JP2017130442A - ラミネート型蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱圧着による実装に際して電極体を損傷させることがなく、長期間に渡って保存しても電極端子に酸化皮膜が形成されずに実装状態での信頼性を高めることができ、実装される電子機器の製造コストの低減も可能なラミネート型蓄電素子を提供する。【解決手段】扁平袋状に成形された外装体11内にシート状の正極20と負極30とを備えた電極体10が密封されているとともに、前記外装体の所定の縁辺13から正極と負極のそれぞれの電極端子板(23、33)が導出されてなるラミネート型蓄電素子1aであって、前記正極と負極の電極端子板は、酸化皮膜を形成する金属からなるとともに、前記外装体の一つの縁辺から同方向に導出され、同じ側に面している一主面50に異方導電性塗料100が塗布されている。【選択図】 図3

Description

本発明はラミネートフィルムからなる外装体内に発電素子を収納してなるラミネート型蓄電素子に関する。
一次電池、二次電池、電気二重層コンデンサーなどの蓄電素子の形態として、ラミネートフィルムからなる扁平袋状の外装体内にシート状の正極とシート状の負極とを備えた平板状の電極体を密封したラミネート型蓄電素子がある。ラミネート型蓄電素子は大容量化と小型薄型化の双方を両立し易く放熱性能にも優れることから、従前から電気自動車やハイブリッドカーなどの駆動用電源として利用されている。また近年では、小型薄型化が容易であるとの特徴を活かして、ワンタイムパスワード機能やディスプレイを搭載したICカード、ディスプレイ付きのICカード、あるいはタグやトークン(ワンタイムパスワード生成機)など、電源を内蔵しながら極めて薄型の電子機器(以下、薄型電子機器)の電源としてラミネート型蓄電素子が使用されるようになってきた。とくにICカードの規格に準拠したカード型の電子機器(カード型電子機器)では、その外形寸法が規格によって規定されており、薄さは0.76mmと極めて薄い。そのためラミネート型蓄電素子はカード型電子機器の電源として必要不可欠なものとなった。
図1に一般的なラミネート型蓄電素子として、ラミネート型のリチウム一次電池を示した。図1(A)はラミネート型蓄電素子1の外観図であり、図1(B)は当該蓄電素子1の内部構造の概略を示す分解斜視図である。ラミネート型蓄電素子1は、図1(A)に示したように平板状の外観形状を有し、ラミネートフィルムが扁平な矩形袋状に成形されてなる外装体11内に発電要素が密封されている。またここに示したラミネート型蓄電素子1では、正極端子板23および負極端子板33の先端部分(24、34)が矩形の外装体11の一辺13から外方に向けて導出されている。
つぎに図1(B)を参照しつつラミネート型蓄電素子1の概略構造について説明する。なお図1(B)では一部の部材や部位にハッチングを施し、他の部材や部位と区別しやすいようにしている。この図1(B)に示したように、外装体11内には、シート状の正極20とシート状の負極30がセパレーター40を介して積層されてなる電極体10が電解液とともに封入されている。正極20は金属板や金属箔からなる正極集電体21の一主面に正極活物質を含んだ正極材料22を配置したものであり、負極30は金属板や金属箔などからなる負極集電体31の一主面に負極活物質を含んだ負極材料32を配置したものである。そして電極体10は、正極20と負極30をそれぞれの電極材料(22、32)が対面するように、セパレーター40を介して積層、圧着(あるいはセパレーター40に溶着)されたものである。またこの例では正極20と負極30のそれぞれの電極集電体(21、31)に帯状の金属板や金属箔などからなる電極端子板が取り付けられている。
外装体11は、互いに重ね合わせた矩形状の二枚のラミネートフィルム(11a、11b)において図中網掛けのハッチングまたは点線の枠で示した周縁領域12が熱圧着法により溶着されて内部が密閉されたものである。ラミネートフィルム(11a、11b)は、周知のごとく、基材となる金属箔(アルミ箔、ステンレス箔)の表裏に1層以上の樹脂層が積層された構造となっており、一般的には、一方の面に例えばポリアミド樹脂などからなる保護層が積層され、他方の面には例えばポリプロピレンなどの熱溶着性を有する接着層が積層された構造を有している。
2枚のラミネートフィルム(11a、11b)を扁平袋状の外装体11に成形しつつ、
当該外装体11内に電極体10を収納する手順としては、例えば、矩形平面形状を有して互いに対面する2枚のラミネートフィルム(11a、11b)間に電極体10を配置するとともに、矩形の3辺同士を溶着して残りの一辺側が開口した袋状に形成する。また当該3辺の内の一辺13については正負両極(20、30)の端子板(23、33)を外装体11外に突出させた状態で溶着する。このようにして矩形の一辺が開口する袋状に形成されたラミネートフィルム(11a、11b)内に電解液を注入したならば、開口している一辺の周縁領域12を溶着し、図1(A)に示したラミネート型蓄電素子1を完成させる。
ところでラミネート型蓄電素子は、電子機器の電源として使用されることから、そのラミネート型蓄電素子を電子機器に内蔵させる際には、電極端子板を電子機器における電子回路に接続する必要がある。そしてその接続方式の一つとして、異方導電膜(以下、ACFとも言う)を用いるものがある。周知のごとくACFは厚さ方向にのみ導電性を有するフィルム状の実装用部品であり、シート状の接着樹脂中に導電粒子を分散させた構造を有している。図2はラミネート型蓄電素子をそのACFを用いて電子回路基板に実装する方法を示す図であり、図2(A)〜(D)にその実装手順を示した。なお図2では図1(A)におけるa−a矢視断面において、電極端子近傍の領域を拡大して示している。まず図2(A)に示したように、組立済みのラミネート型蓄電素子では、電極端子板(23、34)の先端側(24、34)が外装体11の外方に導出されており、図中紙面奥行き方向には正極端子板23と負極端子板33とが離間して配置されている。そして図2(B)に示したように、その正極20と負極30の端子板(23、33)の先端側(24、34)の一方の面(以下、実装面50ともいう)とフレキシブルプリント回路基板(FPC)などの電子回路を構成する回路基板60に印刷配線として形成されている給電用端子パッド61との間に1枚のACF70を介在させる。すなわち電極端子板(23、33)の双方に紙面奥行き方向に延長する1枚のACF70を架け渡す。ここで図中に示したように、電極端子板(23、33)の実装面50を下面として電極端子板(23、33)における相対的な上下方向を規定すると、図2(C)に示したように、電極端子板(23、33)の上面51から例えばヒーターを内蔵したブロック状の治具80を用いて熱圧着する。それによって図2(D)に示したように正負両極の電極端子板(23、33)と回路基板60上の給電用端子パッド61とが1枚のACF70を介して接続される。
なおACFの構造やACFを用いた実装方法などについては、例えば以下の非特許文献1に記載されている。またラミネート型蓄電素子の構造などについては、例えば以下の特許文献1に記載されている。そして以下の非特許文献2には実際に市販されているラミネート型蓄電素子である薄型リチウム電池の特徴や放電性能などが記載されている。
特開2006−281613号公報
日立化成株式会社、"異方導電フィルム「ANISOLM」"、[online]、[平成27年12月22日検索]、インターネット<URL:http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/products/do/001.html> FDK株式会社、"薄型リチウム一次電池"、[online]、[平成27年12月21日検索]、インターネット<URL:http://www.fdk.co.jp/battery/lithium/lithium_thin.html>
ラミネート型蓄電素子をACFを用いて電子回路に実装する場合、図2に示した上下方向に従えば、電極端子板の上方から治具を押し当ててACFを介して電極端子板を回路基板に接続している。すなわち熱伝導性に優れた金属からなる電極端子板を介してACFを加熱し、ACFを回路基板上の端子パッドなどに熱溶着させている。一般的にACFの基体である接着樹脂の溶融に必要な温度は140℃程度であるが、熱圧着工程においては、電極端子板の上面から治具を押し当ててフィルム状のACFの接着剤を必要な溶融温度にまで加熱することになり、電極端子板の上面に接触する治具は、接着樹脂の溶融温度よりも高い高温(例えば170〜200℃)にまで達する。そのためその治具の熱が電極端子板を介して外装体内部の電極体に伝わり、電極体を損傷させる可能性がある。
またラミネート型蓄電素子が製品として出荷された時点では、当然のことながら電極端子板にはACFが溶着されていない。そのためラミネート型蓄電素子が電子回路に実装されるまでの間に長い時間が経過する場合がある。例えば、ある電子機器の生産現場でラミネート型電池やACFを在庫部品として保管しておき、その電子機器を製造する際に保管してあるラミネート型蓄電素子とACFとを用いて当該ラミネート型蓄電素子を電子機器の電子回路に実装する。そして電極端子板は銅やアルミなど空気中に置かれると酸化皮膜を形成する金属で形成されていることが多く、ラミネート型蓄電素子を長期間に渡って保存すると電極端子板に酸化皮膜が形成され、その酸化皮膜が電極端子板とACPとの接触抵抗を増加させて電極端子板と電子回路との接続不良を発生させる可能性がある。さらにACFは製品として単体で販売されている電子部品であり、しかも冷蔵保存が原則であることから、ACFを用いた実装方法ではそのACFに係る部品コストや保管コストにより、ラミネート型蓄電素子を用いた電子機器をより安価に提供することも難しくなる。
そこで本発明は、熱圧着による実装に際して電極体を損傷させることがなく、長期間に渡って保存しても電極端子に酸化皮膜の形成が抑制されて実装状態での信頼性を高めることができ、かつ実装される電子機器の製造コストの低減も可能なラミネート型蓄電素子を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、扁平袋状に成形された外装体内にシート状の正極と負極とを備えた電極体が電解液とともに密封されているとともに、正極と負極のそれぞれの電極端子板が前記外装体の外方に導出されてなるラミネート型蓄電素子であって、前記正極と負極の電極端子板は、酸化皮膜を形成する金属からなるとともに、前記外装体の一つの縁辺から同方向に導出され、同じ側に面している一主面に異方導電性塗料が塗布されていることを特徴とするラミネート型蓄電素子としている。そして前記ラミネート型蓄電素子は、電子回路と電源を内蔵したカード型電子機器の前記電源として使用されることとすればより好適である。
本発明のラミネート型蓄電素子によれば、熱圧着技術を用いて回路基板に実装する際に電極体の損傷を防止でき、かつ長期間に渡って保存した際に電極端子における酸化皮膜の形成を抑制することができる。それによって実装状態において高い信頼性が得られる。また当該蓄電素子を電源とした電子機器の製造コストを低減させることも可能となる。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
一般的なラミネート型蓄電素子の例を示す図である。 ACFを用いたラミネート型蓄電素子の実装手順を示す図である。 本発明の実施例に係るラミネート型蓄電素子を示す図である。 本発明の実施例および比較例に係るラミネート型蓄電素子における内部抵抗上昇率の経時変化を示す図である。 本発明のその他の実施例に係るラミネート型蓄電素子の構造を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===本発明に想到する過程===
ACFを用いた実装技術は、従来からFPC同士、あるいはFPCと電子部品(液晶ディスプレイなど)との接続用途として一般的だった。したがってラミネート型蓄電素子を電子回路に実装する際にACFを用いることは自然の流れだったと言える。しかしラミネート型蓄電素子があらゆる電子機器の電源として使用されるようになったことによって想定外の問題が発生した。例えばカード型電子機器に代表される小型で薄い電子機器の電源として使用されるラミネート型蓄電素子ではACFを熱圧着する際の熱が外装体内部の小さな電極体の全域に伝わってしまい、電極体を損傷させてしまうという問題が発生した。またラミネート型蓄電素子の用途が拡大するのにしたがって、電子機器のメーカー側がラミネート型蓄電素子を他の多くの電子部品と同様に在庫部品として長期間に渡って保管する場合が多くなった。すなわち従前ではラミネート型蓄電素子が製品として出荷されてから実装までの期間が比較的短かったものが、長期間の保存後に実装されることが多くなった。そのため電極端子板に生成された酸化皮膜に起因する接触抵抗の増加が無視できない問題となった。そした本発明は、発明者がこれら新たに知見されたラミネート型蓄電素子に特有の問題点に鑑み、ラミネート型蓄電素子の実装に関わる構成について鋭意研究を重ねた結果想到したものである。
===実施例===
図3に本発明の実施例に係るラミネート型蓄電素子(以下、蓄電素子1aとも言う)を示した。なお図3では図2に示した上下方向を採用している。図3(A)は蓄電素子1aの外観図であり、図3(B)は図3(A)におけるb−b矢視断面の一部を拡大した図である。図3(A)に示したように、蓄電素子1aの外観は図1(A)に示した一般的なラミネート型蓄電素子1と同様である。また内部構造や構成も基本的には同じである。実施例に係る蓄電素子1aは、図3(B)に示したように電極端子板の実装面50に異方導電性塗料るは異方導電性接着剤と呼ばれる材料(以下、ACPとも言う)があらかじめ塗布されている。周知のごとくACP100はペースト状の接着剤中に金属粒子を所定の濃度で分散させたものであり、接着剤中の溶剤を揮発させるだけの温度で硬化し、上下方向に熱圧着されると厚さ方向にのみ導電性を発現させて電極端子板(23、33)の実装面50と電子回路における接続相手(端子パッドなど)とを導通状態で接着させる。なお実施例の蓄電素子1aでは、ACP100がスクリーン印刷によって電極端子板(23、33)の実装面50に塗布されている。
この実施例に係る蓄電素子1aを電子回路に実装する手順としては、図2に示したACF70を用いた実装手順とほぼ同様である。すなわち図2におけるACF70に代えて電極端子板に(23、33)塗布されているACP100の下面を回路基板60の給電用端子パッド61の上面に接触させ、この状態で熱圧着用の治具80を用いて電極端子板(23、33)の上面51から下方に向けて熱圧着すればよい。それによって接着剤中の溶剤成分が揮発するとともに、接着剤中の金属粒子が厚さ方向に接触しあって電極端子板(23、33)と給電用端子パッドとが電気的に接続される。
このように本実施例の蓄電素子1aでは、ACP100を用いて電極端子板(23、33)を回路基板に接続させている。そしてACPを用いた熱圧着工程では、ACP中の溶
剤を揮発させる程度の温度で熱圧着すればよく、治具(図2、符号80)の温度が140℃程度であっても実用的な接着強度が得られる。そのため熱圧着時の熱によって電極体を損傷させることがない。すなわち蓄電素子1a自体の信頼性が向上する。さらに本実施例の蓄電素子1aは電極端子板(23、33)の実装面50にすでにACP100が塗布された状態で出荷されるので、電極端子板(23、33)の実装面50における酸化皮膜の形成が抑制される。すなわち長期間に渡って保存した後で電子回路に実装した場合でも接触抵抗が低く、実装状態での信頼性が向上する。またカード型電子機器の電源として使用されるような極めて小型の蓄電素子では、正極と負極の電極端子間の距離が短く、実装に異方性ではなく、銀ペーストやカーボンペーストなど等方性の導電塗料を使うと、実装時にその導電性塗料が流動して電極端子間を短絡させる可能性があるが、実施例に係る蓄電素子1aでは面方向では絶縁体として振る舞うACP100を用いているので電極端子間(23−33)での短絡が原理的に発生しない。また従来のACFと比較すると、部材や保管に要するコストを低減させることもできる。
===信頼性===
つぎに本発明の実施例に係る蓄電素子の信頼性について検討した。概略的には、ACFを用いて実装される従来の蓄電素子(以下、比較例とも言う)と実施例に係る蓄電素子をサンプルとして作製し、比較例に係るサンプルと実施例に係るサンプルを実際に回路基板に実装した。そして各サンプルの信頼性について、電極端子板における酸化被膜に起因する接触抵抗の増加や熱圧着工程時の熱による電極体の損傷に起因する内部抵抗の増加の有無を調べた。なお比較例および実施例に係るサンプルは、電極端子板と電子回路との実装形態が異なるだけで蓄電素子としての構成は全く同じである。ここでは上記非特許文献2に製品として記載されているラミネート型のリチウム一次電池(例えば、FDK株式会社
、CF052039(N)型)を比較例に係るサンプルとして作製し、その比較例の電極
端子板の実装面にACFを塗布して実施例に係るサンプルとした。なお正極端子板の素材はアルミであり、負極端子板の素材は銅である。
<接触抵抗>
まず酸化皮膜に起因する接触抵抗の経時変化を調べた。具体的には比較例のサンプルについては製品として出荷された後に所定の期間(例えば30日)経過後に実装されることを想定して、組み立てが完了してから所定の期間経過後に電極端子板の両面にACPを実施例と同様の条件で塗布した。そして比較例と実施例の実施例のサンプルを電子回路に実装して電極端子板を回路基板に接続し、その状態で23±2℃の室温環境下で保存する室温保存試験を行った。そして保存開始時点から所定の日数が経過した時点毎に、この回路基板に実装された状態のサンプルに対し周知の四端子法を用いて接触抵抗を測定した。なお各サンプルの実装に際しては、比較例のサンプルについては治具の温度を170℃とし、この温度で8秒間所定の圧力(例えば3MPa)で熱圧着し、実施例に係るサンプルについては治具の温度を120℃にした以外は同じ条件で熱圧着することで電極端子板と回路基板とを接続させた。
以下の表1に当該室温保存試験の結果を示した。
Figure 2017130442
表1では接触抵抗R(Ω)がR≦100であるときを「○」、100<R≦500であるときを「△」、R>500Ωを「×」としている。なお表1において「×」となった比較例のサンプルにおける360日経過後の接触抵抗は、実際には1000Ω以上であった。そして表1に示した結果より、実施例に係るサンプルでは実装後1年近く経過した時点でも接触抵抗の増加がなく、実装までの期間を見込んでからACPを塗布した比較例に係るサンプルでは270日を経過した時点で接触抵抗の増加が顕著となり、一年近く経過した時点では接触抵抗が1000Ω以上となり、実質的に接触不良の状態になっていることが確認された。
<内部抵抗>
上述したように、蓄電素子を実装する際に電極端子板を熱圧着すると、そのときの熱で電極体が損傷する可能性がある。そこで比較例と実施例のサンプルを実際に回路基板に実装するとともに、その実装状態にある各サンプルを60℃90%RHの高温多湿環境下に保存する加速劣化試験を行った。そして当該加速劣化試験を開始してから定期的に各サンプルの内部抵抗を周知の交流定電流方式(1KHz、10mA)によって測定した。なお各サンプルにおける実装条件は上記の室温保存試験と同様である。図4に保存開始時点からの経過日数と各サンプルの内部抵抗との関係として、保存開始時点での内部抵抗を100%としたときの内部抵抗上昇率(%)を示した。図4に示したように、15日が経過した時点で、比較例のサンプルにおいて熱圧着時の電極体の損傷に起因すると思われる内部抵抗の増加傾向が確認され、30日経過後では比較例のサンプルでは内部抵抗上昇率が580%より大きくなった。一方実施例のサンプルでは30日経過後でも内部抵抗が390%以下であった。すなわち実施例に係る蓄電素子では、熱圧着時の温度を低くすることがき、電極体の損傷が発生し難いことが確認できた。熱圧着の温度が低くできることは、温度管理を容易にし、熱圧着工程における電力消費量を削減することにも繋がるため、結果としてコストダウンにも寄与する。
===その他の実施例===
ラミネート型蓄電素子の電極端子板に使用される金属としては銅やアルミが一般的であるが、本発明の実施例に係る蓄電素子における電極端子板はこれらの金属に限らず酸化皮膜を形成する金属(ニッケル、鉄など)であれば適用可能である。もちろん金属は合金であってもよい。
本発明の実施例に係る蓄電素子は、図1(B)に概略図として示したものとは異なる構成や構造である場合もある。例えば電極端子板を周知のタブリードで構成してもよい。あるいは電極集電体において、電極材料が塗布される領域から帯状に突出する領域を一体的に形成して、その帯状の領域の先端を外装体外に導出させてもよい。すなわち芯体と呼ばれる電極集電体そのものが電極端子板を兼ねていてもよい。いずれにしても扁平袋状に成形された外装体内にシート状の正極と負極がセパレーターを介して積層された電極体が電解液とともに密封されており、外装体の外方に同方向に導出された正負両極のそれぞれの
電極端子板の実装面にACPが塗布されていればよい。なお当然のことながら、本発明は積層構造を有する平板状の電極体をラミネートフィルムからなる外装体内に密封した構造であれば、リチウム一次電池限らず、様々な種類のラミネート型蓄電素子(リチウム二次電池、電気二重層コンデンサーなど)に適用することができる。もちろん、ポリマー電池など、ポリマーに電解液を含浸させた蓄電素子にも適用できる。また全固体電池のように、電解液自体を用いない蓄電素子にも適用できる。
図5に全固体電池111を用いたラミネート型蓄電素子1bの一例を示した。図5は、図3(A)の図中に示したb−b矢視断面図に相当する。この図に示したように、外装体11内に収納されている全固体電池211は、シート状の正極(正極層)220とシート状の負極(負極層)230との間にシート状の固体電解質(固体電解質層)240が狭持されてなる積層電極体110の上面と下面に金属箔からなる集電体(221、231)が形成された構造を有している。集電体(221、231)のそれぞれには帯状の電極端子板(23,33)が取り付けらており、それらの電極端子板(23、33)が外装体11の外方に導出されている。そして、ACP100がスクリーン印刷によって電極端子板(23、33)の実装面50に塗布されている。
積層電極体210は、一体的な焼結体であり、積層電極体210の製造方法としては金型を用いて原料粉体を加圧して得た成形体を焼成する方法(以下、圧縮成形法とも言う)や周知のグリーンシートを用いた方法(以下、グリーンシート法)などがある。圧縮成形法では、金型内に、正極層220の原料となる正極活物質と固体電解質を含む粉体状の正極層材料、固体電解質層240の原料となる粉体状の固体電解質、および負極層230の原料となる負極活物質と固体電解質を含む粉体状の負極層材料を順次層状(シート状)に充填する。次いで、シート状に積層された各層の粉体原料をその積層方向に加圧することによって得た成形体を焼成する。それによって一体的な焼結体からなる積層電極体210が作製される。
グリーンシート法は、正極活物質と固体電解質を含むスラリー状の正極層材料、負極活物質と固体電解質を含むスラリー状の負極層材料、および固体電解質を含むスラリー状の固体電解質層材料をそれぞれシート状のグリーンシートに成形するとともに、固体電解質層材料のグリーンシートを正極層材料と負極層材料のグリーンシートで挟持した積層体を焼成することで積層電極体210を作製する。そして作製した積層電極体210の上面と下面に銀ペーストを塗布したり、金などを蒸着したりして集電体(221、231)を形成することで全固体電池211を完成させる。そして、この全固体電池211をラミネートフィルム(11a、11b)からなる外装体11内に収納する際には、正極と負極の集電体(221、231)のそれぞれに帯状の電極端子板(23,33)を取り付け、それらの電極端子板(23、33)を外装体11の外方に導出すればよい。
1,1a,1b ラミネート型蓄電素子、11 外装体、
11a,11b ラミネートフィルム、12 周縁領域、13 端子側縁辺、
20 正極、21,221 正極集電体、22 正極材料、23 正極端子板、
24、正極端子部の先端部分、30 負極、31,231 負極集電体、32 負極材料、33 負極端子板、34 負極端子板の先端部分、40 セパレーター、
50 電極端子板の下面(実装面)、51 電極端子板の上面、60 回路基板、
61 回路基板の給電用端子パッド、70 異方導電膜(ACF)、
80 熱圧着用の治具、100 異方導電性塗料(ACP)、
210 全固体電池の積層電極体、211 全固体電池

Claims (2)

  1. 扁平袋状に成形された外装体内にシート状の正極と負極とを備えた電極体が密封されているとともに、正極と負極のそれぞれの電極端子板が前記外装体の外方に導出されてなるラミネート型蓄電素子であって、前記正極と負極の電極端子板は、酸化皮膜を形成する金属からなるとともに、前記外装体の一つの縁辺から同方向に導出され、同じ側に面している一主面に異方導電性塗料が塗布されていることを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  2. 請求項1において、電子回路と電源を内蔵したカード型電子機器の前記電源として使用されることを特徴とするラミネート型蓄電素子。
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