JP2017131925A - 銅部材接合体の製造方法 - Google Patents
銅部材接合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017131925A JP2017131925A JP2016013682A JP2016013682A JP2017131925A JP 2017131925 A JP2017131925 A JP 2017131925A JP 2016013682 A JP2016013682 A JP 2016013682A JP 2016013682 A JP2016013682 A JP 2016013682A JP 2017131925 A JP2017131925 A JP 2017131925A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copper
- oxide
- sintering step
- range
- porous body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Conductive Materials (AREA)
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Abstract
【課題】接合強度が高く、かつ、導電性、熱伝導性及び耐熱性に優れた接合層を有する銅部材接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】銅又は銅合金からなる銅部材同士が接合された銅部材接合体の製造方法であって、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有する接合材を、前記銅部材同士の間に配置する接合材配置工程S01と、不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する第1焼結工程S02と、第1焼結工程S02の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する第2焼結工程S03と、を有し、前記銅部材同士の間に、金属銅からなる接合層を形成することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】銅又は銅合金からなる銅部材同士が接合された銅部材接合体の製造方法であって、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有する接合材を、前記銅部材同士の間に配置する接合材配置工程S01と、不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する第1焼結工程S02と、第1焼結工程S02の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する第2焼結工程S03と、を有し、前記銅部材同士の間に、金属銅からなる接合層を形成することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、銅又は銅合金からなる銅部材同士が接合された銅部材接合体の製造方法に関するものである。
従来、銅又は銅合金からなる銅部材同士を接合する場合には、例えば銅部材よりも低融点のろう材やはんだ材等の低融点接合材を用いた接合方法が広く適用されている。ろう材やはんだ材等の低融点接合材としては、Sn等の低融点金属、P等の融点低下元素を含む銅合金が挙げられる。このような低融点金属や融点低下元素を含む銅合金からなる低融点接合材を用いて接合した場合、銅部材同士の間に形成された接合層および銅部材にSnやP等の低融点金属や融点低下元素が固溶することにより、導電性や熱伝導性が低くなるといった問題があった。また、接合層自体の融点が低いため、高温環境下で使用することができないといった問題があった。
また、例えば銅部材のいずれか一方が銅多孔質体であった場合には、接合時に生じた液相が銅多孔質体の孔部に入り込んでしまい、銅多孔質体の気孔率が変化するとともに、接合が不十分となるといった問題があった。
また、例えば銅部材のいずれか一方が銅多孔質体であった場合には、接合時に生じた液相が銅多孔質体の孔部に入り込んでしまい、銅多孔質体の気孔率が変化するとともに、接合が不十分となるといった問題があった。
ここで、ろう材やはんだ材等の低融点接合材を用いない接合方法として、酸化銅や金属銅の粉末を焼結させて接合する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、酸化第二銅ナノ粒子を用いた焼結接合材が開示されている。また、特許文献2には、銅ナノ粒子を用いた焼結接合材が開示されている。これらの特許文献1,2に記載された焼結接合材は、焼結性の高いナノ粒子を用いることによって、接合性の向上を図っている。
例えば特許文献1には、酸化第二銅ナノ粒子を用いた焼結接合材が開示されている。また、特許文献2には、銅ナノ粒子を用いた焼結接合材が開示されている。これらの特許文献1,2に記載された焼結接合材は、焼結性の高いナノ粒子を用いることによって、接合性の向上を図っている。
ところで、ナノ粒子を用いた接合材においては、ナノ粒子が凝集しやすい傾向にあることから、ナノ粒子を溶液中に分散させ、さらに分散安定剤を添加する必要があった。
しかしながら、分散安定剤等は、接合条件等によっては接合層内に残存し、接合強度が低下してしまうおそれがあった。また、分散安定剤を添加しない場合には、ナノ粒子が凝集して均一な接合ができず、接合強度が低下してしまうおそれがあった。
また、例えば銅部材のいずれか一方が銅多孔質体であった場合には、ナノ粒子を分散させた溶液が銅多孔質体の孔部に入り込んでしまい、接合部における溶液の残存量が低下し、銅多孔質体を良好に接合することが困難であった。
しかしながら、分散安定剤等は、接合条件等によっては接合層内に残存し、接合強度が低下してしまうおそれがあった。また、分散安定剤を添加しない場合には、ナノ粒子が凝集して均一な接合ができず、接合強度が低下してしまうおそれがあった。
また、例えば銅部材のいずれか一方が銅多孔質体であった場合には、ナノ粒子を分散させた溶液が銅多孔質体の孔部に入り込んでしまい、接合部における溶液の残存量が低下し、銅多孔質体を良好に接合することが困難であった。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、接合強度が高く、かつ、導電性、熱伝導性及び耐熱性に優れた接合層を有する銅部材接合体の製造方法を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の銅部材接合体の製造方法は、銅又は銅合金からなる銅部材同士が接合された銅部材接合体の製造方法であって、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有する接合材を、前記銅部材同士の間に配置する接合材配置工程と、不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する第1焼結工程と、前記第1焼結工程の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する第2焼結工程と、を有し、前記銅部材同士の間に、金属銅からなる接合層を形成することを特徴としている。
この構成の銅部材接合体の製造方法によれば、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を、前記銅部材同士の間に配置する接合材配置工程と、不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する第1焼結工程と、を備えているので、この第1焼結工程において、熱力学的に安定な酸化第一銅を含む銅酸化物が銅部材同士の接合界面に存在することになり、主に銅酸化物中に含まれる酸化第一銅の正孔拡散によって焼結が促進される。なお、接合材に酸化第一銅が含有されていない場合でも、第1焼結工程において銅酸化物が所定の雰囲気・温度条件下に保持されることにより、熱力学的に安定な酸化第一銅が生成されるため、銅部材同士の接合界面に酸化第一銅を含む銅酸化物が存在することになる。
そして、前記第1焼結工程の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する第2焼結工程を有しているので、所定の雰囲気・温度条件下で銅酸化物が還元されて金属銅の新生面が生成し、新生面同士の接触による表面拡散によって焼結が促進される。
以上のように、正孔拡散及び表面拡散によって焼結が促進されることにより、接合強度の向上を図ることが可能となる。また、前記銅部材同士の間には、銅酸化物が還元されることで、高純度で導電性及び熱伝導性に優れ、かつ高い融点を有する金属銅からなる接合層が形成されることになり、耐熱性、導電性及び熱伝導性に優れた接合層を形成することが可能となる。
そして、前記第1焼結工程の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する第2焼結工程を有しているので、所定の雰囲気・温度条件下で銅酸化物が還元されて金属銅の新生面が生成し、新生面同士の接触による表面拡散によって焼結が促進される。
以上のように、正孔拡散及び表面拡散によって焼結が促進されることにより、接合強度の向上を図ることが可能となる。また、前記銅部材同士の間には、銅酸化物が還元されることで、高純度で導電性及び熱伝導性に優れ、かつ高い融点を有する金属銅からなる接合層が形成されることになり、耐熱性、導電性及び熱伝導性に優れた接合層を形成することが可能となる。
ここで、本発明の銅部材接合体の製造方法においては、前記接合材は、酸化第一銅を含むことが好ましい。
この場合、銅部材同士の間に配置される接合材に酸化第一銅が含まれているので、第1焼結工程において、酸化第一銅を確実に接合界面に存在させることができ、酸化第一銅の正孔拡散によって焼結を十分に促進することができる。これにより、接合強度を向上させることができる。
この場合、銅部材同士の間に配置される接合材に酸化第一銅が含まれているので、第1焼結工程において、酸化第一銅を確実に接合界面に存在させることができ、酸化第一銅の正孔拡散によって焼結を十分に促進することができる。これにより、接合強度を向上させることができる。
また、本発明の銅部材接合体の製造方法においては、前記銅部材の少なくとも一方を銅多孔質体としていてもよい。
この場合、前記銅部材の少なくとも一方が銅多孔質体とされているが、接合過程において液相が生じず、かつ、溶液を用いていないので、被接合体である銅多孔質体の孔部に液相や溶液が入り込むおそれがない。よって、銅多孔質体を良好に接合することができる。
この場合、前記銅部材の少なくとも一方が銅多孔質体とされているが、接合過程において液相が生じず、かつ、溶液を用いていないので、被接合体である銅多孔質体の孔部に液相や溶液が入り込むおそれがない。よって、銅多孔質体を良好に接合することができる。
ここで、本発明の銅部材接合体の製造方法において、前記銅部材の少なくとも一方が銅多孔質体であり、前記接合材が銅酸化物粉又は金属銅粉の少なくとも一方を有している場合には、これら銅酸化物粉又は金属銅粉の平均粒径Dが、前記銅多孔質体の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内であることが好ましい。
この場合、前記銅酸化物粉又は前記金属銅粉の平均粒径Dが、前記銅多孔質体の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内とされているので、多孔質体の表面に前記銅酸化物粉又は前記金属銅粉を配置した場合でも、前記銅酸化物粉又は前記金属銅粉が銅多孔質体の内部に入り込むことを抑制でき、かつ接合材と被接合部材同士との接触面積を十分に確保することができることから、銅多孔質体を確実に接合することができる。
この場合、前記銅酸化物粉又は前記金属銅粉の平均粒径Dが、前記銅多孔質体の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内とされているので、多孔質体の表面に前記銅酸化物粉又は前記金属銅粉を配置した場合でも、前記銅酸化物粉又は前記金属銅粉が銅多孔質体の内部に入り込むことを抑制でき、かつ接合材と被接合部材同士との接触面積を十分に確保することができることから、銅多孔質体を確実に接合することができる。
本発明によれば、接合強度が高く、かつ、導電性、熱伝導性及び耐熱性に優れた接合層を有する銅部材接合体の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態である銅部材接合体の製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態である銅部材接合体は、図1に示すように、銅板11と、銅多孔質体20と、が接合された銅多孔質複合部材10とされている。すなわち、銅部材の一方が銅板11とされ、銅部材の他方が銅多孔質体20とされ、これらが接合されたものとされている。
本実施形態である銅部材接合体は、図1に示すように、銅板11と、銅多孔質体20と、が接合された銅多孔質複合部材10とされている。すなわち、銅部材の一方が銅板11とされ、銅部材の他方が銅多孔質体20とされ、これらが接合されたものとされている。
ここで、本実施形態である銅多孔質体20は、図2に示すように、複数の銅繊維21が焼結された骨格部22を有している。また、本実施形態では、銅多孔質体20全体の比表面積が0.01m2/g以上とされ、気孔率が50%以上95%以下の範囲内とされている。
ここで銅多孔質体の比表面積は、ガス吸着量測定装置(QUANTACHROME AUTOSORB-1)を用いて、かつ、測定ガスにKrガスを用いて測定したガス吸着量から、BETの式を用いて算出される値を用いた。
ここで銅多孔質体の比表面積は、ガス吸着量測定装置(QUANTACHROME AUTOSORB-1)を用いて、かつ、測定ガスにKrガスを用いて測定したガス吸着量から、BETの式を用いて算出される値を用いた。
ここで、銅繊維21は、銅又は銅合金からなり、直径Rが0.02mm以上、1.0mm以下の範囲内とされ、長さLと直径Rとの比L/Rが4以上、2500以下の範囲内とされている。本実施形態では、銅繊維21は、例えばC1100(タフピッチ銅)で構成されている。なお、本実施形態では、銅繊維21には、ねじりや曲げ等の形状付与が施されている。
また、本実施形態である銅多孔質体20においては、その見掛け密度DAが銅繊維21の真密度DTの51%以下とされている。銅繊維21の形状については、前記見掛け密度DAが銅繊維21の真密度DTの51%以下となる限りにおいて、直線状、曲線状など任意であるが、銅繊維21の少なくとも一部に、ねじり加工や曲げ加工等により所定の形状付与加工をされたものを用いると、繊維同士の間の空隙形状を立体的かつ等方的に形成させることができ、その結果、銅多孔質体20の伝熱特性及び導電性等の各種特性の等方性向上に繋がる。
なお、銅繊維21は、引き抜き法、コイル切削法、ワイヤ切削法、溶融紡糸法などにより、所定の換算繊維径に調整され、これをさらに所定のL/Rを満たすように長さを調整して切断することにより、製造される。
ここで、換算繊維径Rとは、各繊維の断面積Aを元に算出される値であり、断面形状に関わらず真円であると仮定し、以下の式により定義されるものである。
R=(A/π)1/2×2
ここで、換算繊維径Rとは、各繊維の断面積Aを元に算出される値であり、断面形状に関わらず真円であると仮定し、以下の式により定義されるものである。
R=(A/π)1/2×2
銅板11は、銅又は銅合金からなり、本実施形態では、例えばC1100(タフピッチ銅)の圧延板とされている。
そして、銅多孔質体20と銅板11との間には、銅酸化物を含む接合材を還元焼結させることによって形成された金属銅からなる接合層13が設けられている。
そして、銅多孔質体20と銅板11との間には、銅酸化物を含む接合材を還元焼結させることによって形成された金属銅からなる接合層13が設けられている。
次に、本実施形態である銅多孔質複合部材10(銅部材接合体)の製造方法について、図3のフロー図を参照して説明する。
(接合材配置工程S01)
まず、銅板11と銅多孔質体20との接合界面に、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を配置する。
ここで、接合界面に銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を配置する際には、銅酸化物粉及び金属銅粉を散布したり、銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合物を含有するペーストを塗布したり、銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有するシートを載置してもよい。
なお、銅酸化物粉及び金属銅粉を散布する場合には、接合面にアクリル等のバインダーを塗布しておき、このバインダー上に銅酸化物粉末及び金属銅粉末を散布することにより、接合面に銅酸化物粉末及び金属銅粉末を固定してもよい。
また、銅酸化物粉及び金属銅粉を含有するペーストを塗布する場合には、多孔質体内部への吸い上げを防ぐため、銅多孔質体20に応じて、吸い上げが起こらないよう粘度を一定以上に調整することが望ましい。
まず、銅板11と銅多孔質体20との接合界面に、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を配置する。
ここで、接合界面に銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を配置する際には、銅酸化物粉及び金属銅粉を散布したり、銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合物を含有するペーストを塗布したり、銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有するシートを載置してもよい。
なお、銅酸化物粉及び金属銅粉を散布する場合には、接合面にアクリル等のバインダーを塗布しておき、このバインダー上に銅酸化物粉末及び金属銅粉末を散布することにより、接合面に銅酸化物粉末及び金属銅粉末を固定してもよい。
また、銅酸化物粉及び金属銅粉を含有するペーストを塗布する場合には、多孔質体内部への吸い上げを防ぐため、銅多孔質体20に応じて、吸い上げが起こらないよう粘度を一定以上に調整することが望ましい。
本実施形態では、接合材は、銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合粉を含むものとしており、接合面にアクリルを塗布し、銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合粉を散布した。なお、このときの銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合粉の単位面積当たりの配置量は、0.02g/cm2以上0.5g/cm2以下の範囲内とした。
また、これら酸化銅粉又は金属銅粉の平均粒径Dは、銅多孔質体20の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内とされており、本実施形態では、5μm以上200μm以下の範囲内とされている。
また、これら酸化銅粉又は金属銅粉の平均粒径Dは、銅多孔質体20の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内とされており、本実施形態では、5μm以上200μm以下の範囲内とされている。
(第1焼結工程S02)
次に、銅板11と銅多孔質体20との接合界面に、銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を配置した状態で、不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する。
この第1焼結工程S02において、熱力学的に安定な酸化第一銅を含む銅酸化物が接合界面に存在することになり、主に銅酸化物中に含まれる酸化第一銅の正孔拡散により、焼結が促進される。
なお、接合界面に銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を配置する際に用いたペースト成分やアクリル等のバインダー成分として、第1焼結工程S02で規定している温度条件よりずっと低い温度条件で揮発・分解するものを選択することにより、第1焼結工程S02開始時には、既にこれらの添加物が接合界面には存在していない。
次に、銅板11と銅多孔質体20との接合界面に、銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を配置した状態で、不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する。
この第1焼結工程S02において、熱力学的に安定な酸化第一銅を含む銅酸化物が接合界面に存在することになり、主に銅酸化物中に含まれる酸化第一銅の正孔拡散により、焼結が促進される。
なお、接合界面に銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を配置する際に用いたペースト成分やアクリル等のバインダー成分として、第1焼結工程S02で規定している温度条件よりずっと低い温度条件で揮発・分解するものを選択することにより、第1焼結工程S02開始時には、既にこれらの添加物が接合界面には存在していない。
ここで、接合材における銅に対する酸素のモル比率が0.3未満の場合には、酸化第一銅を含む銅酸化物の含有量が不足し、第1焼結工程S02において、正孔拡散による焼結の促進が不十分となるおそれがある。このため、本実施形態においては、接合材における銅に対する酸素のモル比率を0.3以上としている。
なお、接合材に酸化第一銅が含有されていない場合でも、第1焼結工程S02において700℃以上1070℃以下の範囲内に不活性ガス雰囲気下において加熱保持することにより、これらの条件下において熱力学的に安定な酸化第一銅が生成されるため、酸化第一銅を含む銅酸化物が接合界面に存在することになる。このため、接合材においては、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:1とされ、酸化第二銅のみを含むものであってもよい。
なお、接合材を配置した状態で接合界面に確実に酸化第一銅を存在させるためには、接合材が酸化第一銅を含むことが好ましい。よって、銅酸化物からなる接合材の銅に対する酸素のモル比率は0.9以下であることが好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。
なお、接合材に酸化第一銅が含有されていない場合でも、第1焼結工程S02において700℃以上1070℃以下の範囲内に不活性ガス雰囲気下において加熱保持することにより、これらの条件下において熱力学的に安定な酸化第一銅が生成されるため、酸化第一銅を含む銅酸化物が接合界面に存在することになる。このため、接合材においては、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:1とされ、酸化第二銅のみを含むものであってもよい。
なお、接合材を配置した状態で接合界面に確実に酸化第一銅を存在させるためには、接合材が酸化第一銅を含むことが好ましい。よって、銅酸化物からなる接合材の銅に対する酸素のモル比率は0.9以下であることが好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。
ここで、第1焼結工程S02における加熱温度が700℃未満の場合には、正孔拡散による焼結の促進が不十分となるおそれがある。一方、第1焼結工程S02における加熱温度が1070℃を超える場合には、局所的にCu0.6O0.4の共晶温度である1080℃を超えて、銅板11及び銅多孔質体20が溶融してしまうおそれがある。以上のことから、本実施形態では、第1焼結工程S02における加熱温度を700℃以上1070℃以下の範囲内としている。
なお、正孔拡散によってさらに焼結を促進するためには、第1焼結工程S02における加熱温度の下限を800℃以上とすることが好ましい。また、銅板11及び銅多孔質体20の溶融を確実に抑制するためには、第1焼結工程S02における加熱温度の上限を1050℃以下とすることが好ましい。
なお、正孔拡散によってさらに焼結を促進するためには、第1焼結工程S02における加熱温度の下限を800℃以上とすることが好ましい。また、銅板11及び銅多孔質体20の溶融を確実に抑制するためには、第1焼結工程S02における加熱温度の上限を1050℃以下とすることが好ましい。
また、第1焼結工程S02において上述の加熱温度における保持時間は、5分以上300分以下の範囲内とすることが好ましい。
第1焼結工程S02における保持時間が5分未満では、正孔拡散による焼結の促進が不十分となるおそれがある。一方、第1焼結工程S02における保持時間が300分を超えると、銅多孔質体20において焼結が進行してしまい、銅多孔質体20の気孔率が低下してしまうおそれがある。以上のことから、本実施形態では、第1焼結工程S02において上述の加熱温度における保持時間を上述の範囲内に設定している。
なお、正孔拡散によってさらに焼結を促進するためには、第1焼結工程S02における保持時間の下限を10分以上とすることが好ましい。
第1焼結工程S02における保持時間が5分未満では、正孔拡散による焼結の促進が不十分となるおそれがある。一方、第1焼結工程S02における保持時間が300分を超えると、銅多孔質体20において焼結が進行してしまい、銅多孔質体20の気孔率が低下してしまうおそれがある。以上のことから、本実施形態では、第1焼結工程S02において上述の加熱温度における保持時間を上述の範囲内に設定している。
なお、正孔拡散によってさらに焼結を促進するためには、第1焼結工程S02における保持時間の下限を10分以上とすることが好ましい。
また、この第1焼結工程S02においては、不活性ガス雰囲気として、N2ガス雰囲気、Arガス雰囲気等を用いることができる。
(第2焼結工程S03)
次に、第1焼結工程S02の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する。
この第2焼結工程S03において、所定の雰囲気・温度条件下に保持されることによって、銅酸化物が還元されて、表面酸化被膜を有さない金属銅からなる新生面が生成し、新生面同士の接触による表面拡散によって焼結が促進される。
次に、第1焼結工程S02の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する。
この第2焼結工程S03において、所定の雰囲気・温度条件下に保持されることによって、銅酸化物が還元されて、表面酸化被膜を有さない金属銅からなる新生面が生成し、新生面同士の接触による表面拡散によって焼結が促進される。
ここで、接合材における銅に対する酸素のモル比率が0.3未満の場合には、銅酸化物の含有量が不足し、第2焼結工程S03において、新生面が十分に生成せず、表面拡散による焼結の促進が不十分となるおそれがある。このため、本実施形態においては、接合材における銅に対する酸素のモル比率を0.3以上としている。
また、第2焼結工程S03における加熱温度が600℃未満の場合には、還元後の新生面の表面拡散及び体積拡散が進行せず、焼結が促進されないおそれがある。一方、第2焼結工程S03における加熱温度が1050℃を超える場合には、局所的にCu0.96O0.04の共晶温度である1065℃を超えて、銅板11及び銅多孔質体20が溶融してしまうおそれがある。以上のことから、本実施形態では、第2焼結工程S03における加熱温度を600℃以上1050℃以下の範囲内としている。
また、第2焼結工程S03において上述の加熱温度における保持時間は、5分以上300分以下の範囲内とすることが好ましい。
第2焼結工程S03における保持時間が5分未満では、焼結が十分に進行しないおそれがある。一方、第2焼結工程S03における保持時間が300分を超えると、焼結が必要以上に進行してしまい、銅多孔質体20の気孔率が低下してしまうおそれがある。以上のことから、本実施形態では、第2焼結工程S03において上述の加熱温度における保持時間を上述の範囲内に設定している。
第2焼結工程S03における保持時間が5分未満では、焼結が十分に進行しないおそれがある。一方、第2焼結工程S03における保持時間が300分を超えると、焼結が必要以上に進行してしまい、銅多孔質体20の気孔率が低下してしまうおそれがある。以上のことから、本実施形態では、第2焼結工程S03において上述の加熱温度における保持時間を上述の範囲内に設定している。
また、この第2焼結工程S03においては、還元性ガスとしては、H2ガス、N2−H2混合ガス、Ar−H2混合ガス、AXガス、RXガス、アンモニア分解ガス等を用いることができる。
以上のような構成とされた本実施形態である銅部材接合体(銅多孔質複合部材10)の製造方法によれば、接合材配置工程S01において、銅板11と銅多孔質体20との接合界面に、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を配置し、第1焼結工程S02において、不活性ガス雰囲気下で700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持しているので、所定条件下で熱力学的に安定な酸化第一銅を含む銅酸化物が接合界面に存在することになり、主に銅酸化物中に含まれる酸化第一銅の正孔拡散により、焼結を促進することができる
そして、第1焼結工程S02の後に、第2焼結工程S03において、還元雰囲気下で600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持しているので、所定条件下で銅酸化物が還元されて、表面酸化被膜を有さない金属銅からなる新生面が生成し、新生面同士の接触による表面拡散によって焼結を促進することが可能となる。
そして、第1焼結工程S02の後に、第2焼結工程S03において、還元雰囲気下で600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持しているので、所定条件下で銅酸化物が還元されて、表面酸化被膜を有さない金属銅からなる新生面が生成し、新生面同士の接触による表面拡散によって焼結を促進することが可能となる。
これにより、銅板11と銅多孔質体20との間に、金属銅からなる接合層13を形成することができる。このようにして形成された接合層13には、銅以外の添加元素を含んでおらず純度が高いため、金属銅本来の導電性、高熱伝導性、高融点が維持されている。よって、ろう材等の低融点接合材を用いた場合に比べて、接合層13における耐熱性、導電性及び熱伝導性に優れている。
さらに、上述のように、正孔拡散及び新生面同士の表面拡散によって焼結が十分に進行されているので、接合強度を十分に向上させることができる。
さらに、上述のように、正孔拡散及び新生面同士の表面拡散によって焼結が十分に進行されているので、接合強度を十分に向上させることができる。
また、本実施形態では、銅酸化物粉又は金属銅粉の平均粒径Dが、銅多孔質体20の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内とされており、本実施形態では、5μm以上200μm以下の範囲内とされているので、銅多孔質体20の内部に銅酸化物粉又は金属銅粉が入り込むことを抑制でき、かつ接合材と被接合部材同士との接触面積を十分に確保することができるため、金属銅からなる接合層13を確実に形成して、銅板11と銅多孔質体20とを強固に接合することができる。
さらに、本実施形態では、接合面にアクリルを塗布し、銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合粉を散布しているので、銅板11と銅多孔質体20との接合界面に、銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を有する接合材を確実に配置することができる。また、取り扱い時に銅酸化物粉又は金属銅粉と銅酸化物粉の混合粉が落下することを抑制できる。
また、塗布したアクリルは第1焼結工程S02に定めた温度範囲よりずっと低い温度で分解・揮発してしまうため、第1焼結工程S02及び第2焼結工程S03における前記焼結過程を阻害せず、接合強度に優れた接合層13を得ることができる。
また、塗布したアクリルは第1焼結工程S02に定めた温度範囲よりずっと低い温度で分解・揮発してしまうため、第1焼結工程S02及び第2焼結工程S03における前記焼結過程を阻害せず、接合強度に優れた接合層13を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、タフピッチ銅(JIS C1100)からなる銅多孔質体及び銅板を接合したものとして説明したが、これに限定されることはなく、銅部材の材質としては、無酸素銅、りん脱酸銅、黄銅、クロム銅、ジルコン銅等の各種銅又は銅合金で構成されたものであってもよい。
例えば、本実施形態においては、タフピッチ銅(JIS C1100)からなる銅多孔質体及び銅板を接合したものとして説明したが、これに限定されることはなく、銅部材の材質としては、無酸素銅、りん脱酸銅、黄銅、クロム銅、ジルコン銅等の各種銅又は銅合金で構成されたものであってもよい。
また、本実施形態では、図1に示す構造の銅多孔質複合部材を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、銅板の両面に銅多孔質体を接合したものであってもよい。また、銅多孔質体の両面に銅板を接合したものであってもよい。
さらに、本実施形態では、銅多孔質体として銅繊維を焼結したものを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、銅粉末の焼結体からなる銅多孔質体であってもよいし、銅不織布、発泡銅であってもよい。
また、本実施形態では、接合する銅部材として、銅板と銅多孔質体とを接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、銅板同士を接合した銅部材接合体であってもよい。
さらに、本実施形態では、銅多孔質体として銅繊維を焼結したものを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、銅粉末の焼結体からなる銅多孔質体であってもよいし、銅不織布、発泡銅であってもよい。
また、本実施形態では、接合する銅部材として、銅板と銅多孔質体とを接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、銅板同士を接合した銅部材接合体であってもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
接合する銅部材として、C1100(タフピッチ銅)からなる銅板及び銅多孔質体を準備した。
銅板は、長さ100mm、幅25mm、厚さ3mmとした。
銅多孔質体は、直径0.1mm,長さ3mmの金属短繊維を用いて、長さ100mm、幅25mm、厚さ3mmに成形し、1000℃で30分間、還元雰囲気下で焼結して作製した。なお、気孔率は70%であった。
また、銅多孔体の平均細孔直径Dpは、水銀圧入法を用いて測定した、全細孔比表面積Aと全細孔容積Vから以下の式によって定義される値を用いた。
Dp=4V/A
なお、本実施例では島津製作所社製水銀ポロシメーター(オートポアIV9500)を用いて、測定を実施したが、銅多孔質体の平均細孔直径に合わせて、適宜、ガス吸着法や3次元画像の解析結果を用いた測定から得られた上記の値を用いて算出しても良い。
接合する銅部材として、C1100(タフピッチ銅)からなる銅板及び銅多孔質体を準備した。
銅板は、長さ100mm、幅25mm、厚さ3mmとした。
銅多孔質体は、直径0.1mm,長さ3mmの金属短繊維を用いて、長さ100mm、幅25mm、厚さ3mmに成形し、1000℃で30分間、還元雰囲気下で焼結して作製した。なお、気孔率は70%であった。
また、銅多孔体の平均細孔直径Dpは、水銀圧入法を用いて測定した、全細孔比表面積Aと全細孔容積Vから以下の式によって定義される値を用いた。
Dp=4V/A
なお、本実施例では島津製作所社製水銀ポロシメーター(オートポアIV9500)を用いて、測定を実施したが、銅多孔質体の平均細孔直径に合わせて、適宜、ガス吸着法や3次元画像の解析結果を用いた測定から得られた上記の値を用いて算出しても良い。
表1に示す被接合部材の組み合わせで、図4に示したように被接合部材(銅板/銅多孔質体)を重ね合わせ、接着部分として長さ12.5mmの範囲に、表1に示す銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有する接合材を配置し、この状態で、表1に示す条件で第1焼結工程及び第2焼結工程を行った。
ここで、表1に記載した接合材における銅と酸素のモル比率は、銅量を原子吸光法にて測定し、酸素量を不活性ガス溶解−赤外線吸着法によって定量し、これらの定量結果から求めた。
接合材に含まれる金属銅粉もしくは銅酸化物粉の平均粒径は、マイクロトラック社製レーザー回折散乱式粒度分布測定機(MT3300EX II)を用いて測定した、50%粒子径(メディアン径)として定義した。
ここで、表1に記載した接合材における銅と酸素のモル比率は、銅量を原子吸光法にて測定し、酸素量を不活性ガス溶解−赤外線吸着法によって定量し、これらの定量結果から求めた。
接合材に含まれる金属銅粉もしくは銅酸化物粉の平均粒径は、マイクロトラック社製レーザー回折散乱式粒度分布測定機(MT3300EX II)を用いて測定した、50%粒子径(メディアン径)として定義した。
得られた接合体について、引張試験機を用いてせん断引張強度を測定した。なお、上述の接合強度の評価は、JIS K6850の「接着剤の引張せん断接着強さ試験方法」に準じて実施した。評価結果を表1に示す。
合わせて得られた接合体について、接合部の電気抵抗値を測定した。電気抵抗値の測定は、重ね合わせ部の両端5mmの箇所からの電気抵抗値を四端子測定法において実施した。測定結果を表1に示す。
また、本発明例及び比較例のせん断引張強度(N)と接合部電気抵抗(mΩ)との関係を図5に示す。
合わせて得られた接合体について、接合部の電気抵抗値を測定した。電気抵抗値の測定は、重ね合わせ部の両端5mmの箇所からの電気抵抗値を四端子測定法において実施した。測定結果を表1に示す。
また、本発明例及び比較例のせん断引張強度(N)と接合部電気抵抗(mΩ)との関係を図5に示す。
接合材における銅と酸素のモル比率において酸素の比率が0、すなわち銅酸化物を含有しない比較例1においては、銅板と銅板とを接合することができなかった。
接合材における銅と酸素のモル比率において酸素の比率が本発明の範囲よりも低い比較例2及び比較例3においては、せん断引張強度が低く、接合強度が不十分であった。また、接合部の電気抵抗も比較的大きくなった。
接合材における銅と酸素のモル比率において酸素の比率が本発明の範囲よりも低い比較例2及び比較例3においては、せん断引張強度が低く、接合強度が不十分であった。また、接合部の電気抵抗も比較的大きくなった。
不活性雰囲気における焼結温度が本発明の範囲よりも低い比較例4及び還元雰囲気における焼結温度が本発明の範囲よりも低い比較例5においては、せん断引張強度が低く、接合強度が不十分であった。また、接合部の電気抵抗も比較的大きくなった。
不活性雰囲気における焼結温度が本発明の範囲よりも高い比較例6及び還元雰囲気における焼結温度が本発明の範囲よりも高い比較例7においては、被接合部材の一部が溶融してしまった。
不活性雰囲気における焼結温度が本発明の範囲よりも高い比較例6及び還元雰囲気における焼結温度が本発明の範囲よりも高い比較例7においては、被接合部材の一部が溶融してしまった。
これに対して、接合材における銅と酸素のモル比率、不活性雰囲気における焼結温度及び還元雰囲気における焼結温度が本発明の範囲内とされた本発明例においては、せん断引張強度が高く、十分な接合強度を備えていた。また、接合部の電気抵抗も比較的小さくなった。
以上のことから、本発明例によれば、接合強度が高く、かつ、導電性、熱伝導性及び耐熱性に優れた接合層を有する銅部材接合体を製造可能であることが確認された。
以上のことから、本発明例によれば、接合強度が高く、かつ、導電性、熱伝導性及び耐熱性に優れた接合層を有する銅部材接合体を製造可能であることが確認された。
10 銅多孔質複合部材(銅部材接合体)
11 銅板(銅部材)
13 接合層
20 銅多孔質体(銅部材)
11 銅板(銅部材)
13 接合層
20 銅多孔質体(銅部材)
Claims (4)
- 銅又は銅合金からなる銅部材同士が接合された銅部材接合体の製造方法であって、
銅と酸素とのモル比率がCu:O=1:0.3〜1.0の範囲内とされた銅酸化物又は金属銅と銅酸化物の混合物を含有する接合材を、前記銅部材同士の間に配置する接合材配置工程と、
不活性ガス雰囲気下において700℃以上1070℃以下の範囲内で加熱保持する第1焼結工程と、
前記第1焼結工程の後に、還元雰囲気下において600℃以上1050℃以下の範囲内で加熱保持する第2焼結工程と、
を有し、前記銅部材同士の間に、金属銅からなる接合層を形成することを特徴とする銅部材接合体の製造方法。 - 前記接合材は、酸化第一銅を含むことを特徴とする請求項1に記載の銅部材接合体の製造方法。
- 前記銅部材の少なくとも一方が銅多孔質体とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅部材接合体の製造方法。
- 前記接合材が銅酸化物粉又は金属銅粉の少なくとも一方を有しており、これら銅酸化物粉又は金属銅粉の平均粒径Dが、前記銅多孔質体の平均細孔直径Dpに対して、0.05×Dp≦D≦2×Dpの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の銅部材接合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016013682A JP2017131925A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | 銅部材接合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016013682A JP2017131925A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | 銅部材接合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017131925A true JP2017131925A (ja) | 2017-08-03 |
Family
ID=59504009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016013682A Pending JP2017131925A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | 銅部材接合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017131925A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113896257A (zh) * | 2020-07-07 | 2022-01-07 | 苏州铜宝锐新材料有限公司 | 水处理过滤结构及其制作方法 |
-
2016
- 2016-01-27 JP JP2016013682A patent/JP2017131925A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113896257A (zh) * | 2020-07-07 | 2022-01-07 | 苏州铜宝锐新材料有限公司 | 水处理过滤结构及其制作方法 |
CN113896257B (zh) * | 2020-07-07 | 2023-11-17 | 苏州铜宝锐新材料有限公司 | 水处理过滤结构及其制作方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2012018046A1 (ja) | 半導体装置接合材 | |
JP6565710B2 (ja) | 銅部材接合体の製造方法 | |
WO2013132954A1 (ja) | 接合方法、接合構造体およびその製造方法 | |
JP6713120B1 (ja) | 銅焼結基板ナノ銀含浸型接合シート、製法及び接合方法 | |
JP6488875B2 (ja) | 多孔質アルミニウム焼結体及び多孔質アルミニウム焼結体の製造方法 | |
JP5990758B2 (ja) | はんだ材及びその製造方法 | |
JP2008200728A (ja) | はんだ接合材及びその製造方法並びにこれを用いたパワーモジュール基板 | |
JP6369640B2 (ja) | 接合用部材、および、接合用部材の製造方法 | |
JP6443568B2 (ja) | 接合材、それを用いた接合方法及び接合構造 | |
CN107614162A (zh) | 铜多孔体、铜多孔复合部件、铜多孔体的制造方法及铜多孔复合部件的制造方法 | |
JP2014170864A (ja) | 接合体およびその製造方法 | |
CN107530776B (zh) | 铜多孔体、铜多孔复合部件、铜多孔体的制造方法及铜多孔复合部件的制造方法 | |
JP6589402B2 (ja) | 銅多孔質体、銅多孔質複合部材、銅多孔質体の製造方法、及び、銅多孔質複合部材の製造方法 | |
JPWO2015029152A1 (ja) | 半導体装置 | |
CN107107196B (zh) | 多孔铝烧结体及多孔铝烧结体的制造方法 | |
JP2017131925A (ja) | 銅部材接合体の製造方法 | |
JP6065058B2 (ja) | 銅多孔質体、及び、銅多孔質複合部材 | |
JP4735061B2 (ja) | 金属多孔質体のろう付け方法およびろう付け構造体 | |
TW201806751A (zh) | 銅多孔質體、銅多孔質複合構件、銅多孔質體的製造方法及銅多孔質複合構件的製造方法 | |
DE112014002069T5 (de) | Keramik-Metall-Bondstruktur und Verfahren zu deren Herstellung | |
Miyajima et al. | Transient liquid-phase infiltration bonding of copper using porous copper interlayer | |
EP3745448A1 (en) | Joining layer of semiconductor module, semiconductor module, and method for manufacturing same | |
JP2020032425A (ja) | ろう付け接合構造、及びその製造方法 | |
WO2014082769A1 (de) | Verbindungsmittel zum verbinden von wenigstens zwei komponenten unter verwendung eines sinterprozesses |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181012 |