JP2017125097A - サインペン用水性インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水、架橋構造を有する固形シリコーン粒子及び着色剤を含有しており、かつ動的光散乱法で測定したときの、固形シリコーン粒子の平均粒子径が20nm〜500nmである、サインペン用水性インク組成物。
【選択図】なし
Description
〈1〉 水、固形シリコーン粒子及び着色剤を含有しており、かつ
動的光散乱法で測定したときの、上記固形シリコーン粒子の平均粒子径が20nm〜500nmである、
サインペン用水性インク組成物。
〈2〉 上記固形シリコーン粒子が、架橋シリコーン粒子である、上記〈1〉項に記載のサインペン用水性インク組成物。
〈3〉 インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、かつ
上記インク貯蔵部に上記〈1〉又は〈2〉項に記載のサインペン用水性インク組成物が貯蔵されている、
サインペン。
〈4〉 上記筆記部が、プラスチック芯である、上記〈3〉項に記載のサインペン。
本発明のサインペン用水性インク組成物は、水、固形シリコーン粒子、及び着色剤、並びに随意の水溶性有機溶剤を含有している。この固形シリコーン粒子は、動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20nm〜500nmである。
水は、イオン交換水、蒸留水等であることができる。
固形シリコーン粒子は、平均粒子径が20nm〜500nmである。なお、ここでいう平均粒子径とは、動的光散乱法により検出された散乱強度分布を正規分布に当てはめて平均粒子径を算出するキュムラント解析法により求めたD50の値である。
着色剤としては、染料、顔料、又は染料と顔料との混合物等、従来のインクに用いることができる種々の着色剤を使用することができる。
水溶性有機溶剤としては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のヒンダードアルコール、グリセリン又はその誘導体(例えば、ポリグリセリンなど)、ソルビタン、蔗糖、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のポリグリコール類等が好ましく使用できる。
本発明のサインペン用水性インク組成物は、本発明の作用を損なわない範囲で、他の成分、例えばpH調整剤、防腐剤、ノンドライ剤等の添加剤等を含有していてもよい。
サインペン用リフィルは、インク貯蔵部を具備している。このインク貯蔵部には、上記のサインペン用水性インク組成物が貯蔵されている。
インク貯蔵部には、上記のサインペン用水性インク組成物が貯蔵されている。
筆記部は、サインペンの筆記部として用いることができる材料で構成されていればよい。筆記部としては、例えば繊維芯及びプラスチック芯、特にプラスチック芯が挙げられる。
本発明のサインペンは、インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備している。
本発明のサインペン用水性インク組成物の製造方法は、乳化工程、及び硬化工程を含む固形シリコーン粒子の製造工程と、これを他のインク組成物材料とともに配合するサインペン用水性インク組成物の製造工程からなる。
〈乳化工程〉
乳化工程は、油相を撹拌させながら、水相を滴下し、それによって転相乳化を行う工程である。
油相は、液状シリコーン組成物、及びHLB値が10以下の乳化剤を含有している。
液状シリコーン組成物は、硬化させることにより、動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20nm〜500nmである固形シリコーン粒子、特に架橋シリコーン粒子を形成する組成物である。
油相が含有している乳化剤は、HLB値が10以下の乳化剤である。このHLB値は、10以下、9以下、又は8以下であることができ、また0超、1以上、又は2以上であることができる。このような乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を用いることができる。
水相は、水、及びHLB値が10超の乳化剤を含有している。水としては、サインペン用水性インク組成物に関して挙げた水を用いることができる。
水相が含有している乳化剤は、HLB値が10超の乳化剤である。このHLB値は、20未満、19以下、又は18以下であることができ、また10超、11以上、又は12以上であることができる。このような乳化剤としては、例えばポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を用いることができる。
硬化工程は、液状シリコーン組成物を硬化させ、それによって固形シリコーン粒子を生成する工程である。
固形シリコーン粒子の製造工程は、他の工程、例えば硬化後の固形シリコーン粒子の水分散体を分級する工程を含んでもよい。
前記固形シリコーン粒子の水分散体、及びサインペン用水性インク組成物を構成する材料をディスパー等の攪拌機器を用いて混合しながら、従来公知の方法で製造する。
〈実施例1〉
粒子原料としての液状シリコーン組成物(KE−1844、信越化学工業株式会社、20.0質量部)及び乳化剤としての成分名(品番:エマルゲン102KG、HLB:6.3、メーカー名:花王株式会社、1.0質量部)を含有している油相を600rpmで撹拌し、そこに乳化剤としての成分名(品番:エマルゲン150、HLB:18.4、メーカー名:花王株式会社、9.0質量部)を含有している水相を滴下した。その後、混合液を高圧乳化機により、150MPa、10パスの条件で処理して乳化した。次いで、混合液を80℃で12時間加熱して液状シリコーン組成物を硬化させ、そして12500rpmで30分間分級して、実施例1の水性インク組成物に用いるための、架橋シリコーン粒子(シリコーンゴム)を含有している固形シリコーン粒子の水分散体を作製した。
固形シリコーン粒子の水分散体の質量部を、10.0質量部(固形分換算)に変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2の水性インク組成物を作製した。
固形シリコーン粒子の水分散体の質量部を、20.0質量部(固形分換算)に変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物を、KE−1842(信越化学工業株式会社)に変更したことを除き、実施例2と同様にして、実施例4の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物を、KE−1886(信越化学工業株式会社)に変更したことを除き、実施例2と同様にして、実施例5の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物を油相に含有させなかったことを除き、実施例1と同様にして、比較例1の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物の代わりに、添加粒子としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)粒子(Nipol(商標)LX112、日本ゼオン株式会社、20.0質量部)を用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例1の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物の代わりに、シリコーンオイル(KF−96−500cs、信越化学工業株式会社、20.0質量部)を用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例1の水性インク組成物を作製した。比較例1の水性インク組成物は、シリコーンエマルションを含有しており、表1の「粒径」の欄には液滴の径を記載している点に留意されたい。
まず、固形シリコーン粒子の水分散体を、実施例1と同様にして作製した。次いで、着色剤としてのカーボンブラック(8.0質量部)、顔料分散剤としてのスチレンアクリル酸樹脂(1.8質量部)、防腐剤(バイオデン421、大和化学工業株式会社、0.3質量部)、pH調整剤としてのトリエタノールアミン(0.2質量部)、溶剤としてのグリセリン(10.0質量部)、粒子原料としての上記の固形シリコーン粒子の水分散体(固形分換算で10.0質量部)及びイオン交換水(残部)を用い、実施例6の水性インク組成物を100質量部作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物を、KE−1842(信越化学工業株式会社)に変更したことを除き、実施例6と同様にして、実施例7の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物を、KE−1886(信越化学工業株式会社)に変更したことを除き、実施例2と同様にして、実施例8の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物の代わりに、添加粒子としてのシリコーン粒子(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、固形分換算で9.7質量部)を用いたことを除き、実施例6と同様にして、比較例4の水性インク組成物を作製した。
粒子原料としての液状シリコーン組成物の代わりに、添加粒子としてのシリコーン粒子(トスパール1110、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、固形分換算で9.7質量部)を用いたことを除き、実施例6と同様にして、比較例5の水性インク組成物を作製した。
作製した水性インク組成物を、サインペンのインク貯蔵部にそれぞれ充填した。サインペンの筆記部としては、ポリアセタール芯を用いた。
4 インク溝
10 プラスチック芯
Claims (4)
- 水、固形シリコーン粒子及び着色剤を含有しており、かつ
動的光散乱法で測定したときの、前記固形シリコーン粒子の平均粒子径が20nm〜500nmである、
サインペン用水性インク組成物。 - 前記固形シリコーン粒子が、架橋シリコーン粒子である、請求項1に記載のサインペン用水性インク組成物。
- インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、かつ
前記インク貯蔵部に請求項1又は2のいずれか一項に記載のサインペン用水性インク組成物が貯蔵されている、
サインペン。 - 前記筆記部が、プラスチック芯である、請求項3に記載のサインペン。
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