JP2016120196A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で洗濯機稼働時の騒音を効果的に低減する。【解決手段】モータ(53)で回転駆動する回転ドラム(15)を内包した水受槽(17)がコイルばね(67)により筐体(13)内に吊り下げて弾性支持された洗濯機(11)において、筐体(13)に取り付けられてコイルばね(67)の一端が引っ掛けられるばね取付部材(65)の被取付部(73)とその被取付部(73)に対向する筐体(13)の側壁部(27b)との間の隙間に、弾性体からなる振動減衰部材(85)を挟み込む。【選択図】図3
Description
本発明は、筐体にばね取付部材が取り付けられ、このばね取付部材に引っ掛けられた複数本のコイルばねにより水受槽が筐体内に吊り下げて弾性支持された洗濯機に関する。
一般的に、洗濯機は、このように弾性支持された水受槽内に回転可能に支持される洗濯槽を備え、この洗濯槽に収容した洗濯物に対し、洗い、すすぎ及び脱水の各工程を実行する。これらの工程のうち脱水工程では、洗濯槽が高速回転するため、同槽の回転動作の振動により騒音が発生して使用者に不快感を与えることがある。特に、筐体は洗濯機外装であるので、その振動は使用者に直接騒音を伝えることとなり、この筐体振動に起因する騒音が大きいと商品価値を著しく落とすことになる。
そこで、このような筐体の振動を防止するための洗濯機の構成が従来から提案されている。例えば、特許文献1に開示された洗濯機では、筐体と水受槽(洗濯機本体)との間に消音材を収納することで、洗濯機稼働時の筐体の振動及びそれによる騒音の低減を図っている。また、特許文献2に開示された洗濯機では、水受槽をコイルばねで弾性支持する筐体に片持ち式の動吸振器を取り付けることによって、筐体の振動及びそれによる騒音の低減を図っている。
洗濯機において、洗濯槽の回転動作で水受槽に振動が生じたときに、その水受槽を支持するコイルばねを通して筐体に伝搬される振動には、水受槽自体や水受槽とコイルばねとを振動系とする固有振動の周波数成分、洗濯槽及びこれを回転駆動させる回転駆動装置の回転周波数成分、さらにコイルばね自体の固有振動に起因したサージングと呼ばれる振動現象の周波数成分など、広帯域に亘る周波数成分が含まれている。特に、局所的な固有振動や上記コイルばねのサージングに含まれる周波数領域では、共振現象により振幅が増大するため、筐体から放射される騒音が大きくなる。
また、洗濯槽が回転すると、コイルばねにかかる引張り力が変動し、この引張り力の変動が、コイルばねが引っ掛けられたばね取付部材及びこれが固定された筐体部分に局所的な曲げ変形を繰り返し生じさせるため、それによる軋み音が発生する。また、このような曲げ変形により水受槽の揺動変位が増大するため、水受槽を下側で支持するダンパー等の振動抑制装置の作動音も大きくなる。
洗濯機稼働時には、上述した筐体からの騒音や筐体等の軋み音、振動抑制装置の作動音が問題となるところ、特許文献1の洗濯機では、消音材で低減できる騒音の音域が限られており、しかも、消音材を筐体の内面に広範囲に亘って取り付けないと、その限られた音域でも十分な消音効果が得られないため、生産コストが嵩む上に組立て性が悪いという問題がある。
また、特許文献2の洗濯機では、動吸振器の振動抑制効果を発揮する周波数帯域が狭いため、洗濯機に生じる振動及びそれによる騒音を広帯域に亘って低減するのが難しい。すなわち、この洗濯機での動吸振器による振動抑制効果は、局所的な固有振動の周波数成分に対しては有効であるが、上述したコイルばねのサージングや筐体等の軋み音、振動抑制装置の作動音に対しては殆ど効果が期待できない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で洗濯機稼働時の騒音を効果的に低減することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ばね取付部材及びこれが取り付けられた筐体部分の局所的な固有振動及びコイルばねの固有振動に起因するサージングに対する減衰手段を付加し、その減衰手段によってばね取付部材及びこれが取り付けられた筐体部分の曲げ変形も抑制するようにした。
具体的には、本発明は、筐体と、この筐体内に設けられた水受槽と、この水受槽内で回転駆動する洗濯槽と、筐体に取り付けられたばね取付部材と、このばね取付部材を介して筐体に水受槽を弾性支持するコイルばねと、を備える洗濯機を対象とする。ばね取付部材は、筐体の側壁部に隙間をあけて対向する板状の被取付部を有する。また、コイルばねの一端はばね取付部材の被取付部に引っ掛けられると共に、当該コイルばねの他端は水受槽に引っ掛けられる。そして、本発明は、上記構成の洗濯機において、以下の解決手段を講じたものである。
すなわち、第1の発明は、ばね取付部材の被取付部とこの被取付部に対向する筐体の側壁部との間に、水受槽からコイルばねを通して筐体に伝わる振動を減衰させる、弾性体からなる振動減衰部材が挟み込まれていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の洗濯機において、ばね取付部材が、被取付部と一体に設けられた、筐体に固定される板状の固定部を有する構成となっている。そして、第2の発明は、ばね取付部材の被取付部に、当該被取付部が対向する筐体の側壁部側に凹んだ凹形状、又は当該被取付部が対向する筐体の側壁部とは反対側に突出した凸形状の補強部が、コイルばねの取付け箇所から固定部側の端縁にまで形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の洗濯機において、振動減衰部材のうちばね取付部材の被取付部側の面が、その被取付部の補強部に合わせた形状に形成され、当該被取付部のうち補強部及びその他の部分に密着していることを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つの洗濯機において、ばね取付部材又は筐体と振動減衰部材とのうち、一方の部材に嵌合孔が設けられ、他方の部材にその嵌合孔に嵌合する凸部が設けられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、ばね取付部材のうちコイルばねが引っ掛けられる被取付部と筐体の側壁部との間に挟み込んだ振動減衰部材で水受槽から筐体に伝わる振動を減衰させるようにしたので、筐体及びばね取付部材の局所的な固有振動と、コイルばね自体の固有振動に起因するサージングとを低減することができる。さらに、振動減衰部材の弾性力によりばね取付部材及びこれが取り付けられた筐体部分の曲げ変形を抑制でき、それによってこれらばね取付部材及び筐体の軋み音を低減することができる。また、この曲げ変形の抑制効果によって水受槽の揺動変位を減少させることができるので、洗濯機が水受槽を下側で支持する振動減衰装置を備える場合には、その振動減衰装置の作動音も低減することができる。したがって、ばね取付部材の被取付部と筐体の側壁部との間の隙間に振動減衰部材を挟み込むという簡単な構造で洗濯機稼働時の騒音を効果的に低減することができる。
第2の発明によれば、ばね取付部材の被取付部の剛性を凹形状又は凸形状の補強部で高めるようにしたので、ばね取付部材の曲げ変形をよりいっそう抑制することができ、ばね取付部材の軋み音をさらに低減することができる。
第3の発明によれば、振動減衰部材を被取付部のうち補強部及びその他の部分に密着させるようにしたので、振動減衰部材をこれら両部分の一方だけに密着させる場合と比較して、ばね取付部材及びこれが取り付けられた筐体部分の曲げ変形をより抑制することができる。これにより、ばね取付部材及び筐体の軋み音と、振動減衰装置を備える場合にはその作動音とを良好に低減することができる。
第4の発明によれば、振動減衰部材の位置ずれを嵌合孔と凸部との嵌合構造により規制するようにしたので、当該振動減衰部材がばね取付部材の被取付部と筐体の側壁部との間の隙間からずり落ちるのを防止できる。したがって、振動減衰部材による上述の騒音低減効果を長期に亘り安定して得ることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の実施形態では、洗濯機について、洗濯物の収容口が設けられた側を「前」、その反対側を「後」と称し、収容口に向かって左右方向における左側を「左」、右側を「右」と称し、設置状態での上下方向における上側を「上」、下側を「下」と称する。
この実施形態では、洗濯物を収容する回転ドラムを横向きに支持した、いわゆるドラム式洗濯機を例に挙げて説明する。図1は、この洗濯機11の構成を示す断面図である。図2は、図1のII−II線における洗濯機11の筐体13とその内部の要部構成を模式的に示す断面図である。
洗濯機11は、図1に示すように、当該洗濯機11の外装を構成する筐体13を備え、この筐体13内に、上記回転ドラム15及びこれを内包する水受槽17からなる洗濯槽ユニット19と、回転ドラム15を回転駆動する駆動機構21と、水受槽17を弾性支持する支持機構23と、洗濯槽ユニット19に洗濯水を供給する給水経路(不図示)と、洗濯槽ユニット19から洗濯水を排水する排水経路25とが設けられた構成を有する。
筐体13は、上面が開口した矩形箱状の筐体本体27と、この筐体本体27の上側開口28を塞ぐ蓋体29とを備える。筐体本体27は、略矩形状の基底部27aと、この基底部27aの周縁から上方に延びて四方を囲む側壁部27bとを備える。この筐体本体27の側壁部27bの上端には、当該筐体本体27の上側開口28の内方に突出する板状の内フランジ片31が全周に亘って設けられている。この内フランジ片31は、当該筐体本体27の上側開口28周縁部を構成している。
また、筐体本体27の前側の側壁部27bには、洗濯物を出し入れするための円形の収容口33が形成されている。この収容口33には、当該収容口33を開閉するドア部35が左右方向に回動可能に取り付けられている。
回転ドラム15と水受槽17とは、一端側に開口16,18を有する円筒状に形成されており、互いの中心線を一致させた状態で共に前後方向に横置きで筐体13内に設置されている。回転ドラム15の開口16と水受槽17の開口18と筐体13の収容口33とは互いに対応していて、ドア部35を開状態とすることで、回転ドラム15の内部に洗濯物を投入できるようになっている。
水受槽17は、洗濯機11が洗いやすすぎの工程を実行するときに、給水経路から洗濯槽ユニット19に供給された洗濯水を貯留する容器である。この水受槽17の周壁部17aのうち前後方向における中程で左方上側の部分と右方上側の部分とには、上方に突出した略半円板状のブラケット片37が1つずつ、計2つ設けられている。これら各ブラケット片37には、後述するコイルばね67を引っ掛けるための引掛け孔38が形成されている。
回転ドラム15は、水受槽17内に回転可能に支持されていて、駆動機構21により回転駆動されることで、収容した洗濯物を上方に上げては落とす叩き洗いを繰り返し実行する洗濯槽である。この回転ドラム15の周壁部15aには、小径の貫通孔39が所定配列で全周に亘って複数形成されている。水受槽17に貯留された洗濯水は、これら複数の貫通孔39を通って回転ドラム15内に出入りする。この回転ドラム15の奥側に位置する底部には、当該回転ドラム15を支持する円板状のドラム支持部41が全面に亘って設けられている。
駆動機構21は、このドラム支持部41の中心部分に一端側が固定された回転軸43と、この回転軸43の他端側に取り付けられた従動プーリ45と、この従動プーリ45と対をなす駆動プーリ47と、これら両プーリ45,47に巻き掛けられたベルト49と、駆動プーリ47が取り付けられた駆動軸51を有する駆動源としてのモータ53とを備える。
水受槽17のうちドラム支持部41に対応する底部中央には、回転軸43が挿通される挿通部55を有している。この挿通部55には、回転軸43を回転自在に支持する軸受57が設けられている。こうして、駆動機構21は、モータ53の回転力をプーリ45,47間でベルト49を用いて伝動し、水受槽17を回転させずに回転ドラム15のみを回転駆動させるようになっている。
支持機構23は、図1及び図2に示すように、水受槽17を筐体13の下側で弾性支持する下側支持機構59と、水受槽17を筐体13の上側から筐体13内に吊り下げて弾性支持する上側支持機構61とを備える。
下側支持機構59は、水受槽17のうち前方左側の部分と前方右側の部分と後方左側の部分と後方右側の部分とに1つずつ設けられた、計4つのダンパー63で構成されている。これら各ダンパー63の一端は、水受槽17の周壁部17aに固定されると共に、これら各ダンパー63の他端は、筐体13の基底部27aに固定されている。これら4つのダンパー63は、その作動によって水受槽17の揺動変位を吸収するようになっている。
図3は、本実施形態に係る洗濯機11の要部であるばね取付部材65の被取付部73とその周辺部分の構成とを示す斜視図である。図4は、洗濯機11の要部を筐体13内側から見た側面図である。図5は、図4のV−V線における洗濯機11の要部を示す断面図である。上側支持機構61は、図3〜図5に示すように、筐体本体27における上端面、つまり当該筐体本体27の開口周縁部にある内フランジ片31のうち左右両側の部分に取り付けられた一対のばね取付部材65と、これら各ばね取付部材65に1本ずつ取り付けられた、計2本のコイルばね67とで構成されている。
ばね取付部材65は、前後方向に延びる細長い金属製のブラケットである。このばね取付部材65は、筐体13の内フランジ片31に固定される帯板状の固定部69と、この固定部69と直角をなす帯板状の垂下部71とを備える。これら固定部69と垂下部71とは、側端縁同士が一体に形成され、全体として断面L字状をなしている。垂下部71の長手方向における中央部分には、コイルばね67が取り付けられる被取付部73が設けられている。
ばね取付部材65は、固定部69を筐体13の内フランジ片31に上側から重ね当てて、垂下部71を内フランジ片31の突出端から筐体13の内側下方へ垂下させた姿勢とし、その状態で固定部69を内フランジ片31に加締め固定することで、筐体本体27に取り付けられている。このように取り付けられたばね取付部材65の被取付部73を含む垂下部71は、筐体本体27の側壁部27bのうち内フランジ片31の下側部分に隙間をあけて対向する。
ばね取付部材65の被取付部73は、垂下部71の他の部分よりも下方に突出している。この被取付部73には、当該被取付部73が対向する筐体本体27の側壁部27b側に凹んだ凹形状の補強部75が、上下方向の全体に亘って設けられている。そのことで、ばね取付部材65の被取付部73の剛性が高められている。ばね取付部材65の被取付部73のうちこの補強部75の両側には、円形の嵌合孔77が一対に設けられている。
ばね取付部材65の補強部75の底面には、当該ばね取付部材65の被取付部73とこれに対向する筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間に連通する開口部79が形成されている。この開口部79には、その内周縁を覆う樹脂製のばね受け部材81が取り付けられている。このばね受け部材81には、コイルばね67の一端を通す引掛け孔83が形成されている。この引掛け孔83の下側部分は、コイルばね67一端(後述する引掛け部67a)を周縁部で取り囲み、その前後方向における移動を規制する形状及びサイズに形成されている。
コイルばね67は、両端にフック形状の引掛け部67a,67bを有する。コイルばね67の一端側にある引掛け部67aは、ばね受け部材81の引掛け孔83を通して当該ばね受け部材81で受けられ、ばね取付部材65の被取付部73に引っ掛けられている。また、コイルばね67の他端側にある引掛け部67bは、水受槽17のブラケット片37の引掛け孔38を通して当該ブラケット片37に引っ掛けられている。そのことで、コイルばね67は、水受槽17を筐体13内に吊り下げて弾性支持している。
そして、ばね取付部材65の被取付部73とこの被取付部73に対向する筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間には、水受槽17からコイルばね67を通して筐体13に伝わる振動を減衰させる、弾性体からなる振動減衰部材85が挟み込まれている。この振動減衰部材85は、上記隙間に下方から圧入されることで、若干圧縮された状態に取り付けられる。
振動減衰部材85の材料は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM:ethylene propylen dien monomer)やアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR:acrylonitrile-butadiene rubber)などのゴム材料である。この振動減衰部材85の硬度は、例えば、JIS K6253に準拠してA30〜A70程度である。
図6は、振動減衰部材85を正面側から示す斜視図である。図7は、振動減衰部材85を背面側から示す斜視図である。振動減衰部材85のうちばね取付部材65の被取付部73側の面は、図6に示すように、補強部75に合わせた形状に形成されている。具体的には、振動減衰部材85の幅方向における両端部分85aを除く中程部分には、補強部75の形状に倣って凹んだ第1凹状部87が形成されている。この第1凹状部87の底面のうちばね受け部材81の引掛け孔83に対応する部分には、当該第1凹状部87よりも幅の狭い溝状の第2凹状部89が形成されている。さらに、この第2凹状部89の底面には、当該第2凹状部89よりも幅の狭い溝状の第3凹状部91が形成されている。
第2凹状部89及び第3凹状部91は、下方に開口しており、コイルばね67の引掛け部67aをばね取付部材65の被取付部73に引っ掛ける際に当該引掛け部67aが振動減衰部材85に引っ掛からないようにする逃げ部93を形成している。これによって、コイルばね67の引掛け部67aをばね取付部材65の被取付部73に引っ掛け易くなっている。これら第2凹状部89及び第3凹状部91の上側は、これら両凹状部89,91の側壁同士を連結する上側連結部95で閉塞されている。
そして、振動減衰部材85は、第1凹状部87の底面及び側面でばね取付部材65の被取付部73のうち補強部75に密着し、第1凹状部87の両側に位置する部分85aで当該被取付部73のうち補強部75以外のその他の部分に密着している。この振動減衰部材85のうち第1凹状部87の両側に位置する部分、つまり同部材85の両端部分85aには、ばね取付部材65の被取付部73に設けられた嵌合孔77に嵌合する略円柱状の凸部97が一対に設けられている。振動減衰部材85は、これら一対の凸部97を対応する嵌合孔77に嵌合させることで、ばね取付部材65の被取付部73に位置ずれ規制されている。
この振動減衰部材85の両端部分85aの背面側には、図7に示すように、下方に向かって前後方向に広がる形状、例えば背面視で三角形状の切欠き99が形成されている。そのことで、振動減衰部材85の両端部分85aは、撓み易くなっており、振動減衰部材85を下側からばね取付部材65の被取付部73とこれに対応する筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間に挿入していくときに、凸部97が嵌合孔77に嵌合するまでの間は、筐体本体27の側壁部27b側に撓み変形させることができる。これによって、振動減衰部材85は、凸部97を潰さずに上記隙間に挿入し易くなっている。
−実施形態の効果−
上記構成の洗濯機11によると、回転ドラム15の回転動作で水受槽17に振動が生じたときに、その水受槽17を支持するコイルばね67を通して筐体13に伝搬される振動を振動減衰部材85によって減衰させ、筐体本体27及びばね取付部材65の局所的な固有振動と、コイルばね67自体の固有振動に起因するサージングとを低減することができる。また、ばね取付部材65の被取付部73の剛性が補強部75で高められているので、ばね取付部材65の曲げ変形を抑制することができる。それに加え、コイルばね67の引張り力の変動に起因するばね取付部材65及びこれが取り付けられた筐体本体27の曲げ変形を振動減衰部材85の弾性力により抑制でき、それによってこれらばね取付部材65及び筐体本体27の軋み音を低減することができる。また、この曲げ変形の抑制効果によって水受槽17の揺動変位を減少させることができるので、洗濯機11が水受槽17を下側で支持するダンパー63の作動音も低減することができる。したがって、ばね取付部材65の被取付部73と筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間に振動減衰部材85を挟み込むという簡単な構造で洗濯機11稼働時の騒音を効果的に低減することができる。
上記構成の洗濯機11によると、回転ドラム15の回転動作で水受槽17に振動が生じたときに、その水受槽17を支持するコイルばね67を通して筐体13に伝搬される振動を振動減衰部材85によって減衰させ、筐体本体27及びばね取付部材65の局所的な固有振動と、コイルばね67自体の固有振動に起因するサージングとを低減することができる。また、ばね取付部材65の被取付部73の剛性が補強部75で高められているので、ばね取付部材65の曲げ変形を抑制することができる。それに加え、コイルばね67の引張り力の変動に起因するばね取付部材65及びこれが取り付けられた筐体本体27の曲げ変形を振動減衰部材85の弾性力により抑制でき、それによってこれらばね取付部材65及び筐体本体27の軋み音を低減することができる。また、この曲げ変形の抑制効果によって水受槽17の揺動変位を減少させることができるので、洗濯機11が水受槽17を下側で支持するダンパー63の作動音も低減することができる。したがって、ばね取付部材65の被取付部73と筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間に振動減衰部材85を挟み込むという簡単な構造で洗濯機11稼働時の騒音を効果的に低減することができる。
なお、上記実施形態では、振動減衰部材85がばね取付部材65の被取付部73とこれに対向する筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間に圧入され、凸部97と嵌合孔77との嵌合構造により位置ずれ規制されているとしたが、本発明はこれに限らず、振動減衰部材85は、ばね取付部材65の被取付部73とこれに対向する筐体本体27の側壁部27bとの間の隙間と同等の厚さで形成され、ばね取付部材65の被取付部73及び筐体本体27の側壁部27bのうち少なくとも一方に接着剤や両面テープなどの接合材で接着され、それによって位置ずれ規制されていてもよい。また、振動減衰部材85は、これらばね取付部材65の被取付部73及び筐体本体27の側壁部27bの両方に密着した状態に保持されるのであれば、その他の取付け状態であっても構わない。
また、上記実施形態では、振動減衰部材85の逃げ部93が第2凹状部89及び第3凹状部91からなる多段構成の凹部で形成されるとしたが、本発明はこれに限らず、振動減衰部材85に第3凹状部91が設けられておらず、逃げ部93が第2凹状部89のみで形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ばね取付部材65の被取付部73に嵌合孔77が設けられ、振動減衰部材85に凸部97が設けられているとしたが、本発明はこれに限らず、振動減衰部材85に嵌合孔が設けられ、ばね取付部材65の被取付部73にこの嵌合孔に嵌合する凸部が設けられていてもよい。この場合の嵌合孔は、貫通孔であってもよいし、底面を有する凹部であっても構わない。
また、上記実施形態では、これら嵌合孔77と凸部97とがそれぞれ一対ずつ、2組設けられているとしたが、本発明はこれに限らず、これら嵌合孔77と凸部97とは、それぞれ1つずつ、1組だけ設けられていてもよく、それぞれ3つずつ、3組以上設けられていても構わない。
また、上記実施形態では、振動減衰部材85がばね取付部材65の被取付部73に位置ずれ規制されているとしたが、本発明はこれに限らず、振動減衰部材85は、筐体本体27の側壁部27bに位置ずれ規制されていてもよい。
例えば、筐体本体27の側壁部27bに嵌合孔が設けられ、振動減衰部材85にその嵌合孔に嵌合する凸部が設けられ、振動減衰部材85は、これら嵌合孔と凸部との嵌合構造により筐体本体27の側壁部27bに位置ずれ規制されていてもよい。このような構成によっても、振動減衰部材85による上述の騒音低減効果を長期に亘り安定して得ることができる。
その他、振動減衰部材85に嵌合孔が設けられ、筐体本体27の側壁部27bにこの嵌合孔に嵌合する凸部が設けられ、振動減衰部材85が、これら嵌合孔と凸部との嵌合構造により筐体本体27の側壁部27bに位置ずれ規制されていてもよい。この場合の嵌合孔は、貫通孔であってもよいし、底面を有する凹部であって構わない。
また、上記実施形態では、ばね取付部材65の補強部75が凹形状であるとしたが、本発明はこれに限らず、この補強部75は、ばね取付部材65の被取付部73が対向する筐体本体27の側壁部27bとは反対側に突出した凸形状に形成されていてもよい。このような構成であっても、ばね取付部材65の被取付部73の剛性を高めて、ばね取付部材65の曲げ変形を抑制することができる。
また、上記実施形態では、補強部75がばね取付部材65の被取付部73の上下方向における全体に亘って形成されているとしたが、本発明はこれに限らず、この補強部75は、ばね取付部材65の被取付部73のうちコイルばね67の取付け箇所、つまり当該被取付部73の開口部79下縁の左右に対応する部分から固定部69側の端縁にまで形成されていれば上述した剛性向上効果を十分に得ることができる。
また、上記実施形態では、ばね取付部材65が筐体本体27の上端に設けられた内フランジ片31に取り付けられているとしたが、本発明はこれに限らず、筐体本体27の上側部分に専用のブラケットが設けられていて、そのブラケットにばね取付部材65が取り付けられていてもよい。このばね取付部材65は、筐体13の上側部分に取り付けられて、水受槽17をコイルばね67で弾性支持できればよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る洗濯機についてドラム式洗濯機11を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、その他の方式の洗濯機、例えば縦型洗濯機や乾燥機能付きの洗濯機にも適用可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲に限定されない。上記各実施形態が例示であり、それらの各構成要素の組合せに、さらに色々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲に属することは当業者に理解されるところである。
以上説明したように、本発明は、水受槽が筐体にコイルばねで吊り下げて弾性支持された構成を有する洗濯機について有用であり、特に、簡単な構造で稼働時の騒音を低減することが要望される洗濯機に適している。
11…洗濯機、13…筐体、15…回転ドラム(洗濯槽)、16…開口、17…水受槽、18…開口、19…洗濯槽ユニット、21…駆動機構、23…支持機構、25…排水経路、27…筐体本体、27a…基底部、27b…側壁部、28…上側開口、29…蓋体、31…内フランジ片、33…収容口、35…ドア部、37…ブラケット片、38…引掛け孔、39…貫通孔、41…ドラム支持部、43…回転軸、45…従動プーリ、47…駆動プーリ、49…ベルト、51…駆動軸、53…モータ、55…挿通部、57…軸受、59…下側支持機構、61…上側支持機構、63…ダンパー、65…ばね取付部材、67…コイルばね、67a,67b…引掛け部、69…固定部、71…垂下部、73…被取付部、75…補強部、77…嵌合孔、79…開口部、81…ばね受け部材、83…引掛け孔、85…振動減衰部材、87…第1凹状部、89…第2凹状部、91…第3凹状部、93…逃げ空間、95…上側連結部、97…凸部、99…切欠き
Claims (4)
- 筐体と、
前記筐体内に設けられた水受槽と、
前記水受槽内で回転駆動する洗濯槽と、
前記筐体の上側部分に取り付けられ、該筐体の側壁部に隙間をあけて対向する板状の被取付部を有するばね取付部材と、
一端が前記ばね取付部材の被取付部に引っ掛けられると共に、他端が前記水受槽に引っ掛けられることで、前記水受槽を前記筐体内に吊り下げて弾性支持するコイルばねと、を備える洗濯機であって、
前記ばね取付部材の被取付部と該被取付部に対向する前記筐体の側壁部との間の隙間には、前記水受槽から前記コイルばねを通して前記筐体に伝わる振動を減衰させる、弾性体からなる振動減衰部材が挟み込まれている
ことを特徴とする洗濯機。 - 請求項1に記載された洗濯機において、
前記ばね取付部材は、前記被取付部と一体に設けられた、前記筐体に固定される板状の固定部を有し、
前記ばね取付部材の被取付部には、当該被取付部が対向する前記筐体の側壁部側に凹んだ凹形状、又は当該被取付部が対向する前記筐体の側壁部とは反対側に突出した凸形状の補強部が、前記コイルばねの取付け箇所から前記固定部側の端縁にまで形成されている
ことを特徴とする洗濯機。 - 請求項2に記載された洗濯機において、
前記振動減衰部材のうち前記ばね取付部材の被取付部側の面は、前記補強部に合わせた形状に形成され、前記被取付部のうち前記補強部及びその他の部分に密着している
ことを特徴とする洗濯機。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載された洗濯機において、
前記ばね取付部材又は前記筐体と前記振動減衰部材とのうち、一方の部材には嵌合孔が設けられ、他方の部材には前記嵌合孔に嵌合する凸部が設けられている
ことを特徴とする洗濯機。
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-
2014
- 2014-12-25 JP JP2014263262A patent/JP2016120196A/ja active Pending
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