JP2017131394A - 食器洗い機 - Google Patents
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Abstract
【課題】2枚の壁部の間に配置される箱体と、箱体を開閉する扉部とを備えた食器洗い機において、遮音部材の巻き込みや擦れを抑制しつつ、箱体と壁部の間の隙間を通じた騒音の漏れを低減する。【解決手段】2枚の壁部101、102の間に配置される箱体10と、箱体10の開口部11を開閉するように左右のヒンジ部20により軸支された扉部30とを備えた食器洗い機1に関する。食器洗い機1は、箱体10の左右両側面に設けられ、箱体10の前端部において上下に延びるように形成された第1部材70と、ヒンジ部20に設けられ、扉部30の側面に沿って延びるように且つ、扉部30が開口部11を開閉するときに扉部30と一体的に揺動するように形成された第2部材80とを備え、第2部材80は、扉部30が開口部11を閉塞しているとき、第1部材70と共に、箱体10と壁部101、102との間をシールする遮音部材60を構成するよう配置されている。【選択図】図3
Description
ここに開示する技術は、食器洗い機に関する。
特許文献1には、食器洗い機(食器洗浄機)の一例が開示されている。この食器洗い機は、前面部が開口している箱体(本体)と、その開口部を開閉する扉部とを備えている。この扉部は、いわゆる下開き式の扉部として構成されており、その回転軸は、箱体の前下部に配置された左右のヒンジ部により軸支されている。
特許文献2には、下開き式の扉部を備えた食器洗い機の別例として、いわゆるビルトインタイプの食器洗い機(食器洗浄機)が開示されている。このタイプの食器洗い機は、システムキッチン等に設けられた設置スペース(ビルトインスペース)に組み込まれるよう構成されている。この場合、箱体は、設置スペースを区画形成している壁部の間に設置されることになる。
ところで、前記特許文献2に開示された食器洗い機を設置スペースに組み込んだ場合、箱体の左右両側面の各々と、設置スペースを区画している壁部との間には隙間が空くことになる。その場合、機器の内部から生じる騒音は、その隙間を通じて機外に漏れ出すことになる。近年、そのような漏れを低減したい、という要求がある。
そうした要求を満足する方策としては、例えば、箱体と壁部との間の隙間に沿って、箱体の上端部から下端部にかけて上下に延び且つ、その隙間をシールするような遮音部材を、箱体か、扉部に取り付けることが考えられる。そうした遮音部材はまた、機器の内部から生じる騒音を可能な限り遮音するべく、箱体の前端部付近に配置することが求められる。
ところが、前記のような遮音部材を箱体に取り付けた場合、遮音部材は、扉部が開閉するときにヒンジ部に巻き込まれてしまう虞があった。そのため、ヒンジ部付近に遮音部材を設けることは困難であり、その付近においては、箱体と壁部との間を十分にシールすることができなかった。
一方で、仮に、遮音部材を扉部に取り付けた場合、遮音部材は、その扉部やヒンジ部と一体的に動作することになるため、ヒンジ部への巻き込みは防止される。そのため、ヒンジ部付近であっても、十分なシールを行うことが可能となる。しかして、その場合、扉部まわりのデザイン性が損なわれてしまうという点で不都合である。また、扉部が開閉するたびに、遮音部材が壁部に擦れてしまうため、異音が発生したり、遮音部材が摩耗したりするという点においても不都合である。
また、食器洗い機においては、箱体の左右両側部に、例えばアウターフレームを構成するような金属板を取り付ける場合がある。前述の問題は、そうした金属板としての壁部との間のシールにも共通しており、設置スペースを区画する壁部との間のシールには限定されない。
また、前述の問題は、下開き式の扉部を備えた食器洗い機には限定されず、上開き式の扉部や、横開き式の扉部を備えた食器洗い機にも共通している。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2枚の壁部の間に配置される箱体と、その箱体を開閉する扉部とを備えた食器洗い機において、遮音部材の巻き込みや擦れを抑制しつつ、箱体と壁部との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減することにある。
ここに開示する技術は、2枚の壁部の間に配置され、前面が開口している箱体と、前記箱体の左右又は上下の両側面に配置された一対のヒンジ部により軸支され、前記箱体の開口部を開閉する扉部とを備え、前記箱体において前記ヒンジ部が配置された両側面は、それぞれ、前記壁部に対し所定の間隔を空けて対向する食器洗い機に関する。この食器洗い機は、前記両側面に設けられ、当該箱体の前端部において、当該両側面の各々に沿って延びるように形成された第1部材と、前記ヒンジ部又は前記扉部に設けられ、当該扉部の側面に沿って延びるように且つ、前記扉部が前記開口部を開閉するときに、当該扉部と一体的に揺動するように形成された第2部材とを備える。
そして、前記第2部材は、前記扉部が前記開口部を閉塞しているときに、前記第1部材と共に、前記箱体と前記壁部との間をシールする遮音部材を構成するように配置されている。
この構成によると、遮音部材は、扉部が前記開口部を閉塞しているときに、第1部材と第2部材とから構成される。このとき、ヒンジ部付近においては、第2部材によりシールされる一方、それ以外の箇所については、第1部材によりシールされることになる。第2部材は、扉部と一体的に揺動するよう構成されているため、扉部が開くときに巻き込まれてしまうことはない。このように、遮音部材の巻き込みを招くことなく、ヒンジ部付近においても、十分なシールを行うことが可能になる。
また、前記の構成によると、遮音部材を構成する部材は、扉部又はヒンジ部にのみ設けられているのではなく、第1部材については、箱体に設けられている。そのため、扉部まわりのデザイン性を可能な限り保持することが可能になる。また、第1部材は、扉部と一体的に揺動しないため、第1部材を設けた分については、遮音部材と壁部との擦れを抑制することが可能になる。
かくして、前記の構成によれば、遮音部材の巻き込みや擦れを抑制しつつ、箱体と壁部との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減することができる。
また、前記第1部材は、前記扉部が前記開口部を開閉するときに、前記第2部材と干渉しない位置に配置されている、としてもよい。
この構成によると、第1部材と第2部材との間の干渉を防止することができる。そのことで、遮音部材を構成する部材同士の巻き込みや擦れを抑制することが可能になる。
さらに、前記第1部材は、前記扉部が前記開口部を開閉するときにおける、前記第2部材の揺動端部の軌跡に干渉しない位置に配置されている、としてもよい。
この構成によると、第1部材と第2部材との間の干渉をより確実に防止することができる。そのことで、遮音部材を構成する部材同士の巻き込みや擦れをより確実に抑制することが可能になる。
また、前記遮音部材は、前記箱体の一端部から他端部まで連続するように構成されている、としてもよい。
この構成によると、第1部材及び第2部材から構成される遮音部材は、箱体の一端部から他端部まで連続することになる。そのことは、騒音の漏れをより確実に低減する上で有効である。
また、前記第1部材は、一側部分と、前記一側部分に対し左右又は上下に間隔を空けて配置された他側部分とから構成され、前記第2部材は、前記一側部分と前記他側部分との間に介在するように配置されている、としてもよい。
さらに、前記他側部分は、前記一側部分に対し前後に間隔を空けて配置されており、前記第2部材は、前記扉部が前記開口部を閉塞しているときに、前記扉部の後面に対し平行に延びるよう配置される垂直部分と、当該後面に対し垂直に延びるよう配置される水平部分とから構成されている、としてもよい。
この構成によると、第1部材の一側部分と他側部分とが、上下方向及び前後方向に間隔を空けて配置されている場合には、それらの間に介在する第2部材を、直線形状を有する複数の部材から形成することができる。この構成は、第2部材を容易に且つ安価に構成する上で有効である。
また、前記ヒンジ部は、前記扉部の後面に対向する対向面を有し、前記第2部材には、前記後面と前記対向面との間をシールするように、前記扉部の内方に向かって延びる扉側シール部が設けられている、としてもよい。
この構成によると、ヒンジ部の対向面と扉部の後面との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減する上で有利になる。
また、前記扉部は、下開き式の扉部であり、前記扉部の下端部から下方に向かって延び且つ、前記箱体の前面に沿ってシート状に広がるよう形成されたスカート部を備え、前記スカート部は、前記箱体の前下部よりも後方に配置されており、前記第2部材には、前記箱体の前下部と前記スカート部の前面との間をシールするように、前記箱体の内方に向かって延びるスカート側シール部が設けられている、としてもよい。
この構成によると、スカート部の後面と箱体との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減する上で有利になる。
また、前記壁部は、前記箱体の設置スペースを区画形成している、としてもよい。
また、前記壁部は、前記箱体において前記ヒンジ部が配置された両側部に取付固定される板部である、としてもよい。
以上説明したように、前記の構成によると、遮音部材の巻き込みや擦れを抑制しつつ、騒音の漏れを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明は例示である。
(食器洗い機の全体構成)
食器洗い機1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態の食器洗い機1を示している。図2及び図8は、図1の破れ部周辺の構成を拡大して示している。図3は、扉部30が閉じているときのヒンジ部20周辺の状態を示している。図4は、扉部30が開いているときのヒンジ部20周辺の状態を示している。図6は、食器洗い機の前下部周辺の構成を一部省略して示している。尚、以下の説明では、図1の紙面右奥から左手前に向かう方向を前方向と称し、その反対方向を後方向と称する。また、図1の紙面左奥から右手前に向かう方向を右方向と称し、その反対方向を左方向と称する。他の図においても、これらに対応する方向を前方向、後方向、右方向、左方向と称する。
食器洗い機1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態の食器洗い機1を示している。図2及び図8は、図1の破れ部周辺の構成を拡大して示している。図3は、扉部30が閉じているときのヒンジ部20周辺の状態を示している。図4は、扉部30が開いているときのヒンジ部20周辺の状態を示している。図6は、食器洗い機の前下部周辺の構成を一部省略して示している。尚、以下の説明では、図1の紙面右奥から左手前に向かう方向を前方向と称し、その反対方向を後方向と称する。また、図1の紙面左奥から右手前に向かう方向を右方向と称し、その反対方向を左方向と称する。他の図においても、これらに対応する方向を前方向、後方向、右方向、左方向と称する。
食器洗い機1は、前面が開口している箱体10と、箱体10の開口部11を開閉するように、左右のヒンジ部20、20により軸支された下開き式の扉部30とを備えている。食器洗い機1は、いわゆるビルトインタイプの食器洗い機であり、設置スペース100に組み込まれるよう構成されている。
箱体10は、略直方体状に形成されており、その前面には、箱体10内に形成された洗浄槽(不図示)に連通する開口部11が設けられている。また、箱体10の前下部(具体的には、箱体10の前面において、開口部11よりも下方に位置する部分)には、箱体10の左右方向に沿って延びる回転軸40が配設されている(図2〜図4、図6を参照)。また、回転軸40よりも下方には、図2及び図8に示すように、食器洗い機1を設置スペース100に組み込む際の蹴り込み部50が設けられている。蹴り込み部50は、横長の矩形板状に形成された前板部51を有している。
扉部30は、略矩形厚板状に形成されており、その下端部は、左右のヒンジ部20、20を介して回転軸40に連結されている。この連結により、扉部30は、図3に示す閉じ位置と、図3において反時計回り方向に90度回転した開き位置(図4参照)との間で、ヒンジ部20、20及び回転軸40と一体的に揺動することになる。
ヒンジ部20、20は、箱体10の左右両側面の前下部に配置された一対の部材であり、扉部30を軸支している。左右のヒンジ部20、20は、双方とも、薄板状に形成されており、図3に示すように、側面視で略L字形状を有している。扉部30に沿って平行に延びるL字の一辺には、図3及び図6に示すように、扉部30の後面31に対向する対向面21が形成されている。一方で、扉部30に対し垂直に延びるL字の一辺には、図3等に示すように、扉部30の開き動作を規制するフック部22が形成されている。詳しくは、フック部22は、図3において紙面上側が開放されたカギ状に形成されており、扉部30が開き位置まで開いたときに、箱体10に設けたストッパー(不図示)に当接することにより、扉部30の開き動作を規制する。
食器洗い機1は、図6に示すように、扉部30の下端部から下方に向かって延び且つ、箱体10の前板部51に沿ってシート状に広がるよう形成されたスカート部52を備えている。スカート部52は、扉部30の下端部と箱体10の前板部51との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減するように構成されている。詳しくは、スカート部52の上端側部分は、ヒンジ部20に取り付け固定されており、ヒンジ部20に対し後方に向かって延びている一方、スカート部52の下端側部分は、前板部51よりも後方に配置されており、垂下している。
箱体10の説明に戻ると、前述の箱体10は、設置スペース100を区画形成している2枚の壁部101、102の間に配置されている。設置スペース100は、例えばシステムキッチンに設けられており、複数枚の壁部によって区画形成されている。複数枚の壁部は、箱体10の設置面Fに対し立ち上がるように延びる2枚の壁部101、102を有している。箱体10は、それら2枚の壁部101、102の間に配置されている。また、箱体10においてヒンジ部20、20が配置された両側面は、それぞれ、壁部101、102に対し所定の間隔を空けて対向している。詳しくは、箱体10の右側面は、図8に示すように、一方の壁部101に対し所定の間隔(隙間)を空けて対向している一方、箱体10の左側面は、他方の壁部102に対し所定の間隔を空けて対向している。こうした間隔を空けた分だけ、箱体10と壁部101、102との間には隙間が空いており、その隙間を通じた騒音を遮音するべく、本実施形態に係る食器洗い機1には、箱体10と壁部101、102との間をシールする遮音部材60が設けられている。
(遮音部材の構成)
次に、遮音部材60について説明する。以下、箱体10の右側面の前下部周辺の構成について説明する。食器洗い機1は、右側面側と左側面側とで同様に構成されているため、箱体10の左側面側の構成についての説明は省略する。
次に、遮音部材60について説明する。以下、箱体10の右側面の前下部周辺の構成について説明する。食器洗い機1は、右側面側と左側面側とで同様に構成されているため、箱体10の左側面側の構成についての説明は省略する。
食器洗い機1は、図2〜図4に示すように、箱体10の右側面に設けられ、箱体10の前端部において右側面に沿って延びるように形成された第1部材70と、ヒンジ部20に設けられ、扉部30の右側面に沿って延びるように且つ、扉部30が開口部11を開閉するときに、当該扉部30と一体的に揺動するように形成された第2部材80とを備えている。この第2部材80は、以下で詳述するように、扉部30が開口部11を閉塞しているとき(すなわち、扉部30が閉じ位置にあるとき)に、第1部材70と共に遮音部材60を構成するように配置されている。
第1部材70は、箱体10の前端部において上下に延びるように形成されており、回転軸40を挟んで上方に位置する上側部分71と、下方に位置する下側部分72とを有している。詳しくは、第1部材70は、箱体10の上端部から回転軸40の上方位置まで直線状に延びる上側部分71と、上側部分71に対して上下に間隔を空けて配置され、箱体10の設置面Fから回転軸40の下方位置まで直線状に延びる下側部分72とを有している。また、図2〜図4に示すように、下側部分72は、上側部分71よりも後方に位置している。下側部分72はまた、蹴り込み部50の前板部51に沿って延びるように配置されている。尚、上側部分71は、「一側部分」の一例であり、下側部分72は、「他側部分」の一例である。
第1部材70は、合成ゴムから形成されている。図2〜図4に示すように、第1部材70の上側部分71は、箱体10の右側面に沿って延びる取付板部71aと、取付板部71aに対し垂直に立設されたシール部71bとを有している。同様に、第1部材70の下側部分72は、箱体10の右側面に沿って延びる取付板部72aと、取付板部72aに対し垂直に立設されたシール部72bとを有している。詳しくは、取付板部71a、72aは、双方とも、箱体10の上下方向に沿って延びる矩形薄板状の外形を有している。上側部分71のシール部71bは、取付板部71aの長手側の側縁部のうち、前側に位置する一方から立設されている。下側部分72のシール部72bは、取付板部72aの長手側の側縁部のうち、前側に位置する一方から立設されている。
第1部材70は、後述の如く、扉部30が開口部11を開閉するときに、第2部材80と干渉しない位置に配置されている。
第2部材80は、図3〜図4に示すように、扉部30が閉じ位置から開き位置まで開くときに、図3に示す状態から図4に示す状態まで紙面反時計回り方向に約90度回転する。
第2部材80は、図3〜図4に示すように、第1部材70の上側部分71と下側部分72との間に介在している。第2部材80は、扉部30が閉じ位置にあるときには、上側部分71の下端部と、下側部分72の上端部とを接続するように配置されることになる。そのような接続によって、第2部材80は、図3の2点鎖線に示すように、第1部材70と共に、箱体10の一端部(この例では、箱体10の上端部)から他端部(この例では、箱体10の下端部)まで連続する遮音部材60を構成することになる。
具体的には、第2部材80は、扉部30の後面に対し平行に延びるよう配置される(具体的には、扉部30が閉じ位置にあるときに、上下方向に延びるよう配置される)垂直部分81と、扉部30の後面に対し垂直に延びるよう配置される(具体的には、扉部30が閉じ位置にあるときに、前後方向に延びるよう配置される)水平部分82とから構成されている。詳しくは、垂直部分81は、扉部30が閉じ位置にあるときに、第1部材70の上側部分71の下端部から下方に延びるように配置され、水平部分82は、垂直部分81の下端部から下側部分72の上端部付近まで後方(設置スペース100の奥側であり且つ、図3〜図4における紙面右側)に延びるように配置されることになる。
図5は、第2部材80の垂直部分81の構成を示している。
第2部材80は、第1部材70と同様に、合成ゴムから構成されている。第2部材80の垂直部分81は、図5に示すように、矩形長板状の取付板部81aと、取付板部81aの長手側の側縁部の両方から立設されたシール部81b、81cと、取付板部81aの長手側の側縁部の一方からシール部81b、81cとは反対側方向に向かって立設された扉側シール部81dとを有している。
垂直部分81の取付板部81aは、扉部30の後面に沿って取り付けられており、ヒンジ部20のL字の一辺、具体的には扉部30の後面に対し平行に延びる一辺に沿うように配置されている。取付板部81aには、2つのネジ穴(不図示)が、長手方向に間隔を空けて形成されており、これらのネジ穴を介してヒンジ部20にネジ止めされている。
垂直部分81のシール部81b、81cは、図5に示すように、取付板部81aの短手方向に並んでおり、それぞれ、長手側の側縁部から立設されている。シール部81b、81cは、図5に示すように、略“く”の字状の横断面を有している。シール部81b、81cは、それぞれ、箱体10から壁部101に向かって延びるように形成されている。
扉側シール部81dと、2つのシール部81b、81cのうち扉部30が閉じ位置にあるときに前側に配置される一方のシール部81bとは、取付板部81aに対して鏡映対称の関係にあるように形成されている。扉側シール部81dは、食器洗い機1が組み立てられた状態にあっては、扉部30の後面31とヒンジ部20の対向面21との間をシールするように、扉部30の内方に向かって延びるように配置されている。すなわち、扉側シール部81dは、扉部30の後面31とヒンジ部20の対向面21との間に挿入されるように構成されている。
一方、第2部材80の水平部分82は、図6等に示すように、矩形板状の取付板部82aと、取付板部82aの長手側の側縁部の両方から立設されたシール部82b、82cと、取付板部82aの長手側の側縁部の一方からシール部82bとは反対側方向に向かって立設されたスカート側シール部82dとを有している。
水平部分82の取付板部82aは、扉部30の後面に垂直な方向に沿って取り付けられており、ヒンジ部20のL字の一辺、具体的には扉部30の後面に対し垂直に延びる一辺に沿うように配置されている。取付板部82aには、垂直部分81の取付板部81aと同様に、2つのネジ穴(不図示)が、長手方向に間隔を空けて形成されており、これらのネジ穴を介してヒンジ部20にネジ止めされている。
水平部分82のシール部82b、82cは、図3〜図4、及び図6に示すように、取付板部82aの短手方向に並んでおり、それぞれ、長手側の側縁部から立設されている。シール部82b、82cは、図6に示すように、略“く”の字状の横断面を有している。シール部82b、82cは、それぞれ、箱体10から壁部101に向かって延びるように形成されている。2つのシール部82b、82cのうち、扉部30の回転方向の進み側に位置する一方のシール部82c、すなわち、回転軸40に対して、紙面時計回り方向の先側(図3の上側)に位置するシール部82cは、扉部30が開き位置まで開いたときに、第1部材70の上側部分71と干渉しない長さに形成されている。具体的には、図3に示すように、このシール部82cは、他方のシール部82bよりも短く形成されている。
また、シール部82b、82cの揺動端部と回転軸40の回転軸心との間の距離は、フック部22の揺動端部と回転軸4の回転軸心との間の距離よりも短くなるように構成されている。このように構成することで、フック部22は、シール部82b、82cよりも大回りに揺動することとなるため、フック部22がストッパー(不図示)に当接する際に、シール部82b、82cが邪魔にならない。
スカート側シール部82dと、2つのシール部82b、82cのうち扉部30が閉じ位置にあるときに下方に位置する一方のシール部82bとは、取付板部82aに対して鏡映対称の関係にあるように形成されている。スカート側シール部82dは、図6に示すように、前板部51の後面とスカート部52の前面との間をシールするように、箱体10の内方に向かって延びるように配置されている。すなわち、スカート側シール部82dは、前板部51の後面とスカート部52の前面との間に挿入されるように構成されている。
図4の2点鎖線は、扉部30が開口部11を開閉するときにおける、第2部材80の揺動端部の軌跡A1、A2を示している。軌跡A1は、垂直部分81の揺動端部(この例では、シール部81cの端部)の軌跡を示しており、軌跡A2は、水平部分82の揺動端部(この例では、シール部82bの端部)の軌跡を示している。図4に示すように、第1部材70の上側部分71及び下側部分72は、双方とも、垂直部分81の軌跡A1、及び、水平部分82の軌跡A2の両方に干渉しない位置に配置されている。よって、扉部30が開閉するときに、第1部材70と第2部材80とが互いに干渉し合うことはない。
(食器洗い機の動作説明)
以下、食器洗い機1の動作について説明する。
以下、食器洗い機1の動作について説明する。
食器洗い機1を使用するときには、使用者は、扉部30を開き、箱体10内の洗浄槽に食器を配置する。食器が配置されると、使用者は、扉部30を閉じて食器洗い機1を作動させる。食器洗い機1が作動すると、その内部からは、食器に水をかけたり、食器にかかった水が滴下したりしたことに伴う騒音や、食器洗い機1の駆動音に起因する騒音等が生じる。そうした騒音は、箱体10と壁部101、102との間の隙間を通じて外部へ漏れ出そうとするものの、第1部材70と第2部材80とで構成される遮音部材60によって遮音されることになる。
図7は、実施形態に係る食器洗い機1と、従来構成に係る食器洗い機とで騒音レベルを比較したグラフである。図7の横軸は、外部に漏れ出た騒音の周波数を示しており、縦軸は、その騒音レベルの大きさを示している。実施形態に係る食器洗い機1の騒音レベルは、図7においては「本発明」と記されており、実線で図示されている。一方、従来構成に係る食器洗い機の騒音レベルは、図7においては「現行」と記されており、破線で図示されている。尚、ここでいう従来構成とは、箱体にのみ遮音部材が取り付けられており、ヒンジ部付近には遮音部材が取り付けられていない構成を意味している。
図7より、実施形態に係る食器洗い機1では、周波数の全域にわたって、騒音レベルが低減していることが見て取れよう。
(まとめ)
以上説明したように、前記の構成によると、遮音部材60は、扉部30が開口部11を閉塞しているときに、第1部材70と第2部材80とから構成される。そのとき、ヒンジ部20付近においては、第2部材80によりシールされる一方、それ以外の箇所については、第1部材70によりシールされることになる。第2部材80は、扉部30と一体的に揺動するよう構成されているため、扉部30が開くときに巻き込まれてしまうこともない。このように、遮音部材60の巻き込みを招くことなく、ヒンジ部20付近においても、十分なシールを行うことが可能になる。
以上説明したように、前記の構成によると、遮音部材60は、扉部30が開口部11を閉塞しているときに、第1部材70と第2部材80とから構成される。そのとき、ヒンジ部20付近においては、第2部材80によりシールされる一方、それ以外の箇所については、第1部材70によりシールされることになる。第2部材80は、扉部30と一体的に揺動するよう構成されているため、扉部30が開くときに巻き込まれてしまうこともない。このように、遮音部材60の巻き込みを招くことなく、ヒンジ部20付近においても、十分なシールを行うことが可能になる。
また、前記の構成によると、第1部材70は、箱体10に取り付けられているため、扉部30まわりのデザイン性を可能な限り保持することが可能になる。また、第1部材70は、扉部30と一体的に揺動しないため、第1部材70を設けた分だけ、遮音部材60と壁部101、102との擦れを抑制することが可能になる。
かくして、前記の構成によれば、遮音部材60の巻き込みや擦れを抑制しつつ、箱体10と壁部101、102との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減することができる。
さらに、第1部材70は、扉部30が開口部11を開閉するときの第2部材80の揺動端部の軌跡A1、A2に干渉しない位置に配置されているから、第1部材70と第2部材80との干渉をより確実に防止することができる。そのことで、遮音部材60を構成する部材70、80同士の巻き込みや擦れをより確実に抑制することが可能になる。
また、前記の構成によると、第1部材70及び第2部材80から構成される遮音部材60は、箱体10の上端部から下端部まで連続することになる。そのことは、騒音の漏れをより確実に低減する上で有効である。
また、前記の構成によると、第1部材70の下側部分72と上側部分71とが、上下方向及び前後方向に間隔を空けて配置されている場合には、第2部材80を、直線形状を有する複数の部材81、82から形成する。この構成は、第2部材80を容易に且つ安価に構成する上で有効である。
また、前記のように、扉側シール部81dを設けたことは、ヒンジ部20の対向面と扉部30の後面との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減する上で有効である。
また、前記のように、スカート側シール部82dを設けたことは、スカート部52の後面と箱体10との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減する上で有効である。
〈〈他の実施形態〉〉
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記食器洗い機1の構成は、一例であり、この構成に限られるものではない。
前記実施形態では、2枚の壁部101、102は、箱体10の設置スペース100を区画形成しており、遮音部材60は、箱体10と壁部101、102との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減するように構成されていたが、この構成には限られない。例えば、2枚の壁部は、箱体10の左右両側部に取付固定される板部である、としてもよい。そうした板部には、例えば、箱体のアウターフレームを構成する金属板が含まれる。その場合、箱体は、左右の両側部に板部を取り付けた状態で、設置スペースに組み込まれることになる。この場合、遮音部材は、箱体と板部との間の隙間を通じた騒音の漏れを低減するように機能する。
また、前記実施形態では、第2部材80は、扉部30が閉じ位置にあるときに、上下方向に延びるよう配置される垂直部分81と、前後方向に延びるよう配置される水平部分82とから構成されていたが、この構成には限られない。例えば、第1部材70の上側部分71の下端部から、下側部分72の上端部まで直線状に、又は、曲線状に延びる一体の部材から構成してもよい。
また、前記実施形態では、スカート側シール部82dは、前板部51の後面とスカート部52の前面との間に挿入されるように構成されていたが、この構成には限定されない。例えば、スカート部52の後面と箱体10のフレームとの間に挿入してもよい。
また、前記実施形態では、扉部30は、下開き式の扉部として構成されていたが、この構成には限定されない。例えば、扉部30を、上開き式の扉部として構成してもよい。その場合、左右のヒンジ部20、20は、箱体10の左右両側面の前上部に配置されることになる。また、扉部30を、横開き式の扉部として構成してもよい。その場合、2つのヒンジ部20、20は、箱体の上下両側面の前部に配置されることになる。
また、前記実施形態では、第2部材80は、ヒンジ部20に設けられていたが、この構成には限定されない。例えば、第2部材80を、扉部30の下端部付近に取り付けてもよい。
1 食器洗い機
10 箱体
11 開口部
20 ヒンジ部
21 ヒンジ部の対向面
30 扉部
31 扉部の後面
52 スカート部
60 遮音部材
70 第1部材
71 上側部分(一側部分)
72 下側部分(他側部分)
80 第2部材
81 垂直部分
81d 扉側シール部
82 水平部分
82d スカート側シール部
100 設置スペース
101 壁部
102 壁部
A1 軌跡
A2 軌跡
10 箱体
11 開口部
20 ヒンジ部
21 ヒンジ部の対向面
30 扉部
31 扉部の後面
52 スカート部
60 遮音部材
70 第1部材
71 上側部分(一側部分)
72 下側部分(他側部分)
80 第2部材
81 垂直部分
81d 扉側シール部
82 水平部分
82d スカート側シール部
100 設置スペース
101 壁部
102 壁部
A1 軌跡
A2 軌跡
Claims (10)
- 2枚の壁部の間に配置され、前面が開口している箱体と、前記箱体の左右又は上下の両側面に配置された一対のヒンジ部により軸支され、前記箱体の開口部を開閉する扉部とを備え、前記箱体において前記ヒンジ部が配置された両側面は、それぞれ、前記壁部に対し所定の間隔を空けて対向する食器洗い機であって、
前記両側面に設けられ、当該箱体の前端部において、当該両側面の各々に沿って延びるように形成された第1部材と、
前記ヒンジ部又は前記扉部に設けられ、当該扉部の側面に沿って延びるように且つ、前記扉部が前記開口部を開閉するときに、当該扉部と一体的に揺動するように形成された第2部材とを備え、
前記第2部材は、前記扉部が前記開口部を閉塞しているときに、前記第1部材と共に、前記箱体と前記壁部との間をシールする遮音部材を構成するように配置されている食器洗い機。 - 請求項1に記載の食器洗い機において、
前記第1部材は、前記扉部が前記開口部を開閉するときに、前記第2部材と干渉しない位置に配置されている食器洗い機。 - 請求項2に記載の食器洗い機において、
前記第1部材は、前記扉部が前記開口部を開閉するときにおける、前記第2部材の揺動端部の軌跡に干渉しない位置に配置されている食器洗い機。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の食器洗い機において、
前記遮音部材は、前記箱体の一端部から他端部まで連続するように構成されている食器洗い機。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の食器洗い機において、
前記第1部材は、一側部分と、前記一側部分に対し左右又は上下に間隔を空けて配置された他側部分とから構成され、
前記第2部材は、前記一側部分と前記他側部分との間に介在するように配置されている食器洗い機。 - 請求項5に記載の食器洗い機において、
前記他側部分は、前記一側部分に対し前後に間隔を空けて配置されており、
前記第2部材は、前記扉部が前記開口部を閉塞しているときに、前記扉部の後面に対し平行に延びるよう配置される垂直部分と、当該後面に対し垂直に延びるよう配置される水平部分とから構成されている食器洗い機。 - 請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の食器洗い機において、
前記ヒンジ部は、前記扉部の後面に対向する対向面を有し、
前記第2部材には、前記後面と前記対向面との間をシールするように、前記扉部の内方に向かって延びる扉側シール部が設けられている食器洗い機。 - 請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の食器洗い機において、
前記扉部は、下開き式の扉部であり、
前記扉部の下端部から下方に向かって延び且つ、前記箱体の前面に沿ってシート状に広がるよう形成されたスカート部を備え、
前記スカート部は、前記箱体の前下部よりも後方に配置されており、
前記第2部材には、前記箱体の前下部と前記スカート部の前面との間をシールするように、前記箱体の内方に向かって延びるスカート側シール部が設けられている食器洗い機。 - 請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の食器洗い機において、
前記壁部は、前記箱体の設置スペースを区画形成している食器洗い機。 - 請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の食器洗い機において、
前記壁部は、前記箱体において前記ヒンジ部が配置された両側部に取付固定される板部である食器洗い機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016013752A JP2017131394A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | 食器洗い機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016013752A JP2017131394A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | 食器洗い機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017131394A true JP2017131394A (ja) | 2017-08-03 |
Family
ID=59504020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016013752A Pending JP2017131394A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | 食器洗い機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017131394A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111317421A (zh) * | 2020-04-10 | 2020-06-23 | 佛山市顺德区美的洗涤电器制造有限公司 | 洗碗机的门体组件和洗碗机 |
-
2016
- 2016-01-27 JP JP2016013752A patent/JP2017131394A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111317421A (zh) * | 2020-04-10 | 2020-06-23 | 佛山市顺德区美的洗涤电器制造有限公司 | 洗碗机的门体组件和洗碗机 |
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