JP2017124531A - 水性用インクジェット記録用紙 - Google Patents

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槙 諸岡
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一生 立道
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光明 平田
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Abstract

【課題】印刷適性を維持しながら受像層の薄膜化を実現できるインクジェット記録用紙を提供する。【解決手段】基材フィルム2に受像層3が積層された用紙1bであって、基材フィルム2は吸水層20を具備し、吸水層20は熱可塑性樹脂および親水化剤を含み、且つ基材フィルム2の最表層を構成する第一層21を少なくとも有し、第一層21の断面の空孔率は25〜50%であり、受像層3はポリウレタンウレア樹脂、ケトン樹脂、酸化チタン、シリカ粒子およびポリオレフィン系ワックスを含有し、且つ下記(1)〜(3)を満たす。(1)前記ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が0.5〜2mgKOH/g、質量平均分子量が4万〜6万である。(2)固形分質量比[ポリウレタンウレア樹脂]/[ケトン樹脂]が50/50〜30/70である。(3)質量比[シリカ粒子]/[酸化チタン]が19/81〜40/60である。【選択図】図2

Description

本発明は、水性インクジェット用のインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット印刷は、水性インク、油性インク、溶剤インク、紫外線硬化型インク、樹脂エマルジョンを含むインク等を用いて印刷する印刷方式であり、記録媒体にインクが浸透するか、記録媒体の表面でインクが硬化することによって画像が定着する。記録媒体として普通紙を用いることも可能であるが、高画質画像を得るためには通常インクジェット記録用紙が用いられる。
インクジェット記録用紙は、コアとなる基材フィルムをそのまま使用するか、基材フィルム上に専用の受像層として機能するコート層が施される。基材フィルムが基材フィルムであり、インクが色材および溶媒を含む場合には、基材フィルム上にコート層を設ける必要がある。例えば、特許文献1には、コアとなる基材フィルムの一面に記録層を設け、他方の面に肉厚が3μm以上の水溶性樹脂層を積層したインクジェット記録用紙が開示されている。一方、吸水性を有する基材フィルムが知られている。例えば、特許文献2には、コート層として熱可塑性樹脂(A)を24〜64質量%、無機微細粉末(B)を35〜75質量%、および親水化剤(C)を1〜2質量%含む吸水層を有する基材フィルムが開示されている。
特開2002−362020号公報 特開2014−080025号公報
昨今においては、環境や安全に配慮した水系インキを用いることが推奨されるようになってきた。しかし、溶媒を含むインクを用いる場合、プリンターのインク吐出量が多いため、画質を落とさないためにはコート層を充分に厚くすることが有効である。しかし、コート層を厚くすると全体に厚膜化してしまい、コート層に浸透した色材がコート層によって隠蔽されて画像の鮮明性が低下したり、市場から求められている低コスト化に逆行してしまうという問題がある。加えて、現状知られているコート層の材料では、色材が顔料や樹脂エマルジョンの形態の場合、色材の定着性が未だ不充分という課題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷適性を維持しながら受像層の薄膜化を実現できるインクジェット記録用紙を提供することである。
本発明者が鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において本願発明の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]: 基材フィルムの少なくとも一方の面に受像層が積層された水性インクジェット用のインクジェット記録用紙であって、
前記基材フィルムは、単層または複層からなる吸水層を具備し、前記吸水層は、熱可塑性樹脂および親水化剤を含み、且つ前記基材フィルムの最表層を構成する第一層を少なくとも有し、前記第一層の断面の空孔率は25〜50%であり、前記受像層は、ポリウレタンウレア樹脂、ケトン樹脂、酸化チタン、シリカ粒子およびポリオレフィン系ワックスを含有し、且つ下記(1)〜(3)を満たすインクジェット記録用紙。
(1)前記ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が0.5〜2mgKOH/g、質量平均分子量が40,000〜60,000である。
(2)前記ポリウレタンウレア樹脂と前記ケトン樹脂との固形分質量比、[ポリウレタンウレア樹脂]/[ケトン樹脂]が50/50〜30/70である。
(3)前記シリカ粒子と前記酸化チタンの質量比、[シリカ粒子]/[酸化チタン]が19/81〜40/60である。
[2]: 前記ポリウレタンウレア樹脂は、ジフェニルメタンジイソシアネート化合物由来の構造単位と、ジオール化合物由来の構造単位を有するポリウレタンブロックと、有機ジアミン化合物由来の鎖延長ユニットとを有し、前記ポリウレタンブロックと前記鎖延長ユニットは、ウレア結合により結合されており、前記有機ジアミン化合物由来のアミノ基を少なくとも有し、前記ジフェニルメタンジイソシアネート化合物由来の構造単位と、前記ジオール化合物由来の構造単位のモル比〔ジフェニルメタンジイソシアネート〕/〔ジオール〕が、1.5〜2.3である[1]記載のインクジェット記録用紙。
[3]: 前記吸水層は少なくとも2層の複層からなり、前記第一層の直下層に配置される第二層の空孔率が、前記第一層の空孔率と同等以下である[1]又は[2]に記載のインクジェット記録用紙。
[4]: 前記受像層上方から、表面張力が36.0mN/mの第一液体を滴下して5分間放置した時、前記基材フィルム内に前記第一液体が浸透し、前記受像層上方から、表面張力が56.0mN/mの第二液体を滴下して5分間放置した時、前記基材フィルム内に前記第二液体が浸透しない[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
本発明によれば、印刷適性を維持しながら受像層の薄膜化を実現できるインクジェット記録用紙を提供できるという優れた効果を有する。
実施形態に係るインクジェット記録用紙の模式的断面図。 他の実施形態に係るインクジェット記録用紙の模式的断面図。 他の実施形態に係るインクジェット記録用紙の模式的断面図。 他の実施形態に係るインクジェット記録用紙の模式的断面図。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本明細書で特定する数値は、後述する実施例に記載した方法により得られる値を示す。また、本明細書で特定する数値「A〜B」とは、数値Aと数値Aより大きい値であって、且つ数値Bと数値Bより小さい値を満たす範囲を示す。本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。また、図面において、同一の要素部材は説明の便宜上、異なる実施形態においても同一符号で示す。
<インクジェット記録用紙>
インクジェット記録用紙は、支持体としての役割と吸水機能を有する基材フィルムと、この基材フィルムの片面または両主面に積層された、画像印刷面である受像層とが少なくとも積層された用紙である。本発明のインクジェット記録用紙は、水性インクジェット用のインクジェット方式に好適な用紙である。本発明のインクジェット記録用紙は、シートの形態でもロールの形態でもよい。
基材フィルムは、単層または複層からなる吸水層を具備する。吸水層は、熱可塑性樹脂および親水化剤を含む層であり、基材フィルムの最表層を構成する第一層を少なくとも有する。この第一層の断面の空孔率は25〜50%の範囲とする。受像層は、ポリウレタンウレア樹脂、ケトン樹脂、酸化チタン、シリカ粒子およびポリオレフィン系ワックスを含有し、且つ下記(1)〜(3)を満たす層とする。
(1)ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が0.5〜2mgKOH/g、質量平均分子量が40,000〜60,000である。
(2)ポリウレタンウレア樹脂とケトン樹脂との固形分質量比、[ポリウレタンウレア樹脂]/[ケトン樹脂]が50/50〜30/70である。
(3)シリカ粒子と酸化チタンの質量比、[シリカ粒子]/[酸化チタン]が19/81〜40/60である。
図1〜図4は、実施形態に係るインクジェット記録用紙1の一例を示す模式的断面図である。図1のインクジェット記録用紙1aは、基材フィルム2の片側主面に受像層3が積層された構成を成す。基材フィルム2は、第一層21からなる吸水層20とコア層25の2層から構成される。図2のインクジェット記録用紙1bは、吸水層20が第一層21および第二層22の2層からなる。吸水層20は、3層以上の積層構成としてもよい。図3のインクジェット記録用紙1cは、基材フィルム2の両主面に受像層3を積層した例であり、コア層25の両主面に吸水層20を設け、受像層3の下層に吸水層20(第一層21a、21b)が配置されるように構成されている。図4のインクジェット記録用紙1dは、基材フィルム2が専ら吸水層20のみからなる例である。基材フィルム2は、コア層25および吸水層20以外の別の層が積層されていてもよい。
インクジェット記録用紙は、ドット形状およびドットサイズの制御の観点から、表面張力が36.0mN/mの第一液体を受像層3上方から滴下して5分間放置した時、基材フィルム2内に第一液体が浸透し、表面張力が54mN/mの第二液体を受像層3上方から滴下して5分間放置した時、基材フィルム2内に第二液体が浸透しないものが好ましい。第一液体および第二液体は、後述する実施例に記載の液体とする。
<基材フィルム>
基材フィルム2は、インクジェット記録用紙1に腰強度を与える。通常、印刷画像の識別を容易ならしめるために光線透過率が低く、通常、白色度が高くなるように設計される。吸水層20は、水を吸収するための多孔構造(空隙)を有する。吸水層20の第一層21とは、最表層を構成する層であり、第一層21の断面の空孔率を25〜50%の範囲とする。単層の場合には、吸水層20自身が第一層21となる。吸水層20を複数層で構成する場合には、第一層21の下層の空孔率は特に限定されないが、第一層21の直下層を構成する第二層22の空孔率は、第一層21の空孔率と同等以下とすることが好ましい。例えば、第一層21の空孔率が50%のときには、第二層22の空孔率は50%以下とすることが好ましい。第二層22の空孔率を前記のように設定することにより、第一層21および第二層22の吸水量を低下させることなく基材フィルム2の支持体としての強度をより効果的に高めることができる。空孔率は、基材フィルム2を厚さ方向に切断した切断面を走査型電子顕微鏡で観察し、各層の観察領域の全面積に対する空孔が占める割合のことをいい、後述する実施例に記載の方法により得られる値である。
第一層21の断面の空孔率を25〜50%とすることにより、水性インクの吸収量を高めつつ、支持体としての機能を両立することができる。第一層21の空孔率の下限は30%がより好ましく、32%が更に好ましく、35%が特に好ましく、上限は45%がより好ましく、43%が更に好ましく、40%が特に好ましい。
第一層21の平均空孔サイズは、2〜10μmの範囲とすることが好ましい。この範囲とすることにより、水性インクの吸収量を高めつつ、支持体としての機能の両立をより効果的に高められる。平均空孔サイズの下限は2.5μmがより好ましく3μmが更に好ましく、上限は9μmがより好ましく、8μmが更に好ましい。
基材フィルム2の厚みは、用途やニーズにより変動し得るので特に限定されないが、塗工用原反としての用途から20μm以上であることが好ましく、40μm以上がより好ましく、50μm以上が更に好ましい。また、500μm以下であることが好ましく、400μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましい。
吸水層20の厚みは、インクの液体吸収容積を充分に確保する観点から1μm以上であることが好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。一方、インクジェット記録用紙の厚膜化を避ける観点からは、100μm以下であることが好ましく、70μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましい。図2のように、吸水層20を複層とする場合には、第一層21の厚みは、吸水性を充分に確保する観点から、吸水層20全体の10〜80%の厚みとすることが好ましい。下限は20%がより好ましく、30%が更に好ましく、上限は70%がより好ましく、60%が更に好ましい。
コア層25を設ける場合には、上記吸水層20の厚みおよび用途やニーズを考慮して厚みを適宜設定する。典型的には、15μm以上であることが好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上が更に好ましい。また、コア層25の厚みは、400μm以下であることが好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。
吸水層20に含まれる熱可塑性樹脂の種類は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されない。好適な樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、結晶性プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等の結晶性ポリオレフィン系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート等のポリカーボネート樹脂;アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)等のその他の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは二種以上混合して用いることもできる。
これらの中でも、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性および生産コスト等の観点から、結晶性ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。結晶性ポリオレフィン系樹脂は結晶性を示すものである。これら結晶性を示すものを用いれば、延伸により基材フィルムを多孔構造として、その表面に空孔(開口)を十分に形成しやすく維持しやすい。結晶性を示す結晶化度は、通常は20%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、また、上限値については75%以下であることが好ましい。該結晶化度はX線回折、赤外線スペクトル分析等の方法によって測定することができる。同観点では結晶性ポリオレフィン系樹脂の中でも、結晶性プロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。
結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。またプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとを共重合させた様々な立体規則性を有する、プロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
吸水層20には熱可塑性樹脂および親水化剤の他、本発明の趣旨を逸脱しない水性インクジェット用インクの吸収を促成させる成分を含むことができる。好適な例としては、無機微細粉末が挙げられる。
第一層21の断面の空孔率を25〜50%の範囲に維持するためには、無機微細粉末を用いることが好適である。無機微細粉末を核として、吸水層を多孔構造とすることができる。無機微細粉末の具体例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末;同無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末;中空ガラスビーズなどが例示できる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土は、安価で延伸時に多くの空孔を形成させることができ、空孔率の調整が容易なために好ましい。また重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムは、多くの種類の市販品があり、その平均粒径や粒度分布が所望のものを得やすいために好ましい。
無機微細粉末の平均粒径は0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることが更に好ましい。また、無機微細粉末の平均粒径は、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。無機微細粉末の平均粒径が0.1μm以上であることにより、多孔質構造を効率よく形成することができる。また、無機微細粉末の粒径が10μm以下であることにより、延伸時にフィルムが切れることを抑制できる。ここで、無機微細粉末の平均粒径とはレーザー回折法によって測定される平均粒径である。
第一層21に含有する無機微細粉末は、第一層21全体に対して35〜75質量%の割合とすることが好ましい。下限は45質量%がより好ましく、47質量%が更に好ましく、48質量%が特に好ましい。一方、上限は73質量%がより好ましく、72質量%が更に好ましい。吸水層中の無機微細粉末の割合を35質量%以上とすることにより、連通孔(連通する空孔)を形成し易くする効果がある。また、無機微細粉末の割合を75質量%以下とすることにより、フィルム(吸水層)の延伸成形を容易にする効果がある。
第二層22に含有する無機微細粉末は、第二層22全体に対して25〜65質量%の割合とすることが好ましい。下限は35質量%がより好ましく、40質量%が更に好ましい。一方、上限は60質量%がより好ましく、55質量%が更に好ましい。第二層22に含有する無機微細粉末の割合を第一層21に含有する無機微細粉末の割合より少なくすることでインク吸収容量を保ちつつ吸水層の機械的強度を強化することができる。
親水化剤の含有量は、用途やニーズにより異なるが、第一層21全体に対して1〜2質量%とすることが好ましい。第一層21中の親水化剤の割合を1質量%以上とすることにより、液体吸収容積を大きくすることができ、2.5質量%以下とすることにより、液体吸収係数の上昇を抑えやすくする効果が得られる。より好ましくは1〜1.5質量%である。1〜2.5質量%の範囲に合せて無機微細粉末の割合を35〜75質量%とすることにより、これらの効果をより効果的に得ることができる。すなわち、液体吸収容積を、従来の水分に対する吸収性が良い合成紙と同様に大きくすることができる。更に、液体吸収係数を、従来の水分に対する吸収性が良い合成紙に比べて小さくすることができる。即ち、一定量以上の水分量を吸収する特性と、ゆっくり水分を吸収する特性を付与することができる。このため、塗料中の溶媒である水分が、吸水層中に急速に吸収されることを防ぎ、吸水層中に含まれる空気が多孔構造の連通孔を介して周囲に散逸させることができる。その結果、塗料の一部を吸収しながら、気泡を防止して均一な塗工外観を得ることが可能となる。
好適な親水化剤としては、水溶性のカチオン系ポリマーおよび水溶性のアニオン系高分子界面活性剤を挙げることができる。カチオン系ポリマーとしては、カチオン性ビニルモノマーとノニオン性ビニルモノマーとのコポリマー等を用いることができる。具体的には、特開平5−263010号公報に記載されているジアリルアミン塩およびアルキルジアリルアミン塩の少なくとも一方と、ノニオン性ビニルモノマーとのコポリマーが例示できる。また、アニオン系高分子界面活性剤としては特開平10−212367号公報に記載されているスルホン酸基を有するものが例示できる。更に、特開平10−212367号公報に記載されているように、前記カチオン系ポリマーとアニオン系高分子界面活性剤とを併用することもできる。
親水化剤は、吸水層の原料を配合する際に加えてもよいが、無機微細粉末表面を親水化処理することがより好ましい。親水化剤による無機微細粉末の表面処理は、無機粒子を湿式粉砕する際に、前記カチオン系ポリマーおよびアニオン系高分子界面活性剤の少なくとも一方の水溶液を導入する方法が例示できる。カチオン系ポリマーの平均分子量は、1,000〜150,000が好ましい。カチオン系ポリマーおよびアニオン系高分子界面活性剤によるそれぞれの親水化処理を逐次行ってもよい。このとき、2つの親水化処理の順番は問わない。親水化剤により親水化処理した無機微細粉末の好ましい例として、特開平7−300568号公報に記載されたものが例示できる。また、これら親水化剤により親水化処理された無機微細粉末の具体的な商品例としては、ファイマテック社製の「AFF−Z」等を例示できる。吸水層中に親水化剤を1〜2質量%の割合で含ませることが好ましい。より好ましくは1〜1.5質量%である。親水化剤の量を調整することで吸水層20の吸水量や吸水速度を制御することができる。親水化剤の配合量の調整は、親水化剤の配合量を調節してもよく、親水化処理した無機微細粉末と親水化処理していない無機微細粉末とを任意の割合で混合使用してもよい。
吸水層20は、更に分散剤を含んでいてもよい。分散剤を加えることにより、吸水層20中の無機微細粉末の分散性を改善し、吸水層中の空孔の均一性を向上させる効果がある。分散剤は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で用いることができるが、好ましい例として酸変性ポリオレフィン系樹脂、シラノール変性ポリオレフィン系樹脂が例示できる。例えば、三洋化成社製の「ユーメックス1001」が例示できる。分散剤の添加量は、吸水層20を構成する各層の全量に対して0.01質量%以上の割合で添加することが好ましく、1質量%以上の割合で添加することがより好ましい。また、分散剤の上限は20質量%がより好ましく、10質量%が更に好ましく、5質量%が特に好ましい。分散剤を0.01質量%以上にすることにより分散剤本来の機能を発揮しやすくなる傾向があり、20質量%以下にすることにより、無機微細粉末の凝集を回避しやすくなる傾向がある。
吸水層20には、必要に応じて熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、本発明の基材フィルム2を構成する吸水層20以外の層に添加してもよい。添加剤を加える場合の添加剤の配合量は、各層に0.01〜3質量%の範囲が好ましい。
第一層21の熱可塑性樹脂含有量は、層全体において24〜64質量%が好ましい。より好ましくは26質量%以上であり、更に好ましくは27質量%以上である。また、より好ましくは54質量%以下、更に好ましくは52質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。吸水層における熱可塑性樹脂の割合を24質量%以上にすることにより、多孔構造を維持しやすく、64質量%以下にすることにより多孔構造を形成しやすい。
基材フィルム2の密度は、フィルム成形安定性の観点から通常は0.5g/cm以上であり、0.6g/cm以上が好ましく、0.7g/cm以上がより好ましい。また、通常は1.6g/cm以下であり、1.4g/cm以下が好ましく、1.2g/cm以下がより好ましい。なお、本明細書において密度とはJIS P 8118:1998に準拠して測定した値をいう。
コア層25は、支持体としての役割を担う層であり、熱可塑性樹脂シート、ラミネート紙、パルプ紙、織布、不織布、樹脂コーティング層など、公知の層を適宜用いることができる。
コア層25は、吸水層20を有する面と反対側の面に表面層を積層していてもよい。表面層としては、従来の合成紙の表面が挙げられる。表面層26としては、例えば、熱可塑性樹脂55〜70質量%、親水化処理されていない無機微細粉末55〜30質量%、その他添加剤0〜5%を含む熱可塑性樹脂組成物をコア層25に対して押し出しラミネートし、得られた積層体を必要に応じて延伸して得ることができる。
吸水層20の液体吸収容積は、0.5mL/m以上であり、1mL/m以上であることが好ましく、3mL/m以上であることがより好ましく、5mL/m以上であることが更に好ましい。また、100mL/m以下であることが好ましく、70mL/m以下であることがより好ましく、60mL/m以下であることが更に好ましい。吸水層20の液体吸収容積が0.5mL/m以上であれば充分な液体吸収の機能を発揮でき、塗工用原反として有用なものである。なお、本明細書において液体吸収容積とは、Japan Tappi No.51:2000に記載のブリストー法による液体吸収性試験方法に準拠し測定される液体の転移量であり、測定溶液滴下後1092ミリ秒の単位面積当たりの吸収量を意味する。
吸水層20の液体吸収係数は、0.1〜2mL/(m・ms1/2)の範囲であり、0.15mL/(m・ms1/2)以上であることが好ましく、0.2mL/(m・ms1/2)以上であることがより好ましい。また、1.8mL/(m・ms1/2)以下であることが好ましく、1.5mL/(m・ms1/2)以下であることがより好ましい。液体吸収係数が0.1mL/(m・ms1/2)以上であれば、充分な液体吸収の機能を発揮でき、塗工液の乾燥遅延を招くこともない。液体吸収係数が2mL/(m・ms1/2)以下であれば、塗工表面に気泡が欠陥として現れることもない。液体吸収係数および上記の液体吸収容積は、親水化剤および無機微細粒子の種類、配合量等によって制御することができる。なお、本明細書において液体吸収係数とは、Japan Tappi No.51:2000に記載のブリストー法による液体吸収性試験方法に準拠し算出される吸収係数であり、測定溶液滴下後25ミリ秒から143ミリ秒経過における吸水曲線から最小二乗法により得られた直線の勾配を意味する。
基材フィルム2における塗料の浸透深さは、測定対象試料の吸水層面上に十分な量の塗料組成物を塗工し乾燥後、該試料を切断して断面測定用の試料を作成し、得られた試料を走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察を行い、観察像の画像解析によって算出する。塗料の密着性を向上させる観点から、基材フィルム2の塗料の浸透深さは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。一方、塗料塗工時に気泡が発生することを抑制する観点から、同浸透深さは、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
[不透明度]
基材フィルム2の不透明度は10%〜100%であることが好ましい。なお、基材フィルム2の不透明度は、JIS P 8149:2000に準拠して測定した不透明度を意味する。不透明度が10%以上であれば、吸水層20に形成される空孔の数が十分であり、本発明の所望の液体吸収係数を得やすい傾向がある。また、本発明の基材フィルムを印刷媒体として使用する場合は、印刷された文字が判読可能であることが望ましいことから、基材フィルムの不透明度は40〜100%であることが好ましく、50〜100%がより好ましく、60〜100%が更に好ましい。不透明度が40%以上であれば、文字を容易に判読することができる。
<受像層>
インクジェット記録用紙の最表面に形成される受像層は、上述したようにポリウレタンウレア樹脂、ケトン樹脂、酸化チタン、シリカ粒子およびポリオレフィン系ワックスを含有し、上記<インクジェット記録用紙>で記載した(1)〜(3)を満たすものを用いる。
ポリウレタンウレア樹脂とケトン樹脂との固形分質量比、[ポリウレタンウレア樹脂]/[ケトン樹脂]を50/50〜30/70とすることにより、基材との接着性を高めることができる。
受像層全体に対し、ポリウレタンウレア樹脂およびケトン樹脂の合計(固形分の合計)は15〜25質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることにより、印刷特性をより効果的に向上せることができる。
(ポリウレタンウレア樹脂) ポリウレタンウレア樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物と有機ポリアミン化合物を反応させて得られた樹脂であり、ヒドロキシル基とイソシアネート基が反応して得られたウレタン結合部位と、アミノ基とイソシアネート基が反応して得られたウレア結合部位を有する。ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物および有機ポリアミン化合物は、それぞれ独立に単量体であってもよいし、単量体が結合したオリゴマーやポリマーであってもよい。これらの単量体は、それぞれ独立に一種単独または二種以上を併用して用いられる。
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は0.5〜2mgKOH/gとする。当該範囲とすることにより、基材への密着性を効果的に向上させることができる。アミン価の下限は0.5mgKOH/gが好ましく、1.0mgKOH/gがより好ましい、上限は2mgKOH/gが好ましい。
ポリウレタンウレア樹脂の質量平均分子量は40,000〜60,000の範囲とする。当該範囲とすることにより、基材への密着性や合成紙を重ねた時の経時的な受像層の移転を防止(耐ブロッキング性)できる。下限は45000がより好ましく、上限は55000がより好ましい。
ポリオールの構造は、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができる。具体的には、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類が好適である。
また、前記低分子ポリオール類等のポリオールと多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオールが好適である。多価カルボン酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが例示できる。
また、環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類も好適である。
更に、前記低分子ポリオール類などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類も好適である。
その他、ポリブタジエングリコール類;ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類;1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオールなどが例示できる。
ポリオールは、数平均分子量のモル平均が1000〜3000の高分子ポリオールを含むことが好ましい。本発明における高分子ポリオールの数平均分子量は水酸基価から算出されるものであり、水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070に従って行った値である。高分子ポリオールが一種類のポリオールの場合は、数平均分子量のモル平均は数平均分子量そのものである。よって、高分子ポリオールは平均分子量が1000〜3000のものを用いる。高分子ポリオールは単独で用いても二種類以上を併用してもよい。高分子ポリオールの平均分子量のより好ましい範囲は1000〜2000である。数平均分子量のモル平均を1000〜3000とすることにより、ポリウレタン樹脂の粘度を適切な範囲に保ち、再溶解を良好にすることができる。また、ポリウレタン樹脂製造時のハンドリング性も良好となる。
高分子ポリオール成分として、分岐構造を有するポリオールを含ませることが好ましい。分岐構造を有する高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール類では酸化プロピレンの重合体、2−メチルテトラヒドロフランの重合体が挙げられ、特に酸化プロピレンの重合体が好ましい。ポリエステルポリオール類では、前記低分子ポリオール類の中でも、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールなどの分岐構造を有する低分子ポリオール類と前記多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合体または重合体が挙げられる。好ましくは、二種類以上の高分子ポリオールを併用し、その内一種類以上は分岐構造を有する高分子ポリオールを50%以上使用する。二種類以上の高分子ポリオールを併用すると、インキ中の他の化合物との相溶性が増す。高分子ポリオールとして全て直鎖のものを用いた場合、ノントルエン溶剤系中への溶解性が劣り、版つまりの原因となる。さらに好ましくは、二種類以上の分岐構造を有する高分子ポリオールを使用する。さらに、分岐構造を有する低分子ポリオール類として、特に3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いた分岐構造を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。3−メチル−1,5−ペンタンジオールはノントルエン溶剤系においても優れた溶解性を有しており、ポリオレフィン接着性なども確保できる。
ポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’ −ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m―テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。
有機ポリアミン化合物としては、特に限定されないが、好適な例として、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も好適である。
ポリウレタンウレア樹脂は、得られる塗膜の伸び、硬さの観点から、ジフェニルメタンジイソシアネート化合物由来の構造単位と、ジオール化合物由来の構造単位を有するポリウレタンブロックと、有機ジアミン化合物由来の鎖延長ユニットとを有するポリウレタンウレア樹脂(A)が好ましい。ポリウレタンウレア樹脂(A)は、ポリウレタンブロックと鎖延長ユニットはウレア結合により結合されており、有機ジアミン化合物由来のアミノ基を少なくとも末端および主鎖の少なくとも一方に有する。また、ジフェニルメタンジイソシアネート化合物由来の構造単位と、前記ジオール化合物由来の構造単位のモル比〔ジフェニルメタンジイソシアネート〕/〔ジオール〕は、塗膜の密着性、耐ブロッキング性の観点から1.5〜2.3が好ましい。
ポリウレタンウレア樹脂は、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いてもよい。具体的には、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
ポリウレタンウレア樹脂のウレタン結合部位およびウレア結合部位の結合数の合計は特に限定されないが、1.6〜2.4mmol/gとすることが好ましい。ウレタン結合部位およびウレア結合部位の結合数の合計を前記範囲にすることにより、粘度、溶解性を良好に保つことができる。なお、ここで示すウレタン結合部位およびウレア結合部位の結合数とは、ポリウレタン樹脂1g中に含まれる各々の結合モル数である。
(ケトン樹脂) ケトン樹脂はケトン類とアルデヒド類との縮合によってケトンとして得られる樹脂である。ケトン樹脂の種類は特に限定されずに公知のものを用いる事ができるが、好適な例としてシクロヘキサノン系ケトン樹脂、アセトフェノン系ケトン樹脂、メチルシクロヘキサノン系ケトン樹脂、メチルエチルケトン系樹脂、メチルイソブチルケトン系ケトン樹脂などが挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、t−ブチルメチルケトンなどの非環式ケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどの飽和脂環式ケトン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、メチルナフチルケトン、ベンゾフェノン、プロピオフェノンなどの芳香族ケトン等が用いられる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデ素添加物等も好適に用いられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドを用いることが好ましい。ヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクリルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられ、また、ケトン樹脂の水の水素添加物等も好適に用いられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドを用いることが好ましい。ケトン樹脂としては具体的には、日立化成工業社製の商品名ハイラックシリーズ等、荒川化学社製の商品名K−90等が挙げられる。
(酸化チタン、シリカ粒子) 本発明の受像層を形成する樹脂組成物は、無機微細粉末として酸化チタンおよびシリカ粒子を含む。酸化チタンおよびシリカ粒子の種類は特に限定されないが、表面処理剤によって表面処理が施されていてもよい。例えば、シリカやアルミナで表面処理した酸化チタンが例示できる。シリカ粒子は、ゲルタイプや沈降性タイプ等が好適である。粒子径は特に限定されないが、1〜5μm程度が好適である。より好ましくは2〜4μmである。シリカ粒子と酸化チタンの質量比[シリカ粒子]/[酸化チタン]を19/81〜40/60とすることにより、印刷適性を維持しながら受像層の薄膜化をすることができる。19/81〜33/67がより好ましい。
酸化チタンは、受像層全体に対して15〜40質量%含むことが好ましく、20〜35質量%がより好ましい。シリカ粒子は、受像層全体に対して3〜10質量%含むことが好ましいく、より好ましくは5〜8質量%である。
上記表面処理剤としては、脂肪酸又はそのエステル、有機酸、硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、スルホン酸型陰イオン界面活性剤、樹脂酸若しくは石油樹脂酸又はこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)並びにエステル、ジエン系ポリマー、非イオン系界面活性剤、不活性無機酸化物、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤、燐酸系カップリング剤、ワックス、パラフィン等が例示できる。
上記脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヘベン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。
上記有機酸としては、マレイン酸、ソルビン酸等が例示できる。
上記の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤としては、長鎖アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル若しくは硫酸化油又はこれらの塩等が例示できる。
上記スルホン酸型陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸若しくはアルキルスルホコハク酸又はこれらの塩等が例示できる。
上記ジエン系ポリマーとしては、ポリブタジエン、イソプレン等が例示できる。
上記非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコールエステル型界面活性剤等が例示できる。
上記不活性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ等が例示できる。
酸化チタンおよびシリカ粒子の表面処理方法は特に限定されない。例えば、特開平5−43815号公報、特開平5−139728号公報、特開平7−300568号公報、特開平10−176079号公報、特開平11−256144号公報、特開平11−349846号公報、特開2001−158863号公報、特開2002−220547号公報、特開2002−363443号公報、特開2010−66512号公報に記載された方法がある。
(ポリオレフィン系ワックス) 本発明の受像層を形成する樹脂組成物は、ポリオレフィン系ワックスを含む。ポリオレフィン系ワックスの好ましい例としては、結晶性または非晶性ポリプロピレンワックス、低密度または高密度ポリエチレンワックス、エチレン−プロピレンランダム共重合体ワックス、エチレン−プロピレンブロック共重合体ワックス、αオレフィンとエチレンあるいはプロピレンの共重合体ワックスが挙げられる。パラフィンワックス、カルナバワックス等が併用できる。特に好ましくは、100〜120℃のポリエチレンワックスである。
(その他の成分) 受像層を形成するための樹脂組成物として、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、有機顔料、無機顔料、染料等の着色剤を用いることができるまた、また、印刷品質や各種体制を向上させるために、必要に応じて各種併用樹脂、有機溶剤、架橋剤、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤、可塑剤を添加することができる。
無機顔料としては、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。有色系着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。併用できる有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニンを用いることが好ましい。
有機溶剤としては、主に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン, メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤、および、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系有機溶剤、キシレン、トルエン等の芳香族系有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は乾燥性などを考慮し適宜混合して使用され、含有量としては、受像層樹脂組成物中に20質量%以上が適量である。
架橋剤としては、アルキルチタネート系、イソシアネート系が挙げられる。架橋剤添加により、耐熱性、耐油性や耐摩擦性の向上が期待できる。
<製造方法>
以下、本発明のインクジェット記録用紙の製造方法の一例について説明するが、一例であって以下の製造方法に限定されるものではない。
本発明の基材フィルムの製造方法は、特に限定されず公知の方法を制限なく用いることができる。例えば、基材フィルム形成用樹脂組成物を溶融状態としてシート状に押し出して冷却することにより基材フィルムを製造できる。例えば、押出機などを用いて樹脂組成物を溶融混練し、Tダイなどからシート状に押し出す方法がある。Tダイ内で複数の樹脂組成物を積層することにより吸水層20とコア層25からなる基材フィルムを得てもよい。また、各層をラミネート等により積層してもよい。
吸水層20は、一軸もしくは二軸延伸することが好ましい。基材フィルム2全体を一軸もしくは二軸延伸してもよい。一軸もしくは二軸延伸方法としては、公知の方法を用いることができる。
[1軸延伸]
1軸延伸の具体的な方法としては、吸水層(または基材フィルム(以下同様))の搬送方向にロール群の周速差を利用して延伸するロール間延伸(以後、本発明では縦延伸と表記)、吸水層の搬送方向に直交する方向(幅方向)にテンターオーブンを利用して延伸するクリップ延伸(以後、本発明では横延伸と表記)、チューブラー法を利用したインフレ成形法などを挙げることができる。
縦延伸法によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の空孔率、剛性、不透明度、平滑度、光沢度を有する1軸吸水層を得ることが容易である。特に縦延伸法は任意に空孔率を調整して、任意の液体吸収係数を有する紡錘形状の空孔を有する吸水層を得ることが容易であり好ましい。従って延伸倍率は特に限定されるものではなく、吸水層に所望する物性と、用いる熱可塑性樹脂の特性等を考慮して決定する。熱可塑性樹脂として結晶性プロピレン系樹脂を用いる場合、縦延伸法での延伸倍率は通常は2倍以上であり、4倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。また、通常は12倍以下の範囲であり、10倍以下であることが好ましく、7倍以下であることがより好ましい。2〜12倍の範囲内にすれば所望の物性を有する1軸吸水層を安定して製造しやすくなる傾向がある。
横延伸法によれば、機器の制約上、縦延伸法ほど延伸倍率の自由度はないものの、得られる吸水層幅を調整することが容易である。吸水層幅を大きく取れれば、その用途を拡大することが容易となる。熱可塑性樹脂として結晶性プロピレン系樹脂を用いる場合、横延伸法の延伸倍率は通常は4倍以上であり、5倍以上であることがより好ましい。また、通常は11倍以下であり、10倍以下であることがより好ましく、9倍以下であることがさらに好ましい。延伸倍率を4倍以上にすることによって、連通孔が形成され、且つ延伸ムラを防いでより均一な膜厚の1軸吸水層を製造することが容易になる傾向がある。また11倍以下にすることによって、延伸切れや粗大な穴あきをより効果的に防ぎやすくなる傾向がある。延伸温度は、熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低い温度条件で行うことが好ましく、10℃以上低い温度条件で行うことがより好ましい。
[2軸延伸]
2軸延伸法によれば任意に空孔率を調整して、任意の液体吸収係数を有する円盤形状の空孔を有する吸水層を得ることがより容易であり好ましい。2軸延伸の具体的な方法としては、上記縦延伸法と、上記横延伸法を組み合わせて利用した逐次2軸延伸を挙げることができる。逐次2軸延伸法によれば、縦延伸での倍率を任意に調整することが容易である。横延伸は機器の制約上、自由度は小さいが同様に延伸倍率を調整することができる。そのため、2軸樹脂延伸フィルムは任意の空孔率、剛性、不透明度、平滑度、光沢度を有するものを得ることが容易である。
また、2軸延伸の別の方法としては、吸水層の搬送方向(製造ライン方向)の延伸と、吸水層の搬送方向に直交する方向の延伸を同時に行う同時2軸延伸も好適である。より詳細には、テンターオーブンとパンタグラフの組合せ、テンターオーブンとリニアモーターの組合せによる同時2軸延伸方法などが例示できる。また、インフレーションフィルムの延伸方法であるチューブラー法による同時2軸延伸方法でもよい。
テンターオーブンを用いた同時2軸延伸法によれば、縦延伸および横延伸の倍率を同時に調整できるため、等方的で応力緩和に起因する収縮を極力抑えた吸水層を製造することが容易である。また吸水層の延伸や搬送をロールに頼る部分が少なくなり、クリップによる搬送の比率が多くなるために、吸水層表面が機器接触による擦過の影響を受けづらく、より安定した品質の吸水層が製造できる。
熱可塑性樹脂として結晶性プロピレン系樹脂を用いる場合、面積延伸倍率は通常は2倍以上であり、10倍以上であることが好ましく、15倍以上であることがさらに好ましい。また、通常は80倍以下であり、70倍以下であることが好ましく、60倍以下であることがさらに好ましい。2〜80倍の範囲内にすれば所望の物性を有する吸水層を安定して製造しやすくなる傾向がある。延伸温度は、熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低い温度条件で行うことが好ましく、10℃以上低い温度条件で行うことがより好ましい。
延伸した場合には、延伸に伴うポリマー分子鎖の緊張を緩和する目的から熱処理することが好ましい。熱処理温度は、延伸温度から延伸温度より30℃高い温度の範囲内を選択することが好ましい。熱処理の時間は通常の0.1秒以上であり、好ましくは0.5秒以上であり、より好ましくは1秒以上である。熱処理を行うことにより、延伸方向の残留応力に起因する熱収縮率が低減し、製品保管時の巻き締まりや熱による収縮から生じるシートの波打ち等を少なくできる。熱処理の方法はロール加熱又は熱オーブンで行うのが一般的であるが、これらを組み合わせてもよい。これらの熱処理は、延伸したフィルムを緊張下に保持した状態において行う方が、処理効果の点から好ましい。緊張下に保持した状態の例としては、延伸したフィルムをロール状に巻回した状態が挙げられる。
受像層3の基材フィルム2への積層方法は特に限定されないが、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、ロールコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、ダイコーター等が好適である。中でも、固形分濃度が高く、粘度が高い塗料を塗工するため、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーターを使用することが好ましい。
上記インクジェット記録用紙によれば、上記構成により、ポリウレタンウレア樹脂とケトン樹脂を用い、且つこれらの量比を最適化し、更にシリカと酸化チタンの添加量を最適化した受像層と、空孔率が特定の範囲にある吸水層を基材フィルムの少なくも第一層に設けることにより、印刷適性を維持しながら、受像層を薄膜化できるインクジェット記録用紙を提供することができる。上記受像層と上記空孔率を有する吸水層を用いることにより、余剰インクを吸収して高画質な画像印刷を提供できる。
なお、上記実施形態は一例であり、本発明の趣旨に合致する限り種々の設計変更が可能であり、これらも本発明の範疇に属し得る。
≪実施例≫
以下に実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。また、特に注釈のない場合には、以降の「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」を示す。
実施例および比較例における物性値等は以下の方法によって実施した。
[空孔率] 本明細書および実施例における空孔率は、以下のように求めた値である。即ち、まず、基材フィルムから0.2cm×0.2cmのサンプルを得、エポキシ樹脂で包埋して固化させた。次いで、ミクロトームを用いて面方向に対する垂直方向(厚さ方向)にサンプルを切断した。そして、その切断面が観察面になるように、サンプルが包埋されたエポキシ樹脂を観察試料台に貼り付け、その観察面に金−パラジウム等を蒸着した。続いて、走査型電子顕微鏡によって、倍率(500〜3000倍)で切断面の空孔を観察し、観察した領域を画像データとして取り込んで画像処理を行い、各吸水層(第一層、第二層)の観察領域全面積に対する、当該そうの空孔が占める割合(空孔率)を求めた。本明細書および実施例の空孔率は、同サイズのサンプル3個の平均値である。第一層と第二層が積層された製造例8、9、16においては、各層の空隙率を測定した。
[ぬれ張力試験用混合液浸透性評価] 表面張力が36.0N/mの第一液体として市販のぬれ張力試験用混合液(和光純薬社製、ぬれ張力試験用混合液 No.36.0)を用い、マイクロシリンジで20μLを受像層側上方から滴下し、5分間放置した。次にティッシュペーパー(商品名:JKワイパー、キンバリークラーク社製)で拭き取り、ぬれ張力試験用混合液跡の広がり具合を円で近似し、その円の直径が2cm以上であれば、第一液体が浸透したものと判断した。
次に、表面張力が56.0N/mの第二液体として市販のぬれ張力試験用混合液(和光純薬社製、ぬれ張力試験用混合液 No.56.0)を用い、マイクロシリンジで20μLを受像層側上方から滴下し、5分間放置した。次にティッシュペーパー(商品名:JKワイパー、キンバリークラーク製)で拭き取り、ぬれ張力試験用混合液跡の広がり具合を円で近似し、その円の直径が2cm以下であれば、第二液体が浸透しなかったものと判断した。
[水酸基価] 高分子ポリオール中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070に従って求めた。
[アミン価] 樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。酸価は、樹脂1g中に含有する酸基は中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJIS K0070(1996年)に準じて行った。アミン価の測定は、まず、試料を0.5〜2g精秤し(試料量:Sg)、精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い、次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
[質量平均分子量] ポリウレタン樹脂の質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。
[乾燥性評価] 乾燥性評価の判断基準は、以下の通りとした。
A:インクがほとんど広がらない。
B:インクの広がりがA越え、B未満。
C:指でこすった範囲にわたってインクが広がる。
[印字評価] 水系顔料インクジェットプリンター(EPSON社製、Offirio PX-B500)を使用し、プリンター標準の水系顔料インクを用いて、印刷濃度設定を「−50%」に設定した以外は、用紙種類「普通紙」、印刷品質「標準」モードの基本設定で印字した。評価絵柄として、JIS 9201のN5、JIS 9204のN3、C,M,Y,K,R,G,B,Bkのベタパターンを用いた。印刷から1分以内にJIS 9204のN3「釣具」画像のにじみを目視観察して乾燥性を評価すると同時に、画像中の扇風機のネットの部分を指で10回軽く擦り、インクの広がり具合で乾燥性を評価し、紙面からの色材顔料の脱落具合でインキ定着性を評価した。
[インキ定着性評価] インク定着性について、以下の評価基準で判定した。
A:色材顔料の脱落がない。
B:色材顔料が一部脱落し、画像が薄くなる。
C:色材顔料が脱落し、白い部分が見える。
[ドット滲み評価] 上記印刷から24時間後に、JIS 9201のN5中のカラーチャート部分をデジタルマイクロスコープ(キーエンス製、VHX-1000)を用い倍率200倍で観察し、ドット形状、ドットが重なり合う部分のインク混じり具合を評価した。
A:ドット形状が円に近く、ドットが重なり合う部分の半数以上でインク混じりが見られない(実用に適する)。
B:ドット形状が円から僅かにゆがみが見られ、ドットが重なり合う部分の半数以上でインク混じりが見られる(実用下限)。
C:ドット形状が円から大きくゆがみ、ドットが重なり合う部分の半数以上でインク混じりが見られる(実用不可)。
[乾燥印字密着評価] 上記印刷から24時間後に、JIS 9201のN5画像の印字部分にセロハンテープ(ニチバン社製、CT−18)の粘着面を貼り付け、指で3回擦って密着させ、セロハンテープを180度方向に低速および高速で手剥離し、剥離具合を目視評価した。目視評価に当たっては、判定基準サンプルを作製して参考とした。
:基材材破。基材フィルム内部が破壊され、剥離面が白い(実用に適する)。
A:印字部分の95%以上が残存する(実用に適する)。
B:印字部分の80%以上が残存する(実用下限)。
C:印字部分の80%未満が残存する(実用不可)。
[耐水印字密着評価] 上記印刷から24時間後に、JIS 9201のN5画像の印字部分を切り取り、常温下、静水の水道水に浸漬し、24時間後に取出して表面に付着した水道水をティッシュペーパー(商品名:JKワイパー、キンバリークラーク社製)で拭き取り、上記同様、セロハンテープを使用して剥離具合を目視評価した。
:基材材破。基材フィルム内部が破壊され、剥離面が白い(実用に適する)。
A:印字部分の95%以上が残存する(実用に適する)。
B:印字部分の80%以上が残存する(実用下限)。
C:印字部分の80%未満が残存する(実用不可)。
[乾燥擦過性評価] 上記印刷から24時間後に、JIS 9201のN5画像の印字部分を切り取り、学振試験機(スガ試験機社製)にセットし、常温下、ガーゼを取り付けた荷重215gの錘で印字部分表面を100回擦り、インクの剥離具合を目視評価した。目視評価に当たっては、判定基準サンプルを作製して参考とした。
:基材材破。基材フィルム内部が破壊され、剥離面が白い(実用に適する)。
A:印字部分の95%以上が残存する(実用に適する)。
B:印字部分の80%以上が残存する(実用下限)。
C:印字部分の80%未満が残存する(実用不可)。
[耐水擦過性評価] 上記印刷から24時間後に、JIS 9201のN5画像の印字部分を切り取り、学振試験機(スガ試験機社製)にセットし、常温下、20μLの純水をしみこませたガーゼを取り付けた荷重215gの錘で、印字部分表面を100回擦り、インクの剥離具合を上記同様目視評価した。
A:印字部分の95%以上が残存する(実用に適する)。
B:印字部分の80%以上が残存する(実用下限)。
C:印字部分の80%未満が残存する(実用不可)。
<基材フィルムの作製>
[樹脂組成物の製造例a〜g] 表1に記載の使用原料を使用し、表1に記載の割合で混合した原料混合物を、210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、次いで230℃に設定した押出機にてストランド状に押し出し、冷却後にストランドカッターにて切断して樹脂組成物a〜gのペレットを作製して、以降の製造例で使用した。
・熱可塑性樹脂(A)−1:結晶性ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、商品名:ノバテックPP MA3、MFR(JIS−K7210):11g/10min)
・熱可塑性樹脂(A)−2:結晶性ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、商品名:ノバテックPP EA9、MFR(JIS−K7210):1.9g/10min)
・熱可塑性樹脂(A)−3:結晶性ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:ノバテックHD HJ560、MFR(JIS−K6922−2):7g/10min)
・無機微細粉末(B)−1:親水化剤(C)で表面処理された炭酸カルシウム(ファイマテック社製、商品名:AFF−Z、表面処理量:48mg/g、平均粒子径:1.0μm)
・無機微細粉末(B)−2:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名:カルテックス 5、平均粒子径:0.9μm)
・親水化剤(C):1級または2級窒素を含有する水溶性ポリマーとスルホン酸基を有する水溶性ポリマーとの混合物
・分散剤(D)−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業社製、商品名:ユーメックス 1001、酸価:26mg/g、軟化点(JIS−K2531):154℃)
Figure 2017124531
[基材フィルムの製造例1]
表1記載の吸水層用の樹脂組成物(a)と、コア層用の樹脂組成物(f)とを、250℃に設定した2台の押出機でそれぞれ溶融混練し、これを共押出Tダイ内で積層してシート状に押し出し、次いで冷却装置にて80℃まで冷却して無延伸の樹脂シートを得た。この樹脂シートを140℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、更に160℃にて2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットして1軸延伸された基材フィルムを得た。延伸ゾーン以外の領域における樹脂シートと基材フィルムの搬送速度は、延伸後に100m/minとなるように制御した。これらの基材フィルムの物性(吸水層の空孔率、吸水層の厚さ、コア層の厚さ、密度、不透明度、液体吸収容積)は表2に示すとおりであった。
[基材フィルムの製造例2〜4、10]
基材フィルムの製造例1において、吸水層用の樹脂組成物およびコア層用の樹脂組成物を表2記載の通り変更したこと以外は、製造例1と同様にして基材フィルムを得た。
[基材フィルムの製造例5〜7]
基材フィルムの製造例1において、吸水層用の樹脂組成物を表2記載の通り変更し、延伸倍率を8倍に変更したこと以外は製造例1と同様にして基材フィルムを得た。
[基材フィルムの製造例8、9]
基材フィルムの製造例1において、表1記載の吸水層用の樹脂組成物(b)および(c)と、コア層用の樹脂組成物(f)とを、250℃に設定した3台の押出機でそれぞれ溶融混練し、これを共押出Tダイ内で表2記載の順に積層して3層のシート状に押し出し、次いで冷却装置にて80℃まで冷却して無延伸の樹脂シートを得たこと以外は製造例1と同様にして基材フィルムを得た。
[基材フィルムの製造例11]
コア層用の樹脂組成物(f)を、250℃に設定した押出機で溶融混練して、これをTダイよりシート状に押し出し、これを冷却装置にて80℃まで冷却して無延伸の樹脂シートを得た。この樹脂シートを140℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、その後60℃にて冷却して1軸延伸された基材フィルムを得た。次いで、吸水層用の樹脂組成物(a)を、250℃に設定した2台の押出機で溶融混練して、これをTダイよりシート状に押し出し、上記の1軸延伸された基材フィルムの両面に積層して3層構造の積層物を得た。
この3層積層物を、テンターオーブンを用いて再び155℃の延伸温度まで加熱した後、テンター延伸機を用いたクリップ延伸法にて樹脂シートの幅方向(横方向)に8倍の延伸倍率で延伸し、更にオーブンで160℃まで加熱して2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットして逐次、2軸延伸された1軸/2軸の2層基材フィルムを得た。樹脂シートと基材フィルムの搬送速度は、120m/minに制御した。
[基材フィルムの製造例12、13]
基材フィルムの製造例11において、吸水層用の樹脂組成物およびコア層用の樹脂組成物を表2記載の通り変更したこと以外は製造例11と同様にして基材フィルムを得た。
[基材フィルムの製造例14]
表1記載の吸水層用の樹脂組成物(b)と、コア層用の樹脂組成物(g)とを、250℃に設定した2台の押出機でそれぞれ溶融混練し、これを共押出Tダイ内で積層してシート状に押し出し、次いで冷却装置にて80℃まで冷却して無延伸の樹脂シートを得た。この樹脂シートを140℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、更に160℃にて2秒間熱処理を行った。その後60℃にて冷却して1軸延伸された2層基材フィルムを得た。次いで、この2層積層物を、テンターオーブンを用いて再び155℃の延伸温度まで加熱した後、テンター延伸機を用いたクリップ延伸法にて樹脂シートの幅方向(横方向)に8倍の延伸倍率で延伸し、更にオーブンで160℃まで加熱して2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットして逐次、2軸延伸された2軸/2軸の2層基材フィルムを得た。樹脂シートと基材フィルムの搬送速度は、120m/minに制御した。
[基材フィルムの製造例15]
基材フィルムの製造例14において、吸水層用の樹脂組成物を表2記載の通り変更したこと以外は製造例14と同様にして基材フィルムを得た。
[基材フィルムの製造例16]
基材フィルムの製造例14において、表1記載の吸水層用の樹脂組成物(b)および(c)と、コア層用の樹脂組成物(g)とを、250℃に設定した3台の押出機でそれぞれ溶融混練し、これを共押出Tダイ内で表2記載の順(b/c/g)に積層して3層のシート状に押し出し、次いで冷却装置にて80℃まで冷却して無延伸の樹脂シートを得たこと以外は製造例14と同様にして基材フィルムを得た。
[基材フィルムの製造例17]
基材フィルムの製造例1において、延伸倍率を4倍に変更したこと以外は製造例1と同様にして基材フィルムを得た。
Figure 2017124531
<受像層の作製>
(ポリウレタンウレア樹脂の合成例1)
アジピン酸と1,2―プロパンジオール(プロピレングリコール)から得られる数平均分子量2000のポリエステルジオール(以下「PPA」)120部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール(以下「PPG」)80部、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」)50部、(NCO/OH=1.95)、およびメチルエチルケトン(以下「MEK」):トルエン=50:50の混合溶剤62.5部を窒素気流下に80℃で3時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤を得た。次いでイソホロンジアミン(以下「IPDA」)17.7部、ジブチルアミン(以下「DBA」)0.1部をMEK:トルエン=50:50の混合溶剤562.4部に混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマー溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価1.2mgKOH/g、質量平均分子量50000のポリウレタンウレア樹脂溶液PU1を得た。
(ポリウレタンウレア樹脂の合成例2〜5)
表3に示す原料を用い、合成例1と同様の方法により、ポリウレタン樹脂溶液PU2〜PU5を得た。また本発明に使用したポリオールの数平均分子量は、水酸基価からポリマーが全てジオール分子であると仮定し、計算により求めた。
Figure 2017124531
(受像層樹脂組成物の製造例A1)
ポリウレタン樹脂PU1を15部、ケトン樹脂(荒川化学社製 K-90、固形分30%のMEK溶液)25部、酸化チタン(石原産業社製 タイペークCR−93 シリカ‐アルミナ処理酸化チタン)を25部、シリカ粒子(水澤化学社製 粒子径2.6μm)3.0部、ポリエチレンワックス(三井化学社製 100P HP10A)2.0部、 MEK:トルエン=50:50の混合溶剤30部をディスパーで30分を混合し、アイガーミルで15分間練肉して受像層樹脂組成物S1を得た。
(受像層樹脂組成物の製造例A2〜7)
表4に示す原料および配合比率にて、製造例A1と同様の方法により、受像層樹脂組成物S2〜S7を得た。
(受像層樹脂組成物の比較製造例T1〜T7)
表4に示す原料および配合比率にて、製造例1と同様の方法により、受像層樹脂組成物T1〜T7を得た。
Figure 2017124531
<インクジェット記録用紙評価>
(実施例1)
混合溶液(トルエン:MEK=50:50)を用いて、受像層樹脂組成物S1の粘度が17秒(25℃、ザーンカップNo.3)になるように希釈し、製造例4の基材にバーコーター♯6で塗工して実施例1のインクジェット記録用紙を得た。
(実施例2〜21、比較例2〜15)
表5に示す基材、受像層樹脂組成物、塗工条件を用いて実施例2〜21、比較例2〜15のインクジェット記録用紙を得た。
(比較例1)
表5に示す基材のみをインクジェット記録用紙とした。
(比較例16)
合成非晶質シリカ(商品名:サイリシア#445、富士シリシア化学社製)を100部、酸化澱粉(商品名:エースA,王子コーンスターチ社製)を70部、カルボキシ変性SBRラテックス(商品名:0573、Tg=−9℃、JSR社製)を40部、および水を混合し、固形分濃度9%の受像層樹脂組成物T8を製造し、塗工して受像層を得た。得られた受像層は、以下のアンダーコート層用塗工剤を用いて基材フィルムと接合し、インクジェット記録用紙を得た。即ち、炭酸カルシウム(商品名:カルライトSA、白石工業社製)を100部、SBRラテックス(商品名:0589、Tg=0℃、JSR社製)を100部、および純水を混合し、固形分濃度14%のアンダーコート層用塗工剤を用いた。
Figure 2017124531
<インクジェット特性評価>
各実施例および比較例について、ぬれ張力試験用混合液浸透性評価、乾燥性評価、インク定着性評価、ドット滲み評価、乾燥印字密着評価、耐水印字密着評価、乾燥擦過性評価および耐水擦過性評価を行った結果を表6、表7に示す。
Figure 2017124531
Figure 2017124531
実施例に示す通り、基材フィルムに空孔率が25〜50%の第一層を少なくとも有する吸水層を少なくとも設け、且つ上述した本実施形態に係る受像層を用いることにより、優れた印刷適性を有することがわかる。これに対し、受像層を設けずに基材フィルムのみを用いた比較例1においては、インク定着性等が実用範囲外であることがわかる。また、本実施形態に係る受像層を用いた場合であっても、吸収層の第一層の空孔率が25〜50%の範囲を満たさない、若しくは吸収層の第一層に親水化剤を含まないインクジェット記録用紙は、インク定着性、あるいは耐水擦過性などのインクジェット評価において実用範囲外となった(比較例4−8参照)。更に、本実施形態に係る基材フィルムを用いた場合であっても、受像層が上述した(1)〜(3)を満たさないインクジェット記録用紙は、インクジェット評価のいずれかにおいて問題があった(比較例9〜15参照)。これに対し、本発明の受像層および基材フィルムを用いることにより、インク膜厚によらずに優れた印刷適性を有することがわかる(実施例6〜10参照)。
1:インクジェット記録用紙、2:基材フィルム、3:受像層、20:吸水層、21:第一層、22:第二層、25:コア層

Claims (4)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に受像層が積層された水性インクジェット用のインクジェット記録用紙であって、
    前記基材フィルムは、単層または複層からなる吸水層を具備し、
    前記吸水層は、熱可塑性樹脂および親水化剤を含み、且つ前記基材フィルムの最表層を構成する第一層を少なくとも有し、
    前記第一層の断面の空孔率は25〜50%であり、
    前記受像層は、ポリウレタンウレア樹脂、ケトン樹脂、酸化チタン、シリカ粒子およびポリオレフィン系ワックスを含有し、且つ下記(1)〜(3)を満たすインクジェット記録用紙。
    (1)前記ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が0.5〜2mgKOH/g、質量平均分子量が40,000〜60,000である。
    (2)前記ポリウレタンウレア樹脂と前記ケトン樹脂との固形分質量比、[ポリウレタンウレア樹脂]/[ケトン樹脂]が50/50〜30/70である。
    (3)前記シリカ粒子と前記酸化チタンの質量比、[シリカ粒子]/[酸化チタン]が19/81〜40/60である。
  2. 前記ポリウレタンウレア樹脂は、
    ジフェニルメタンジイソシアネート化合物由来の構造単位と、ジオール化合物由来の構造単位を有するポリウレタンブロックと、
    有機ジアミン化合物由来の鎖延長ユニットとを有し、
    前記ポリウレタンブロックと前記鎖延長ユニットは、ウレア結合により結合されており、
    前記有機ジアミン化合物由来のアミノ基を少なくとも有し、
    前記ジフェニルメタンジイソシアネート化合物由来の構造単位と、前記ジオール化合物由来の構造単位のモル比〔ジフェニルメタンジイソシアネート〕/〔ジオール〕が、1.5〜2.3である請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記吸水層は少なくとも2層の複層からなり、前記第一層の直下層に配置される第二層の空孔率が、前記第一層の空孔率と同等以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記受像層上方から、表面張力が36.0mN/mの第一液体を滴下して5分間放置した時、前記基材フィルム内に前記第一液体が浸透し、
    前記受像層上方から、表面張力が56.0mN/mの第二液体を滴下して5分間放置した時、前記基材フィルム内に前記第二液体が浸透しない請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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