JP2017124650A - 樹脂ウィンドウ - Google Patents

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孝行 本多
Takayuki Honda
孝行 本多
高橋 大介
Daisuke Takahashi
大介 高橋
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Abstract

【課題】硬質の樹脂製の基材から成っており、基材の縁には、接着剤を介してモール材がアウトサート成形されていても、外観が不良になることがない樹脂ウィンドウを提供すること。
【解決手段】樹脂ウィンドウ10は、硬質の樹脂製の基材20から成っている。この基材20の縁20a、20bには、接着剤30を介してモール材50がアウトサート成形されている。基材20の縁20a、20bまたは縁20a、20bの近傍の意匠表面20cには、モール材50をアウトサート成形したときに食み出す接着剤30を受け入れる第1の溝22または受け止める突起122がこの縁20a、20bに沿って形成されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、樹脂ウィンドウに関し、詳しくは、硬質の樹脂製の基材から成っており、基材の縁には、接着剤を介してモール材がアウトサート成形されている樹脂ウィンドウに関する。
従来、図9〜10に示すように、自動車201の車両の窓の一部(例えば、フロントドアの三角窓)は、軽量化や形状の自由度を増加させるためにガラス窓に代わって樹脂ウィンドウ210が用いられることがある。この樹脂ウィンドウ210は、透明または半透明な硬質の樹脂製の基材220から構成されており、クリップ等(図示しない)を介して自動車201のボデー(図示しない)に組み付けられている。このように構成されている樹脂ウィンドウ210の基材220の縁には、接着剤230を介してモール材250がアウトサート成形されている(図11参照)。すなわち、樹脂ウィンドウ210の基材220の縁には、接着剤230が塗布された状態でモール材250がアウトサート成形されている。そのため、自動車201のボデーと、このボデーに組み付けた樹脂ウィンドウ210との間のシール性を確保できる。
実公平7−10905号公報
しかしながら、上述した従来技術では、塗布された接着剤230のバラつきにより基材220の縁から接着剤230が食み出してしまうことがあった(図12参照)。そのため、樹脂ウィンドウ210の外観の不良になっていた。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、硬質の樹脂製の基材から成っており、基材の縁には、接着剤を介してモール材がアウトサート成形されていても、外観が不良になることがない樹脂ウィンドウを提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、硬質の樹脂製の基材から成っており、基材の縁には、接着剤を介してモール材がアウトサート成形されている樹脂ウィンドウである。基材の縁または縁の近傍の意匠表面には、モール材をアウトサート成形したときに食み出す接着剤を受け入れる第1の溝または受け止める突起がこの縁に沿って形成されている。
請求項1の発明によれば、アウトサート成形を行うとき、例えば、塗布された接着剤のバラつきにより基材の縁から接着剤が意匠表面側に食み出してしまうことがあっても、この食み出した接着剤が第1の溝に受け入れられることとなる。したがって、意匠表面側に接着剤が食み出すことがないため、樹脂ウィンドウの外観が不良になることを防止できる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂ウィンドウであって、基材の縁の近傍の意匠表面には、この縁と第1の溝とを繋ぐ第2の溝が第1の溝に対して略交差するように形成されている。
請求項2の発明によれば、基材の縁から意匠表面側に食み出す接着剤を第1の溝だけでなく第2の溝でも受け入れることができる。したがって、この食み出す接着剤の受け入れを確実に実施できるため、樹脂ウィンドウの外観が不良になることを確実に防止できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の樹脂ウィンドウであって、第2の溝の凹面は、基材の縁から第1の溝に向けて下り傾斜するように形成されている。
請求項3の発明によれば、基材の縁から意匠表面側に食み出す接着剤を自重によって第1の溝に案内できる。したがって、この食み出す接着剤の受け入れをより確実に実施できるため、樹脂ウィンドウの外観が不良になることをより確実に防止できる。また、第1の溝が有ることにより、接着性が安定しモール材の剥がれを防止できる。
実施例に係る樹脂ウィンドウの基材の意匠表面側の平面図である。 図1のII−II線の断面図である。 図1のIII−III線の断面図である。 図1の基材の長辺側の縁にモール材をアウトサート成形する工程を説明する図である。 図4の次の工程を説明する図である。 図1の基材の短辺側の縁にモール材をアウトサート成形する工程を説明する図である。 図6の次の工程を説明する図である。 変形例に係る樹脂ウィンドウの基材の短辺側の断面図である。 従来技術に係る樹脂ウィンドウを適用した自動車の斜視図である。 図9において、自動車から樹脂ウィンドウを分解した斜視図である。 図10の樹脂ウィンドウの断面図である。 図11の問題点を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜7を用いて説明する。樹脂ウィンドウ10は、従来技術で説明した樹脂ウィンドウ210と同様に、透明または半透明な硬質の樹脂製の基材20から構成されている(図1参照)。この基材20は、図1からも明らかなように、2本の長辺と2本の短辺とから成る四角形状に構成されている。この基材20の各長辺側の縁20aの意匠表面20cには、この縁20aに沿って横溝22が形成されている(図1〜2参照)。
また、この基材20の各短辺側の縁20bの近傍の意匠表面20cにも、この縁20bに沿って横溝22が形成されている(図3参照)。これら各横溝22は、後述するように、モール材50をアウトサート成形したときに食み出す接着剤30を受け入れ可能に形成されている。
また、基材20の各短辺側の縁20bの意匠表面20cには、この短辺側の縁20bと横溝22とを繋ぐ縦溝24が横溝22に対して略交差するように形成されている(図1参照)。この縦溝24の凹面24aは、基材20の短辺側の縁20bから横溝22に向けて下り傾斜するように形成されている(図3参照)。なお、この縦溝24は、図1からも明らかなように適宜の間隔で複数形成されている。
この基材20の各長辺側の縁20aには、接着剤30を介してエラストマー等から成るモール材50が断面略L字状を成すようにアウトサート成形されている。すなわち、この基材20の長辺側の縁20aにおける意匠裏面20dと側面20eとには、フェルト40によって接着剤30が塗布された状態でモール材50がアウトサート成形されている(図4〜5参照)。このとき、塗布された接着剤30のバラつきにより基材20の長辺側の縁20aから接着剤30が意匠表面20c側に食み出してしまうことがあっても、この食み出した接着剤30が横溝22に受け入れられることとなる。
これと同様に、この基材20の各短辺側の縁20bには、接着剤30を介してエラストマー等から成るモール材50が断面略コ字状を成すようにアウトサート成形されている。すなわち、この基材20の短辺側の縁20bにおける意匠表面20cと意匠裏面20dと側面20eとには、フェルト40によって接着剤30が塗布された状態でモール材50がアウトサート成形されている(図6〜7参照)。このとき、塗布された接着剤30のバラつきにより基材20の短辺側の縁20bから接着剤30が食み出してしまうことがあっても、この食み出した接着剤30が横溝22に受け入れられることとなる。フェルト40上部の端末部位は、モール材50と基材20とのラップ部位より控えた位置にあり、横溝22まで延びておらず、その分、凹面24aの傾斜で接着剤30が流れ出るようにしてある(図6〜7参照)。
このように基材20の各長辺側の縁20aと各短辺側の縁20bとにモール材50がアウトサート成形されると、従来技術で説明した樹脂ウィンドウ210と同様に、自動車のボデー(いずれも図示しない)と、このボデーに組み付けた樹脂ウィンドウ10との間のシール性を確保できる。
本発明の実施例に係る樹脂ウィンドウ10は、上述したように構成されている。この構成によれば、樹脂ウィンドウ10は、従来技術で説明した樹脂ウィンドウ210と同様に、透明または半透明な硬質の樹脂製の基材20から構成されている(図1参照)。この基材20の各長辺側の縁20aには、接着剤30を介してエラストマー等から成るモール材50が断面略L字状を成すようにアウトサート成形されている。この基材20の各短辺側の縁20bには、接着剤30を介してエラストマー等から成るモール材50が断面略コ字状を成すようにアウトサート成形されている。基材20の各長辺側の縁20aの意匠表面20cには、この縁20aに沿って横溝22が形成されている(図1〜2参照)。また、この基材20の各短辺側の縁20bの近傍の意匠表面20cにも、この縁20bに沿って横溝22が形成されている(図3参照)。これら各横溝22は、モール材50をアウトサート成形したときに食み出す接着剤30を受け入れ可能に形成されている。そのため、アウトサート成形を行うとき、塗布された接着剤30のバラつきにより基材20の長辺側の縁20aや短辺側の縁20bから接着剤30が意匠表面20c側に食み出してしまうことがあっても、この食み出した接着剤30が横溝22に受け入れられることとなる。したがって、意匠表面20c側に接着剤30が食み出すことがないため、樹脂ウィンドウ10の外観が不良になることを防止できる。
また、この構成によれば、基材20の各短辺側の縁20bの意匠表面20cには、この短辺側の縁20bと横溝22とを繋ぐ縦溝24が横溝22に対して略交差するように形成されている(図1参照)。そのため、基材20の長辺側の縁20aや短辺側の縁20bから意匠表面20c側に食み出す接着剤30を横溝22だけでなく縦溝24でも受け入れることができる。したがって、この食み出す接着剤30の受け入れを確実に実施できるため、樹脂ウィンドウ10の外観が不良になることを確実に防止できる。
また、この構成によれば、縦溝24の凹面24aは、基材20の短辺側の縁20bから横溝22に向けて下り傾斜するように形成されている(図3参照)。そのため、基材20の長辺側の縁20aや短辺側の縁20bから意匠表面20c側に食み出す接着剤30を自重によって横溝22に案内できる。したがって、この食み出す接着剤30の受け入れをより確実に実施できるため、樹脂ウィンドウ10の外観が不良になることをより確実に防止できる。また、横溝22が有ることにより、接着性が安定しモール材50の剥がれを防止できる。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、食み出す接着剤30を横溝22によって受け入れる形態を説明した(図5、7参照)。しかし、これに限定されるものでなく、図8に示すように、食み出す接着剤30を突起122によって受け止める(塞き止める)形態でも構わない(変形例)。
10 樹脂ウィンドウ
20 基材
20a 長辺側の縁
20b 短辺側の縁
20c 意匠表面
22 横溝(第1の溝)
24 縦溝(第2の溝)
24a 凹面
30 接着剤
50 モール材

Claims (3)

  1. 硬質の樹脂製の基材から成っており、
    基材の縁には、接着剤を介してモール材がアウトサート成形されている樹脂ウィンドウであって、
    基材の縁または縁の近傍の意匠表面には、モール材をアウトサート成形したときに食み出す接着剤を受け入れる第1の溝または受け止める突起がこの縁に沿って形成されている樹脂ウィンドウ。
  2. 請求項1に記載の樹脂ウィンドウであって、
    基材の縁の近傍の意匠表面には、この縁と第1の溝とを繋ぐ第2の溝が第1の溝に対して略交差するように形成されている樹脂ウィンドウ。
  3. 請求項2に記載の樹脂ウィンドウであって、
    第2の溝の凹面は、基材の縁から第1の溝に向けて下り傾斜するように形成されている樹脂ウィンドウ。


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