JP2017134961A - ラミネート型蓄電素子およびラミネート型蓄電素子の実装方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記正極と負極の電極端子板は、前記外装体の所定の縁辺から同方向に導出され、
前記外装体の一主面を周回する周縁領域において、前記所定の縁辺側に当該縁辺に沿いつつ電極端子板の先端までを覆うフィルム部材が取り付けられ、
前記フィルム部材は、基体となる絶縁性の耐熱フィルムの表面に熱圧着によって溶融する接着剤が積層されてなり、
前記フィルム部材の前記接着剤は、前記外装体に取り付けられている領域では硬化状態にあって当該外装体に溶着され、前記所定の縁辺から外装体の外方に突出する領域では未硬化の状態にある、
ことを特徴とするラミネート型蓄電素子としている。そして前記ラミネート型蓄電素子は、電子回路と電源を内蔵したカード型電子機器の前記電源として使用されることとすればより好適である。
前記電極端子板において、前記フィルム部材と対面する面を上面として、
前記電子電極端子板の下面に異方導電膜と回路基板とをこの順に積層するステップと、
前記フィルム部材において前記外装体より突出する領域の上面を下方に向けて熱圧着することで、電極端子板と前記フィルム部材の下面を前記回路基板に接着するステップと、
を含むことを特徴とするラミネート型蓄電素子の実装方法としている。
本発明の実施例に係るラミネート型蓄電素子(以下、蓄電素子)の内部構造は図1(B)に示した蓄電素子1aと同じである。しかしサポートタブに替わる特殊な構成を備えて熱圧着工程による電極体の損傷を防止しつつ、当該特殊な構成によって電極端子間の短絡も防止することができるようになっている。図5と図6に本発明の実施例に係るラミネート型蓄電素子(以下、蓄電素子1aとも言う)を示した。なお以下では、図3と同様にして上下前後左右の各方向を規定することとする。図5(A)は蓄電素子1aを上方から見たときの外観図であり、図5(B)は下方から見たときの外観図である。また図6(A)は図5(A)におけるc−c矢視断面の前方側を拡大した図であり、図6(B)は、図6(A)の円100内を拡大した図である。
上述したように実施例に係る蓄電素子は、熱圧着時の電極体の破損を防止するというサポートタイプのラミネート型蓄電素子と同様の効果に加え、当該サポートタイプのラミネート型蓄電素子において問題となっていた短絡も発生しないという効果を奏するものである。そこで本実施例の蓄電素子では熱圧着工程に起因する短絡が発生しないことを確認するために、本実施例に係る蓄電素子(以下、実施例)と従来のサポートタイプのラミネート型蓄電素子(以下、比較例)をサンプルとして、各サンプルを多数個作製した。なお比較例に係るサンプルは、上記非特許文献2に製品として記載されているサポートタイプのラミネート型のリチウム一次電池(例えば、FDK株式会社、CF052039型)であり、実施例に係るサンプルはサポートタブに代えてサポートフィルムを備えているだけで蓄電素子としての構成は全く同じである。そして全個体を同じ条件(例えば、治具の温度170℃、圧力3MPa、時間8秒)で回路基板に実装した。そして実装前後での正極と負極の端子間の電圧を測定し、電圧降下の有無を確認した。そして比較例に係るサンプルでは42%の個体に電圧降下が発生し、一方実施例に係るサンプルでは電圧が降下した個体が一つも発生しなかった。
ところで実施例に係る蓄電素子では、サポートフィルムにおけるサポート領域の接着フィルム層が実装前では未硬化の状態であり、実装時にそのサポート領域が熱圧着されることで溶融する。その熱圧着の過程では、まず当該サポート領域が下方に付勢されるとともに、当該サポート領域において電極端子板に対面する領域では接着フィルム層が当該電極端子板の背面に接触する。そしてその電極端子板をACFを介して回路基板上に押さえつけつつ溶融する。それによって、サポート領域の接着フィルム層は電極端子板と対面する領域では当該電極端子板の背面に接着され、電極端子板はACFを介して回路基板の端子バッド上に接着される。また接着フィルム層は、ACFが介在していない領域では回路基板の上面に接着する。すなわち電極端子板の周囲ではサポートフィルムも回路基板に接着している。そのため本実施例の蓄電素子では、熱圧着による電極体の損傷や短絡を防止できる効果に加え、実装状態での信頼性を向上させることが容易に予想される。図8にこの実装状態における信頼性を説明するための図を示した。ここでは実装状態にある蓄電素子1aを、図7におけるd−d矢視断面に対応する図によって示している。この図8に示したように、サポートフィルム16の下面18において、電極端子板(23、33)やACF70と対面していない領域では、当該下面18が回路基板60の上面62に直接接着される。そのためサポートフィルム16が電極端子板(23、33)を上方から押さえつけた状態で回路基板60に強固に固定され、外部からの衝撃などによって電極端子板(23、33)が回路基板60から外れることを防止することができる。なお図8では電極端子板(23、33)、ACF70、回路基板60などの部材、あるいは回路基板60における端子パッド61などの部位の厚さを誇張して示しているが、当該蓄電素子1aが厚さ1mm以下のカード型電子機器にも内蔵可能なことを考えれば明らかなように、これらの部材や部位は実際には極めて薄く、厚くても100μm程度である。したがってサポートフィルム16は熱圧着工程後もほぼ平坦性を維持したまま、接着フィルム層16bが回路基板60の上面62に接触した状態となる。いずれにしても本実施例の蓄電素子では実装状態での信頼性が向上し、とくに撓み易く繰り返して撓まされるカード型電子機器の電源として使用される場合において、その信頼性は絶大なものとなる。
サポートフィルムの接着フィルム層を構成する樹脂材料は、熱硬化樹脂に限らず熱可塑性樹脂であってもよい。もちろん樹脂材料としては、エポキシ系樹脂に限らず、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、合成ゴム系樹脂、シリコン系樹脂など、適宜なものを採用することができる。
1a 本発明の実施例に係るラミネート型蓄電素子、
1s サポートタイプのラミネート型蓄電素子、
11 外装体、11a,11b ラミネートフィルム、12 周縁領域、
13,13a,13b 電極端子が導出している側の外装体の縁辺(前縁辺)、
15 サポートタブ、16 サポートフィルム、16a 耐熱フィルム、
16b 接着フィルム層、17 サポート領域、20 正極、21 正極集電体、
22 正極材料、23 正極端子板、24、正極端子部の先端部分、30 負極、
31 負極集電体、32 負極材料、33 負極端子板、34 負極端子板の先端部分、
40 セパレーター、50 電極端子板の下面(実装面)、51 電極端子板の上面、
60 回路基板、61 回路基板の給電用端子パッド、70 異方導電膜(ACF)、
80 熱圧着用の治具
Claims (3)
- 扁平袋状に成形された外装体内にシート状の正極と負極がセパレーターを介して積層された電極体が電解液とともに密封されているとともに、正極と負極のそれぞれの電極端子板が前記外装体の外方に導出されてなるラミネート型蓄電素子であって、
前記正極と負極の電極端子板は、前記外装体の所定の縁辺から同方向に導出され、
前記外装体の一主面を周回する周縁領域において、前記所定の縁辺側に当該縁辺に沿いつつ電極端子板の先端までを覆うフィルム部材が取り付けられ、
前記フィルム部材は、基体となる絶縁性の耐熱フィルムの表面に熱圧着によって溶融する接着剤が積層されてなり、
前記フィルム部材の前記接着剤は、前記外装体に取り付けられている領域では硬化状態にあって当該外装体に溶着され、前記所定の縁辺から外装体の外方に突出する領域では未硬化の状態にある、
ことを特徴とするラミネート型蓄電素子。 - 請求項1において、電子回路と電源を内蔵したカード型電子機器の前記電源として使用されることとを特徴とするラミネート型蓄電素子。
- 請求項1または2に記載の前記ラミネート型蓄電素子の実装方法であって、
前記電極端子板において、前記フィルム部材と対面する面を上面として、
前記電子電極端子板の下面に異方導電膜と回路基板とをこの順に積層するステップと、
前記フィルム部材において前記外装体より突出する領域の上面を下方に向けて熱圧着することで、電極端子板と前記フィルム部材の下面を前記回路基板に接着するステップと、
を含むことを特徴とするラミネート型蓄電素子の実装方法。
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