JP2017125421A - エンジンオイル温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルクーラを使用しなくても、エンジンオイルの温度の過上昇を防止することができるエンジンオイル温度制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンオイル温度制御装置5は、エンジンオイルが流れるオイル流路8A,8Bの開閉状態を切り換える三方弁10と、反応器12A,12Bと吸着器13A,13Bとの間でNHを流通させる反応媒体流路14A,14Bに配設された開閉弁15A,15Bと、エンジンオイルの温度が所定温度以上であるときに、反応器12A,12Bのうち何れか一つの反応器から吸着器13A,13Bのうち何れか一つの吸着器にNHが移動可能となるように、開閉弁15A,15Bのうち何れか一つの反応器に対応する開閉弁を開制御する開閉弁制御部22と、オイル流路8A,8Bのうち何れか一つの反応器に対応するオイル流路を開くと共に他のオイル流路を閉じるように、三方弁10を制御する切換弁制御部23とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンオイル温度制御装置に関する。
従来のエンジンオイル温度制御装置としては、例えば特許文献1に記載されている装置が知られている。特許文献1に記載のエンジンオイル温度制御装置は、水との化学反応により発熱し脱水反応により吸熱する蓄熱材が収納された反応容器と、液体の水が貯留された凝縮容器とを備えている。エンジンオイルの温度が例えば40℃以下の場合には、凝縮容器に貯留されている水が第1流路を通じて反応容器へ向かい、ノズルから反応容器の蓄熱材に噴霧される。すると、蓄熱材が化学反応により発熱し、その熱エネルギーによってエンジンオイルが加熱される。一方、エンジンオイルが高温になると、脱水反応によって蓄熱材から水蒸気が発生し、第2流路を通じて凝縮して液体の水となって凝縮容器に戻る。
特開2010−230268号公報
ところで、車両のコールドスタート時のフリクションを低減するために、エンジンオイルを加熱してエンジンオイルの粘性を下げる必要があるが、エンジンオイルは高温になり過ぎると劣化することがある。このため、エンジンオイルの循環経路上に、エンジンオイルを冷却して適温にするためのオイルクーラが配置される場合がある。しかし、上記従来技術において、エンジンオイルの循環経路上にオイルクーラを設けた場合には、反応容器からエンジンオイルに与えられた熱がオイルクーラに奪われることになるため、エンジンオイルの加熱効率が悪化する虞がある。
本発明の目的は、オイルクーラを使用しなくても、エンジンオイルの温度の過上昇を防止することができるエンジンオイル温度制御装置を提供することである。
本発明の一態様は、エンジンオイルの温度を制御するエンジンオイル温度制御装置において、エンジンオイルが流れる複数のオイル流路と、複数のオイル流路の開閉状態を切り換える切換弁と、オイル流路を流れるエンジンオイルと熱交換可能となるように配置され且つ反応媒体が供給されると反応媒体との化学反応により発熱すると共に熱が与えられると反応媒体が脱離する反応材を含む複数の反応器と、反応媒体を貯蔵する複数の貯蔵器と、反応器と貯蔵器との間で反応媒体を流通させる複数の反応媒体流路と、反応媒体流路に配設され、反応媒体の流通と遮断とを切り換える複数の開閉弁と、反応器よりも上流側におけるエンジンオイルの温度を検出する温度検出部と、温度検出部により検出されたエンジンオイルの温度が所定温度以上であるときに、複数の反応器のうち何れか一つの反応器から複数の貯蔵器のうち何れか一つの貯蔵器に反応媒体が移動可能となるように、複数の開閉弁のうち何れか一つの反応器及び何れか一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御する開閉弁制御部と、複数のオイル流路のうち何れか一つの反応器に対応するオイル流路を開くと共に他のオイル流路を閉じるように、切換弁を制御する切換弁制御部とを備えることを特徴とする。
以上のようなエンジンオイル温度制御装置においては、反応器よりも上流側におけるエンジンオイルの温度が所定温度以上であるときに、複数の反応器のうち何れか一つの反応器から複数の貯蔵器のうち何れか一つの貯蔵器に反応媒体が移動可能となるように、複数の開閉弁のうち何れか一つの反応器及び何れか一つの貯蔵器に対応する開閉弁が開制御されると共に、複数のオイル流路のうち何れか一つの反応器に対応するオイル流路を開くように切換弁が制御される。このため、高温のエンジンオイルは、何れか一つの反応器に対応するオイル流路を流れることになる。すると、高温のエンジンオイルの熱が何れか一つの反応器の反応材に与えられて反応材から反応媒体が脱離し、その反応媒体が何れか一つの反応器から何れか一つの貯蔵器に供給される。このような反応材からの反応媒体の脱離は吸熱反応であるため、エンジンオイルの熱が反応材に奪われてエンジンオイルが冷却される。これにより、オイルクーラを使用しなくても、エンジンオイルの温度の過上昇を防止することができる。
開閉弁制御部は、何れか一つの反応器から何れか一つの貯蔵器に反応媒体が移動可能となる期間内に、複数の貯蔵器のうち他の一つの貯蔵器から複数の反応器のうち他の一つの反応器に反応媒体が移動可能となるように、複数の開閉弁のうち他の一つの反応器及び他の一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御してもよい。この場合には、他の一つの貯蔵器から他の一つの反応器に反応媒体が供給され、その反応器の反応材と反応媒体との化学反応により反応材が発熱する。その後、他の一つの反応器に対応するオイル流路を開くように切換弁が制御された状態で、当該オイル流路を流れる高温のエンジンオイルの熱が他の一つの反応器の反応材に与えられて反応材から反応媒体が脱離するときに、反応材の吸熱反応によって他の一つの反応器に対応するオイル流路を流れるエンジンオイルが冷却される。このように複数の反応器の反応材の吸熱反応が順次に起こることになるため、エンジンオイルの温度の過上昇を絶えず防止することができる。
開閉弁制御部は、何れか一つの反応器及び何れか一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御してから所定時間経過後に、他の一つの反応器及び他の一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御してもよい。この場合には、所定時間内に何れか一つの反応器から何れか一つの貯蔵器に反応媒体が供給されるため、貯蔵器において所望量の反応媒体を確保することができる。
貯蔵器は、反応媒体の吸着及び脱離が可能な吸着材を含む吸着器であり、複数の吸着器は、接触状態で並設されていてもよい。この場合には、吸着器の吸着材から反応媒体が脱離して、吸着器から反応器に反応媒体が供給される一方、反応器から吸着器に反応媒体が供給されると、吸着器の吸着材に反応媒体が吸着する。反応媒体が吸着材に吸着するときは、吸着材が発熱する。ここで、複数の吸着器は接触状態で並設されていることにより、一つの吸着器の吸着材で発生した熱が隣の吸着器に伝わるため、その熱によって隣の吸着器の吸着材から反応媒体が脱離しやすくなる。
本発明によれば、オイルクーラを使用しなくても、エンジンオイルの温度の過上昇を防止することができるエンジンオイル温度制御装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度制御装置を備えたエンジンオイル循環システムを示す概略構成図である。 図1に示されたコントローラにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。 NH飽和蒸気圧特性及びNH吸着特性の一例を示すグラフである。 図1に示されたエンジンオイル温度制御装置において、吸着器と反応器との間のNHの流れをオイル流路の開閉状態と共に示すシーケンス図である。 図1に示されたエンジンオイル温度制御装置の変形例を備えたエンジンオイル循環システムを示す概略構成図である。 図5に示されたエンジンオイル温度制御装置において、吸着器と反応器との間のNHの流れをオイル流路の開閉状態と共に示すシーケンス図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度制御装置を備えたエンジンオイル循環システムを示す概略構成図である。図1において、エンジンオイル循環システム1は、車両に搭載され、エンジン2内の各部を潤滑するためのエンジンオイルを循環させる。
エンジンオイル循環システム1は、オイルパン3と、オイルポンプ4と、エンジンオイル温度制御装置5とを備えている。オイルパン3は、エンジンオイルを溜めておく。エンジン2内の各部を流れたエンジンオイルは、オイルパン3に戻る。オイルポンプ4は、オイルパン3に溜められたエンジンオイルを吸い上げてエンジン2内に圧送する。
エンジンオイル温度制御装置5は、車両のコールドスタート時のフリクションを低減するために、エンジンオイルを加熱する。エンジンオイル温度制御装置5は、オイルポンプ4と接続されたオイル流路6と、エンジン2と接続されたオイル流路7と、オイル流路6の一端部とオイル流路7の一端部との間に接続された2つのオイル流路8A,8Bとを備えている。オイル流路6,7,8A,8Bには、オイルポンプ4からエンジン2に向けてエンジンオイルが流れる。
また、エンジンオイル温度制御装置5は、オイル流路8A,8Bにそれぞれ配設された2つの熱交換器9A,9Bと、オイル流路6とオイル流路8A,8Bとの接続部分に配置された三方弁10とを備えている。熱交換器9A,9Bは、オイルポンプ4により吸い上げられたエンジンオイルを通過させて、エンジンオイルと後述する反応器12A,12Bとの間でそれぞれ熱交換を行う。三方弁10は、オイル流路8A,8Bの開閉状態を切り換える電磁式の切換弁である。
本実施形態のエンジンオイル温度制御装置5は、エンジンオイルの早期昇温を可能とする化学蓄熱ユニット11を備えている。化学蓄熱ユニット11は、電力等の外部エネルギーを必要とせずに、エンジンオイルを熱交換器9A,9Bを介して加熱する。具体的には、化学蓄熱ユニット11は、高温となったエンジンオイルとの熱交換により反応器12A,12Bの反応材16A,16B(後述)から反応媒体を脱離させ、その反応媒体を吸着器13A,13Bで蓄えると共に、吸着器13A,13Bに蓄えられた反応媒体を反応器12A,12Bに供給することで反応材16A,16Bと反応媒体とを化学反応させ、その時の反応熱によりエンジンオイルを加熱する。即ち、化学蓄熱ユニット11は、可逆的な化学反応を利用して、エンジンオイルからの熱を蓄えると共にエンジンオイルに熱を供給する装置である。本実施形態では、反応媒体はアンモニア(NH)である。
化学蓄熱ユニット11は、2つの反応器12A,12Bと、2つの吸着器13A,13Bと、反応器12A,12Bと吸着器13A,13Bとをそれぞれ接続する2つの反応媒体流路14A,14Bと、これらの反応媒体流路14A,14Bにそれぞれ配設された2つの開閉弁15A,15Bとを備えている。反応媒体流路14A,14Bは、反応器12A,12Bと吸着器13A,13Bとの間でNHをそれぞれ流通させる流路である。開閉弁15A,15Bは、反応器12A,12Bと吸着器13A,13Bとの間において反応媒体流路14A,14Bを介したNHの流通と遮断とを切り換えるバルブである。ここでは、開閉弁15A,15Bとして、例えば電磁弁が用いられている。
反応器12A,12Bは、オイル流路8A,8Bを流れるエンジンオイルが流通する熱交換器9A,9Bの周囲に配置されている。反応器12A,12Bの内部には、NHが供給されるとNHとの化学反応により発熱すると共に熱が与えられると熱を吸収してNHを脱離する反応材16A,16Bがそれぞれ配置されている。ここで、反応材16A,16Bは、熱交換器9A,9Bを介してエンジンオイルと熱交換可能となるように反応器12A,12B内にそれぞれ配置されている。反応材16A,16Bとしては、例えば組成式MXaで表されるハロゲン化物が用いられる。Mは、Mg、CaまたはSr等のアルカリ土類金属、若しくはCr、Mn、Fe、Co、Ni、CuまたはZn等の遷移金属である。Xは、Cl、BrまたはI等である。aは、Mの価数により特定される数であり、2〜3である。
吸着器13A,13Bは、接触状態で並設されている。吸着器13A,13Bは、NHを貯蔵する貯蔵器である。吸着器13A,13Bは、NHの物理吸着及び脱離が可能な吸着材17A,17Bをそれぞれ含んでいる。吸着材17A,17Bとしては、活性炭、カーボンブラック、メソポーラスカーボン、ナノカーボンまたはゼオライト等が用いられる。なお、吸着材17A,17Bとしては、NHを物理吸着する材料に限られず、NHを化学吸着する材料を使用してもよい。
吸着器13A,13Bには、開閉弁15A,15Bを開弁した際に反応器12A,12B、吸着器13A,13B及び反応媒体流路14A,14Bからなる反応系内を所定の圧力に保持するための圧力保持用NHと、反応器12A,12Bにおいて所望の発熱温度を得るために反応材16A,16Bとの化学反応に使用される移動用NHとがそれぞれ収容されている。このため、初期状態においては、NHが充填された吸着器13A,13B内の圧力は、反応器12A,12B内の圧力よりも高い状態となっている。圧力保持用NH及び移動用NHの収容量は、反応材16A,16Bの材料等に応じて適宜決められている。
このような化学蓄熱ユニット11を備えたエンジンオイル温度制御装置5において、エンジン2の始動直後におけるエンジンオイルの温度が低いときは、開閉弁15Aが開弁されると、吸着器13Aと反応器12Aとの圧力差によって、吸着器13Aの吸着材17Aから移動用NHが脱離し、その移動用NHが反応媒体流路14Aを通って反応器12Aに供給される。そして、反応器12Aの反応材16A(例えばMgBr)とNHとが化学反応(化学吸着)して熱が発生する。つまり、下記の反応式(A)における左辺から右辺への反応(発熱反応)が起こる。そして、反応器12Aで発生した熱が熱交換器9Aを通してエンジンオイルに伝えられ、エンジンオイルが加熱される。暖められたエンジンオイルは、エンジン2内の各部に送られる。
MgBrNH ⇔ Mg(NHBr+熱 …(A)
その後、エンジンオイルの温度が再生温度(後述)以上になると、エンジンオイルの熱が熱交換器9Aを通して反応器12Aの反応材16Aに与えられることで、反応材16Aから移動用NHが脱離する。つまり、上記の反応式(A)における右辺から左辺への反応(再生反応)が起こる。そして、反応材16Aからの移動用NHの脱離に伴って反応器12A内の圧力が上昇する。このとき、開閉弁15Aが開弁されると、反応器12Aと吸着器13Aとの圧力差によって、反応材16Aから脱離した移動用NHが反応媒体流路14Aを通って吸着器13Aに戻り、吸着器13Aの吸着材17Aに移動用NHが物理吸着される。つまり、移動用NHが吸着器13Aに回収される。
なお、反応器12B、吸着器13B及び反応媒体流路14Bからなる反応系についても、上記と同様の動作が行われる。
また、エンジンオイル温度制御装置5は、温度センサ18と、温度センサ19A,19Bと、圧力センサ20A,20Bと、コントローラ21とを備えている。温度センサ18は、熱交換器9A,9B及び反応器12A,12Bよりも上流側におけるエンジンオイルの温度を検出する温度検出部である。ここでは、温度センサ18は、オイル流路6を流れるエンジンオイルの温度を検出する。温度センサ19A,19Bは、吸着器13A,13Bの温度をそれぞれ検出する。圧力センサ20A,20Bは、吸着器13A,13B内の圧力をそれぞれ検出する。
コントローラ21は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース及びタイマ等により構成されている。コントローラ21は、開閉弁制御部22と、切換弁制御部23とを有している。開閉弁制御部22は、温度センサ18,19A,19B及び圧力センサ20A,20Bの検出値等に基づいて開閉弁15A,15Bをそれぞれ制御する。切換弁制御部23は、温度センサ19A,19B及び圧力センサ20A,20Bの検出値に基づいて三方弁10を制御する。
図2は、コントローラ21により実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。なお、三方弁10は、オイル流路8Aを開くと共にオイル流路8Bを閉じる位置にある。従って、エンジンオイルは、オイル流路8Aを流れる状態となっている。開閉弁15A,15Bは、何れも閉弁されている。また、吸着器13Aに収容されている移動用NH量は、吸着器13Bに収容されている移動用NH量と等しいか、或いは吸着器13Bに収容されている移動用NH量よりも多くなっている。
図2において、コントローラ21は、まずイグニッションスイッチ(図示せず)の操作信号に基づいて、エンジン2が起動されたかどうかを判断する(手順S101)。コントローラ21は、エンジン2が起動されたと判断したときは、温度センサ18の検出値に基づいて、オイル流路8Aにおける反応器12Aよりも上流側のエンジンオイルの温度が再生温度よりも低いかどうかを判断する(手順S102)。再生温度は、反応器12A,12BにおいてNHの再生(前述)が可能となる温度であり、反応材16A,16Bの材料等によって決まる。ここでは、再生温度は例えば90℃である。コントローラ21は、エンジンオイルの温度が再生温度以上であると判断したときは、開閉弁15Aを開制御し(手順S107)、以降の手順を実行する(後述)。
一方、コントローラ21は、エンジンオイルの温度が再生温度よりも低いと判断したときは、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15Aを開制御する(手順S103)。これにより、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給され、反応器12Aにおいて上記の発熱反応が行われる。
続いて、コントローラ21は、温度センサ19A及び圧力センサ20Aの検出値に基づいて、吸着器13Aから反応器12Aへの移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する(手順S104)。具体的には、コントローラ21は、温度センサ19Aにより検出された吸着器13Aの温度と圧力センサ20Aにより検出された吸着器13A内の圧力とに基づいて、吸着器13Aの吸着材17Aに吸着されているNH量(吸着器13AのNH吸着量)を推定し、その吸着器13AのNH吸着量から移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する。
NH吸着量の推定は、図3に示されるNH飽和蒸気圧特性及びNH吸着特性を用いて行われる。図3(a)に示されるNH飽和蒸気圧特性は、吸着器の温度とNH飽和蒸気圧との関係を表すグラフであり、吸着器の温度が高くなるに従ってNH飽和蒸気圧が高くなるような特性を有している。図3(b)に示されるNH吸着特性は、相対圧力と吸着器のNH吸着量との関係を表すグラフであり、相対圧力が高くなるに従って吸着器のNH吸着量が多くなるような特性を有している。相対圧力は、NH飽和蒸気圧Psatと吸着器内の圧力Pとの比(P/Psat)である。
コントローラ21は、まずNH飽和蒸気圧特性を用いて、温度センサ19Aにより検出された吸着器13Aの温度Tに対応するNH飽和蒸気圧Psatを求める。そして、コントローラ21は、NH飽和蒸気圧Psatと圧力センサ20Aにより検出された吸着器13A内の圧力Pとの比である相対圧力を算出する。そして、コントローラ21は、NH吸着特性を用いて、相対圧力に対応するNH吸着量Snh3を求める。以上により、吸着器13AのNH吸着量が推定される。
コントローラ21は、例えば吸着器13AのNH吸着量がほぼ圧力保持用NHに相当する量であるときに、移動用NHがほぼ空の状態であるとして、吸着器13Aから反応器12Aへの移動用NHの移動が終了したと判断する。
コントローラ21は、吸着器13Aから反応器12Aへの移動用NHの移動が終了したと判断したときは、開閉弁15Aを閉制御する(手順S105)。そして、コントローラ21は、温度センサ18の検出値に基づいて、オイル流路8Aにおける反応器12Aよりも上流側のエンジンオイルの温度が再生温度以上であるかどうかを判断する(手順S106)。
コントローラ21は、エンジンオイルの温度が再生温度以上であると判断したときは、反応器12Aから吸着器13Aに移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15Aを開制御する(手順S107)。これにより、上記の再生反応によって反応器12Aの反応材16Aから脱離した移動用NHが吸着器13Aに回収される。
続いて、コントローラ21は、開閉弁15Aを開制御してから所定時間が経過したかどうかを判断する(手順S108)。所定時間は、吸着器13Aの移動用NH回収率が規定値(例えば50%)以上となるような時間である。なお、吸着器13Aの移動用NH回収率は、移動用NHの総量に対する吸着器13Aへの移動用NHの回収量の比率である。
コントローラ21は、開閉弁15Aを開制御してから所定時間が経過したと判断したときは、イグニッションスイッチ(図示せず)の操作信号に基づいて、エンジン2が連続駆動されるかどうかを判断する(手順S109)。コントローラ21は、エンジン2が連続駆動されずに停止されたと判断したときは、開閉弁15Aを閉制御し(手順S110)、本処理を終了する。このとき、コントローラ21は、エンジン2が停止されたと判断してから一定時間経過後に、開閉弁15Aを閉制御してもよい。
一方、コントローラ21は、エンジン2が連続駆動されると判断したときは、吸着器13Bから反応器12Bに移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15Bを開制御する(手順S111)。これにより、吸着器13Bから反応器12Bに移動用NHが供給され、反応器12Bにおいて上記の発熱反応が行われる。
続いて、コントローラ21は、温度センサ19B及び圧力センサ20Bの検出値に基づいて、吸着器13Bから反応器12Bへの移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する(手順S112)。具体的には、コントローラ21は、温度センサ19Bにより検出された吸着器13Bの温度と圧力センサ20Bにより検出された吸着器13B内の圧力とに基づいて吸着器13BのNH吸着量を推定し、その吸着器13BのNH吸着量から移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する。吸着器13BのNH吸着量を推定する方法は、上記の手順S104と同様である。コントローラ21は、例えば吸着器13BのNH吸着量がほぼ圧力保持用NHに相当する量であるときに、移動用NHがほぼ空の状態であるとして、吸着器13Bから反応器12Bへの移動用NHの移動が終了したと判断する。
コントローラ21は、吸着器13Bから反応器12Bへの移動用NHの移動が終了したと判断したときは、開閉弁15Bを閉制御する(手順S113)。従って、反応器12Aから吸着器13Aに移動用NHが移動可能となる期間内に、吸着器13Bから反応器12Bに移動用NHが移動可能となる。
そして、コントローラ21は、温度センサ19A及び圧力センサ20Aの検出値に基づいて吸着器13AのNH吸着量を推定し、反応器12Aから吸着器13Aへの移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する(手順S114)。吸着器13AのNH吸着量を推定する方法は、上記の手順S104と同様である。コントローラ21は、例えば吸着器13AのNH吸着量が圧力保持用NHに相当する量とほぼ移動用NHの総量に相当する量との合計値であるときに、移動用NHがほぼ満タンの状態であるとして、反応器12Aから吸着器13Aへの移動用NHの移動が終了したと判断する。
コントローラ21は、反応器12Aから吸着器13Aへの移動用NHの移動が終了したと判断したときは、開閉弁15Aを閉制御する(手順S115)。そして、コントローラ21は、オイル流路8Aを開状態から閉状態に切り換えると共にオイル流路8Bを閉状態から開状態に切り換えるように三方弁10を制御する(手順S116)。これにより、エンジンオイルは、オイル流路8Bを流れるようになる。
続いて、コントローラ21は、温度センサ18の検出値に基づいて、オイル流路8Bにおける反応器12Bよりも上流側のエンジンオイルの温度が再生温度以上であるかどうかを判断する(手順S117)。コントローラ21は、エンジンオイルの温度が再生温度以上であると判断したときは、反応器12Bから吸着器13Bに移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15Bを開制御する(手順S118)。これにより、上記の再生反応によって反応器12Bの反応材16Bから脱離した移動用NHが吸着器13Bに回収される。
続いて、コントローラ21は、開閉弁15Bを開制御してから所定時間が経過したかどうかを判断する(手順S119)。所定時間は、例えば上記の手順S108と同じ時間である。コントローラ21は、開閉弁15Bを開制御してから所定時間が経過したと判断したときは、イグニッションスイッチ(図示せず)の操作信号に基づいて、エンジン2が連続駆動されるかどうかを判断する(手順S120)。コントローラ21は、エンジン2が連続駆動されずに停止されたと判断したときは、開閉弁15Bを閉制御し(手順S121)、本処理を終了する。このとき、コントローラ21は、エンジン2が停止されたと判断してから一定時間経過後に、開閉弁15Bを閉制御してもよい。
一方、コントローラ21は、エンジン2が連続駆動されると判断したときは、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15Aを開制御する(手順S122)。これにより、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給され、反応器12Aにおいて上記の発熱反応が行われる。
続いて、コントローラ21は、温度センサ19A及び圧力センサ20Aの検出値に基づいて吸着器13AのNH吸着量を推定し、吸着器13Aから反応器12Aへの移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する(手順S123)。この時の判断手法は、例えば上記の手順S104と同様である。コントローラ21は、吸着器13Aから反応器12Aへの移動用NHの移動が終了したと判断したときは、開閉弁15Aを閉制御する(手順S124)。従って、反応器12Bから吸着器13Bに移動用NHが移動可能となる期間内に、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが移動可能となる。
そして、コントローラ21は、温度センサ19B及び圧力センサ20Bの検出値に基づいて吸着器13BのNH吸着量を推定し、反応器12Bから吸着器13Bへの移動用NHの移動が終了したかどうかを判断する(手順S125)。吸着器13BのNH吸着量を推定する方法は、上記の手順S104と同様である。コントローラ21は、例えば吸着器13BのNH吸着量が圧力保持用NHに相当する量とほぼ移動用NHの総量に相当する量との合計値であるときに、移動用NHがほぼ満タンの状態であるとして、反応器12Bから吸着器13Bへの移動用NHの移動が終了したと判断する。
コントローラ21は、反応器12Bから吸着器13Bへの移動用NHの移動が終了したと判断したときは、開閉弁15Bを閉制御する(手順S126)。そして、コントローラ21は、オイル流路8Bを開状態から閉状態に切り換えると共にオイル流路8Aを閉状態から開状態に切り換えるように三方弁10を制御する(手順S127)。これにより、エンジンオイルは、オイル流路8Aを流れるようになる。その後、コントローラ21は、上記の手順S106以降を再度実行する。
以上において、開閉弁制御部22は、上記の手順S101〜S115,S117〜S126を実行する。切換弁制御部23は、上記の手順S114,S116,S125,S127を実行する。
以上のようなコントローラ21の処理により、吸着器13A,13Bと反応器12A,12Bとの間の移動用NHの流れは、図4に示される通りとなる。図4は、吸着器13A,13Bと反応器12A,12Bとの間の移動用NHの流れをオイル流路8A,8Bの開閉状態と共に示すシーケンス図である。図中、○印はオイル流路8A,8Bの開状態を表し、×印はオイル流路8A,8Bの閉状態を表している。
図4において、オイル流路8Aが開いていると共にオイル流路8Bが閉じている状態で、エンジン2が起動されると、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給されることで、反応器12Aにおいて発熱反応が生じ、反応器12Aで発生した熱が熱交換器9Aを通してオイル流路8Aを流れるエンジンオイルに伝えられ、エンジンオイルが昇温する。
そして、オイル流路8Aにおける反応器12Aよりも上流側のエンジンオイルの温度が再生温度以上になると、反応器12Aにおいて再生反応が生じ、反応器12Aから吸着器13Aに移動用NHが回収される。このような反応材16Aから移動用NHが脱離する再生反応は、反応材16Aが周囲から熱を奪う吸熱反応であるため、熱交換器9Aを介してエンジンオイルの熱が反応材16Aに奪われる。このため、熱交換器9Aを通過するエンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。
また、反応器12Aから吸着器13Aに移動用NHが移動する期間内に、吸着器13Bから反応器12Bに移動用NHが供給されることで、反応器12Bにおいて発熱反応が生じる。しかし、オイル流路8Bは閉状態となっており、オイル流路8Bにはエンジンオイルが流れていないため、反応器12Bで発生した熱が熱交換器9Bを通してエンジンオイルに伝えられることはない。従って、エンジンオイルが昇温されることはない。
そして、反応器12Aから吸着器13Aへの移動用NHの移動が終了すると、オイル流路8Aが開状態から閉状態に切り換えられると共に、オイル流路8Bが閉状態から開状態に切り換えられる。すると、エンジンオイルがオイル流路8Bを流れるようになる。
そして、オイル流路8Bにおける反応器12Bよりも上流側のエンジンオイルの温度が再生温度以上になると、反応器12Bにおいて再生反応が生じ、反応器12Bから吸着器13Bに移動用NHが回収される。このような反応材16Bから移動用NHが脱離する再生反応は、反応材16Bが周囲から熱を奪う吸熱反応であるため、熱交換器9Bを介してエンジンオイルの熱が反応材16Bに奪われる。このため、熱交換器9Bを通過するエンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。
また、反応器12Bから吸着器13Bに移動用NHが移動する期間内に、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給されることで、反応器12Aにおいて発熱反応が生じる。しかし、オイル流路8Aは閉状態となっており、オイル流路8Aにはエンジンオイルが流れていないため、反応器12Aで発生した熱が熱交換器9Aを通してエンジンオイルに伝えられることはない。従って、エンジンオイルが昇温されることはない。
そして、反応器12Bから吸着器13Bへの移動用NHの移動が終了すると、オイル流路8Bが開状態から閉状態に切り換えられると共に、オイル流路8Aが閉状態から開状態に切り換えられる。すると、エンジンオイルがオイル流路8Aを流れるようになる。
そして、オイル流路8Aにおける反応器12Aよりも上流側のエンジンオイルが再生温度以上になると、反応器12Aにおいて再生反応が生じるため、上述したように、反応器12Bの反応材16Bの吸熱反応によってエンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。以降、上記の動作が繰り返し行われる。
以上のように、エンジン2が駆動され続ける限り、反応器12Aの発熱反応及び反応器12Bの再生反応と反応器12Bの発熱反応及び反応器12Aの再生反応とが順次交互に行われる。従って、反応材16A,16Bの吸熱反応が順次交互に起こり、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に保たれる。これにより、反応器12A,12Bがオイルクーラの役割を兼ねることとなる。
なお、図4に示されるフローチャート及び図5に示されるシーケンス図では、エンジン2が起動されると、まず吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給されて、反応器12Aにおいて発熱反応が生じているが、吸着器13Bに収容されている移動用NH量が吸着器13Aに収容されている移動用NH量よりも多い場合には、エンジン2が起動されると、まず吸着器13Bから反応器12Bに移動用NHが供給されて、反応器12Bにおいて発熱反応が生じる。この場合、初期状態では、オイル流路8Bが開いていると共にオイル流路8Aが閉じている。
以上のように本実施形態にあっては、反応器12A,12Bよりも上流側におけるエンジンオイルの温度が所定温度以上であるときに、反応器12A,12Bのうち何れか一方の反応器が選択され、その選択された反応器から吸着器13A,13Bのうち選択された反応器に対応する吸着器に移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15A,15Bのうち選択された反応器に対応する開閉弁が開制御される。そして、オイル流路8A,8Bのうち選択された反応器に対応するオイル流路が開かれるように三方弁10が制御される。このため、高温のエンジンオイルは、一方の反応器に対応するオイル流路を流れることとなる。すると、高温のエンジンオイルの熱が一方の反応器の反応材に与えられて反応材から移動用NHが脱離し、その移動用NHが一方の反応器から一方の吸着器に供給される。このような反応材からの移動用NHの脱離は吸熱反応であるため、エンジンオイルの熱が反応材に奪われてエンジンオイルが冷却される。これにより、オイルクーラを使用しなくても、エンジンオイルの温度の過上昇を防止することができる。
また、反応器12A,12Bのうち何れか一方の反応器から吸着器13A,13Bのうち何れか一方の吸着器に移動用NHが移動可能となる期間内に、吸着器13A,13Bのうち他方の吸着器から反応器12A,12Bのうち他方の反応器に移動用NHが移動可能となるように、開閉弁15A,15Bのうち他方の反応器及び他方の吸着器に対応する開閉弁が開制御される。よって、他方の吸着器から他方の反応器に移動用NHが供給され、他方の反応器の反応材と移動用NHとの化学反応により反応材が発熱する。その後、オイル流路8A,8Bのうち他方の反応器に対応するオイル流路を開くように三方弁10が制御された状態で、当該オイル流路を流れる高温のエンジンオイルの熱が他方の反応器の反応材に与えられて反応材から移動用NHが脱離するときに、反応材の吸熱反応によって他方の反応器に対応するオイル流路を流れるエンジンオイルが冷却される。このようにエンジン2が駆動されている間は、反応器12A,12Bの反応材16A,16Bの吸熱反応が順次交互に起こることになるため、エンジンオイルの温度の過上昇を絶えず防止することができる。
このとき、一方の反応器及び一方の吸着器に対応する開閉弁が開制御されてから所定時間経過後に、他方の反応器及び他方の吸着器に対応する開閉弁が開制御される。よって、所定時間内に一方の反応器から一方の吸着器に移動用NHが供給されるため、吸着器13A,13Bにおいて所望量の移動用NHを確保することができる。
また、吸着器13A,13Bの吸着材17A,17Bに移動用NHが吸着するときは、吸着材17A,17Bが発熱するが、吸着器13A,13Bは接触状態で並設されているため、一方の吸着器の吸着材で発生した熱が隣に配置された他方の吸着器に伝わる。従って、他方の吸着器は、一方の吸着器からの熱を受けて吸着材から移動用NHを脱離させやすくなる。
図5は、図1に示されたエンジンオイル温度制御装置の変形例を備えたエンジンオイル循環システムを示す概略構成図である。
図5において、エンジンオイル温度制御装置5は、オイル流路6の途中部分とオイル流路7,8A,8B同士の接続部分とをオイル流路8A,8Bに対して並列に接続し、エンジンオイルが流れるオイル流路8Cと、オイル流路8Cに配設された熱交換器9Cと、オイル流路6,8C同士の接続部分に配置された三方弁24とを備えている。熱交換器9Cは、オイルポンプ4により吸い上げられたエンジンオイルを通過させて、エンジンオイルと後述する反応器12Cとの間で熱交換を行う。三方弁24は、オイル流路8Cの開閉状態を切り換える電磁式の切換弁である。
また、エンジンオイル温度制御装置5は、反応器12Cと、吸着器13Cと、反応器12Cと吸着器13Cとを接続する反応媒体流路14Cと、反応媒体流路14Cに配設された開閉弁15Cとを備えている。反応器12C、吸着器13C、反応媒体流路14C及び開閉弁15Cは、化学蓄熱ユニット11の一部を構成している。反応媒体流路14Cは、反応器12Cと吸着器13Cとの間でNHを流通させる流路である。開閉弁15Cは、反応媒体流路14Cを開閉する電磁弁である。
反応器12Cは、熱交換器9Cの周囲にオイル流路8Cを流れるエンジンオイルに対して熱交換可能に配置されている。反応器12Cは、反応器12A,12Bの反応材16A,16Bと同様の反応材16Cを含んでいる。
吸着器13Cは、吸着器13Bと接触した状態で配置されている。従って、吸着器13A〜13Cは、接触状態で一列に並設されている。吸着器13Cは、NHを貯蔵する貯蔵器であり、吸着器13A,13Bの吸着材17A,17Bと同様の吸着材17Cを含んでいる。
また、エンジンオイル温度制御装置5は、吸着器13Cの温度を検出する温度センサ19Cと、吸着器13C内の圧力を検出する圧力センサ20Cとを備えている。コントローラ21の開閉弁制御部22は、温度センサ18,19A〜19C及び圧力センサ20A〜20Cの検出値等に基づいて開閉弁15A〜15Cを制御する。コントローラ21の切換弁制御部23は、温度センサ19A〜19C及び圧力センサ20A〜20Cの検出値に基づいて三方弁10,24を制御する。
図6は、吸着器13A〜13Cと反応器12A〜12Cとの間の移動用NHの流れをオイル流路8A〜8Cの開閉状態と共に示すシーケンス図であり、図4に対応する図である。図6において、オイル流路8Aが開いていると共にオイル流路8B,8Cが閉じている状態で、エンジン2が起動されると、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給されることで、反応器12Aにおいて発熱反応が生じ、反応器12Aで発生した熱が熱交換器9Aを通してオイル流路8Aを流れるエンジンオイルに伝えられ、エンジンオイルが昇温する。
そして、オイル流路8Aにおける反応器12Aよりも上流側のエンジンオイルの温度が再生温度以上になると、反応器12Aにおいて再生反応が生じ、反応器12Aから吸着器13Aに移動用NHが回収される。このとき、反応器12Aの反応材16Aの吸熱反応によってエンジンオイルが反応材16Aに熱を奪われるため、エンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。
また、反応器12Aから吸着器13Aに移動用NHが移動する期間内に、吸着器13Bから反応器12Bに移動用NHが供給されることで、反応器12Bにおいて発熱反応が生じる。しかし、オイル流路8Bは閉状態となっており、オイル流路8Bにはエンジンオイルが流れていないため、反応器12Bで発生した熱によってエンジンオイルが昇温されることはない。このとき、反応器12C及び吸着器13Cは、待機状態となっている。
そして、反応器12Aから吸着器13Aへの移動用NHの移動が終了すると、オイル流路8Aが開状態から閉状態に切り換えられると共に、オイル流路8Bが閉状態から開状態に切り換えられる。すると、エンジンオイルがオイル流路8Bを流れるようになる。
そして、オイル流路8Bにおける反応器12Bよりも上流側のエンジンオイルが再生温度以上になると、反応器12Bにおいて再生反応が生じ、反応器12Bから吸着器13Bに移動用NHが回収される。このとき、反応器12Bの反応材16Bの吸熱反応によってエンジンオイルが反応材16Bに熱を奪われるため、エンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。
また、反応器12Bから吸着器13Bに移動用NHが移動する期間内に、吸着器13Cから反応器12Cに移動用NHが供給されることで、反応器12Cにおいて発熱反応が生じる。しかし、オイル流路8Cは閉状態となっており、オイル流路8Cにはエンジンオイルが流れていないため、反応器12Cで発生した熱によってエンジンオイルが昇温されることはない。このとき、反応器12A及び吸着器13Aは、待機状態となっている。
そして、反応器12Bから吸着器13Bへの移動用NHの移動が終了すると、オイル流路8Bが開状態から閉状態に切り換えられると共に、オイル流路8Cが閉状態から開状態に切り換えられる。すると、エンジンオイルがオイル流路8Cを流れるようになる。
そして、オイル流路8Cにおける反応器12Cよりも上流側のエンジンオイルが再生温度以上になると、反応器12Cにおいて再生反応が生じ、反応器12Cから吸着器13Cに移動用NHが回収される。このとき、反応器12Cの反応材16Cの吸熱反応によってエンジンオイルが反応材16Cに熱を奪われるため、エンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。
また、反応器12Cから吸着器13Cに移動用NHが移動する期間内に、吸着器13Aから反応器12Aに移動用NHが供給されることで、反応器12Aにおいて発熱反応が生じる。しかし、オイル流路8Aは閉状態となっており、オイル流路8Aにはエンジンオイルが流れていないため、反応器12Aで発生した熱によってエンジンオイルが昇温されることはない。このとき、反応器12B及び吸着器13Bは、待機状態となっている。
そして、反応器12Cから吸着器13Cへの移動用NHの移動が終了すると、オイル流路8Cが開状態から閉状態に切り換えられると共に、オイル流路8Aが閉状態から開状態に切り換えられる。すると、エンジンオイルがオイル流路8Aを流れるようになる。
そして、オイル流路8Aにおける反応器12Aよりも上流側のエンジンオイルが再生温度以上になると、反応器12Aにおいて再生反応が生じるため、上述したように、反応器12Bの反応材16Bの吸熱反応によってエンジンオイルが冷却され、エンジンオイルの温度がほぼ再生温度に維持される。以降、上記の動作が繰り返し行われる。
上記変形例では、エンジンオイル温度制御装置5は、反応器12A〜12C及び吸着器13A〜13Cを備えているが、反応器及び吸着器の数としては、複数であれば4つ以上あってもよい。反応器及び吸着器の数がそれぞれ4つである場合には、2つの反応器及び2つの吸着器が待機状態となる。
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、複数の吸着器が接触状態で並設されているが、特にその形態には限られず、複数の吸着器を離して配置してもよい。この場合には、スペースを有効利用して複数の吸着器を配置することができる。
また、上記実施形態では、反応媒体であるNHと組成式MXaで表される反応材とを化学反応させて熱を発生させているが、反応媒体としては、特にNHには限られず、COまたはHO等を使用してもよい。反応媒体としてCOを使用する場合、COと化学反応させる反応材としては、MgO、CaO、BaO、Ca(OH)、Mg(OH)、Fe(OH)、Fe(OH)、FeO、FeまたはFe等が用いられる。反応媒体としてHOを使用する場合、HOと化学反応させる反応材としては、CaO、MnO、CuOまたはAl等が用いられる。
さらに、上記実施形態では、反応器が熱交換器の周囲に配置されているが、特にその形態には限られず、例えばエンジンオイルを通過させる熱交換器と反応器とが交互に積層されてなる構造としてもよい。また、熱交換器を使用せずに、エンジンオイルが流れるオイル流路の周囲に反応器をエンジンオイルに対して熱交換可能に配置してもよい。
また、上記実施形態では、オイルポンプ4とエンジン2との間に複数の反応器がエンジンオイルに対して熱交換可能に配置されているが、特にその形態には限られず、例えばオイルパン3とオイルポンプ4との間に複数の反応器がエンジンオイルに対して熱交換可能に配置されていてもよい。
5…エンジンオイル温度制御装置、8A〜8C…オイル流路、10…三方弁(切換弁)、12A〜12C…反応器、13A〜13C…吸着器(貯蔵器)、14A〜14C…反応媒体流路、15A〜15C…開閉弁、16A〜16C…反応材、17A〜17C…吸着材、18…温度センサ(温度検出部)、22…開閉弁制御部、23…切換弁制御部、24…三方弁(切換弁)。

Claims (4)

  1. エンジンオイルの温度を制御するエンジンオイル温度制御装置において、
    前記エンジンオイルが流れる複数のオイル流路と、
    前記複数のオイル流路の開閉状態を切り換える切換弁と、
    前記オイル流路を流れるエンジンオイルと熱交換可能となるように配置され且つ反応媒体が供給されると前記反応媒体との化学反応により発熱すると共に熱が与えられると前記反応媒体が脱離する反応材を含む複数の反応器と、
    前記反応媒体を貯蔵する複数の貯蔵器と、
    前記反応器と前記貯蔵器との間で前記反応媒体を流通させる複数の反応媒体流路と、
    前記反応媒体流路に配設され、前記反応媒体の流通と遮断とを切り換える複数の開閉弁と、
    前記反応器よりも上流側における前記エンジンオイルの温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された前記エンジンオイルの温度が所定温度以上であるときに、前記複数の反応器のうち何れか一つの反応器から前記複数の貯蔵器のうち何れか一つの貯蔵器に前記反応媒体が移動可能となるように、前記複数の開閉弁のうち前記何れか一つの反応器及び前記何れか一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御する開閉弁制御部と、
    前記複数のオイル流路のうち前記何れか一つの反応器に対応するオイル流路を開くと共に他のオイル流路を閉じるように、前記切換弁を制御する切換弁制御部とを備えることを特徴とするエンジンオイル温度制御装置。
  2. 前記開閉弁制御部は、前記何れか一つの反応器から前記何れか一つの貯蔵器に前記反応媒体が移動可能となる期間内に、前記複数の貯蔵器のうち他の一つの貯蔵器から前記複数の反応器のうち他の一つの反応器に前記反応媒体が移動可能となるように、前記複数の開閉弁のうち前記他の一つの反応器及び前記他の一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御することを特徴とする請求項1記載のエンジンオイル温度制御装置。
  3. 前記開閉弁制御部は、前記何れか一つの反応器及び前記何れか一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御してから所定時間経過後に、前記他の一つの反応器及び前記他の一つの貯蔵器に対応する開閉弁を開制御することを特徴とする請求項2記載のエンジンオイル温度制御装置。
  4. 前記貯蔵器は、前記反応媒体の吸着及び脱離が可能な吸着材を含む吸着器であり、
    複数の前記吸着器は、接触状態で並設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のエンジンオイル温度制御装置。
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