JP2017130369A - 電線及びそれを用いたワイヤーハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な識別性を付与した電線及び当該電線を用いたワイヤーハーネスを提供する。【解決手段】電線(10A,10B)は、導電性の芯線(1)と、芯線の外周を被覆する電気絶縁性の被覆部(2)と、被覆部の外表面の一部に設けられ、被覆部の外表面と異なる色に着色された着色材(3)とを備える。そして、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔE*abが17以上である。また、ワイヤーハーネスは、上述の電線を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電線及びそれを用いたワイヤーハーネスに関する。詳細には本発明は、良好な識別性を備えた電線及び当該電線を用いたワイヤーハーネスに関する。
自動車の内部には、搭載された電子機器に電力や制御信号を伝えるために、ワイヤーハーネスを配索している。そして、当該ワイヤーハーネスは、導電性の芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを有した複数の電線と、電線の端部などに取り付けられるコネクタとを有している。
そして近年、自動車には、より多種多様な電子機器を搭載することが望まれており、それに伴い、ワイヤーハーネスを構成する電線の数が増加する傾向にある。このため、ワイヤーハーネスを組み立てる際に複数の電線同士を識別できるように、電線の外表面の一部に着色材を塗布して外表面を着色している。例えば特許文献1では、絶縁性の被覆部を有した電線と、電線の端部に取り付けられるコネクタとを備えたワイヤーハーネスであって、当該被覆部の外表面の一部を着色して、複数の印を設けることを開示している。そして、複数の印の一部をコネクタ内に収容することで、被覆部の外表面に形成された印が剥がれることを防止して、電線の識別を容易にしている。
特開2009−252663号公報
しかしながら、電線の被覆部と着色材の色が類似している場合には、たとえ複数箇所を着色したとしても、電線の識別が容易に成し得ない場合があった。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、良好な識別性を付与した電線及び当該電線を用いたワイヤーハーネスを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る電線は、導電性の芯線と、芯線の外周を被覆する電気絶縁性の被覆部と、被覆部の外表面の一部に設けられ、被覆部の外表面と異なる色に着色された着色材とを備える。そして、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabが17以上である。
本発明の第2の態様に係る電線は、第1の態様の電線に関し、被覆部の外表面における明度Lが42以下である。
本発明の第3の態様に係る電線は、第1又は第2の態様の電線に関し、着色材は光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子を含有する。
本発明の第4の態様に係る電線は、第1乃至第3のいずれかの態様の電線に関し、着色材は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂に分散される酸化チタンとを含有する。そして、酸化チタンは、バインダー樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有する。
本発明の第5の態様に係る電線は、第1乃至第4のいずれかの態様の電線に関し、着色材は、バインダー樹脂の前駆体である光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも一方と、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子と、光重合開始剤とを含有する着色インクを硬化してなるものである。そして、光重合開始剤は、340nm〜400nmの範囲に吸収波長域を有する。
本発明の第6の態様に係る電線は、第5の態様の電線に関し、着色インクにおいて、光重合開始剤は、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの合計100質量部に対して1〜10質量部含有する。
本発明の第7の態様に係るワイヤーハーネスは、第1乃至第6のいずれかの態様の電線を備える。
本発明の電線は、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEが所定値以上であるため、目視した際に被覆部と着色材が明確に区別でき、電線を識別することが可能となる。また、被覆部が濃色であっても、このような色差ΔEabであることにより、着色材を明確に認識することが可能となる。
本発明の実施形態に係る電線の一例を示す概略図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る電線及びそれを用いたワイヤーハーネスについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係る電線10A,10Bは、図1に示すように、導電性の芯線1と、芯線1の外周を被覆する電気絶縁性の被覆部2とを備える。さらに、電線10A,10Bは、電線を識別できるように、被覆部2の外表面の一部に設けられ、被覆部2の外表面と異なる色に着色された着色材3を備える。そして、被覆部2の外表面と着色材3の表面との色差ΔEabが17以上である。
電線10A,10Bの芯線1の材料としては、導電性が高い金属を使用することができるが、例えば銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金などを使用することができる。また、芯線1の表面にはめっきを施してもよく、例えば錫めっき、銀めっき、ニッケルめっきを施してもよい。
芯線1としては、1本の素線で構成された単線を用いてもよく、複数の素線を撚り合わせて構成された撚り線を用いてもよい。撚り線も、1本又は数本の素線を中心とし、その周囲に素線を同心状に撚り合わせた同心撚り線;複数の素線を一括して同方向に撚り合わせた集合撚り線;複数の集合撚り線を同心状に撚り合わせた複合撚り線のいずれも使用することができる。
芯線1の外周を被覆する電気絶縁性の被覆部2の材料としては、電気絶縁性を確保できる樹脂を使用することができ、例えばポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とした樹脂やオレフィン系の樹脂を用いることができる。オレフィン系樹脂の具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン共重合体及びプロピレン共重合体を挙げることができる。
ここで、被覆部2の外表面の色は特に限定されず、例えば白、黒、赤、黄、青、緑、紫、茶、橙、灰、桃、若葉及び空からなる群より選ばれる一つとすることができる。ただ、自動車のエンジンルーム等では濃色の電線が好まれる傾向がある。そのため、被覆部2の外表面は、明度Lが42以下となるように着色されていることが好ましい。L表色系における明度Lが42以下であることにより、濃色の電線被覆色とすることが可能となる。なお、明度Lが42以下の色としては、例えば黒、赤、青、緑、紫及び茶を挙げることができる。
電線の被覆部2を上述の色に着色するために、被覆部2は、有機顔料、無機顔料及び染料からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有することができる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、アゾ系、アゾメチンアゾ系、アゾメチン系、アンスラキノン系、ぺリノン・ペリレン系、インジゴ・チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリン系、イソインドリノン系顔料等やカーボンブラック顔料等が挙げられる。また、無機顔料としては、例えば、体質顔料、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料、スピンネル顔料等が挙げられる。さらに詳細には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系、チオインジゴ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の顔料が挙げられる。
上記染料としては、例えば、直接染料、塩基性染料、カチオン染料、酸性染料、媒染染料、酸性媒染染料、硫化染料、ナフトール染料、分散染料、反応染料等が使用できる。
なお、被覆部2は、上記材料に加えて種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、増量剤、金属不活性剤、老化防止剤、滑剤、充填材、補強剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、発泡剤等が挙げられる。
被覆部2の外表面における着色材3の形状は、図1(a)に示すように、電線10A,10Bの長手方向に沿うように配置された直線状のマークとしてもよい。また、着色材3の形状は、図1(b)に示すように、長手方向に垂直な方向に沿って、被覆部2の外表面の全周に亘って形成されているバンドマークとしてもよい。また、着色材3の形状は、アルファベットや数字などを組み合わせた文字列からなる印字マークとしてもよく、さらに点状のドットマークとしてもよい。
そして、電線10A,10Bにおいて、被覆部2の外表面と着色材3の表面との色差ΔEabが17以上である。これらの色差ΔEabが17以上であることにより、目視した際、着色材3の発色により被覆部2と着色材3の境界が明確に区別でき、所望の電線を確実に識別することが可能となる。また、上述のように、被覆部2の表面における明度Lが42以下のような濃色の電線であっても、色差ΔEabが17以上であることにより、着色材3を明確に認識することが可能となる。なお、被覆部2の外表面と着色材3の表面との色差ΔEabは、色差計を用いて測定することができる。
ここで、被覆部2の外表面と着色材3の表面との色差ΔEabを17以上とするために、着色材3は、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子を含有することが好ましい。光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子は高い隠蔽性を有する色材であるため、着色材3がこのような隠蔽粒子を含有することで上述の色差を容易に得ることが可能となる。
光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子は特に限定されないが、例えば酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、硫化バリウム、シリカ、ジルコン及び硫化カドミウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。この中でも、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子としては、酸化チタンのような白色粒子を使用することが好ましい。なお、隠蔽粒子の屈折率は、JIS K0062(化学製品の屈折率測定方法)に基づき、アッベ屈折計を用いて測定することができる。
着色材3における、隠蔽粒子の粒子径は特に限定されないが、バインダー樹脂への分散性を考慮して、例えば0.01μm〜1μmとすることが好ましい。
着色材3は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂の内部に分散され、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子とを含有し、当該隠蔽粒子は、バインダー樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有することが好ましい。また、着色材3は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂に分散される酸化チタンとを含有し、当該酸化チタンは、バインダー樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有することがより好ましい。隠蔽粒子がバインダー樹脂の内部に分散され、さらに隠蔽粒子の含有量がこの範囲内であることにより、被覆部2と着色材3との間の識別性に加え、着色材3に紫外線を照射して硬化する際の硬化性をも向上させることが可能となる。
着色材3で使用されるバインダー樹脂としては、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも一方が光重合してなる樹脂を使用することができる。このような樹脂は紫外線を照射することで瞬時に硬化し、さらに洗浄工程や乾燥工程が不要であるため、次工程を素早く行うことができる。そのため、製造工程を短縮することができ、電線の生産性を高めることが可能となる。着色材3で使用されるバインダー樹脂としては、特に、光重合性(メタ)アクリレートモノマー及び光重合性(メタ)アクリレートオリゴマーの少なくとも一方を重合してなるアクリル樹脂を使用することが好ましい。アクリル樹脂は紫外線照射により硬化するため生産性が高く、さらに耐久性も高いため、着色材3のベース材料として好ましく用いることができる。また、アクリル樹脂は透明性も高いため、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子及び後述する他の色材により、電線の識別性を容易に高めることが可能となる。
上述の光重合性(メタ)アクリレートモノマー及び光重合性(メタ)アクリレートオリゴマーは、炭素−炭素不飽和結合を備える官能基を有している。そして、前記(メタ)アクリレートモノマーは、当該官能基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、当該官能基を2つ有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、当該官能基を3つ有する3官能(メタ)アクリレートモノマー、当該官能基を4つ以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーに分類される。また、前記(メタ)アクリレートオリゴマーは、当該官能基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートオリゴマー、当該官能基を2つ有する2官能(メタ)アクリレートオリゴマー、当該官能基を3つ有する3官能(メタ)アクリレートオリゴマー、当該官能基を4つ以上有する多官能(メタ)アクリレートオリゴマーに分類される。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートとを包含するものである。
そして、着色材3で使用されるバインダー樹脂は、(メタ)アクリレートモノマー及び(メタ)アクリレートオリゴマーの少なくとも一方と光重合開始剤とを混合し、紫外線照射することで、得ることができる。
上述の単官能アクリレートモノマーとしては、化学式1に示す化合物を使用することができる。具体的には、新中村化学工業株式会社製のエトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート((a)参照)、メトキシポリエチレングリコール♯400アクリレート((b)参照、n=9)、メトキシポリエチレングリコール♯550アクリレート((b)参照、n=13)、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート((c)参照)、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート((d)参照)、イソステアリルアクリレート((e)参照)を挙げることができる。また、単官能アクリレートモノマーとしては、ダイセル・オルネクス株式会社製のβ−カルボキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート(EO2mol)、エトキシ化フェニルアクリレート(EO1mol)も挙げることができる。
Figure 2017130369
2官能アクリレートモノマーとしては、化学式2−1〜2−3に示す化合物を使用することができる。具体的には、新中村化学工業株式会社製の2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート((a)参照)、ポリエチレングリコール♯200ジアクリレート((b)参照、n=4)、ポリエチレングリコール♯400ジアクリレート((b)参照、n=9)、ポリエチレングリコール♯600ジアクリレート((b)参照、n=14)、ポリエチレングリコール♯1000ジアクリレート((b)参照、n=23)、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート((c)参照)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート((d)参照)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン((e)参照)、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート((f)参照)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート((g)参照)、1,10−デカンジオールジアクリレート((h)参照)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート((i)参照)、1,9−ノナンジオールジアクリレート((j)参照)、ジプロピレングリコールジアクリレート((k)参照)、トリプロピレングリコールジアクリレート((l)参照、m+n=3)、ポリプロピレングリコール♯400ジアクリレート((l)参照、m+n=7)、ポリプロピレングリコール♯700ジアクリレート((l)参照、m+n=12)、ポリテトラメチレングリコール♯650ジアクリレート((m)参照)を挙げることができる。また、2官能アクリレートモノマーとしては、ダイセル・オルネクス株式会社製のジプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PEG400ジアクリレート、PEG600ジアクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレートも挙げることができる。
Figure 2017130369
Figure 2017130369
Figure 2017130369
3官能アクリレートモノマー及び多官能アクリレートモノマーとしては、化学式3−1及び3−2に示す化合物を使用することができる。具体的には、新中村化学工業株式会社製のエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート((a)参照)、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート((b)参照)、Ethoxylated glycerine triacrylate(EO9mol)((c)参照、l+m+n=9)、Ethoxylated glycerine triacrylate(EO20mol) ((c)参照、l+m+n=20)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル37%)((d)参照)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル55%)((d)参照)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル57%)((d)参照)、トリメチロールプロパントリアクリレート((e)参照)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート((f)参照)、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート((g)参照)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート((h)参照)、ジペンタエリスリトールポリアクリレート((i)参照)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート((j)参照)を挙げることができる。また、多官能アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレートも挙げることができる。
Figure 2017130369
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3官能アクリレートモノマーとしては、ダイセル・オルネクス株式会社製のペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレートを挙げることができる。4官能以上の多官能アクリレートモノマーとしては、ダイセル・オルネクス株式会社製のペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを挙げることができる。
単官能メタクリレートモノマーとしては、化学式4に示す化合物を使用することができる。具体的には、新中村化学工業株式会社製の2−メタクリロイロキシエチルフタル酸((a)参照)、メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレート((b)参照、n=9)、メトキシポリエチレングリコール♯1000メタクリレート((b)参照、n=23)、フェノキシエチレングリコールメタクリレート((c)参照)、ステアリルメタクリレート((d)参照)、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート((e)参照)を挙げることができる。
Figure 2017130369
2官能メタクリレートモノマーとしては、化学式5−1及び5−2に示す化合物を使用することができる。具体的には、新中村化学工業株式会社製のエチレングリコールジメタクリレート((a)参照)、ジエチレングリコールジメタクリレート((b)参照、n=2)、トリエチレングリコールジメタクリレート((b)参照、n=3)、ポリエチレングリコール♯200ジメタクリレート((b)参照、n=4)、ポリエチレングリコール♯400ジメタクリレート((b)参照、n=9)、ポリエチレングリコール♯600ジメタクリレート((b)参照、n=14)、ポリエチレングリコール♯1000ジメタクリレート((b)参照、n=23)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート((c)参照)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート((d)参照)、1,10−デカンジオールジメタクリレート((e)参照)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート((f)参照)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート((g)参照)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート((h)参照)、エトキシ化ポリプロピレングリコール♯700ジメタクリレート((i)参照)、グリセリンジメタクリレート((j)参照)、ポリプロピレングリコール♯400ジメタクリレート((k)参照)を挙げることができる。
Figure 2017130369
Figure 2017130369
3官能メタクリレートモノマーとしては、化学式6に示す化合物を使用することができる。具体的には、新中村化学工業株式会社製のトリメチロールプロパントリメタクリレートを挙げることができる。
Figure 2017130369
また、光重合性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ダイセル・オルネクス株式会社製の芳香族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートも使用することができる。そして、エポキシアクリレートとしては、ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシ化大豆油アクリレート、変性エポキシアクリレート、脂肪酸変性エポキシアクリレート、アミン変性ビスフェノールAタイプエポキシアクリレートを挙げることができる。
光重合性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、多塩基酸変性アクリルオリゴマーなどのアクリルアクリレートや、シリコーンアクリレートも挙げることができる。
なお、本実施形態の着色材において、上述の光重合性(メタ)アクリレートモノマー及び光重合性(メタ)アクリレートオリゴマーの混合割合は特に限定されない。そのため、これらの混合割合は本発明の効果が得られるように任意に設定することができる。
上述の光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーを重合させるために、紫外線硬化を促進するための光重合開始剤を使用する。後述するように、着色材3は、バインダー樹脂の前駆体である上述の光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも一方と、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子と、光重合開始剤とを含有する着色インクを硬化してなるものである。そして、光重合開始剤は、光重合性モノマーや光重合性オリゴマーの重合反応を開始させる働きを持つ化合物で、紫外線から特定波長の光を吸収して励起状態となり、ラジカル、カチオン又はアニオンを発生する物質である。
このような光重合開始剤としては特に限定されないが、例えばベンゾインエーテル系、ケタール系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、及びチオキサントン系からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
ここで、着色材3は光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子を含有することが好ましく、隠蔽粒子としては酸化チタンを用いることが好ましい。しかし、酸化チタンは、270nm〜340nmの範囲に吸収ピークを有する場合がある。そのため、光重合開始剤の吸収波長域が酸化チタンの吸収ピークと重複した場合、光重合開始剤が励起状態に成り難くなり、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの重合が進行し難くなる恐れがある。そのため、光重合開始剤は、340nm〜400nmの範囲に吸収波長域を有することが好ましい。このような光重合開始剤の吸収波長域は酸化チタンの吸収ピークと重複し難いため、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの重合が進行しやすくなる。なお、340nm〜400nmの範囲に吸収波長域を有する光重合開始剤としては、例えばBASF社製のIRGACURE(登録商標)369及びIRGACURE819などのαアミノアルキルフェノン系光重合開始剤や、ビスアシルフォスフィンオキサイド(BAPO)系光重合開始剤を挙げることができる。
上述のように、着色材3は、被覆部2の外表面と着色材3の表面との色差ΔEabを17以上とするために、着色材3は、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子を含有する。さらに着色材3は、隠蔽粒子以外の、着色材3を着色するための色材を含有してもよい。屈折率が2.0以上の隠蔽粒子と共にこのような色材を含有することで、高隠蔽性を確保しつつも、被覆部2に対応した任意の色とすることができる。なお、着色材3を着色するための色材としては、上述の有機顔料、無機顔料及び染料からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
本実施形態に係る着色材3は、バインダー樹脂と、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子を含有し、さらに必要に応じて着色材を着色するための色材を含有する。また、本実施形態に係る着色材3は、次のような添加剤の少なくとも一種を含有することができる。添加剤としては、分散剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、増量剤、金属不活性剤、老化防止剤、滑剤、充填材、補強剤、帯電防止剤、発泡剤等を用いることができる。
本実施形態に係る電線10A,10Bは、導電性の芯線1と、芯線1の外周を被覆する電気絶縁性の被覆部2と、被覆部2の外表面の一部に設けられ、被覆部2の外表面と異なる色に着色された着色材3とを備える。そして、被覆部2の外表面と着色材3の表面との色差ΔEabが17以上である。このような構成により、目視した際に被覆部2と着色材3が明確に区別でき、電線を確実に識別することが可能となる。また、被覆部2の表面における明度Lが42以下のような濃色の電線であっても、色差ΔEabが17以上であることにより、着色材3を明確に認識することが可能となる。
次に、本実施形態の電線10A,10Bの製造方法について説明する。まず、芯線1及び被覆部2の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
次に、バインダー樹脂の前駆体である光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも一方と、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子と、光重合開始剤とを混合することにより、着色インクを調製する。また、着色インクには、必要に応じて着色材を着色するための色材や添加剤を混合する。なお、着色インクの原材料の混合方法や混合順序は特に限定されず、任意に行うことができる。
なお、着色インクにおいて、光重合開始剤は、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの合計100質量部に対して1〜10質量部含有することが好ましい。光重合開始剤の含有量がこの範囲内であることにより、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの硬化性を高め、得られる着色材に十分な硬度を付与することが可能となる。
また、着色インクには必要に応じて有機溶剤を添加することができる。使用し得る有機溶剤としては特に限定されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤:酢酸エチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;アセトニトリル等のニトリル系溶剤等が挙げられる。
次に、得られた着色インクを、被覆部2の外表面に塗布する。着色インクの塗布方法は特に限定されないが、例えば着色インクを付着させたマーキングローラにより塗布する方法や、着色インクをノズル先端から吐出して塗布する方法を用いることができる。
次に、着色インクが塗布された被覆部2の外表面に、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する。紫外線の照射量及び照射時間は、使用する光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの種類、光重合開始剤の種類、並びに着色インクの塗布量等により適宜設定することができる。そして、着色インクに紫外線を照射することにより、着色インクの偏りが生じる前に瞬時に硬化し、被覆部2の外表面に着色材3が形成される。
本実施形態に係るワイヤーハーネスは、上述の電線を備えるものである。上述のように、本実施形態の電線は、従来に比べて容易に識別することができる。そのため、本実施形態の電線を複数使用してワイヤーハーネスを形成しても、各電線を容易に区別することができる。また、本実施形態の電線は濃色の被覆部を用いることができるため、当該電線を用いたワイヤーハーネスは、濃色の電線が好まれる自動車のエンジンルーム等でも好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例、比較例及び参考例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の端子付き電線を製造するに際し、バインダー樹脂の前駆体としての光重合性オリゴマー及び光重合性モノマー、並びに色材、隠蔽粒子、光重合開始剤として、以下の化合物を用いた。
(光重合性オリゴマー)
・ウレタンアクリレートオリゴマー:ダイセル・オルネクス株式会社製EBECRYL(登録商標) 8402(脂肪族ウレタンアクリレート)
(光重合性モノマー)
・単官能アクリレートモノマー:ダイセル・オルネクス株式会社製IBOA(イソボルニルアクリレート)
・3官能アクリレートモノマー:ダイセル・オルネクス株式会社製TMPEOTA(トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート)
(色材)
・縮合アゾ系赤顔料:BASF社製MICROLITH(登録商標)Red BR−K
・アントラキノン系青顔料:BASF社製MICROLITH Blue A3R−K
・イソインドリノン系黄顔料:BASF社製MICROLITH Yellow 3R−K
(隠蔽粒子)
・酸化チタン系白顔料:BASF社製MICROLITH White R−K
(光重合開始剤)
・αアミノアルキルフェノン系光重合開始剤:BASF社製IRGACURE(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・ヒドロキシケトン系光重合開始剤:BASF社製IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(着色インク1乃至3の調製)
表1に示す固形分割合で、光重合性オリゴマー及び光重合性モノマー、並びに色材、隠蔽粒子、光重合開始剤を混合することにより、着色インク1乃至3を調製した。
Figure 2017130369
(実施例1)
まず、明度Lが22.5であり、色度a,bがそれぞれ0.1,0.4である黒色の被覆部を備えた電線に対し、着色インク1を塗布した。そして、着色インク1にUVランプを使用して紫外線を照射し、硬化させことにより、本例の試験サンプルを得た。
(実施例2)
着色インク2を使用したこと以外は実施例1と同様にして、本例の試験サンプルを得た。
(実施例3)
着色インク3を使用したこと以外は実施例1と同様にして、本例の試験サンプルを得た。
得られた実施例1乃至3の試験サンプルに対し、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabを測定した。さらに、目視により被覆部と着色材が識別できるか否かを確認し、識別できたものを「○」と評価し、識別できなかったものを「×」と評価した。これらの測定・評価結果を表2に示す。
Figure 2017130369
表2に示すように、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabが17以上である実施例1乃至3は、目視により識別できることが分かる。さらに、被覆部の外表面における明度Lが42以下の黒色電線であっても識別できることが分かる。
(着色インク4乃至6の調製)
表3に示す固形分割合で、光重合性オリゴマー及び光重合性モノマー、並びに色材、隠蔽粒子、光重合開始剤を混合することにより、着色インク4乃至6を調製した。
Figure 2017130369
(実施例4)
まず、明度Lが60.4であり、色度a,bがそれぞれ33.3,2.7である桃色の被覆部を備えた電線に対し、着色インク4を塗布した。そして、着色インク4にUVランプを使用して紫外線を照射し、硬化させことにより、本例の試験サンプルを得た。
(実施例5)
着色インク5を使用したこと以外は実施例4と同様にして、本例の試験サンプルを得た。
(実施例6)
着色インク6を使用したこと以外は実施例4と同様にして、本例の試験サンプルを得た。
得られた実施例4乃至6の試験サンプルに対し、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabを測定した。さらに、目視により被覆部と着色材が識別できるか否かを確認し、識別できたものを「○」と評価し、識別できなかったものを「×」と評価した。これらの測定・評価結果を表4に示す。
Figure 2017130369
表4に示すように、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabが17以上である実施例4乃至6も、目視により識別できることが分かる。
(比較例1)
まず、明度Lが34.4であり、色度a,bがそれぞれ46.6,24.3である赤色の被覆部を備えた電線に対し、着色インク4を塗布した。そして、着色インク4にUVランプを使用して紫外線を照射し、硬化させことにより、本例の試験サンプルを得た。
(比較例2)
着色インク5を使用したこと以外は比較例1と同様にして、本例の試験サンプルを得た。
(比較例3)
着色インク6を使用したこと以外は比較例1と同様にして、本例の試験サンプルを得た。
得られた比較例1乃至3の試験サンプルに対し、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabを測定した。さらに、目視により被覆部と着色材が識別できるか否かを確認し、識別できたものを「○」と評価し、識別できなかったものを「×」と評価した。これらの測定・評価結果を表5に示す。
Figure 2017130369
表4に示すように、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabが17未満である比較例1乃至3は、目視では識別することができないことが分かる。
(実施例7)
まず、表6に示す固形分割合で、光重合性オリゴマー及び光重合性モノマー、並びに隠蔽粒子、αアミノアルキルフェノン系光重合開始剤を混合することにより、着色インクを調製した。次に、明度Lが22.5であり、色度a,bがそれぞれ0.1,0.4である黒色の被覆部を備えた電線に対し、着色インクを塗布した。そして、着色インクにUVランプを使用して紫外線を照射し、硬化させことにより、本例の試験サンプルを得た。
(実施例8乃至12)
隠蔽粒子及びαアミノアルキルフェノン系光重合開始剤の添加量を表6に示す割合に変更したこと以外は実施例7と同様にして、各例の試験サンプルを得た。
Figure 2017130369
(参考例1)
まず、表7に示す固形分割合で、光重合性オリゴマー及び光重合性モノマー、並びに隠蔽粒子、ヒドロキシケトン系光重合開始剤を混合することにより、着色インクを調製した。次に、明度Lが22.5であり、色度a,bがそれぞれ0.1,0.4である黒色の被覆部を備えた電線に対し、着色インクを塗布した。そして、着色インクにUVランプを使用して紫外線を照射し、硬化させことにより、本例の試験サンプルを得た。
(参考例2及び3)
隠蔽粒子及びヒドロキシケトン系光重合開始剤の添加量を表7に示す割合に変更したこと以外は参考例1と同様にして、各例の試験サンプルを得た。
Figure 2017130369
得られた実施例7乃至12及び参考例1乃至3の試験サンプルに対し、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabを測定した。さらに、目視により被覆部と着色材が識別できるか否かを確認した。その結果、色差ΔEabが17以上であり、かつ、被覆部と着色材が識別できたものを「○」と評価し、識別できなかったものを「×」と評価した。
さらに、実施例7乃至12及び参考例1乃至3の試験サンプルに関し、紫外線照射により硬化する際に着色インクを指先で触れ、指先に着色インクが付着せずに硬化するまでの時間(タックフリータイム)を計測した。タックフリータイムが1秒以下を「○」と評価し、1秒を超える場合を「×」と評価した。これらの評価結果を表6及び表7に合わせて示す。
表6に示すように、実施例7乃至12は、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabが17以上であることから、識別性が良好であった。また、実施例7乃至12では、340nm〜400nmの範囲に吸収波長域を有するBAPO系光重合開始剤を使用したため、吸収波長域が酸化チタン系白顔料と重複せず、重合反応が効率的に進行し、硬化性が向上した。さらに、実施例7乃至12では、光重合開始剤が光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの合計100質量部に対して1〜10質量部含有しているため、良好な硬化性を示した。
また、表7に示すように、参考例1乃至3は、被覆部の外表面と着色材の表面との色差ΔEabが17以上であることから、識別性が良好であった。しかしながら、参考例1乃至3では、340nm未満に吸収波長域を有するヒドロキシケトン系光重合開始剤を使用したため、吸収波長域が酸化チタン系白顔料と重複し、重合反応が進行し難いため、硬化性が低下した。
以上、本発明を実施例、比較例及び参考例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 芯線
2 被覆部
3 着色材
10A,10B 電線

Claims (7)

  1. 導電性の芯線と、
    前記芯線の外周を被覆する電気絶縁性の被覆部と、
    前記被覆部の外表面の一部に設けられ、前記被覆部の外表面と異なる色に着色された着色材と、
    を備え、
    前記被覆部の外表面と前記着色材の表面との色差ΔEabが17以上であることを特徴とする電線。
  2. 前記被覆部の外表面における明度Lが42以下であることを特徴とする請求項1に記載の電線。
  3. 前記着色材は、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電線。
  4. 前記着色材は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に分散される酸化チタンとを含有し、
    前記酸化チタンは、前記バインダー樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電線。
  5. 前記着色材は、バインダー樹脂の前駆体である光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも一方と、光の屈折率が2.0以上の隠蔽粒子と、光重合開始剤とを含有する着色インクを硬化してなるものであり、
    前記光重合開始剤は、340nm〜400nmの範囲に吸収波長域を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電線。
  6. 前記着色インクにおいて、前記光重合開始剤は、前記光重合性モノマー及び前記光重合性オリゴマーの合計100質量部に対して1〜10質量部含有することを特徴とする請求項5に記載の電線。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電線を備えることを特徴とするワイヤーハーネス。
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