JP2017126731A - ペロブスカイト太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペロブスカイト太陽電池には、さらなる耐久性の向上が求められている。
【解決手段】第1の集電極と、第1の集電極上に配置され、半導体を含む電子輸送層と、電子輸送層上に配置され、Aを1価のカチオンとし、Bを2価のカチオンとし、Xをハロゲンアニオンとしたとき、組成式ABX3で示されるペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、光吸収層上に配置され、正孔輸送材料を含み、前記正孔輸送材料の酸化部位のモル数Cと前記正孔輸送材料の還元部位のモル数Dとが
0.1≦100C/(C+D)≦1.1 (1)
を満たす正孔輸送層と、正孔輸送層の上に配置される第2の集電極とを備えるペロブスカイト太陽電池。
【選択図】図1

Description

本開示は、ペロブスカイト太陽電池に関する。
近年、組成式ABX3(Aは1価のカチオン、Bは2価のカチオン、Xはハロゲンアニオン)で示されるペロブスカイト型結晶、およびその類似の構造体を光吸収材料として用いた、ペロブスカイト太陽電池の研究開発が進められている。非特許文献1には、光吸収層としてCH3NH3PbI3ペロブスカイト層を用い、正孔輸送材料としてSpiro- OMeTAD(2,2',7,7'-テトラキス (N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン)を用いたペロブスカイト太陽電池が開示されている。非特許文献1では、正孔輸送層に、正孔輸送材料であるSpiro−OMeTADを用いている。そして、コバルト錯体を10mol%ドープすることによって、Spiro−OMeTADの一部を酸化させている。これにより、正孔輸送層の導電性を向上させ、変換効率を向上させている。
Julian Burschka、他6名、"Nature"(米国)、2013年7月、第499号、p.316−320
ペロブスカイト太陽電池には、さらなる耐久性の向上が求められている。
本開示のペロブスカイト太陽電池は、第1の集電極と、第1の集電極上に配置され、半導体を含む電子輸送層と、電子輸送層上に配置され、Aを1価のカチオンとし、Bを2価のカチオンとし、Xをハロゲンアニオンとしたとき、組成式ABX3で示されるペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、光吸収層上に配置され、正孔輸送材料を含み、前記正孔輸送材料の酸化部位のモル数Cと前記正孔輸送材料の還元部位のモル数Dとが
0.1≦100C/(C+D)≦1.1 (1)
を満たす正孔輸送層と、正孔輸送層の上に配置される第2の集電極と、を備える。
なお、包括的又は具体的な態様は、素子、デバイス、システム、集積回路、及び方法で実現されてもよい。また、包括的又は具体的な態様は、素子、デバイス、システム、集積回路、及び方法の任意な組み合わせで実現されてもよい。
開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書および図面から明らかになる。効果および/または利点は、明細書および図面に開示の様々な実施形態や特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
本開示のある実施形態によれば、高い耐久性を有するペロブスカイト太陽電池を提供することが可能である。
第1の実施の形態に係るペロブスカイト太陽電池の断面図。 第2の実施の形態に係るペロブスカイト太陽電池の断面図。 実施例2のペロブスカイト太陽電池の正孔輸送層の加熱試験前および加熱試験後の紫外・可視吸収スペクトルを示す図。
本開示の実施の形態を説明する前に、本発明者によって得られた知見を説明する。
非特許文献1に開示されるペロブスカイト太陽電池においては、正孔輸送層中にコバルト錯体を10mol%と多く存在させることにより、正孔輸送材料内に酸化部位を生じさせ、それによって高い変換効率を示す太陽電池を得ていた。しかし、正孔輸送材料の酸化部位は、時間の経過と共に還元部位へと戻ってしまう。そのため、ペロブスカイト太陽電池の変換効率は、時間の経過に伴って大きく低下してしまっていた。
一方、本開示の一様態の構成によれば、正孔輸送層において、正孔輸送材料内の酸化部位の存在比が適切に制御されている。これにより、変換効率が高く、かつ、耐久性が高いペロブスカイト太陽電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態に係るペロブスカイト太陽電池100では、基板1上に、第1の集電極2と、電子輸送層3と、光吸収層4と、正孔輸送層5と、第2の集電極6とが、この順に積層されている。電子輸送層3は、半導体を含む。光吸収層4は、組成式ABXで示されるペロブスカイト化合物を含む。ただし、Aは1価のカチオンであり、Bは2価のカチオンであり、Xはハロゲンアニオンである。正孔輸送層5は正孔輸送材料を含む。正孔輸送材料は酸化還元部位を有する。酸化還元部位は、酸化されることにより酸化部位となり、還元されることにより還元部位となる。正孔輸送材料の酸化部位のモル数をCとし、正孔輸送材料の還元部位のモル数をDとすると、各モル数は式(1)を満たす。
0.1≦100C/(C+D)≦1.1 (1)
なお、ペロブスカイト太陽電池100は、基板1を省略してもよい。
次に、本実施形態のペロブスカイト太陽電池100の、基本的な作用効果を説明する。
ペロブスカイト太陽電池100に光が照射されると、光吸収層4が光を吸収し、励起された電子と、正孔とを発生させる。この励起された電子は、電子輸送層3に移動する。一方、光吸収層4で生じた正孔は、正孔輸送層5に移動する。電子輸送層3は第1の集電極2に接続され、正孔輸送層5は第2の集電極6に接続されている。これにより、ペロブスカイト太陽電池100は、負極としての第1の集電極2と、正極としての第2の集電極6とから、電流を取り出すことができる。
また、正孔輸送層5の酸化部位のモル数Cと還元部位のモル数Dとが式(1)を満たす。したがって、正孔輸送層5において、正孔輸送材料の酸化部位のモル数は、正孔輸送材料の還元部位のモル数に比べてかなり少なくなる。これにより、長時間使用後もペロブスカイト太陽電池の変換効率の低下を小さくすることができる。したがって、耐久性の高いペロブスカイト太陽電池を提供することができる。
本実施形態のペロブスカイト太陽電池100は、例えば以下の方法によって作製することができる。
まず、基板1の表面に第1の集電極2を、Chemical Vapor Deposition(CVD)、スパッタ法などにより形成する。次に、第1の集電極2上に、電子輸送層3、光吸収層4、正孔輸送層5、第2の集電極6を、この順に塗布法などによって形成する。
以下、ペロブスカイト太陽電池100の各構成要素について、具体的に説明する。
[基板1]
基板1は、付随的な構成要素である。基板1は、ペロブスカイト太陽電池100の各層を物理的に保持する役割を果たす。
基板1は、透光性を有してもよい。例えば、ガラス基板またはプラスチック基板(プラスチックフィルムを含む)を用いることができる。また、第2の集電極6が透光性を有している場合には、基板1は透光性を有さなくてもよい。すなわち、基板1を透明でない材料を用いて形成することができる。例えば、金属、セラミックス、樹脂材料を用いることができる。
また、例えば、第1の集電極2が十分な強度を有している場合、第1の集電極2によって各層を保持できるので、基板1を用いなくてもよい。
[第1の集電極2および第2の集電極6]
第1の集電極2および第2の集電極6は、導電性を有する。また、第1の集電極2および第2の集電極6のうち、少なくともいずれか一方は透光性を有する。例えば、可視光から近赤外光の範囲の光を透過する。以下、「第1の集電極2および第2の集電極6」をまとめて「集電極」と称することがある。
透光性を有する集電極は、例えば、透明であり導電性を有する金属酸化物を用いて形成することができる。このような金属酸化物としては、例えば、インジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムをドープした酸化亜鉛あるいはこれらの複合物が挙げられる。
また、透光性を有する集電極は、開口部を有するパターン状に形成された電極であってもよい。このようなパターンとしては、例えば、線状(ストライプ状)、波線状、格子状(メッシュ状)、パンチングメタル状(多数の微細な貫通孔が規則的または不規則に配列された様子をいう。)、または、これらとはネガ・ポジが反転したパターンが挙げられる。集電極をパターン状に形成することにより、開口部を光が透過することができる。集電極の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、チタン、鉄、ニッケル、スズ、亜鉛、またはこれらのいずれかを含む合金であってもよい。また、導電性を有する炭素材料であってもよい。
透光性を有する集電極は、光の透過率が、例えば50%以上であってもよく、80%以上であってもよい。集電極が透過すべき光の波長は、光吸収層4の吸収波長に依存する。集電極の厚さは、例えば、1nm〜1000nmである。
第1の集電極2および第2の集電極6のうち、いずれか一方が透光性を有する場合、他方は透光性を有さなくてもよい。その場合、透光性を有さない集電極は、透明でない電極材料を用いて形成することができる。また、上記したようなパターン状に設ける必要はない。
[電子輸送層3]
電子輸送層3は、半導体を含む。特に、バンドギャップが3.0eV以上の半導体が好ましい。バンドギャップが3.0eV以上の半導体で電子輸送層3を形成することにより、可視光や赤外光を光吸収層4まで透過させることができる。半導体の例としては、有機や無機のn型半導体が挙げられる。
有機のn型半導体としては、例えば、イミド化合物、キノン化合物、フラーレンおよびその誘導体が挙げられる。また無機のn型半導体としては、例えば、金属元素の酸化物、ペロブスカイト酸化物が挙げられる。金属元素の酸化物としては、例えば、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Crの酸化物が挙げられる。より具体的な例として、TiOが挙げられる。ペロブスカイト酸化物の例としては、SrTiO、CaTiOが挙げられる。
また、電子輸送層3は、バンドギャップが6eVよりも大きな物質によって形成されていてもよい。バンドギャップが6eVよりも大きな物質としては、例えば、フッ化リチウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物、フッ化カルシウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、二酸化ケイ素が挙げられる。この場合、電子輸送層3の電子輸送性を確保するために、電子輸送層3の厚みは、10nm以下であってもよい。電子輸送層3は、互いに異なる材料からなる複数の層を含んでいてもよい。
[光吸収層4]
光吸収層4は、組成式ABX3で示されるペロブスカイト構造を有する化合物を、光吸収材料として含む。Aは1価のカチオンである。Aの例としては、アルカリ金属カチオンや有機カチオンのような1価のカチオンが挙げられる。具体的には、メチルアンモニウムカチオン(CHNH )、ホルムアミジニウムカチオン(NHCHNH )、セシウムカチオン(Cs)が挙げられる。Bは2価のカチオンである。Bの例としては、遷移金属元素や第13族元素〜第15族元素の2価のカチオンである。具体的には、Pb2+、Ge2+、Sn2+が挙げられる。Xはハロゲンアニオンなどの1価のアニオンである。A、B、Xのそれぞれのサイトは、複数種類のイオンによって占有されていてもよい。ペロブスカイト構造を有する化合物の具体例としては、CH3NH3PbI3、NH2CHNH2PbI3、CH3CH2NH3PbI3、CH3NH3PbBr3、CH3NH3PbCl3、CsPbI3、CsPbBr3が挙げられる。
光吸収層4の厚みは、その光吸収の大きさにもよるが、一例としては100nm〜1000nmである。光吸収層4は、溶液による塗布法や、共蒸着法などを用いて形成することができる。
また、光吸収層4は、電子輸送層3または正孔輸送層5と、境界において一部で混在していてもよい。
[正孔輸送層5]
正孔輸送層5は、正孔輸送材料を含む。正孔輸送材料は、酸化部位または還元部位を有する。正孔輸送材料は、例えば芳香族アミン誘導体である。芳香族アミン誘導体の例を、(化1)に示す。
(化1)中、Ar、Ar、Ar3はそれぞれ置換もしくは未置換のアリール基またはヘテロアリール基、複素環基を表す。Ar、Ar、Arは、互いに連結して環状構造を形成しても良い。正孔輸送材料の分子量は特に限定されない。正孔輸送材料は、高分子体であってもよい。これらの芳香族アミン誘導体は、π共役系が空間的に広がっている構造を有する。そのため、分子を積層させた際のπ電子雲の重なりが大きいので、分子間の電子移動が容易に起きる。したがって、これらの芳香族アミン誘導体を用いて正孔輸送層を形成すると、高い正孔輸送性を有することができる。
芳香族アミン誘導体の具体例としては、分子内にトリアリールアミン構造を有する、トリアリールアミン化合物があげられる。トリアリールアミン化合物の例を、(1)〜(8)に示す。Ar〜Ar40は、それぞれ置換もしくは未置換のアリール基、複素環基を表す。Ar〜Ar40は、互いに連結して環状構造を形成しても良い。n1、n2は1〜6の自然数であり、n3は30〜100の自然数である。
トリアリールアミン化合物のより具体的な例を、(9)〜(15)に示す。
正孔輸送材料の酸化部位は、正孔輸送材料を酸化処理することによって生じさせることができる。酸化処理の例としては、正孔輸送材料に酸化剤を混合して接触させる方法が挙げられる。酸化処理に用いる酸化剤としては、酸化還元電位が、還元された状態の正孔輸送材料のHOMO準位よりも貴であるものを用いる。例えば、正孔輸送材料がSpiro
−OMeTADである場合には、そのHOMO準位である−5.0eVよりも、酸化還元電位が貴であるものを用いる。正孔輸送材料がSpiro−OMeTADである場合、酸化剤の例としては、酸素、コバルト錯体が挙げられる。
正孔輸送層5の膜厚は、1nm以上1000nm以下であることが望ましく、100nm以上500nm以下であることがより望ましい。膜厚がこの範囲内にあれば、十分な正孔輸送性を発現できる。また、低抵抗を維持できるので、高い発電効率を得ることができる。
正孔輸送層5の形成方法は、塗布法または印刷法を採用することができる。塗布法としては、例えば、ドクターブレード法、バーコート法、スプレー法、ディップコーティング法、スピンコート法が挙げられる。印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法が挙げられる。また、混合物の膜を加圧、もしくは焼成するなどしてもよい。また、正孔輸送材料が有機の低分子体や無機半導体である場合には、例えば、真空蒸着法によって正孔輸送層5を作製することも可能である。
正孔輸送層5は、支持電解質および溶媒を含んでいてもよい。
支持電解質としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩を用いることができる。アンモニウム塩としては、例えば、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、六フッ化リン酸テトラエチルアンモニウム、イミダゾリウム塩やピリジニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸カリウムが挙げられる。
正孔輸送層5に含まれる溶媒は、イオン伝導性に優れるものが望ましい。水系溶媒および有機溶媒のいずれも使用できるが、有機溶媒の方が溶質をより安定化させるため望ましい。有機溶媒の例としては、カーボネート化合物、エステル化合物、エーテル化合物、複素環化合物、ニトリル化合物、非プロトン性極性化合物が挙げられる。カーボネート化合物の例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが挙げられる。エステル化合物の例としては、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトンが挙げられる。エーテル化合物の例としては、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランが挙げられる。複素環化合物の例としては、3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−メチルピロリドンが挙げられる。ニトリル化合物の例としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルが挙げられる。非プロトン性極性化合物の例としては、スルフォラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドが挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合して用いることもできる。上記した中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、γ―ブチロラクトン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、吉草酸ニトリル等のニトリル化合物が望ましい。
また、溶媒としてイオン液体を、単独で、または他種の溶媒に混合して用いてもよい。イオン液体は、揮発性が低く、難燃性が高い点で望ましい。
イオン液体としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレートなどイミダゾリウム系、ピリジン系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、アゾニウムアミン系のイオン液体を挙げることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係るペロブスカイト太陽電池200は、第1の実施の形態に係るペロブスカイト太陽電池100と、多孔質層7を付け加えた点で異なる。
以下、ペロブスカイト太陽電池素子200について説明する。第1の実施の形態のペロブスカイト太陽電池素子100について説明したものと同一の機能および構成を有する構成要素は、共通する符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、本実施の形態に係る太陽電池200では、基板1上に、第1の集電極2と、電子輸送層3と、多孔質層7と、光吸収層24と、正孔輸送層5と、第2の集電極6とが、この順に積層されている。多孔質層7は、電子輸送層3と光吸収層24の間に配置される。多孔質層7は、多孔質体を含む。
ペロブスカイト太陽電池200は、基板1を省略してもよい。
次に、本実施形態のペロブスカイト太陽電池200の、基本的な作用効果を説明する。
ペロブスカイト太陽電池200の動作は、第1の実施の形態のペロブスカイト太陽電池100と同様である。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、多孔質層7を設けたことにより、光吸収層24の材料が多孔質層7の孔に侵入する。つまり、多孔質層7内部の空孔は、光吸収層24の材料によって充填される。それによって、光吸収層24の表面積を大きくすることができ、より多くの光を光吸収層24に吸収させることができる。
本実施形態のペロブスカイト太陽電池200は、ペロブスカイト太陽電池100と同様の方法によって作製することができる。多孔質層7は、電子輸送層3の上に、例えば、塗布法を用いて形成する。
以下、ペロブスカイト太陽電池200の各構成要素について、具体的に説明する。
[多孔質層7]
多孔質層7は、光吸収層24を形成する際の土台となる。多孔質層7は、光吸収層24の光吸収や、光吸収層24から電子輸送層3への電子移動を阻害しない。
多孔質層7は、多孔質体を含む。多孔質体としては、例えば、絶縁性または半導体性の粒子が連なった多孔質体が挙げられる。絶縁性の粒子としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素の粒子を用いることができる。半導体粒子としては、無機半導体粒子を用いることができる。無機半導体としては、金属元素の酸化物、金属元素を含むペロブスカイト型酸化物、金属元素の硫化物、金属カルコゲナイドを用いることができる。金属元素の酸化物の例としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Crの酸化物が挙げられる。より具体的な例としては、TiOが挙げられる。金属元素のペロブスカイト酸化物の例としては、SrTiO、CaTiOが挙げられる。金属元素の硫化物の例としては、CdS、ZnS、In、PbS、MoS、WS、Sb、Bi、ZnCdS、CuSが挙げられる。金属カルコゲナイドの例としては、CdSe、InSe、WSe、HgS、PbSe、CdTeが挙げられる。
多孔質層7の厚さは、0.01μm以上10μm以下が望ましく、0.1μm以上1μm以下がさらに望ましい。また、多孔質層7の表面粗さは、大きい方が望ましい。具体的
には、実効面積/投影面積で与えられる表面粗さ係数が10以上であることが望ましく、100以上であることがさらに望ましい。なお、投影面積とは、物体を真正面から光で照らしたときに、後ろにできる影の面積である。実効面積とは、物体の実際の表面積のことである。実効面積は、物体の投影面積および厚さから求められる体積と、物体を構成する材料の比表面積および嵩密度とから計算することができる。
[光吸収層24]
第1の実施の形態に係る光吸収層4と同様の構成とすることができる。
以下、本開示を実施例によって具体的に説明する。実施例1〜3および比較例1〜2のペロブスカイト太陽電池を作製し、特性を評価した。評価結果は、表1にまとめて示す。
[実施例1]
図2に示したペロブスカイト太陽電池200と同じ構造を有するペロブスカイト太陽電池を作製した。作製工程に関しては、後述する第2の集電極6の作製以外は、すべて大気中で行った。各構成要素は、以下の通りである。
基板1:ガラス基板 厚さ0.7mm
第1の集電極2:フッ素ドープSnO層(表面抵抗10Ω/sq.)
電子輸送層3:酸化チタン 30nm
多孔質層7:多孔質酸化チタン 200nm
光吸収層24: CH3NH3PbI3 300nm
正孔輸送層5:Spiro-OMeTAD(Merck社製) 300nm
第2の集電極6:金 80nm
実施例1のペロブスカイト太陽電池は、以下のようにして作製した。
基板1および第1の集電極2として、フッ素ドープSnO2層が形成された厚さ1mmの導電性ガラス基板(日本板硝子製)を用いた。
第1の集電極2上に、スパッタ法により、電子輸送層3として厚さが約30nmの酸化チタン層を形成した。
次に平均1次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させ、酸化チタンペーストを作製した。
電子輸送層3の上に酸化チタンペーストを塗布して乾燥し、さらに500℃で30分間、空気中で焼成した。これによって、多孔質層7として、厚さが0.2μmの多孔質酸化チタン層を形成した。
次に、PbI2を1mol/L、ヨウ化メチルアンモニウムを1mol/Lの濃度で含むDMSO(ジメチルスルホキシド)溶液を作製した。この溶液を多孔質層7上にスピンコートし、130℃のホットプレート上で熱処理した。これによって、光吸収層24として、CHNHPbIペロブスカイト層を形成した。
次に、Spiro-OMeTADを60mmol/Lの濃度で含み、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド)を30mmol/Lの濃度で含み、tBP(tert-ブチルピリジン)を200mmol/Lの濃度で含むクロロベンゼン溶液を作製した。この溶液を光吸収層24上にスピンコートし、正孔輸送層5を作製した。
最後に、正孔輸送層5上に金を80nm蒸着し、第2の集電極6を作製した。
[実施例2]
実施例1のペロブスカイト太陽電池の作製工程において、作製工程の全てをグローブボックス内で実施した。グローブボックス内の環境は、不活性ガスである窒素ガス雰囲気とし、かつ露点が−30℃よりも低い環境とした。また、正孔輸送層5の材料である溶液中に、Co錯体(FK209:dyesol社製)を、0.3mmol/Lの濃度で加えて正孔輸送層5を作製した。正孔輸送層5の材料溶液の使用量は、実施例1と同量とした。
[実施例3]
実施例1のペロブスカイト太陽電池の作製工程において、正孔輸送層5の材料である溶液中に、Co錯体(FK209)を、0.6mmol/Lの濃度で加えて正孔輸送層5を作製した。正孔輸送層5の材料溶液の使用量は、実施例1と同量とした。
[比較例1]
実施例2のペロブスカイト太陽電池の作製工程において、正孔輸送層5の材料である溶液中のCo錯体(FK209)の濃度を、0.03mmol/Lに変更して正孔輸送層5を作製した。正孔輸送層5の材料溶液の使用量は、実施例1と同量とした。
[比較例2]
実施例2のペロブスカイト太陽電池の作製工程において、正孔輸送層5の材料である溶液中のCo錯体(FK209)の濃度を、3mmol/Lに変更して正孔輸送層5を作製した。正孔輸送層5の材料溶液の使用量は、実施例1のペロブスカイト太陽電池と同量とした。
[変換効率の測定]
ソーラーシミュレータを用いて、100mW/cmの照度の光をペロブスカイト太陽電池に照射した。電流−電圧特性が安定した後、電流−電圧特性を測定して変換効率を求め、これを初期変換効率とした。また、初期変換効率を測定した後、温度85℃で1000時間加熱試験を行った。加熱試験後の変換効率も、電流−電圧特性の測定により求めた。初期変換効率に対する、加熱試験後の変換効率の割合を、維持率として算出した。
[ドープ率の測定]
正孔輸送層5中のドープ率は、紫外・可視分光測定(UV−Vis)によって求めた。ここでドープ率とは、正孔輸送層5における酸化部位の存在割合である。すなわち、正孔輸送材料層内の酸化部位のモル数をCとし、還元部位のモル数をDとしたとき、100C/(C+D)(%)で表される。
正孔輸送材料であるSpiro−OMeTADの還元部位は、350〜400nmに吸収ピーク波長を有する。Spiro−OMeTADの酸化部位は、500〜550nmに吸収ピーク波長を有する。これらの吸収ピークの強度は、還元部位および酸化部位のそれぞれのモル数に比例する。加熱試験前の正孔輸送層5の材料について紫外・可視分光測定を行い、酸化部位および還元部位のそれぞれに対応するピークの強度比から、ドープ率を計算した。
図3に、実施例2のペロブスカイト太陽電池の正孔輸送層5の紫外・可視吸収スペクトルを示す。実線が加熱試験前の結果を示し、破線が加熱試験後の結果を示している。
図3の結果から、加熱試験前の実施例2のペロブスカイト太陽電池においては、Spiro−OMeTAD内には酸化部位と還元部位との両方が存在することがわかる。一方、加熱試験後においては、Spiro−OMeTADの酸化部位のピークが非常に小さくなり、還元部位のピーク強度が増大している。このことから、加熱試験中にSpiro−OMeTADの酸化部位の還元が起こったことがわかる。
表1において、正孔輸送層5の材料溶液に加えたSpiro−OMeTAD量に対するコバルト錯体量の割合と、ドープ率とを比較すると、実施例1および実施例3では、ドープ率の方が高くなることがわかる。これは、実施例1および実施例3では、ペロブスカイト太陽電池の作製を大気中で行ったために、コバルト錯体だけでなく大気中の酸素によっても、正孔輸送材料であるSpiro−OMeTADの酸化が起こったためである。
また、表1の結果から、実施例1〜3のペロブスカイト太陽電池では、加熱試験を行った後も、66%〜87%の変換効率の維持率が得られていることがわかる。また、加熱試験後の変換効率の絶対値も、7.7%以上の値が得られている。一方、比較例1のペロブスカイト太陽電池では、初期変換効率および加熱試験後の変換効率が、ともに実施例1〜3のペロブスカイト太陽電池と比較して非常に低くなっている。また、比較例2のペロブスカイト太陽電池では、初期効率は高いものの加熱試験によって変換効率が大きく低下し、加熱試験後の変換効率の維持率は53%にとどまった。
このように、正孔輸送層5中の正孔輸送材料の酸化部位のモル数Cと還元部位のモル数Dとが(1)式を満たすように構成することにより、長時間使用後もペロブスカイト太陽電池の変換効率の低下を小さくすることができる。それにより、ペロブスカイト太陽電池の耐久性を向上させることができる。
本開示のペロブスカイト太陽電池は、光電変換素子や光センサとして有用である。
1 基板
2 第1の集電極
3 電子輸送層
4 光吸収層
5 正孔輸送層
6 第2の集電極

Claims (7)

  1. 第1の集電極と、
    前記第1の集電極上に配置され、半導体を含む電子輸送層と、
    前記電子輸送層上に配置され、Aを1価のカチオンとし、Bを2価のカチオンとし、Xをハロゲンアニオンとしたとき、組成式ABXで示されるペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、
    前記光吸収層上に配置され、酸化還元部位を有する正孔輸送材料を含む正孔輸送層と、前記正孔輸送層の上に配置される第2の集電極と、
    を備え、
    前記正孔輸送層は、下記式(1)を満たす、
    0.1≦100C/(C+D)≦1.1 (1)
    ペロブスカイト太陽電池。
    但し、Cは、前記酸化還元部位を酸化させることにより得られる部位である酸化部位のモル数であり、Dは、前記酸化還元部位を還元させることにより得られる部位である還元部位のモル数である。
  2. 前記1価のカチオンは、メチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジニウムカチオンからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、
    請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
  3. 前記2価のカチオンは、Pb2+、Ge2+、Sn2+からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、
    請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
  4. 前記正孔輸送材料は、(化1)で表される芳香族アミン誘導体である、
    請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
    但し、Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれ置換または未置換のアリール基、ヘテロアリール基、または複素環基を表す。
  5. Ar、Ar、Arのうち少なくとも2つが、互いに連結して環状構造を形成している、請求項4に記載のペロブスカイト太陽電池。
  6. 前記電子輸送層と前記光吸収層との間に配置され、多孔質体を含む多孔質層をさらに備える、
    請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
  7. 前記正孔輸送層は、コバルト錯体を含む、
    請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
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