JP2017128704A - 静電吐出式インクジェット装置用インク - Google Patents

静電吐出式インクジェット装置用インク Download PDF

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Abstract

【課題】静電吐出式のインクジェット装置用のインクであって、ノズル及び流路でのインクの析出を防ぐことによって安定した吐出を行うことができるとともに、基板上へ着弾した後はインクの乾燥を速やかに進行させて、膜の厚みのムラ、膜中の溶質濃度のムラ等のない良好な印刷パターンをもたらすことができるインクを提供する。【解決手段】静電吐出式インクジェット装置用インクが、沸点が170〜260℃である溶媒Aと、沸点が110〜150℃である溶媒Bとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、静電吐出式インクジェット装置用インクに関する。
オンデマンド方式のインクジェット装置として、静電気力によりインク滴を吐出させる静電吐出式のインクジェット装置が知られている(特許文献1)。具体的には、静電吐出式のインクジェット装置では、インク流路内、例えば微小内径のガラスノズル内に配置された電極と、インク流路の先端に対向して配置された別の電極との間に交流電圧を印加することによってインクを帯電させ、インク流路の先端からインクを吐出させる。ノズルの先端と吐出対象基板との距離は、数十ミクロンから数百ミクロンである。これにより、電圧と電圧印加時間に対応した微小な体積のインク液滴を基板上に吐出させることができる。
そのため、プリンタブルエレクトロニクス分野において、静電吐出式のインクジェット装置を用いて、機能性インクにより電子回路を描画するための研究開発が盛んに行われている。
特許文献2には、インクジェット装置を用いて、金属イオンを含む金属酸化物薄膜パターンを製造する方法が記載されている。特許文献2には、インク組成物の粘度を3〜40mPa・sとし且つ表面張力を10〜70mN/mとすること、及びインク組成物が沸点100℃以下の低級アルコール及び沸点200℃以下の多価アルコールを含有することが記載されている。
静電吐出式のインクジェット装置を用いた場合、微小なノズルからインクを吐出させることが可能であり、それに応じて、微小な液滴直径のインク滴を吐出させることができる。しかし、インクの液滴直径が小さければ小さいほどインクの単位体積あたりの表面積は大きくなるので、微小なインク液滴からは溶媒が極めて早く蒸発する。また、ノズル孔に付着しているインクからの溶媒の蒸発も同様に早い。そのため、インクが乾燥しやすく、ノズル詰りが発生しやすい。よって、蒸発しにくい溶媒をインクに含有させることが必要である。
一方、ノズルから吐出したインクが基板に着弾した後は、インクの乾燥が速やかに進行することが望ましい。着弾後、飛翔時にほぼ球形であったインクは基板上で濡れ広がり、表面積は数倍から数十倍に増大するため溶媒の蒸発は比較的速やかに進行するが、この乾燥に時間がかかると、インク中に溶解している溶質成分の濃縮が生じ得る。そうなると、乾燥後に得られる膜の厚みのムラ、膜中の溶質濃度のムラ等が生じやすくなるため、得られる印刷パターンの品質が低下する。
そこで、本発明の一態様は、ノズル及び流路でのインクの析出を防ぐことによって、安定した吐出を行い、着弾後は、インクの乾燥を速やかに進行させることにより、膜の厚みのムラ、膜中の溶質濃度のムラ等のない良好な印刷パターンを得ることができるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の一態様は、静電吐出式インクジェット装置用インクであって、沸点が170〜260℃である溶媒Aと、沸点が110〜150℃である溶媒Bとを含むことを特徴とする。
本発明の一態様によると、安定した吐出を行い、良好な印刷パターンを得ることができる。
公知の静電吐出式のインクジェット装置の一例を示す図である。 電解質の濃度によるインクの体積抵抗率の変化を説明するための図である。
図1に、公知の静電吐出式のインクジェット装置の一例を示す。静電吐出式の装置では、微小内径のガラスノズル内に配置された電極と、インク流路の先端に対向して配置された別の電極との間に交流電圧を印加することにより、インク流路の先端からインクを吐出させる。
静電吐出式では、1つのノズル孔から吐出されるインクが10nL/sec以下であり、ピエゾ式、サーマル式等のインクジェット他の吐出方式と比較して、非常にわずかである。静電吐出式インクジェット装置では、例えば、プリンタブルエレクトロニクスに用いる微細配線用インクジェットヘッドの場合には、直径1μm(体積0.5fL)程度のインク滴を吐出させることができる。
本発明の一態様によるインクは、静電吐出式インクジェット装置に用いられるものであって、沸点が170〜260℃である溶媒Aと、沸点が110〜150℃である溶媒Bとを含むものであってもよい。
溶媒Aの沸点を上記範囲とすることによって、インクジェット装置における流路及び/又はノズル内でインクが過度に急速に乾燥してノズルが詰まることを防止することができる。一方、溶媒Bの沸点を上記範囲とすることによって、着弾後のインクの速やかな乾燥を促し、乾燥後に得られる膜の品質を良好にすることができる。
溶媒Aの沸点は170〜260℃であり、180〜250℃であることがより好ましい。沸点が250℃以下の溶媒は、高温での焼成まで残存することがないので、このような溶媒を溶媒Aとして用いることで、膜の不均一化、組成の偏析が生じにくい。
また、溶媒Aは、多価アルコール、アミド、含窒素複素環化合物、炭酸エステル、及び多価アルコールアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であることが好ましい。
溶媒Aとして好適に用いられるものは、2−ピロリジノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリジノン等の含窒素複素環化合物、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、ホルムアミド等のアミド、炭酸プロピレン等の炭酸エステル等である。
溶媒Bの沸点は、110〜150℃であり、120〜140℃であることが好ましい。沸点が110℃以上である溶媒は、揮発が早すぎることがないので、このような溶媒を溶媒Bとして用いることでノズル詰りが発生しにくくなる。
また、溶媒Bは、多価アルコールアルキルエーテル、アミド、及び一価アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であることが好ましい。
溶媒Bとして好適に用いられるものは、エチレングリコールモノメチルエーテル(125℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(136℃)等の多価アルコールアルキルエーテル、n−ブタノール(118℃)等の一価アルコール等である。
上記の溶媒Aと溶媒Bとは任意に組み合せて使用することが可能であるが、中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ピロリジノン及び炭酸プロピレンからなる群より選択される少なくとも1つの溶媒Aと、エチレングリコールモノメチルエーテルである溶媒Bとの組合せが、特に好ましい。
本発明の一態様によるインクは、また、静電吐出式インクジェット装置に用いられるものであって、室温における飽和蒸気圧が小さい溶媒Aと、室温における飽和蒸気圧が大きい溶媒Bとを含む。
また、本発明の一態様によるインクは、静電吐出式インクジェット装置に用いられるものであって、室温における飽和蒸気圧が0.001〜0.5mmHgである溶媒Aと、室温における飽和蒸気圧が1〜20mmHgである溶媒Bとを含む。
溶媒Aの飽和蒸気圧を上記範囲とすることによって、インクジェット装置における流路及び/又はノズル内でインクが過度に急速に乾燥してノズルが詰まることを防止することができる。一方、溶媒Bの飽和蒸気圧を上記範囲とすることによって、着弾後のインクの速やかな乾燥を促し、乾燥後に得られる膜の品質を良好にすることができる。
溶媒Aの室温25℃における飽和蒸気圧は、0.005〜0.5mmHgであることが好ましく、0.05〜0.1mmHgであることがより好ましく、0.01〜0.1mmHgであることがさらに好ましい。
また、溶媒Aは、多価アルコール、アミド、含窒素複素環化合物、炭酸エステル、及び多価アルコールアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であることが好ましい。
溶媒Aとして好適に用いられるのは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、ホルムアミド等のアミド、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン等の含窒素複素環化合物、炭酸プロピレン等の炭酸エステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル等である。
溶媒Bの室温25℃における飽和蒸気圧は、1〜20mmHgであることが好ましく、2〜15mmHgであることがより好ましく、2〜10mmHgであることがさらに好ましい。
また、溶媒Bは、多価アルコールアルキルエーテル、アミド、及び一価アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であることが好ましい。
溶媒Bとして好適に用いられるのは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、メタノール、n−ブタノール等の一価アルコール等である。
上記の溶媒Aと溶媒Bとは任意に組み合せて使用することが可能であるが、中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ピロリジノン及び炭酸プロピレンからなる群より選択される少なくとも1つの溶媒Aと、エチレングリコールモノメチルエーテルである溶媒Bとの組合せが、特に好ましい。
本発明の一態様によるインクは、さらに、静電吐出式インクジェット装置に用いられるものであって、室温における酢酸ブチルの蒸発速度が小さい溶媒Aと、室温における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度が大きい溶媒Bを含むものであってもよい。
本発明の一態様によるインクは、静電吐出式インクジェット装置に用いられるものであって、室温における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度が0.05以下である溶媒Aと、室温における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度が0.1以上である溶媒Bを含むものであってもよい。
溶媒Aの蒸発速度を上記範囲とすることによって、インクジェット装置における流路及び/又はノズル内でインクが過度に急速に乾燥してノズルが詰まることを防止することができる。一方、溶媒Bの蒸発速度を上記範囲とすることによって、着弾後のインクの速やかな乾燥を促し、乾燥後に得られる膜の品質を良好にすることができる。
溶媒Aは、室温25℃における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度が0.05以下であるものであり、0.03以下であるものが好ましい。
また、溶媒Aは、多価アルコール、アミド、含窒素複素環化合物、炭酸エステル、及び多価アルコールアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であることが好ましい。
溶媒Aとして好適に用いられるのは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、ホルムアミド等のアミド、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン等の含窒素複素環化合物、炭酸プロピレン等の炭酸エステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル等である。
溶媒Bは、室温25℃における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度が0.1以上であるものであり、0.2以上であるものが好ましい。
また、溶媒Bは、多価アルコールアルキルエーテル、アミド、及び一価アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であることが好ましい。
溶媒Bとして好適に用いられるのは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、メタノール、n−ブタノール等の一価アルコール等である。
上記の溶媒Aと溶媒Bとは任意に組み合せて使用することが可能であるが、中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ピロリジノン及び炭酸プロピレンからなる群より選択される少なくとも1つの溶媒Aと、エチレングリコールモノメチルエーテルである溶媒Bとの組合せが、特に好ましい。
静電吐出式インクジェット装置におけるインクには電流を流す必要があり、導電率が高い、あるいは比誘電率が高い極性溶媒が好ましい。インクの導電率は、10−6〜10mS/cmが好ましく、10−4〜10mS/cmであることがより好ましい。導電率を上記範囲とすることによって、電極とノズル先端間の電圧降下を低くし、電圧のほとんどをインクと基板間に印加することができる。そのため、低電圧でインクを吐出し、また高周波電圧印加時の吐出応答性もよくすることができる。
溶媒A及び溶媒Bの合計量を100体積%とした場合、溶媒Aの含有量が10〜90体積%であることが好ましく、20〜80体積%であるとより好ましい。その場合、溶媒Bの含有量は、溶媒Aの含有量が10〜90体積%であることが好ましく、20〜80体積%であるとより好ましい。
また、インク中に含まれる溶媒の全量を100体積%とした場合の溶媒Aの含有割合は、50〜99体積%であることが好ましく、60〜99体積%であるとより好ましい。また、インク中に含まれる溶媒の全量を100体積%とした場合の溶媒Bの含有割合は、溶媒の全量を100体積%として50〜99体積%であることが好ましく、60〜90体積%であるとより好ましい。
溶媒A及び溶媒Bの含有量を上記範囲とすることで、着弾後のインクの形状及び乾燥を制御すること、及びノズル及び流路でのインクの詰まりを防ぐことが同時に実現可能となる。これにより、安定した吐出を行い、良好な画像出力及び印刷パターンを得ることができるインクを提供することができる。
なお、溶媒A及び溶媒Bに加えて、1種又は複数種の別の溶媒を添加することもできる。
インクは、溶媒に溶解することが可能な溶質として、印字又は画像を形成するための染料等を含んでいてよい。あるいは、プリンタブルエレクトロニクスに用いるために、金属(半導体)元素を含む無機金属(半導体)化合物、有機金属(半導体)化合物を含んでいてよい。これにより、回路を形成することができる。
無機金属(半導体)化合物としては、オキソ酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、シアン化物等を用いることができる。有機金属(半導体)化合物としては、金属アセテート、アセチルアセトナート、2−エチルヘキサン酸塩等を使用することが可能である。
また、イオン結合性の溶質(電解質)を溶媒に溶解させた場合には、溶質が溶媒中で電離し、インクの導電率を大きくすることができる(図2)。図2は、プロピレングリコール50体積%とエチレングリコールモノメチルエーテル50体積%の混合溶媒に硝酸インジウム(In(NO・3HO)を溶解させた場合のインクの体積抵抗率(Ω・cm)の変化を示した図である。イオン性の溶質を溶解させた場合に体積抵抗率が低下することが明らかになっている。
溶質は、作成される膜パターンの用途に応じて選択されるが、好適なものとしては、硝酸インジウム(In(NO・3HO)、塩化ストロンチウム(SrCl・6HO)、硝酸亜鉛(Zn(NO・6HO)等が挙げられる。
また、溶質は、インク中で、溶媒の全量100mLに対して2〜40g含有させることが好ましく、5〜20g含有させることがより好ましい。
静電吐出式のインクジェット装置では、絶縁性のインク流路内、例えばノズルの先端の内径が1μmから10数μmであるガラスキャピラリ内に電極が形成されている。そして、ガラスキャピラリに充填したインクに外部電源により数Hzから数kHzの周波数で約100Vから2000Vの電圧を印加することにより、静電気力によりインクを引き出して、ノズルの先端から数10μmから数100μm離れた基板及びステージにインク滴を吐出することができる。
吐出するインク滴は、インクの導電率が0.01mS/cm以上である場合には、入力電圧周期又はその2倍の応答周期で不連続に吐出し、インクの導電率がおおむね1mS/cm以下である場合には、分離せず連続して吐出する。
[実施例1]
<インク(金属酸化物薄膜形成用塗布液)の作製>
ビーカーに、3.55gの硝酸インジウム(In(NO・3HO)と0.267gの塩化ストロンチウム(SrCl・6HO)とを秤量し、溶媒Aとしてプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)(25℃における飽和蒸気圧:0.08mmHg、25℃における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度:0.01、沸点:188℃)20mL、及び溶媒Bとしてエチレングリコールモノメチルエーテル(25℃における飽和蒸気圧:5.32mmHg、25℃における酢酸ブチルの蒸発速度を1.00として表した蒸発速度:0.53、沸点:125℃)20mLを加え、室温で混合して溶解させ、インク(金属酸化物薄膜形成用塗布液)を作製した。
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート電極の形成−
ガラス基板上に、DCスパッタリングによりモリブデン膜を厚みが約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光及び現像により、形成されるゲート電極のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、燐酸−硝酸−酢酸からなるエッチング液によりエッチングを行い、レジストパターンが形成されていない領域のモリブデン膜を除去した。この後、レジストパターンを除去することにより、ゲート電極を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
形成したゲート電極及び前記ガラス基板上に、RFスパッタリングによりSiO膜を厚みが約200nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光及び現像により、形成されるゲート絶縁層のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、バッファードフッ酸を用いたエッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のSiO膜を除去した。この後、レジストパターンを除去することによりゲート絶縁層を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
形成したゲート絶縁層上に、DCスパッタリングにより透明導電膜であるITO膜(In−SnO(5質量%))を厚みが約100nmとなるように成膜した。この後、ITO膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極及びドレイン電極のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、シュウ酸系エッチング液を用いたエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のITO膜を除去した。この後、レジストパターンを除去することにより、ITO膜からなるソース電極及びドレイン電極を形成した。このとき、ソース電極幅で規定されるチャネル幅は50μm、ソース−ドレイン電極間で規定されるチャネル長は50μmとした。
−活性層の形成−
形成したソース電極及びドレイン電極の間のチャネルに、インク(金属酸化物薄膜形成用塗布液)を静電吐出式インクジェット装置で塗布した。この際、1つのノズル孔から吐出されるインクは約5pL/secであった。
ノズルの先端の内径が1μmであるガラスキャピラリに、インク(金属酸化物薄膜形成用塗布液)を充填し、キャピラリ内には、キャピラリの先端から1mmの位置にタングステンワイヤをセットした。対向するステージ上に置いた板厚0.5mmのガラス基板に対して、キャピラリの先端と基板との距離が30μmになるように調整して描画を行った。
描画された基板を、120℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた。その後、大気雰囲気中350℃で1時間焼成し、さらに大気雰囲気中で300℃、3時間アニールし、活性層を得た。得られた活性層のチャネル部の厚みは約15nmであった。
以上により、電界効果型トランジスタを作製した。
<評価>
−パターン精度−
インクジェット装置を用いてインク(金属酸化物薄膜形成用塗布液)を塗布した際のインクの広がりを光学顕微鏡で観察し、形成されたチャネルの状態を下記評価基準により評価した。
○:活性層がソース電極とドレイン電極間に広がっており、ゲート電極上からはみ出していない。
×:活性層がソース電極とドレイン電極間以外に広がっており、ゲート電極上からはみ出している。
−膜厚均一性−
静電吐出式インクジェット装置を用いてTFTアレイを塗布し、焼成及びアニール後、チャネル部の半導体膜厚を反射分光膜厚計(大塚電子社製、FE−3000)を用いて測定し、下記評価基準により評価した。
○:チャネル部の膜厚が平均±3%未満
△:チャネル部の膜厚が平均±3%以上10%未満
×:チャネル部の膜厚が平均±10%以上
−キャリア移動度、移動度バラツキ、及びon/off比−
実施例1にて作製した電界効果型トランジスタについて、半導体パラメータ・アナライザ装置(キーサイトテクノロジー社製、半導体パラメータ・アナライザB1500)を用いて、ソース・ドレイン電圧Vdsを10Vとした時のゲート電圧Vgsとソース・ドレイン間電流Idsとの関係を求めた。キャリア移動度(cm/Vs)は、飽和領域において算出した。また、on/off比を求めた。なお、on/off比において、on値は、30VにおけるIds値である。
「キャリア移動度バラつき」の評価基準は以下の通りである。
○:キャリア移動度バラつきが平均±10%未満
△:キャリア移動度バラつきが平均±10%以上30%未満
×:キャリア移動度バラつきが平均±30%以上
[実施例2〜9]
表1に示すように溶媒の種類及び量を変えたこと以外は実施例1と同様にしてインク(塗布液)を作製し、静電吐出式インクジェット装置を用いて電界効果型トランジスタを作製した。評価結果を表1に示す。
[比較例1〜2]
表1に示すように、使用する溶媒を1種のみとしたこと以外は実施例1と同様にして、インク(塗布液)を作成し、静電吐出式インクジェット装置を用いて電界効果型トランジスタを作製した。評価結果を表1に示す。
Figure 2017128704
2種の溶媒(溶媒A及び溶媒B)を含む実施例1〜9では、パターン精度、膜厚均一性、及びTFT特性のいずれにおいても良好な結果が得られた。一方、溶媒A及び溶媒Bのうち一方のみを使用した比較例1〜2では、十分な膜厚均一性及びTFT特性が得られないことが分かった。
特開2004−165587号公報 特開2010−283002号公報

Claims (6)

  1. 沸点が170〜260℃である溶媒Aと、沸点が110〜150℃である溶媒Bとを含むことを特徴とする静電吐出式インクジェット装置用インク。
  2. 前記溶媒A及び前記溶媒Bの合計量を100体積%として、前記溶媒Aの含有量が10〜90体積%であり、前記溶媒Bの含有量が10〜90体積%である、請求項1に記載の静電吐出式インクジェット装置用インク。
  3. 前記溶媒Aが、多価アルコール、アミド、含窒素複素環化合物、炭酸エステル、及び多価アルコールアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒であり、前記溶媒Bが、多価アルコールアルキルエーテル、アミド、及び一価アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの極性溶媒である、請求項1又は2に記載の静電吐出式インクジェット装置用インク。
  4. 前記溶媒Aが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ホルムアミド、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン、炭酸プロピレン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、γ−ブチロラクトン、及びジエチレングリコールエチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つであり、前記溶媒Bが、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、及びn−ブタノールからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項3に記載の静電吐出式インクジェット装置用インク。
  5. イオン結合性の金属化合物を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の静電吐出式インクジェット装置用インク。
  6. 1つのノズル孔から吐出されるインクが10nL/sec以下である静電吐出式インクジェット装置に用いられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電吐出式インクジェット装置用インク。
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