JP2017131938A - ねじり部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ねじり部材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】3DQで熱間加工したねじり部材のねじり部に生じる機械特性の不均一を解消できるようにする。
【解決手段】本実施形態のねじり部材の製造方法は、断面円形とは異なる断面形状を有する鋼管62を熱間加工して鋼管62からねじり部材を製造する方法であり、熱間加工ステップと、冷却ステップとを備える。熱間加工ステップでは、鋼管62を送りながら、誘導加熱コイル12により鋼管62を局所的に加熱すると共に鋼管62の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部66を形成する。冷却ステップでは、鋼管62を送りながら、冷却装置18を構成する複数の冷却ユニット18A〜18Bのうち鋼管62の送り方向下流側に位置する冷却ユニット18B、18Cをねじり部66のねじれに追従して鋼管62の軸線周りに回転させると共に、複数の冷却ユニット18A〜18Bから噴射した冷却水により上述のねじり部66を冷却して焼入れする。
【選択図】図11

Description

本発明は、鋼管を熱間加工して鋼管からねじり部材を製造するねじり部材の製造方法及び製造装置に関する。
鋼管を任意の形状に曲げ、鋼管の任意の箇所を焼入れにより高強度化する3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ: 3Dimensional Hot Bending and Quench)技術を本発明者達は研究開発している。3DQは自動車の構造材等の製造に好適に用いられる技術である。3DQにより製造される構造材には軽量かつ高強度という特長がある。3DQによる構造材等の製造には金型が不要であるという特長がある。
3DQ装置では、加熱装置と冷却装置が近接して配置される。3DQ装置を使用した鋼管の加工では、鋼管を加熱装置と冷却装置の順に通過させながら、加熱装置と冷却装置の間の鋼管に生じる鋼管の局所的に加熱された部分(高温部)に任意の方向の曲げモーメントを与える。3DQによって、鋼管の任意の箇所が任意の形状に曲げられ、焼入れされた部材に加工できる。本発明において、高温部とは、Ac3変態点以上の温度の部分である。
鋼管に曲げモーメントを付与する装置は、特に限定されない。鋼管に曲げモーメントを付与する装置としては、特許文献1のように鋼管の送り方向における冷却装置の下流側に配置された可動ローラダイス、特許文献2のように鋼管の送り方向下流側において鋼管の端部に取り付けられたチャックとマニピュレータ、特許文献3のように鋼管の送り方向上流側において鋼管の端部に取り付けられたチャックとマニピュレータが例示される。
3DQでは、曲げ加工のみならず、ねじり加工も可能である。特許文献1と特許文献3には3DQでねじり加工が可能であることが開示されている。特許文献4には3DQによるねじり部材が開示されている。
国際公開第2006/093006号パンフレット 国際公開第2010/050460号パンフレット 国際公開第2011/007810号パンフレット 国際公開第2010/084898号パンフレット
本発明は、一つの例として、3DQで熱間加工したねじり部材のねじり部に生じる機械特性の不均一を解消できるようにすることを目的とする。
本発明の一の態様に係るねじり部材の製造方法は、断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を、加熱装置と、前記鋼管の軸線周りに回転可能な回転冷却ユニットとに対して前記鋼管の長手方向に相対的に送りながら、前記加熱装置により前記鋼管を局所的に加熱すると共に、前記鋼管の局所的に加熱された部分(高温部)にねじり力を加えてねじり部を形成する熱間加工ステップと、前記鋼管を前記加熱装置及び前記回転冷却ユニットに対して相対的に送りながら、前記回転冷却ユニットを前記ねじり部のねじれに追従して前記鋼管の軸線周りに回転させると共に、前記回転冷却ユニットから前記ねじり部に向けて冷却水を噴射し、前記ねじり部を冷却して焼入れする冷却ステップと、を備える。
本発明の他の態様に係るねじり部材の製造装置は、断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を局所的に加熱する加熱装置と、前記加熱装置によって前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する外力付与装置と、前記鋼管の軸線周りに回転可能であると共に、前記ねじり部に向けて冷却水を噴射する回転冷却ユニットと、前記鋼管を前記加熱装置及び前記回転冷却ユニットに対して前記鋼管の長手方向に相対的に送る送り装置と、を備える。
本発明の上記態様によれば、3DQで熱間加工したねじり部材のねじり部に生じる機械特性の不均一を解消できる。
3DQ装置の斜視図である。 誘導加熱コイル及び冷却装置の側断面図である。 冷却装置の正面図である。 ねじり部材の一例を示す斜視図である。 ねじり加工しない場合の冷却水が当たる各位置での鋼管の角部の温度測定結果を表わすグラフである。 ねじり加工しない場合の鋼管の三面図である。 ねじり加工した場合の冷却水が当たる各位置での鋼管の角部の温度測定結果を表わすグラフである。 ねじり加工条件1でねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工条件2でねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工条件3でねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工条件4でねじり加工された鋼管の三面図である。 図3の角部Lの拡大図である。 図3の角部Uの拡大図である。 冷却装置を複数の冷却ユニットに分割した実施例1においてねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工及び曲げ加工により鋼管の角部の位置が移動する様子を示す模式図である。 複数の冷却装置を配置した実施例2においてねじり加工された鋼管の三面図である。
はじめに、ねじり部材の製造装置の一実施形態である3DQ装置について説明する。
図1には、3DQ装置10が斜視図にて示されている。この3DQ装置10は、誘導加熱コイル12と、高周波電力発生装置14と、外力付与装置16と、冷却装置18と、冷却水供給装置20と、送り装置22と、制御装置24とを備えている。この3DQ装置10は、鋼管62に対して熱間加工及び焼入れ加工を連続して行うものである。
3DQ装置10が加工対象とする鋼管62は、断面円形とは異なる断面形状、例えば、正方形、長方形、台形などの多角形や楕円形等の断面形状を有する鋼管とされる。本実施形態では、一例として、鋼管62が横長の断面長方形状に形成されている。この鋼管62は、後述する送り装置22により鋼管62の長手方向に送られる。矢印Sは、鋼管62の送り方向を示している。また、矢印X、矢印Y、矢印Zは、3DQ装置で加工される鋼管62の横方向、縦方向、長手方向をそれぞれ示している。
誘導加熱コイル12は、鋼管62の断面形状に対応する矩形状に形成されており、鋼管62の外周面から所定距離離れて鋼管62を包囲して配置される。この誘導加熱コイル12は、高周波電力発生装置14から高周波電力が供給されることにより、誘導加熱コイル12の内側において鋼管62に局所的に誘導電流を発生させて、この鋼管62を局所的に誘導加熱する。この誘導加熱コイル12は、加熱装置の一例である。誘導加熱コイル12の代わりに、鋼管62を局所的に加熱できる加熱装置が用いられても良い。
高周波電力発生装置14は、誘導加熱コイル12に接続されており、誘導加熱コイル12に高周波電力を供給する。この高周波電力発生装置14は、例えば鋼管62を短時間(2秒程度)で変態点以上の所望の温度に急速に加熱できるように、誘導加熱コイル12への供給電力を調節可能である。
外力付与装置16は、一例として、二組の一対の支持ローラ32と、一対の可動ローラダイス34と、駆動部36とを備えている。二組の一対の支持ローラ32は、誘導加熱コイル12に対する鋼管62の送り方向上流側に配置されており、各一対の支持ローラ32は、鋼管62の横方向の両側から鋼管62を把持する。一対の可動ローラダイス34は、後述する冷却装置18に対する鋼管62の送り方向下流側に配置されており、鋼管62の横方向の両側から鋼管62を把持する。
外力付与装置16の駆動部36は、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の軸線周りに回転させるねじり機能と、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の縦方向及び横方向に移動させる曲げ機能とを有する。
駆動部36によって一対の可動ローラダイス34が鋼管62の軸線周りに回転させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において鋼管62にねじり力が加えられる。また、駆動部36によって一対の可動ローラダイス34が鋼管62の縦方向及び横方向の少なくとも一方に移動させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において鋼管62に曲げ力が加えられる。
このような駆動部36は、例えば、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の縦方向及び横方向に移動させるX−Yステージと、このX−Yステージを作動させるモータと、一対の可動ローラダイス34が鋼管62の軸線周りに回転するようにX−Yステージをロールさせるロール機構と、このロール機構を作動させるモータ等を組み合わせた駆動装置により実現される。外力付与装置16は、可動ローラダイス及び駆動部を有する機構に限らず、例えば、特許文献3のようなチャックとマニピュレータでも良い。
冷却装置18は、誘導加熱コイル12に対する鋼管62の送り方向下流側に配置されている。この冷却装置18は、鋼管62の断面形状に対応する矩形環状に形成されており、鋼管62の外周面から所定距離離れて鋼管62を包囲して配置される。
図2には、誘導加熱コイル12及び冷却装置18が側断面図にて示されており、図3には、冷却装置18が正面図にて示されている。図2では、鋼管62の局所的に加熱された部分(高温部)が色付けされて示されている。図3は、冷却装置18を鋼管62の送り方向下流側から上流側に向かって見た図である。
図2、図3に示されるように、冷却装置18には、複数の噴射口42が形成されている。複数の噴射口42は、鋼管62に対する縦方向の両側と、鋼管62に対する横方向の両側にそれぞれ設けられている。図3では、複数の噴射口42の一部が表示されており、複数の噴射口42の残りの図示が省略されている。複数の噴射口42は、複数の列を成して配置されている。以下、この複数の列を、冷却装置18の内側から順に、A列、B列、C列、D列、E列、F列、G列、H列とする。
この複数の噴射口42が開口する面44は、環状に形成された冷却装置18の内側、かつ、鋼管62の送り方向下流側を向いている。このため、複数の噴射口42からは、鋼管62の送り方向下流側へ向けて冷却水が噴射される。
図1に示される冷却水供給装置20は、例えば、給水管に接続されたウォータポンプを有している。ウォータポンプが作動すると、冷却装置18に冷却水が供給されると共に、冷却装置18から冷却水が噴射される。
送り装置22は、上述の誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対する可動ローラダイス34と反対側に配置されている。この送り装置22は、本体部52と、可動部54と、駆動部56とを有する。
可動部54は、本体部52よりも支持ローラ32側に配置されており、鋼管62を保持する。可動部54は、本体部52に対して離間する方向に移動可能とされている。この可動部54には、例えば、鋼管62を保持するチャック機構が用いられる。このような本体部52、可動部54、及び、駆動部56を有する送り装置22は、例えば、ボールネジ機構や、産業用ロボット等を用いて実現される。
送り装置22の駆動部56は、例えば、モータ装置、油圧装置、空圧装置等の動力源であり、可動部54を本体部52に対して離間する方向に移動させる。この送り装置22では、可動部54が鋼管62を保持した状態で本体部52に対して離間する方向に移動することにより、鋼管62がその長手方向に送られる。
なお、図1に示される3DQ装置10では、鋼管62を送る送り装置22が用いられているが、誘導加熱コイル12及び冷却装置18を移動させる送り装置が用いられることにより、鋼管62が誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対して相対的に送られても良い。
制御装置24は、上述の高周波電力発生装置14と、冷却水供給装置20と、外力付与装置16の駆動部36と、送り装置22の駆動部56とに電気的に接続されている。この制御装置24は、演算装置や記憶装置等を有する電子回路を備えており、上述の高周波電力発生装置14、冷却水供給装置20、外力付与装置16の駆動部36、及び、送り装置22の駆動部56を制御する。
次に、上記3DQ装置10の基本動作を説明する。
<送り開始ステップ>
この3DQ装置10では、送り装置22の駆動部56が作動を開始すると、鋼管62を保持する可動部54が本体部52に対して離間する方向に移動し、鋼管62がその長手方向に送られる。鋼管62は、後述する冷却ステップが終了するまで継続して送られる。
<熱間加工ステップ>
また、鋼管62の送りが開始されると、高周波電力発生装置14から誘導加熱コイル12に高周波電力が供給される。そして、誘導加熱コイル12の内側において鋼管62に局所的に誘導電流が発生し、この鋼管62が局所的に誘導加熱される。
また、製品仕様に応じた所定のタイミングにおいて、外力付与装置16の駆動部36によって一対の可動ローラダイス34が鋼管62の軸線周りに回転させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において、鋼管62の局所的に加熱された部分にねじり力が加えられる。そして、鋼管62が熱間加工され、鋼管62の局所的に加熱された部分にねじり部が形成される。
<冷却ステップ>
また、鋼管62の送りが開始されると、冷却水供給装置20が作動する。そして、冷却装置18から鋼管62に冷却水が噴射され、ねじり部を含む鋼管62が順次冷却されて焼入れされる。
この3DQ装置10では、以上の基本動作により、鋼管62からねじり部を有するねじり部材が製造される。図4には、ねじり部66を有するねじり部材64の一例が斜視図にて示されている。矢印Tは、鋼管62のねじり方向を示している。
なお、必要に応じて図1に示される駆動部56により一対の可動ローラダイス34が鋼管62の縦方向及び横方向の少なくとも一方に移動させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において、鋼管62の局所的に加熱された部分に曲げ力が加えられても良い。そして、図4に示されるねじり部66に曲げ変形が加えられても良い。図1では、参考として、鋼管62が曲げ変形された状態で示されている。
また、上記基本動作では、鋼管62が全長に亘って誘導加熱コイル12及び冷却装置18を通過する間、誘導加熱コイル12及び冷却装置18が作動する以外に、鋼管62の一部分が誘導加熱コイル12及び冷却装置18を通過するタイミングにおいて誘導加熱コイル12及び冷却装置18が作動しても良い。
次に、上記3DQ装置10の検討結果を説明する。
本発明者は、上記3DQ装置10でねじり加工を実施し、実験と観察を繰り返した。その結果、鋼管62を大きくねじり加工すると、鋼管62の角部が赤熱した状態で冷却装置18を通過することがあり、この場合には、加工後の鋼管62のねじり部に機械特性の不均一が生じることがあることに発明者は気がついた。冷却装置18を通過後、鋼管62が赤熱するほど温度が高くない場合でも、焼入れ部が焼き戻されるか、又は、焼入れされない可能性がある。このため、ねじり加工において鋼管62の角部の温度変化を注意して管理する必要があると発明者は考えた。
冷却水同士が衝突して鋼管62への冷却水の衝突圧が損なわれることを避けるため、図2に示されるように、冷却装置18の噴射口42は、好ましくは、鋼管62の外面と冷却水との成す角度θが直角に近く、かつ、冷却水同士が衝突しないように配置される。発明者は鋼管62の角部に熱電対を取り付け、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度を測定した。
図5には、ねじり加工しない場合の冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度測定結果、すなわち、ねじり加工しない場合の鋼管62の角部の温度と送り量との関係を表わすグラフが示されている。図5の横軸のA〜Hは、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置に相当する。図6には、参考として、ねじり加工しない場合の鋼管62が三面図にて示されている。
図5に示されるように、ねじり加工しない場合、鋼管62は、A列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置において最も温度が高くなり、その後、B〜H列の噴射口42からの冷却水により冷却されて温度が低下する。
一方、図7には、ねじり加工した場合の冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度測定結果を表わすグラフが示されている。図7の横軸のA〜Hは、図5の横軸と同様に、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置に相当する。図3には、鋼管62のねじり部66が想像線(二点鎖線)にて示されており、図7の温度測定結果は、図3の想像線にて示される鋼管62のねじり部66における下側の角部、すなわち、角部Lについての温度測定結果である。
また、図7には、ねじり加工条件1〜4毎の温度測定結果が示されている。図7のねじり加工条件1〜4は、単位長さ当たりのねじり角度が、ねじり加工条件1〜4の順に大きくなっている。図8A〜図8Dには、参考として、上述のねじり加工条件1〜4でねじり加工された鋼管62が三面図にて示されている。
3DQによるねじり部66で強度不良が発生するのは、図7のねじり加工条件2〜4のように冷却の途中で鋼管62の温度が上昇した箇所である。鋼管62の温度上昇が発生する状況を確認するため、発明者はねじり加工条件2〜4において3DQ加工をねじり加工の途中で止めた後、温度上昇が発生し始めた噴射口42の上、下、左、右に位置する噴射口42からそれぞれ個別に冷却水を噴出させた。その結果、鋼管62の温度上昇が発生し始める位置において、一部の噴射口42からの冷却水が角部Lに当たっていないことが分かった。
ここで、図9には、図3の角部Lが拡大図にて示されている。図9に示されるように、角部Lには、下の右端からの冷却水aは当たっているが、この下の右端からの冷却水aはあまり冷却に寄与していない。角部Lの側面と下の右端からの冷却水aのなす角が小さい(平行に近い)ため、冷却水が鋼管62の表面にある水蒸気膜を突破できないからである。単位長さ当たりのねじり角度が大きくなるほど鋼管62の送り方向上流側で温度上昇が発生するのは、単位長さ当たりのねじり角度が大きくなるほど鋼管62の送り方向上流側で水蒸気膜を突破できる圧力で冷却水が当たらなくなり始めるからである。
図10には、図3の角部Uが拡大図にて示されている。3DQによるねじり加工の際、角部Uも上述の角部Lと同様に単位長さ当たりのねじり角度が大きくなると冷却に支障をきたす。これは、上の右端からの冷却水bと右の上端からの冷却水cが角部Uに当たる前にぶつかりあった結果、所定の圧力で鋼管62に冷却水が当たらないため、冷却水が鋼管62の表面にある水蒸気膜を突破できないから起こると考えられる。
なお、鋼管62が断面円形の丸管の場合、丸管をねじり加工しても冷却水の当たり方は変化しないため、上記課題は発生しない。上記課題が発生するのは、ねじり加工により鋼管62の断面の傾きが変化し、冷却水の当たり方が変化する異形管である。異形管とは鋼管62の断面の中心から鋼管62までの距離が周方向で変化する管、すなわち、例えば角管や楕円管のような断面円形とは異なる断面形状を有する管のことである。本実施形態では、3DQ装置10の加工対象を断面円形とは異なる断面形状を有する鋼管62とする。
図7に示されるように、送り量A〜Cまでは、ねじり条件にかかわらず温度は同じである。つまり、図2のA〜C列の噴射口42からの冷却水が当たる位置までは、ねじり条件にかかわらず鋼管62の角部の温度は同じである。
これに対し、図7に示されるように、送り量D以降では、ねじり条件によって温度が異なる。つまり、図2のD列以降の噴射口42からの冷却水が当たる位置では、単位長さ当たりのねじり角度が大きくなるに従い、鋼管62の送り方向上流側において、ねじらない場合との温度の乖離が生じる。このことは、D列以降の噴射口42からの冷却水が鋼管62に本来当たる位置において、ねじられた鋼管62の位置と冷却水の噴射位置とが適合していないことを意味する。
ここで、A〜C列の噴射口42からの冷却水が当たる位置で冷却を終了させるべく鋼管62の送り速度を下げるのも対策の一つではあるが、それでは生産能率が低下してしまう。
そこで、発明者は、例えば、冷却装置18を鋼管62の送り方向に複数の冷却ユニットに分割し、この複数の冷却ユニットのうち下流側の冷却ユニットを鋼管62のねじり角度に合わせて鋼管62の軸周りに回転させれば、鋼管62の送り方向下流側においても鋼管62の位置と冷却水の噴射位置とを適合させることができると考えた。
また、発明者は、例えば、冷却装置18に対する鋼管62の送り方向下流側に別の冷却装置を追加し、この下流側の別の冷却装置を鋼管62のねじり角度に合わせて鋼管62の軸周りに回転させても、鋼管62の送り方向下流側において鋼管62の位置と冷却水の噴射位置とを適合させることができると考えた。
また、鋼管62が曲げ加工された場合、鋼管62の角部は、鋼管62の曲げ変形に応じて位置が変わる。このため、上述の下流側の別の冷却装置を追加する例について、発明者は、下流側の別の冷却装置が、この冷却装置からの冷却水が当たる位置における鋼管62の送り方向と直交する断面に沿って移動し、鋼管62の曲げ変形に応じて位置を変更できることが望ましいと考えた。
また、鋼管62が曲げ加工された場合、鋼管62の送り方向と直交する断面は、鋼管62の曲げ変形に応じて向きが変わる。このため、上述の下流側の別の冷却装置を追加する例について、発明者は、下流側の別の冷却装置が鋼管62の曲げ変形に応じて傾動し向きを変更できることが望ましいと考えた。
なお、本明細書において、回転とは、ねじって位置を変えるという意味であって、モータのように所定の回転数で回転駆動するようなことは意味しない。また、鋼管の軸周りに回転とは、鋼管の中心軸を中心にして鋼管の周方向の位置が変化するという意味であって、鋼管と冷却装置が接触することを意味しない。
次に、上記検討結果により導き出された実施例1、2を順に説明する。
[実施例1]
図11に示される実施例1では、上述の3DQ装置10に次の構成が追加されている。
<構成1>
実施例1において、冷却装置18は、一例として、鋼管62の送り方向に三つの冷却ユニット18A、18B、18Cに分割されている。つまり、冷却装置18は、図7の結果を反映し、A〜C列の噴射口42を有する冷却ユニット18Aと、D〜F列の噴射口42を有する冷却ユニット18Bと、G〜H列の噴射口42を有する冷却ユニット18Cとに分割されている。この複数の冷却ユニット18A〜18Cは、鋼管の送り方向上流側から下流側に向けて順に配置されている。
複数の冷却ユニット18A〜18Cのうち鋼管62の送り方向上流側から二番目以降に配置された冷却ユニット、すなわち、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cは、「回転冷却ユニット」に相当し、それぞれ独立して鋼管62の軸線周りに回転可能とされている。
一方、A〜C列の噴射口42を有する一番目の冷却ユニット18Aは、鋼管62の軸線周りに回転せずに設置対象物であるフレーム等に固定されている。一番目の冷却ユニット18Aを回転させないのは、A〜C列の噴射口42からの冷却水の当たる箇所は鋼管62のねじれが大きくなく、一番目の冷却ユニット18Aが回転しなくても鋼管62のねじり部66の冷却に支障をきたさないからである。
<構成2>
実施例1において、3DQ装置10は、駆動装置26を備える。駆動装置26は、例えば、モータアクチュエータ等により構成されており、上述の二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cをそれぞれ独立して鋼管62の軸線周りに回転させる。
制御装置24は、後に詳述するように、鋼管62のねじり部66のねじれに追従して二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cが鋼管62の軸線周りに回転するように、駆動装置26を制御する。
制御装置24には、例えば、ねじり部66のねじれに追従して二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cを鋼管62の軸線周りに回転させるためのプログラム等が記憶されている。そして、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの回転角度は、ねじり加工条件に基づいて制御装置24により算出される。また、この算出結果に基づいて、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの回転が制御装置24により制御される。
なお、ねじり加工条件の代わりに、鋼管62のねじり加工においてリアルタイムに検出されるねじり部66のねじり角度に基づいて二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの回転角度が制御装置24により算出されても良い。
そして、実施例1におけるねじり部材の製造方法では、上述の3DQ装置10の基本動作と同様に、送り開始ステップ、熱間加工ステップ、及び、冷却ステップが実行される。
ただし、冷却ステップでは、制御装置24が駆動装置26を制御することにより、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cがねじり部66のねじれに追従して鋼管62の軸線周りに回転させられる。
つまり、D〜F列の噴射口42からの冷却水の当たる箇所は、A〜C列の噴射口42からの冷却水の当たる箇所に比べて鋼管62のねじれが大きく、ねじれが大きいと冷却に支障をきたすため、D〜F列の噴射口42を有する二番目の冷却ユニット18Bは、ねじり加工条件に応じて鋼管62の軸線周りに回転する。また、G〜H列の噴射口42からの冷却水の当たる箇所は、鋼管62のねじれがさらに大きくなるため、G〜H列の噴射口42を有する三番目の冷却ユニット18Cは、二番目の冷却ユニット18Bに比べてさらに大きく鋼管62の軸線周りに回転する。
このとき、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの回転角度は、ねじり加工条件に基づいて制御装置24により算出される。また、この算出結果に基づいて、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの回転が制御装置24により制御される。
このように、実施例1によれば、鋼管62が誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対して相対的に送られながら、冷却装置18から噴射した冷却水によりねじり部66が冷却される際に、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cがねじり部66のねじれに追従して鋼管62の軸線周りに回転させられる。
これにより、鋼管62のねじれが大きくなった場合でも、ねじり部66に冷却水が適切に当たる状態を維持することができる。つまり、例えば、図7のねじり加工条件2〜4になる場合でも、図7のねじり加工条件1で鋼管62を冷却することができる。この結果、鋼管62の角部の冷却むらを抑制することができるので、3DQで熱間加工したねじり部材64のねじり部66に生じる機械特性の不均一を解消することができる。
また、鋼管62の送り方向下流側に向かうに従って鋼管62のねじれが大きくなることに対応して、複数の冷却ユニット18A〜18Cのうち鋼管62の送り方向上流側から二番目以降に配置された冷却ユニット18B、18Cが鋼管62の軸線周りに回転する。これにより、鋼管62のねじれが大きくなった場合でも、冷却水をねじり部66により効果的に当てることができる。
また、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cをねじり部66のねじれに追従して鋼管62の軸線周りに回転させることにより、鋼管62の送り速度を低下させずにねじり部66を冷却することができる。これにより、生産能率を低下させることなく、ねじれ部66の強度を安定させることできる。この結果、生産能率を低下させずに、ねじり部材64を所定の高い強度で製造することができる。
また、一番目の冷却ユニット18Aは、鋼管62の軸線周りに回転しないので、ねじり角度の小さいねじれ部66の基端部を、一番目の冷却ユニット18Aからの冷却水により的確に冷却することができる。
[実施例2]
3DQによるねじり部材の製造方法では、鋼管62の送り速度を高速化して製造能率を高められることが望ましい。鋼管62の送り速度を高速化する一例としては、例えば、冷却装置18に対する鋼管62の送り方向下流側に別の冷却装置を追加することが考えられる。
また、3DQによるねじり部材の製造方法では、鋼管62にねじり力及び曲げ力を加えてねじり部66に曲げ変形を加える場合がある。このように、鋼管62にねじり力及び曲げ力を加えた場合、ねじり加工及び曲げ加工により鋼管62の断面が移動する。
ここで、図12には、ねじり加工及び曲げ加工により鋼管62の断面が移動する様子が模式図にて示されている。図12において、細線の長方形は、ねじり加工も曲げ加工もしない場合の鋼管62の断面の位置を示しており、二点鎖線の長方形は、ねじり加工をした場合の鋼管62の断面の位置を示している。また、太線の長方形は、ねじり加工と曲げ加工をした場合の鋼管62の断面の位置を示している。
鋼管62の冷却むらの発生する鋼管62の断面の位置の変化は、ねじり加工による位置の変化と曲げ加工による位置の変化の合計である。ねじり角度φのねじり加工により、鋼管62の断面は、縦方向にh1移動する。h1は、以下の式(1)で算出される。以下の式(1)において、Wは、鋼管62の幅である。
h1=(W/2)・sinφ・・・(1)
さらに曲げ加工により、鋼管62の断面は移動する。図12に示されるように、4時の方向(θ=30°)にlの大きさに曲げる場合、曲げ加工により、鋼管62の断面は、縦方向にh2移動する。h2は、以下の式(2)で算出される。ねじり加工と曲げ加工による縦方向の鋼管62の断面の移動量hは、以下の式(3)で算出される。
h2=lsinθ・・・(2)
h=h1+h2 ・・・(3)
このように、ねじり加工と曲げ加工を合わせて行う場合、下流側の別の冷却装置を鋼管62の軸線周りに回転させるだけでは不十分で、さらに下流側の別の冷却装置を鋼管62の曲げ変形に応じて例えば図12の矢印lだけ移動(シフト)させることで、この冷却装置の位置を変更できることが望ましい。
また、ねじり部66の先端側では、鋼管62の送り方向と直交する断面の向きが曲げ加工に応じて変化する。したがって、ねじり部62の先端側に対応して冷却装置を配置する場合には、この冷却装置を鋼管62の曲げ加工に応じて傾動(チルト)させることで、この冷却装置の向きを鋼管62の送り方向に対して変更できることが望ましい。
そこで、図13に示される実施例2では、上述の実施例1に対し、3DQ装置10に次の構成がさらに追加されている。
<追加構成1>
実施例2において、3DQ装置10には、一番目の冷却装置18よりも鋼管62の送り方向下流側に二番目の冷却装置28(二次冷却装置)が設けられている。この二番目の冷却装置28は、一番目の冷却装置18のように複数の冷却ユニットに分割されておらず、一体化した構成とされている。
この二番目の冷却装置28は、この二番目の冷却装置28からの冷却水が鋼管62に当たる位置における鋼管62の送り方向と直交する断面の中心部を中心に鋼管62の軸線周りに回転可能である。この二番目の冷却装置28は、「回転冷却ユニット」に相当する。
また、二番目の冷却装置28は、図13の矢印Pのように、鋼管62の縦方向の曲がりに追従して傾動可能であると共に、図13の矢印Qのように、鋼管62の横方向の曲がりに追従して傾動可能である。さらに、二番目の冷却装置28は、この二番目の冷却装置28からの冷却水が当たる位置における鋼管の送り方向と直交する断面に沿って位置を変更可能である。
<追加構成2>
実施例2において、駆動装置26は、上述の一番目の冷却装置18を構成する複数の冷却ユニット18A〜18Cのうち二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cを鋼管62の軸線周りに回転させる機能に加え、二番目の冷却装置28の向き及び位置を変更させる機能を備える。
制御装置24は、ねじり部66のねじれ変形に応じて一番目の冷却装置18における二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cが回転するように、駆動装置26を制御する機能と、ねじり部66のねじれ変形に応じて二番目の冷却装置28が回転するように、駆動装置26を制御する機能と、ねじり部66の曲げ変形に応じて二番目の冷却装置28の向き及び位置が変更されるように、駆動装置26を制御する機能とを有する。
そして、実施例2におけるねじり部材の製造方法では、例えば、熱間加工ステップにおいて、鋼管62にねじり力及び曲げ力が加えられてねじり部66に曲げ変形が加えられる。また、冷却ステップにおいて、駆動装置26が制御装置24により制御されることにより、ねじり部66のねじれ変形に応じて一番目の冷却装置18における二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cが回転すると共に二番目の冷却装置28が回転する。
また、駆動装置26が制御装置24により制御されることにより、ねじり部66の曲げ変形に応じて二番目の冷却装置28の向き及び位置が変更される。つまり、例えば、二番目の冷却装置28は、図13の矢印Pのように、鋼管62の縦方向の曲がりに追従して傾動されると共に、図13の矢印Qのように、鋼管62の横方向の曲がりに追従して傾動される。これにより、二番目の冷却装置28からの冷却水が当たる位置における鋼管62の送り方向(軸線方向)と二番目の冷却装置28の軸方向とが揃った状態となる。
さらに、駆動装置26が制御装置24により制御されることにより、二番目の冷却装置28は、この二番目の冷却装置28からの冷却水が当たる位置における鋼管62の送り方向と直交する断面に沿って位置が変更される。例えば、二番目の冷却装置28は、図12の矢印lのように位置が変更される。これにより、二番目の冷却装置28からの冷却水が当たる位置における鋼管62の送り方向と直交する断面の中心軸上に二番目の冷却装置28の中心軸が位置する状態となる。
このように、実施例2によれば、一番目の冷却装置18よりも鋼管62の送り方向下流側には、二番目の冷却装置28(二次冷却装置)が設けられている。したがって、鋼管62の送り速度を高速化しても、鋼管62の冷却性を確保できるので、製造能率を高めることができる。
また、実施例2では、二番目の冷却装置28が一番目の冷却装置18よりも鋼管62の送り方向下流側に位置するため、鋼管62のねじり変形及び曲げ変形によって鋼管62の位置が大きく変化する箇所を冷却することになる。
この点、実施例2において、二番目の冷却装置28は、ねじり部66のねじれに追従して鋼管62の軸線周りに回転されると共に、ねじり部66の曲げ変形に応じて向き及び位置が変更される。このため、ねじり部66に曲げ変形が加えられた場合でも、この曲げ変形されたねじり部66に二番目の冷却装置28からの冷却水を的確に当てることができる。これにより、ねじり部66を適切に冷却することができるので、鋼管62の角部の冷却むらを抑制することができる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
上記実施例2において、3DQ装置10は、鋼管62の送り方向に三つ以上の冷却装置を備えていても良い。そして、この三つ以上の冷却装置のうち鋼管62の送り方向上流側から二番目以降に配置された各冷却装置を、「回転冷却ユニット」として鋼管62の軸線周りに回転させても良い。さらに、この二番目以降に配置された冷却装置の向き及び位置をねじり部66の曲げ変形に応じて変更させても良い。
また、実施例1、2において、一番目の冷却装置18は、三つの冷却ユニット18A〜18Cに分割されているが、二つの冷却ユニット18A、18Bに分割されても良く、また、四つ以上の冷却ユニットに分割されても良い。そして、この複数の冷却ユニットのうち鋼管62の送り方向上流側から二番目以降に配置された冷却ユニットが、「回転冷却ユニット」として鋼管62の軸線周りに回転されても良い。
また、実施例1、2において、例えば、一番目の冷却装置18における一番目の冷却ユニット18Aからの冷却水が当たる位置において鋼管62のねじれが大きくなる場合には、この一番目の冷却ユニット18Aが、「回転冷却ユニット」として鋼管62の軸線周りに回転されても良い。
また、実施例1、2において、例えば、一番目の冷却装置18における二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cからの冷却水が当たる位置においてねじり部66に曲げ変形が生じる場合には、この一番目の冷却装置18における二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの向き及び位置が駆動装置26により変更されても良い。
このように二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cの向き及び位置が変更される場合に、二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cは、この二番目及び三番目の冷却ユニット18B、18Cからの冷却水が鋼管62に当たる位置における鋼管62の送り方向と直交する断面の中心部を中心に鋼管62の軸線周りにそれぞれ回転されることが望ましい。
また、実施例1、2において、例えば、一番目の冷却装置18における一番目の冷却ユニット18Aからの冷却水が当たる位置においてねじり部66に曲げ変形が生じる場合には、この一番目の冷却ユニット18Aの向き及び位置が駆動装置26により変更されても良い。
このように一番目の冷却ユニット18Aの向き及び位置が変更される場合に、一番目の冷却ユニット18Aは、この一番目の冷却ユニット18Aからの冷却水が鋼管62に当たる位置における鋼管62の送り方向と直交する断面の中心部を中心に鋼管62の軸線周りに回転されることが望ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 3DQ装置(ねじり部材の製造装置の一例)
12 誘導加熱コイル(加熱装置の一例)
14 高周波電力発生装置
16 外力付与装置
18 冷却装置
18A、18B 冷却ユニット(回転冷却ユニットの一例)
18C 冷却ユニット
20 冷却水供給装置
22 送り装置
24 制御装置
26 駆動装置
28 冷却装置(回転冷却ユニットの一例)
42 噴射口
62 鋼管
64 ねじり部材
66 ねじり部

Claims (9)

  1. 断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を、加熱装置と、前記鋼管の軸線周りに回転可能な回転冷却ユニットとに対して前記鋼管の長手方向に相対的に送りながら、前記加熱装置により前記鋼管を局所的に加熱すると共に、前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する熱間加工ステップと、
    前記鋼管を前記加熱装置及び前記回転冷却ユニットに対して相対的に送りながら、前記回転冷却ユニットを前記ねじり部のねじれに追従して前記鋼管の軸線周りに回転させると共に、前記回転冷却ユニットから前記ねじり部に向けて冷却水を噴射し、前記ねじり部を冷却して焼入れする冷却ステップと、
    を備えるねじり部材の製造方法。
  2. 前記鋼管の送り方向に分割された複数の冷却ユニットを有する冷却装置を用い、
    前記冷却ステップにおいて、前記複数の冷却ユニットのうち前記鋼管の送り方向上流側から二番目以降に配置され前記回転冷却ユニットである冷却ユニットを前記鋼管の軸線周りに回転させると共に、前記複数の冷却ユニットから前記ねじり部に向けて冷却水を噴射し、前記ねじり部を冷却して焼入れする、
    請求項1に記載のねじり部材の製造方法。
  3. 前記鋼管の送り方向に並ぶ複数の冷却装置を用い、
    前記冷却ステップにおいて、前記複数の冷却装置のうち前記鋼管の送り方向上流側から二番目以降に配置され前記回転冷却ユニットである冷却装置を前記鋼管の軸線周りに回転させると共に、前記複数の冷却装置から前記ねじり部に向けて冷却水を噴射し、前記ねじり部を冷却して焼入れする、
    請求項1又は請求項2に記載のねじり部材の製造方法。
  4. 前記熱間加工ステップにおいて、前記鋼管にねじり力及び曲げ力を加えて前記ねじり部に曲げ変形を加え、
    前記冷却ステップにおいて、前記ねじり部の曲げ変形に応じて前記二番目以降に配置された冷却装置の向き及び位置を変更する、
    請求項3に記載のねじり部材の製造方法。
  5. 断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を局所的に加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置によって前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する外力付与装置と、
    前記鋼管の軸線周りに回転可能であると共に、前記ねじり部に向けて冷却水を噴射する回転冷却ユニットと、
    前記鋼管を前記加熱装置及び前記回転冷却ユニットに対して前記鋼管の長手方向に相対的に送る送り装置と、
    を備えるねじり部材の製造装置。
  6. 前記回転冷却ユニットを前記鋼管の軸線周りに回転させる駆動装置と、
    前記ねじり部のねじれに追従して前記回転冷却ユニットが前記鋼管の軸線周りに回転するように、前記駆動装置を制御する制御装置と、
    を備える、
    請求項5に記載のねじり部材の製造装置。
  7. 前記鋼管の送り方向に分割され前記ねじり部に向けて冷却水を噴射する複数の冷却ユニットを有する冷却装置を備え、
    前記複数の冷却ユニットのうち前記鋼管の送り方向上流側から二番目以降に配置された冷却ユニットは、前記回転冷却ユニットである、
    請求項5又は請求項6に記載のねじり部材の製造装置。
  8. 前記鋼管の送り方向に並び、前記ねじり部に向けて冷却水を噴射する複数の冷却装置を備え、
    前記複数の冷却装置のうち前記鋼管の送り方向上流側から二番目以降に配置された冷却装置は、前記回転冷却ユニットである、
    請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載のねじり部材の製造装置。
  9. 前記外力付与装置は、前記鋼管にねじり力及び曲げ力を加えて前記ねじり部に曲げ変形を加え、
    前記二番目以降に配置された冷却装置は、前記ねじり部の曲げ変形に応じて向き及び位置を変更可能である、
    請求項8に記載のねじり部材の製造装置。
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