JP3206291U - 生体埋植用医療機器の二重包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間の輸送や振動等を受けても、包装体内に摩耗粉等の粉体を生じるおそれのない、信頼性の高い生体埋植用医療機器の二重包装体を提供する。【解決手段】本考案の生体埋植用医療機器の二重包装体10は、内袋1と外袋2とからなり、内袋1は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の内袋形成用熱融着性シート1A,1Bからなり、前記熱融着性シート1A,1Bはともに菌不透過性を有し、少なくとも一方はガス透過性を有し、少なくとも一方は透光性を有し、外袋2は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の外袋形成用熱融着性シート2A,2Bからなり、前記熱融着性シート2A,2Bはともに、菌不透過性、ガス不透過性および透光性を有し、その袋状の内部に前記内袋が収容されている。【選択図】図1
Description
本考案は、生体埋植用医療機器を、滅菌状態で搬送・保管するための二重包装体に関する。
欠損した人体等の一部を修復・補填するために、人工関節やインプラント等に代表される、生体埋植用の医療機器や器具等が用いられる。これらの生体埋植用医療機器は、滅菌処理を施された、内袋と外袋とからなる二重構造の包装体(以下、二重包装体)により包装されており、埋め込み手術等、使用される際は、手術室(清潔野)を雑菌等によって汚染しないよう、「不潔野」と「清潔野」との境界近くの不潔野領域において、看護師等が二重包装体の外袋を開封し、清潔野の看護師や手術執刀医師等が、清潔な内袋のみに触れてこれを受け取るとともに、清潔野で生体埋植用医療機器の埋植直前にその内袋を開封して、手術執刀医師が中の生体埋植用医療機器を取り出す、という手順で受け渡しされる。
このように取り扱いされる、従来の生体埋植用医療機器の二重包装体としては、たとえば図4(a),(b)に示すような、ブリスターパックと通称される包装容器が知られている(特許文献1の図5を参照)。この包装容器30(二重包装体の内袋)は、真空成形等により凹部が形成された容器体31に医療用品X等を収め、平坦な形状の蓋体32を被せて、この蓋体32の前後左右端(四方)を密封シールして形成されている。そして、この包装容器30(医療用品X等を含む)は、その周囲を、ガス遮断性や紫外線カット性などの各種バリア性に優れる積層樹脂フィルム製の包装袋33(二重包装体の外袋)で覆われてシールされ、二重包装の医療用品用滅菌包装袋とされる。
また、別の生体埋植用医療機器の二重包装体の例としては、たとえば図4(c),(d)に示すような、二重袋構造の医療用品の包装袋があげられる(特許文献2の図3を参照)。この二重包装袋40の内袋41は、一方(一面)にガスおよび細菌不透過性のヒートシール可能な樹脂製フィルム42を、他方(他面)にガス透過性で細菌不透過性のフィルム43を使用して、これらフィルム42,43の開口を除く周囲を熱溶着して袋体を形成し、内部に医療用品X等を収容して、その開口を熱溶着して密封する。そして、二重包装袋40の外袋44は、アルミニウム等の金属箔にヒートシール性の樹脂をコーティングし、あるいは、アルミニウム等の金属箔に樹脂フィルムをラミネートしたフィルムから構成されており、その内部に内袋41(医療用品X等を含む)を収容した後、その開口を内袋41と同様の熱溶着により密封して形成される。なお、このような医療用品X等を収容する二重包装袋(二重包装体)のなかには、内袋41の両面(表面と裏面)にガス不透過性のフィルムを用いて、この内袋41の内部(医療用品の周囲)を減圧したものもある。
これらいずれのタイプの医療機器の二重包装体(袋)も、輸送・搬送される際は、同じような梱包により輸送等される。すなわち、その輸送・保管形態は、たとえば図4(e)に示すように、医療機器等を収容した二重包装体(二重包装袋40等)は、通常、販売用または輸送用の化粧箱20等に一つずつ収められ、その周囲の余った空間に、輸送時における箱内の移動や位置ずれを抑制するためのワッティングと通称される梱包用緩衝材21が多数詰め込まれ、この状態で搬送等されて、保管される。なお、医療機器は1品1梱包が原則であり、1つの化粧箱内に複数の製品が詰め合わされることは殆どない。
ところで、前記従来構造の生体埋植用医療機器の二重包装体の輸送試験を繰返してみると、稀に、内袋内または内袋と外袋との間に、樹脂粉と思われる白色の粉体が見られることがあった。この現象を詳しく観察してみると、医療機器(内容物)を含む内袋と、外袋との摺動摩擦により発生していることが判明した。
すなわち、従来の生体埋植用医療機器の二重包装体(外袋)は、図4(e)に示すように、輸送中、輸送用の箱内では、前述の梱包用緩衝材でその位置がずれないように固定されているが、その内袋および医療機器は、外袋内での位置が固定されていない。そのため、内容物が、比較的硬い医療機器や比較的重い医療機器等である場合、この医療機器と内袋との間、または、医療機器を内包する内袋と外袋との間に、輸送時の揺れや振動等に起因する摺動が発生し、これが長時間に及ぶかあるいは揺れ等が激しい場合に、フィルムの構成材料(原料樹脂等)に由来すると思われる、摩耗粉や剥離粉が少量発生することがわかった。
この摩耗粉等は、使用(手術)前に、袋を開封して内容物を取り出す際に注意して見ていなければ気が付かない程度の量であり、包装体の密閉性や医療機器の滅菌性能等に影響を及ぼすものではない。しかしながら、もし製品で発生した場合は、前記包装体の密閉や滅菌に綻びが生じたか、あるいは、包装された製医療機器に障害が発生したか等、医療関係者等のユーザーに、製品の性能に対する疑念を抱かせるおそれがある。そのため、特に清潔さが求められる生体埋植用医療機器の分野においては、長時間の輸送を繰返しても、このような摩耗粉や剥離粉等を発生しない包装体構造が求められる。
本考案の目的は、長時間の輸送や振動等を受けても、包装体内に摩耗粉等の粉体を生じるおそれのない、信頼性の高い生体埋植用医療機器の二重包装体を提供することである。
本考案は、内袋と外袋とからなり、内袋の中に内容物を滅菌状態で密閉収納する生体埋植用医療機器の二重包装体であって、前記内袋は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の内袋形成用熱融着性シートからなり、前記2枚の内袋形成用熱融着性シートはともに菌不透過性を有し、少なくとも一方はガス透過性を有し、少なくとも一方は透光性を有し、前記袋状の内部に、内容物として生体埋植用医療機器が収容されており、前記外袋は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の外袋形成用熱融着性シートからなり、前記2枚の外袋形成用熱融着性シートはともに、菌不透過性、ガス不透過性および透光性を有し、前記袋状の内部に前記内袋が収容されている、ことを特徴とする生体埋植用医療機器の二重包装体である。
また、本考案の生体埋植用医療機器の包装体は、前記内容物を密閉収納した状態において、前記外袋の中と前記内袋の中とは、ともに減圧された状態であること特徴とする。
さらに、本考案の生体埋植用医療機器の包装体は、前記内容物を密閉収納した状態において、前記内袋は前記内容物に密着し、前記外袋は該内袋に密着しており、前記内容物の前記包装体内における位置が固定されていること特徴とする。
本考案の生体埋植用医療機器の二重包装体によれば、輸送時等にどのような揺れや振動等を受けても、包装された内容物が包装体内で移動することがなく、摩擦による摩耗粉等を生じることがない。したがって、本考案の二重包装体は、これらの揺れや振動等に由来する、包装体の密閉性や滅菌性能、および生体埋植用医療機器の安全性などに対する疑念の発生のおそれのない、信頼性の高い生体埋植用医療機器用の二重包装体とすることができる。また、内袋が透光性を有する一面側から、包装された生体埋植用医療機器を目視確認することができ、また、その表面に記載された情報を読み取ることができる。
さらに、本考案の生体埋植用医療機器の二重包装体のなかでも、前記内容物を密閉収納した状態において、前記外袋の中と前記内袋の中とが、ともに減圧された状態であるものは、包装体の密閉性や滅菌性能を長期にわたり維持することができる。しかも、この二重包装体は、包装体の膨張等により、前記密閉性や滅菌性能の破綻を容易に見抜くことができる。
また、本考案の生体埋植用医療機器の二重包装体のなかでも、前記内容物を密閉収納した状態において、前記内袋が前記内容物に密着し、前記外袋が該内袋に密着しているものは、前記内容物の、前記包装体内における位置がより確実に固定されて、好ましい。
以下、本考案の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本実施形態の生体埋植用医療機器の二重包装体10を上から見た平面図(上面図)であり、図1(b)は、その二重包装体10を横方向から見た側面図である。また、図2は、前記二重包装体10の梱包状態を示す図であり、図3は、前記二重包装体10の製造方法を説明する分解斜視図である。なお、図1〜図3においては、二重包装体10の内部を減圧した際に、各シート1A,1B,2A,2Bの収縮やインプラントSへの密着に起因して発生する、シートの湾曲や、しわ、膨れ、凹み、捩じれ等の描画を省略している。
図1(a)は、本実施形態の生体埋植用医療機器の二重包装体10を上から見た平面図(上面図)であり、図1(b)は、その二重包装体10を横方向から見た側面図である。また、図2は、前記二重包装体10の梱包状態を示す図であり、図3は、前記二重包装体10の製造方法を説明する分解斜視図である。なお、図1〜図3においては、二重包装体10の内部を減圧した際に、各シート1A,1B,2A,2Bの収縮やインプラントSへの密着に起因して発生する、シートの湾曲や、しわ、膨れ、凹み、捩じれ等の描画を省略している。
本実施形態にかかる生体埋植用医療機器の二重包装体10は、図1に示すように、内容物(生体埋植用医療機器)として、脊椎固定用装置に用いられる脊椎用スクリューインプラントS(通称:骨用スクリュー)を内包するものであり、インプラントSを包装する内袋1と、この内袋1を密封する外袋2とからなる、二重袋構造の包装体として構成されている(以下、二重包装体を、単に「包装体」と言う場合もある。)。
これら内袋1と外袋2とは、ともに、樹脂製フィルム等、菌不透過性を有する熱融着性シートから構成されており、内袋1の表側(図示紙面表側または上側、以下同じ)には、透光性を有する樹脂製シート(内袋表側シート1A)が用いられ、内袋1の裏側(図示紙面裏側または下側、以下同じ)には、ガス透過性を有する樹脂製シート(内袋裏側シート1B)が用いられているとともに、外袋2の表側および裏側には、透光性でかつガス不透過性の樹脂製シート(表側:外袋表側シート2A,裏側:外袋裏側シート2B)が用いられている。
そして、図1(b)に示すように、内袋表側シート1Aと内袋裏側シート1Bとからなる袋状の内袋1の内部と、外袋表側シート2Aと外袋裏側シート2Bとからなる袋状の外袋2の内部とが、ともに、インプラントSが収容された状態で脱気されて減圧状態とされ、前記インプラントSと内袋1との間および内袋1と外袋2との間が、互いに隙間なく密着して、該インプラントSおよび内袋1が、この二重包装体10内で移動不能に位置固定されている。これが、本実施形態の生体埋植用医療機器の二重包装体10の構造的特徴である。
二重包装体10の構成を詳しく説明すると、内袋1は、透光性を有する内袋表側シート1Aと、ガス透過性(通気性)を有する内袋裏側シート1Bとを重ね合わせ、内容物挿入用の底部開口部1cを除く三方の縁部(三辺)を、ヒートシール機等を用いて熱圧着する(ヒートシール部1d,1e,1f)ことにより、図3の分解斜視図(中段)に示すような袋状としたものである。
つぎに、内袋1は、図3のように、底部開口部1c(この図では上側)から、インプラントS等の生体埋植用医療機器(内容物)が挿入され、底部開口部1c(縁部)の近傍が、ヒートシール機等を用いて熱圧着され、底部側のヒートシール部1gが形成される。これにより、内袋1は、全体としてガス透過性および菌不透過性を備える包装体となる。
なお、図3で上側に見えている底部開口部1cは、内容物を収容して密封(ヒートシール1g)された状態〔図1(a)〕では、開封用に設けられた三角形状のヒートシール部1fと反対側に位置する、内袋1の底部を構成する。また、この状態で、内袋1内はまだ減圧等されておらず、内袋1は、収容されたインプラントSが内部で自由に動ける程度に、緩やかに膨らんだ状態である。
内袋1を収容する外袋2は、表側および裏側とも、同様の性質を有する、透光性でかつガス不透過性の外袋表側シート2Aと外袋裏側シート2Bとを重ね合わせ、内容物挿入用の底部開口部2cを除く三方の縁部(三辺)を、ヒートシール機等を用いて熱圧着する(ヒートシール部2d,2e,2f)ことにより、図3の分解斜視図(下段)に示すような袋状としたものである。
ついで、外袋2は、内袋1とは異なり、図3のようにその中に、前記の内袋1(内部にインプラントSを既に収容したもの)を挿入した後、内部を減圧した状態で、底部開口部2c(縁部)の近傍が、ヒートシール機等を用いて熱圧着され、底部側のヒートシール部2gが形成される。
前記の減圧操作(真空引き)は、真空ポンプ等を用いて行われ、外袋2の内部を、大気圧より低い圧力とした状態で、開口を熱圧着してヒートシール部2gを形成し、外袋2の密封を行う〔図1参照〕。このとき、内袋1の一面、すなわち裏面側の内袋裏側シート1Bが、ガス透過性(通気性)を有するシートで構成されているため、この内袋1内の空気も、外袋2の減圧とともに脱気され、該内袋1の内部も、外袋2内と同等の減圧状態となる。なお、減圧密閉後の外袋2の内部および内袋1の内部の気圧は、周囲の大気圧との気圧差によって内容物が包装体内で移動不能に固定される程度であればよく、たとえば1〜90000Pa程度である。
これにより、本実施形態の二重包装体10は、図1(a),(b)に示すように、内袋1を構成する、透光性を有する内袋表側シート1Aとガス透過性を有する内袋裏側シート1Bとが、内容物(この場合インプラントS)に密着した状態となる。また、その外側の外袋1を構成する、透光性でかつガス不透過性の外袋表側シート2Aと外袋裏側シート2Bも、内側の内袋1にぴったりと密着した状態となる。したがって、これらの図に示す外袋2を密封した状態で、本実施形態の二重包装体10は、包装されたインプラントSが、包装体内での位置が決定され、この包装体内で移動不能に固定される。
なお、この状態で、外袋2は表裏の両面とも透光性を有し、内袋1はその一面(表側)が透光性を有することから、内部に収容されたインプラントS等の内容物の表面を、外側から見ることができるようになっている。したがって、この包装状態でも、内容物の表面に記載された型番やロットナンバー等の製品情報を、容易に読み取ることができる。
つぎに、この状態で、内容物(インプラントS)の滅菌処理を行う。滅菌処理は、二重包装体10(外袋2)ごとインプラントS等に、ガンマ線や電子線等の放射線を照射することにより、実施される。なお、二重包装体10は、輸送もしくは保管等のための化粧箱やケースに収納された状態で、放射線滅菌されてもよい。化粧箱やケース等には、製品名,製品番号,各種仕様等がその表面に記載されている。
たとえば、本実施形態の二重包装体10の場合、図2に示すような化粧箱20内に、二重包装体10を挿入し、この二重包装体10と化粧箱20との間に生じる隙間に、従来と同様のワッティングと通称される梱包用緩衝材21を複数、隙間なく詰め込んで梱包する。そして、この状態で、放射線滅菌が施され、その後、輸送・搬送や保管等が行われる。
このように、本実施形態の生体埋植用医療機器の二重包装体10は、包装された内容物(インプラントS)が、包装体10内で移動することのないように固定されている。そのため、二重包装体10は、輸送時等にどのような揺れや振動等を受けても、その内容物が包装体内で移動することがなく、従来製品のような摩耗粉等を生じることがない。したがって、本実施形態の二重包装体10は、その品質に疑いを生じることのない、信頼性の高い生体埋植用医療機器用の二重包装体とすることができる。
なお、本実施形態において、二重包装体10の内袋裏側シート1Bを構成する、ガス透過性および菌不透過性を有するシートとしては、セルロース系繊維などの天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの合成樹脂系繊維を主体とする合成繊維、天然繊維と合成繊維との複合繊維により調製された通気性の不織布シート、または滅菌紙などが用いられる。なかでも、ポリエチレン繊維からなる不織布が好適に用いられ、市販品としては、デュポン製のタイベック(登録商標)があげられる。
内袋裏側シート1Bの厚さは、通常50〜300μm、好ましくは70〜260μmである。なお、ガス透過性を有するシートは、一般に不透明である。
二重包装体10の外袋表側シート2A,2Bおよび内袋表側シート1Aを構成する、透光性でかつガス不透過性(菌不透過性)を有するシートは、各種の合成樹脂材料から構成することができるが、熱融着性の観点からは、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンやポリ塩化ビニルが好ましい。また、単層構造である必要はなく、目的に応じて複層構造のものを用いてもよい。
他にも、透明な熱可塑性樹脂からなるシート(フィルム)としては、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンイソフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール,エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などのビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド等があげられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独重合体であっても共重合体であってもよい。なかでも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂が好適である。シートの厚さは、通常10〜200μm、好ましくは50〜150μmである。
また、内袋1および外袋2の寸法(サイズ)は、特に限定されず、包装する生体埋植用医療機器の大きさに合わせて適宜設定されるものであるが、内袋1は前記生体埋植用医療機器より一回り大きい程度、外袋2は、通常はさらに一回り大きいものが用いられる。内袋1が外袋2より大きな場合は、内袋1を折り畳んで外袋2に挿入すればよい。
なお、本考案における「透光性」シートとは、内容物が視認できる程度の光透過性を持つものを言い、半透明のものを含む。
また、本考案における「ガス不透過性」(ガスバリア性)とは、たとえば、シート(フィルム)の各ガスの透過率が以下の値のものを言う。本考案の二重包装体には、
・酸素透過率(23℃、湿度50%RH) 50cm3/m2×day×bar以下
・水蒸気透過率(23℃、湿度85%RH) 2g/m2×day×bar以下
・二酸化炭素透過率(23℃、湿度0%RH) 200cm3/m2×day×bar以下
・窒素透過率(23℃、湿度0%RH) 10cm3/m2×day×bar以下
であるシートを好適に用いることができるが、この数値以下に限定されるものではない。
・酸素透過率(23℃、湿度50%RH) 50cm3/m2×day×bar以下
・水蒸気透過率(23℃、湿度85%RH) 2g/m2×day×bar以下
・二酸化炭素透過率(23℃、湿度0%RH) 200cm3/m2×day×bar以下
・窒素透過率(23℃、湿度0%RH) 10cm3/m2×day×bar以下
であるシートを好適に用いることができるが、この数値以下に限定されるものではない。
前記の各シートを用いた場合、本考案に係る生体埋植用医療機器用の二重包装体は、放射線照射で滅菌処理された生体埋植用医療機器の性能低下や菌の付着を、長期間にわたり防止することがでる。また、埋植手術時における不潔野から清潔野への生体埋植用医療機器の移動を、雑菌等によって汚染されないように、清潔に行うことができる。
本考案に係る生体埋植用医療機器用の二重包装体は、生体埋植用医療機器を、滅菌状態で搬送・保管するために好適に利用される。包装される生体埋植用医療機器としては、脊椎固定用装置,人工関節,歯科インプラント,人工骨,ステント,ペースメーカー,骨スクリュー等およびそれらを構成する部品・部材や、リーマ,ドリル,カットガイド,ボーンソー,骨ノミ等の手術用器具などにも適用することができる。
1 内袋
1A 内袋表側シート
1B 内袋裏側シート
1c 底部開口部
1d,1e,1f,1g ヒートシール部
2 外袋
2A 外袋表側シート
2B 外袋裏側シート
2c 底部開口部
2d,2e,2f,2g ヒートシール部
10 二重包装体
20 化粧箱
21 梱包用緩衝材
S インプラント
1A 内袋表側シート
1B 内袋裏側シート
1c 底部開口部
1d,1e,1f,1g ヒートシール部
2 外袋
2A 外袋表側シート
2B 外袋裏側シート
2c 底部開口部
2d,2e,2f,2g ヒートシール部
10 二重包装体
20 化粧箱
21 梱包用緩衝材
S インプラント
Claims (3)
- 内袋と外袋とからなり、内袋の中に内容物を滅菌状態で密閉収納する生体埋植用医療機器の二重包装体であって、
前記内袋は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の内袋形成用熱融着性シートからなり、前記2枚の内袋形成用熱融着性シートはともに菌不透過性を有し、少なくとも一方はガス透過性を有し、少なくとも一方は透光性を有し、前記袋状の内部に、内容物として生体埋植用医療機器が収容されており、
前記外袋は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の外袋形成用熱融着性シートからなり、前記2枚の外袋形成用熱融着性シートはともに、菌不透過性、ガス不透過性および透光性を有し、前記袋状の内部に前記内袋が収容されている、ことを特徴とする生体埋植用医療機器の二重包装体。 - 前記内容物を密閉収納した状態において、前記外袋の中と前記内袋の中とは、ともに減圧された状態であること特徴とする請求項1に記載の生体埋植用医療機器の二重包装体。
- 前記内容物を密閉収納した状態において、前記内袋は前記内容物に密着し、前記外袋は該内袋に密着しており、前記内容物の前記包装体内における位置が固定されていること特徴とする請求項1または2に記載の生体埋植用医療機器の二重包装体。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018074936A (ja) * | 2016-11-08 | 2018-05-17 | 住友ベークライト株式会社 | 細胞培養容器用包装袋 |
JP2019034775A (ja) * | 2017-08-21 | 2019-03-07 | 日本特殊陶業株式会社 | 医療用多重包装材、医療用多重包装材入り医療製品 |
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-
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