JP2017128377A - 二酸化塩素発生剤封入用積層フィルムおよびそれを用いた二酸化塩素発生剤収納袋 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを接着剤により接合した容器に二酸化塩素発生剤を収容してみると二酸化塩素の分解が早く進行し、殺菌、消毒効果が早期に低下すると以下の特許文献2に記載されている。
このため、以下の特許文献2に記載されているように、二酸化塩素に接触する内面層の素材として、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデンのいずれかを用い、素材樹脂中にステアリン酸カルシウムなどの潤滑剤を添加した二酸化塩素包装体が提案されている。
ここで、容器をフィルムの積層構造とした場合、フィルムを接着する接着剤の二酸化塩素に対する耐性も重要な項目となる。この点に鑑み、従来のフィルム積層構造に適用されているエーテル系、ウレタン系、ゴム系など、各種接着剤の二酸化塩素ガス耐性について検討したところ、接着剤層を介しラミネーションして複層化した積層フィルムからなる容器において、3〜4ヶ月で接着剤層が一部分解され、デラミネーションを起こし、容器から二酸化塩素ガスが漏れるおそれがあることが判明した。
本発明において、前記外側の合成樹脂フィルム層が、Kコート二軸延伸ポリプロピレンフィルム、少なくとも2層の二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属または無機酸化物の蒸着層あるいはこれらの複合蒸着層のいずれかからなることが好ましい。
本発明において、前記シーラント層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、無軸延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)のいずれか一種からなることが好ましい。
本発明の二酸化塩素発生剤収納袋は、先の何れかに記載の二酸化塩素封入用積層フィルムが前記シーラント層を最内層側として前記シーラント層どうしを溶着した熱溶着部を介し袋状に一体化されたことを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生剤収納袋によれば、最内層側に設けたシーラント層どうしが熱溶着されて袋状に構成され、シーラント層の外側にエステル系の耐二酸化塩素性接着剤層を介し合成樹脂フィルム層が積層されているので、二酸化塩素発生剤を長期間収容したとしてシーラント層と合成樹脂フィルム層との間の接着層部分にデラミネーションに起因する剥離部分を生じることがない。このため、長期間、例えば4ヶ月以上の長い期間使用しても二酸化塩素の漏れを生じない収納袋を提供できる。このため、二酸化塩素発生剤の長期保存が可能となる使い勝手の良好な収納袋を提供できる。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本実施形態の二酸化塩素発生剤収納袋1は、図3に示すようにシーラント層(合成樹脂フィルム層)2と接着剤層3とガスバリア層(合成樹脂フィルム層)4を積層した平面視正方形状の積層フィルム5を2枚、シーラント層2どうしを対向させて重ね合わせ、重ね合わせたシーラント層2どうしの周縁部分に熱溶着部2Aを形成して袋状に一体化してなる。また、この収納袋1の内部に二酸化塩素発生剤を収容した袋体6が収納されている。
袋体6はガスを透過可能な紙、不織布などからなる小袋6Aの中に図4に示すように粒子状、粒状あるいは錠剤状の二酸化塩素発生剤6aを複数収容したものである。なお、二酸化塩素発生剤としてゲル状のものも知られているので、ゲル状の二酸化塩素発生剤を適用する場合はゲルを別途通気孔付の偏平プラスチック容器などに収容したものを用いることができる。
シーラント層2の厚みは20〜80μm、例えば厚み50μmとすることができる。
エステル系の接着剤として、高Tgのものを用いることが好ましく、4か月以上の期間デラミネーションを起こさず長期間保管を可能にするにはTg≧20℃であることが望ましい。一例として、Tg:25〜30℃のものが好ましい。上述の接着剤であれば、上述の範囲のTgとなる。
ガスバリア層4の厚みは10〜80μm、例えば厚み20μmとすることができる。
例えば、エステル系の高Tgの接着剤層3を用いた収納袋1であるならば、8ヶ月以上の長い期間、二酸化塩素発生剤を収納したとしても二酸化塩素ガスを外部に漏らすことなく保管できる特徴を有する。
また、収納袋1の一部を切断して内部空間を開放すれば、二酸化塩素発生剤6aは二酸化塩素ガスを空気中に放出するため、長期間保存後であっても二酸化塩素発生剤6aの製造時の性能を維持したまま殺菌剤用途、減菌剤用途、消毒剤用途などとして有効活用ができる。
また、試料6において、ガスバリア層を用いない構造のものを対比品として準備した。この対比品はエステル系接着剤(Tg=26℃)を用いて積層したフィルムの積層構造からなるが、ガスバリア層を有しない構造である。
これらの各収納袋に二酸化塩素発生剤を収納して2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後において接着層におけるデラミネーション発生の有無を調査した。
表2に示す結果から明らかなように、ウレタン系、ゴム系、エーテル系のいずれの接着剤を用いた袋体であっても二酸化塩素ガスに2ヶ月以上晒されていると二酸化塩素ガスによって接着剤が分解されて接着剤層の一部でデラミネーションが発生した。これらの試料は、4ヶ月以上経過すると、複数箇所に明確にデラミネーションが発生していることを確認できた。
以上の結果から、エステル系の高Tgタイプの硬質接着剤を用い、Kコート二軸延伸ポリプロピレンフィルムと無軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層したフィルムから熱溶着により形成した収納袋であれば、8ヶ月以上の長期間二酸化塩素発生剤を収納しても、デラミネーションを発生させることなく保管ができる特徴を有する。
Claims (4)
- 2層以上の合成樹脂フィルム層がガラス転移点温度:Tg≧20℃のエステル系の耐二酸化塩素性接着剤層を介し一体化され、少なくとも最内層側にシーラント層が設けられ、前記シーラント層より外側に前記耐二酸化塩素性接着剤層を介し合成樹脂フィルム層が積層されてなることを特徴とする二酸化塩素発生剤封入用積層フィルム。
- 前記外側の合成樹脂フィルム層が、Kコート二軸延伸ポリプロピレンフィルム、少なくとも2層の二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属または無機酸化物の蒸着層あるいはこれらの複合蒸着層のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の二酸化塩素発生剤封入用積層フィルム。
- 前記シーラント層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、無軸延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)のいずれか一種からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二酸化塩素封入用積層フィルム。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の二酸化塩素封入用積層フィルムが前記シーラント層を最内層側として前記シーラント層どうしを溶着した熱溶着部を介し袋状に一体化されたことを特徴とする二酸化塩素発生剤収納袋。
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