JP2017127847A - エアフィルタユニット - Google Patents

エアフィルタユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2017127847A
JP2017127847A JP2016011044A JP2016011044A JP2017127847A JP 2017127847 A JP2017127847 A JP 2017127847A JP 2016011044 A JP2016011044 A JP 2016011044A JP 2016011044 A JP2016011044 A JP 2016011044A JP 2017127847 A JP2017127847 A JP 2017127847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air filter
valley
mountain
filter medium
filter unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016011044A
Other languages
English (en)
Inventor
孝之 兵頭
Takayuki Hyodo
孝之 兵頭
木村 孝
Takashi Kimura
孝 木村
竜巳 阪野
Tatsumi Sakano
竜巳 阪野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2016011044A priority Critical patent/JP2017127847A/ja
Publication of JP2017127847A publication Critical patent/JP2017127847A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

【課題】プリーツ形状におけるプリーツ間隔を自在に調節でき、圧力損失を小さく抑えることが可能なエアフィルタユニットを提供する。【解決手段】複数の山折り部分30aと複数の谷折り部分30bを有しておりプリーツ状であるエアフィルタ濾材30と、複数の山折り部分30aそれぞれに沿うように延びた複数の山側棒状部材25と、複数の谷折り部分30bそれぞれに沿うように延びた複数の谷側棒状部材26と、を備えたエアフィルタユニット1であって、複数の山側棒状部材25は、複数の山折り部分30aを複数の谷折り部分30bから遠ざけるように複数の山折り部分30aに力を作用させており、複数の谷側棒状部材26は、複数の谷折り部分30bを複数の山折り部分30aから遠ざけるように複数の谷折り部分30bに力を作用させている。【選択図】図2

Description

本発明は、エアフィルタユニットに関する。
フィルタは、所定の粒子径を有する粒子の捕集効率により、ULPA(Ultra Low Penetration Air )フィルタ、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ、および中性能フィルタ等に分類される。これらは、その性能に応じて異なる用途に用いられている。
これらのフィルタでは、例えば、特許文献1(特開2008−188499号公報)に記載のフィルタのように、従来より、単位面積当たりの風量を下げて圧力損失を小さく抑え、捕集可能な面積である有効面積をできるだけ広く確保するために、プリーツ状に折り曲げられた状態で用いられている。
そして、この特許文献1に記載のフィルタでは、プリーツ形状における隣り合う山部分同士を離間させて圧力損失を抑えるために、折り目方向に直交させるようにしてフィルタに接着したセパレータを用いている。これにより、隣り合う山部同士は、それぞれの山部に接着したセパレータ同士が当接することで、互いに離間した状態が維持されており、この状態でプリーツ形状が維持されている。
また、例えば、特許文献2(国際公開第2012/105208号)に記載のフィルタのように、谷側端部近傍から山側に向けて延びるように広がっておりプリーツの山を押し出している支持壁と、山側端部近傍から谷側に向かって延びるように広がっておりプリーツの谷を押し出している支持壁と、によってフィルタの山折り部分と谷折り部分とを形成して、プリーツ形状が維持されている。
特開2008−188499号公報 国際公開第2012/105208号
ところが、特許文献1に記載のフィルタでは、隣り合う山部同士の離間距離は、それぞれの山部に接触したセパレータの大きさによって一義的に定まってしまう。すなわち、隣り合う山部同士の離間距離は、それぞれの山部に接触したセパレータの高さ(山部が隣り合う方向の厚み)の合計で一義的に定まってしまう。したがって、セパレータが取り付けられ、セパレータ同士が接触するように山折りおよび谷折りされた後では、フィルタの山部同士または谷部同士の離間距離(プリーツ間隔)を自在に調節することができない。
また、特許文献2に記載のフィルタでは、谷側端部近傍から山側に向けて延びるように広がっておりプリーツの山を押し出している支持壁と、山側端部近傍から谷側に向かって延びるように広がっておりプリーツの谷を押し出している支持壁と、の配置間隔を調節することで、プリーツ間隔を調節することが可能になる。ところが、プリーツ状に形成されたフィルタの濾材同士の間に支持壁が広がるように位置することとなるため、この支持壁の分だけ流路が狭まることとなり、圧力損失が増大してしまう。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、プリーツ形状におけるプリーツ間隔を自在に調節でき、圧力損失を小さく抑えることが可能なエアフィルタユニットを提供することにある。
第1観点に係るエアフィルタユニットは、エアフィルタ濾材と、複数の山側棒状部材と、複数の谷側棒状部材と、を備えている。エアフィルタ濾材は、複数の山折り部分と複数の谷折り部分を有しており、プリーツ状である。複数の山側棒状部材は、複数の山折り部分それぞれに沿うように延びている棒状部材である。複数の谷側棒状部材は、複数の谷折り部分それぞれに沿うように延びている棒状部材である。複数の山側棒状部材は、複数の山折り部分を複数の谷折り部分から遠ざけるように複数の山折り部分に力を作用させている。複数の谷側棒状部材は、複数の谷折り部分を複数の山折り部分から遠ざけるように複数の谷折り部分に力を作用させている。
このエアフィルタユニットは、複数の山側棒状部材同士の配置間隔や複数の谷側棒状部材同士の配置間隔を調節することにより、プリーツ間隔を調節することが可能になる。また、プリーツ形状を構成する濾材同士の間に広がった支持壁等を用いることなく、棒状である山側棒状部材と谷側棒状部材を用いてエアフィルタ濾材に張力を作用させることでエアフィルタ濾材をプリーツ形状に維持させることが可能になる。ここで、山側棒状部材も谷側棒状部材もいずれも棒状であるため、プリーツ形状を維持させるために濾材同士の間に支持壁を設ける場合と比較して、圧力損失を小さく抑えることが可能になる。
以上により、プリーツ形状におけるプリーツ間隔を自在に調節でき、圧力損失を小さく抑えることが可能になる。
第2観点に係るエアフィルタユニットは、第1観点に係るエアフィルタユニットであって、複数の山側棒状部材と複数の谷側棒状部材との離間程度を調節する調節機構をさらに備えている。
このエアフィルタユニットは、調節機構によって複数の山側棒状部材と複数の谷側棒状部材との離間程度を調節することにより、エアフィルタ濾材に掛かる張力を調節することが可能になる。
第3観点に係るエアフィルタユニットは、第1観点または第2観点に係るエアフィルタユニットであって、ワイヤー部材をさらに備えている。ワイヤー部材は、エアフィルタ濾材よりも曲げ剛性が高い。ワイヤー部材は、エアフィルタ濾材に沿うようにして、複数の山折り部分および/または複数の谷折り部分に対して交わる方向に延びている。
プリーツ形状となったエアフィルタ濾材において、このワイヤー部材同士は、互いに接していないことが好ましい。
また、ワイヤー部材がエアフィルタ濾材よりも曲げ剛性が高いとは、ワイヤー部材とエアフィルタ濾材を同程度湾曲させる際に要する力がワイヤー部材の方が多く必要になることを意味する。
プリーツ形状のエアフィルタ濾材に対して山側から谷側または谷側から山側に向けて気流を流す使用時には、山側棒状部材と谷側棒状部材を用いてエアフィルタ濾材に張力を作用させてプリーツ形状となるようにしていたとしても、そのプリーツ形状が変形してプリーツ形状部分に膨らみが生じること(プリーツ形状を構成するエアフィルタ濾材同士の距離が短くなるまたはエアフィルタ濾材同士が接触すること)により、圧力損失が増大してしまうことがある。
これに対して、このエアフィルタユニットは、山側棒状部材と谷側棒状部材によりエアフィルタ濾材に張力を作用させることでエアフィルタ濾材をプリーツ形状に維持させるだけでなく、さらに、エアフィルタ濾材の曲げ剛性よりも高い曲げ剛性のワイヤー部材が設けられている。
このため、エアフィルタ濾材は、山側棒状部材と谷側棒状部材により作用している張力と、ワイヤー部材の曲げ剛性と、によって、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
また、エアフィルタ濾材には、山側棒状部材と谷側棒状部材によって張力が作用しているため、このような張力を作用させていないエアフィルタ濾材と比べると、使用時にプリーツ形状の変形を同程度に小さく抑える場合に必要とされるワイヤー部材を、より細くすることが可能になる。このため、ワイヤー部材を設けることにより生じる圧力損失を小さく抑えることが可能になる。
第4観点に係るエアフィルタユニットは、第1観点から第3観点のいずれかに係るエアフィルタユニットであって、樹脂塗布部をさらに備えている。樹脂塗布部は、エアフィルタ濾材に対して設けられている。
プリーツ形状となったエアフィルタ濾材において、この樹脂塗布部同士は、互いに接していないことが好ましい。
なお、樹脂塗布部とエアフィルタ濾材とが一体化されたものの曲げ剛性は、樹脂塗布部が設けられていないエアフィルタ濾材単体の曲げ剛性の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。また、曲げ剛性の比較は、樹脂塗布部とエアフィルタ濾材とが一体化されたもののと、エアフィルタ濾材単体と、を同程度湾曲させる際に要する力を比較することで把握することができる。具体的には、樹脂塗布部とエアフィルタ濾材とが一体化したものと、エアフィルタ濾材単体と、のそれぞれについて、サイズ150mm×20mmの長尺状の試験サンプルを切り出し、この試験サンプルを用いて曲げ剛性を測定することができる。そして、この試験サンプルを、試験サンプルの長手方向の一端から40mmの範囲の領域を押さえ代にして水平の台から水平方向に突出させて静置し、このときの突出長さ110mmを測定長さとして、水平の台から自重により垂れ下がった垂直方向の変位を測定する。そして、この変位および下記式により曲げ剛性を算出することができる。
曲げ剛性[g重・mm]=試験サンプルの目付け×(測定長さ)4/(8×変位)
プリーツ形状のエアフィルタ濾材に対して山側から谷側または谷側から山側に向けて気流を流す使用時には、山側棒状部材と谷側棒状部材を用いてエアフィルタ濾材に張力を作用させてプリーツ形状となるようにしていたとしても、そのプリーツ形状が変形してプリーツ形状部分に膨らみが生じること(プリーツ形状を構成するエアフィルタ濾材同士の距離が短くなるまたはエアフィルタ濾材同士が接触すること)により、圧力損失が増大してしまうことがある。
これに対して、このエアフィルタユニットは、山側棒状部材と谷側棒状部材によりエアフィルタ濾材に張力を作用させることでエアフィルタ濾材をプリーツ形状に維持させるだけでなく、さらに、エアフィルタ濾材に対してさらに樹脂塗布部が設けられている。
このため、エアフィルタ濾材は、山側棒状部材と谷側棒状部材により作用している張力と、樹脂塗布部およびエアフィルタ濾材の曲げ剛性と、によって、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
また、エアフィルタ濾材には、山側棒状部材と谷側棒状部材によって張力が作用しているため、このような張力を作用させていないエアフィルタ濾材と比べると、使用時にプリーツ形状の変形を同程度に小さく抑える場合に必要とされる樹脂塗布部の樹脂塗布部形成成分の量をより少なくすることが可能になる。このため、樹脂塗布部を設けることにより生じる圧力損失を小さく抑えることが可能になる。
第5観点に係るエアフィルタユニットは、第1観点から第4観点のいずれかに係るエアフィルタユニットであって、布部材をさらに備えている。力が作用していない状態から複数の山側棒状部材と複数の谷側棒状部材による力が作用している状態における布部材の力の作用方向における伸びは、当該力が作用していない状態から複数の山側棒状部材と複数の谷側棒状部材による当該力が作用している状態におけるエアフィルタ濾材の当該力の作用方向における伸びよりも小さい。この布部材は、エアフィルタ濾材に沿うように設けられている。
すなわち、エアフィルタユニットに設置されたエアフィルタ濾材に作用している力と同じ力を、布部材単独と、エアフィルタ濾材単独と、のそれぞれに作用させた場合に、布部材単独の力の作用方向における伸びがエアフィルタ濾材単独の力の作用方向における伸びよりも小さくなるような布部材が用いられる。
プリーツ形状となったエアフィルタ濾材において、この布部材同士は、互いに接していないことが好ましい。
プリーツ形状のエアフィルタ濾材に対して山側から谷側または谷側から山側に向けて気流を流す使用時には、山側棒状部材と谷側棒状部材を用いてエアフィルタ濾材に張力を作用させてプリーツ形状となるようにしていたとしても、そのプリーツ形状が変形してプリーツ形状部分に膨らみが生じること(プリーツ形状を構成するエアフィルタ濾材同士の距離が短くなるまたはエアフィルタ濾材同士が接触すること)により、圧力損失が増大してしまうことがある。
これに対して、このエアフィルタユニットは、使用状態における張力が作用した場合に、エアフィルタ濾材よりも伸びにくい布部材が、エアフィルタ濾材に沿うように設けられている。
このため、このような伸びにくい布部材が沿うように設けられているエアフィルタ濾材は、このような布部材が設けられていない場合と比べて、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
また、エアフィルタ濾材には、このような伸びにくい布部材が沿うように設けられているため、山側棒状部材と谷側棒状部材によってより強い力をエアフィルタ濾材に対して作用させることが可能となり、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
第6観点に係るエアフィルタユニットは、第5観点に係るエアフィルタユニットであって、布部材は、複数の山側棒状部材が複数の山折り部分に力を作用させており複数の谷側棒状部材が複数の谷折り部分に力を作用させている状態で、弾性領域である。また、布部材は、30N/mmの張力を作用させた場合の張力作用方向における伸びが2%以上15%以下である。さらに、布部材は、張力作用方向における長さが290mmであり張力作用方向に直交する方向の長さが60mmである矩形の試験片に対して、張力作用方向に30N/mmの張力を作用させた状態で、試験片の中心において面に垂直な方向に向けて直径1.3cmの円内の領域に2.6Nの力を作用させた場合の当該鉛直方向の変位が、山側棒状部材同士の間隔の45%以下である。
なお、当該張力作用方向の伸びは、好ましくは3%以上10%以下である。また、当該鉛直方向の変位は、好ましくは、山側棒状部材同士の間隔の30%以下である。
このエアフィルタユニットは、上記条件を満たした布部材が用いられることにより、使用時のプリーツ形状の膨らみをより効果的に抑制することができ、使用期間が長い場合であってもその効果を持続させやすい。
第7観点に係るエアフィルタユニットは、第1観点から第6観点のいずれかに係るエアフィルタユニットであって、山側棒状部材および/または谷側棒状部材は、長手方向に沿う方向から見た場合に、山折り部分同士が並ぶ方向または谷折り部分同士が並ぶ方向における幅よりも、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向における幅の方が長い。
なお、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向は、エアフィルタユニットの使用時に気流が通過する方向と同じである。また、山折り部分同士が並ぶ方向または谷折り部分同士が並ぶ方向は、山側棒状部材や谷側棒状部材の長手方向に沿う方向から見た場合に、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向に対して直交する方向である。
また、山折り部分同士が並ぶ方向または谷折り部分同士が並ぶ方向における幅とは、山折り部分同士が並ぶ方向または谷折り部分同士が並ぶ方向における最大の幅をいい、当該幅が一様である必要は無い。また、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向における幅とは、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向における最大の幅をいい、当該幅が一様である必要は無い。すなわち、長手方向に沿う方向からみた場合に、山側棒状部材や谷側棒状部材は、長方形であっても正方形であってもよいし、楕円形であってもよい。
なお、山側棒状部材および/または谷側棒状部材の、長手方向に沿う方向から見た場合における、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向における幅の長さが、エアフィルタ濾材における複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向における幅の長さの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましく、1/5以下であることがさらに好ましい。
このエアフィルタユニットは、エアフィルタ濾材に力を作用させている状態において、複数の山側棒状部材および/または複数の谷側棒状部材の、複数の山折り部分と複数の谷折り部分とが並ぶ方向における変形を生じにくくさせることが可能になる。
第1観点のエアフィルタユニットによれば、プリーツ形状におけるプリーツ間隔を自在に調節でき、圧力損失を小さく抑えることが可能になる。
第2観点のエアフィルタユニットによれば、エアフィルタ濾材に掛かる張力を調節することが可能になる。
第3観点のエアフィルタユニットによれば、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
第4観点のエアフィルタユニットによれば、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
第5観点のエアフィルタユニットによれば、使用時のプリーツ形状の変形を小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
第6観点のエアフィルタユニットによれば、プリーツ形状の膨らみをより効果的に抑制することができ、使用期間が長い場合であってもその効果を持続させやすい。
第7観点のエアフィルタユニットによれば、エアフィルタ濾材に作用させている力に起因する複数の山側棒状部材および/または複数の谷側棒状部材の変形を小さく抑えることが可能になる。
エアフィルタユニットの一実施形態を示す前側の外観斜視図。 エアフィルタユニットの一実施形態を示す後側の外観斜視図。 プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材が山側棒状部材と谷側棒状部材によって通気方向に引っ張られている状態の概観斜視図。 エアフィルタユニットの平面視における概観配置関係図。 エアフィルタ濾材の概略断面図。 他の実施形態(A)に係るエアフィルタユニットを示す外観斜視図。 他の実施形態(B)に係る樹脂塗布部およびエアフィルタ濾材を示す図。 他の実施形態(C)に係る布部材とエアフィルタ濾材を示す概略斜視図。 使用時と非使用時のエアフィルタ濾材のプリーツ形状の膨らみの様子を示す説明図。
以下、エアフィルタユニットについて、例を挙げつつ具体的に説明するが、これらの記載は発明を限定するものではない。
(1)エアフィルタユニット1
図1に、一実施形態に係るエアフィルタユニット1の前側の外観斜視図を示す。図2に、一実施形態に係るエアフィルタユニット1の後側の外観斜視図を示す。図3に、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30が山側棒状部材25と谷側棒状部材26によって通気方向に引っ張られている状態の概観斜視図を示す。図4に、エアフィルタユニット1の平面視における概観配置関係図を示す。
エアフィルタユニット1は、プリーツ状(波形形状)に折られたエアフィルタ濾材30と、エアフィルタ濾材30に設けられたワイヤー部材40と、これらを収納するケーシング20とを備える。
(2)ケーシング20
ケーシング20は、複数の山折り部分30aと複数の谷折り部分30bを有するようにプリーツ状に折られておりワイヤー部材40が設けられたエアフィルタ濾材30に対して後述するようにテンションを付与できるようにしつつ収納および保持できるものであればよく、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金製もしくは樹脂製を用いることができる。
ケーシング20は、通気方向Fの前側および後側が大きく開口しており、通気方向Fに垂直な方向から見た場合に後述するプリーツ形状の波形が現れるようにプリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30を収容する。このエアフィルタ濾材30の収容方向としては、特に限定されないが、上面視においてプリーツ形状の波形が現れるように収容されていること、すなわちプリーツ形状の山部分および谷部分が上下に延びる姿勢で収容されていることが好ましい。
ケーシング20は、天板21と、底板22と、右側板23と、左側板24と、複数の山側棒状部材25と、複数の谷側棒状部材26と、を有して構成されている。天板21は、エアフィルタ濾材30の上方部分を覆っている。底板22は、エアフィルタ濾材30の下方部分を覆っている。右側板23は、エアフィルタ濾材30の右側方部分を覆っている。左側板24は、エアフィルタ濾材30の左側方部分を覆っている。
図3および図4に示すように、複数の山側棒状部材25は、通気方向Fの上流側において、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30の複数の山折り部分30aに沿って延びるように設けられている。
また、複数の谷側棒状部材26は、通気方向Fの下流側において、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30の複数の谷折り部分30bに沿って延びるように設けられている。
図4に示すように、ケーシング20の天板21と底板22には、いずれも複数の山側棒状部材25および複数の谷側棒状部材26を支持するための複数の山側挿入穴21a、22aおよび複数の谷側挿入穴21b、22bが設けられている。具体的には、天板21の下面であって通気方向Fの上流側には、左右方向に並ぶように設けられ下方に開口している複数の山側挿入穴21aが設けられており、天板21の下面であって通気方向Fの下流側には、左右方向に並ぶように設けられ下方に開口している複数の谷側挿入穴21bが設けられている。また、底板22の上面であって通気方向Fの上流側には、左右方向に並ぶように設けられ上方に開口している複数の山側挿入穴22aが設けられており、底板22の上面であって通気方向Fの下流側には、左右方向に並ぶように設けられ上方に開口している複数の谷側挿入穴22bが設けられている。
複数の山側棒状部材25は、それぞれ、上端側が天板21の複数の山側挿入穴21aに挿入され、下端側が底板22の複数の山側挿入穴22aに挿入されて、支持されている。
複数の谷側棒状部材26は、それぞれ、上端側が天板21の複数の谷側挿入穴21bに挿入され、下端側が底板22の複数の谷側挿入穴22bに挿入されて、支持されている。
このため、エアフィルタ濾材30のプリーツ間隔は、天板21の複数の山側挿入穴21aや谷側挿入穴21bや、底板22の複数の山側挿入穴22aや谷側挿入穴22bの左右方向における間隔を調節することにより調節することが可能である。すなわち、天板21および底板22において、山側挿入穴21a、谷側挿入穴21b、山側挿入穴22aおよび谷側挿入穴22bを、左右方向における間隔が所望のプリーツ間隔と同じになるように設けるだけでプリーツ間隔を調節することができ、従来技術のようにプリーツ間に介在するセパレータの大きさによってプリーツ間隔が制約を受けることが無い。ここで、複数の山側棒状部材25同士の間隔、および、複数の谷側棒状部材26同士の間隔は、いずれも等間隔であり、3mm以上10mm以下とすることができ、4mm以上8mm以下とすることが好ましく、5mmとすることがより好ましい。
また、天板21の複数の山側挿入穴21aや谷側挿入穴21bや、底板22の複数の山側挿入穴22aや谷側挿入穴22bは、エアフィルタ濾材30が複数の山側棒状部材25と複数の谷側棒状部材26によって引っ張られることで、エアフィルタ濾材30にテンションを掛けることができる位置に設けられている。具体的には、図3に示すように、ケーシング20に設置された状態のエアフィルタ濾材30には、エアフィルタ濾材30の複数の山折り部分30aが複数の谷折り部分30bから遠ざけられるように、複数の山側棒状部材25によって複数の山折り部分30aに矢印Aの方向の力が作用している。また、ケーシング20に設置された状態のエアフィルタ濾材30には、エアフィルタ濾材30の複数の谷折り部分30bが複数の山折り部分30aから遠ざけられるように、複数の谷側棒状部材26によって複数の谷折り部分30bに矢印Bの方向の力が作用している。プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30に掛けるテンション(作用させる力)は、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30を設ける際に隣り合って位置することとなる山側棒状部材25と谷側棒状部材26との間の距離を調節することにより調節することが可能である。具体的には、山側棒状部材25と谷側棒状部材26との間の距離を長くすればするほど、エアフィルタ濾材30に掛けるテンションを高めることが可能になる。なお、ここで、エアフィルタ濾材30の左右方向の両端は、ケーシング20の一部に対して固定されていてもよい。
なお、山側棒状部材25と谷側棒状部材26は、山側棒状部材25や谷側棒状部材26の長手方向から見た場合の断面形状は、特に限定されず、円形であっても矩形であってもよいが、エアフィルタ濾材30にテンションを掛けた状態であっても山側棒状部材25や谷側棒状部材26が弓なり形状になってしまわないように、通気方向Fに長い矩形であることが好ましい。具体的には、図4に示すように、通気方向Fに垂直な左右方向の長さSが、通気方向Fの長さTの半分以下であることが好ましく、例えば、通気方向Fに垂直な左右方向の長さSを2mmとし、通気方向Fの長さTを8mmとすることができる。なお、特に限定されないが、山側棒状部材25と谷側棒状部材26の通気方向Fにおける合計長さは、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30の通気方向Fの長さの半分以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましく、1/5以下であることがさらに好ましい。
このような山側棒状部材25や谷側棒状部材26の材質は、特に限定されないが、金属製であることが好ましく、なかでもSUS、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって構成されていることが好ましい。なお、山側棒状部材25や谷側棒状部材26を金属によって構成させる場合には、腐食防止のために樹脂コーティングさせることが好ましい。
(3)エアフィルタ濾材30
エアフィルタ濾材30は、特に限定されないが、例えば、図5に示すように、捕集層31と、風上側支持材32と、風下側支持材33と、を有して構成されていてもよい。なお、図5では、ワイヤー部材40は省略している。この場合には、捕集層31の通気方向Fの風上側に風上側支持材32を設け、風下側に風下側支持材33を設けることができる。なお、風上側支持材32と、風下側支持材33と、はその両方を設ける必要は無く、いずれか一方だけ設けてもよい。
捕集層31としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを主成分として含むフッ素樹脂の多孔膜によって構成されていてもよいし、ガラス繊維等の無機繊維や有機合成繊維によって構成されていてもよいが、圧力損失を低減させる観点からフッ素樹脂の多孔膜によって構成されていることが好ましい。フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレンとしては、変性されたものであっても変性されていないものであってもよい。また、このような捕集層31は、単膜で用いてもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。この場合、複数枚の捕集層31は、同種のものであっても、異種のものであってもよい。エアフィルタ濾材30の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1μm以上100μm以下であり、より好ましくは1μm以上50μm以下である。また、エアフィルタ濾材30が捕集層31を有する場合の平均繊維径は、0.1μm以下であることが好ましい。
風上側支持材32や風下側支持材33は、捕集層31に対して接着された状態で用いられる。風上側支持材32や風下側支持材33は、通気性を有し、かつ捕集層31を支持できるものであれば特に限定されないが、不織布が好ましい。風上側支持材32や風下側支持材33の孔径は、捕集層31の孔径より大きいことが好ましい。
このような不織布としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維不織布、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維不織布、芯成分がPETで鞘成分がポリエチレン(PE)である芯鞘構造の不織布(PET/PE芯/鞘不織布)、芯成分がPETで鞘成分がPBTである芯鞘構造の不織布(PET/PBT芯/鞘不織布)、芯成分が高融点PETで鞘成分が低融点PETである芯鞘構造の不織布(高融点PET/低融点PET芯/鞘不織布)、PET繊維およびPBT繊維の複合繊維からなる不織布、高融点PET繊維および低融点PET繊維の複合繊維からなる不織布等が挙げられる。不織布としては、一種類若しくは複数種類を組み合わせて用いることができる。なお、不織布としては、熱融着性を有するものが好ましい。
風上側支持材32や風下側支持材33に用いられる不織布の目付は、特に限定されないが、通常10g/m2以上600g/m2以下、好ましくは15g/m2以上300g/m2以下、より好ましくは15g/m2以上100g/m2以下である。また、風上側支持材32や風下側支持材33に用いられる不織布の膜厚は、好ましくは0.10mm以上0.52mm以下である。
(4)ワイヤー部材40
ワイヤー部材40は、エアフィルタ濾材30よりも曲げ剛性が高く、エアフィルタ濾材30に沿うようにして複数の山折り部分30aおよび複数の谷折り部分30bに対して交わる方向に延びるように設けられる。
このワイヤー部材40は、使用時においてもプリーツ形状の膨らみを小さく抑制できるように、複数の山折り部分30aおよび複数の谷折り部分30bに対して直交するように設けられていることが好ましい。特に限定されないが、ワイヤー部材40は、エアフィルタ濾材30の山折り部分30aまたは谷折り部分30bの中心近傍を左右に延びるように設けられていることが好ましく、必要に応じて、互いに平行となるように複数本設けてもよい。なお、ワイヤー部材40を互いに平行となるように複数本設ける場合には、特に限定されないが、ワイヤー部材40同士の間隔を、例えば、山側棒状部材25同士の間隔または谷側棒状部材26同士の間隔より広くすることが好ましい。
ワイヤー部材40は、エアフィルタ濾材30の通気方向Fの風上側に設けられていてもよいし風下側に設けられていてもよい。また、ワイヤー部材40は、エアフィルタ濾材30に固定されていてもよいし固定されていなくてもよい。なお、例えば、図1に示すように、エアフィルタ濾材30に対して通気方向Fの風下側にワイヤー部材40を設ける場合には、ワイヤー部材40はエアフィルタ濾材30に対して固定させなくても、使用時におけるプリーツ形状の膨らみを抑制することができる。また、エアフィルタ濾材30に対して通気方向Fの風上側にワイヤー部材40を設ける場合には、ワイヤー部材40はエアフィルタ濾材30に対して接着剤等を用いて固定された状態で用いることができる。
また、ワイヤー部材40は、複数の山側棒状部材25と複数の谷側棒状部材26とによって引っ張られることにより張力が作用していることが好ましい。
なお、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30に設けられたワイヤー部材40は、プリーツ形状に沿うように湾曲しているが、ワイヤー部材40同士が接触する部分を有していないことが好ましい。エアフィルタ濾材30のプリーツ間隔は、ワイヤー部材40同士を接触させることなく、形成することができる。
なお、ワイヤー部材40は、エアフィルタ濾材30よりも曲げ剛性が高く、同程度曲げる際に必要な力が、エアフィルタ濾材30よりもワイヤー部材40の方が大きい。
ワイヤー部材40の材質は、特に限定されないが、金属製であることが好ましく、なかでもSUS、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって構成されていることが好ましい。なお、ワイヤー部材40を金属によって構成させる場合には、腐食防止のために樹脂コーティングさせることが好ましい。
ワイヤー部材40の断面は、円形であっても矩形であっても良いが、最大径が1mm以上2mm以下程度であることが好ましい。
(5)本実施形態の特徴
本実施形態のエアフィルタユニット1では、プリーツ状に折られたエアフィルタ濾材30は、複数の山側棒状部材25同士の配置間隔や複数の谷側棒状部材26同士の配置間隔を調節することにより、プリーツ間隔を調節することが可能になる。この複数の山側棒状部材25同士の配置間隔や複数の谷側棒状部材26同士の配置間隔の調節は、天板21の複数の山側挿入穴21aや谷側挿入穴21bや、底板22の複数の山側挿入穴22aや谷側挿入穴22bの左右方向における間隔を調節することにより調節可能である。
また、本実施形態のエアフィルタユニット1では、従来のようなプリーツ形状を構成する濾材同士の間に広がった支持壁等を用いることなく、棒状である山側棒状部材25と谷側棒状部材26を用いてエアフィルタ濾材30に張力を作用させて、エアフィルタ濾材30をプリーツ形状に維持させることが可能になっている。ここで、山側棒状部材25も谷側棒状部材26もいずれも棒状であり、使用時に空気を通過させる際の圧力損失を小さく抑えることが可能になっている。具体的には、従来のプリーツ形状を維持させるために濾材同士の間に支持壁を設ける場合と比較して、圧力損失を小さく抑えることが可能になっている。
ここで、エアフィルタ濾材30は、複数の山側棒状部材25や複数の谷側棒状部材26によって引っ張られることで、プリーツ形状を維持させることが可能であるが、図9の上面視図に示すように、エアフィルタユニット1の使用時に通気方向Fに空気を通過させた場合に、プリーツ形状が非使用時の実線の状態から使用時の点線の状態のようにプリーツ形状が膨らんでしまい、圧力損失が増大してしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のエアフィルタユニット1では、エアフィルタ濾材30に沿うようにワイヤー部材40が設けられているため、使用時におけるプリーツ形状の膨らみを小さく抑制し、圧力損失の増大を抑えることが可能になっている。
さらに、本実施形態のエアフィルタユニット1では、エアフィルタ濾材30が複数の山側棒状部材25や複数の谷側棒状部材26によって引っ張られており、プリーツ形状を保持させる程度の状態となっているため、使用時におけるプリーツ形状の膨らみを小さく抑制するために求められるワイヤー部材40の本数を少なくすることや太さを細くすることが可能になっている。
(6)他の実施形態
上記実施形態では、本発明の実施形態の一例を説明したが、上記実施形態はなんら本願発明を限定する趣旨ではなく、上記実施形態には限られない。本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更した態様についても当然に含まれる。
(6−1)他の実施形態A
上記実施形態では、エアフィルタ濾材30にテンションを掛けることができる位置に、複数の山側挿入穴21a、22aや谷側挿入穴21b、22bが設けられたケーシング20を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、図6に示すエアフィルタユニット201のように、ケーシング20の前側に枠体50を備え、ケーシング20と枠体50との距離を調節可能なボルト60が設けられたものであってもよい。そして、上記実施形態における天板21の複数の山側挿入穴21aや底板22の山側挿入穴22aは枠体50の上下に設けられており、エアフィルタ濾材30の山折り部分30aが複数の山側棒状部材25によって枠体50に対して固定されるように構成されている。
具体的には、枠体50は、エアフィルタユニット201の後面側開口を構成する枠部51と、枠部51の右に設けられた右軸受部52と左に設けられた左軸受部53とを有している。右軸受部52および左軸受部53には、前後方向を軸方向とするように後側に向いた円筒形状の開口が設けられており、螺子溝は設けられていない。
また、ケーシング20には、さらに、右側板23の後側の外側に固定された右側調節部23aと、左側板24の後側の外側に固定された図示しない左側調節部とが設けられている。これらの右側調節部23aと左側調節部は、軸方向を前後方向とするように内側に螺子溝が設けられた開口を有している。
ボルト60は、後側部分に右側調節部23aの螺子溝や左側調節部の螺子溝と螺合する螺子山60aが設けられており、前側部分には螺子山は設けられていない。ボルト60は、右側調節部23aの開口を通じて、前側部分が右軸受部52に支持されるように挿入される。また、左側についても同様であり、ボルト60が、図示しない左側調節部の開口を通じて、前側部分が左軸受部53に支持されるように挿入される。
以上の構成において、ボルト60を回すことによって、ケーシング20と枠体50との距離が調節される。これにより、エアフィルタ濾材30の山折り部分30aが枠体50に固定されており、エアフィルタ濾材30の谷折り部分30bがケーシング20に固定されているため、ケーシング20と枠体50との距離を調節可能となり、エアフィルタ濾材30に掛けられるテンションを調節することが可能になっている。
なお、複数の山側棒状部材25と複数の谷側棒状部材26との離間程度を調節する調節機構としては、上記エアフィルタユニット201が備える枠体50、ボルト60、右側調節部23aと左側調節部等に限られず、例えば、ボルト60の代わりに、上記エアフィルタユニット201の枠体50における右軸受部52(または左軸受部53)と右側調節部23a(または左側調節部)との距離を広げるように弾性力を作用させるバネ等の弾性部材を用いるようにしてもよい。
(6−2)他の実施形態B
上記実施形態では、エアフィルタ濾材30に対してワイヤー部材40を設ける場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、図7に示すように、エアフィルタ濾材30の風上側もしくは風下側のいずれかに対して樹脂塗料を塗布することで、エアフィルタ濾材30に対して樹脂塗布部70を形成するようにしてもよい。特に限定されないが、樹脂塗布部70は、エアフィルタ濾材30単体の曲げ剛性と、樹脂塗布部70とエアフィルタ濾材30の一体化物の曲げ剛性と、を比較した場合に、樹脂塗布部70とエアフィルタ濾材30の一体化物の曲げ剛性がエアフィルタ濾材30単体の曲げ剛性の2倍以上になるものであることが好ましく、5倍以上になるものであることがより好ましい。
具体的には、エアフィルタ濾材30単体と、樹脂塗布部70とエアフィルタ濾材30とが一体化されたものと、のそれぞれについて、サイズ150mm×20mmの長尺状の試験サンプルを切り出し、この試験サンプルを用いて曲げ剛性を測定することができる。そして、この試験サンプルを、試験サンプルの長手方向の一端から40mmの範囲の領域を押さえ代にして水平の台から水平方向に突出させて静置し、このときの突出長さ110mmを測定長さとして、水平の台から自重により垂れ下がった垂直方向の変位を測定する。そして、この変位および下記式により曲げ剛性を算出することができる。
曲げ剛性[g重・mm]=試験サンプルの目付け×(測定長さ)4/(8×変位)
この場合であっても、使用時のプリーツ形状の膨らみを小さく抑制させることができる。
なお、樹脂塗布部70の材質としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系材料等が挙げられる。
樹脂塗布部70の形成方法としては、エアフィルタ濾材30をプリーツ形状とする前の段階でスプレーやノズル等を用いてエアフィルタ濾材30に塗布することが挙げられる。そして、塗布後の樹脂塗布部70が形成されたエアフィルタ濾材30を、樹脂が乾く前の段階でプリーツ形状に折り込むようにしてもよい。そして、このようにプリーツ形状に折り込まれた樹脂塗布部70およびエアフィルタ濾材30に対して上記実施形態に記載のようにテンションを掛けるようにケーシング20に装着してもよい。
また、樹脂塗布部70をエアフィルタ濾材30に塗布して設ける場合には、圧力損失の上昇程度を小さく抑える観点から、例えば、塗布量を20g/m2以下とすることが好ましい。
なお、樹脂塗布部70は、エアフィルタ濾材30の全面を覆うように設けられる必要は無く、プリーツ形状となったエアフィルタ濾材30の複数の山折り部分30aおよび複数の谷折り部分30bに交差する方向に連続して延びるように設けられることが好ましく、複数の山折り部分30aおよび複数の谷折り部分30bの長手方向に平行な方向に連続して延びるように設けられていなくてもよい。
(6−3)他の実施形態C
上記実施形態では、エアフィルタ濾材30に対してワイヤー部材40を設ける場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、図8に示すように、ワイヤー部材40の代わりに、エアフィルタ濾材30に対して、エアフィルタ濾材30に付与されるテンションと同じテンションが付与された場合において、テンションが掛けられる方向における伸びがエアフィルタ濾材30よりも小さく、エアフィルタ濾材30に沿うように設けられる布部材80を用いるようにしてもよい。
布部材80は、テンションが掛けられる方向に伸びた縦糸81を有しており、当該縦糸81に対して交わるように伸びた横糸82を任意に有している。これらの縦糸81と横糸82とは、接着されることで一体化されていてもよい。
布部材80は、エアフィルタ濾材30に対して風上側に設けられていてもよいし、風下側に設けられていてもよいし、その両方に設けられていてもよいが、エアフィルタ濾材30に対して例えば接着剤を用いて固定されている。
このようにエアフィルタ濾材30に固定された布部材80は、上記実施形態のように山側棒状部材25と谷側棒状部材26を用いて作用させるように設置した場合に、使用時におけるプリーツ形状の膨らみを小さく抑えることができる。このため、使用時の圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
また、エアフィルタ濾材30だけでなく、伸びにくい布部材80が設けられることにより、より強い張力を作用させることが可能になるため、使用時のプリーツ形状の変形をより小さく抑え、圧力損失の増大を抑制することが可能になる。
なお、上述のような布部材80としては、布部材80は、ケーシング20にセットされて張力が作用している状態で弾性領域である部材によって構成されていることが好ましい。これにより、使用期間が長くなっても、プリーツ形状の膨らみを抑制させる効果を持続させやすい。なお、ケーシング20にセットされている状態で布部材80を弾性領域とすることが可能な張力を作用させることができるように、ケーシング20の天板21において複数の山側挿入穴21aと複数の谷側挿入穴21bを設ける位置や、底板22において複数の山側挿入穴22aと複数の谷側挿入穴22bを設ける位置を調節して、複数の山側棒状部材25と複数の谷側棒状部材26とによって布部材80に張力を作用させることが好ましい。
また、布部材80は、30N/mmの張力を作用させた場合の張力作用方向の伸びが2%以上15%以下であり、好ましくは3%以上10%以下である。さらに、布部材80は、張力作用方向における長さが290mmであり張力作用方向に直交する方向の長さが60mmである矩形の試験片に対して、張力作用方向に30N/mmの張力を作用させた状態で、試験片の中心において面に垂直な方向に向けて直径1.3cmの円内の領域に2.6Nの力を作用させた場合の当該鉛直方向の変位が、山側棒状部材25同士の間隔の45%以下であり、好ましくは30%以下である。この場合には、プリーツ形状の膨らみをより効果的に小さく抑えることが可能になる。
なお、布部材80の試験片として、張力作用方向における長さが290mmであり、張力作用方向に垂直な方向の幅が60mmである矩形の試験片を用意した場合において、当該試験片の張力作用方向に1.8kNの力を作用させた状態で、試験片の中心において面に垂直な方向に向けて直径1.3cmの円内の領域に2.6Nの荷重をかけた場合の鉛直方向の変位が、2.4mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましい。
なお、以上のような布部材80の材料としては、布部材による圧力損失を低減させるため繊維繊度あたりの強度が高い材料が好ましく、例えば、芳香族ポリアミド系樹脂が好ましく、例えば、ケブラー(登録商標)を例示することができる。このようなケブラーとしては、例えば、東レ・デュポン株式会社製ケブラー(登録商標)29、3300dtex−1333fが挙げられる。
なお、布部材80の例としては、東レ・デュポン株式会社製芳香族ポリアミド繊維ケブラー(登録商標)29 3300dtex−1333fを原糸として用いた、ファイベックス株式会社製AKM-5/5というメッシュ織物や、東洋紡株式会社製高分子量ポリエチレン繊維ダイニーマ(登録商標)SK60 440T−390fを原糸として用い、縦糸が3.4本/cm設けられており、横糸が3.4本/cm設けられているメッシュ織物が挙げられる。
なお、上記布部材80を設けることにより、エアフィルタ濾材30を構成している風上側支持材32や風下側支持材33を省略してもよい。
(6−4)他の実施形態D
上記実施形態や他の実施形態では、エアフィルタ濾材30に対してワイヤー部材40のみを設ける場合や、樹脂塗布部70のみを設ける場合や、布部材80のみを設ける場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、ワイヤー部材40と樹脂塗布部70を組み合わせてエアフィルタ濾材30に設けてもよいし、ワイヤー部材40と布部材80を組み合わせてエアフィルタ濾材30に設けてもよいし、樹脂塗布部70と布部材80を組み合わせてエアフィルタ濾材30に設けてもよいし、ワイヤー部材40と樹脂塗布部70と布部材80を組み合わせてエアフィルタ濾材30に設けてもよい。
本発明のエアフィルタユニットは、例えば、半導体産業機器、クリーンルーム、タービン等の産業用機器もしくは設備、エアコン、換気扇、掃除機等の家庭用機器、オフィスビル、病院、製薬工場、食品工場等の空調設備等に好ましく用いることができる。
1 エアフィルタユニット
20 ケーシング
25 山側棒状部材
26 谷側棒状部材
30 エアフィルタ濾材
30a 山折り部分
30b 谷折り部分
31 捕集層
32 通気性支持材
40 ワイヤー部材
70 樹脂塗布部
80 布部材
201 エアフィルタユニット

Claims (7)

  1. 複数の山折り部分(30a)と複数の谷折り部分(30b)を有し、プリーツ状であるエアフィルタ濾材(30)と、
    複数の前記山折り部分それぞれに沿うように延びた複数の山側棒状部材(25)と、
    複数の前記谷折り部分それぞれに沿うように延びた複数の谷側棒状部材(26)と、
    を備え、
    複数の前記山側棒状部材は、複数の前記山折り部分を複数の前記谷折り部分から遠ざけるように複数の前記山折り部分に力を作用させており、
    複数の前記谷側棒状部材は、複数の前記谷折り部分を複数の前記山折り部分から遠ざけるように複数の前記谷折り部分に力を作用させている、
    エアフィルタユニット(1、201)。
  2. 複数の前記山側棒状部材と複数の前記谷側棒状部材との離間程度を調節する調節機構をさらに備えている、
    請求項1に記載のエアフィルタユニット(201)。
  3. 前記エアフィルタ濾材よりも曲げ剛性が高く、前記エアフィルタ濾材に沿うようにして複数の前記山折り部分および/または複数の前記谷折り部分に対して交わる方向に延びているワイヤー部材(40)をさらに備えた、
    請求項1または2に記載のエアフィルタユニット。
  4. 前記エアフィルタ濾材に対して設けられた樹脂塗布部(70)をさらに備えた、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のエアフィルタユニット。
  5. 複数の前記山側棒状部材と複数の前記谷側棒状部材による前記力が作用している状態における前記力が作用していない状態からの伸びであって、前記力の作用方向における伸びが、前記エアフィルタ濾材よりも小さく、前記エアフィルタ濾材に沿うように設けられた布部材(80)をさらに備えた、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のエアフィルタユニット。
  6. 前記布部材は、
    複数の前記山側棒状部材が複数の前記山折り部分に力を作用させており複数の前記谷側棒状部材が複数の前記谷折り部分に力を作用させている状態で、弾性領域であり、
    30N/mmの張力を作用させた場合の張力作用方向における伸びが2%以上15%以下であり、
    前記張力作用方向における長さが290mmであり前記張力作用方向に直交する方向の長さが60mmである矩形の試験片に対して、前記張力作用方向に30N/mmの張力を作用させた状態で、前記試験片の中心において面に垂直な方向に向けて直径1.3cmの円内の領域に2.6Nの力を作用させた場合の当該鉛直方向の変位が、前記山側棒状部材同士の間隔の45%以下である、
    請求項5に記載のエアフィルタユニット。
  7. 前記山側棒状部材および/または前記谷側棒状部材は、長手方向に沿う方向から見た場合に、前記山折り部分同士が並ぶ方向または前記谷折り部分同士が並ぶ方向における幅よりも、複数の前記山折り部分と複数の前記谷折り部分とが並ぶ方向における幅の方が長い、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のエアフィルタユニット。
JP2016011044A 2016-01-22 2016-01-22 エアフィルタユニット Pending JP2017127847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016011044A JP2017127847A (ja) 2016-01-22 2016-01-22 エアフィルタユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016011044A JP2017127847A (ja) 2016-01-22 2016-01-22 エアフィルタユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017127847A true JP2017127847A (ja) 2017-07-27

Family

ID=59394217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016011044A Pending JP2017127847A (ja) 2016-01-22 2016-01-22 エアフィルタユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017127847A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018146186A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 マルキタフーズ株式会社 農産物等の鮮度保持装置
JP2019098237A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 三菱重工業株式会社 フィルタ装置
KR102075662B1 (ko) * 2019-10-22 2020-02-10 삼성엔지니어링 주식회사 공기 필터
KR20210097533A (ko) * 2020-01-30 2021-08-09 삼성엔지니어링 주식회사 공기 필터용 여재, 공기 필터 및 공기 필터의 차압 조절 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018146186A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 マルキタフーズ株式会社 農産物等の鮮度保持装置
JP2019098237A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 三菱重工業株式会社 フィルタ装置
KR102075662B1 (ko) * 2019-10-22 2020-02-10 삼성엔지니어링 주식회사 공기 필터
KR20210097533A (ko) * 2020-01-30 2021-08-09 삼성엔지니어링 주식회사 공기 필터용 여재, 공기 필터 및 공기 필터의 차압 조절 방법
KR102363766B1 (ko) * 2020-01-30 2022-02-16 삼성엔지니어링 주식회사 공기 필터용 여재, 공기 필터 및 공기 필터의 차압 조절 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017127847A (ja) エアフィルタユニット
US10441909B2 (en) Filter media including oriented fibers
US8118902B2 (en) Filtering medium and filter unit
EP3563922B1 (en) Air filter with tensile support member
US9186608B2 (en) Process for forming a high efficiency nanofiber filter
KR20140125443A (ko) 혼방 부직포, 필터 여과재 및 필터 유닛
WO2004041408A1 (en) High capacity hybrid multi-layer automotive air filter
WO2012137303A1 (ja) 集塵用フィルタ、それを備えた集塵装置、及び、集塵用フィルタの製造方法
JP2013500150A (ja) Hepa効率および臭気制御のためのptfeフィルムおよびカーボンウェブを用いたフィルター媒体構築物
WO2006014182A1 (en) Fluid filter
US10835851B2 (en) Filter devices methods and system
JP6399069B2 (ja) エアフィルタ濾材、エアフィルタパック、およびエアフィルタユニット
CN113039002A (zh) 具有不规则结构的过滤介质
JP2011088069A (ja) エアフィルター
JP2009154134A (ja) 油捕集用フィルタ
JP6127411B2 (ja) エアフィルタ
JP2004051037A (ja) 鉄道車両用エアフィルター
JP6607712B2 (ja) 空気浄化装置
JP7415919B2 (ja) 濾材及びフィルターユニット
JP2013252468A (ja) 捕集ネット
JP4068034B2 (ja) エアフィルター及び空気調和機
JP2019025380A (ja) エアフィルタユニット、プリーツ用エアフィルタ濾材シート、および、エアフィルタユニットの製造方法
JP5253212B2 (ja) フィルタエレメント
JP2004209470A (ja) エアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルター
JP6788460B2 (ja) 濾材交換型フィルタ