JP2017124659A - 駐車支援システム、駐車支援方法及びプログラム - Google Patents

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裕介 木内
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泰郎 藤島
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聡 飯尾
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哲也 塘中
ケビン ウォルターズ
Walters Kevin
ケビン ウォルターズ
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Abstract

【課題】駐車に要する時間を短縮する駐車支援システムを提供する。【解決手段】駐車支援システム10は、駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算する経路計算部13と、単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行うアクチュエータ制御部14と、を備え、経路計算部13は、アクチュエータ制御部14が単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する。【選択図】図1

Description

本発明は、駐車支援システム、駐車支援方法及びプログラムに関する。
車庫入れや縦列駐車などを支援する駐車支援装置の開発が進められている。例えば、特許文献1には、駐車初期位置から車両を前進させつつ、目標駐車位置の検出を行い、前進を停止した時点でその位置から目標駐車位置への後進経路を計算する駐車支援装置が開示されている。この駐車支援装置では、目標駐車位置へ1回の後退によって駐車できないと判定した場合、再び車両を前進させつつ目標駐車位置を設定し、後進経路の計算を行うという処理を、目標駐車位置までの後進経路が成立するまで繰り返す。
特開2008−284969号公報
ところで、車両の性能により操舵角度に制約がある場合や狭隘な駐車スペースで駐車を行う場合、1回の後退動作では駐車を行うことができず、複数回の切り返し操作が必要となることも多い。そのような場合、特許文献1の方法では、その度に目標駐車位置および後進経路を設定し直すという処理を繰り返す必要があり、後進経路の計算時間が全体の駐車時間に与える影響が大きくなることが考えられる。また、簡単に後進経路が成立する保証は無く、後進経路が成立するまでの計算時間によってはドライバはストレスを感じる可能性がある。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる駐車支援システム、駐車支援方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算する経路計算部と、前記単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行うアクチュエータ制御部と、を備え、前記経路計算部は、前記アクチュエータ制御部が前記単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、前記単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する、駐車支援システムである。
本発明の第2の態様における前記経路計算部は、侵入禁止領域情報を取得し、その侵入禁止領域情報を用いて、前記単位経路の一部が前記侵入禁止領域情報に含まれないようにその単位経路を計算する。
本発明の第3の態様における前記駐車支援システムは、センサが検出した空間情報に基づいて目標駐車位置の位置情報を逐次計算する駐車位置推定部、をさらに備え、前記経路計算部は、前記駐車位置推定部が計算した目標駐車位置に基づいて前記単位経路を計算する。
本発明の第4の態様における前記駐車位置推定部は、センサが検出した空間情報に基づいて侵入禁止領域情報を逐次計算し、前記経路計算部は、前記単位経路の一部が前記駐車位置推定部によって計算された侵入禁止領域情報に含まれないようにその単位経路を計算する。
本発明の第5の態様における前記駐車支援システムは、駐車場の地図情報を取得し、前記地図情報に基づいて目標駐車位置の位置情報を計算する駐車位置決定部、をさらに備え、前記経路計算部は、駐車位置決定部が計算した目標駐車位置に基づいて前記単位経路を計算する。
本発明の第6の態様における前記駐車位置決定部は、前記地図情報に基づいて侵入禁止領域情報を計算し、前記経路計算部は、前記単位経路の一部が前記駐車位置決定部によって計算された侵入禁止領域情報に含まれないようにその単位経路を計算する。
本発明の第7の態様における前記駐車支援システムは、前記経路計算部が計算した単位経路の情報を記憶する複数の記憶領域を備える記憶部と、前記経路計算部が計算した単位経路の情報の記録先および前記アクチュエータ制御部が用いる単位経路の情報の読み取り先それぞれの記憶領域を前記複数の記憶領域の中から選択する制御モード切替部、をさらに備え、前記制御モード切替部は、前記経路計算部が計算した次の単位経路の情報の記録先を、前記アクチュエータ制御部が用いる単位経路の情報の読み取り先とは異なる記憶領域の中から選択する。
本発明の第8の態様における前記記憶部は、第一記憶領域と第二記憶領域を備え、前記制御モード切替部は、前記単位経路の情報の記録先を単位経路ごとに切り替える第一切替部と、前記アクチュエータ制御部が用いる経路情報の読み取り先の記憶領域を切り替える第二切替部とを備え、前記アクチュエータ制御部が前記車両の走行制御を行っている間、前記第二切替部は、前記第一切替部が選択した記憶領域とは異なる記憶領域に読み取り先を切り替える。
本発明の第9の態様における前記駐車支援システムは、車両の現在位置を推定する自己位置推定部、をさらに備え、前記経路計算部は、前記自己位置推定部が推定した前記単位経路の到達位置における車両の位置と前記目標駐車位置との距離が所定の閾値以下となるまで、次の単位経路の計算を繰り返し、前記アクチュエータ制御部は、前記経路計算部が先行的に計算した単位経路に基づいて車両を移動する。
本発明の第10の態様は、駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算し、前記単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行うにあたり、前記単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、前記単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する、駐車支援方法である。
本発明の第11の態様は、駐車支援システムのコンピュータを、駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算する手段、前記単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行う手段、として機能させるためのプログラムであって、前記単位経路を計算する手段は、前記単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、前記単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する、プログラムである。
本発明によれば、駐車支援システムを利用して車両を駐車する際、目標駐車位置までの移動経路の計算によって生じる待ち時間を削減し、駐車に要する時間の短縮化、ドライバのストレスの低減化を実現することができる。
本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの一例を示すブロック図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の概略を説明する図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第一の図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第二の図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第三の図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第四の図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第五の図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第六の図である。 本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る第二実施形態における駐車支援システムの一例を示すブロック図である。 本発明に係る第二実施形態における駐車支援システムの動作の説明する図である。 本発明に係る第三実施形態における駐車支援システムの一例を示すブロック図である。 本発明に係る第三実施形態における駐車支援システムの動作の説明する図である。 本発明に係る第四実施形態における駐車支援システムの一例を示すシステムブロック図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の実施形態による駐車支援システムを図1〜図9を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムのブロック図である。
駐車支援システム10は、車両に搭載されるコンピュータ装置であって、駐車支援システム10を搭載する車両の自動駐車を支援する。駐車支援システム10は、入力部11と、自己位置推定部12と、駐車経路計算部13と、アクチュエータ制御部14と、制御モード切替部15、記憶部16と、出力部17とを備えている。
入力部11は、目標駐車位置の位置情報、目標駐車位置に車両を駐車させるときの姿勢情報を取得する。また、入力部11は、現在の車両位置や目標駐車位置を含む所定の領域内に存在する侵入禁止領域の位置情報を取得する。また、入力部11は、現在の車両の位置情報、姿勢情報に関する情報を車両に設けられたオドメトリセンサから例えば所定の時間間隔で取得する。オドメトリセンサとは、例えば車速センサおよび操舵角センサである。さらに、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSなどをさらに併用する構成としてもよい。
自己位置推定部12は、駐車支援システム10が搭載された車両の現在位置を推定する。例えば、自己位置推定部12は、入力部11が取得した車速センサおよび操舵角センサの検出値に基づいて、現在の車両の位置情報および姿勢情報を計算する。
駐車経路計算部13は、車両が駐車初期位置から目標駐車位置に至るまでの経路(駐車経路とよぶ)を計算する。本実施形態では、連続する1回の前進および1回の後進からなる移動経路をフレーム(単位経路)と呼び、このフレーム単位の移動を繰り返して、車両を目標駐車位置に移動させる駐車方法を考える。つまり、駐車経路は1つのフレーム又は複数の連続するフレームから構成される。後述するように駐車経路計算部13は、駐車経路の計算にあたり、1フレームごとの単位経路情報を逐次的に計算する。単位経路情報には、その1フレームの軌道の情報、およびその軌道に沿って車両を移動させるための車両制御信号が含まれている。車両制御信号とは、駐車動作に関する車両のアクチュエータの動きを制御する信号である。車両制御信号とは、例えば車輪(前輪)の操舵角指令値、車速指示値、シフト指示値などである。また、1フレームの軌道の情報とは、例えば、車両軌跡XY座標情報、姿勢情報などである。特に本実施形態において、駐車経路計算部13は、次に説明するアクチュエータ制御部14が単位経路情報に基づく車両の走行制御を行っている間に、その単位経路情報における到達位置を出発位置とする次フレームの単位経路情報の計算を行う。
アクチュエータ制御部14は、単位経路情報に基づいて駐車支援システム10を搭載する車両を移動する制御(走行制御)を行う。具体的には、アクチュエータ制御部14は、駐車経路計算部13が生成した車両制御信号に基づいて車両を走行させつつ、駐車経路計算部13が計算したXY座標情報、姿勢情報と、オドメトリセンサによって得られる自己位置および姿勢が一致するようにフィードバック制御を行い、車両を目的位置まで移動させる。
制御モード切替部15は、駐車経路計算部13が計算した単位経路情報の記録先およびアクチュエータ制御部14が車両の走行制御に用いる単位経路情報の読み取り先を切り替える。これにより、制御モード切替部15は、駐車経路計算部13が次フレームの単位経路情報を計算しつつ、アクチュエータ制御部14が現フレームの単位経路情報に基づいて走行制御を行うという動作を実現する。
記憶部16は、入力部11が取得した目標駐車位置の位置情報などを記憶する。また、記憶部16は、駐車経路計算部13が計算した各フレームの軌道を示す情報などを記憶する。
出力部17は、車両の運転席に設けられた表示装置により自動駐車の開始および完了の通知を行ったり、自動駐車の進捗状況の表示を行ったりする。
入力部11と、自己位置推定部12と、駐車経路計算部13と、アクチュエータ制御部14と、制御モード切替部15、出力部17は、駐車支援システム10が備えるCPUが、記憶部16が記憶するプログラムを読み込んで実行することにより、駐車支援システム10に備わる機能である。
図2は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の概略を説明する図である。
図2は、ある車両が目標駐車位置に自動駐車する様子を表す図である。駐車支援システム10は、自動駐車における駐車経路を計算し、その経路に沿って車両を目標駐車位置まで移動させる。図2において破線は、車両が駐車初期位置P1から、切り返し位置P2などを経て目標駐車位置P3に至る駐車経路を示している。図2の駐車経路は、2フレームで構成されている。1フレーム目の経路は、車両が駐車初期位置P1から前進する経路を示す破線1Aおよび切り返し位置P2から後進する経路を示す破線1Bから構成される。同様に2フレーム目の経路は、1フレーム目の到達位置を出発位置として前進する経路を示す破線2Aおよび後進する経路を示す破線2Bから構成される。2フレーム目の最終到達位置は目標駐車位置P3である。
また、図2において矩形の領域は侵入禁止領域を表している。図2で例示するような駐車スペースの場合、距離L1が短く車両が旋回しようとすると制約を受ける狭隘空間である。このような空間の場合、アクチュエータの性能が十分に高く大きな操舵トルクを発揮することができる車両でないと1回の切り返しで駐車初期位置P1から目標駐車位置P3へ移動することは困難である。また、距離L1にある程度の余裕がある場合でも、操舵トルクが十分ではなく車両の旋回角度を大きく取ることができない車両においては、やはり1回の切り返しで駐車初期位置P1から目標駐車位置P3へ移動することは困難である。従ってそのような車両においては、図2で例示したように複数回(例えば2回)の切り返しを行って目標駐車位置P3へ移動することが必要になる。ところで、駐車経路の計算は、実装されるアルゴリズムの複雑さに依存するが、車両構造に起因する幾何学的拘束条件等を勘案して計算される必要があり、一般に有限な計算資源しか持たない車載コンピュータ装置にとって、その演算負荷は小さくない。従って、1回の切り返し(つまり1フレームの移動)で目標駐車位置に至るのであればまだしも、複数回の切り返しが要求される駐車経路の場合、その計算負荷は大きくなり、計算に必要な時間および駐車完了までの全体の動作時間も長大化することになる。特に、実際の運用で想定される課題として、駐車初期位置P1に存在する車両が、駐車経路全ての計算を待って自動駐車を行うならば、車両はその場で停車することを余儀なくされる。また、車両が1フレーム分の移動を行い、その都度、停車して次フレームの計算を行うならば、やはり、フレーム数の増加に伴い駐車時間の長大化する。また、1フレームごとに停車しなければならないことに対してドライバがストレスを感じる結果となる。さらに、駐車時間の長大化によって、付近を通行しようとする他車両への影響など様々な不具合が生じる可能性がある。
また、このような問題を解決するために操舵角度を大きく取れるアクチュエータを採用したり、駐車支援システム10を演算能力の高いコンピュータ装置に実装したりといった対策も考えられるが、何れの場合もコスト高となるため現実的ではない。なお、これまでに提案されてきた自動駐車システムは、比較的高性能な車両に搭載されることが前提となっていることが多かった。このような車両では、アクチュエータの性能も高く車両の旋回角が大きくとれ、1フレームでの目標駐車位置への移動が可能な場合が多い。よってこのような車両では、上述の問題が意識されることもなかった。しかし、自動駐車機能による支援を必要とするドライバは、必ずしもそのような高性能な車両に乗車しているわけではない。例えば、一般的な車両のパワーステアリングシステムはドライバによるハンドル操作を支援する目的で設計されるため、自動運転時にパワーステアリングシステムだけで前輪を旋回させるよう制御しても、人が運転した場合と同等の操舵角でハンドルを旋回させることができない場合が多い。一般的な車両に乗車するドライバのニーズを満たすためには、限定された性能を有し比較的安価な車両であることを前提に、駐車支援システムを設計する必要がある。そこで、本実施形態では、旋回角度に制限が有る車両や狭隘な空間での駐車を想定し、何度も切り返しを行いながら駐車することを前提とする。さらに一連の複数フレームからなる駐車経路を、一般的な車両に搭載されるコンピュータ装置の演算性能によって計算が可能で、自動駐車に要する時間の長大化を防ぎ、ドライバにストレスを感じさせない自動駐車を実現する駐車支援システム10を提供する。
具体的には、駐車支援システム10は、まず駐車初期位置で1フレーム目の単位経路情報を計算し、計算ができたら即座に1フレーム目の移動を開始する。駐車支援システム10は、1フレーム目の走行制御を行う一方、車両の移動中に2フレーム目の単位経路情報を計算する。1フレーム目の移動が完了すると、続いて駐車支援システム10は、2フレーム目の走行制御を行いつつ、3フレーム目の単位経路情報を計算する。このように、駐車支援システム10は、最小限の経路を計算したら移動し、次の経路は移動しながら計算するという処理を繰り返す。車両制御信号には、前後進の車速および操舵角の制御情報の他、1フレームの切り返し位置(前進から後進への切り替え)や前後進におけるシフト操作(前進時は1速、後進時はバックなど)が含まれており、駐車時の運転操作を自動化できる。また、1フレーム分の経路を先行的に計算しておくことで、切り返し位置で停車する必要が無く、また、全体の駐車時間の長大化を防ぐことができる。
以下に、本実施形態の駐車支援システム10の動作について詳しく説明する。
図3は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第一の図である。
図3においてX−Y座標は、駐車初期位置P1における車両の両後輪の中心を基準とするローカル座標系である。同様にX−Y座標は運転中のP2に位置するときのローカル座標系、X−Y座標は、目標駐車位置P3におけるローカル座標系である。なお、ローカル座標系は、車体の進行方向にX軸、車幅方向にY軸を設定した座標系である。本実施形態では一例として、駐車経路計算部13は、計算対象となるフレームの出発位置での車両におけるローカル座標系を基準としてそのフレームの軌道情報を計算する。なお、車両の位置情報は、その時々のローカル座標系における(X座標、Y座標)で表される。また、姿勢情報は、ローカル座標系のX軸を基準とした車両の進行方向の角度θで表される。
軌道情報の計算方法の一例を説明する。駐車経路計算部13は、1フレーム分の単位経路情報の候補を複数計算し、その中で最も目標駐車位置に近い単位経路情報を選択する。駐車経路計算部13は、操舵角度や車速などのパラメータに適切な範囲の値を設定し、1フレームの前進時における軌道情報を複数パターン生成する。駐車経路計算部13は、その軌道に沿って車両を前進させた場合の到達位置の位置情報および姿勢情報(X、Y、θ)(i=1〜N)を計算する。前進時の到達位置の候補を複数(例えばN=10パターン)決定すると、駐車経路計算部13は、それぞれの到達位置を出発位置とする後進時の軌道の候補を複数パターン計算して1フレーム分の軌道の候補を計算する。次に駐車経路計算部13は、計算した後進時の軌道における最終到達位置(X、Y、θ)(j=1〜N)を計算する。駐車経路計算部13は、最終到達位置と目標駐車位置との距離を計算し、最も目標駐車位置に近い最終到達位置を選択する。駐車経路計算部13は、選択した最終到達位置を有する後進時の軌道、その後進軌道の出発位置を到達位置に有する前進時の軌道の組み合わせを1フレームの軌道として決定する。なお、目標駐車位置25の周囲の駐車スペースには、駐車車両100〜102が既に駐車している。駐車経路計算部13は、駐車車両100〜102の駐車スペースのような侵入禁止領域を通過しないように前進時および後進時における軌道を計算する。例えば、駐車経路計算部13は、前進時および後進時における軌道が侵入禁止領域を通過する場合、侵入禁止領域の手前で車両が停止するように軌道を修正する。例えば前進時の軌道が侵入禁止領域を通過する場合、駐車経路計算部13は、侵入禁止領域の手前で前進時の軌道を終了させる。駐車経路計算部13は、その修正後の到達位置を後進時の軌道の出発位置として後進時の軌道を計算する。
図4は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第二の図である。
図4は、本実施形態の駐車支援システムの具体的な構成例を示すシステムブロック図である。図4において、オドメトリ121は自己位置推定部12の一例、プランナ131は駐車経路計算部13の一例である。また、切替回路151および切替回路152および終了判定回路153は制御モード切替部15の一例である。また、経路データ記憶領域161、経路データ記憶領域162、前回経路記憶部163(図中「Z−1」と記載)は、記憶部16に格納されている。
オドメトリ121は、車速センサが検出した車速センサ値と操舵角センサが検出した操舵角センサ値とを所定の時間間隔で取得し、自車の走行量を計算する。オドメトリ121は、計算した走行量を累積して現在の車両の位置情報および姿勢情報を計算する。オドメトリ121は、計算した車両の位置情報および姿勢情報を終了判定回路153、プランナ131、コントローラ141へ出力する。
プランナ131は、目標駐車位置および姿勢情報と、車両初期位置および姿勢情報(X、Y、θ)と、侵入禁止領域情報と、前回経路計画結果情報とを取得する。自動駐車の開始時には、プランナ131は、車両初期位置および姿勢情報(X、Y、θ)と、目標駐車位置および姿勢情報と、侵入禁止領域情報とに基づいて1フレーム目の経路情報を計算する。車両初期位置および姿勢情報は、オドメトリ121から取得してもよいし、ドライバなどが入力した値を取得してもよい。図3を用いて説明したようにプランナ131は、侵入禁止領域に侵入しない1フレーム目の経路を複数パターン計算して、その中から最も目標駐車位置に近づくことができる経路を選択する。
切替回路151は、プランナ131が計算した単位経路情報の記録先となる記憶領域を選択する。自動駐車の開始時には、何れの記憶領域にも単位経路情報が記録されていないので、切替回路151は、例えば経路データ記憶領域161を選択し、単位経路情報の記録先を経路データ記憶領域161に切り替える。プランナ131は、1フレーム目の単位経路情報を経路データ記憶領域161に記録する。経路データ記憶領域161は、1フレーム目の単位経路情報を記憶する。
また、1フレーム目の単位経路情報が計算されると、プランナ131は、1フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報を前回経路記憶部163に記録する。
1フレーム目の単位経路情報が記録されると、切替回路152は、コントローラ141の単位経路情報の読み出し先を、1フレーム目の単位経路情報が記録された経路データ記憶領域161に切り替える。コントローラ141は、経路データ記憶領域161から1フレーム目の単位経路情報を読み出して、アクチュエータ指示値を各アクチュエータへ出力する。コントローラ141は、オドメトリ121が計算した現在の位置および姿勢情報を所定の時間間隔で取得し、1フレーム目の単位経路情報が示す経路に沿って車両が走行するようにフィードバック制御を行う。
このように本実施形態では、まず駐車初期位置で停止して、1フレーム目の経路計算を行う。そして、1フレーム目の経路情報の計算が終わり次第、車両の移動を開始する。1フレーム目だけの計算であれば計算時間に過大な時間を要することなく、ドライバにはストレスが掛からない。また、1フレーム分の経路を計算するので切り返し時に停止したり、後進経路を調整したりする必要が無いので、ドライバの心理的負担を軽減することができる。
図5は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第三の図である。
図4に引き続き、車両が1フレーム目の経路を移動している間の駐車支援システム10の動作について説明する。
プランナ131が1フレーム目の単位経路情報を経路データ記憶領域161に記録すると、切替回路151は、単位経路情報の記録先を経路データ記憶領域161から経路データ記憶領域162に切り替える。
コントローラ141は、切替回路152が接続した経路データ記憶領域161から単位経路情報を読み出して、1フレーム目の最終到達位置に向かって車両を走行させ続ける。この間もオドメトリ121は、車両の位置情報および姿勢情報を計算し続け、コントローラ141は、車両の最新の位置情報および姿勢情報を用いてフィードバック制御を行っている。その間、プランナ131は、前回経路記憶部163から前回の経路計画結果(1フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報)を取得して、前回の経路計画結果と目標駐車位置の位置および姿勢情報と侵入禁止領域情報とに基づいて2フレーム目の単位経路情報を計算する。このときプランナ131は、1フレーム目の最終到達位置(2フレーム目の開始位置)における車両の位置情報および姿勢情報を基準とするローカル座標に変換して単位経路情報の計算を行う。プランナ131による2フレーム目の単位経路情報の計算は、車両が1フレーム目の経路に沿って移動する間に行われ、その移動中に完了する。プランナ131は、計算した2フレーム目の単位経路情報を切替回路151が切り替えた記録先である経路データ記憶領域162に記録する。また、プランナ131は、2フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報を前回経路記憶部163に記録する。
このように本実施形態では、コントローラ141が、現フレーム(現在走行する経路)の単位経路情報をその情報が記録された記憶領域から読み出し走行制御を行い、その間、プランナ131が次フレームの単位経路情報を計算してその結果を異なる記憶領域に記録する。このようにすると、プランナ131は、コントローラ141による現フレームの走行制御を邪魔することなく、次フレームの経路を計算することができる。これにより、現フレームの最終到達位置に到達する前に次フレームの移動に備えることができる。従って、車両は2フレーム目の移動にスムーズに移行し、車両は1フレームごとに停車することがない。これにより、自動駐車に要する時間の長大化を防ぎ、ドライバのストレスを低減することができる。
図6は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第四の図である。
図5に引き続き、今度は車両が2フレーム目の経路を移動している間の駐車支援システム10の動作について説明する。
コントローラ141が1フレーム目の走行制御を完了すると、終了判定回路153が終了判定を行う。終了判定回路153は、例えばユーザが入力した目標駐車位置の位置情報および姿勢情報(X、Y、θ)を取得する。終了判定回路153は、目標駐車位置および姿勢情報とオドメトリ121が計算した現在(1フレーム目の最終到達位置)の位置および姿勢情報とを比較して終了判定を行う。終了判定回路153は、例えば、両者の距離が所定の閾値以下であれば車両は目標推定位置に到達したとみなし、自動駐車処理を終了すると判定する。それ以外の場合は、自動駐車処理を継続すると判定する。今回は、自動駐車処理を継続すると判定したとする。
すると、切替回路152は、単位経路情報の読み取り先を経路データ記憶領域161から経路データ記憶領域162に切り替える。コントローラ141は、切替回路152が接続した経路データ記憶領域162から単位経路情報を読み出して、2フレーム目の経路に沿った走行制御を開始する。一方、切替回路151は、切替回路152が単位経路情報の読み出し先を切り替えると、単位経路情報の記録先を経路データ記憶領域162から経路データ記憶領域161に切り替える。そして、プランナ131は、前回経路記憶部163から前回の経路計画結果(2フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報)を取得して、3フレーム目の単位経路情報を計算する。プランナ131による3フレーム目の単位経路情報の計算は、車両が2フレーム目の経路に沿って移動する間に行われ、その移動中に完了する。プランナ131は、計算した3フレーム目の単位経路情報を、既に移動が完了した1フレーム目の経路データが記録された経路データ記憶領域161に書き込む(上書き)。また、プランナ131は、3フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報を前回経路記憶部163に記録する。以降、車両が目標駐車位置に到達するまで同様の処理を繰り返す。つまり、駐車支援システム10は、次フレームの単位経路情報を記録する記憶領域と移動中の現フレームの単位経路情報が記録された記憶領域とが重ならないように切替回路151、152によって適切に記憶領域を切り替えながら、次フレームの単位経路情報の計算を先行的に行いつつ現フレームの走行制御を行う処理を繰り返す。これにより、自動駐車に要する時間を短縮化し、ドライバの利便性を向上させる。
図7は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第五の図である。
図8は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムの動作の説明する第六の図である。
図7、図8を用いて2フレーム分の移動で駐車目標位置に至る場合を例に、プランナ131の内部処理および各フレームの開始位置および姿勢情報の概要を説明する。
プランナ131は、切替回路132と経路計算部133とを備える。切替回路132は、計算対象となるフレームの開始位置における車両の位置情報および姿勢情報の取得先を切り替える。経路計算部133は、計算対象となるフレームの開始位置における車両の位置情報および姿勢情報と、目標駐車位置における車両の位置情報および姿勢情報と、侵入禁止領域情報とに基づいて次フレームの単位経路情報を計算する。
図8において1フレーム目の計算では、開始位置の位置情報および姿勢情報の値として「a」点の座標情報および「a」点における姿勢情報を用いる。このとき、切替回路132は、自動駐車処理の開始時において1フレーム目の開始位置および姿勢情報の取得先を、駐車初期位置および姿勢情報の入力先(例えばオドメトリ121)に切り替える。プランナ131は経路1aおよび経路1bからなる1フレーム目の単位経路情報を計算する。
また、2フレーム目の計算では、開始位置および姿勢情報の値として1フレーム目の最終到達位置である「b」点の座標情報および姿勢情報を用いる。このとき、切替回路132は、次フレームの開始位置および姿勢情報の取得先を前回経路記憶部163に切り替える。プランナ131は経路2aおよび経路2bからなる2フレーム目の単位経路情報を計算する。
図9は、本発明に係る第一実施形態における駐車支援システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
図9を用いて、本実施形態の自動駐車処理の流れについて説明を行う。なお、駐車支援システム10は、図4〜図7で説明した構成を有しているものとする。
まず、ドライバが自動運転開始指示操作を行う。このとき、例えばドライバが、駐車目標位置および姿勢情報および侵入禁止領域情報を駐車支援システム10に入力する。すると、プランナ131が、入力部11を介して駐車目標位置および姿勢情報および侵入禁止領域情報を取得する(ステップS11)。
次に、プランナ131が1フレーム目の単位経路情報を計算する(ステップS12)。このとき、プランナ131では、切替回路132が1フレーム目の開始位置および姿勢情報の取得先を切り替えて、車両初期位置および姿勢情報を取得する。車両初期位置および姿勢情報は、例えば、ドライバが自動運転開始指示操作を行った時点において、オドメトリ121が計算した駐車支援システム10が搭載された車両の位置および姿勢情報である。また、切替回路151は、1フレーム目の単位経路情報の記録先として経路データ記憶領域161を選択する。また、切替回路152は、1フレーム目の単位経路情報の読み出し先として経路データ記憶領域161を選択する。プランナ131は、例えば、複数の前進経路と、それら各前進経路の到達位置を出発位置とする複数の後進経路を模擬し、模擬した前進経路と後進経路を組み合わせたフレームの中から最も目標駐車位置に近いフレームを選択することで単位経路情報の計算を行う。単位経路情報の計算が完了すると、プランナ131が1フレーム目の単位経路情報を経路データ記憶領域161に記録する。1フレーム目の単位経路情報の記録が完了すると、切替回路151は、単位経路情報の記録先を経路データ記憶領域162に切り替える。また、プランナ131は、1フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報を前回経路記憶部163に記録する。
次にコントローラ141が経路データ記憶領域161から1フレーム目の単位経路情報を読み出す。コントローラ141は、現フレーム(1フレーム目)の走行制御を行う(ステップS13)。具体的には、コントローラ141は、単位経路情報に含まれる時系列の操舵角制御情報や車速情報をアクチュエータ指示値として、前輪の操舵角を制御するアクチュエータや車輪の回転数を制御するアクチュエータに出力する。また、コントローラ141は、オドメトリ121から取得した車両の位置および姿勢情報と単位経路情報に含まれる経路情報を比較して、車両が計画した経路を走行するようにアクチュエータ指示値を調整し、車両の移動経路に対してフィードバック制御を行う。
また、ステップS13の処理と並行して、プランナ131は、次フレーム(2フレーム目)の単位経路情報を計算する(ステップS14)。このとき、プランナ131では、切替回路132が次フレームの開始位置および姿勢情報の取得先を前回経路記憶部163に切り替える。プランナ131は、前回経路記憶部163に記録された現フレーム(1フレーム目)の最終到達位置における位置および姿勢情報を初期位置および姿勢の値として次フレームの単位経路情報を計算する。経路計算の方法は、1フレーム目と同様である。単位経路情報の計算が完了すると、プランナ131が次フレームの単位経路情報を経路データ記憶領域162に記録する。また、プランナ131は、2フレーム目の最終到達位置の位置情報および姿勢情報を前回経路記憶部163に記録する。
現フレーム(1フレーム目)の走行制御が完了し、現フレームの最終到達位置に至ると、終了判定回路153が目標駐車位置に到達したか否かを判定する(ステップS15)。例えば、終了判定回路153は、現フレームの最終到達位置の位置情報と目標駐車位置の位置情報とから両者間の距離を求め、その距離が所定の閾値以内であれば、車両が目標駐車位置に到達したと判定する。それ以外の場合、終了判定回路153は、車両は目標駐車位置に到達していないと判定する。車両が目標駐車位置に到達したと判定した場合(ステップS15;Yes)、自動駐車処理を終了する。
一方、車両は目標駐車位置に到達していないと判定した場合(ステップS15;No)、切替回路151および切替回路152は切り替え処理を行う。例えば、1フレーム目で目標駐車位置に到達しなかった場合、切替回路151は、単位経路情報の記録先を、1フレーム目の単位経路情報が記録された経路データ記憶領域161に切り替える。切替回路152は、単位経路情報の読み出し先を、2フレーム目の単位経路情報が記録された経路データ記憶領域162に切り替える。そして、再びステップS13からの処理を送り返す。
本実施形態によれば、複数回の前後進を含む駐車経路が必要な状況にあっても,次の単位経路の計算は車両の運動中に先行的に実施されるため,全体の駐車時間が短縮できる。これによりドライバの利便性が向上する。また、操舵トルクの能力に制約があり、1度の切り返しでは駐車できない状況にあっても、漸近的に目標駐車位置に車両を誘導し続けることで、最終的に目標駐車位置に到達することができる。これにより,高価なアクチュエータは必ずしも必要ではなくなり、車両メーカも車両の製造コストを低減できる。また、本実施形態の駐車支援システム10は、既存の車両に対して大きな改造を要せず搭載し動作させることができるので、幅広い車種の車両に対して導入がしやすい。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態による駐車支援システムについて図10〜図11を参照して説明する。第一実施形態では、目標駐車位置の情報や侵入禁止領域情報をドライバ自身が与える場合を例に説明を行った。第二実施形態においては、車両が備えるカメラなどの光学センサによって目標駐車位置となる空きスペースを検出したり、あるいは超音波センサ等によって障害物までの距離を測定し侵入禁止領域を検出したりする構成とする。
図10は、本発明に係る第二実施形態における駐車支援システムの一例を示すブロック図である。
本発明の第二実施形態に係る構成のうち、本発明の第一実施形態に係る駐車支援システム10を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。第二実施形態に係る駐車支援システム10Aは、第一実施形態の構成に加えて、駐車位置推定部18を備えている。
駐車位置推定部18は、センサが検出した空間情報に基づいて目標駐車位置や侵入禁止領域の位置情報を逐次計算する。
図11は、本発明に係る第二実施形態における駐車支援システムの動作の説明する図である。
図11において、目標駐車位置/侵入禁止領域推定回路181(以下、目標駐車位置推定回路181とする)は駐車位置推定部18の一例である。目標駐車位置推定回路181は、例えば所定の時間間隔で車両に搭載されたカメラからそのカメラが撮像した画像を取得する。カメラは例えば車体のフロント、サイドミラー、リアに搭載されている。また、目標駐車位置推定回路181は、車両に搭載された超音波センサからその超音波センサが検出した車両の周囲に存在する物体との距離情報などを例えば所定の時間間隔で取得する。目標駐車位置推定回路181は、取得した画像に基づいて駐車スペースを検出し、その位置情報を計算する。また、目標駐車位置推定回路181は、取得した画像や距離情報などを用いて障害物などが存在する侵入禁止領域の位置情報を計算する。これら駐車スペースや侵入禁止領域の位置情報の計算は公知の方法を用いて行えばよい。目標駐車位置推定回路181は、センサが検出した値を取得する度に目標駐車位置や侵入禁止領域の位置情報を計算する。目標駐車位置推定回路181は、逐次計算した目標駐車位置の情報をプランナ131と終了判定回路153に出力する。目標駐車位置推定回路181は、逐次計算した侵入禁止領域情報をプランナ131に出力する。プランナ131は、目標駐車位置推定回路181から取得した最新の目標駐車位置の情報と、最新の侵入禁止領域情報と、前回経路記憶部163に記録された現フレームの最終到達位置における位置および姿勢情報と、に基づいて次フレームの単位経路情報の計算を行う。また、終了判定回路153は、現フレームの移動終了時に、目標駐車位置推定回路181から取得した最新の目標駐車位置の情報と、オドメトリ121が推定したそのときの車両の位置情報と、に基づいて終了判定を行う。他の動作については第一実施形態と同様である。
本実施形態によれば、ドライバからシステムへ教示することなく、目標駐車位置および侵入禁止領域の自動設定が可能となり、ドライバの利便性が向上する。また、実際にセンサが検出した情報に基づき目標駐車位置および侵入禁止領域を設定するので、予めドライバが目標駐車位置を車両システム内に登録しておく場合と比較し,状況の変化(突然の設備変更等)に対して柔軟に対応できるロバストなシステムとすることができる。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態による駐車支援システムについて図12〜図13を参照して説明する。第三実施形態では、駐車区画の正確な寸法を含み、リアルタイムな駐車状況が反映された駐車場地図情報に基づいて、目標駐車位置や侵入禁止領域を計算する構成とする。
図12は、本発明に係る第三実施形態における駐車支援システムの一例を示すブロック図である。
本発明の第三実施形態に係る構成のうち、本発明の第一実施形態に係る駐車支援システム10を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。第三実施形態に係る駐車支援システム10Bは、第一実施形態の構成に加えて、駐車位置決定部19を備えている。
駐車位置決定部19は、駐車場の地図情報に基づいて目標駐車位置や侵入禁止領域の位置情報を決定する。
図13は、本発明に係る第三実施形態における駐車支援システムの動作の説明する図である。
図13において、目標駐車位置決定回路/侵入禁止領域決定回路191(以下、目標駐車位置決定回路191とする)は駐車位置決定部19の一例である。目標駐車位置決定回路191は、駐車場地図192を取得して、取得した駐車場地図192に基づいて目標駐車位置や侵入禁止領域の位置情報を決定する。駐車場地図192は,駐車場内における個別の駐車区画の寸法情報等を少なくとも含み、さらに駐車区画のリアルタイムな占有状況の情報を含んでいてもよい。また、駐車場地図192は、駐車場設備に設置されたサーバ端末装置、あるいはデータセンタやクラウド上に設置されたサーバ端末装置に保存されている。駐車場設備側、あるいはデータセンタ側のサーバ端末装置が保持する駐車場地図192の情報は、常時、実際の駐車場の駐車状況と一致するよう更新されている。目標駐車位置決定回路191は、無線通信などの通信手段によってこれらのサーバ端末装置から駐車場地図192を取得する。目標駐車位置決定回路191は、最新の駐車場地図192を参照して、目標駐車位置や侵入禁止領域を決定する。例えば、目標駐車位置決定回路191は、オドメトリ121が推定した現在の車両の位置に最も近い空き駐車スペースを目標駐車位置として決定する。あるいは、現在の車両の位置との位置関係において駐車が容易な領域が予め定義されていて、目標駐車位置決定回路191は、駐車場地図192に含まれる空き駐車スペースのうち駐車が容易な領域に存在する駐車スペースを目標駐車位置として決定してもよい。また、目標駐車位置決定回路191は、車両位置と目標駐車位置とを含む所定の領域に存在する障害物(侵入禁止領域)を駐車場地図192から検出する。目標駐車位置決定回路191は、決定した目標駐車位置や検出した侵入禁止領域の位置情報(座標情報)を計算する。目標駐車位置決定回路191は、駐車場地図192の情報が更新されるたびに新たに目標駐車位置や侵入禁止領域の位置情報を計算してもよい。目標駐車位置決定回路191は、計算した目標駐車位置の情報をプランナ131と終了判定回路153に出力する。目標駐車位置決定回路191は、計算した侵入禁止領域情報をプランナ131に出力する。プランナ131は、目標駐車位置決定回路191から取得した最新の目標駐車位置情報と、最新の侵入禁止領域情報と、前回経路記憶部163に記録された現フレームの最終到達位置における位置および姿勢情報と、に基づいて次フレームの単位経路情報の計算を行う。また、終了判定回路153は、現フレームの移動終了時に、目標駐車位置決定回路191から取得した最新の目標駐車位置情報と、オドメトリ121が推定したそのときの車両の位置情報と、に基づいて終了判定を行う。本実施形態の他の動作については第一実施形態と同様である。
本実施形態によれば、ドライバからシステムへ教示することなく、最新の正確な地図情報に基づいて目標駐車位置および侵入禁止領域の自動設定が可能となり、ドライバの利便性が向上する。また、駐車場設備側システムやデータセンタのサーバ端末装置が記憶する地図情報を常に更新しておくことで,予め地図情報を車両システム内に登録しておく場合と比較し,状況の変化(駐車場の駐車状況等)に対してロバストなシステムとすることができる。
<第四実施形態>
以下、本発明の第四実施形態による駐車支援システムについて図14を参照して説明する。 第一実施形態〜第三実施形態では、経路データ記憶領域が2つの場合を例に説明を行った。しかし、経路データ記憶領域は3つ以上であってもよい。
図14は、本発明に係る第四実施形態における駐車支援システムの一例を示すシステムブロック図である。図14は、経路データ記憶領域が3つ設けられた場合のシステムブロック図である。図14では、切替回路151、152および経路データ記憶領域161、162、164のみを記載し、他の構成(プランナ131等)の記載は省略してある。
図14で例示するように経路データ記憶領域を3つ設けると、例えば1フレーム目を走行中に2フレーム目だけでなく、3フレーム目の計算を行うだけの時間的余裕がある場合に3フレーム目の単位経路情報を計算して記録しておくことができる。複数フレームを先行的に計算することで、目標駐車位置に到達するまでの全経路が予測できれば、例えば、ドライバに「あとX回切り返しを行えば目標駐車位置に到達します」などの表示を行ってドライバのストレスを和らげることができる。
なお、切替回路151、152の動作については、経路データ記憶領域が2つの場合と同様である。つまり、切替回路152は、現フレームの単位経路情報が記録された経路データ記憶領域を選択し、切替回路151は、未記録または実行済みフレームの単位経路情報が記録された経路データ記憶領域を選択する。
なお、上述した駐車支援システム10における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムを駐車支援システム10のコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、駐車支援システム10は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
なお、上述した駐車支援システム10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。経路データ記憶領域161は、第一記憶領域の一例であり、経路データ記憶領域162は、第二記憶領域の一例である。切替回路151は、第一切替部の一例であり、切替回路152は、第二切替部の一例である。
10・・・駐車支援システム
11・・・入力部
12・・・自己位置推定部
13・・・駐車経路計算部
14・・・アクチュエータ制御部
15・・・制御モード切替部
16・・・記憶部
17・・・出力部
18・・・駐車位置推定部
19・・・駐車位置決定部
121・・・オドメトリ
131・・・プランナ
151、152・・・切替回路
153・・・終了判定回路
161、162、164・・・経路データ記憶領域
163・・・前回経路記憶部
181・・・目標駐車位置推定回路
191・・・目標駐車位置決定回路
192・・・駐車場地図

Claims (11)

  1. 駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算する経路計算部と、
    前記単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行うアクチュエータ制御部と、
    を備え、
    前記経路計算部は、前記アクチュエータ制御部が前記単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、前記単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する、
    駐車支援システム。
  2. 前記経路計算部は、侵入禁止領域情報を取得し、その侵入禁止領域情報を用いて、前記単位経路の一部が前記侵入禁止領域情報に含まれないようにその単位経路を計算する、
    請求項1に記載の駐車支援システム。
  3. センサが検出した空間情報に基づいて目標駐車位置の位置情報を逐次計算する駐車位置推定部、
    をさらに備え、
    前記経路計算部は、前記駐車位置推定部が計算した目標駐車位置に基づいて前記単位経路を計算する、
    請求項1または請求項2に記載の駐車支援システム。
  4. 前記駐車位置推定部は、センサが検出した空間情報に基づいて侵入禁止領域情報を逐次計算し、
    前記経路計算部は、前記単位経路の一部が前記駐車位置推定部によって計算された侵入禁止領域情報に含まれないようにその単位経路を計算する、
    請求項3に記載の駐車支援システム。
  5. 駐車場の地図情報を取得し、前記地図情報に基づいて目標駐車位置の位置情報を計算する駐車位置決定部、
    をさらに備え、
    前記経路計算部は、駐車位置決定部が計算した目標駐車位置に基づいて前記単位経路を計算する、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の駐車支援システム。
  6. 前記駐車位置決定部は、前記地図情報に基づいて侵入禁止領域情報を計算し、
    前記経路計算部は、前記単位経路の一部が前記駐車位置決定部によって計算された侵入禁止領域情報に含まれないようにその単位経路を計算する、
    請求項5に記載の駐車支援システム。
  7. 前記経路計算部が計算した単位経路の情報を記憶する複数の記憶領域を備える記憶部と、
    前記経路計算部が計算した単位経路の情報の記録先および前記アクチュエータ制御部が用いる単位経路の情報の読み取り先それぞれの記憶領域を前記複数の記憶領域の中から選択する制御モード切替部、
    をさらに備え、
    前記制御モード切替部は、前記経路計算部が計算した次の単位経路の情報の記録先を、前記アクチュエータ制御部が用いる単位経路の情報の読み取り先とは異なる記憶領域の中から選択する
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の駐車支援システム。
  8. 前記記憶部は、第一記憶領域と第二記憶領域を備え、
    前記制御モード切替部は、前記単位経路の情報の記録先を単位経路ごとに切り替える第一切替部と、前記アクチュエータ制御部が用いる経路情報の読み取り先の記憶領域を切り替える第二切替部とを備え、
    前記アクチュエータ制御部が前記車両の走行制御を行っている間、前記第二切替部は、前記第一切替部が選択した記憶領域とは異なる記憶領域に読み取り先を切り替える、
    請求項7に記載の駐車支援システム。
  9. 車両の現在位置を推定する自己位置推定部、
    をさらに備え、
    前記経路計算部は、前記自己位置推定部が推定した前記単位経路の到達位置における車両の位置と前記目標駐車位置との距離が所定の閾値以下となるまで、次の単位経路の計算を繰り返し、
    前記アクチュエータ制御部は、前記経路計算部が先行的に計算した単位経路に基づいて車両を移動する、
    請求項1から請求項8の何れか1項に記載の駐車支援システム。
  10. 駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算し、
    前記単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行うにあたり、
    前記単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、前記単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する、
    駐車支援方法。
  11. 駐車支援システムのコンピュータを、
    駐車を開始する位置と目標駐車位置に基づいて、1回の前進および1回の後進からなる経路のうち最も目標駐車位置に近づく単位経路を計算する手段、
    前記単位経路に基づいて車両を移動するよう走行制御を行う手段、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記単位経路を計算する手段は、前記単位経路に基づく車両の走行制御を行っている間に、前記単位経路の到達位置を出発位置とする次の単位経路を計算する、
    プログラム。
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