中、R1、R2、R4、R5、R8、R9、R11およびR12は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R7およびR10は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、pおよびqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。
【化1】
Figure 2017132966

【選択図】なし

Description

本発明は、重合体およびポジ型レジスト組成物に関し、特には、ポジ型レジストとして好適に使用し得る重合体および当該重合体を含むポジ型レジスト組成物に関するものである。
従来、半導体製造等の分野において、電子線などの電離放射線や紫外線などの短波長の光(以下、電離放射線と短波長の光とを合わせて「電離放射線等」と称することがある。)の照射により主鎖が切断されて現像液に対する溶解性が増大する重合体が、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用されている。
そして、例えば特許文献1には、高感度な主鎖切断型のポジ型レジストとして、α−メチルスチレン単位とα−クロロアクリル酸メチル単位とを含有するα−メチルスチレン・α−クロロアクリル酸メチル共重合体よりなるポジ型レジストが開示されている。
特公平8−3636号公報
ここで、レジストを用いたレジストパターンの形成プロセスでは、電離放射線等の照射、現像液を用いた現像処理およびリンス液を用いたリンス処理を経てレジストパターンを形成した際に、レジストパターンの倒れが発生することがある。そのため、レジストを用いたレジストパターンの形成では、レジストパターンの倒れを抑制することが求められている。
しかし、特許文献1に記載のα−メチルスチレン・α−クロロアクリル酸メチル共重合体よりなるポジ型レジストでは、レジストパターンの倒れを十分に抑制することができなかった。
そこで、本発明者は、レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制することを目的として鋭意検討を行った。その結果、本発明者は、下記一般式(I):
Figure 2017132966
(式(I)中、R1、R2、R4およびR5は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、R3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、pおよびqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。)で表される単量体単位と、下記一般式(II):
Figure 2017132966
(式(II)中、R6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R7は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R8およびR9は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表される単量体単位とのみからなる重合体をポジ型レジストとして使用すれば、レジストパターンの倒れを十分に抑制できることを見出した。
しかし、本発明者が更に検討を重ねたところ、上記重合体は、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性が低く、ポジ型レジストとして使用した際に、α−メチルスチレン・α−クロロアクリル酸メチル共重合体よりなる従来のポジ型レジストと比較して感度が低下することが明らかとなった。
そこで、本発明は、レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能であり、且つ、感度の高い主鎖切断型のポジ型レジストとして使用し得る重合体を提供することを目的とする。
また、本発明は、レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能であり、且つ、高感度なポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、上記一般式(I)で表される単量体単位および一般式(II)で表される単量体単位に加え、塩素原子を所定の位置に有する単量体単位を更に含む重合体が、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性に優れ、且つ、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能である(即ち、耐パターン倒れ性に優れる)ことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の重合体は、下記一般式(I):
Figure 2017132966
(式(I)中、R1、R2、R4およびR5は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、R3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、pおよびqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。)で表される単量体単位(A)と、下記一般式(II):
Figure 2017132966
(式(II)中、R6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R7は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R8およびR9は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表される単量体単位(B1)と、下記一般式(III):
Figure 2017132966
(式(III)中、R10は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R11およびR12は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表される単量体単位(B2)とを有することを特徴とする。
単量体単位(A)および単量体単位(B1)に加えて単量体単位(B2)を含有する重合体は、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性に優れ、且つ、レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能である。従って、高感度な主鎖切断型のポジ型レジストとして良好に使用することができる。
なお、本発明において、式(I)中のpが2以上の場合には、複数あるR2は互いに同一でも異なっていてもよく、また、式(I)中のqが2以上の場合には、複数あるR3は互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで、本発明の重合体は、前記単量体単位(B1)と前記単量体単位(B2)との合計中に占める前記単量体単位(B2)の割合が30mol%以上90mol%以下であることが好ましい。単量体単位(B1)および単量体単位(B2)中の単量体単位(B2)の割合を30mol%以上90mol%以下とすれば、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性と、レジストとして使用した際の耐パターン倒れ性とを高いレベルで両立させることができる。また、単量体単位(B2)の割合を30mol%以上とすれば、レジストとして使用した際に、電離放射線等の照射量の常用対数と、現像後のレジストの残膜厚との関係を示す感度曲線の傾きの大きさを表すγ値を高めることができるので、レジスト膜が残って(残膜して)いる部分と、溶解している部分との境界が明瞭な、明瞭性の高いレジストパターンを形成することができる。
なお、本発明において、重合体中の単量体単位の割合は、1H−NMRなどの核磁気共鳴(NMR)法を用いて測定することができる。
また、本発明の重合体は、前記R1〜R5が水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましい。単量体単位(A)のR1〜R5が水素原子または非置換のアルキル基である重合体は、調製し易く、また、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性に更に優れている。
更に、本発明の重合体は、前記R6がフッ素原子であることが好ましい。単量体単位(B1)のR6がフッ素原子である重合体は、調製し易く、また、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性に更に優れている。
そして、本発明の重合体は、前記R10が非置換のアルキル基であり、前記R11およびR12が水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましい。単量体単位(B2)のR10が非置換のアルキル基であり、R11およびR12が水素原子または非置換のアルキル基であれば、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を更に向上させることができる。従って、主鎖切断型のポジ型レジストとして特に良好に使用することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体の何れかと、溶剤とを含むことを特徴とする。上述した重合体をポジ型レジストとして含有すれば、レジストパターンの形成に使用した際に、レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制しつつ、電離放射線等の照射が少なくてもレジストパターンを良好に形成することができる。
本発明の重合体によれば、レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能であり、且つ、感度の高い主鎖切断型のポジ型レジストを提供することができる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物によれば、レジストパターンを良好かつ容易に形成することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の重合体は、電子線などの電離放射線や紫外線などの短波長の光の照射により主鎖が切断されて低分子量化する、主鎖切断型のポジ型レジストとして良好に使用することができる。また、本発明のポジ型レジスト組成物は、ポジ型レジストとして本発明の重合体を含むものであり、例えば、ビルドアップ基板などのプリント基板の製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に用いることができる。
(重合体)
本発明の重合体は、下記の一般式(I):
Figure 2017132966
(式(I)中、R1、R2、R4およびR5は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R1、R2、R4およびR5は互いに同一でも異なっていてもよく、R3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、pおよびqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。)で表される単量体単位(A)と、
下記の一般式(II):
Figure 2017132966
(式(II)中、R6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R7は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R8およびR9は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R8およびR9は互いに同一でも異なっていてもよい。)で表される単量体単位(B1)と、
下記の一般式(III):
Figure 2017132966
(式(III)中、R10は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R11およびR12は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよい。)で表される単量体単位(B2)とを有する。
なお、本発明の重合体は、単量体単位(A)並びに単量体単位(B1)および単量体単位(B2)以外の任意の単量体単位を含んでいてもよいが、重合体を構成する全単量体単位中で単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)が占める割合は、合計で90mol%以上であることが好ましく、100mol%(即ち、重合体は単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)のみを含む)ことが好ましい。
そして、本発明の重合体は、所定の単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)を含んでいるので、電離放射線等(例えば、電子線、KrFレーザー、ArFレーザー、EUVレーザーなど)が照射されると、主鎖が切断されて低分子量化する。特に、本発明の重合体は、所定の単量体単位(B2)を含んでいるので、電離放射線等が照射された際に主鎖が切断され易い。なお、単量体単位(B2)を含有させることで電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性が向上する理由は、明らかではないが、カルボニル基を基準としてα位に塩素原子を有する単量体単位(B2)は、カルボニル基を基準としてα位にフッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基を有する単量体単位(B1)よりも電離放射線等を照射した際にラジカルを発生させ易いからであると推察される。
また、本発明の重合体は、少なくとも単量体単位(B1)がフッ素原子を有しているので、レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制することができる。なお、フッ素原子を有する単量体単位(B1)を含有させることでレジストパターンの倒れの発生を抑制することができる理由は、明らかではないが、重合体の撥液性が向上するため、レジストパターンの形成過程において現像液やリンス液を除去する際にパターン間で引っ張り合いが起こるのを抑制することができるからであると推察される。
<単量体単位(A)>
ここで、単量体単位(A)は、下記の一般式(IV):
Figure 2017132966
(式(IV)中、R1〜R5、並びに、pおよびqは、式(I)と同様である。)で表される単量体(a)に由来する構造単位である。
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(A)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
ここで、式(I)および式(IV)中のR1〜R5を構成し得る、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、特に限定されることなく、アルキル基中の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換した構造を有する基が挙げられる。
また、式(I)および式(IV)中のR1〜R5を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R1〜R5を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
そして、重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(I)および式(IV)中のR1は、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
また、重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(I)および式(IV)中に複数存在するR2および/またはR3は、全て、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子または非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
なお、重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(I)および式(IV)中のpが5であり、qが0であり、5つあるR2の全てが水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、5つあるR2の全てが水素原子または非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、5つあるR2の全てが水素原子であることが更に好ましい。
一方、重合体をレジストパターンの形成に使用した際にレジストパターンの倒れの発生を更に抑制する観点からは、式(I)および式(IV)中に複数存在するR2および/またはR3は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基を含むことが好ましく、フッ素原子またはフッ素原子で置換された炭素数1以上5以下のアルキル基を含むことがより好ましい。
更に、重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(I)および式(IV)中のR4およびR5は、それぞれ、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子または非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
そして、上述した式(I)で表される単量体単位(A)を形成し得る、上述した式(IV)で表される単量体(a)としては、特に限定されることなく、例えば、以下の(a−1)〜(a−11)等のα−メチルスチレンおよびその誘導体が挙げられる。
Figure 2017132966
なお、重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、単量体単位(A)は、フッ素原子を含有しないことが好ましく、α−メチルスチレンに由来する構造単位であることがより好ましい。即ち、式(I)および式(IV)中のR1〜R5、並びに、pおよびqは、p=5、q=0であり、R1がメチル基であり、5つあるR2が全て水素原子であり、R4およびR5が水素原子であることが特に好ましい。
<単量体単位(B1)>
また、単量体単位(B1)は、下記の一般式(V):
Figure 2017132966
(式(V)中、R6〜R9は、式(II)と同様である。)で表される単量体(b1)に由来する構造単位である。
ここで、式(II)および式(V)中のR6〜R9を構成し得る、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、特に限定されることなく、アルキル基中の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換した構造を有する基が挙げられる。
また、式(II)および式(V)中のR7〜R9を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R7〜R9を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
そして、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(II)および式(V)中のR6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換された炭素数1以上5以下のアルキル基であることが好ましく、フッ素原子またはパーフルオロメチル基であることがより好ましく、フッ素原子であることが更に好ましい。なお、式(V)中のR6がフッ素原子である単量体(b1)は、重合性に優れており、式(II)中のR6がフッ素原子である単量体単位(B1)を有する重合体は、調製が容易であるという点においても優れている。
また、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(II)および式(V)中のR7は、非置換のアルキル基であることが好ましく、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基であることがより好ましく、非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
一方、重合体をレジストパターンの形成に使用した際にレジストパターンの倒れの発生を更に抑制する観点からは、式(II)および式(V)中のR7は、フッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1以上10以下のアルキル基であることがより好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル基または1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基であることが更に好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基であることが特に好ましい。
更に、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(II)および式(V)中のR8およびR9は、それぞれ、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子または非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
そして、上述した式(II)で表される単量体単位(B1)を形成し得る、上述した式(V)で表される単量体(b1)としては、特に限定されることなく、例えば、α−フルオロアクリル酸メチル、α−フルオロアクリル酸エチルなどのα−フルオロアクリル酸アルキルエステル;α−トリフルオロメチルアクリル酸メチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エチルなどのα−フルオロアルキルアクリル酸アルキルエステル;α−フルオロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、α−フルオロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、α−フルオロアクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル、α−フルオロアクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、α−フルオロアクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、α−フルオロアクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、α−フルオロアクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、α−フルオロアクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、α−フルオロアクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、α−フルオロアクリル酸1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルなどのα−フルオロアクリル酸フルオロアルキルエステル;が挙げられる。
なお、重合体をレジストパターンの形成に使用した際のレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制しつつ電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を更に向上させる観点からは、単量体単位(B1)は、α−フルオロアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位であることが好ましい。即ち、式(II)および式(V)中のR6〜R9は、R6がフッ素原子であり、R7が非置換のアルキル基であり、R8およびR9が水素原子であることが特に好ましい。
<単量体単位(B2)>
更に、単量体単位(B2)は、下記の一般式(VI):
Figure 2017132966
(式(VI)中、R10〜R12は、式(III)と同様である。)で表される単量体(b2)に由来する構造単位である。
ここで、式(III)および式(VI)中のR10〜R12を構成し得る、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、特に限定されることなく、アルキル基中の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換した構造を有する基が挙げられる。
また、式(III)および式(VI)中のR10〜R12を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R10〜R12を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
そして、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(III)および式(VI)中のR10は、非置換のアルキル基であることが好ましく、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基であることがより好ましく、非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
一方、重合体をレジストパターンの形成に使用した際にレジストパターンの倒れの発生を更に抑制する観点からは、式(III)および式(VI)中のR10は、フッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1以上10以下のアルキル基であることがより好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル基または1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基であることが更に好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基であることが特に好ましい。
更に、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(III)および式(VI)中のR11およびR12は、それぞれ、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子または非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
そして、上述した式(III)で表される単量体単位(B2)を形成し得る、上述した式(VI)で表される単量体(b2)としては、特に限定されることなく、例えば、α−クロロアクリル酸メチル、α−クロロアクリル酸エチルなどのα−クロロアクリル酸アルキルエステル;α−クロロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、α−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、α−クロロアクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル、α−クロロアクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、α−クロロアクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、α−クロロアクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、α−クロロアクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、α−クロロアクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、α−クロロアクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、α−クロロアクリル酸1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルなどのα−クロロアクリル酸フルオロアルキルエステル;が挙げられる。
なお、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を更に向上させる観点からは、単量体単位(B2)は、α−クロロアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位であることが好ましい。即ち、式(III)および式(VI)中のR10〜R12は、R10が非置換のアルキル基であり、R11およびR12が水素原子であることが特に好ましい。
<単量体単位(B1)および単量体単位(B2)の量>
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(B1)および単量体単位(B2)の合計の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
また、単量体単位(B1)と単量体単位(B2)との合計中に占める単量体単位(B2)の割合(={B2/(B1+B2)}×100mol%)は、30mol%以上であることが好ましく、40mol%以上であることがより好ましく、60mol%以上であることが更に好ましく、90mol%以下であることが好ましく、80mol%以下であることがより好ましい。単量体単位(B2)の割合が上記範囲内であれば、電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性と、レジストとして使用した際の耐パターン倒れ性とを高いレベルで両立させることができる。また、単量体単位(B2)の割合が上記下限値以上であれば、重合体よりなるポジ型レジストのγ値を高めることができるので、重合体をレジストパターンの形成に使用した際に明瞭性の高いレジストパターンを形成することができる。更に、単量体(b2)は単量体(b1)よりも重合性が高いため、単量体単位(B2)の割合が大きいほど、重合体を容易に調製することができる。
<重合体の性状>
そして、上述した単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)を有する本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されることなく、例えば15000以上150000以下とすることができる。
また、本発明の重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定されることなく、例えば10000以上100000以下とすることができる。
更に、本発明の重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されることなく、例えば2.3以下とすることができる。
なお、本発明において、「数平均分子量(Mn)」および「重量平均分子量(Mw)」は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
(重合体の調製方法)
そして、上述した単量体単位(A)、単量体単位(B1)および単量体単位(B2)を有する重合体は、例えば、単量体(a)と、単量体(b1)と、単量体(b2)とを含む単量体組成物を重合させた後、任意に得られた重合物を精製することにより調製することができる。
なお、重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量および数平均分子量は、重合条件および精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。また、重量平均分子量および数平均分子量は、重合温度を高くすれば、小さくすることができる。更に、重量平均分子量および数平均分子量は、重合時間を短くすれば、小さくすることができる。
<単量体組成物の重合>
ここで、本発明の重合体の調製に用いる単量体組成物としては、単量体(a)、単量体(b1)および単量体(b2)を含む単量体成分と、任意の溶媒と、重合開始剤と、任意に添加される添加剤との混合物を用いることができる。そして、単量体組成物の重合は、既知の方法を用いて行うことができる。具体的には、例えば、溶媒を使用する場合、溶媒としては、シクロペンタノンなどを用いることができる。また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
また、単量体組成物を重合して得られた重合物は、特に限定されることなく、重合物を含む溶液にテトラヒドロフラン等の良溶媒を添加した後、良溶媒を添加した溶液をメタノール等の貧溶媒中に滴下して重合物を凝固させることにより回収することができる。
<重合物の精製>
なお、得られた重合物を精製する場合に用いる精製方法としては、特に限定されることなく、再沈殿法やカラムクロマトグラフィー法などの既知の精製方法が挙げられる。中でも、精製方法としては、再沈殿法を用いることが好ましい。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
そして、再沈殿法による重合物の精製は、例えば、得られた重合物をテトラヒドロフラン等の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、テトラヒドロフラン等の良溶媒とメタノール等の貧溶媒との混合溶媒に滴下し、重合物の一部を析出させることにより行うことが好ましい。
なお、再沈殿法により重合物を精製する場合、本発明の重合体としては、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中で析出した重合物を用いてもよいし、混合溶媒中で析出しなかった重合物(即ち、混合溶媒中に溶解している重合物)を用いてもよい。ここで、混合溶媒中で析出しなかった重合物は、濃縮乾固などの既知の手法を用いて混合溶媒中から回収することができる。
(ポジ型レジスト組成物)
本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体と、溶剤とを含み、任意に、レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤を更に含有する。そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体をポジ型レジストとして含有しているので、感度が高く、且つ、レジストパターンの形成に使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制することができる。
<溶剤>
なお、溶剤としては、上述した重合体を溶解可能な溶剤であれば既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤としてはアニソールを用いることが好ましい。
<レジストパターンの形成>
また、本発明のポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成は、特に限定されることなく、既知のレジストパターンの形成方法を用いて行うことができる。具体的には、本発明のポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成は、例えば、(1)レジストパターンを利用して加工される基板などの被加工物の上に上述したポジ型レジスト組成物を塗布し、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成した後、(2)レジスト膜に対して電離放射線や光を照射して所望のパターンを描画し、(3)更に、パターンを描写したレジスト膜を現像液と接触させてレジスト膜を現像し、(4)最後に現像したレジスト膜をリンス液でリンスする、ことにより実施できる。
なお、現像液としては、特に限定されることなく、CF3CFHCFHCF2CF3、CF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、CF3CF2CF2CF2OCH3、C818等のフッ素系溶剤;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコール;酢酸アミル、酢酸ヘキシルなどのアルキル基を有する酢酸エステル;フッ素系溶剤とアルコールとの混合物;フッ素系溶剤とアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;アルコールとアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;フッ素系溶剤とアルコールとアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;などを用いることができる。また、リンス液としては、特に限定されることなく、使用する現像液の種類に応じた既知のリンス液を用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
そして、実施例および比較例において、重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性、並びに、レジストパターンの明瞭性は、下記の方法で測定および評価した。
<重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布>
得られた重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー製、HLC−8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<感度>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を直径4インチのシリコンウェハ上に厚さ500nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いて、電子線の照射量が互いに異なるパターン(寸法500μm×500μm)をレジスト膜上に複数描画し、レジスト用現像液としてイソプロピルアルコールを用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF3CFHCFHCF2CF3))で10秒間リンスした。なお、電子線の照射量は、4μC/cm2から200μC/cm2の範囲内で4μC/cm2ずつ異ならせた。次に、描画した部分のレジスト膜の厚みを光学式膜厚計(大日本スクリーン製、ラムダエース)で測定し、電子線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成した。
そして、得られた感度曲線(横軸:電子線の総照射量の常用対数、縦軸:レジスト膜の残膜率(0≦残膜率≦1.00))について、残膜率0.20〜0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成した。また、得られた直線(残膜率と総照射量の常用対数との関数)の残膜率が0となる際の、電子線の総照射量Eth(μC/cm2)を求めた。そして、以下の基準に従って感度を評価した。Ethの値が小さいほど、感度が高く、ポジ型レジストとしての重合体が少ない照射量で良好に切断され得ることを示す。
A:Ethが700μC/cm2未満
B:Ethが700μC/cm2以上1000μC/cm2未満
C:Ethが1000μC/cm2以上
<耐パターン倒れ性>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を、直径4インチのシリコンウェハ上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上に厚さ40nmのレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(Eop)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液としてイソプロピルアルコールを用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF3CFHCFHCF2CF3))で10秒間リンスしてレジストパターンを形成した。そして、形成したレジストパターンのパターン倒れの有無を観察した。なお、最適露光量(Eop)は、それぞれEthの約2倍の値を目安として、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nmとした。
そして、以下の基準に従って耐パターン倒れ性を評価した。
A:パターン倒れ無し
B:パターン倒れ有り
<明瞭性>
耐パターン倒れ性を評価する際と同様にしてシリコンウェハ上にレジスト膜を形成し、レジストパターンを形成した。
そして、レジストパターンを形成する前のレジスト膜の厚みT0と、形成されたレジストパターンの幅方向端部の厚みT1とを走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察で測定し、パターンTopの減膜率(={(T0−T1)/T0}×100%)を求めた。そして、以下の基準に従って明瞭性を評価した。パターンTopの減膜率の値が小さいほど、明瞭性が高いことを示す。
A:パターンTopの減膜率が25%未満
B:パターンTopの減膜率が25%以上
(実施例1)
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα−メチルスチレン6.88gと、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチル0.52gと、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチル2.40gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で20時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位10mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位40mol%とを含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性を評価した。また、調製したポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンの明瞭性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
重合体の調製時に、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチルの配合量を1.04gに変更し、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチルの配合量を1.80gに変更し、78℃の恒温槽内で単量体組成物を撹拌する時間を30時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体およびポジ型レジスト組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位20mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位30mol%とを含んでいた。
(実施例3)
重合体の調製時に、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチルの配合量を1.55gに変更し、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチルの配合量を1.20gに変更し、78℃の恒温槽内で単量体組成物を撹拌する時間を40時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体およびポジ型レジスト組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位30mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位20mol%とを含んでいた。
(実施例4)
重合体の調製時に、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチルの配合量を2.07gに変更し、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチルの配合量を0.60gに変更し、78℃の恒温槽内で単量体組成物を撹拌する時間を50時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体およびポジ型レジスト組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位50mol%と、α−フルオロアクリル酸メチル単位40mol%と、α−クロロアクリル酸メチル単位10mol%とを含んでいた。
(比較例1)
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα−メチルスチレン6.88gと、単量体(b2)としてのα−クロロアクリル酸メチル3.0gと、溶媒としてのシクロペンタノン2.47gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)30gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位とα−クロロアクリル酸メチル単位とを50mol%ずつ含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性を評価した。また、調製したポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンの明瞭性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα−メチルスチレン6.88gと、単量体(b1)としてのα−フルオロアクリル酸メチル2.6gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で60時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位とα−フルオロアクリル酸メチル単位とを50mol%ずつ含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジストの感度および耐パターン倒れ性を評価した。また、調製したポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンの明瞭性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017132966
表1より、所定の単量体単位(B1)を含む重合体よりなる実施例1〜4および比較例2のポジ型レジストは、所定の単量体単位(B1)を含有しない重合体よりなる比較例1のポジ型レジストと比較し、耐パターン倒れ性に優れていることが分かる。
更に、表1より、所定の単量体単位(B1)に加えて所定の単量体単位(B2)を含む重合体よりなる実施例1〜4のポジ型レジストは、所定の単量体単位(B2)を含有しない重合体よりなる比較例2のポジ型レジストと比較し、感度が高いことが分かる。
また、表1より、実施例1〜3の重合体よりなるポジ型レジストは明瞭性に優れるレジストパターンを形成し得ることが分かる。
本発明の重合体によれば、レジストとして使用した際にレジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能であり、且つ、感度の高い主鎖切断型のポジ型レジストを提供することができる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物によれば、レジストパターンを良好かつ容易に形成することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 2017132966
    (式(I)中、R1、R2、R4およびR5は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、R3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、pおよびqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。)
    で表される単量体単位(A)と、
    下記一般式(II):
    Figure 2017132966
    (式(II)中、R6は、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R7は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R8およびR9は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)
    で表される単量体単位(B1)と、
    下記一般式(III):
    Figure 2017132966
    (式(III)中、R10は、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R11およびR12は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)
    で表される単量体単位(B2)とを有する、重合体。
  2. 前記単量体単位(B1)と前記単量体単位(B2)との合計中に占める前記単量体単位(B2)の割合が30mol%以上90mol%以下である、請求項1に記載の重合体。
  3. 前記R1〜R5が水素原子または非置換のアルキル基である、請求項1または2に記載の重合体。
  4. 前記R6がフッ素原子である、請求項1〜3の何れかに記載の重合体。
  5. 前記R10が非置換のアルキル基であり、
    前記R11およびR12が水素原子または非置換のアルキル基である、請求項1〜4の何れかに記載の重合体。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の重合体と、溶剤とを含む、ポジ型レジスト組成物。
JP2016016591A 2016-01-29 2016-01-29 重合体およびポジ型レジスト組成物 Active JP6593205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016016591A JP6593205B2 (ja) 2016-01-29 2016-01-29 重合体およびポジ型レジスト組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016016591A JP6593205B2 (ja) 2016-01-29 2016-01-29 重合体およびポジ型レジスト組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017132966A true JP2017132966A (ja) 2017-08-03
JP6593205B2 JP6593205B2 (ja) 2019-10-23

Family

ID=59503510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016016591A Active JP6593205B2 (ja) 2016-01-29 2016-01-29 重合体およびポジ型レジスト組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6593205B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP6593205B2 (ja) 2019-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102494961B1 (ko) 중합체, 포지티브형 레지스트 조성물, 및 레지스트 패턴 형성 방법
JP6801679B2 (ja) 重合体、ポジ型レジスト組成物、およびレジストパターン形成方法
JP6699203B2 (ja) レジストパターン形成方法
JP6958362B2 (ja) レジストパターン形成方法
JP7310275B2 (ja) レジストパターン形成方法
JP6707875B2 (ja) 重合体及びポジ型レジスト組成物
JP6939571B2 (ja) レジストパターン形成方法
WO2020218071A1 (ja) 重合体およびポジ型レジスト組成物
JP2018106062A (ja) レジストパターン形成方法
JP2019015860A (ja) 積層体
JP2018106066A (ja) レジストパターン形成方法
JP6593205B2 (ja) 重合体およびポジ型レジスト組成物
JP2018106065A (ja) ポジ型レジスト溶液及びレジストパターン形成方法
JP2020134683A (ja) レジストパターン形成方法
JP7131292B2 (ja) レジストパターン形成方法
JP2018106060A (ja) レジストパターン形成方法
JP7172495B2 (ja) 重合体及びポジ型レジスト組成物
JP2021067811A (ja) レジストパターン形成方法
JP2019191454A (ja) レジストパターン形成方法
JP2018106064A (ja) ポジ型レジスト溶液及びレジストパターン形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6593205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250