JP2017132845A - ポリイミド成形体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド成形体の製造方法 Download PDF

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大樹 魚山
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Abstract

【課題】効率的なポリイミド成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で示されるヘキサフルオロプロパノール基を有するジアミンに由来する繰り返し単位を有するポリイミド成形体の製造方法であって、式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと−50〜100℃の沸点を有するアミド系、エーテル系、ハロゲン系又はラクトン系の溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させる、製造方法。
Figure 2017132845

(Rは単結合、エーテル、スルフィド、スルホキシ、メチレン、又はエチレンの2価の基;R及びRは各々独立にH、メチル又はトリフルオロメチル;Rは芳香環を含む4価の基)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド成形体の製造方法に関する。
ポリイミドは、一般に、耐熱性、機械的強度、電気特性、耐溶剤性に優れるため、エレクトロニクス産業や航空宇宙産業に用いられている。しかし、多くのポリイミドは、有機溶剤に不溶であり、その前駆体のポリアミック酸は有機溶剤に比較的可溶である。そのため、一般的には、そのポリアミック酸を有機溶剤に溶解させたワニスの形態で塗布し、その後、高温加熱により脱水閉環させることでポリイミド成形体とする方法が採用されているが、この方法は作業工程の点において有利とはいえない。また、ポリアミック酸の重合液は、保存安定性が悪いため、冷凍保存を行う必要がある。これらの理由から、ポリイミドは、様々な優れた特性を有するにも関わらず、使用範囲が制限されている。
最近、ポリイミドの有機溶剤への溶解性に対する問題を克服し使用範囲を広げるために、ポリイミドを有機溶剤に可溶化する研究が報告されている。例えば、特許文献1、特許文献2には、原料に可溶性置換基であるヘキサフルオロイソプロパノール基(以下、「HFIP基」と称することがある。)を含有する芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を用いてポリアミック酸を重合した後、無水酢酸とピリジンを用いる化学的手法でイミド化することで可溶性ポリイミドが得られることが記載されている。しかし、この方法でワニスを作製する場合、ポリイミドワニスの溶剤の種類や濃度は、ポリアミック酸を重合するときの条件に依存することがあり、さらなる使用範囲の拡大が望まれている。
これらの問題を解決するために、HFIP基を含有するポリイミドのワニスから、HFIP基を含有するポリイミドを取り出し利用する取り組みが行われている。特許文献1には、HFIP基を含有するポリイミドのワニスを水またはアルコール等の貧溶媒中に加えて、HFIP基を含有するポリイミドを沈殿させて単離した後、改めて溶剤に溶かし直してポリイミド溶液を調製して加工成形できることが記載されている。また、特許文献2には、HFIP基を含有するポリイミドを粉末として利用できることが記載されている。
これらの方法においてもHFIP基を含有するポリイミドを種々の用途に提供することができるが、再沈殿後、ポリイミドの粉砕化が必要であったり、ろ別、取り出し、乾燥などの工程を含むことから、HFIP基を含有するポリイミドをより効率的に製造する方法が求められている。
特開2013−10096号公報 特開2014−129340号公報
本発明は、効率的なポリイミド成形体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、HFIP基を含有するポリイミドのワニス溶液を噴霧乾燥させることで、容易にポリイミド成形体を得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の各発明を含む。
[発明1]
下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド成形体の製造方法であって、
下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させることを特徴とする、製造方法。
Figure 2017132845
(一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Rは芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。)
Figure 2017132845
[発明2]
溶剤が、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒またはラクトン系溶媒であることを特徴とする、発明1に記載の製造方法。
[発明3]
溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、ベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンまたはα−メチル−γ−ブチロラクトンであることを特徴とする、発明1に記載の製造方法。
[発明4]
溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンまたはα−メチル−γ−ブチロラクトンであることを特徴とする、発明1に記載の製造方法。
[発明5]
溶剤が、N−メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、トリオキサン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン、であることを特徴とする、発明1に記載の製造方法。
[発明6]
ポリイミド溶液中、溶剤に対してポリイミドが1〜30質量%含まれることを特徴とする、発明1〜5の何れかに記載の製造方法。
[発明7]
噴霧乾燥をスプレードライヤーを用いて行うことを特徴とする、発明1〜6の何れかに記載の製造方法。
[発明8]
スプレードライヤーが二流体ノズルまたは四流体ノズルを備えることを特徴とする、発明7に記載の製造方法。
[発明9]
噴霧乾燥を前記溶剤の沸点の−50℃以上+100℃以下の温度で行うことを特徴とする、発明1〜8の何れかに記載製造方法。
[発明10]
ポリイミド溶液が、
下記一般式(2)で表されるジアミンと、下記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを溶剤中で縮重合してポリアミック酸を得て、次いで該ポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミド重合液であることを特徴とする、発明1〜9の何れかに記載の製造方法。
Figure 2017132845
(一般式(2)中、R、RおよびRは一般式(1)中のR、RおよびRとそれぞれ同義である。)
Figure 2017132845
(一般式(3)中、Rは、一般式(1)中のRと同義である。)
[発明11]
下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド成形体と溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液の製造方法であって、
一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと第1の溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該第1の溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させてポリイミド成形体を得る工程と、
該ポリイミド成形体と、第2の溶剤とを配合してポリイミド溶液を得る工程とを、
含むことを特徴とする、製造方法。
Figure 2017132845
(一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Rは芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。)
Figure 2017132845
[発明12]
下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド成形体と溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液において、該溶剤を別の溶剤に置き換える方法であって、
一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと第1の溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該第1の溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させてポリイミド成形体を得る工程と、
ポリイミド成形体と、第2の溶剤とを配合してポリイミド溶液を得る工程とを、
含むことを特徴とする、方法。
Figure 2017132845
(一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Rは芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。)
Figure 2017132845
本発明によれば、効率的なポリイミド成形体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明は以下に示す実施の形態および実施例の記載に限定して解釈されるべきではない。
[ポリイミド溶液]
本発明に係るポリイミド溶液は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポイリミド(以下、「ポリイミド(1)」と称することがある。)と溶剤とを少なくとも含む。
Figure 2017132845
一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基である。
およびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
は芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。
Figure 2017132845
<ポリイミド>
本発明に係るポリイミドは、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有していれば、その他の骨格については特に制限されない。例えば、上記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。本発明に係るポリイミドは、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を50モル%以上有していてもよく、好ましくは75モル%以上、より好ましくは該繰り返し単位のみからなる。また、上記一般式(1)の繰り返し単位は、ポリイミド中に規則的に配列されていてもよいし、ランダムに存在していてもよい。上記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、以下の何れかで表される繰り返し単位が好ましい例として挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2017132845
本発明に係るポリイミドの重量平均分子量(Mw)は、特に制限されない。下限は30,000であってもよく、40,000が好ましく、50,000が特に好ましい。上限は1,000,000であってもよく、500,000が好ましく、200,000が特に好ましい。本発明に係るポリイミドの重量平均分子量は、30,000〜1,000,000であってもよく、40,000〜500,000が好ましく、50,000〜200,000が特に好ましい。重量平均分子量が30,000未満だと、噴霧乾燥後に再成形したポリイミドには機械特性等の物性の低下が生じ易く、1,000,000超だと、溶液の粘度が高く、噴霧による成形が困難になることがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(以下、GPCと呼ぶことがある)による標準ポリスチレン換算の値をいう。
<溶剤>
本発明に係る溶剤の種類は、ポリイミド(1)が溶解すれば特に制限されない。例えば、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒、ラクトン系溶媒などの有機溶剤を用いることができ、これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
上記アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等が挙げられる。
上記芳香族性溶媒としては、ベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等が挙げられる。
上記ハロゲン系溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等が挙げられる。
上記ラクトン系溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
本発明の方法の一態様において、用いる溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンまたはα−メチル−γ−ブチロラクトンが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
本発明の方法の別の一態様において、用いる溶剤としては、N−メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、トリオキサン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンが好ましく、N−メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテルが特に好ましい。
本発明の方法のさらに別の一態様において、用いる溶剤としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンが好ましく、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
<ポリイミド溶液>
本発明に係るポリイミド溶液の濃度は特に限定されない。ポリイミドが溶剤成分に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましく、3質量%以上8質量%以下が特に好ましい。濃度がこの範囲内であれば、噴霧されるポリイミドは糸状になり難く、噴霧乾燥の連続運転を行うことができるため、生産効率が良い。また、ポリイミド成形体の回収効率も良い。
本発明に係るポリイミド溶液は、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドと溶剤とを少なくとも含み、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分を含む場合の含有割合は、ポリイミド(1)と溶剤の総量に対して、15質量%以下であり、10質量%以下であることが好ましく、5以下であることがさらに好ましい。その他の成分の種類は、本発明の方法を阻害するようなものでなければ特に限定されない。たとえば、ポリイミド(1)の製造に用いた反応資材であってもよい。また、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミド以外のポリイミドであってもよい。このポリイミドは、特に限定されるものではなく、公知のポリイミドを一種若しくは二種以上適宜選択して使用することができる。このポリイミドは、後述の「他のジアミン化合物」や後述のテトラカルボン酸二無水物を原料として合成されるポリイミドであってもよい。
<ポリイミドの製造方法>
本発明に係るポリイミドの製造方法は特に限定されない。例えば、特許文献1、特許文献2に記載のHFIP基を有するポリイミドの合成方法に準じて、本発明に係るポリイミドを製造することができる。具体例として、下記一般式(2)で表されるHFIP基を有するジアミンと、下記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを必須原料とし、150℃以上で相互に溶融させる方法が挙げられる。
Figure 2017132845
一般式(2)中、R、RおよびRは一般式(1)中のR、RおよびRとそれぞれ同義である。一般式(1)中のR、RおよびRは、一般式(2)で表されるジアミン化合物中のR、RおよびRにそれぞれ由来する。
Figure 2017132845
一般式(3)中、Rは、一般式(1)中のRと同義である。一般式(1)中のRは、一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物中のRに由来する。
本発明に係るポリイミドの製造方法のその他の例として、上記一般式(2)で表されるHFIP基を有するジアミンと、上記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で縮重合して得られるポリアミック酸を脱水閉環する方法が挙げられる。この縮重合反応は−20〜80℃で行い、前記ジアミンと前記テトラカルボン酸二無水物とをモル比で表して1対1で反応させることが好ましい。
前記縮重合反応に使用できる有機溶媒は、例えば、本発明に係る溶剤として挙げたものと同様の種類の有機溶媒が挙げられ、単独で用いてもよいし、二種以上の混合溶媒を用いてもよい。
本発明に係るポリイミドは、前記縮重合反応で得られたポリアミック酸をさらに脱水閉環させイミド化することで得られる。この脱水閉環反応は、環化を促進する、加熱法、化学法等の条件で行う。加熱法は、重合直後のポリアミック酸を150〜250℃の高温加熱でイミド化し、化学法は、0〜50℃でピリジンまたはトリエチルアミン等の塩基と無水酢酸を原料のジアミンに対してそれぞれ2モル当量以上10当量未満を加えることでイミド化し、本発明に係るポリイミドの重合液を得ることができる。得られたポリイミド重合液は、そのまま本発明に係るポリイミド溶液として用いてもよく、あるいは、濃縮または希釈してから、本発明に係るポリイミド溶液として用いることができる。上述した本発明に係るポリイミド溶液の濃度に調整することが好ましい。希釈する場合は、本発明に係る溶剤として挙げたものと同様の種類の有機溶媒を用いることが好ましく、単独で用いてもよいし、二種以上の混合溶媒を用いてもよい。この有機溶剤の種類は、本発明に係るポリイミドが溶解すれば特に制限されない。
以下に、本発明に係るポリイミドの製造に用いる原料について詳細に説明する。
(HFIP基を有するジアミン)
本発明に係るポリイミドの製造において、原料化合物の一つとして、上記一般式(2)で表されるHFIP基を有するジアミンを用いる。
このジアミンの中でも、原料の入手容易性から、下記式(4)で表されるジアミン(以下、「HFIP−MDA」と称することがある。)、下記式(5)で表されるジアミン(以下、「HFIP−mTB」と称することがある。)が特に好ましい。
Figure 2017132845
Figure 2017132845
噴霧乾燥する際に重要となる有機溶剤溶解性、粘度、および、再成型する際の強度、表面特性(撥水性、撥油性)、耐性(耐候性、耐腐食性等)、その他の特性(透明性、低屈折性、低誘電率等)、耐熱性を調整するために、一般式(2)で表されるHFIP基を有するジアミンとそれ以外のジアミン化合物(以下、他のジアミン化合物と呼ぶことがある)を併用してもよい。他のジアミン化合物の使用量としては、全体のジアミンの重量に対して、質量%で表して、5%以上、50%以下であり、好ましくは10%以上、30%以下である。他のジアミン化合物の含有割合が5%未満の場合、機械的強度等の特性の調整の効果が小さくなる。他のジアミン化合物の含有割合が50%より多い場合、溶剤溶解性の低下、粘度の向上が生じて噴霧乾燥できない恐れがある。
併用できる他のジアミン化合物を具体的に例示すると、ベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’− ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’− ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4‐ジアミノ−m−キシレン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリメチルベンゼン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−エチレンジアニリン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,7−ジアミノフルオレン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、または1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン等を例示することができる。上記ジアミンの芳香環の水素原子の一部がフッ原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基、カルボキシル基、HFIP基、ヒドロキシ基、またはシアノ基で置換されていてもよい。また、これらは、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
この中でも、入手の容易性から、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、4‐ジアミノ−m−キシレン、2,4−ジアミノキシレン、がよく、溶剤溶解性の低下の少ない2,2−ビス(4−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、または2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンが特に好ましい。
(テトラカルボン酸二無水物)
本発明に係るポリイミドの製造において、原料化合物の一つとして、上記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いる。
具体的には、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物(以下、「PMDA」と称することがある。)、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、「BPDA」と称することがある。)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(以下、「6FDA」と称することがある。)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、「BTDA」と称することがある。)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(以下、「ODPA」と称することがある。)、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等を例示することができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用することもできる。
この中でも、入手の容易性から、PMDA、BPDA、BTDA、6FDA、ODPAが好ましく、ポリイミドの溶剤溶解性が高いことから、BPDA、6FDA、ODPAが特に好ましい。
<ポリイミド溶液の噴霧乾燥>
本発明に係るポリイミド成形体は、本発明に係るポリイミド溶液を所定の温度で噴霧乾燥させることで得られる。
本発明に係るポリイミド溶液を噴霧乾燥する方法は、本発明に係るポリイミド成形体が得られれば特に限定されない。通常、噴霧乾燥器(スプレードライヤー)を用いる。この噴霧乾燥器としては、ポリイミド溶液を噴出すための圧力ノズルと、噴出されたポリイミドを乾燥するための乾燥室とを少なくとも備える噴霧乾燥器が好ましい。この噴霧乾燥器としては、例えば、特開平1−194901号公報に記載されたスプレードライヤー装置や、特開平8−299701号公報に記載された噴霧乾燥装置などを用いることができるが、これらに限定されない。
噴霧方式は、回転ディスク、加圧ノズル、一流体ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、超音波ノズル等、従来の方式を採用できる。特に、得られるポリイミド成形体の形状が、加工成形が容易な粉体になり易いことから、二流体ノズル、四流体ノズルが好ましい。
上記噴霧乾燥時の温度は、用いる溶剤の沸点に応じて調整すればよいが、固形のポリイミドを得るためには、用いる溶剤の沸点の−50℃以上であることが好ましい。上記噴霧乾燥時の温度は、用いる溶剤の沸点の−40℃以上がさらに好ましく、−25℃以上が特に好ましい。上記噴霧乾燥時の温度の上限は、噴霧乾燥器の耐久性にもよるが、用いる溶剤の沸点の+100℃以下が好ましく、+50℃以下が好ましく、+25℃が特に好ましい。温度が高すぎると溶剤が急激に蒸発して所望のポリイミド成形体が得られなかったり、噴霧器付近でポリイミドが固化して目詰まりが起こることがある。温度が低すぎると乾燥が不十分となり、ポリイミド成形体が癒着したり、ベトつくことがある。
特に、テトラヒドロフラン(沸点:66℃)を溶剤として用いる場合には、上記噴霧乾燥時の温度は40℃〜160℃であってもよく、45℃〜155℃が好ましく、50〜150℃が特に好ましい。
また、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点:165℃)を溶剤として用いる場合には、上記噴霧乾燥時の温度は130℃〜260℃であってもよく、140℃〜260℃が好ましく、150℃〜250℃が特に好ましい。
N−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃)を溶剤として用いる場合には、上記噴霧乾燥時の温度は160℃〜300℃であってもよく、170℃〜280℃が好ましく、180℃〜270℃が特に好ましい。
上記噴霧乾燥により得られるポリイミド成形体の形状は特に限定されない。粉状、糸状、綿状などの種々の形状となることがある。中でも、噴霧乾燥の連続操業をより安定的に行うことができることから、粉状のポリイミド成形体が得られることが好ましい。もちろん、その他の形状のポリイミド成形体であっても製品の形状として問題はない。
上記噴霧乾燥により得られるポリイミド成形体の粒子径は特に限定されない。取扱いの観点から、ポリイミド成形体の粒子径は1〜20μmであってもよく、2〜15μmが好ましく、4〜10μmが特に好ましい。
ここで、ポリイミド成形体の粒子径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装(株)製MT−3300EX2)を用い、測定溶剤として1−ブタノール(溶媒屈折率=1.40)を用いて湿式レーザー回折法により測定を行い、粒子の屈折率を1.81と仮定した際の中心粒子径を指す。
上記噴霧乾燥により得られるポリイミド成形体に残存する溶剤の量は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。残存溶剤量が30質量%より高いとポリイミド成形体が癒着したり、ベトつくことがある。
本発明の方法により得られるポリイミド成形体は種々の用途に容易に用いることができる。また、上述の原料化合物から合成したポリイミド重合液を本発明の方法に供して、重合液中から、種々の形状のポリイミド成形体を容易に分離することができる。
得られたポリイミド成形体は、本発明に係る溶剤の他、別の種類の溶剤に溶解させたポリイミド溶液として種々の用途に供してもよい。このように、本発明に係るポリイミド溶液に含まれる溶剤(第1の溶剤)を、所望の用途に応じて、別の種類の溶剤(第2の溶剤)に置き換えることもできる。その別の種類の溶剤は特に限定されない。例えば、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒、ラクトン系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒などの有機溶剤を用いることができ、これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
上記アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等が挙げられる。
上記芳香族性溶媒としては、ベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等が挙げられる。
上記ハロゲン系溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等が挙げられる。
上記ラクトン系溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
上記アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
1.ポリイミド溶液(ワニス)の調製
[調製例1] ポリイミド(A)のTHF溶液の調製
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量2Lの三口フラスコに、212.1g(400mmol)のHFIP−MDA、177.7g(400mmol)の6FDA、480gのテトラヒドロフラン(THF)を加えて、窒素雰囲気下、20℃で攪拌して反応液を得た。得られた反応液に、126.6g(1600mmol)のピリジン、163.3g(1600mmol)の無水酢酸を順に加え、さらに20℃で24時間攪拌してイミド化を行い、下記反応式で示されるポリイミド(A)を得た。その後、717.3gのTHFを加えて、ポリイミド(A)の20wt%THF溶液(以下、「ワニスA」を称することがある。)を調製した。
ワニスAのGPC測定(機種名:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−H(東ソー株式会社製)、溶媒:テトラヒドロフラン)を行ったところ、Mw=74100、Mw/Mn=1.91であった。
Figure 2017132845
ポリイミド(A)のTHF溶液(ワニスA)の一部をTHFで希釈して、ポリイミド(A)の10wt%THF溶液(以下、「ワニスB」と称することがある。)、ポリイミド(A)の5wt%THF溶液(以下、「ワニスC」と称することがある。)をそれぞれ調製した。
[調製例2] ポリイミド(A)のDMAc溶液の調製
THFの代わりにジメチルアセトアミド(DMAc)を用いた以外は、調製例1と同様の方法により、下記反応式で示されるポリイミド(A)の20wt%DMAc溶液(以下、「ワニスD」と称することがある。)を調製した。
ワニスDの前記GPC測定を行ったところ、Mw=57200、Mw/Mn=2.08であった。
Figure 2017132845
ポリイミド(A)の20wt%DMAc溶液(ワニスD)の一部をDMAcで希釈して、ポリイミド(A)の10wt%DMAc溶液(以下、「ワニスE」と称することがある。)、ポリイミド(A)の7.5wt%DMAc溶液(以下、「ワニスF」と称することがある。)、ポリイミド(A)の5wt%DMAc溶液(以下、「ワニスG」と称することがある。)をそれぞれ調製した。
[調製例3] ポリイミド(A)のNMP溶液の調製
THFの代わりにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いた以外は、調製例1と同様の方法により、下記反応式で示されるポリイミド(A)の20wt%NMP溶液(以下、「ワニスH」と称することがある。)を調製した。
ポリイミド(A)のDMAc溶液(ワニスH)の前記GPC測定を行ったところ、Mw=122000、Mw/Mn=1.96であった。
Figure 2017132845
ポリイミド(A)の20wt%NMP溶液(ワニスH)をNMPで希釈して、ポリイミド(A)の5wt%NMP溶液(以下、「ワニスI」と称することがある。)を調製した。
[調製例4] ポリイミド(B)のDMAc溶液の調製
HFIP−MDA、6FDA、THFの代わりに、212.1g(400mmol)のHFIP−mTB、117.7g(400mmol)のBPDA、480gのDMAcを用いた以外は、調製例1と同様の方法により、下記反応式で示されるポリイミド(B)のDMAc溶液(以下、「ワニスJ」と称することがある。)を調製した。
ポリイミド(B)のDMAc溶液(ワニスJ)の前記GPC測定を行ったところ、Mw=76100、Mw/Mn=1.80であった。
Figure 2017132845
ポリイミド(B)の20wt%DMAc溶液(ワニスJ)の一部をDMAcで希釈して、ポリイミド(B)の5wt%DMAc溶液(以下、「ワニスK」と称することがある。)を調製した。
2.ポリイミド溶液(ワニス)の噴霧乾燥
[実施例1〜16、比較例1〜2]
調製例1〜4で得られたポリイミド溶液を、スプレードライヤー(噴霧方式:4流体ノズル)を用いて、所定の送液流量、所定の圧力(ノズルガス圧力)、所定の温度(スプレードライヤーの入口温度)で噴霧乾燥して、ポリイミド成形体をそれぞれ得た。これらの結果を表1に示す。
Figure 2017132845
表1で示されるように、用いた溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥を行った実施例1〜16のいずれにおいても、噴霧乾燥により固形のポリイミド成形体が得られた。一方、用いた溶剤の沸点の−50℃よりも低い温度で噴霧乾燥を行った比較例1〜2では、ポリイミド成形体を十分に乾燥できず、固形のポリイミド成形体を得ることができなかった。
<粒度分布測定>
得られたポリイミド成形体の粒子径を、マイクロトラック粒度分析計(日機装(株)製MT−3300EX2)を用いて、湿式レーザー回折法により測定した。このとき、測定溶剤として1−ブタノール(溶媒屈折率=1.40)を用いて、粒子の屈折率を1.81と仮定した際の中心粒子径を求めた。
得られたポリイミド成形体の粒子径はそれぞれ以下のとおりであった:
実施例2(8.94μm)、実施例4(4.82μm)、実施例7(15.5μm)、実施例8(13.3μm)、実施例9(9.89μm)、実施例10(6.36μm)、実施例11(6.67μm)、実施例16(9.36μm)。
[参考例] 貧溶媒による析出・乾燥プロセスによるポリイミド粉末の作製
メカニカルスターラーで撹拌している水(500g)とメタノール(500g)の混合溶液中に、ポリイミド(A)の20wt%DMAc溶液(296.1g)を滴下し、ポリイミド(A)を固化させた。固化したポリイミド(A)を回収し、該回収したポリイミド(A)と水(200g)をミキサーにいれて粉砕した。その後、ろ過により回収したポリイミド(A)を、水(500g)とメタノール(500g)の混合溶液中に入れ、1時間撹拌を行った後、減圧濾過し、ポリイミド(A)を回収した。回収したポリイミド(A)をシャーレに入れて、減圧オーブンで100℃、0.5Paで16時間乾燥を行ったところ、103.8g(理論回収量:94.98g)のポリイミド(A)粉末が得られた。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド成形体の製造方法であって、
    下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させることを特徴とする、製造方法。
    Figure 2017132845
    (一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Rは芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。)
    Figure 2017132845
  2. 溶剤が、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒またはラクトン系溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、ベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンまたはα−メチル−γ−ブチロラクトンであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. 溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンまたはα−メチル−γ−ブチロラクトンであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  5. 溶剤が、N−メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、トリオキサン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン、であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  6. ポリイミド溶液中、溶剤に対してポリイミドが1〜30質量%含まれることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
  7. 噴霧乾燥をスプレードライヤーを用いて行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の製造方法。
  8. スプレードライヤーが二流体ノズルまたは四流体ノズルを備えることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  9. 噴霧乾燥を前記溶剤の沸点の−50℃以上+100℃以下の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載製造方法。
  10. ポリイミド溶液が、
    下記一般式(2)で表されるジアミンと、下記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを溶剤中で縮重合してポリアミック酸を得て、次いで該ポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミド重合液であることを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載の製造方法。
    Figure 2017132845
    (一般式(2)中、R、RおよびRは一般式(1)中のR、RおよびRとそれぞれ同義である。)
    Figure 2017132845
    (一般式(3)中、Rは、一般式(1)中のRと同義である。)
  11. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド成形体と溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液の製造方法であって、
    一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと第1の溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該第1の溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させてポリイミド成形体を得る工程と、
    該ポリイミド成形体と、第2の溶剤とを配合してポリイミド溶液を得る工程とを、
    含むことを特徴とする、製造方法。
    Figure 2017132845
    (一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Rは芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。)
    Figure 2017132845
  12. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド成形体と溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液において、該溶剤を別の溶剤に置き換える方法であって、
    一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミドと第1の溶剤とを少なくとも含むポリイミド溶液を、該第1の溶剤の沸点の−50℃以上の温度で噴霧乾燥させてポリイミド成形体を得る工程と、
    ポリイミド成形体と、第2の溶剤とを配合してポリイミド溶液を得る工程とを、
    含むことを特徴とする、方法。
    Figure 2017132845
    (一般式(1)中、Rは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、スルホキシ結合、メチレン基又はエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Rは芳香環を含む4価の有機基であって、以下の何れかの構造で表される。)
    Figure 2017132845
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