JP2017132238A - チェンソー - Google Patents

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Kenji Naganuma
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Abstract

【課題】ブレーキ作動時にブレーキ構成部品が発熱しても、暖められた空気を効率良く外部に逃がすようにしてブレーキ収容空間を効果的に冷却できるチェンソーを実現する。
【解決手段】
ソーチェンを駆動させるエンジンと、エンジンの出力軸に接続される遠心クラッチ機構と、遠心クラッチ機構のクラッチドラム30を外周側に巻かれたブレーキベルト40にて締め付けることによってソーチェンの回転を停止させるブレーキ機構を有するチェンソーにおいて、本体ハウジング2にブレーキ機構とクラッチドラム30を収容するブレーキ収容室51を設けた。そしてブレーキ収容室51のクラッチドラム30よりも上側部分に穴を設け、下側部分に冷却用の穴70を設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータを駆動源として無端状のソーチェンを回転駆動して木材等の切断を行うチェンソーに関するものである。
動力源として小型のエンジンや電気モータを用いたチェンソーが広く用いられている。エンジンチェンソーは遠心クラッチが備わっており、駆動軸の回転数が設定値を超えると、遠心クラッチが接続状態となり駆動軸からスプロケットへと動力が伝達されてソーチェンが回転する。駆動軸の回転数が設定値未満である場合には遠心クラッチが遮断状態になって、駆動軸からの動力伝達が阻止されてソーチェンは停止状態を維持する。
木材等の被切断物の切断中にチェンソーのはね返りが起きた場合、又は何らかの理由によってソーチェンの回転を直ちに停止させたい場合には、作業者はフロントハンドルの前方側に配置されるブレーキレバーを前方に倒してブレーキ機構を作動させることによりソーチェンの回転を停止できる。このブレーキ機構は例えば特許文献1に開示されており、ブレーキレバーにより作動されるブレーキ機構は機械的なブレーキであって、スプロケットと連動して回転する回転体にブレーキバンドを外周側に配置し、ブレーキレバーの作動時にリンク機構を用いてブレーキバンドを強く締め付けることにより回転体の回転を停止させる。
特開2013−144422号公報
従来のチェンソーにおいては、ブレーキハンドル(ブレーキ操作部)ブレーキリンク機構を本体ハウジング側に設けて、それらをカバーにて覆うようにしている。しかしながら、ブレーキ稼働時に発熱するブレーキバンドがカバーで覆われた空間内にある上に、その空間内を積極的に冷却するための冷却穴がないため、ブレーキ稼働によりブレーキバンドが発熱した場合に熱により本体ハウジングを痛めてしまう恐れがあった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ブレーキバンドが発熱した場合に、ブレーキバンドにより暖められた空気を効率良く外部に逃がすと共に、冷たい外気を効率良くブレーキ収容空間内に取り込むようにしたチェンソーを提供することにある。
本発明の他の目的は、冷却穴をラビリンス構造とすることにより、木屑等が舞い散る状態であっても木屑が冷却穴からブレーキ機構部分に到達しにくくしたチェンソーを提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の特徴によれば、ソーチェンを駆動させる駆動源と、駆動源を収容する本体ハウジングと、ソーチェンの回転を停止させるブレーキ機構と、ブレーキ機構を作動させるブレーキ操作部と、ブレーキ操作部の操作によりブレーキ機構を作動させるブレーキリンクと、を有するチェンソーであって、本体ハウジングに、ブレーキ機構を収容するブレーキ収容室を構成し、ブレーキ収容室に冷却穴を設けるようにした。ブレーキ機構は、駆動源の動力により回転するクラッチドラムと、クラッチドラムに対して作用するブレーキバンドと、ブレーキリンクを所定方向に付勢するスプリング等の弾性体を有するもので、冷却穴は、本体ハウジングのクラッチドラムよりも上側部分と下側部分の双方又はいずれか一方に設けられる。ここで冷却穴はラビリンス状に形成すると良い。
本発明の他の特徴によれば、ブレーキ収容室は本体ハウジング側に形成された凹部と、凹部を覆うようにして本体ハウジングに固定されるブレーキリンクカバーにより画定され、冷却穴は、ブレーキハウジング側又は/及びブレーキリンクカバーに形成するか、又は、ブレーキハウジングとブレーキリンクカバーの隙間部分に形成された切り欠き等によって構成する。
本発明のさらに他の特徴によれば、ブレーキリンクカバーには、クラッチドラムに接続されてソーチェンを駆動するスプロケットを貫通させるための開口部が設けられる。さらに、スプロケットを収容する空間を覆うことによりソーチェン走行室を形成するサイドカバーを設け、上側に設けられる冷却穴がブレーキ収容室からサイドカバーで覆われる空間内に向けて開けられるように構成した。ブレーキ収容室は、駆動源の回転軸方向に見て駆動源とソーチェンの間に設けられる。また、ソーチェン走行室の上部に分離壁を設けて第三の空間を画定し、上側の冷却穴はソーチェン走行室側から第三の空間に開口するようにして上側の冷却穴が外気に直接露出しないように構成した。
本発明によれば、ブレーキバンドにより発生する熱を逃がすための冷却穴が本体ハウジングに設けられるので、発生した熱が自然対流で冷却穴を介して放出される。また、冷却穴をラビリンス構造としたので冷却穴から木屑等が侵入しにくくなる。さらに、本体ハウジングとソーチェンを覆うためのサイドカバーで構成される空間(木屑が存在する空間)とは別の第三の空間を設けて、第三の空間を介してブレーキ収容室からの熱を外部に逃がすようにしたので、ブレーキ収容室への木屑等の侵入の恐れをさらに低下させることができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るチェンソー1の右側面図である。 図1のサイドカバー5を取り外した状態のチェンソー1の部分右側面図である。 図2の状態からブレーキリンクカバー6を取り外した状態のチェンソー1の部分右側面図である。 本発明の実施例に係るチェンソー1のブレーキ機構収容部の斜視図である。 図4の状態からスプロケット31とクラッチドラム30を取り外した状態を示す斜視図である。 図2のA−A部の断面図である。 ソーチェン走行室35とブレーキ収容室45の位置関係を説明するための図である。 従来のチェンソー101のサイドカバー及びブレーキリンクカバー106を取り外した後の右側面部分図である。 従来のチェンソー101のブレーキリンクカバー106の単体形状を示す側面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1は本発明の実施例に係るチェンソー1の右側面図である。チェンソー1は、2サイクルのエンジン(後述)を用いて、ガイドバー11の周囲で周回するソーチェン(図示せず)を高速で回転させることによって木や枝などの切断をする。エンジンは本体ハウジング2に収容され、ガイドバー11は本体ハウジング2の右側側面から前方側に延びるように配置される。本体ハウジング2はエンジンを収容するだけでなく、その周囲にガイドバー11やハンドル類、カバー類、スパイク12を取り付けるもので、チェンソー1の骨格部分である。本実施例では本体ハウジング2の一部にブレーキリンク機構を収容する空間が形成され、その空間はブレーキリンクカバー6によって覆われる。ブレーキリンクカバー6の外側にはスプロケット(図2で後述)が回転するソーチェン走行空間が形成され、ソーチェン走行空間はサイドカバー5によって覆われる。サイドカバー5にはガイドバー11を固定するためのボルトが本体ハウジング2に設けられ、取付けナット10でガイドバー11と共に固定される。
本体ハウジング2の前方には作業者が把持するフロントハンドル8が固定され、後方側にはリヤハンドル3が設けられる。フロントハンドル8の一方側の端部が複数のネジ8aによって本体ハウジング2の右側に固定され、他方の端部が左側に固定される。リヤハンドル3には、図示しない気化器を操作してエンジンの出力を調整するスロットルレバー4aと、スロットルレバー4aのロックを解除するロックレバー4bが設けられる。フロントハンドル8の前方側にはブレーキの操作部たるブレーキハンドル(ハンドガード)9が設けられ、ブレーキハンドル9を図1で示す位置から前方側に倒すことにより、ソーチェンの回転を瞬時に止めることができる。ブレーキハンドル9は本体ハウジング2に軸支されるもので、所定の角度だけ前後方向に回動できる。本体ハウジング2の上側は大きな開口部が設けられ、固定用ネジ7aによって取外し可能なトップカバー7が装着される。
図示しないエンジンは、本体ハウジング2の内部においてチェンソー1の前後方向と垂直な左右方向に延びるクランク軸(図示せず)が配置され、クランク軸の左側端部には冷却ファンとリコイルスタータ(共に図示せず)が設けられる。クランク軸の右側端部には遠心クラッチ機構が設けられ、遠心クラッチ機構の回転ドラムに後述するスプロケットが取り付けられる。作業者がエンジンを始動させて、リヤハンドル3に設けられるスロットルレバー4aを引くとエンジンの回転が上昇して、図示しない遠心クラッチが接続することによりエンジンの回転力が伝達されてソーチェン(図示せず)が回転する。運転中のエンジンを停止させるためには、本体ハウジング2の一部に設けられた図示しないストップスイッチをオフにする。
図2は図1のサイドカバー5を取り外した状態のチェンソー1の部分側面図である。ここでは本体ハウジングのサイドカバー5にて覆われる部分のみを図示している。本体ハウジング2には上方に延びるブレーキハンドル9が回動可能に保持される。ブレーキハンドル9の右側回動部分にはブレーキリンク機構が収容されるが、ブレーキリンク機構は4つの取付ネジ42a〜42dの4つのネジによって固定されるブレーキリンクカバー6によって覆われる。ブレーキリンクカバー6にはクラッチドラム30に相当する大きさであってスプロケット31を貫通させる開口6aを有し、後述するブレーキバンドがクラッチドラム30から外れることを防止する。クラッチドラム30はエンジンの動力により回転するもので、クラッチドラム30にはスプロケット31が固定される。スプロケット31の前方側の本体ハウジング2部分にはガイドバー11を固定するための取付部53が形成され、2本の取付けボルト54が設けられる。ブレーキリンクカバー6の取付ネジ42aと42bの下端付近を結ぶような位置に、略水平な壁面となるリブ67が設けられる。リブ67よりも上側の空間はソーチェンが走行する空間(後述するソーチェン走行室)の上側に形成される第三の空間となる部分である。ブレーキリンクカバー6のリブ67の上方には、3つの冷却穴66が形成される。
図3は図2の状態からブレーキリンクカバー6を取り外した状態を示す図である。但し、図3においてはブレーキリンクカバー6を外した状態にほぼ相当する図であるが、作動プレート25の上側付近のブレーキリンクカバー6の断面形状と回動規制部材61の断面形状をあえて図示したものとしている。本実施例に係るチェンソー1には、機械式のブレーキ機構が設けられている。このブレーキ機構は、ソーチェンの回転に制動を加えるものであって、遠心クラッチのクラッチドラム30の外周に巻装されたベルト状のブレーキバンド40と、このブレーキバンド40をクラッチドラム30に巻き付け或は巻き付けを解除するリンク機構(20、24、25)と、リンク機構を所定方向に付勢するブレーキスプリング33を含んで構成される。本体ハウジング2には、これらブレーキ機構(20、24、25、33)、クラッチドラム30、回転規制部材取付軸57を収容するために内側に窪んだ部分、即ち窪み51が形成される。窪み51の外縁は図3のような側面視においてブレーキリンクカバー6(図2及び後述する図7参照)の外縁形状に相当する。また、本体ハウジング2の窪み51の外周縁付近の4カ所には、ブレーキリンクカバー6をネジ止めするための4つのネジボス52a〜52dが形成される。
クラッチドラム30は軸方向に所定の幅を有する円筒状の部材であって、その外周面にブレーキバンド40を巻くことにより機械的なブレーキ機構として作用する。ブレーキバンド40は金属製の帯状部材であって、一端側がU字状に曲げられ、先端付近にブレーキバンド40の抜け防止するように保持するためのニードル40aが形成される。ブレーキバンド40は側面視で円形に曲げられて他方の端部40bに形成されたフック部がブレーキリンク機構にて掛止される。ブレーキバンド40によってクラッチドラム30を制動するには、ブレーキリンク機構を動作させてブレーキバンド40を矢印48の方向に引っ張ることにより、クラッチドラム30の外側の沿わせているブレーキバンド40の径が小さくしてクラッチドラム30に密着させる。ブレーキを解除する際には、矢印48の方向に引っ張る力を解除すればブレーキバンド40の復元力によって円形部分の径が大きくなって、クラッチドラム30を締め付ける力が解放される。
ブレーキハンドル9は、本体ハウジング2にて軸支されており、その右側取り付け分は回動軸21によって前後方向に回動可能である。ブレーキハンドル9の右側取付部分の内側には、揺動空間9aが設けられ、その内部にリンク機構の作用部となるリセットプレート20の回動軸21から一端側が収容される。このように揺動空間9aを設けてリセットプレート20の一部を収容するようにしたのは、回動軸21に対するブレーキハンドル9の回動角に比べてリセットプレート20の回動角を大きくするためである。作動プレート25は回動軸26に対して揺動可能に軸支された略L字状の部材で有って、アーム部分の先端にはブレーキバンド40の端部40bを掛止するための掛止部が形成され、さらに、ブレーキスプリング33の一端側のフック部33bを掛止するための 掛止部が形成される。リセットプレート20の揺動端部と作動プレート25の屈曲部付近は、連結プレート24にて連結される。
ブレーキハンドル9の前方側への回動角は、ブレーキハンドル9の回動軸21付近の円柱形の軸部9bの周方向一端側に形成されたストッパ壁部9cが回動規制部材61に当接する事によって規制される。回動規制部材61は合成樹脂製のブレーキリンクカバー6と一体に製造されるものであって、ブレーキリンクカバー6を取り外すことにより回動規制部材61も取り外せるような構成である。尚、図3においてはブレーキリンクカバー6を外した状態にほぼ相当するが作動プレート25のブレーキリンクカバー6の断面形状と回動規制部材61の一部をあえて図示している。作動プレート25に掛止されるブレーキスプリング33の他端たるフック部33aは、本体ハウジング2に形成されたブレーキスプリング保持軸56に掛止される。ブレーキスプリング33は引張りコイルバネによる弾性体であり、両端にフック部33a、33bが形成される。ブレーキスプリング33は、ブレーキの作動時にブレーキバンド40を矢印48の方向に締め付ける力を付与する。ブレーキハンドル9は図示しないスプリングにより常に前方向へ回動するように付勢されている。
ここで図8、図9を用いて従来のチェンソー101のブレーキ機構付近の本体ハウジングの形状を説明する。図1〜図3に示す本実施例と同じ構成要素の部分には同じ番号の参照符号を付している。従来のチェンソー101においては、窪み151はクラッチドラム30の回転軸よりも上側だけに形成され、クラッチドラム30のうち約2/3周分くらいは本体ハウジング102が隣接しており、略円形の窪み部分の壁面102cに対向するように配置される。本体ハウジング102のクラッチドラム30の中心軸の下側部分において、本体ハウジング102の下側側面102dはクラッチドラム30の外側面30aとほぼ同一面とされる。この従来の構造では、クラッチドラム30の下側部分においては、ブレーキバンド40と壁面102cの空間はきわめて小さい。上側の窪み151には図9で示すブレーキリンクカバー106が設けられる。ブレーキリンクカバー106は、下側にクラッチドラム30の上側の円周面の一部に沿うように円弧部106aが形成される。ブレーキリンクカバー106はネジ穴162a、162bとネジボス152a、152b部分(図8参照)にて図示しないネジによって覆われる。このような構成のため、従来の窪み151部分に形成されるブレーキ収容室は、ブレーキ作動時に過大な熱が発生しすぎると、熱が内部にこもってうまく排出されない恐れがあった。
図4は本発明の実施例に係るチェンソー1のブレーキ機構収容部の斜視図である。図3の状態に比べて、ブレーキハンドル9とブレーキスプリング33を取り外した状態を示しており、さらに、ブレーキリンクカバー6及びそれと一体に構成される回動規制部材61も完全に取り外された状態を示している。本実施例では、窪み51の空間がクラッチドラム30の全体を覆う部分まで下側に延長されている。リセットプレート20と作動プレート25は金属製の板状の部材からなり、それらの一部を両側から2枚の連結プレート24にて連結される。連結プレート24は、ローラーチェーンの1コマ分とおなじ作用をするもので、両側に設けられた2つの連結ピンによってリセットプレート20と作動プレート25を連結する。
回転するクラッチドラム30の周囲に巻き付けられるブレーキバンド40には、クラッチドラム30の外周面と接する部分に円形の穴40cが形成される。穴40cは放熱効果向上のために形成されるもので、一定又は不定の間隔にて周方向に複数設けられる。ブレーキバンド40の外周側には、ブレーキバンド40が緩んで径方向の大きさが大きくなった時にその形状を保持するための複数のリブ41が設けられる。さらにブレーキ作動時に発生する熱を放出するために、本体ハウジング2の窪み51の下面部分には複数箇所の風穴70が設けられる。冷却穴70を設ける位置はクラッチドラム30の真下であって、冷却穴70から流入する低温の外気がクラッチドラム30とブレーキバンド40の熱による上昇気流によって上側に吸引されやすいような位置に形成される。さらに、図2に示したようにブレーキリンクカバー6の上端付近であってクラッチドラム30の直上付近にも冷却穴66が開けられるので、ブレーキ稼働時に発生した熱を、下側の冷却穴70と上側の冷却穴66を介して流れる空気流によって効果的に外部に逃がすことが可能となる。また下側の冷却穴70については本体ハウジング2の窪み51に下向き方向に設けられることで木屑等がブレーキ収容室の内部に侵入することを効果的に防止できる。
本体ハウジング2は合成樹脂の一体成型によって製造され、ガイドバー11を取り付ける取付部53と、ネジボス52a〜52d、取り付けガイド55、リブ41、回転規制部材取付軸57等が一体に形成される。取付部53にはガイドバー11を取り付けるための2つの取付けボルト54が本体ハウジングに鋳込まれている。作業者がブレーキハンドル9を前方側(ブレーキ稼働方向)に倒すと、リセットプレート20も同方向に倒されるため、作動プレート25によってクラッチドラム30に巻かれたブレーキバンド40の一端側が引かれるために、クラッチドラム30の回転が停止する。クラッチドラム30にはスプロケット31及びソーチェンが連結されるため、クラッチドラム30の停止によってソーチェンの回転が停止する。
上記状態から作業者がブレーキハンドル9を後方に戻すと、ブレーキハンドル9とリセットプレート20がもとの位置にてブレーキスプリング33の付勢力によって安定して保持されるので、ブレーキバンド40によるクラッチドラム30の締め付けが緩んで、クラッチドラム30とスプロケット31及びソーチェンは自由に回転し得る状態となる。
図5は図4の状態からスプロケット31とクラッチドラム30を取り外した状態を示す斜視図である。この図から理解できるようにブレーキバンド40は周方向に渡って等間隔で複数の穴40cが開けられている。穴40cを設ける理由は、放熱性を上げるため、ブレーキ性能を良くするため、ブレーキバンド40の軽量化のため、クラッチドラム30の外周面に着いた塵埃除去のため等であるが、本実施例の効果を達成するには穴40cを開けなくても良い。穴40cを設ける範囲、即ち周方向の長さは任意であるが、少なくともクラッチドラム30の下側半周分を含む領域に形成すれば良く、本実施例では約2/3周にわたって穴40cを形成している。ブレーキバンド40は外周側に形成された複数のリブ41にてその形状を円形に保つように保持される。ここでは8カ所のリブ41と、ブレーキバンド保持部44の内周壁面の計8カ所において径方向に広がらないようにブレーキバンド40が保持される。リブ41の面方向はクラッチドラム30の径方向となるようにして、ブレーキバンド40とリブ41との接触面積を減らして、摺動抵抗を極力減らしている。このようにリブ41とブレーキバンド40の接触面積が少ないため、ブレーキバンド40の良好な摺動性と共に良好な放熱性を達成できる。窪み51のブレーキドラム30と面する側は、貫通穴2aを除いて壁面となっていて図示しないクランクケース側との空気の流れは阻害される。
図6は図2のA−A部の断面図である。ここではクラッチドラム30の全体と、遠心クラッチ(30、34)を本体ハウジング2に形成された窪み51による空間(ブレーキ収容室)内に収容するようにした。窪み51は右側に開口するように本体ハウジング2の右側側面部分に合成樹脂の成型によって形成される部分であって、クラッチドラム30及び遠心クラッチ構成要素34に加えて、クラッチドラム30の外周に巻装されたベルト状のブレーキバンド40の全体部分、ブレーキリンク機構(20、24、25)、及び、ブレーキスプリング33を収容する空間である。窪み51の開口部分は、クラッチドラム30の外側面30a部分を除いてブレーキリンクカバー6によって全体が覆われる。ブレーキリンクカバー6の鉛直方向に延びる壁面は、クラッチドラム30の外側面30aとほぼ同一面になるように形成され、ブレーキリンクカバー6の開口6aとクラッチドラム30との隙間を少なくして木屑等がブレーキ収容室内に入り込みにくいようにしている。
ブレーキリンクカバー6の右側側面であって、クラッチドラム30よりも上側部分には、側面から右側に直交する様に延びるリブ67が設けられ、リブ67はサイドカバー5の内壁側に形成されたリブ5bと当接することによりソーチェンの走行する空間の上部に第三の空間36を形成する。第三の空間36はブレーキハンドル9とリセットプレート20(図2参照)が上方に延びる部分にて外気と連通するが、それ以外の部分では閉鎖された空間となる。ブレーキリンクカバー6の外側部分かつサイドカバー5の内側部分の空間には駆動軸15に取り付けられたスプロケット31によって図示しないソーチェンが周回する。スプロケット31は、固定プレート32を介して止め輪16によってクラッチドラム30の出力軸30bに固定される。
ブレーキ収容室のうちクラッチドラム30とそれに巻かれたブレーキバンド40部分の上側には、冷却穴66が形成される。冷却穴66はブレーキ収容室側から第三の空間36側に向けて開口する風窓であって、第三の空間36側には冷却穴66の開口を外側(第三の空間36側)から覆うようにして延びる、断面形状でかぎ状の部分66aが形成される。これは風の通路を狭くて曲げるという、いわゆるラビリンス構造としたものである。このように冷却穴66をラビリンス状とすれば第三の空間36内に木屑等が入ったとしても冷却穴66を介して窪み51内の空間側へ入る恐れはほとんどない。尚、冷却穴66をラビリンス構造とするかどうかは任意であり、第三の空間36の構造上、木屑等が第三の空間36側からブレーキ収容室側に入る恐れがないならば、かぎ状部分66aを設けなくても良いし、網目状又は細いスリット状にしても良い。
ブレーキ収容室の下側には冷却穴70が設けられる。冷却穴70を設ける位置は、クラッチドラム30及びクラッチドラム30の外周に巻装されたベルト状のブレーキバンド40の真下の部分とすると好ましいが、クラッチドラム30の直下で無くても外気が入り込みやすい部分であれば良い。下側の冷却穴70については本体ハウジング2の底面壁に下向きに設けてソーチェン走行室35側に開口しないことで木屑等が内部に侵入することを効果的に防止できる。さらに、冷却穴70の近傍にはリヤハンドル3を保持するフレーム80の壁面が近接するようにすれば、冷却穴70を介して木屑等がブレーキ収容室に入る恐れを大幅に低減させることができる。尚、下側の冷却穴70はブレーキ収容室の底面部分だけに限られずに、側面部分、例えばブレーキリンクカバー6の後方側であってネジボス52c付近(図3参照)に形成しても良い。また、上側の冷却穴66と下側の冷却穴70は、本体ハウジング2とブレーキリンクカバー6の隙間部分に形成するようにしても良く、この場合は本体ハウジング2の窪み51の外縁部分に窪み部分を設けるか、又はブレーキリンクカバー6の外縁部に切欠部を形成するようにして、それらを接合した際に空間が生ずるようにすれば良い。
図7は、ソーチェン走行室35とブレーキ収容室45の位置関係を説明するための図である。図7中の右側の黒太線で囲んだ部分がブレーキ収容室45となり、その隣に隣接する空間がソーチェン走行室35となる。ブレーキ収容室45は、駆動源たるエンジンの回転軸(クランク軸)の軸方向に見て、エンジンとソーチェンの間に設けられる。さらに、ソーチェン走行室35の上側部分に分離壁を設けてサイドカバー5とブレーキリンクカバー6によって覆われる第三の空間36を画定した。本実施例では冷却穴66がソーチェン走行室35に向けて開口されるのでは無く、ソーチェン走行室35とは独立した第三の空間36に開口されるので、冷却穴66が木屑の多く存在するソーチェン走行室35とは隔離された状態を保てるので、ブレーキ収容室45への木屑等の混入の恐れを大幅に低減できた。同様にして冷却穴70についてもソーチェン走行室35に向けて開口されるのでは無いようにした。
本実施例によれば、エンジン等の駆動源を内蔵する本体ハウジング2にブレーキバンド40を配置するチェンソー1であって、ブレーキバンド40の上下に位置するように本体ハウジング2又はブレーキリンクカバーに冷却穴66、70を設けた。この構成によりブレーキの稼働時にブレーキバンド40が発熱しても、ブレーキバンド40により暖められた空気は上部の冷却穴66から第三の空間36に抜けると共に、下部の冷却穴70から外気が侵入するので、ブレーキ収容室45の内部が高温になってしまうことを抑制することができる。また、また仕切り用のリブ5b、67により切断時の木屑がソーチェン走行室35から冷却穴66側に行かないようになる上に、冷却穴66はラビリンス構造となるような形状であるので、切断時の木屑が直接冷却穴66の付近に到達しない。さらに、下部の冷却穴70はチェンソー1本体の下向きになるような開口とするので、ブレーキ収容室45の内部に入り込んだ木屑が外部に排出されやすくなるという効果もある。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば本実施例のブレーキ機構は、本体ハウジング2側に形成された凹部(窪み51)側に固定されるが、ブレーキ機構の固定を本体ハウジング2に固定されるカバー側に固定するようにしても良く、その場合も本体ハウジング2側又は/及びカバー側に冷却穴を開けることで本発明の効果を得られる。また、本実施例の冷却穴構造は、遠心クラッチに対してブレーキ機構を設けたエンジン式のチェンソーだけに限られずに、電気モータを駆動源としてブレーキドラム又はブレーキディスクを有するブレーキ収容室を持ったチェンソーであっても同様に適用できる。さらに、遠心クラッチを設けた刈払機、カッタ等のエンジン作業機においても同様に適用できる。
1 チェンソー 2 本体ハウジング 2a 貫通穴 3 リヤハンドル
4a スロットルレバー 4b ロックレバー 5 サイドカバー
5b リブ 6 ブレーキリンクカバー 6a 開口 7 トップカバー
7a 固定用ネジ 8 フロントハンドル 8a ネジ
9 ブレーキハンドル 9a 揺動空間 9b 軸部
9c ストッパ壁部 10 ナット 11 ガイドバー 12 スパイク
15 駆動軸 16 止め輪 20 リセットプレート 21 回動軸
24 連結プレート 25 作動プレート 26 回動軸
30 クラッチドラム 30a 外側面 30b 出力軸
31 スプロケット 32 固定プレート 33 ブレーキスプリング
33a、33b フック部 34 遠心クラッチ構成要素
35 ソーチェン走行室 36 第三の空間 40 ブレーキバンド
40a ニードル 40b 端部 40c 穴 41 リブ
42a〜42d 取付ネジ 44 ブレーキバンド保持部
45 ブレーキ収容室 51 窪み 52a〜52d ネジボス
53 取付部 54 取付けボルト 55 ガイド
56 ブレーキスプリング保持軸 57 回転規制部材取付軸
61 回動規制部材 62a〜62d ネジ穴 66 冷却穴
66a かぎ状部分 67 リブ 70 冷却穴 80 フレーム
101 チェンソー 102 本体ハウジング 102c 壁面
102d 下側側面 106 ブレーキリンクカバー 106a 円弧部
151 窪み 162a、162b ネジ穴

Claims (10)

  1. ソーチェンを駆動させる駆動源と、前記駆動源を収容する本体ハウジングと、前記ソーチェンの回転を停止させるブレーキ機構と、前記ブレーキ機構を作動させるブレーキ操作部と、前記ブレーキ操作部の操作により前記ブレーキ機構を作動させるブレーキリンクと、を有するチェンソーであって、
    前記本体ハウジングに、前記ブレーキ機構を収容するブレーキ収容室を構成し、前記ブレーキ収容室に冷却穴を設けたことを特徴とするチェンソー。
  2. 前記ブレーキ機構は、前記駆動源の動力により回転するクラッチドラムと、前記クラッチドラムに対して作用するブレーキバンドと、前記ブレーキリンクを所定方向に付勢する弾性体を有することを特徴とする請求項1に記載のチェンソー。
  3. 前記冷却穴は、前記本体ハウジングの前記クラッチドラムよりも下側部分に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のチェンソー。
  4. 前記冷却穴は、前記クラッチドラムより上側に設けられたことを特徴とする請求項3に記載のチェンソー。
  5. 前記冷却穴がラビリンス状に構成されたことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のチェンソー。
  6. 前記ブレーキ収容室は、前記本体ハウジング側に形成された凹部と、前記凹部を覆うようにして前記本体ハウジングに固定されるブレーキリンクカバーにより画定され、
    前記冷却穴は、前記本体ハウジング側又は/及び前記ブレーキリンクカバーに形成されたことを特徴とする請求項4に記載のチェンソー。
  7. 前記ブレーキ収容室は、前記本体ハウジング側に形成された凹部と、前記凹部を覆うようにして前記本体ハウジングに固定されるブレーキリンクカバーにより構成され、
    前記冷却穴は、前記本体ハウジング側と前記ブレーキリンクカバーの隙間部分に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のチェンソー。
  8. 前記ブレーキリンクカバーには、前記クラッチドラムに接続されて前記ソーチェンを駆動するスプロケットを貫通させる開口部が設けられ、
    前記スプロケットを収容する空間を覆うことによりソーチェン走行室を形成するサイドカバーを設け、
    上側に設けられる前記冷却穴は前記ブレーキ収容室から前記サイドカバーで覆われる空間内に向けて開けられることを特徴とする請求項6又は7に記載のチェンソー。
  9. 前記ブレーキ収容室は、前記駆動源の回転軸方向に見て前記駆動源と前記ソーチェンの間に設けられることを特徴とする請求項8に記載のチェンソー。
  10. 前記ソーチェン走行室の上部に分離壁を設けて第三の空間を画定し、
    上側の前記冷却穴は前記ソーチェン走行室側から前記第三の空間に開口することを特徴とする請求項9に記載のチェンソー。
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