JP2017131547A - 遠心分離装置および電気掃除装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気流によって圧縮することでより多量の塵埃を蓄積することができ、かつ蓄積される塵埃を容易に廃棄できる遠心分離装置および電気掃除装置を提案する。
【解決手段】遠心分離装置7は、筒形状の側壁41の内側に第一遠心分離室42を区画し、少なくとも側壁41に複数の排気孔43を有し、第一遠心分離室42で分離される塵埃を蓄積する内側容器45と、内側容器45を収容し、内側容器45との間に複数の排気孔43に繋がる風路46を区画する外側容器47と、内側容器45の中心部に設けられ、風路46に負圧を作用させる排気筒48と、を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】遠心分離装置7は、筒形状の側壁41の内側に第一遠心分離室42を区画し、少なくとも側壁41に複数の排気孔43を有し、第一遠心分離室42で分離される塵埃を蓄積する内側容器45と、内側容器45を収容し、内側容器45との間に複数の排気孔43に繋がる風路46を区画する外側容器47と、内側容器45の中心部に設けられ、風路46に負圧を作用させる排気筒48と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明に係る実施形態は、遠心分離装置および電気掃除装置に関する。
遠心分離室を区画するサイクロン外筒の底部にメッシュフィルター部を備える遠心分離装置が知られている。この従来の遠心分離装置は、メッシュフィルター部を通じて遠心分離室から空気を排気する際に、メッシュフィルター部を通過する気流で遠心分離した塵埃を圧縮する。
従来の遠心分離装置は、メッシュフィルター部を通過する気流で遠心分離した塵埃を圧縮するため、当然、メッシュフィルター部の濾過面に塵埃を蓄積することになる。
したがって、従来の遠心分離装置は、塵埃を蓄積するほどメッシュフィルター部を通過する風量の低下を招き、塵埃の圧縮効果を弱めてしまう。
また、従来の遠心分離装置は、メッシュフィルター部の濾過面に塵埃を押さえ付けるようにして蓄積するため、蓄積した塵埃の塊をメッシュフィルター部の網の目に食い込ませてしまい、塵埃の廃棄の手間を増やしかねない。
そこで、本発明は、気流によって圧縮することでより多量の塵埃を蓄積することができ、かつ蓄積される塵埃を容易に廃棄できる遠心分離装置および電気掃除装置を提案することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る遠心分離装置は、筒形状の側壁の内側に遠心分離室を区画し、少なくとも前記側壁に複数の排気孔を有し、前記遠心分離室で分離される塵埃を蓄積する内側容器と、前記内側容器を収容し、前記内側容器との間に前記複数の排気孔に繋がる風路を区画する外側容器と、前記内側容器の中心部に設けられ、前記風路に負圧を作用させる排気筒と、を備えている。
また、本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、前記遠心分離装置と、前記遠心分離装置に流体的に接続される電動送風機と、を備えている。
本発明に係る遠心分離装置、および電気掃除装置の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には、同一の符号が付されている。
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、いわゆるキャニスタ型の電気掃除機である。電気掃除装置1は、被掃除面上を走行可能な掃除機本体2と、掃除機本体2に着脱自在な管部3と、を備えている。掃除機本体2と管部3とは、流体的に接続されている。
掃除機本体2は、本体ケース5と、本体ケース5の左右それぞれの側部に設けられる一対の車輪6と、本体ケース5の前半部に配置される着脱自在な遠心分離装置7と、本体ケース5の後半部分に収容される電動送風機8と、主に電動送風機8を制御する本体制御部9と、電動送風機8へ電力を導く電源コード11と、を備えている。
掃除機本体2は、電源コード11を通じて供給される電力で電動送風機8を駆動させて、電動送風機8の駆動によって発生する負圧を管部3に作用させる。電気掃除装置1は、管部3を通じて被掃除面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込み、含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃が除去された清浄な空気を排気する。
本体ケース5の正面部分には、本体接続口12が設けられている。本体接続口12は、掃除機本体2の流体的な入口である。本体接続口12は、管部3と遠心分離装置7とを流体的に接続している。
車輪6は、大径の走行輪であり、掃除機本体2を支えている。
遠心分離装置7は、掃除機本体2に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機8へ送る。
また、遠心分離装置7は、全体として略円筒形状の外観を有している。遠心分離装置7は、掃除機本体2に対して底部を前方側へ、頂部を後方側へ片寄せて、若干後傾する姿勢で掃除機本体2に寄り掛かかるようにして装着されている。遠心分離装置7は、掃除機本体2に着脱自在に固定されている。
電動送風機8は、遠心分離装置7から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させる。
本体制御部9は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。記憶装置には、予め設定される複数の運転モードが記憶されている。予め設定される複数の運転モードは、管部3へ入力される使用者の操作に対応している。それぞれの運転モードには相互に異なる入力値(電動送風機8の入力値)が設定されている。本体制御部9は、管部3に入力される使用者の操作に応じて、その操作内容に対応する任意の運転モードを予め設定される複数の運転モードから択一的に選択して記憶部から読み出し、読み出した運転モードにしたがって電動送風機8の運転を制御する。
電源コード11は、配線用差込接続器(図示省略、所謂コンセント)から掃除機本体2へ電力を供給する。電源コード11の自由端部には、差込プラグ14が設けられている。
管部3は、掃除機本体2から作用する負圧によって、被掃除面から含塵空気を吸い込み掃除機本体2へ案内する。管部3は、掃除機本体2に着脱自在に接続される継手としての接続管19と、接続管19に流体的に接続される集塵ホース21と、集塵ホース21に流体的に接続される手元操作管22と、手元操作管22から突出する把持部23と、把持部23に設けられる操作部24と、手元操作管22に着脱自在に接続される延長管25と、延長管25に着脱自在に接続される吸込口体26と、を備えている。
接続管19は、本体接続口12へ着脱自在な継手であり、本体接続口12を通じて遠心分離装置7に流体的に接続されている。
集塵ホース21は、長尺で可撓な略円筒形状のホースである。集塵ホース21の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、接続管19に流体的に接続されている。集塵ホース21は、接続管19を通じて遠心分離装置7に流体的に接続されている。
手元操作管22は、集塵ホース21と延長管25とを中継している。手元操作管22の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、集塵ホース21の他方の端部(ここでは、前方の端部)に流体的に接続されている。手元操作管22は、集塵ホース21および接続管19を順次に通じて遠心分離装置7に流体的に接続されている。
把持部23は、電気掃除装置1を操作するために使用者が手で把持する部分である。把持部23は、使用者の手で容易に把持できる適宜の形状で手元操作管22から突出している。
操作部24は、それぞれの運転モードに対応付けられるスイッチを備えている。具体的には、操作部24は、電動送風機8の運転停止操作に対応付けられる停止スイッチ24aと、電動送風機8の運転開始操作に対応付けられる起動スイッチ24bと、を備えている。停止スイッチ24aおよび起動スイッチ24bは、本体制御部9に電気的に接続されている。電気掃除装置1の使用者は、操作部24を操作して電動送風機8の運転モードを択一的に選択できる。起動スイッチ24bは、電動送風機8の運転中に、運転モードの選択スイッチとしても機能している。この場合、本体制御部9は、起動スイッチ24bから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→………の順に切り換える。なお、操作部24は、起動スイッチ24bに代えて、弱運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)および強運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
複数の筒状体を重ね合わせたテレスコピック構造の延長管25は、伸縮自在な細長略円筒状の管である。延長管25の一方の端部(ここでは、後方の端部)には、手元操作管22の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱自在な継手構造が設けられている。延長管25は、手元操作管22、集塵ホース21および接続管19を通じて遠心分離装置7に流体的に接続されている。
吸込口体26は、木床やカーペットなどの被掃除面上を走行自在あるいは滑走自在であり、走行状態または滑走状態において被掃除面に対向する底面に吸込口28を有している。また、吸込口体26は、吸込口28に配置されている回転自在な回転清掃体29と、回転清掃体29を駆動させる電動機31と、を備えている。吸込口体26の一方の端部(ここでは、後方の端部)には、延長管25の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱自在な継手構造が設けられている。吸込口体26は、延長管25、手元操作管22、集塵ホース21および接続管19を通じて遠心分離装置7に流体的に接続されている。つまり、吸込口体26、延長管25、手元操作管22、集塵ホース21、接続管19、および遠心分離装置7は、電動送風機8から吸込口28へ通じる吸込風路である。
電気掃除装置1は、起動スイッチ24bに対する使用者の操作を受け付けると電動送風機8を始動させる。例えば、電気掃除装置1は、電動送風機8が停止している状態で起動スイッチ24bが操作されると、先ず電動送風機8を強運転モードで運転し、再び起動スイッチ24bが操作されると電動送風機8を中運転モードで運転し、三度、起動スイッチ24bが操作されると電動送風機8を弱運転モードで運転し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モードおよび弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードであり、強運転モード、中運転モード、弱運転モードの順に電動送風機8に対する入力値が小さい。始動した電動送風機8は、遠心分離装置7から空気を排気してその内部を負圧(吸込負圧)にする。
遠心分離装置7の負圧は、本体接続口12、接続管19、集塵ホース21、手元操作管22、延長管25、および吸込口体26を順次に通じて吸込口28に作用する。電気掃除装置1は、吸込口28に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。遠心分離装置7は、電気掃除装置1に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、塵埃を分離した後の清浄な空気を電動送風機8へ送る。電動送風機8は遠心分離装置7から吸い込んだ空気を掃除機本体2外へ排気する。
次に、遠心分離装置7について詳細に説明する。
なお、図1に示す遠心分離装置7は、後傾する姿勢で掃除機本体2に取り付けられているが、以下、説明を簡単にするために遠心分離装置7を直立させて図示する。
図2は、本発明の実施形態に係る遠心分離装置の断面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る遠心分離装置の分解斜視図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の遠心分離装置7は、遠心分離装置7に導かれる含塵空気から粗い塵埃を分離する第一遠心分離部35と、第一遠心分離部35を通過する細かい塵埃を含む含塵空気から細かい塵埃を遠心分離する第二遠心分離部36と、を備えている。
また、遠心分離装置7は、第二遠心分離部36と電動送風機8とを繋げる排気風路38と、排気風路38を覆う頂部カバー39と、を備えている。
第一遠心分離部35、第二遠心分離部36、および頂部カバー39は、協働して遠心分離装置7の外観を略円筒形状に整えている。
第一遠心分離部35は、遠心分離装置7の大部分を占めている。第一遠心分離部35、排気風路38、および頂部カバー39は、遠心分離装置7の高さ方向に隣接して並び、積み重なっている。排気風路38および頂部カバー39は、遠心分離装置7の頂部に配置され、第一遠心分離部35は、排気風路38および頂部カバー39に隣接して遠心分離装置7の底部に達している。第二遠心分離部36は、第一遠心分離部35の上半部の周囲を囲むように環状に配置され、上部において排気風路38の外周部に連接し、下部において第一遠心分離部35の外周部に連接している。
なお、第一遠心分離部35で分離され、蓄積される粗い塵埃とは、もっぱら糸くずや綿埃などの繊維状の塵埃や砂粒のような質量の大きい塵埃であり、第二遠心分離部36で分離され、蓄積される細かい塵埃とは、粒子状または粉末状で質量の小さい塵埃である。
第一遠心分離部35は、遠心分離方式(サイクロン式)で含塵空気から塵埃を分離し、分離した塵埃を蓄積する。第一遠心分離部35は、筒形状の側壁41の内側に第一遠心分離室42を区画し、少なくとも側壁41に複数の排気孔43を有し、第一遠心分離室42で分離される塵埃を蓄積する内側容器45と、内側容器45を収容し、内側容器45との間に複数の排気孔43に繋がる風路46を区画する外側容器47と、内側容器45の中心部に設けられ、風路46に負圧を作用させる排気筒48と、を備えている。
また、第一遠心分離部35は、排気筒48および第一遠心分離室42に繋がるフィルター部51を備えている。
内側容器45は、上下方向に、大きく3つの部分に分割されている。上端部には、吸込管52に通じ、最も小径な環状空間53を区画する内側容器第一部55が配置されている。中程には、環状空間53に通じて下方へ拡径する内側容器第二部56が配置されている。下端部には、内側容器第二部56に繋がるカップ状の内側容器第三部57が配置されている。
内側容器第一部55は、吸込管52から第一遠心分離室42に導入される含塵空気を旋回させ、含塵空気から粗い塵埃を分離する。
内側容器第二部56は、内側容器第一部55で発生した旋回流を内側容器第三部57へ導く。
内側容器第三部57は、含塵空気から分離された粗い塵埃を蓄積する。複数の排気孔43は、内側容器45の側壁41のうち、内側容器第三部57に設けられている。複数の排気孔43は、内側容器45の底壁58にも設けられていても良い。
また、内側容器第三部57は、内側容器第二部56の周囲を囲み、かつ外側容器47の内側に嵌合する大径部59を備えている。大径部59は、内側容器第三部57と外側容器47とを隔てる風路46の蓋の役割を担っている。
外側容器47は、遠心分離装置7の下半部の外殻である。外側容器47は、カップ形状を有し、内側容器45の内側容器第二部56、および内側容器第三部57を収容している。外側容器47の側面には、外側容器47単体、または遠心分離装置7全体での取っ手61が設けられている。
フィルター部51は、筒形状を有し、内側容器第一部55の中心部を貫くように上下方向に延びている。フィルター部51は、内側容器第一部55に納められて略同心に配置されている。内側容器第一部55とフィルター部51とを隔てる環状空間53は、吸込管52から第一遠心分離部35に流れ込む含塵空気を旋回させて粗い塵埃を遠心分離する。
フィルター部51は、第二遠心分離部36に固定されている。フィルター部51は、第一遠心分離室42と第二遠心分離部36とを流体的に接続して中継している。フィルター部51は、互いに離間されて円筒形状に配置される複数の骨63を有する枠体65と、枠体65の周囲を円筒形状に囲むメッシュフィルター66と、を備えている。メッシュフィルター66は、第一遠心分離室42から第二遠心分離部36へ空気を流出させる。
メッシュフィルター66は、吸込管52を臨んでいる。メッシュフィルター66は、電動送風機8の始動直後や停止過渡など、第一遠心分離室42内の旋回流が十分に発達していない期間において、また旋回流が発達した後も当然に、第一遠心分離部35から第二遠心分離部36側へ粗い塵埃が流れ込むことを防いでいる。
なお、フィルター部51は、粗い塵埃が下流側へ流れ込むことを阻止できる程度において、必ずしもメッシュフィルター66を必要としない。例えば、フィルター部51の枠体65が、粗い塵埃の通過を阻止できる程度に目の細かい格子状であったり、粗い塵埃の通過を阻止できる程度に小さい孔を有していたりする場合には、必ずしもメッシュフィルター66を必要としない。
フィルター部51の下端部には、内側容器第二部56内へ突出するスカート部69が設けられている。スカート部69は、フィルター部51の外径に連接し、内側容器45の底壁58に向かって拡径されている。スカート部69は、内側容器第二部56、および内側容器第三部57で生じる旋回流が内側容器第一部55へ逆流することを阻止、あるいは阻害する。
複数の排気孔43のそれぞれの開口径は、フィルター部51の開口径、具体的にはメッシュフィルター66の網の目よりも小さい。
排気筒48は、内側容器45の底壁58とフィルター部51の底壁72との間に架設されている。排気筒48は、内側容器45の底壁58、つまり内側容器第三部57の底壁58の中央部から突出して内側容器第三部57、および内側容器第二部56の中心部を貫いている。排気筒48は、内側容器45と外側容器47とを隔てる風路46とフィルター部51の内側の空間とを繋いでいる。
排気筒48は、内側容器第三部57の底壁58に一体化される上流筒部71と、フィルター部51の底壁72に一体化される下流筒部73と、を有している。上流筒部71と下流筒部73とは嵌め合わされている。
第二遠心分離部36は、フィルター部51およびスカート部69を内側容器45の中心線C上に支持している。
第二遠心分離部36の外殻に相当する第二分離部カバー75は、円筒形状である。第二分離部カバー75は、第一遠心分離室42に繋がる吸込管52を一体に備えている。
第二分離部カバー75の内側には、複数の第二遠心分離室76が環状に並べられている。また、環状に並ぶ複数の第二遠心分離室76の内側には、中継風路77が配置されている。さらに、中継風路77の内側には、排気風路38が配置されている。換言すると、第二遠心分離部36は、第二分離部カバー75側から順に、環状に並ぶ複数の第二遠心分離室76、中継風路77、および排気風路38が配置される3重構造体である。
中継風路77は、フィルター部51から流入する空気(含塵空気)を放射状に分岐させて複数の第二遠心分離室76に案内する。
第二遠心分離室76は複数あり、円筒形状の第二分離部カバー75の内周に沿って、あるいは中継風路77および第一遠心分離部35の内側容器第一部55を囲んで略環状に並んでいる。それぞれの第二遠心分離室76は、旋回流を生じさせる円筒形状壁78と、螺旋流を生じさせる円錐台形状壁79と、を備えている。
円筒形状壁78および円錐台形状壁79は、実質的に同一線上に並ぶ中心線を共有している。この中心線は、円筒形状の遠心分離装置7の中心線Cに対して平行に配置されている。また、複数の第二遠心分離室76全体で見ると、円筒形状壁78および円錐台形状壁79の中心線は、遠心分離装置7の中心線Cの周囲を円形に囲んでいる。
また、円錐台形状壁79は、内側容器第一部55と同程度の高さを有し、大径な上底と、上底よりも小径な下底と、を有している。円筒形状壁78は、実質的に円錐台形状壁79の上底と同じ直径を有しており、円錐台形状壁79の上底に連接している。円筒形状壁78は、中継風路77の周囲を囲んでいる。
円筒形状壁78の側壁には、含塵空気の導入口81が設けられている。導入口81は、円筒形状壁78の側面であって、遠心分離装置7の中心側に配置され、中継風路77に接続されている。
また、円筒形状壁78は、第一遠心分離部35から最も遠い部位に底板を有している。円錐台形状壁79の底板には、円筒形状壁78内を中心線に沿って延びる管状の内筒82が設けられている。内筒82の内側は、第二遠心分離室76で含塵空気から分離された清浄な空気を排気する第二排気風路83である。第二排気風路83は、排気風路38に接続されている。内筒82の外側は、導入口81を臨んでいる。内筒82と円筒形状壁78とを隔てる環状の空間は、導入口81から流れ込む含塵空気の流れを旋回させる。
さらに、円筒形状壁78は、第一遠心分離部35に最も近い部位が開放されていて、円錐台形状壁79の上底の開口に繋がれている。
円錐台形状壁79は、円筒形状壁78から遠ざかるほど縮径されている。円錐台形状壁79の上底は、円筒形状壁78内に繋がる開口を有し、円筒形状壁78内で発生した旋回流を導き入れて、円錐台形状壁79内に螺旋流を生じさせる。円錐台形状壁79の下底は、外側容器47内に繋がる廃棄口85を有している。
導入口81を通じて第二遠心分離室76に流れ込む含塵空気は、円筒形状壁78の内面に沿って旋回し、さらに円錐台形状壁79の内面に沿って廃棄口85へ向かう渦巻き螺旋流を生じ、空気から細かい塵埃を分離する。分離された細かい塵埃は、廃棄口85から外側容器47側へ排出される。塵埃が分離された清浄な空気は、第二遠心分離室76の中心線、つまり円筒形状壁78および円錐台形状壁79の中心線上を流動して第二排気風路83から排気風路38へ流出する。
第二遠心分離室76の廃棄口85の先には、細塵集塵室86が設けられている。細塵集塵室86は、外側容器47と内側容器45の内側容器第二部56との間に配置されている。また、細塵集塵室86は、内側容器45の内側容器第二部56と内側容器第三部57に一体の大径部59との間に区画されている。つまり、細塵集塵室86は、内側容器第二部56の外面、および大径部59の内面によって区画され、外側容器47内に収容されている。
排気風路38は、第二遠心分離室76に覆い被さるようにして第二排気風路83に接続される最外周部から縮径しつつ第二遠心分離部36の中心部側へ向かい、複数の第二遠心分離室76に囲まれる部分から遠心分離装置7の中心線Cに対して交差する方向へ折れ曲がり、第二遠心分離部36の側壁に設けられる排気口87へ至る。排気風路38は、第一遠心分離部35から最も遠い部分であり、頂部カバー39に隣り合う部分に第一遠心分離部35へ向かって窪む凹部88を備えている。排気風路38は、第二遠心分離室76の排気口87から流出する空気を遠心分離装置7の中心側へ向けて集約しつつ、凹部88によって一旦、第一遠心分離部35へ指向させ、その後に略直角に流れの向きを変えて排気口87へ排気する。排気風路38には、HEPAフィルターやプリーツフィルタなどの濾過方式のフィルター91が設けられている。
頂部カバー39は、遠心分離装置7の頂部に相当する位置に取っ手92を備えている。取っ手92は、遠心分離装置7を掃除機本体2に着脱自在に連結する連結機構(図示省略)に連動している。取っ手92を引き上げることで連結機構の連結を解除して遠心分離装置7を掃除機本体2から取り外すことができる。
ここで、遠心分離装置7の部品構成について説明する。
遠心分離装置7は、少なくとも外側容器47、および内側容器45の内側容器第三部57をそれぞれ個別に、または一体で着脱できる。遠心分離装置7は、内側容器第二部56から内側容器第三部57を分離することで内側容器第三部57内に蓄積する粗い塵埃と、内側容器第三部57の大径部59、つまり細塵集塵室86に蓄積する細かい塵埃を一括して廃棄できる。
また、遠心分離装置7は、外側容器47から内側容器第三部57を分離することで、それぞれの部位を水洗い等で洗浄できる。
さらに、遠心分離装置7は、第二分離部カバー75から頂部カバー39を分離することで、フィルター91、排気風路38、第二遠心分離室76、およびフィルター部51を含む内部を水洗い等で洗浄できる。
このように構成される遠心分離装置7は、第一遠心分離部35で含塵空気から粗い塵埃を分離し、蓄積する際、内側容器45内に旋回流を生じさせる一方で、フィルター部51のメッシュフィルター66、および内側容器第三部57の排気孔43から空気を流出させる。側壁41の排気孔43から流出する空気は、排気筒48を通じてフィルター部51の内側に到達し、メッシュフィルター66を通過する空気に合流する。フィルター部51の内側に流れ込んだ空気は、中継風路77を通じて第二遠心分離室76に到達し、さらに螺旋流を生じる。
そして、遠心分離装置7は、第一遠心分離部35で含塵空気から分離した粗い塵埃を内側容器45の内側容器第三部57に蓄積する。内側容器第三部57では、排気孔43から風路46へ空気が流出するため、粗い塵埃は、内側容器第三部57の内面に押さえ付けられるようにして圧縮される。このとき、本実施形態に係る遠心分離装置7は、排気孔43、特に側壁41の排気孔43によって圧縮される塵埃を内側容器45に生じる旋回流によって側壁41の内面から次々に引き剥がす。つまり側壁41の排気孔43近傍では、粗い塵埃の圧縮と、圧縮された塵埃の引き剥がしとが継続的に行われることになる。このため、側壁41の排気孔43が閉塞される可能性が低減される。したがって、仮に底壁58の排気孔43が閉塞されても、側壁41の排気孔43における流通は確保される。しかも、仮に底壁58の排気孔43が閉塞された場合、圧縮されて大きな塊になった塵埃が旋回流に乗って移動し続けることで、底壁58の排気孔43を閉塞する塵埃を巻き込み、底壁58の排気孔43の流通を回復させることもできる。
次に、本実施形態に係る電気掃除装置の他の例を説明する。電気掃除装置1Aにおいて電気掃除装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の他の例を示す斜視図である。
図4に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1Aは、自律型掃除ユニット102から塵埃を収集するステーションユニット103に遠心分離装置7を備えている。
電気掃除装置1Aは、自律して被掃除面を移動して被掃除面の塵埃を捕集する自律型掃除ユニット102と、自律型掃除ユニット102の充電電極105を有するステーションユニット103と、を備えている。電気掃除装置1は、自律型掃除ユニット102を居室内の被掃除面の全域に渡って自律で移動させて塵埃を捕集し、この後、自律型掃除ユニット102をステーションユニット103へ帰巣させて自律型掃除ユニット102が捕集した塵埃をステーションユニット103へ移送して、収集する。
なお、自律型掃除ユニット102がステーションユニット103の充電電極105に電気的に接続される位置とは、ステーションユニット103へ帰巣する自律型掃除ユニット102の帰巣位置である。自律型掃除ユニット102は、充電が必要な場合や、居室の掃除を終えた場合には、この帰巣位置へ帰巣する。なお、自律型掃除ユニット102がステーションユニット103の充電電極105に電気的に接続される位置は、自律移動する自律型掃除ユニット102と任意の場所に設置可能なステーションユニット103との間の相対的な位置関係で決定される。
また、図4中の矢印Aは自律型掃除ユニット102の前進方向、矢印Bは自律型掃除ユニット102の後退方向である。自律型掃除ユニット102の幅方向は、矢印Aおよび矢印Bに直交する方向である。
自律型掃除ユニット102は、前進してステーションユニット103から離脱し、居室内を自律で走行する一方で、ステーションユニット103へ帰巣する際には後退してステーションユニット103に連結する。
自律型掃除ユニット102は、いわゆるロボットクリーナである。自律型掃除ユニット102は、中空円盤形状の第一本体ケース111と、第一本体ケース111の後部に着脱自在に設けられる第一集塵容器112と、第一本体ケース111内に収容されて第一集塵容器112に接続される第一電動送風機113と、被掃除面の自律型掃除ユニット102を移動させる移動部115と、移動部115を駆動させる駆動部116と、駆動部116を制御して被掃除面の第一本体ケース111を自律的に移動させるロボット制御部117と、電源としての二次電池118と、を備えている。
ステーションユニット103は、被掃除面の任意の箇所に設置される。ステーションユニット103は、充電電極105に電気的に接続される位置(帰巣位置)へ向かう自律型掃除ユニット102が乗り上がる台座121と、台座121に一体化される塵埃回収部122と、自律型掃除ユニット102が充電電極105に電気的に接続される位置関係(帰巣位置)において、自律型掃除ユニット102の第一集塵容器112に気密に連結される塵埃移送管125と、を備えている。
塵埃回収部122は、第二本体ケース126と、塵埃移送管125を通じて第一集塵容器112から廃棄される塵埃を蓄積する遠心分離装置7と、第二本体ケース126内に収容されて遠心分離装置7に接続される第二電動送風機127と、商用交流電源から第二電動送風機127および充電電極105へ電力を導く電源コード11と、を備えている。
本実施形態に係る遠心分離装置7および電気掃除装置1、1Aは、第一遠心分離部35を二重構造、つまり内側容器45および外側容器47を組み合わせ、これらの間隙に相当する風路46に繋がる排気孔43を内側容器45の側壁41に設けることによって、内側容器45内に蓄積される塵埃を圧縮し、より多量の塵埃の蓄積を可能にすると同時に、旋回流を利用して塵埃が排気孔43に吸い付いてしまうことを抑制できる。このことは、より長期に亘って塵埃の圧縮効果を維持し、継続すると同時に、蓄積した塵埃を排気する際に、塵埃が内側容器45の内面に塵埃が貼り付いてしまうことを防いで、塵埃の廃棄を容易にする。
また、本実施形態に係る遠心分離装置7および電気掃除装置1、1Aは、第一遠心分離室42に繋がるフィルター部51よりも排気孔43の開口径を小さくすることによって、旋回流の渦の中心にあたり、質量の大きい塵埃が近づき難く、通過し難いフィルター部51に対し、旋回流の渦の外周縁にあたる側壁41に設けられる排気孔43を通じて内側容器45から流出する塵埃の大きさを、フィルター部51よりも小さく制限し、第一遠心分離部35の下流側へ流出する塵埃の大きさ、および量を抑制できる。
さらに、本実施形態に係る遠心分離装置7および電気掃除装置1、1Aは、第二遠心分離部36を備えることで、第一遠心分離部35の下流側へ流出する細かい塵埃を確実に捕集し、蓄積できる。
したがって、本実施形態に遠心分離装置7および電気掃除装置1、1Aによれば、気流によって圧縮することでより多量の塵埃を蓄積することができ、かつ蓄積される塵埃を容易に廃棄できる。
なお、本実施形態に係る電気掃除装置1は、キャニスタ型のものに限らず、アップライト型、スティック型、あるいはハンディ型などのものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、1A…電気掃除装置、2…掃除機本体、3…管部、5…本体ケース、6…車輪、7…遠心分離装置、8…電動送風機、9…本体制御部、11…電源コード、12…本体接続口、14…差込プラグ、19…接続管、21…集塵ホース、22…手元操作管、23…把持部、24…操作部、24a…停止スイッチ、24b…起動スイッチ、25…延長管、26…吸込口体、28…吸込口、29…回転清掃体、31…電動機、35…第一遠心分離部、36…第二遠心分離部、38…排気風路、39…頂部カバー、41…側壁、42…第一遠心分離室、43…排気孔、45…内側容器、46…風路、47…外側容器、48…排気筒、51…フィルター部、52…吸込管、53…環状空間、55…内側容器第一部、56…内側容器第二部、57…内側容器第三部、58…底壁、59…大径部、61…取っ手、63…骨、65…枠体、66…メッシュフィルター、69…スカート部、71…上流筒部、72…底壁、73…下流筒部、75…第二分離部カバー、76…第二遠心分離室、77…中継風路、78…円筒形状壁、79…円錐台形状壁、81…導入口、82…内筒、83…第二排気風路、85…廃棄口、86…細塵集塵室、87…排気口、88…凹部、91…フィルター、92…取っ手、102…自律型掃除ユニット、103…ステーションユニット、105…充電電極、111…第一本体ケース、112…第一集塵容器、113…第一電動送風機、115…移動部、116…駆動部、117…ロボット制御部、118…二次電池、121…台座、122…塵埃回収部、125…塵埃移送管、126…第二本体ケース、127…第二電動送風機。
Claims (4)
- 筒形状の側壁の内側に遠心分離室を区画し、少なくとも前記側壁に複数の排気孔を有し、前記遠心分離室で分離される塵埃を蓄積する内側容器と、
前記内側容器を収容し、前記内側容器との間に前記複数の排気孔に繋がる風路を区画する外側容器と、
前記内側容器の中心部に設けられ、前記風路に負圧を作用させる排気筒と、を備える遠心分離装置。 - 前記排気筒および前記遠心分離室に繋がるフィルター部を備え、
前記複数の排気孔のそれぞれの開口径は、前記フィルター部の開口径よりも小さい請求項1に記載の遠心分離装置。 - 前記排気筒に流体的に接続され、前記遠心分離室を通過する細かい塵埃を遠心分離する第二遠心分離部を備える請求項1または2に記載の遠心分離装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心分離装置と、
前記遠心分離装置に流体的に接続される電動送風機と、を備える電気掃除装置。
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2016
- 2016-01-29 JP JP2016016274A patent/JP2017131547A/ja active Pending
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