JP2017132213A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気性を阻害されることなく、シート間の剥離が抑制された積層体の提供。
【解決手段】第1繊維を含む第1シート1と、第1シート1に積層され、第2繊維を含む第2シート2と、第1シート1と第2シート2との間に介在する接着剤4と、を備え、接着剤4が、積層体10の端辺S1,S2に沿ったライン状の領域LSを形成するように配置されており、第1シート1と第2シート2とが、ライン状の領域LSを介して接着されており、接着剤4は、さらに、積層体10の端辺S1,S2を含む端部以外の中央部に、端辺S1,S2に沿う方向のライン状の領域LSを形成するように配置されている、積層体10。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数のシートが接着剤を用いて積層された積層体およびその製造方法に関する。
複数のシートが積層された積層体は、強度が高いため、様々な用途に用いられている。例えば、特許文献1は、基材である不織布と、保護層としての他の不織布と、これらの間に介在する極細繊維層と、を備える積層体を、空気清浄機の濾材として使用することを提案している。このような積層体は、例えば、基材である不織布(第1シート)に、電界紡糸法により極細繊維を堆積させた後、接着剤を塗布し、保護層として他の不織布(第2シート)を積層させることにより得られる。
特開2014−121699号公報
複数のシートを接着剤を介して積層する場合、接着剤の量が十分でないと、シート間で剥離が生じる。シート間の剥離を防止するために接着剤の量を増やすと、接着剤によって通気性が阻害され、圧力損失が増大する。
本発明の一局面は、第1繊維を含む第1シートと、前記第1シートに積層され、第2繊維を含む第2シートと、前記第1シートと前記第2シートとの間に介在する接着剤と、を備える積層体であって、前記接着剤が、前記積層体の端辺に、前記端辺に沿ったライン状の領域を形成するように配置されており、前記第1シートと前記第2シートとが、前記ライン状の領域を介して接着されている、積層体に関する。
本発明の他の一局面は、第1繊維を含む第1シートおよび第2繊維を含む第2シートを準備する準備工程と、接着剤を、ライン状の領域を形成するように前記第1シートに付与する接着剤付与工程と、前記接着剤を介して、前記第1シートに前記第2シートを積層する積層工程と、前記積層工程の後、積層された前記第1シートおよび前記第2シートを裁断する裁断工程と、を具備し、前記裁断工程において、積層された前記第1シートおよび前記第2シートを、前記ライン状の領域を分断しながら裁断する、積層体の製造方法に関する。
本発明によれば、積層体のシート間の剥離が抑制される。
本発明の実施形態に係る積層体を模式的に示す上面図である。 図1に示された積層体のX−X線における断面図である。 接着剤によって形成されるライン状の領域の一部について説明する上面図である。 本発明の実施形態に係る積層体におけるライン状の領域の配置を説明する上面図である。 本発明の他の実施形態に係る積層体におけるライン状の領域の配置を説明する上面図である。 本発明の実施形態に係る積層体の製造装置を示す図である。
本発明に係る積層体は、第1繊維を含む第1シートと、第1シートに積層され、第2繊維を含む第2シートと、第1シートと第2シートの間に介在する接着剤と、を備える。接着剤は、積層体の端辺に、端辺に沿ったライン状の領域(以下、接着剤ラインLSと称する)を形成するように配置されており、第1シートと第2シートとは、接着剤ラインLSを介して接着されている。すなわち、第1シートと第2シートとは、少なくとも端辺で、接着剤ラインLSによって接着されている。これにより、シート間の剥離が抑制される。また、この場合、接着剤の使用量を少なくすることもできる。
接着剤は、さらに、積層体の上記端辺を含む端部(以下、端部T)以外の中央部(以下、中央部C)に、上記端辺に沿う方向の接着剤ラインLCを形成するように配置されていることが好ましい。積層体の接合強度が高まるためである。シート間の剥離を抑制する観点から、端部Tの端辺以外の部分にも、接着剤によって形成される接着剤ラインが配置されていることが好ましい。以下、端部Tに配置される接着剤ライン(接着剤ラインLSを含む)を、接着剤ラインLTと称し、中央部Cに配置される接着剤ラインを、接着剤ラインLCと称す(以下、同じ)。接着剤ラインLTおよび接着剤ラインLCは、それぞれ複数、配置されることが好ましい。
端部Tおよび中央部Cにそれぞれ複数の接着剤ラインが配置される場合、端部Tに配置された隣接する接着剤ラインLT間の平均のピッチPtを、中央部Cに配置された隣接する接着剤ラインLC間の平均のピッチPcよりも小さくすることにより、接着剤を端部Tに偏在させてもよい。圧力損失の増大を抑制しながら、端部Tにおける接合強度を向上させるためである。このとき、ピッチPcに対するピッチPtの割合:Pt/Pcは、0.1〜0.5であることが好ましい。
また、上記のように、端部Tおよび中央部Cにそれぞれ複数の接着剤ラインが配置される場合、端部Tに配置された接着剤ラインLTの平均の幅Wtを、中央部Cに配置された接着剤ラインLCの平均の幅Wcよりも大きくすることにより、接着剤を端部Tに偏在させてもよい。このとき、幅Wcに対する幅Wtの割合:Wt/Wcは、1.5〜20であることが好ましい。これにより、積層体の端部Tにおける接合強度が向上する。さらに、積層体の端部Tを裁断する場合、接着剤ライン上で裁断し易くなって、積層体の切断面、すなわち積層体の端辺に接着剤を容易に配置することができる。
積層体は、さらに、第1シートと第2シートの間に介在する第3シートを備えていてもよい。このとき、積層体を濾材として使用する際の集塵性能の観点から、第3シートは、第1繊維の平均繊維径D1および第2繊維の平均繊維径D2よりも小さい平均繊維径D3を有する第3繊維を含むことが好ましい。
このような第3繊維は、例えば、電界紡糸法により第1シート上に堆積される。つまり、第3繊維を含む第3シートは、第1シート上に接着剤を介さずに積層される。電界紡糸法では、第3繊維の原料である樹脂(原料樹脂)を溶媒に溶解させた原料液に、高電圧を印加し、電荷をもった原料液をノズルから噴射することにより、第3繊維が生成される。第3繊維は、溶媒を含んだ状態で第1シート上に堆積するため、第1シートを構成する第1繊維と密着して、両者は接合される。つまり、第1シートと第3シートとは、繊維同士の点接着によって接合される。そのため、通常、第3シートと第1シートとの間は剥離し易い。これに対し、積層体の端部Tにおける接合強度を向上させることにより、第3シートと第1シートとの剥離も抑制される。
上記のような積層体は、第1繊維を含む第1シートおよび第2繊維を含む第2シートを準備する準備工程と、接着剤を、接着剤ラインを形成するように第1シートに付与する接着剤付与工程と、接着剤を介して、第1シートに第2シートを積層する積層工程と、積層工程の後、積層された第1シートおよび第2シートを裁断する裁断工程と、を具備する方法により製造される。裁断工程では、積層された第1シートおよび第2シートを、第1シートに付与された接着剤によって形成された接着剤ラインを分断するように裁断する。これにより、積層体の切断面、すなわち積層体の端辺に接着剤を配置することができる。さらに、準備工程の後、接着剤付与工程の前に、第1シートの接着剤が付与される主面に、電界紡糸法により繊維(第3繊維)を堆積させて、第3シートを積層させてもよい。この場合、接着剤は、第3シートを介して第1シートに付与される。
まず、各シートおよび接着剤について、空気清浄機の濾材に適する形態を具体的に説明する。なお、積層体の用途は、濾材に限定されるものではない。
(第1シート)
第1シートは、例えば、積層体を支持する支持体(基材)である。第1シートの形態および材質は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。第1シートとして、具体的には、織物、編物、不織布等の繊維構造体が例示できる。なかでも、積層体を濾材として使用する場合、圧力損失の観点から、第1シートは不織布であることが好ましい。不織布は、例えば、スパンボンド法、乾式法(例えば、エアレイド法)、湿式法、メルトブロー法、ニードルパンチ法等により製造される。なかでも、基材として適する不織布が形成され易い点で、第1シートは、湿式法により製造された不織布であることが好ましい。
第1シートが不織布である場合、第1シートを構成する第1繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(PA)、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、基材として適する点で、第1繊維の材質はPETまたはセルロースが好ましい。第1繊維の平均繊維径D1は特に限定されず、例えば、1μm以上、40μm以下であっても良く、5μm以上、20μm以下であってもよい。
平均繊維径D1とは、第1繊維の直径の平均値である。第1繊維の直径とは、第1繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径である。そのような断面が円形でない場合には、最大径を直径と見なしてよい。また、第1シートを一方の主面の法線方向から見たときの、第1繊維の長さ方向に対して垂直な方向の幅を、第1繊維の直径と見なしてもよい。平均繊維径D1は、例えば、第1シートに含まれる任意の10本の第1繊維の任意の箇所の直径の平均値である。後述する平均繊維径D2およびD3についても同じである。
第1シートの厚みT1は、特に限定されず、例えば、50μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であってもよい。シートの厚みTとは、例えば、シートの任意の10箇所の厚みの平均値である。後述する厚みT2およびT3についても同じである。厚みとは、シートの2つの主面の間の距離である。シートが不織布である場合、その厚みは、不織布の断面を写真に取り、不織布の一方の主面上にある任意の1地点から他方の主面まで、一方の表面に対して垂直な線を引いたとき、この線上にある繊維のうち、最も離れた位置にある2本の繊維の外側(外法)の距離として求められる。他の任意の複数地点(例えば、9地点)についても同様にして不織布の厚みを算出し、これらを平均化した数値を、不織布の厚みとする。上記厚みの算出に際しては、二値化処理された画像を用いてもよい。
第1シートの単位面積当たりの質量も特に限定されず、例えば、10g/m以上、80g/m以下であっても良く、35g/m以上、60g/m以下であってもよい。
第1シートの圧力損失は特に限定されない。なかでも、第1シートの初期の圧力損失は、JISB9908形式1の規格に準拠した測定機を用いて測定した場合、1Pa以上、10Pa以下程度であることが好ましい。第1シートの初期の圧力損失がこの範囲であれば、積層体全体の圧力損失も抑制される。
(第2シート)
第2シートは、集塵機能を発揮するとともに、後述するように第3シートが第1シートに積層される場合には、第3シートを外的負荷から保護する保護層として機能する。
第2シートは、例えば、上記方法により製造された不織布であってもよい。なかでも、積層体を濾材として使用する場合、繊維径の細い不織布が形成され易い点で、第2シートは、メルトブロー法により製造された不織布であることが好ましい。さらに、集塵効果が期待できる点で、第2シートは、帯電処理等によって帯電(永久帯電)されていることが好ましい。永久帯電とは、外部電界が存在しない状態において半永久的に電気分極を保持し、周囲に対して電界を形成している状態である。
第2シートを構成する第2繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、PP、PE、PET等のポリエステル、PA、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、帯電され易い点で、PPが好ましい。第2繊維の平均繊維径D2も特に限定されない。平均繊維径D2は、例えば、0.5μm以上、20μm以下であっても良く、5μm以上、20μm以下であってもよい。
第2シートの厚みT2は特に限定されず、100μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であってもよい。第2シートの単位面積当たりの質量も特に限定されず、10g/m以上、50g/m以下であっても良く、10g/m以上、30g/m以下であってもよい。
第2シートの圧力損失は、特に限定されない。なかでも、第2シートの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、10Pa以上、50Pa以下程度であることが好ましい。第2シートの初期の圧力損失がこの範囲であれば、積層体全体の圧力損失も抑制される。
(接着剤)
接着剤の種類は特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とするホットメルト接着剤等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリウレタン(PU)、PET等のポリエステル、ウレタン変性共重合ポリエステル等の共重合ポリエステル、PA、ポリオレフィン(例えば、PP、PE)等が例示できる。ホットメルト接着剤は、例えば、加熱により溶融されながら、第1シートまたは第2シート上にライン状に付与される。あるいは、粒子状のホットメルト接着剤を、第1シートまたは第2シート上にライン状に散布した後、加熱して、溶融される。
積層体が保持する接着剤の質量も特に限定されないが、接合強度および圧力損失の観点から、0.5g/m以上、15g/m以下であることが好ましく、1g/m以上、10g/m以下であることがより好ましく、2g/m以上、6g/m以下であることが特に好ましい。なお、上記接着剤の質量は、積層体の端部Tおよび中央部Cが保持する接着剤の平均の質量である。
(第3シート)
第3シートを、第1シートと第2シートの間に介在させてもよい。この場合、積層体の集塵性能を高める観点から、第3シートは、第1繊維の平均繊維径D1および第2繊維の平均繊維径D2よりも小さい平均繊維径D3を有する第3繊維を含むことが好ましい。第3シートの形態は特に限定されないが、後述するように、電界紡糸法により第3繊維を生成させる場合、第3シートは不織布である。この場合にも、積層体の端部Tにおける接合強度を高めることで、第3シートと第1シートとの剥離が抑制される。
平均繊維径D3は、例えば3μm以下であり、1μm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。また、平均繊維径D3は30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。平均繊維径D3がこの範囲であれば、圧力損失が抑制されるとともに集塵効率が高くなり易い。
第3繊維の材質は特に限定されず、例えば、PA、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(Pc)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PtFE)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、PP、PET、PU等のポリマーが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、第3繊維を電界紡糸法により形成する場合、PESが好ましく用いられる。また、平均繊維径D3を細くし易い点で、PVDFが好ましく用いられる。
第3シートの厚みT3は、圧力損失の観点から、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。第3シートの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、5Pa以上、40Pa以下程度であることが好ましい。
第3シートの単位面積当たりの質量は、圧力損失と集塵効率とのバランスの観点から、0.1g/m以上、1.5g/m以下であることが好ましく、0.2g/m以上、0.5g/m以下であることがより好ましく、0.2g/m以上、0.8g/m以下であることが特に好ましい。
(積層体)
以下、積層体の実施形態を、図1および図2を参照しながら具体的に説明する。図1は、本実施形態に係る積層体10を模式的に示す上面図である。図2は、積層体10の図1に示すX−X線における断面図である。積層体10の外形は、辺(端辺)の数が観念できる限り(すなわち、円および楕円形以外である限り)特に限定されず、図1のように長尺体であってもよいし、矩形であってもよいし、その他の多角形であってもよい。以下、積層体10が長尺体である場合を例に挙げて説明する。
ここで、積層体10が長尺体である場合、便宜的に、端辺のうち、長手方向Dの長さが100cmである任意の部分を端辺S1と設定する。そして、端辺S1とこれに対向する長さ100cmの端辺S2とで挟まれた領域Aを設定する。後述する端部Tおよび中央部Cとは、この領域Aにおける端部およびそれ以外の中央部を指す。接着剤により形成される接着剤ラインLS、LTおよびLCについても、この領域Aに配置された接着剤により形成されるライン状の領域を指すものとする。
積層体10には、積層体10の端辺S(図示例では、S1およびS2)に沿って、接着剤4により形成される接着剤ラインLSが配置されている。つまり、第1シート1と第2シート2とは、図2に示すように、端辺Sにおいて接着剤4を介して接着されている。そのため、シート同士が、端辺S1およびS2を起点として剥離することが抑制される。
図示例では、端辺Sとして、端辺S1およびこれに対向する端辺S2を例示したが、端辺Sはこれに限定されない。例えば、積層体10の端辺Sとして、端辺S1のみを設定してもよい。また、積層体10が矩形やその他の多角形である場合、端辺S1および端辺S1と頂点を共有する端辺を設定してもよいし、積層体10の3つ以上の端辺を設定してもよい。シート間の剥離を抑制する観点からは、積層体10の端辺として、一つの端辺S1と、端辺S1に対向する端辺S2と、を設定することが好ましく、また、この2つの端辺を設定することにより、シート間の剥離を抑制する効果は十分に発揮される。
接着剤ラインLSは、図3に示すように、長さが100cmであって、接着剤4を囲む最小の幅を有する矩形rとして定義される。後述する接着剤ラインLTおよびLCについても同様である。接着剤4自体の付着形状は特に限定されず、図3に示すように、接着剤4は波線状に塗布されていてもよい。なお、図3は、積層体10の一部を上面から見ているが、第2シート2さらには第3シートを省略し、第1シート1および接着剤4(接着剤ラインL)のみを示している。また、図3では、便宜上、接着剤4をハッチングを入れて示している。第1シート1の端辺s1は積層体10の端辺S1に対応している。
端辺Sに沿って配置される接着剤ラインLSの幅Ws(短手方向の長さ)は、特に限定されない。例えば、接着剤ラインLSの幅Wsは、積層体10の端辺Sに垂直な方向の幅W10の1/1000〜1/20であることが好ましく、1/500〜1/50であることがより好ましい。
接着剤4は、積層体10の端辺S1およびS2以外の部分に配置されていてもよい。ここで、積層体10に、図1に示すように、少なくとも一つの端辺S(図示例では、S1およびS2)を含む端部T(T1およびT2)、および、それ以外の中央部Cを設定する。接合強度の観点から、接着剤4は、さらに、積層体10の中央部Cにも配置されることが好ましい。さらに、シート間の剥離の抑制および圧力損失の観点から、接着剤4は、端部Tの端辺S以外の部分にも配置されることが好ましい。
端部T1(T2)は、端辺S1(S2)から積層体10の幅W10の25%以下の距離までの領域である。言い換えれば、端部T1(T2)は、積層体10の端辺S1(S2)を含む、積層体10の面積の25%以下を占める帯状の領域である。なお、図示例では、端部Tとして、端辺S1を含む端部T1および端辺S2を含む端部T2を示しているが、端部Tはこれに限定されない。例えば、積層体10の端部Tとして、端部T1のみを設定してもよい。また、積層体10が矩形やその他の多角形である場合、端部T1および端辺S1と頂点を共有する端辺を含む端部を設定してもよいし、積層体10の3つ以上の端辺を含む端部を設定してもよい。シート間の剥離を抑制する観点からは、積層体10の端部Tとして、一つの端辺S1を含む端部T1と、端辺S1に対向する端辺S2を含む端部T2と、を設定することが好ましい。
端部Tの大きさは、積層体10の面積の25%以下であれば特に限定されず、適宜設定すればよい。シート間の剥離を抑制する観点から、1つの端部Tの大きさは、積層体10の面積の5%以上であることが好ましい。端部T1および端部T2を設定する場合、端部T1およびT2の面積の和は、例えば、積層体10の面積の50%以下であり、10%以上である。この場合、端部T1および端部T2の面積は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
端部Tおよび中央部Cにそれぞれ接着剤4を配置する場合、接着剤4は、端部Tに偏在していることが好ましい。すなわち、端部Tに存在する接着剤4の単位面積当たりの質量Mtは、端部T以外の中央部Cに存在する接着剤4の単位面積当たりの質量Mcよりも大きいことが好ましい(Mt>Mc>0)。これにより、接着剤の使用量を少なくしながら、シート間の剥離を抑制することができる。さらに、圧力損失も抑制される。なお、図1〜図3では、端辺S1およびS2以外に配置された接着剤4を省略している。質量Mtは、例えば、領域A内の端部T全体の質量から、端部Tにおける第1シート1、第2シート2、さらには第3シートの質量を除いた後の質量を、端部Tの主面の面積で除すことにより算出できる。質量Mcについても、領域A内の中央部C全体の質量を用いて、同様にして算出できる。
シート間の剥離が抑制され易くなる点で、質量Mtは、質量Mcの1.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。また、コストの観点から、質量Mtは、質量Mcの20倍より小さいことが好ましく、5倍より小さいことがより好ましい。具体的には、質量Mtは、1.5g/m以上であることが好ましく、3g/m以上であることがより好ましい。また、質量Mtは、20g/m以下であることが好ましく、15g/m以下であることがより好ましい。質量Mcは、0.5g/m以上であることが好ましく、1g/m以上であることがより好ましい。また、質量Mcは、15g/m以下であることが好ましく、10g/m以下であることがより好ましい。
接着剤4は、例えばMt>Mcを満たすように、積層体10の全面に配置されていてもよいし、積層体10に部分的に配置されていてもよい。接着剤4を、積層体10の端辺S以外の部分に部分的に配置する方法は特に限定されず、例えば、接着剤4をドット状に配置してもよいし、ライン状に配置してもよい。なかでも、生産性の観点から、接着剤4は、積層体10の端辺S以外の部分においても、端辺Sに沿う方向に接着剤ラインLを形成するように配置されていることが好ましい。
積層体10の端辺S以外の部分に配置される接着剤ラインLは、上記矩形rの長手方向の中心線Lcと、端辺Sとの成す角度が0°〜15°である場合、端辺Sに沿って配置されていると言える。矩形r(すなわち接着剤ラインL)の中心線Lcとは、当該矩形rの短手方向を2等分する直線である。接着剤ラインLの幅Wは、特に限定されず、接着剤ラインLSと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
以下、接着剤4を、積層体10の端辺S以外の部分にも端辺Sに沿う方向にライン状の領域を形成するように配置しながら、接着剤4を端部Tに偏在させる方法について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態では、図4に示すように、接着剤4により形成された接着剤ラインLのうち、端部Tにおいて隣接する接着剤ラインLT間の平均のピッチPtを、中央部Cにおいて隣接する接着剤ラインLC間の平均のピッチPcよりも小さくすることにより、接着剤4を端部Tに偏在させる。なお、図4は、積層体10を上面から見ているが、第2シート2さらには第3シートを省略し、第1シート1および接着剤4(接着剤ラインL)のみを示している。また、図4では、便宜上、接着剤ラインLをハッチングを入れて示している。第1シート1の端辺s1およびs2は、積層体10の端辺S1およびS2に対応し、第1シート1の端部t1およびt2は、積層体10の端部T1およびT2に対応し、第1シート1の中央部cは、積層体10の中央部Cに対応している。
接着剤ラインLT間のピッチPtとは、端部Tに形成されたすべての接着剤ラインLについて、隣接する接着剤ラインLとの中心線Lc(図3参照)間の距離を測定して算出される平均値である。接着剤ラインLTが端部Tに10本以上配置されている場合、上記平均値を算出した後、得られた平均値と20%以上異なるデータを除き、再び平均値を算出する。この修正された平均値を、接着剤ラインLT間のピッチPtとしてもよい。接着剤ラインLC間のピッチPcも同様にして算出できる。なお、隣接する接着剤ラインLとは、同じ領域(端部Tまたは中央部C)において隣接する接着剤ラインLであり、領域をまたがる場合を除く。
ピッチPcに対するピッチPtの割合:Pt/Pcは、0.1〜0.5であることが好ましく、0.2〜0.4であることがより好ましい。これにより、中央部Cに配置される接着剤4の量を少なくしながら、シート間が剥離するのを抑制する効果が高まる。端部Tは、ピッチPcよりも大きなピッチで配置された接着剤ラインLTを含んでいてもよいし、中央部Cは、ピッチPtよりも小さなピッチで配置された接着剤ラインLCを含んでいてもよい。
シート間の剥離が抑制され易い点で、端部Tに配置される接着剤ラインLTは、端部Tの主面の面積の10〜30%を占めることが好ましい。また、圧力損失の増加が抑制され易い点で、中央部Cに配置される接着剤ラインLCは、中央部Cの主面の面積の2〜10%を占めることが好ましい。
接着剤ラインLの幅Wは、特に限定されない。端部Tに複数配置される接着剤ラインLTの幅Wtは、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。同様に、中央部Cに複数配置される接着剤ラインLCの幅Wcは、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、幅Wtと幅Wcとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。幅Wtおよび幅Wcは、例えば、接着剤ラインLTまたは接着剤ラインLCの合計の面積が、上記範囲になるように適宜設定すればよい。
(第2実施形態)
本実施形態では、図5に示すように、端部Tに配置された接着剤ラインLTの平均の幅Wtを、中央部Cに配置された接着剤ラインLCの平均の幅Wcよりも大きくすることにより、接着剤4を端部Tに偏在させる。なお、図5は、積層体10を上面から見ているが、第2シート2さらには第3シートを省略し、第1シート1および接着剤4(接着剤ラインL)のみを示している。また、図5では、便宜上、接着剤ラインLをハッチングを入れて示している。第1シート1の端辺s1およびs2は、積層体10の端辺S1およびS2に対応し、第1シート1の端部t1およびt2は、積層体10の端部T1およびT2に対応し、第1シート1の中央部cは、積層体10の中央部Cに対応している。
接着剤ラインLTの幅Wtは、端部Tに形成されたすべての接着剤ラインLTの幅を測定して算出される平均値である。接着剤ラインLTが端部Tに10本以上配置されている場合、上記平均値を算出した後、得られた平均値と20%以上異なるデータを除き、再び平均値を算出する。この修正された平均値を、幅Wtとしてもよい。接着剤ラインLCの幅Wcも同様にして算出できる。なお、幅Wは、領域をまたがるように形成されている接着剤ラインLを除いて算出される。
幅Wcに対する幅Wtの割合:Wt/Wcは、1.5〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。これにより、中央部Cに配置される接着剤4の量を少なくしながら、シート間が剥離するのを抑制する効果が高まる。端部Tは、幅Wcよりも小さな幅を有する接着剤ラインLTを含んでいてもよいし、中央部Cは、幅Wtよりも大きな幅を有する接着剤ラインLCを含んでいてもよい。
積層体10をその主面の法線方向から見たとき、端部Tに配置される接着剤ラインLTの合計の面積は、シート間の剥離が抑制され易い点で、端部Tの主面の面積の10〜30%であることが好ましい。また、圧力損失の増加が抑制され易い点で、中央部Cに配置される接着剤ラインLCの合計の面積は、中央部Cの主面の面積の2〜10%であることが好ましい。
接着剤ラインL間のピッチPは、特に限定されない。端部Tに複数配置される接着剤ラインLTのピッチPtは、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。同様に、中央部Cに複数配置される接着剤ラインLCのピッチPcは、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、ピッチPtとピッチPcとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。ピッチPtおよびピッチPcは、例えば、接着剤ラインLTまたは接着剤ラインLCのそれぞれの合計の面積が、上記範囲になるように適宜設定すればよい。
積層体10は、例えば、第1繊維を含む第1シート1および第2繊維を含む第2シート2を準備する準備工程と、接着剤4を、接着剤ラインLを形成するように第1シート1に付与する接着剤付与工程と、接着剤4を介して、第1シート1に第2シート2を積層する積層工程と、積層工程の後、積層された第1シート1および第2シート2を裁断する裁断工程と、を具備する方法により製造することができる。
(1)準備工程
準備工程では、第1シート1および第2シート2を準備する。
(2)第3シート形成工程
後述する接着剤付与工程の前に、第1シート1の接着剤4が付与される主面に、電界紡糸法により繊維(第3繊維)を堆積させて、第3シートを積層させてもよい。積層体10を濾材として使用する場合、集塵性能の向上が期待できる。本工程において、第1シート1は、噴射される原料液のターゲットであり、生成する第3繊維を収集するコレクタとして機能する。この場合、第1シート1と第2シート2とは、第3シートを介して積層される。第2シート2は、第1シート1上に形成された第3シートを保護する保護材としても機能する。
電界紡糸法では、繊維の原料となる原料樹脂と原料樹脂を溶解させる溶媒を含む原料液が用いられる。原料液は、原料樹脂および溶媒を含む。原料樹脂は第3繊維の原料であり、第3繊維の材質として例示したポリマーである。溶媒は、原料樹脂を溶解させる(以下、第1溶媒と称する)。原料液から、原料樹脂および第1溶媒を含む繊維が形成される。原料液における原料樹脂と第1溶媒との混合比率は、選定される原料樹脂の種類および第1溶媒の種類により異なる。原料液における第1溶媒の割合は、例えば、60質量%から95質量%である。原料液には、原料樹脂を溶解させる第1溶媒以外の溶媒や各種添加剤等が含まれていてもよい。
第1溶媒は、原料樹脂を溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。なかでも、電界紡糸法に適している点およびPESを溶解し易い点で、DMAcが好ましい。
(3)接着剤付与工程
接着剤4は、第1シート1の第3シートが形成された主面に付与される。好ましくは、ホットメルト接着剤を、溶融しながらライン状の領域を形成するように第1シート1の上記主面に塗布する。
(4)積層工程
次に、接着剤4および第3シートを介して、第1シート1に第2シート2を積層させる。
(5)裁断工程
最後に、接着剤4を介して積層された第1シート1および第2シートを裁断する。このとき、裁断は、第1シート1に付与された接着剤4によって形成された接着剤ラインLを分断するように行われる。これにより、積層体10の切断面、すなわち積層体10の端辺Sに接着剤4が配置される。
上記のような積層体10の製造方法は、例えば、製造ラインの上流から下流に第1シート1を搬送し、搬送される第1シート1の主面に第3シートを形成した後、第2シート2を積層する製造装置により実施することが可能である。このような製造装置は、例えば、(1)第1シート1を搬送ベルトに供給する第1シート供給部と、(2)原料液から静電気力により第3繊維を生成させて、第3シートを形成する第3シート形成部と、(3)第3シート形成部から送り出される第1シート1の上方から、接着剤4をライン状に付与する接着剤付与部と、(4)第1シート1の上方から、接着剤4および第3シートを介して、第2シート2を積層する第2シート積層部と、(5)積層された第1シート1および第2シート2を、第1シート1に付与された接着剤4によって形成された接着剤ラインLを分断するように裁断する裁断部と、を具備する。
以下、図6を参照しながら、上記(1)〜(4)を含む製造装置について説明するが、以下の装置および製造方法は、本発明を限定するものではない。図6は、積層体10の製造装置200の一例の構成を概略的に示す図である。製造装置200は、積層体10を製造するための製造ラインを構成している。切断装置(図示せず)は、製造装置200の下流に組み込まれてもよいし、これとは別に配置されてもよい。切断装置としては、回転式カッターまたはストレート型カッター等を備えるスリッター機が例示される。
(第1シート供給部)
製造装置200の最上流には、ローラ状に捲回された第1シート1を内部に収容した第1シート供給部201が設けられている。第1シート供給部201は、モータ13により第1供給リール12を回転させて、第1供給リール12に捲回された第1シート1を搬送ローラ11に供給する。
(第3シート形成部)
第1シート1は、搬送ローラ11により、電界紡糸ユニット(図示せず)を備える第3シート形成部202に搬送される。電界紡糸ユニットが具備する電界紡糸機構は、その上方に設置された第3繊維3Fの原料液22を放出するための放出体23と、放出された原料液22をプラスに帯電させる帯電手段(後述参照)と、放出体23と対向するように配置された第1シート1を上流側から下流側に搬送する搬送コンベア21と、を備えている。搬送コンベア21は、第1シート1とともに第3繊維3Fを収集するコレクタ部として機能する。なお、電界紡糸ユニットの台数は、特に限定されるものではなく、1台でも2台以上でもよい。
電界紡糸ユニットおよび/または放出体23が複数ある場合、電界紡糸ユニットごと、あるいは、放出体23ごとに、形成される第3繊維3Fの平均繊維径を変化させてもよい。第3繊維3Fの平均繊維径は、原料液22の吐出圧力、印加電圧、原料液22の濃度、放出体23と第1シート1との距離、温度、湿度などを調整することにより、変化させることができる。また、第3繊維3Fの堆積量は、原料液22の吐出圧力、印加電圧、原料液22の濃度、第1シート1の搬送速度などを調整することにより、制御される。
放出体23の第1シート1の主面と対向する側には、原料液22の放出口(図示せず)が複数箇所設けられている。放出体23の放出口と、第1シート1との距離は、製造システムの規模や所望の繊維径にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。放出体23は、電界紡糸ユニットの上方に設置された、第1シート1の搬送方向と平行な第1支持体24から下方に延びる第2支持体25により、自身の長手方向が第1シート1の主面と平行になるように支持されている。第1支持体24は、放出体23を第1シート1の搬送方向とは垂直な方向に揺動させるように、可動であってもよい。
帯電手段は、放出体23に電圧を印加する電圧印加装置26と、搬送コンベア21と平行に設置された対電極27とで構成されている。対電極27は接地(グランド)されている。これにより、放出体23と対電極27との間には、電圧印加装置26により印加される電圧に応じた電位差(例えば20〜200kV)を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されない。例えば、対電極27はマイナスに帯電されていてもよい。また、対電極27を設ける代わりに、搬送コンベア21のベルト部分を導体から構成してもよい。
放出体23は、長尺の形状であり、導体で構成されている。その内部は中空になっており、中空部は原料液22を収容する収容部となる。原料液22は、放出体23の中空部と連通するポンプ28の圧力により、原料液タンク29から放出体23の中空に供給される。そして、原料液22は、ポンプ28の圧力により、放出口から第1シート1の主面に向かって放出される。放出された原料液22は、帯電した状態で放出体23と第1シート1との間の空間(生成空間)を移動中に静電爆発を起し、繊維状物(第3繊維3F)を生成する。生成した第3繊維3Fは、第1シート1に堆積し、第3シート(図示せず)を形成する。
第3繊維3Fを形成する電界紡糸機構は、上記の構成に限定されない。所定の第3繊維3Fの生成空間において、原料液22から静電気力により第3繊維3Fを生成させ、生成した第3繊維3Fを第1シート1の主面に堆積させることができる機構であれば、特に限定なく用いることができる。例えば、放出体23の長手方向に垂直な断面の形状は、上方から下方に向かって次第に小さくなる形状(V型ノズル)であってもよい。
(接着剤付与部)
第3シートが形成された後、第1シート1は、接着剤付与部203に搬送される。接着剤付与部203では、第1シート1の上方から、第3シートを介して、第1シート1に接着剤4が付与される。
接着剤付与部203は、例えば、接着剤付与部203の上方に設置された接着剤4を収容する接着剤タンク32、および、接着剤4を第1シート1にライン状の領域を形成するように塗工するためのノズル33を備えるアプリケータ34と、第1シート1を下流に搬送するための搬送ローラ31と、を備える。接着剤タンク32あるいはノズル33は図示しない加熱装置を備えており、例えばホットメルト樹脂である接着剤4は、溶融されながら放出される。
(第2シート積層部)
次いで、第1シート1は、搬送ローラ41を備える第2シート積層部204に搬送される。第2シート積層部204では、第1シート1の上方から第2シート2が供給され、接着剤4および第3シートを介して第1シート1に積層される。第2シート2が長尺である場合、第1シート1と同様に、第2シート2は第2供給リール42に巻き取られていてもよい。この場合、第2シート2は、モータ43によって回転する第2供給リール42から捲き出されながら、第1シート1に積層される。
(圧着部)
第2シート2を積層した後、積層体10は圧着部205に搬送される。圧着部205は、例えば、積層体10を挟んで上方に配置された上部加圧ローラ51と下方に配置された下部加圧ローラ52とを備える。積層体10は、上部加圧ローラ51と下部加圧ローラ52により圧力を加えられ、第1シート1と第2シート2とがさらに密着する。
(回収部)
最後に、圧着部205から積層体10を搬出し、ローラ61を経由して、より下流側に配置されている回収部206に搬送する。回収部206は、例えば、搬送されてくる積層体10を捲き取る回収リール62を内蔵している。回収リール62はモータ63により回転駆動される。
本発明の積層体は、シート間の剥離が抑制されるため、空気清浄機、あるいは空調機の濾材、電池用の分離シート、燃料電池用のメンブレン、妊娠検査シート等の体外検査シート、細胞培養用等の医療用シート、防塵マスク等の防塵布や防塵服、化粧用シート、塵を拭き取る拭取シート等として、好適である。
1:第1シート、2:第2シート、3F:第3繊維、4:接着剤、10:積層体、11、31、41:搬送ローラ、12:第1供給リール、13:モータ、21:搬送コンベア、22:原料液、23:放出体、24:第1支持体、25:第2支持体、26:電圧印加装置、27:対電極、28:ポンプ、29:原料液タンク、32:接着剤タンク、33:ノズル、34:アプリケータ、42:第2供給リール、43:モータ、51:上部加圧ローラ、52:下部加圧ローラ、61:ローラ、62:回収リール、63:モータ、200:製造装置、201:第1シート供給部、202:第3シート形成部、203:接着剤付与部、204:第2シート積層部、205:圧着部、206:回収部

Claims (8)

  1. 第1繊維を含む第1シートと、
    前記第1シートに積層され、第2繊維を含む第2シートと、
    前記第1シートと前記第2シートとの間に介在する接着剤と、を備える積層体であって、
    前記接着剤が、前記積層体の端辺に、前記端辺に沿ったライン状の領域を形成するように配置されており、
    前記第1シートと前記第2シートとが、前記ライン状の領域を介して接着されている、積層体。
  2. 前記接着剤が、さらに、前記積層体の前記端辺を含む端部以外の中央部に、前記端辺に沿う方向のライン状の領域を形成するように配置されている、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接着剤が、前記端部および前記中央部に、それぞれ前記端辺に沿う方向の複数のライン状の領域を形成するように配置されており、
    前記端部において隣接する前記ライン状の領域間の平均のピッチPtが、前記中央部において隣接する前記ライン状の領域間の平均のピッチPcよりも小さい、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記ピッチPcに対する前記ピッチPtの割合:Pt/Pcが、0.1〜0.5である、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記接着剤が、前記端部および前記中央部に、それぞれ前記端辺に沿う方向の複数のライン状の領域を形成するように配置されており、
    前記端部における前記ライン状の領域の平均の幅Wtが、前記中央部における前記ライン状の領域の平均の幅Wcよりも大きい、請求項2に記載の積層体。
  6. 前記幅Wcに対する前記幅Wtの割合:Wt/Wcが、1.5〜20である、請求項5に記載の積層体。
  7. さらに、前記第1シートと前記第2シートの間に介在する第3シートを備え、
    前記第3シートが、前記第1繊維の平均繊維径および前記第2繊維の平均繊維径よりも小さい平均繊維径を有する第3繊維を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 第1繊維を含む第1シートおよび第2繊維を含む第2シートを準備する準備工程と、
    接着剤を、ライン状の領域を形成するように前記第1シートに付与する接着剤付与工程と、
    前記接着剤を介して、前記第1シートに前記第2シートを積層する積層工程と、
    前記積層工程の後、積層された前記第1シートおよび前記第2シートを裁断する裁断工程と、を具備し、
    前記裁断工程において、積層された前記第1シートおよび前記第2シートを、前記ライン状の領域を分断しながら裁断する、積層体の製造方法。


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